Comments
Transcript
Keysight Technologies インピーダンス・アナライザの利点 – ネットワーク
Keysight Technologies インピーダンス・アナライザの利点 – ネットワーク・アナライザとの比較 Application Note 真の特性を解明 はじめに mΩ∼ MΩ、20 Hz ∼ 3 GHzという広い範囲で、きわめて正確にデバイスを評価できるのは、キーサイトのイン ピーダンス・アナライザだけです。Q値が高いコンポーネントの真の特性を明らかにできます。このアプリケー ションノートでは、真の特性評価が不可欠である理由と、インピーダンス・アナライザを用いて真の特性を評価 するための測定方法を紹介します。 真の特性評価の必要性 このアプリケーションノートで真の特性と呼んでいるのは、実際の条件(周波数、信号レベル、DC バイアス、温度)での電子デバイス、材料、コンポーネントの特性です。信頼できる特性を正確に 知る必要があります。コンポーネントがメーカーの仕様に適合している場合でも、回路に組み込ま れたときに別の特性を示すことがあります。このような問題が発生する理由として、工場によって 決められている標準仕様のテスト条件が、部品を使用する実際の動作条件と同じではないことが挙 げられます。さらに、仕様でカバーされていない特性が回路性能に影響を与えることも多く、それ を知らずに適切な動作ができると判断してしまうこともあります。多くの場合、測定システムに柔 軟性がないため、コンポーネントをテスト/選択する条件と実際の動作条件は異なります。 コンポーネントとPCBの特性は、それらを使用/測定する条件(周波数、信号レベル、温度など)に よって変化します。そのためQ値の高い回路をデザインするには、実際の動作条件でのコンポーネ ントとプリント回路基板(PCB)の特性を知る必要があります。電子デバイス/コンポーネントの製 造工場では、製品で使用する材料/コンポーネントを実際の動作条件で評価する必要があります。 図1. E4990A インピーダンス・アナライザと テストフィクスチャ 図2. E4991B インピーダンス・アナライザと テストフィクスチャ 03 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note コンポーネントの特性評価 一般的に、電気回路の性能は使用されている主要なコンポーネントによって決まります。回路性能 に適合する適切なコンポーネントを選択することが重要です。例えば、電圧制御発振器(VCO)回路 デザインでLC発振回路を使用する場合、使用するインダクタのQ値が発振器の位相雑音性能に影響 を与えます。Q値が減少(低下)すると、発振出力のノイズレベルが増加し、位相雑音も増加します。 インダクタのQ値は周波数によって変化するので、実際の発振周波数を測定する必要があります。 機械共振子(水晶/セラミック/ SAW共振子)もVCO回路に使用されます。発振周波数と可変周波 インダクタ 数レンジは使用する共振子に依存するので、共振子を実際に評価する必要があります。 図3. VCO回路 必要な測定性能 – インダクタの正確なQ測定 – 共振子に対応できる広いインピーンダンスレンジ(最大で数MΩ) PCBの回路/コンポーネントの特性評価 回路のデザインではコンポーネントの特性を実際の動作条件で評価することが重要ですが、研究開 発/品質保証の分野では、回路自体の動作を広い周波数全体で評価することも重要です。 電子回路のデザインでは、アンプやフィルター回路などの基本回路ブロックを最初にデザインして から回路全体を組み立てます。開発期間を短縮するために、回路を組み立てる前に各回路ブロック の特性を評価することがあります。各回路ブロック/コンポーネント間のインピーダンスを十分に 理解して整合する必要があるため、このような基本回路ブロックの入出力インピーダンスの評価は 非常に重要です。そのため、実際の動作条件でPCBパターン間のパターンインダクタンスや浮遊 容量の特性を把握する必要があります。 必要な測定性能 – プリント基板上のさまざまなコンポーネント/回路ブロックとの簡単な接続、広いインピー ダンスレンジの正確な測定 – 非常に小さいパターンインダクタンスや浮遊容量に対応できる広いインピーダンスレンジ (1 Ω∼ 1 MΩ) 図4. PCB上の回路 04 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 材料の特性評価 回路が複雑になり、密度やビットレートが高くなっているため、プリント基板(PCB)やサブスト 電極(面積=A) レート材料の複素比誘電率 (誘電率と誘電正接)が、回路性能に影響を与える重要なパラメータに 等価回路 なっています。そのため、実際の動作条件でPCBの誘電率を測定することが必要になります。 電子デバイス/コンポーネントの製造工場では、製品で使用する材料/コンポーネントを実際の動 作条件(周波数、温度など)で正確に評価する必要があります。 必要な測定性能 – 薄いシート材料の正確な誘電率測定 図5. 誘電材料用の平行板法 (正確な高インピーダンス測定) – 磁性材料の正確な透磁率測定 (正確な低インピーダンス測定) – 簡単な操作(サンプルの寸法を用いた計算の簡素化) (誘電率/透磁率の直接表示) オンウエハーの特性評価 MOS型半導体の製造プロセス中での評価に必要な酸化膜容量(Cox)、サブストレート不純物濃度 (Nsub)などのパラメータは、CV特性の測定結果から求められます。これらのパラメータを正確に 評価するために、厳密なCV測定が必要です。 オンウエハーのキャパシタ、インダクタ、MEMSなどのコンポーネント特性評価も実際の動作条 件で測定します。 必要な測定性能 – 非常に小さい容量の正確な測定 図6. オンウェーハ測定 (数pFの容量測定/1 fFの分解能) – 正確なDCバイアス設定(0.1 %の確度/1 mV分解能) – 低インダクタンス(nHレンジ) – 延長ケーブル/プローバによる追加誤差が小さい バイアス (V) 図7. 半導体のCV特性 05 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 真の特性を測定するためのインピーダンス測定機能 正確なインピーダンス特性を評価するには、以下の機能が必要です。 – 正確な高/低インピーダンス測定(1 Ω∼数MΩレンジ) – 正確な高Q/低損失測定 – 高い測定の安定度 インピーダンス測定器 表1. インピーダンス測定向けの汎用アナライザ 製品タイプ インピーダンス・ アナライザ ベクトル・ ネットワーク・ アナライザ モデル 測定手法 長所 短所 E4990A 自動平衡ブリッジ法 – 広いインピーダンスレンジ全体で 高い確度を実現 – 高い測定の安定度 – 高い周波数レンジは使用不可能 E4991B RF I-V法 – 高周波で、広いインピーダンス レンジ全体で高い確度を実現 – 高い測定の安定度 – テストヘッドで使用される変換回路に よる動作周波数レンジの制限 E5061B ネットワーク解析法 – 広い周波数レンジ – 高速測定 – インピーダンス測定レンジが狭い – 測定周波数の変更時に再校正が必要 自動平衡ブリッジ法またはRF I-V法により、真の特性を測定することができます。自動平衡ブリッ ジ法とRF I-V法は、電圧と電流の比がインピーダンスになるというオームの法則から導かれる線形 関係に基づいています。このように、理論的なインピーダンス測定感度が一定なので、広いイン ピーダンスレンジ全体で高い確度を実現できます。E4990A/E4991B インピーダンス・アナライ ザでは、レシーバーセクションを多重化してトラッキング誤差を回避して優れた測定の安定度を実 現しています。対照的に、DUTの反射係数を測定するネットワーク解析法では、インピーダンス 測定感度が制限されるため、正確なインピーダンス測定レンジ(Zx=Zo)が狭くなっています。測 定速度を優先するために、ネットワーク解析法では多重化レシーバーを採用していません。 Keysightインピーダンス・アナライザ仕様 周波数レンジ:20 Hz ∼ 120 MHz (E4990A オプション120) 基本確度:0.08% Zレンジ(確度10 %):25 mΩ∼ 40 MΩ 内蔵DCバイアス:0 V ∼±40 V/0 A ∼ ±100 mA インピーダンス[Ω] E4990A ネットワーク・アナライザ (E5061B) (Sパラメータ基準) E4991B 周波数レンジ:1 MHz ∼ 3 GHz (E4991B オプション300) 10 %確度レンジ 基本確度:0.65 % Zレンジ(確度10 %):120 mΩ∼ 52 kΩ 内蔵DCバイアス(オプション001):0 V ∼ ±40 V/0 A ∼ ±100 mA 周波数[Hz] 図8. E4990A/E4991B/E5061Bの10 %確度を実現 できるインピーダンス範囲 06 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 測定機能の比較 実際の測定機能の違いを確認するために、イン E4990A インピーダンス・アナライザの|Z|/Cp測定 ピーダンス・アナライザとネットワーク・アナ ライザの測定結果を比較します。 高インピーダンス測定 |z| 図9に 破 線 で 示 さ れ て い る10 pF SMDキ ャ パ シ タ の 代 表 的 な イ ン ピ ー ダ ン ス(20 Hz ∼ 120 MHz)を、E4990A イ ン ピ ー ダ ン ス・ ア ≦10 %の確度 ナライザとネットワーク・アナライザで測定 しました。周波数が低くなるとリアクタンス 20 100 1K 10 K 100 K 1M 10 M 120 M 100 K 1M 10 M 120 M 周波数(Hz) (1/ωC)が増加します。すなわち、周波数が低 くなると10 pFキャパシタのインピーダンスも 増加します。ここでは、E4990Aとネットワー ク・アナライザの高インピーダンス測定機能を 比較しています。 Cp 20 100 1K 10 K インピーダンス[Ω] 周波数(Hz) ネットワーク・アナライザの|Z|/Cp測定 ネットワーク・アナライザ (E5061B) (Sパラメータ基準) |z| ≦10 %の確度(代表値) 10 %確度レンジ 周波数[Hz] 20 100 1K 10 K 100 K 1M 10 M 120 M 100 K 1M 10 M 120 M 周波数(Hz) 図9. 10 pFキャパシタの周波数特性 図10は、E4990Aとネットワーク・アナライザ で10 pFキャパシタの|Z|/Cpを測定した結果で Cp す。E4990Aは、10 pFキャパシタの高インピー ダンスを正確に測定できます。10 pFキャパシ タのインピーダンスを測定する際のE4990Aの 測定確度は、周波数レンジのほぼ全体で10 % 以下です。 20 100 1K 10 K 周波数(Hz) 図10. E4990Aとネットワーク・アナライザの測定結果の例 07 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 低インピーダンス測定 E4990A インピーダンス・アナライザの|Z|/Ls測定 図11に 破 線 で 示 さ れ て い る22 nH SMDイ ン ダ ク タ の 代 表 的 な イ ン ピ ー ダ ン ス(20 Hz ∼ 120 MHz)を、E4990Aとネットワーク・アナ ≦10 %の確度 ライザで測定しました。周波数が低くなると リアクタンス(ωL)が減少し、最小インピーダ |z| ンスは巻線の抵抗(Rs)によって決まります。こ のように、周波数が低くなると22 nHインダク タのインピーダンスも減少します。ここでは、 E4990Aとネットワーク・アナライザの低イン 20 100 1K ピーダンス測定機能を比較しています。 インピーダンス[Ω] 10 K 100 K 1M 10 M 120 M 100 K 1M 10 M 120 M 周波数(Hz) Ls ネットワーク・アナライザ 20 100 1K (E5061B) 10 K 周波数(Hz) (Sパラメータ基準) ネットワーク・アナライザの|Z|/Ls測定 10 %確度レンジ 周波数[Hz] |z| 図11. 22 nHインダクタの周波数特性 ≦10 %の確度(代表値) 図12は、E4990Aとネットワーク・アナライザ で22 nH インダクタの|Z|/Ls を測定した結果 20 100 1K 10 K 100 K 1M 10 M 120 M 100 K 1M 10 M 120 M 周波数(Hz) です。 E4990Aは、22 nHインダクタの低インピーダ ンスを正確に測定できます。22 nHインダクタ のインピーダンスを測定する際のE4990Aの測 定確度は、周波数レンジ全体で10 %以下です。 Ls 20 100 1K 10 K 周波数(Hz) 図12. E4990Aとネットワーク・アナライザの測定結果の例 08 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 低D測定 E4990A インピーダンス・アナライザのCp/D測定 図13に 破 線 で 示 さ れ て い る10 pF SMDキ ャ パ シ タ の 代 表 的 な イ ン ピ ー ダ ン ス(20 Hz ∼ 120 MHz)を、E4990Aとネットワーク・アナ ライザで測定しました。ここでは、E4990Aと ネットワーク・アナライザの低D測定機能を比 ≦10 %の確度 Cp 較しています。 20 1K 100 10 K 100 K 1M 100 K 1M 10 M 120 M インピーダンス[Ω] 周波数(Hz) ネットワーク・アナライザ (E5061B) (Sパラメータ基準) D 10 %確度レンジ 20 100 1K 10 K 10 M 120 M 周波数(Hz) 周波数[Hz] ネットワーク・アナライザのCp/D測定 図13. 10 pFキャパシタの周波数特性 低損失(低D)キャパシタの場合、Xcに比べてR 値は非常に小さくなります。 ≦10 %の確度(代表値) Cp 20 100 1K 10 K 100 K 1M 10 M 120 M 100 K 1M 10 M 120 M 周波数(Hz) 図14. Dの式 D 図15は、E4990Aとネットワーク・アナライザで 10 pFキャパシタのCp/Dを測定した結果です。 低Dには、正確かつ安定したR値測定が必要で す。E4990Aは、10 pFキ ャ パ シ タ のDを 正 確 に測定できます。E4990Aが10 %の確度を実現 する周波数レンジは、10 pFキャパシタのイン ピーダンス特性レンジをほぼカバーしているの で、信頼できるD測定が行えます。 20 100 1K 10 K 周波数(Hz) 図15. E4990Aとネットワーク・アナライザの測定結果の例 09 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 高Q測定 E4991B インピーダンス・アナライザのLs/Q測定 図16に 破 線 で 示 さ れ て い る22 nH SMDイ ン ダクタの代表的なインピーダンス(1 MHz ∼ 3 GHz)を、E4991B インピーダンス・アナラ Ls イザとネットワーク・アナライザで測定しまし た。ここでは、E4991Bとネットワーク・アナ インピーダンス[Ω] ライザの高Q測定機能を比較しています。 ≦10 %の確度 10 M 1M 周波数(Hz) 100 M 1G 3G 1G 3G 1G 3G 1G 3G Q ネットワーク・アナライザ (E5061B) (Sパラメータ基準) Q値の変化(約5分後) 10 %確度レンジ Q 周波数[Hz] Δ0.008(0.02 %) 図16. 22 nHインダクタの周波数特性 低損失(高D)インダクタの場合、Xlに比べてR 10 M 1M 周波数(Hz) 値は非常に小さくなります。 100 M ネットワーク・アナライザのLs/Q測定 Ls ≦10 %の確度(代表値) 10 M 1M 周波数(Hz) 100 M 図17. Qの式 図18は、E4991Bとネットワーク・アナライザで Q 22 nHインダクタのLs/Qを測定した結果です。 高Qには、正確かつ安定したR値測定が必要で す。E4991Bは、22 nHキ ャ パ シ タ のQを 正 確 Q値の変化(約5分後) に測定できます。E4991Bが10 %の確度を実現 する周波数レンジは、22 nHインダクタのイン ピーダンス特性レンジをほぼカバーしているの で、信頼できるQ測定が行えます。 Q ネットワーク・アナライザのQ測定も同様に良 Δ0.198(0.5 %) 好に見えますが、短い測定間隔でも結果が安定 しないことがわかります。 1M 10 M 周波数(Hz) 100 M 図18. E4991Bとネットワーク・アナライザの測定結果の例 10 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 測定の安定度 E4990A インピーダンス・アナライザとネットワーク・アナライザの|Z|測定 一般的な測定ルーチンで統計解析用に多くのデ バイスを測定する場合、すべてを測定するのに 数時間かかります。時間が経過し環境温度が変 2 kΩ 化しても、測定器は継続的に確度を維持して測 50 Ω 定の一貫性を保つ必要があります。 1Ω 20 Hz ∼ 120 MHzの測定の安定度 図19に破線で示されている20 Hz ∼ 120 MHz の10 nF SMDキャパシタの代表的なインピー ダンスをE4990Aとネットワーク・アナライザ で測定しました。ここでは、E4990Aとネット 20 100 1K 10 K 100 K 1M 10 M 120 M 周波数(Hz) ワーク・アナライザの測定の安定度を比較して 1 Ωの測定安定度 います。 E4990A インピーダンス・アナライザ インピーダンス[Ω] ネットワーク・アナライザ ネットワーク・アナライザ (E5061B) 0 1時間 2時間 3時間 4時間 5時間 (Sパラメータ基準) 50 Ωの測定安定度 10 %確度レンジ 周波数[Hz] E4990A インピーダンス・アナライザ 図19. 10 nFキャパシタの周波数特性 ネットワーク・アナライザ 図20は、E4990Aと ネ ッ ト ワ ー ク・ ア ナ ラ イ ザで10 nFキャパシタのインピーダンスを室温 23 ℃で5時間測定したときの1 Ω/50 Ω /2 k Ω 0 1時間 2時間 3時間 4時間 5時間 の結果の変化を示しています。 ±5 ℃ 2 kΩの測定安定度 E4990Aの 結 果 は、 ネ ッ ト ワ ー ク・ ア ナ ラ イ ザよりも優れた測定確度を実証しています。 E4990Aは、10 nFキャパシタのインピーダン ス測定でも継続的に確度を維持できます。 E4990A インピーダンス・アナライザ ネットワーク・アナライザ ネットワーク・アナライザは電源投入時または テスト周波数などの設定を変更するたびに校正 する必要があります。E4990Aは校正する必要 はありません。 0 1時間 2時間 3時間 4時間 5時間 図20. E4990Aとネットワーク・アナライザの測定の安定度の例 11 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note 1 MHz ∼ 3 GHzの測定の安定度 図21に 破 線 で 示 さ れ て い る1 MHz ∼ 3 GHz の55 nH SMDインダクタの代表的なインピー ダンスをE4991Bとネットワーク・アナライザ で測定しました。ここでは、E4991Bとネット E4991B インピーダンス・アナライザとネットワーク・アナライザの|Z|測定 2 kΩ 50 Ω ワーク・アナライザの測定の安定度を比較して います。 1Ω 1M 10 M 100 M 1G 3G インピーダンス[Ω] 周波数(Hz) 1 Ωの測定安定度 ネットワーク・アナライザ (E5061B) (Sパラメータ基準) E4990A インピーダンス・アナライザ 10 %確度レンジ ネットワーク・アナライザ 周波数[Hz] 図21. 55 nHインダクタの周波数特性 0 1時間 2時間 図22は、E4991Bとネットワーク・アナライザ 3時間 4時間 5時間 50 Ωの測定安定度 で55 nHインダクタのインピーダンスを室温 23 ℃で5時間測定したときの1 Ω /50 Ω /2 k Ω の結果の変化を示しています。 E4991Bの 結 果 は、 ネ ッ ト ワ ー ク・ ア ナ ラ イ ザよりも優れた測定再現性を実証しています。 E4990A インピーダンス・アナライザ E4991Bは、55 nHインダクタのインピーダン ネットワーク・アナライザ ス測定でも継続的に確度を維持できます。 ネットワーク・アナライザは電源投入時または テスト周波数などの設定を変更するたびに校正 0 1時間 2時間 3時間 4時間 5時間 する必要があります。E4991Bも校正する必要 はありますが、校正後はより安定した測定確度 2 kΩの測定安定度 を実現できます。 E4990A インピーダンス・アナライザ ネットワーク・アナライザ 0 1時間 2時間 3時間 4時間 5時間 図22. E4991Bとネットワーク・アナライザの測定の安定度の結果の例 12 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note まとめ キーサイトのインピーダンス・アナライザは、50 Ωから離れた値を従来のネットワーク・アナラ イザよりも優れた測定の安定度で測定できます。さらに、インピーダンス・アナライザは、デバイ スの寄生成分と低い損失係数(低いD、低いESRまたは高いQ)を正確に測定できる点でも、ネット ワーク・アナライザよりも優れています。 電子デバイスの特性評価を行う際に必要なのは、正確で広範囲のインピーダンス測定、正確な高 Q/低損失測定、高い測定の安定度です。20 Hz ∼ 3 GHzの電子デバイスの真の特性を測定できる 機能を備えているのはインピーダンス・アナライザだけです。E4990Aは120 MHzまで、E4991B は3 GHzまでのインピーダンス測定が可能です。 追加情報 ウェブリソース www.keysight.co.jp/find/impedance www.keysight.co.jp/find/e4990a www.keysight.co.jp/find/e4991b カタログ E4990A、Brochure、5991-3888JAJP E4990A、Data Sheet、5991-3890EN E4990A、Configuration Guide、5991-3891EN E4991B、Brochure、5991-3892JAJP E4991B、Data Sheet、5991-3893EN E4991B、Configuration Guide、5991-3894EN 『LCRメータ、インピーダンス・アナライザ、テスト・フィクスチャ』、Selection Guide、 5952-1430JA 『インピーダンス測定アクセサリガイド』、5965-4792JA 『インピーダンス測定ハンドブック』、5950-3000JA 13 | Keysight | インピーダンス・アナライザの高度なインピーダンス測定機能、ネットワーク・アナライザとの比較 - Application Note myKeysight www.keysight.co.jp/find/mykeysight ご使用製品の管理に必要な情報を即座に手に入れることができます。 www.lxistandard.org LXIは、ウェブへのアクセスを可能にするイーサネットベースのテストシステム 用インタフェースです。Keysightは、LXIコンソーシアムの設立メンバーです。 www.keysight.com/go/quality Keysight Electronic Measurement Group DEKRA Certified ISO 9001:2008 Quality Management System 契約販売店 www.keysight.co.jp/find/channelpartners キーサイト契約販売店からもご購入頂けます。 お気軽にお問い合わせください。 キーサイト・テクノロジー合同会社 本社〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1 受付時間 9:00-18:00(土・日・祭日を除く) TEL 0120-421-345 (042-656-7832) FAX 0120-421-678 (042-656-7840) Email [email protected] www.keysight.co.jp © Keysight Technologies, 2015 Published in Japan, June 8, 2015 5992-0338JAJP 0000-00DEP www.keysight.co.jp