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リハビリテーション 電話での聴き取り練習 1 電話が使えなくなったことが、耳が聞こえなく なって一番つらいことでした。 自立した人間じゃなくなった気がしたし、 何かあった時にどうしようかと心配だったし、 なんだか一人取り残されたような気がしたの です。人工内耳装用者のことば 電話は生活に欠かせないものです。家庭で、職場で、 そして社会生活で、私たちは電話を使っ ています。電話を使えないと日常生活に大きな影響があります。友人や家族と連絡をとること が困難であるため、社会的な付き合いも減っていくかもしれません。仕事にも影響があるか もしれません。 このような理由により、人工内耳の装用を考えている人たちは、人工内耳をつ けることで電話ができるようになることを望んでいるのです。 メドエルは先般、 メドエル社製人工内耳装用者の方々による電話使用についての調査を行 いました (Anderson他,2006)。 世界各国の 186 人の人工内耳装用者の方々が調査に協 力してくださいました。 その結果、70%が固定電話を使用しており(術前は8%)、一方60%は ある程度携帯電話を使えていることがわかりました。 よく知っている相手と身近な話題について話すことが最も容易であり、知らない相手に電話 をかけることが最も難しいことでした。調査に協力してくださったすべての装用者が固定電話 を使って電話をかけることに自信を持っており、65% は携帯電話を用いた場合でも自信が あると答えています。 このパンフレットは電話を用いた聴き取りの練習についてのいくつかの アイデアとより詳しい情報についての参考文献をご紹介しています。 2 電話を使った聴き取り練習で目指すこと • 目標と実現できそうな見通しを立てます。 現在の能力を知り今後の可能性を見極めます。 • 会話の予行練習をして評価を行い会話を構成する個々の要素の練習をします。 • 日常生活に即した場面での会話の練習を行います。 - 状況を設定しておき、電話での会話に前向きな経験が持てるようにします。 - 成功体験を重ねることで、聴くことに自信が持てるようにしていきます。 -会話を立て直す方法のレパートリーをつくっていきます。 -自分の言いたいことを伝え、電話の相手に対して主導的に会話ができるようにしていき ます。 • 練習では、 ご家族にも“電話仲間”として参加していただきます。 電話使用のアセスメント (Giles,2005) • 起こりうる問題点をはっきりさせておきます • 目標を決めます (例:COSI(Dillon et al,1997)を使う)。 • 練習の入門レベルを決めます。以下のものを用います (以下は海外のアセスメント例です) - Auditory-only discrimination scores - Paediatric Telephone Profile (Tait 他,2001) - Telephone scale (Spizer 他,1993) “電話でのエチケット” (Erber, 1985) 人工内耳装用者の方は、時に電話使用にあたってヒントが必要なことがあります。また、電 話での会話にはある程度決まった形式があることを知っておくと便利です。 • 電話での会話は一対一の会話よりも形式的です。 • 電話での会話は、始まり・中間・終わりの部分に分かれています。 • 電話での会話で予想される場面には次のようなものが含まれます。 - 挨拶・誰からの電話か認識 - 相手の機嫌、 話したいと思っているかどうかの推測 - 電話をかけた目的の明確化 - 会話に要する時間の明確化 - 会話内容に適切な質問 - 情報の交換 - 会話のしめくくり 3 準備しておくこと あらかじめある程度の準備をしておくことは、装用者の方が電話での会話を成功させるのに 役立ちます。 • 電話をかける前に、入手したい情報と質問事項を書きだしておきます • うまくいきそうな話題を考える⇒話題に出てきそうな語彙と質問を予想しておきます • ノートとペンを使って情報を書きとめます • “電話仲間”に練習相手になってもらいます 4 練習ガイドライン (Giles,2005) 電話での聴き取り練習は、初級から上級まで段階的に行っていきます。装用者の方のアセス メント結果のレベルに合わせた段階を選びます。 この方法はお子さんの練習を行う際には内 容を変更します。 ・受話器の構え方を練習します。 ・電話から聞こえるトーンの区別をします。 ・電話をかけた時の挨拶、切るときの挨拶、電話の相手の男女の区別、電話の相手が誰なの かの判別の練習をします。 ・簡単な質問に答えるための“作法”を練習します。 - この方法は、電話での会話があまり得意でない装用者の方がメッセージを伝えたい時に 役立ちます。 - 電話の相手は、 「彼女と会った?」 というような簡単な質問をします。 - 2種類の応答から一つを選んで答える練習をします。 (例: 「はい、 いいですよ」 と 「いいえ」、 「はい、 そうです」 と 「違います」 など)。 (例: 「はい結構です」 と 「いいえ」、 「はいそうです」 と 「いいえ」 など ・簡単な会話のテクニックを練習します。 - 会話を紙に書いたものを準備します。 - ひとつの名詞単語を用いた質問 (例: 「電車で行きましたか?」) -「 ~(または)~?」 を使った質問 (例: 「バスで行きましたか?車で行きましたか?」 - 答えが限られる質問 (例: 「何日に行きますか?」) - 手がかりはあっても答えが限られない質問 (例: 「どこで会いますか?」 ) ・決まったトピック/前後関係の手がかりを用いた練習 - 文に関連したトピックを使います - 答えが限られる質問の練習をします - 指示に続く課題を完成させる練習をします ・聴き取りを補う方法の練習 (Erber 1985) - 聴き返します - はっきりと言い直してもらいます - スペルを言って確認します - わかりやすい表現で言いなおしてもらいます ・同じテクニックを用いて電話を受ける練習をします 5 ・簡単な会話から難しい会話へ進みます - 1人の話者との想定された会話から、 より自由な会話へと進みます - 文の長さ・量・難易度を変えていきます。 - 電話の相手を変えて練習していきます。 - 会話の事前準備の程度を変えていきます。 - 電話器の種類を変えます。 - 聴取環境を変えていきます。 - スピーチトラッキングを行います。 ・会う約束をするなど、相互のやりとりの練習をします ・答えの決まっていない質問の 練習をします。 (例: 「好きなテレビ番組は何ですか?」) ・様々な背景音の下で練習をします。 電話の代わりになるものや補助的な機器 人工内耳装用者のコミュニケーション手段として、電話の代わりになるものや補助的な機器 についても知っておくと便利です。 ・FAX ・ポケットベル ・携帯メール ・e-mail ・電話リレーサービス ・電話用アダプター(オーディオケーブルを接続し、電話音声をスピーチプロセッサーに直接 入力) ・受話音量増幅器 ・スピーカーフォン ・携帯電話 ・テレビ電話 ・延長した呼び鈴 ・フラッシュライトインジケーター ・難聴用電話機 ・テレフォンヘッドセット 6 参考文献 • Anderson I, Baumgartner WD, Böheim K, Nahler A, Arnolder C, D’Haese P (2006) Telephone use: What benefit do people with a cochlear implant receive? International Journal of Audiology, 45: 446-53. • Carmel E, Kronenberg J, Wolf M, Migirov L (2011): Telephone use among cochlear implanted children. Acta Otolaryngol; 131(2):156-9. • Castro A, Lassaletta L, Bastarrica M, Prim MP, De Sarriá, Gavilán J (2006 Comparison of different mobile telephones in COMBI 40+ users, Acta Otolaryngol, 126:714-7 • Dillon H, James A, Ginis J (1997) Client oriented scale of improvement (COSI) and it’s relationship to several other measures of benefit and satisfaction provided by hearing aids, Journal of American Academy of Audiology, 8(1): 27-43 • Erber NP (1985) Telephone communication and hearing impairment, Taylor and Francis: London • Giles E (2005) Telephone training with a cochlear implant in Pedley K, Giles E, Hogan A (Eds) Adult cochlear implant rehabilitation, Whurr: London • Ricability, Stay in touch: A guide to telephones and services for older and disabled people, www.ricability.org.uk • Spitzer JB, Leder SB, Giolas TG (1993) Rehabilitation of late-deafened adults: Modular program manual, Mosby: St Louis • Tait M, Nikolopolous TP, Archbold S, O’Donoghue GM (2001) Use of the telephone in prelingually deaf children with a multichannel cochlear implant, Otology and Neurotology, 22: 47-52 • Wayner DS (1998) Hear what you’ve been missing: How to cope with hearing loss, John Wiley Publishing: New York • Wayner DS, Abrahamson JE (1998) Learning to hear again with a cochlear implant; Clinician Manual; A Personal Journal; User’s Guide, Hear Again Inc: New York 7 MED-EL GmbH Niederlassung Wien MED-EL UK Head Office MED-EL China Office [email protected] [email protected] [email protected] MED-EL Deutschland GmbH MED-EL UK London Office MED-EL Thailand [email protected] [email protected] [email protected] MED-EL Deutschland GmbH MED-EL Corporation, USA MED-EL Malaysia Büro Berlin [email protected] [email protected] MED-EL Latino America S.R.L. 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