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第2章 労働争議の調整等 [PDFファイル/536KB]

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第2章 労働争議の調整等 [PDFファイル/536KB]
第2章
労働争議の調整等
第1節 調整事件の概況
1 調整区分別申請件数
最近5年間の申請件数は、次表のとおりである。
平成23年の調整事件の申請件数は16件で、前年に比べ5件減少した。
(単位:件)
年次別
調整区分
あ
っ
せ
平成19年
平成21年
平成22年
平成23年
ん
27
24
18
21
16
調
停
1
0
0
0
0
仲
裁
0
0
0
0
0
28
24
18
21
16
計
2
平成20年
業種別申請件数
最近5年間の申請件数は、次表のとおりである。平成23年は、医療、福祉が4件(25.
0%)と最も多く、次いで卸売業、小売業が3件(18.8%)と続いている。
(単位:件)
業
年次別
種
平成 平成
19年 20年
業
年次別
種
※注
農 林 漁 業 、 鉱 業
0
0
0
0
0
建
設
業
0
0
建
設
業
2
1
1
製
造
業
1
1
製
造
業
2
1
1
1
0
電気・ガス・熱供給・水道業
0
0
0
業
0
0
情
業
1
1
0
業
3
6
運 輸 業 、 郵 便
業
5
2
0
卸 売 ・ 小 売 業
3
0
卸 売 業 、 小 売
業
3
1
3
金 融 ・ 保 険 業
1
1
金 融 業 、 保 険
業
0
0
0
不
業
0
1
不動産業、物品賃貸業
0
2
0
飲 食 店 、 宿 泊 業
3
1
学術研究、専門・技術サービス業
0
0
2
医
祉
4
6
宿泊業、飲食サービス業
0
3
1
教育、学習支援事業
7
1
生活関連サービス業、娯楽業
1
0
1
複合サービス事業
0
3
教 育 、 学 習 支 援 業
0
4
1
サ
5
4
医
祉
1
2
4
0
0
複 合 サ ー ビ ス 事 業
0
1
0
サ
業
3
3
2
務
0
0
0
電気・ガス・熱供給・水道業
情
報
運
通
信
輸
動
療
ー
産
、
ビ
公
福
ス
業
務
計
28 24
※注 平成21年より日本標準産業分類
改訂に伴う区分変更
農林漁業、鉱業、採石業、砂利採取業
平成 平成 平成
21年 22年 23年
報
療
ー
通
、
ビ
公
計
- 17 -
信
福
ス
18 21 16
3
申請者別申請件数
最近5年間の申請者別申請件数は、次表のとおりである。
例年1~2件は使用者側からも申請されているが、平成23年は組合側からの申請の
みであった。
(単位:件)
年次別
申請者
組
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
合 側 申 請
27
23
16
19
16
使 用 者 側 申 請
0
1
2
2
0
双
1
0
0
0
0
28
24
18
21
16
方
申
請
計
4
平成19年
合同労組関与及び駆け込み訴え事件申請件数
合同労組が関与した申請件数と、そのうち駆け込み訴え事件の申請件数は、次表の
とおりである。
平成23年は、合同労組の関与件数が全体の87.5%を占め、合同労組関与件数に占め
る駆け込み訴え事件の割合は57.1%(全体では50.0%)となった。
(単位:件)
年次別
項
目
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
合同労組関与件数
22
17
16
16
14
駆け込み訴え事件件数
9
7
6
5
8
(注) 「駆け込み訴え事件」とは、労働者が調整事件となりうる状況が発生した後に合
同労組に加入し、加入の契機となった事項を調整事項として当該組合から申請のあ
った事件をいう。
5
組合規模別申請件数
最近5年間の組合規模別申請件数は、次表のとおりである。
(単位:件)
年次別
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
7(25)
5(20)
4(17)
7(20)
1(15)
99人
6( 3)
9( 4)
5( 1)
6( 1)
5( 1)
100人~ 299人
9( 0)
5( 0)
1( 0)
3( 0)
1( 0)
300人~ 499人
2( 0)
4( 0)
6( 0)
1( 0)
4( 0)
500人~ 999人
0( 0)
0( 0)
0( 0)
0( 0)
0( 0)
1,000人~4,999人
4( 0)
1( 0)
2( 0)
4( 0)
5( 0)
5,000人以上
0( 0)
0( 0)
0( 0)
0( 0)
0( 0)
28(28)
24(24)
18(18)
21(21)
16(16)
組合規模
29人以下
30人~
計
(注) ( )内件数は、当該事業所における組合員数により分類したものである。
- 18 -
6
事件関係企業における組合の組織状況
最近5年間の状況は、次表のとおりである。
(単位:件)
年次別
区
分
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
組合が1つだけのもの
21
17
14
19
13
組合が2つ以上のもの
7
7
4
2
3
28
24
18
21
16
計
7
申請における調整事項別件数
平成23年は、団交促進が14件(63.6%)で最も多く、次いでその他の賃金要求及び解
雇が各々3件(13.6%)となっている。
(単位:件)
年次別
調整事項
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
団
交
促
進
24
16
14
15
14
賃
金
増
額
0
0
0
0
0
年 末 ・ 夏 季 手 当
0
1
0
0
1
賃 金 体 系 改 訂
0
0
1
0
0
その他の賃金要求
5
4
2
4
3
経
事
1
1
0
0
0
雇
4
0
5
2
3
その他の労働条件
2
2
0
2
1
組合活動に関する要求
0
4
0
0
0
協約及び契約の履行
4
2
1
0
0
非 組 合 員 の 範 囲
0
0
0
0
0
40
30
23
23
22
営
・
解
計
人
(注) 1件の申請に複数の調整事項が含まれることもあるので、本表の計と申請件数
の計は一致しない。
- 19 -
8
終結状況
最近5年間の終結状況は、次表のとおりである。
平成23年は、前年からの繰越しを含めて15件を処理し、2件が翌年に繰越しとなっ
た。
(単位:件)
年次別
終結区分
前年からの繰越し
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
1
1
5
3
1
28
24
18
21
16
29
25
23
24
17
20
7
9
13
8
0
0
0
1
0
20
7
9
12
8
係
新
規
申
請
属
計
解
決
調整活動中自主解決
あっせん案・調停案
受諾
終
取
下
げ
1
2
2
3
4
打
切
り
7
11
9
7
3
調整活動中未解決
(不調)
1
5
3
4
2
事情聴取拒否
6
6
6
3
1
0
0
0
0
0
28
20
20
23
15
1
5
3
1
2
結
状
況
移
管
計
翌年への繰越し
(注) 「打切り」欄中の「調整活動中未解決」は第1回調整期日開催以後打ち切った
もの。また「事情聴取拒否」は第1回調整を開催することなく打ち切ったもの。
9
解決率
最近5年間の解決率は、次表のとおりである。
(単位:%)
解
決
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
74.1
38.9
50.0
65.0
72.7
率
(注) 解決率は、終結事件の解決件数/(終結事件数-取下・移管件数)× 100により
算出した。
なお、解決件数には、あっせん活動が自主解決に影響を及ぼし、取下書が提出
された事件を含む。
- 20 -
10
調整処理日数別取扱件数
最近5年間の処理件数を処理日数別にみると、次表のとおりである。
平成23年の平均処理日数は、36.7日となった。
(単位:件(日))
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
1 ~ 10日
3
0
0
1
1
11 ~ 20日
3
5
2
1
1
21 ~ 30日
11
2
6
3
3
31 ~ 50日
7
10
4
9
6
51日以上
4
3
8
9
3
0
0
0
0
1
28
20
20
23
15
30.0
37.3
47.3
51.6
36.7
年次別
処理日数
調整員指名前取下げ
計
平均処理日数
(注) 平均処理日数は、調整員指名から終結までの日数を平均したものである。
11
事件終結までの平均調整回数
最近5年間の事件終結までの平均調整回数は、次表のとおりである。
(単位:回)
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
1.3
1.4
1.9
1.6
1.3
平 均 調整 回数
(注) 平均調整回数は、終結事件の総調整回数/(終結事件数-あっせん等未開催事件数)
により算出した。
- 21 -
12
平成 23 年取扱事件一覧表
22年繰越事件
調
区
事件番号
22(調)21 号
整
分
あっせん
事
業
者
の
業
種
社会保険・社会福祉・介護事業
申請者
区 分
組合
形態
組合員数
従業員数
使
合同
労組
14
129
申請者
区 分
組合
形態
組合員数
従業員数
23年新規申請事件
調
区
事件番号
整
分
事
業
者
の
業
種
23(調)1号
あっせん
医療業
労
企業
労組
91
1,000
23(調)2号
あっせん
職業紹介・労働者派遣業
労
合同
労組
350
(1)
800
23(調)3号
あっせん
その他の教育、学習支援業
労
合同
労組
50
(7)
300
23(調)4号
あっせん
宿泊業
労
合同
労組
55
(1)
①260
②4
23(調)5号
あっせん
職別工事業
労
合同
労組
400
(1)
9
23(調)6号
あっせん
その他の事業サービス業
労
合同
労組
1,845
(1)
319
23(調)7号
あっせん
専門サービス業
労
合同
労組
40
(1)
2
23(調)8号
あっせん
社会保険・社会福祉・介護事業
労
合同
労組
240
(13)
132
23(調)9号
あっせん
①映像・音声・文字情報制作業
②その他の小売業
労
合同
労組
2,000
(10)
①4,373
②10
23(調)10 号
あっせん
社会保険・社会福祉・介護事業
労
合同
労組
400
(2)
27
23(調)11 号
あっせん
窯業・土石製品製造業
労
合同
労組
1,425
(2)
27
(注)1
2
3
申請者区分は、申請者が労働組合か使用者かを示す。
組合員数欄の括弧書きは、当該事業所の組合員数で、内数である。
処理日数は、調整員指名から終結までの日数である。
- 22 -
調
整
事
項
H22.12.17
H22.12.20
H23.1.31
団体交渉の促進
調
整
申請年月日
指名年月日
終結年月日
事
項
団体交渉の開催
団体交渉の開催
団体交渉の促進
団体交渉の開催
① 解雇撤回
② 退職金の支払い
団体交渉の促進
団体交渉の開催
団体交渉の促進
団体交渉の開催
① 団体交渉の開催
② 懲戒解雇の撤回
① 夏季一時金問題の解決
② 団体交渉の促進
申請年月日
指名年月日
終結年月日
H23.1.19
H23.1.19
H23.1.27
H23.3.31
H23.4.1
H23.4.25
H23.4.19
H23.4.19
H23.5.16
H23.5.6
H23.5.10
H23.6.10
H23.5.11
H23.5.11
H23.5.27
H23.6.20
H23.6.22
H23.8.11
H23.6.28
H23.6.30
H23.9.9
H23.7.8
H23.7.11
H23.9.6
H23.7.11
H23.7.12
H23.8.3
H23.7.12
H23.7.12
H23.8.26
H23.10.5
H23.10.6
H23.11.7
調
整
員
公益
労側
使側
終結
区分
田中
浅山
石村
(案)解決
43
1
26
処理
日数
調整
回数
頁
調
整
員
処理
日数
調整
回数
頁
公益
労側
使側
終結
区分
後藤
品川
佐藤
取下げ
9
-
27
後藤
上野
鈴木
(案)解決
25
1
28
植田
上田
福山
打切り
28
1
29
五十君
山城
見城
(案)解決
32
1
30
大石
(桂)
藤吉
大石
(昌)
取下げ
17
-
31
川嶋
髙島
佐藤
取下げ
51
1
32
野田
浅山
鈴木
(案)解決
72
2
33
後藤
品川
大石
(案)解決
(昌)
58
2
34
田中
上田
福山
(案)解決
23
1
35
植田
上野
石村
打切り
46
-
36
五十君
山城
松岡
打切り
33
1
37
- 23 -
事件番号
調
区
整
分
事
業
者
の
業
種
申請者
区 分
組合
形態
組合員数
従業員数
23(調)12 号
あっせん
専門サービス業
労
企業
労組
3
50
23(調)13 号
あっせん
保健衛生
労
合同
労組
2,000
(2)
789
23(調)14 号
あっせん
その他の卸売業
労
合同
労組
350
(12)
不明
23(調)15 号
あっせん
洗濯・理容・美容・浴場業
労
合同
労組
44
(1)
3
23(調)16 号
あっせん
その他の卸売業
労
合同
労組
1,419
(1)
20
- 24 -
調
整
事
項
雇い止め問題の解決
誠実団体交渉の開催等
団体交渉の開催
団体交渉の開催
団体交渉の開催
申請年月日
指名年月日
終結年月日
H23.10.14
H23.10.17
H23.10.24
H23.10.24
H23.12.2
H23.10.25
-
H23.11.1
H23.11.1
H23.11.1
H23.11.7
H23.11.8
H23.12.14
調
整
員
終結
区分
処理
日数
調整
回数
頁
公益
労側
使側
大石
(桂)
藤吉
見城
24年
に繰越
野田
髙島
佐藤
(案)解決
40
2
39
-
-
-
取下げ
-
-
40
田中
浅山
鈴木
24年
に繰越
後藤
品川
- 25 -
大石
(案)解決
(昌)
38
41
37
1
42
第2節
各調整事件の概要
22(調
2(調)21号
21号
あっせん事件
22 年 12 月 17 日申請
23 年 1月 31 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
Y労働組合K分会
X社会福祉法人
業 種:社会保険・社会福祉・介護事業 組合員:14 人
従業員:129 人
〔調整事項〕団体交渉の促進
〔調整事項〕
〔調整期日〕1月
31 日
〔調整期日〕
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
22 年 11 月 16 日、被申請組合から申請法人に対し、分会結成通知及び年末一時金
の引き上げ等を内容とする団交の申し入れがあった。
12 月 16 日、第1回団交を行ったが、法人側出席者が4名であったのに対し、組
合側出席者は約 25 名であった。法人は、自らが用意した会議室(約 10 畳)に組合
員全員が入った上で団交を行うことは困難であると判断し、せめて今回に限って 10
名以内に出席者を抑えるよう組合に対して要望したが、組合がこれを拒否したため、
実質的な協議を行うことができなかった。
<福岡県労働委員会年報 平成 22 年版、49 頁参照>
〔労使の主張〕
申請者(使用者)
被申請者(組合)
第1回団交時、法人側出席者が4名で
組合結成後、初めての団交であったの
あったのに対し、組合側出席者は約25名 で、可能な限り団交に出席するよう呼び
であったため、10名以内に出席者を抑え かけを行った。
るよう要望したが、組合が応じなかった
法人は、出席人数が多いことを理由に
ため、実質的な協議ができなかった。
一方的に交渉を打ち切った。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を行い、以下のあっせん案を提示
し、あわせて口頭補足を行ったところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 労使双方は、第1回団体交渉を開催するため、開催日時、場所、出席人数、議
題等について早急に事前折衝を行うこと。
2 労使双方は、相互尊重の精神に立脚し、誠実に交渉を行うこと。
(口頭補足の要旨)
1 事前折衝の出席者は、労使それぞれ3名以内とすること。
2 本件あっせん案は、第1回団交を開催するために示すものであり、その後の団
交ルールについては労使双方の協議に委ねるものであること。
- 26 -
23(調
3(調)1号
あっせん事件
23 年1月 19 日申請
23 年1月 27 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
組合員:91 人
Y市病院局
業 種:医療業
従業員:1,000 人
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔終結事由〕取下げ
〔終結事由〕
〔申請概要〕
申請組合と被申請者Y市との間では、職員の異動について事前協議を行う労使慣
行が存在するにもかかわらず、23 年1月 17 日、市は組合に事前協議することなく、
正規職員2名に対し、同月 24 日付けの異動内示を発令した。
23 年4月に行われる市の組織改編に向けて、今後労使間で職員の人事異動に関す
る協議が見込まれていることもあり、組合としては、今回の労使慣行を無視した市
の行為を認めることはできないとして、異動内示の撤回と、今回の事態に至った経
緯の説明を議題とする団交開催を要求したが、市からの回答はなく、団交は開催さ
れなかった。
〔あっせんの経過・内容〕
団体交渉を行うことになったとして、1月 27 日、組合が取下書を提出し、本件は
終結した。
- 27 -
23(調
3(調)2号
あっせん事件
23 年3月 31 日申請
23 年4月 25 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
Y株式会社
組合員:350 人
業 種:職業紹介・労働者派遣業
(うち被申請者従業員1人)
従業員:800 人
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔調整期日〕4月
25 日
〔調整期日〕
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
〔申請概要〕
21 年5月、Aは、派遣社員としてZ社に派遣され、設計業務に従事していた。同
年8月頃から就業環境が原因で体調が悪くなり、その後Z社の上司によるパワーハ
ラスメントが原因で、さらに体調が悪化した。
23 年2月7日、Aは、同月8日から 13 日まで休業するよう被申請会社から指示
され、同月 14 日、Aは会社に対し、2月末まで自宅療養が必要な旨の診断書を提出
したところ、会社はAに対し、同月 21 日付の雇止通知書により、3月 21 日付けで
雇止めとする旨を通知した。
3月 14 日、Aは申請組合に加入し、組合から会社に対して、Aの組合加入通知及
び団交申入書を送付したところ、会社は、団交申入書に係る質問事項を掲げるとと
もに、当該質問事項に対して組合が回答した後に団交に応じる旨回答した。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
会社は、Aの従来の雇用期間を変更し、
正当な理由なく雇止めにした。
会社は組合に対し、組合の申入書に係
る質問事項を掲げるとともに、当該質問
事項に対して組合が回答した後に団交に
応じる旨回答した。
被申請者(使用者)
Aの健康状態を考慮すると、労務の提
供が行われない可能性が高く、契約の再
締結は適当ではないと判断した。
組合の主張の具体的根拠等が明確でな
く、団交を行うことが困難であるため、
質問しているものである。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を行い、以下のあっせん案を提示
したところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 会社と組合及びAは、23 年3月 21 日をもって会社とAとの雇用関係が終了し
たことを確認する。
2 会社は、組合に対し、本件紛争の解決金を支払う。
- 28 -
23(調
3(調)3号
あっせん事件
23 年4月 19 日申請
23 年5月 16 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
Y株式会社
組合員:50 人
業 種:その他の教育、学習支援業
(うち被申請者従業員7人)
従業員:300 人
〔調整事項〕団体交渉の促進
〔調整事項〕
〔調整期日〕5月
16 日
〔調整期日〕
〔終結事由〕打切り
〔終結事由〕
〔申請概要〕
被申請会社は、Aらを講師として雇用し、期間を1年とする有期雇用契約を3年
以上継続して更新してきた。
22 年7月、Aらは申請組合に加入し、労働条件について団交を行った。
8月、会社が講師全員に対し、有期雇用契約の締結を求めたため、団交において
組合は、現在Aらの雇用は期間の定めのない契約となっており、有期雇用契約を締
結することは労働条件の不利益変更であると主張したところ、会社は、一旦はこれ
に同意したうえで、今後は有期雇用契約に改める意向であることを示した。しかし、
その後の団交において、会社は、Aらの雇用は現在も有期雇用契約であると主張し
て以前の発言を撤回した。また、会社は、Aが自己負担した教室運営経費の支払を
請求したことについて、一度は支払いの意向を示したにもかかわらず、団交におい
てこれを拒否し、Aの行為を非難する発言を行った。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
会社とAらとの間の雇用契約は、現在
では期間の定めのない契約となってい
る。このことは、団交で既に合意済みで
あったにもかかわらず、会社が後の団交
で撤回したのは不誠実である。
イベント等で教室運営経費に不足が発
生し、Aが自己負担した金額の支払いを
求める。また、会社がAの行為を非難し
たことは不当労働行為に当たる。
被申請者(使用者)
有期雇用契約を複数回継続して更新し
ていることを以て、期間の定めのない契
約になっているとは考えていない。団交
での合意は、当時の出席者個人の勘違い
によるものである。
教室運営経費は既定の手当内で賄うべ
きで、不足分について事前に承諾を得る
ことなく自らの判断で支出し、事後的に
請求されても容認できない。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を図ったが、双方の主張の隔たり
は大きく、これ以上の調整は困難であると判断し、あっせんを打ち切った。
- 29 -
23(調
3(調)4号
〈申請者〉
あっせん事件
23 年5月 6日申請
23 年6月 10 日終結
〈被申請者〉
①Y株式会社、②Y株式会社O支店
業 種:①②宿泊業
従業員:①260 人、②4人
X労働組合
組合員:55 人
(うち被申請者従業員1人)
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔調整期日〕6月
10 日
〔調整期日〕
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
23 年3月 25 日、Aが被申請会社O支店の支配人に対して、勤務に関する要望書
を提出したところ、同月 28 日、支配人はAに対して解雇通告を行った。
4月 14 日、Aは申請組合に加入し、同月 18 日、組合から会社の本店及びO支店
(以下これらを「会社」という。)に対して、Aの組合加入通知及び団交要求書を送
付した。
4月 26 日、会社は組合に対し、Aは自らの意思で雇用契約を合意解約したもので
あり解雇ではないこと、雇用保険に遡及加入すること、解決金を支払う用意がある
こと等のほか、団交には、会社の代理人として、弁護士のみが出席する旨回答した
ため、組合は、弁護士のみの出席で団交を開催しても合意形成が難しいと判断した。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
被申請者(使用者)
会社が、団交には代理人弁護士のみが
会社は、具体的な解決案を示しており、
出席すると回答したため、団交での合意 また、団交開催場所も代理人弁護士が組
形成は困難であると判断した。
合事務所を訪問する予定である。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を行い、以下のあっせん案を提示
し、併せて口頭補足を行ったところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 会社と組合及びAは、23 年6月 10 日をもって会社とAとの雇用関係が終了し
たことを確認する。
2 会社は、組合に対し、本件紛争の解決金を支払う。
3 会社と組合及びAは、本あっせん案の内容を当事者以外の第三者に公表・公開
しないものとする。
(口頭補足の要旨)
あっせん案第3項は、労使双方に対するものであり、会社側支配人及び副支配人
に対しても同様に適用されるものである。
- 30 -
23(調
3(調)5号
あっせん事件
23 年5月 11 日申請
23 年5月 27 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
Y株式会社
組合員:400 人
業 種:職別工事業
(うち被申請者従業員1人)
従業員:9人
〔調整事項〕①解雇撤回、②退職金の支払い
〔調整事項〕
〔終結事由〕取下げ
〔終結事由〕
〔申請概要〕
Aは、14 年間にわたり被申請会社において営業事務の業務に従事していた。
23 年4月 12 日、Aは業務に関連して会社の会長から罵声を浴びせられたため、
精神的に動揺し、代替の人を雇うことを勧める発言を残して、その日は退社した。
翌 13 日、出社したAに対して会長は自宅待機を命じ、4月 15 日、会社はAに対し、
度重なる職場放棄を理由として5月 15 日付でAを解雇する旨の解雇予告通知書を
送付した。
4月 18 日、Aは申請組合に加入し、5月6日、Aの解雇撤回及び退職金の支払い
等を求めて第1回団交が開催されたが、会社はAの言動は懲戒解雇にあたるため退
職金は支払わない旨主張するほか、組合に対する非難を繰り返すなどして、実質的
な協議に至らなかった。
〔あっせんの経過・内容〕
Aの解雇を普通解雇とするなど、会社がAの要求に応じたことを理由として、A
から組合に対し、本件あっせんを取り下げたい旨の申し出があったため、5月 27
日、組合が取下書を提出し、本件は終結した。
- 31 -
23(調)6号
あっせん事件
23 年6月 20 日申請
23 年8月 11 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合F本部
Y株式会社
組合員:1,845 人
業 種:その他の事業サービス業
(うち被申請者従業員1人)
従業員:319 人
〔調整事項〕団体交渉の促進
〔調整事項〕
〔調整期日〕7月
28 日
〔調整期日〕
〔終結事由〕取下げ
〔終結事由〕
〔申請概要〕
23 年4月下旬、契約社員Aは被申請会社に対し、体調不良を理由とした3日間の
休暇を申し出たうえ診断書を提出したところ、会社から退職を勧奨され、5月2日、
Aは申請組合に加入した。
5月3日、Aは会社から病気が完治するまで出社しないよう言われたため、同月
6日、会社に対して、職場復帰が可能である旨の診断書を提出し、翌7日から出社
することとなった。一方、5月6日、組合は会社に対して、Aの組合加入通告書及
び要求書を送付した。
5月7日、Aが出社すると、今までとは違う業務に従事するよう指示された。ま
た、同日、Aは会社から、5月1日から7月末日までを契約期間とする雇入通知書
の交付を受けた。しかし、5月 10 日、Aは会社から同日付けの自宅待機命令書を交
付され、休業手当も支払われない状態となったため、5月 27 日、組合は第 1 回団交
において、自宅待機命令の撤回、休業補償の支払等を求めたが、会社はこれらを拒
否した。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
Aは、会社から自宅待機命令書の交付
を受け、休業手当も支払われない状態と
なった。
第1回団交において、組合は自宅待機
命令の撤回、休業補償の支払等を求めた
が、会社はこれらを拒否した。
被申請者(使用者)
Aの体調が優れないこと、業務ミスに
対する度重なる指導にもかかわらず改善
されなかったこと、その他業務上個人情
報を取り扱うこと等を考慮すると、現時
点での業務継続は困難であると考える。
〔あっせんの経過・内容〕
8月 11 日の第2回あっせん当日、Aが事前に示されたあっせん案に納得できない
として組合を脱退したため、組合が当事者不在となったとして同日付けで取下書を
提出し、本件は終結した。
- 32 -
23(調
3(調)7号
あっせん事件
23 年6月 28 日申請
23 年9月 9日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
Y(個人)
組合員:40 人
業 種:専門サービス業
(うち被申請者従業員1人)
従業員:2人
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔調整期日〕①8月
24 日、②9月9日
〔調整期日〕
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
22 年3月、Aは、作業アシスタントとして被申請者Yに採用された。同年 12 月
21 日、Aは、労働条件が当初提示された内容とは異なっていたことやパワーハラス
メントがひどかったことなどから、Yに対し退職を申し出た。
23 年2月 16 日、AはYに対して未払賃金を請求したが拒否され、労働基準監督
署も、Aが労基法上の労働者であるか否か判断できないとの認識を示した。その後、
Aは申請組合に加入し、4月 26 日、組合はYに対して団交を申し入れた。4月 28
日、Yの代理人から組合に対し、AとYは業務委託関係にあり、未払債務の存否は
民事訴訟で判断されるべきで、団交で解決するものではないとの回答があった。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
AとYは雇用関係にあり、未払賃金の
支払についての団交を求める。
Aに実際支給された賃金は、採用時に
提示された額より低く、2、3ヶ月した
ら徐々に増額するとの約束も守られなか
った。
被申請者(使用者)
AとYは業務委託関係にあったことか
ら、団交での解決にはなじまない。
Aは技量不足であったが、Yの元での
作業を強く希望し交通費と若干の作業料
程度の支払という条件で納得したため、
受け入れた。作業内容に不相応な破格の
額を支払ったと認識している。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を行い、以下のあっせん案を提示
したところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 Yは、組合に対し、本件紛争に係る解決金を支払う。
2 Yと組合及びAは、本件紛争に係る事項(メール等の内容を含む。)及び本あっ
せん案の内容について、一切、第三者に公表・口外しない。
- 33 -
23(調
3(調)8号
〈申請者〉
あっせん事件
23 年7月8日申請
23 年9月6日終結
〈被申請者〉
Y社会福祉法人
業 種:社会保険・社会福祉・介護事業
従業員:132 人
X労働組合
組合員:240 人
(うち被申請者従業員 13 人)
〔調整事項〕団体交渉の促進
〔調整事項〕
〔調整期日〕①8月9日、②9月6日
〔調整期日〕
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
前回あっせん事件(22(調)21 号事件 26 頁参照)において、労使双方は、第1回
団体交渉を開催するため、事前折衝を早急に行うことで合意した。
23 年5月 31 日、被申請法人は申請組合に対し、7月 31 日付けでデイサービス事
業を休止し、同事業に従事する全職員4名を特別養護老人ホーム(以下「特養」と
いう。)の介護職に配置転換する方針を示した。当該4名については夜間勤務や職種
変更が発生するなど労働条件の変更が大きく、組合は労使合意の上での事業休止及
び事業休止の理由説明等を求めて、4回にわたり団交を重ねたが、進展しなかった。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
被申請者(使用者)
労使合意を前提としたデイサービス事
特養の人員不足を補うため、デイサー
業の休止及び事業休止の合理的な理由の ビス事業を休止し、同事業に従事する4
説明を求める。
名を配置転換することとした。
第1回あっせん後の特養への配置転換
夜間勤務ができない個別事情の説明を
等通告で、4名は退職を余儀なくされた。 再三求めたが、組合は回答しなかった。
〔あっせんの経過・内容〕
第1回あっせんにおいて、あっせん員会は、前回あっせん事件の趣旨に則り、双
方が相手に求める情報を事前に提示したうえで8月中に団交を開催することを勧め
た。しかし、8月 25 日の団交は不調に終わり、同月 30 日、法人が組合員4名に対
し9月1日からの配置転換等を通告したところ、4名は8月 31 日付けで退職した。
組合が引き続きあっせん開催を求めたため、第2回あっせんにおいて、あっせん
員会は、第1回あっせん以降の経過及び双方の主張を踏まえ種々調整を図り、以下
の口頭勧告を行ったところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(口頭勧告の要旨)
デイサービス事業廃止等に伴う労働条件の変更を含めた問題について、組合は、
団交の申し入れを行うか否か検討し、法人は、組合から新たな団交申し入れがあっ
た場合は、法令に従って対応すること。
- 34 -
23(調
3(調)9号
あっせん事件
23 年7月 11 日申請
23 年8月 3日終結
〈申請者〉
〈被申請者〉
X労働組合F本部
①Y1株式会社、②Y2株式会社
組合員:2,000 人
業 種:①映像・音声・文字情報制作業②その他の小売業
(うち被申請者Y2従業員 10 人) 従業員:①4,373 人、②10 人
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔調整期日〕
〔調整期日〕8月3日
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
被申請会社Y2は、23 年5月 31 日に開催された株主総会で、解散を決議し、6月
1日、申請組合と協議することなく、6月 30 日付で組合員8名を解雇すると通知し
た。
これに対し、6月 10 日、組合は、団交を申し入れたが、Y2は、日程の都合で拒
否し、その後も応じなかった。このため、6月 30 日、組合は、ストライキを通告し、
同日から7月 10 日までストライキを実施した。また、6月 30 日、組合は、被申請
会社Y1とY2に団交申入書を提出したが、Y1は団交申入書の受取りを拒否した。
7月5日、Y2と組合は同月 11 日に団交を開催することで合意していたが、同月
10 日、Y2がストをやめないと明日の団交はしないと発言した。結局、このまま物
別れとなり、組合は、同月 31 日までストを実施することを通告し、ストライキを続
行した。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
会社は、解散に伴い、組合と協議する
ことなく、組合員8名を解雇すると通知
した。これに対して組合は、団交申し入
れをするが、会社は、日程の都合で拒否
し、その後も団交申し入れに応じない。
被申請者(使用者)
会社の経営状況は説明していたので、
事業廃止をすることは分かっていたはず
である。解雇を通知した日に、団交を予
定していたが、開催できなかった。会社
としては、団交を拒否するつもりはない。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ、以下のあっせん案を提示したところ、双
方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 労使双方は、相互尊重の精神にのっとり、団体交渉申入書の要求事項について、
誠実に団体交渉を行う。
2 第1回団体交渉については、8月 10 日までに速やかに行う。
- 35 -
23(調
3(調)10号
10号
あっせん事件
23 年7月 12 日申請
23 年8月 26 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
Y有限会社
組合員:400 人
業 種:社会保険・社会福祉・介護事業
従業員:27 人
(うち被申請者従業員2人)
〔調整事項〕①団体交渉の開催、②懲戒解雇の撤回
〔調整事項〕
〔終結事由〕打切り
〔終結事由〕
〔申請概要〕
23 年6月 10 日、被申請会社は、Aについて経理業務上の不手際を理由として、
また、Bについて具体的な理由を示さず、両名に対し同日付の懲戒解雇を通知した。
6月 16 日、A及びBは申請組合に加入し、翌 17 日、組合は会社に対し、懲戒解
雇の撤回等を要求事項とする団交申入書を送付した。同月 21 日、会社は組合に対し、
社長の心身が不調であること等の理由から、現在は団交に応じ難い状態であること
を文書回答した。6月 24 日、組合は会社に対し、代理人出席による団交を申し入れ
たが、7月3日、会社は、代理人選定が困難である旨書面にて回答し、団交に応じ
なかった。
〔あっせんの経過・内容〕
7月 13 日、事務局は会社に対し、あっせん申請書等の写しを送付し、あっせんに
応じるよう検討を促したが、会社からの返答はなかった。同月 19 日以降、事務局が
会社に対し、事務局調査調書の送付と併せて、再度あっせん出席についての検討を
促したところ、会社は、社長が現在体調不良で加療中のため、本人又は代理人によ
る8月下旬のあっせん対応は困難であること、及び本人の体調が回復次第あっせん
に応じる意向であることを主張したが、その回復の見通し等は示さず、あっせん応
諾に関する意思は曖昧であった。
8月 10 日、あっせん員会は会社に対し、9月下旬のあっせんに応じるよう文書に
より再考を求めたが、会社からの回答は得られなかった。
あっせん員会は、会社の対応が不明確な状態で本件を引き続き継続することは不
適当であると判断し、8月 26 日、あっせんを打ち切った。
- 36 -
23(調
3(調)11号
あっせん事件
23 年 10 月5日申請
23 年 11 月7日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合F本部
Y株式会社
組合員:1,425 人
業 種:窯業・土石製品製造業
(うち被申請者従業員2人)
従業員:27 人
〔調整事項〕①夏季一時金問題の解決、②団体交渉の促進
〔調整事項〕
〔調整期日〕11
〔調整期日〕 月7日
〔終結事由〕打切り
〔終結事由〕
〔申請概要〕
23 年6月8日、申請組合は被申請会社に対し、夏季一時金の要求書を提出した。
6月 28 日、第1回団交を開催したところ、会社は経営状況が厳しいことのみを説
明し、夏季一時金の具体的な金額は示さなかった。なお、昨年の夏季一時金の平均
額は、一昨年の2割減であった。
7月 16 日、第2回団交において、会社は夏季一時金の額について、一律 20 万円
との回答を行った。
8月6日、第3回団交を開催したが、会社の主張が変わらなかったため、組合は
夏季一時金の仮払いを要求し、会社は同月 12 日に一律 20 万円を支払った。
その後、2回の団交を行い、組合が、同組合の組合員がいる同業他社の妥結状況
について、会社と同様に業績が悪化している中でも昨年と同額で妥結していること
等を主張したのに対し、会社は経営状況が厳しいことを説明するのみで一律 20 万円
との回答は変わらず、交渉は進展しなかった。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
被申請者(使用者)
会社は経営状況が厳しいことを説明す
業界が置かれた状況は厳しく、また、
るのみで、夏季一時金の一律 20 万円支給 経営的に限界に近い状況となったため、
との回答を変えようとしない。
夏季一時金の額を一律 20 万円と提示し
ているものである。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を図ったが、双方の主張の隔たり
は大きく、これ以上の調整は困難であると判断し、あっせんを打ち切った。
- 37 -
23(調
3(調)12号
12号
あっせん事件
23 年 10 月 14 日申請
〈申請者〉
〈被申請者〉
X労働組合
組合員:3人
Y財団法人
業 種:専門サービス業
従業員:50 人
〔調整事項〕雇い止め問題の解決
〔調整事項〕
〔申請概要〕
被申請法人は、相談業務にあたるアドバイザーカウンセラー(以下「AD」とい
う。)を1年の有期雇用契約で雇い入れ、適宜、継続更新してきた。法人は、雇い入
れ及び更新時に継続更新の上限期間を明示したことはなく、現在法人F支部では5
名のADのうち2名が継続して8年間雇用されている。
22 年 12 月、法人は、F支部のADに対し、8年間を上限として雇止めする方針
であることを文書で示し、23 年6月、法人はADの新規募集を行った。
6月 25 日、F支部のAD3名は組合を結成し、6月 27 日、組合は、法人に対し
て組合結成通知書と雇止め方針の撤回等を内容とする団交開催要求書を提出した。
8月8日、第1回団交において、法人は、ADと法人との法的関係について、A
Dの業務は専門性が高いことから労働契約ではなく、委任契約としての性質が存在
していること、仮に労働契約であるとしても8年を超えて契約を更新しないという
慣行があること等を主張した。10 月 12 日、第2回団交においても法人は前回と同
様の主張を繰り返すばかりであり、交渉は決裂した。
〔あっせんの経過・内容〕
調
整
- 38 -
中
23(調
3(調)13号
13号
あっせん事件
23 年 10 月 24 日申請
23 年 12 月 2日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合F本部
Y社団法人
組合員:2,000 人
業 種:保健衛生
(うち被申請者従業員2人)
従業員:789 人
〔調整事項〕誠実団体交渉の開催等
〔調整事項〕
〔調整期日〕①11
月 15 日、②12 月2日
〔調整期日〕
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
19 年9月 21 日、申請組合と被申請法人は、定年年齢の 60 歳に達する組合員Aに
ついて、64 歳まで再雇用する旨の労働協約を締結し、法人はAを継続雇用してきた。
23 年3月以降、6回の団交において、組合は、Aについて、65 歳を超えて再雇用
する企業が多い社会情勢やAの経済状況を考慮し再雇用を1年延長すること、及び
組合員Bの定期昇給を実施することを要求した。法人は、Aについては退職慰労金
の支給等を提案して再雇用延長を拒否し、Bについては明確な回答をしなかった。
9月 16 日の組合の団交申し入れに対し、法人は、同月 27 日、Aに係る交渉打ち切
りを通知し、10 月 18 日、退職慰労金の提案を撤回するなど不誠実な対応を行った。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
Aの再雇用の1年延長を求めて団交し
たが、法人が、規程等を理由に延長を拒
み、後任の従業員を雇用して一方的に交
渉を打ち切り、退職慰労金の提案を撤回
したのは不誠実な対応である。
Bの定期昇給がなされず、法人はその
理由を明確にしなかった。
被申請者(使用者)
Aに係る交渉は尽くしたと考える。再
雇用規程、労働協約、契約書に 64 歳迄の
再雇用と明記され、Aは納得していたは
ずである。退職慰労金提案は、Aから受
諾の回答がなかったため撤回となった。
昇給は個人毎に査定して行う。Bは勤
務態度が査定に影響し昇給しなかった。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を図り、以下のあっせん案を提示
し、併せて口頭補足を行ったところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 労使双方は、Aに係る再就職の可能性又は退職慰労金支給の検討、及びBの昇
給に関する事項について誠実に交渉を行い、早急に解決を図ることとする。
2 労使双方は、本件紛争の円満な解決に向けた対応をする。
(口頭補足の要旨)
これまでの交渉の経緯を踏まえたうえで、早急に団交を開催すること。
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23(調
23(調)14号
14号
あっせん事件
23 年 10 月 25 日申請
23 年 11 月 1日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合
Y株式会社
組合員:350 人
業 種:その他の卸売業
(うち被申請者従業員 12 人)
従業員:不明
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔終結事由〕取下げ
〔終結事由〕
〔申請概要〕
23 年4月、被申請会社は、企業買収に伴い、経営者が交代し、従業員の業務量及
び給与の積算に変更が生じた。
7月7日、カウンセラー13 名と事務職2名は、経営者の交代による安定的雇用と
今後の労働条件について不安を抱いて、申請組合に加入して分会を結成した。7月
20 日、組合は、会社に組合加入通知と団交申し入れを行い、2回の団交が開催され
た。
しかし、その後、8月 26 日の組合からの団交申し入れに対し、会社代理人弁護士
からの連絡は途切れがちとなり、団交は開催されなかった。このため、組合は、10
月 14 日、抗議と再度の団交申し入れを行ったが、会社からは何の連絡もなかった。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん申請後、会社の申し出により団交が開催されたとして、組合は、11 月1
日取下書を提出し、本件は終結した。
なお、あっせん申請当日に、組合から取下げの意向が示されたため、あっせん員
の指名はされなかった。
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23(調
3(調)15号
あっせん事件
23 年 11 月1日申請
〈申請者〉
〈被申請者〉
X労働組合
組合員:44 人
(うち被申請者従業員1人)
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
Y(個人)
業 種:洗濯・理容・美容・浴場業
従業員:3人
〔申請概要〕
23 年9月6日、被申請者Yは、Aが勤務する店舗の閉鎖及び同店の従業員に対す
る 10 月6日付解雇を口頭で通告した。
9月7日、Aは、売上げ低下を解雇理由とする解雇理由証明書を受領した。
9月9日、Aは申請組合に加入し、同日、組合はYに対して団交を申し入れた。
9月 15 日、第1回団交を開催し、組合が雇用保険への加入、有給休暇の付与等を
要求したところ、Yは、後日、雇用保険の加入手続きを行った。
9月 26 日、AはYに対し、体調不良のため自宅療養する旨の診断書を添えて、有
給休暇の取得を書面で申し入れた。しかし、10 月5日、Aが9月分給料明細を確認
すると、有給休暇の取得が認められておらず、欠勤扱いとされていた。
その後、組合からYに対し、未払い賃金の催告書及び団交申入書を郵送したが、
いずれも受取り拒否のため返戻されてきた。
〔あっせんの経過・内容〕
調
整
- 41 -
中
23(調
3(調)16号
)16号
あっせん事件
23 年 11 月 7日申請
23 年 12 月 14 日終結
〈被申請者〉
〈申請者〉
X労働組合F本部
Y株式会社
組合員:1,419 人
業 種:その他の卸売業
(うち被申請者従業員 1人)
従業員:20 人
〔調整事項〕団体交渉の開催
〔調整事項〕
〔調整期日〕12
〔調整期日〕 月 14 日
〔終結事由〕(案)解決
〔終結事由〕
〔申請概要〕
Aは、19 年間にわたり被申請会社出張所の事務職員として勤務していた。23 年
10 月3日、会社はAに対して、突然口頭で、11 月 25 日付の解雇を予告した。Aは、
会社に対して解雇理由を書面で通知するよう求めたが、会社は、Aに対し、解雇理
由証明書を交付せず、逆に2年前の事務的ミスについての始末書の提出を求めた。
10 月 17 日、Aは申請組合に加入し、組合は会社に対して、10 月末日までの団交
開催の申し入れを行ったところ、会社から組合に対して「諸般の事情により 10 月末
日までは交渉には応じられないので、11 月以降に文書で返事する。」という文書が
届いた。しかし、その後、会社からは何の連絡もなかった。
〔労使の主張〕
申請者(組合)
会社がAの解雇予告をしたので、Aは
解雇理由証明書を求めたが、会社は未だ
交付しない。それにもかかわらず、始末
書を提出するよう強要が続いている。組
合は、団交開催を要求するが、会社は応
じない。
被申請者(使用者)
解雇理由証明書は、簡単には交付でき
ない。Aは、非を認め、始末書を書くこ
とを了承していたが、その後、提出を拒
否している。団交は、日程的に都合がつ
かなかったためであり、団交に応じない
とは言っていない。
〔あっせんの経過・内容〕
あっせん員会は、双方の主張を踏まえ種々調整を行い、以下のあっせん案を提示
したところ、双方ともこれを受諾し、本件は解決した。
(あっせん案の要旨)
1 Aは、12 月 25 日付で会社都合により退職し、会社はAの退職金を支給する。
2 会社は、退職金については、中退協からAに直接振り込まれる金額を差し引い
た残額を振り込む。
3 会社は、12 月 25 日までの給与を従前どおりAに支払う。
4 会社は、組合に対して本件紛争の解決金を支払う。
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第3節 争議行為の予告及び実情調査
労働関係調整法第 37 条による公益事業の争議行為の予告通知の状況(ただし、当委員
会あて及び当委員会経由のみ)は、次のとおりとなっている。
1
争議行為の予告通知件数
業種
年次別
運
輸
事
平成 19 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
業
11
13
10
10
6
郵便・電信・電話の事業
0
0
0
0
0
水道・電気・ガス供給の事業
0
0
0
0
0
医療・公衆衛生の事業
3
4
3
2
2
14
17
13
12
8
計
2
平成 20 年
争議行為の予告通知一覧表
区
番
分
号
1
中
通
知
者
エアーニッポン乗員組合
争
議
事
項
安全に関する要求等
受付年月日
H23.2.15
争議行為
実施予定日
H23.3.2
以降
2
福岡県医療労働組合連合会
春闘要求、職場要求
H23.3.1
H23.3.16
以降
県
3
日本通運門司港湾常傭労働組合
賃上げ、一時金要求等
H23.3.10
H22.3.24
以降
4
全日本港湾労働組合九州地方本部
夏季一時金に関する要求
H23.6.17
H23.6.28
以降
5
中
6
ANAグループ乗員組合
福岡県民医連労働組合連合会
安全確保とグループの健
全な発展に関する要求
H23.9.2
年末一時金等
H23.10.31
H23.9.20
以降
H23.11.11
以降
7
全日本港湾労働組合九州地方本部
年末一時金等
H23.11.8
H23.11.19
以降
8
エアーネクスト乗員組合
労働条件に関する要求等
H23.12.21
H24.1.17
以降
(注)(1) 表中の区分は予告通知先を示すもので、
「中」とは、中労委会長あての通知で、当委員会が受け付けたもの、
「県」とは、当委員会会長あてに通知のあったもの。
(2)
番号2の争議行為の相手方は、次のとおりである。
独立行政法人労働者健康福祉機構(九州労災病院、九州労災病院門司メディカルセンター)、公益社団法人地
域医療振興協会(飯塚市立病院)、(財)福岡県社会保険医療協会(大牟田吉野病院)、国家公務員共済組合連合会
(千早病院)
、(社)全国社会保険協会連合会(久留米第一病院、直方中央病院)
、(財)厚生年金事業振興団(九州
厚生年金病院)、社会福祉法人恩賜財団済生会(済生会福岡総合病院)、(財)平成紫川会(小倉記念病院)、社会福
祉法人北九州市福祉事業団(北九州市立総合療育センター)
、(学)久留米大学(久留米大学医学部附属病院、久
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留米大学医療センター)
、(医)和光会(一本松すずかけ病院)、(医)昌和会(見立病院)、日本赤十字社(福岡赤十字
病院)
、(医)永寿会(シーサイド病院)、社会福祉法人小倉新栄会(新栄会病院)、(社)福岡医療団(千鳥橋病院、同
付属歯科診療所、たたらリハビリテーション病院、大楠診療所、城浜診療所、新室見診療所、粕屋診療所、た
ちばな診療所、千代診療所、須恵診療所、新飯塚診療所、田川診療所、直方診療所)
、(財)健和会(大手町病院、
同付属歯科診療所、戸畑けんわ病院、おさゆきリハビリテーション病院、京町病院、緑町診療所、町上津役診
療所、大里大川診療所)
、(医)親仁会(米の山病院、米の山歯科診療所、みさき病院、中友診療所、中央診療所、
野ばら診療所、さかき診療所)、くるめ医療生活協同組合(生協クリニック南町)
(3)
番号4及び番号7の争議行為の相手方は、次のとおりである。
博多港運株式会社、博多海陸運送株式会社、株式会社九商コーポレーション、九州商船株式会社、株式会
社小値賀共運組、合資会社吉田海運産業会社、合資会社仲村運輸、有限会社竹畑運送店、中川運輸株式会社、
鹿児島海陸運送株式会社、株式会社共進組、第一海運株式会社、鹿商海運株式会社
(4)
番号5の争議行為の相手方は、次のとおりである。
全日本空輸株式会社、エアーニッポン株式会社、ANAウイングス株式会社
(5)
番号6の争議行為の相手方は、次のとおりである。
(社)福岡医療団(千鳥橋病院、同付属歯科診療所、たたらリハビリテーション病院、大楠診療所、城浜診療
所、新室見診療所、粕屋診療所、たちばな診療所、千代診療所、須恵診療所、新飯塚診療所、田川診療所、
直方診療所)、(財)健和会(大手町病院、同付属歯科診療所、戸畑けんわ病院、中原歯科診療所、おさゆきリ
ハビリテーション病院、京町病院、緑町診療所、町上津役診療所、大里大川診療所)、(医)親仁会(米の山病
院、米の山歯科診療所、みさき病院、中友診療所、中央診療所、野ばら診療所、さかき診療所)
(6)
3
番号8の争議行為の相手方は、ANAウイングス株式会社である。
実情調査件数
本県では、労調法第 37 条に基づく争議行為予告通知があったものに対して、労委規則
第 62 条の2に基づいて実情調査を行っている。
平成 23 年は、調査件数 15 件のうち、8件が解決し、4件を打ち切りとし、残り3件
は次年に繰越しとなった。
(単位:件)
実情調査
前 年
新 規
件
繰越し
件 数
数
次 年
終 結 事 件
解 決
打切り
移 行
繰越し
終 結 時 の 段 階
A
B
C
平成 19 年
17
3
14
13
0
0
4
13
0
0
平成 20 年
21
4
17
12
3
0
6
15
0
0
平成 21 年
19
6
13
10
0
0
9
10
0
0
平成 22 年
21
9
12
14
0
0
7
14
0
0
平成 23 年
15
7
8
8
4
0
3
12
0
0
計
93
29
64
57
7
0
29
64
0
0
(注)表中の終結時の段階の「A、B、C」とは、次のことである。
A:実情把握の上、接触を保ち交渉の推移を見守ったもの
B:交渉の進展に努力したもの
C:交渉の仲立ちをし、争議を解決に導いたもの
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