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バージョン5.2 - 計測エンジニアリングシステム
COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション MEMS モジュール マイクロエレクトロメカニカル (MEMS) シミュレーショ ン用ソフトウェア 計測エンジニアリングシステム株式会社 東京都千代田区内神田 1-9-5 井門内神田ビル 5F 2015 11.18 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 1.MEMS モジュールの概要 出典:https://www.comsol.jp/mems-module マイクロエレクトロメカニカルのシミュレーション マイクロエレクトロメカニカル (MEMS) の設計とモデル化は、ユニークな工学分野で す。極小領域で動作する共振子、ジャイロスコープ、加速度計、アクチュエータの設計 では、その動作時におけるいくつかの物理的現象の影響を考慮しなければなりません。 その点、COMSOL Multiphysics は MEMS への応用に最適です。この目的達成のため、 MEMS モジュールは、電磁場‐構造連成、伝熱‐構造連成、流体‐構造連成など、さまざ まな連成物理特性を対象に、モデル化ツールが関連付けられた定義済みのユーザーイン タフェース (フィジックスインタフェース) を備えています。モデルには、薄膜の気体 による減衰、固体材料と圧電材料の異方性損失係数、アンカー減衰、熱弾性減衰など、 さまざまな減衰現象を組み込むことができます。弾性振動と弾性波の場合、完全整合層 (PML) により、送出弾性エネルギーの最先端の吸収機能を提供します。 クラス最高の圧電モデル化ツールとピエゾ抵抗モデル化ツールでは、複合ピエゾ弾性誘 電材料を考えられるあらゆる構成で組み合わせることのできるシミュレーションが可能 です。MEMS モジュールには、定常/過渡領域だけでなく、完全連成による固有振動数、 パラメトリック、準定数、周波数応答解析機能が含まれています。静電容量、インピー ダンス、アドミッタンスのの集中定数パラメータ抽出、SPICE ネットリストによる外部 電気回路による外部回路への接続は、簡単に実行可能です。COMSOL Multiphysics® のコ ア機能上に構築された MEMS モジュールは、微小領域に関連するほとんど全ての物理現 象に適用可能です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ MEMS 装置モデル化のソリッドワークフロー MEMS 装置のモデルを作成するには、まず、COMSOL のネイティブモデル化ツールを使用 するか、CAD モデルをインポートしてソフトウェアでジオメトリを定義します。機械的 CAD モデルのインポートは、CAD インポートモジュール か、LiveLink™CAD の製品のど れかで行います。電子配置は、CAD インポートモジュールを利用してインポートできま す。ジオメトリモデルを定義できたら、次のステップでは、適切な材料を選択して、最 適なフィジックスインタフェースを追加します。初期条件と境界条件をインタフェース 内にセットアップします。次に、メッシュを定義してソルバを選択します。最後は、結 果とプロセスを視覚化して結果をエクスポートします。これらすべてのステップは、 COMSOL Desktop® からアクセスします。ソルバはデフォルト設定で自動的にセットアッ 2 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション プされます。設定はそれぞれのインタフェースに合わせて調整済みです。ただし、熟練 ユーザーの場合は、必要に応じて低レベルソルバの設定をアクセスして変更できます。 また、MEMS シミュレーションは Microsoft® Excel® と統合できます。LiveLink™ for Excel® では、結果と材料のインポート/エクスポートだけでなく、Excel® インタフェー スからシミュレーションを駆動できます。スクリプト記述環境が必要な場合、COMSOL Multiphysics と MATLAB をともにインストールしておけば、非常に強力な一連の MATLAB® 互換コマンドを LiveLink™ for MATLAB®で利用できます。その場合、COMSOL シ ミュレーションは MATLAB プログラムに統合できます。剛性とシステムマトリックスの 検査も含め、結果は COMSOL モデルから MATLAB 環境にエクスポートできます。 静電アクチュエータと電気機械技術 静電力は、装置のサイズ減少につれて増加し、MEMS ではこの事実をよく利用します。こ の領域における MEMS モジュールの代表的な用途には、静電力駆動の MEMS 共振回路が あり、DC バイアスの印可により動作します。MEMS モジュールには電気機械技術専用の フィジックスインタフェースがあり、MEMS 共振回路の場合、DC バイアスをかけた状態 の共鳴周波数の変化の計算に使用します。電位をかけると、連成した電気機械的システ ムの軟化によって周波数が減少します。装置が小さいと、シンプルな曲げモードでも、 MHz 単位の共鳴周波数が得られます。また、電磁力の増加により、マクロスケールでは 不可能な、効率的な容量性作動が可能になります。MEMS モジュールに同梱のモデルライ ブラリには、静電力駆動の MEMS 共振回路のステップバイステップの詳しいチュートリ アルが添付されています。さらに、この電気機械技術インタフェースを利用して等方性 電歪の効果を取り入れることができます。 圧電装置 圧電力も、デバイスのサイズの縮小に応じて増減します。さらに、圧電センサーとアク チュエータの動作はほとんどが線形であり、動作時に DC 電力を消費しません。水晶基 準発振器は、現在製造されている MEMS 構成要素の中では最も生産量の多いコンポーネ ントであり、毎年 10 億個以上のデバイスが製造されています。MEMS モジュールのフィ ジックスインタフェースは、他のさまざまな圧電装置同様、水晶発振器のシミュレート にも最適なインタフェースです。 MEMS モジュールに同梱のチュートリアルのひとつに、厚み滑り水晶発振器の機械的反応 が周波数応答における直列容量と、その効果とともに紹介されています。直列容量は、 水晶発振器の共振の調整や共振を引き起こす目的でよく利用されています。MEMS モジュ 3 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション ールでは、そのような組み合わせシミュレーションのために 2 次元モデルと 3 次元モ デルを SPICE 回路と組み合わせることができます。 熱アクチュエータと熱応力 熱的力の増減は、慣性力に比べれば良好です。通常、熱アクチュエータは容量アクチュ エータや圧電アクチュエータに比べて応答が遅いとはいえ、熱的力のおかげで、微視的 熱アクチュエータは、マイクロスケールでは実用的に十分な速度があります。また、熱 アクチュエータは、静電力や圧電力を利用したアクチュエータに比べて消費電力は多い のですが、半導体プロセスとのインテグレーションが簡単です。MEMS モジュールは、抵 抗損失の詳細な分布に関わる熱応力シミュレーションでジュール加熱に使用できます。 熱効果は、さまざまな用途で重要な被覆薄膜における熱応力をともなうさまざまな業務 用 MEMS テクノロジの製造でも重要な役割を果たしています。MEMS モジュールには、応 力、歪み場、主応力と 歪み、有効応力、変位場などに対応した、豊富な後処理機能と視 覚化機能機能を備えた熱応力計算専用のフィジックスインタフェースがあります。 柔軟性に富んだオープンアーキテクチャ COMSOL の設計では物理特性を重視しており、それぞれの機能で解いた方程式だけでな く、その基本方程式システムもすべてアクセスできます。さらにユーザー定義の方程式 や式をシステムに追加できる柔軟性も備えています。たとえば、温度依存の弾性特性の 構造におけるジュール加熱のモデルは、温度の関数として弾性定数を入力するだけで作 成できます。スクリプトの記述やコーディングは不要です。COMSOL が方程式をコンパイ ルすると、これらユーザー定義の式で生成された複雑な連成は方程式システムに自動的 に組み込まれます。その方程式は、有限要素法とさまざまな工業用強度ソルバで解きま す。解法が得られると、さまざまな後処理ツールで、データを調べることができます。 あらかじめ定義しておいたプロットが自動的に生成されてデバイスの反応が表示されま す。COMSOL では、温度、電界、あるいは応力テンソルなど (使いやすいメニューからア クセスできる) 定義済みの数量のほかに任意のユーザー定義の式など、さまざまな物理 的数量を評価できる柔軟性を提供しています。 流体-構造連成 (FSI) と薄膜減衰 流体 MEMS 装置、すなわちマイクロ流体装置は MEMS ではますます重要な分野になって います。COMSOL では、これらの用途に対応すべく独立したマイクロフルイディクスモジ ュールを用意していますが、MEMS モジュールにも、MEMS 構造の流体との連成をシミュ レートする重要なマイクロ流体機能が含まれています。流体構造連成 (FSI) マルチフィ ジックスインタフェースは、流量構造と固体構造を結びつけて、流体と固体構造間の連 4 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 成を捉えます。固体力学ユーザーインタフェースと層流ユーザーインタフェースは、そ れぞれ、固体と流体をモデル化します。FSI 連成は、流体と固体の境界に発生し、流体 圧力と粘性力の両方のほか、固体から流体への運動量移動 (双方向 FSI) が関わってき ます。FSI に使用する方法を任意のラグランジュ-オイラー (ALE) 法として知られてい ます。 FSI による減衰力は、MEMS 装置にとってしばしば重要であり、真空包装の要件とよく結 びつけられます。MEMS モジュールには、特殊な薄膜減衰フィジックスインタフェースが あり、これでレイノルズ方程式を解いて、流速、圧力、そして隣接するサーフェス間の 力を導きます。これらのインタフェースでは、広い圧力範囲にまたがるスクイーズ膜と 滑り膜による減衰のモデルを作成できます (希薄効果を取り込むこともできます)。薄膜 減衰は 3 次元の任意のサーフェスで使用でき、3 次元固体と直接連成できます。 ピエゾ抵抗センサー ピエゾ抵抗効果とは、応力の印可に応じて材料の伝導性に生じる変化を指します。小さ なピエゾ抵抗素子は標準的な半導体プロセスに簡単に統合でき、ある程度センサーの線 形応答が得られるため、このテクノロジは圧力センサー業界では重要なテクノロジとな っています。ピエゾ抵抗センサーのモデル化のために、MEMS モジュールは、固体やシェ ルにおけるピエゾ抵抗専用のフィジックスインタフェースをいくつか備えています。 MEMS モジュールを構造力学モジュールと組み合わせると、薄いシェル用のピエゾ抵抗フ ィジックスインタフェースが有効になります。 固体力学 固体力学フィジックスインタフェースは、応力解析の他、一般線形固体力学と非線形固 体力学において、変位の解決に使用します。MEMS モジュールには線形弾性材料モデルと 線形粘弾性材料モデルが組み込まれていますが、非線形構造材料モジュールで補完し て、非線形材料モデルも取り込むことができます。材料モデルは、熱膨張、減衰、初期 応力、歪みの各機能で拡張できます。また、初期歪みのいくつかの原因も適用でき、複 数の物理的ソースから生じる任意の非弾性歪み寄与を取り込むことができます。このモ ジュールの弾性材料の記述には、直交異方性材料と、完全に異方性な材料が含まれてい ます。 5 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 熱弾性 熱弾性フィジックスインタフェースは、線形熱弾性材料のモデル作成に使用します。こ のインタフェースは、構造の変位と温度偏差、熱弾性連成で生じる熱伝達を解きます。 熱弾性は、高品質係数 MEMS 共振回路のモデル化では重要です。 6 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 2.チュートリアル 静電容量型圧力センサーの解析 出典:COMSOL Multiphysics V5.2、<<IntroductionToRFModule.pdf>> p.21 以降 このモデルは V. Kaajakari の著書:<<Practical MEMS>>(V. Kaajakari, Practical MEMS, Small Gear Publishing, Las Vegas, pp. 207–209, 2009)から抽出した例題にな っており、容量型圧力センサをシミュレートします。このモデルは印加圧力に対する圧 力センサの応答のシミュレートの方法とセンサパフォーマンスに関しパッケージング誘 起応力の効果を解析する方法を示しています。 手順 モデルウィザード 1.デスクトップの COMSOL アイコンをダブルクリックします。ソフトウェアが起動する と画面にモデルウィザードを使う(COMSOL モデルを新規作成)か ブランクモデルを使う(手動で COMSOL モデルを新規作成)かを選 択する画面が表示されます。ここではモデルウィザードを選択しま す。COMSOL がすでに起動している場合にはファイルメニュで新規を 選択後にモデルウィザードを選択します。 2.空間次元を選択ウィンドウで3Dをクリックします。 3.フィジックスを選択ツリーで構造力学を展開し、「電気機械(emi)」を選択しま す。 4.追加ボタンをクリックして、またスタディをクリックします。 7 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 5.標準スタディの下のスタディツリーで「定常」を選択します。 6.完了をクリックします。 ジオメトリ 外部ファイルからジオメトリデータをインポートしました。また、本例の構造は対称性 があるので、1/4 のジオメトリを用いて解析を行いました。 1.ホームツールバー上の「インポート」をクリックします。 2.追加された「インポート」ノードの設定ウインドウに、「インポート」セクション の「参照...」をクリックします。 3.アプリケーションライブラリフォルダ\MEMS_Module\Sensors をブラウズし、その中 の capacitive_pressure_sensor.mphbin をダブルクリックします。 4.ホームツールバー上の「全て作成」をクリックします。 グローバル定義‐パラメータ定義 1.ホームツールバーのパラメタボタンをクリックします。 2.パラメタの設定ウィンドウで、以下を入力します。 8 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 定義 次にコンポーネントカップリング演算子を定義します。これらの演算子はポスト処理 や、ソルバー計算中に使用することができます。 平均1 1.定義ツールバーの「コンポーネントカップリング」をクリックし、「平均」を選択 します。 2.「平均1」の設定ウインドウに、「ソース選択」セクションの「ジオメトリックエ ンティティレベル」を「境界」に設定します。 3.境界 12 を選択します。 9 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 積分1 1.定義ツールバーの「コンポーネントカップリング」をクリックし、「積分」を選択 します。 2.「積分1」の設定ウインドウに、「ソース選択」セクションの「ジオメトリックエ ンティティレベル」を「ポイント」に設定します。 3.ポイント 4 を選択します。 次には、これからの材料設定や物理設定を簡単にできるようにするために、いくつかの 「選択」を定義します。 ボックス1 10 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 1.定義ツールバーの「ボックス」をクリックします。 2.追加された「ボックス1」ノードの設定ウインドウに、ジオメトリックエンティテ ィレベルを「境界」に設定する。 3.「ボックス範囲」セクションの「x 最大」を 1e-6 に設定する。 4.「出力エンティティ」セクションの「エンティティを含む条件」を「ボックス内エ ンティティ」に変更する。 5.ラベルを「YZ Symmetry Plane」に変更する。 ボックス2 1.定義ツールバーの「ボックス」をクリックします。 2.追加された「ボックス1」ノードの設定ウインドウに、ジオメトリックエンティテ ィレベルを「境界」に設定する。 3.「ボックス範囲」セクションの「y 最大」を 1e-6 に設定する。 4.「出力エンティティ」セクションの「エンティティを含む条件」を「ボックス内エ ンティティ」に変更する。 11 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 5.ラベルを「XZ Symmetry Plane」に変更する。 ボックス3 1.定義ツールバーの「ボックス」をクリックします。 2.「ボックス範囲」セクションの「z 最大」を-100e-6 に設定する。 3.「出力エンティティ」セクションの「エンティティを含む条件」を「ボックス内エ ンティティ」に変更する。 4.ラベルを「Steel Base」に変更する。 12 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 明示的1 1.定義ツールバーの「明示的」をクリックします。 2.ドメイン3のみ選択する。 3.ラベルを「Cavity」に変更する。 明示的2 1.定義ツールバーの「明示的」をクリックします。 13 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 2.「入力エンティティ」セクションの「全ドメイン」チェックボックスにチェックを 入れます。 3.ラベルを「All domains」に変更する。 差1 1.定義ツールバーの「差」をクリックします。 2.「入力エンティティ」セクションの「追加の選択」の下の追加ボタン「+」をクリ ックします。 3.追加ダイアログボックスに表示された「追加の選択」から「All domains」を選択 し、OK をクリックします。 4.「入力エンティティ」セクションの「差引の選択」の下の追加ボタン「+」をクリ ックします。 5.追加ダイアログボックスに表示された「差引の選択」から「Cavity」を選択し、OK をクリックします。 6.ラベルを「Linear Elastic」に変更する。 14 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション これからは物理の設定に入ります。 電気機械 線形弾性材料1 1.フィジックスツールバーの「ドメイン」をクリックし、「線形弾性材料」を選択し ます。 15 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 2.「線形弾性材料1」の設定ウインドウに、「ドメイン選択」セクションの選択リス トから「Linear Elastic」を選択します。 次には構造の対称条件を追加します。 対称性1 1.フィジックスツールバーの「境界」をクリックし、「対称性」を選択します。 2.「対称性1」の設定ウインドウに、「境界選択」セクションの選択リストから「XZ Symmetry Plane」を選択します。 対称性2 1.フィジックスツールバーの「境界」をクリックし、「対称性」を選択します。 16 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 2.「対称性1」の設定ウインドウに、「境界選択」セクションの選択リストから「YZ Symmetry Plane」を選択します。 以上の対称性設定によって、構造の大部分の運動が拘束されていますが、デバイス全体 の z 方向移動はやはりできます。以下にポイント拘束によってこれを制限します。 既定変位2 1.フィジックスツールバーの「ポイント」をクリックし、「既定変位」を選択しま す。 2.ポイント44のみ選択します。 3.既定変位の設定ウインドウに、「既定変位」セクションの「z 方向で既定」チェッ クボックスにチェックを入れます。 17 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 境界荷重1 1.フィジックスツールバーの「境界」をクリックし、「境界荷重」を選択します。 2.境界13のみ選択します。 3.境界荷重設定ウインドウの力セクションに以下の作業を行います: 「荷重タイプ」を「圧力」に変更します。 圧力pを「p0」に設定します。 次には移動メッシュ境界条件を追加します。 既定メッシュ変位1 1.モデルビルダの「電気機械」インターフェース下の「既定メッシュ変位1」をクリ ックします。 2.「既定メッシュ変位」セクションの「既定変位 z」チェックボックスのチェックを 外します。 この作業によって、膜の z 方向の移動を許します。 18 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 次にモデルの電気的物理条件を設定します。 ターミナル1 1.フィジックスツールバーの「境界」をクリックし、「ターミナル」を選択します。 2.境界12のみ選択します。 3.「ターミナル」セクションの「ターミナルタイプ」を「電圧」に変更します。 19 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 接地1 1.フィジックスツールバーの「境界」をクリックし、「接地」を選択します。 2.境界9のみ選択します。 材料 次にモデル各部分の材料を設定します。 材料1 1.材料ツールバーの「ブランク材料」をクリックします。 2.材料1設定ウインドウの「材料コンテンツ」セクションに、以下の値を入れます: 20 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 3.ラベルを「Silicon」に変更します。 材料2 1.材料ツールバーの「ブランク材料」をクリックします。 2.材料2設定ウインドウの「ジオメトリックエンティティ選択」セクションに行っ て、選択リストから「Cavity」を選択します。 3.「材料コンテンツ」セクションに、以下の値を入れます: 4.「材料特性」セクションをクリックし展開します。材料タイプリストから「非固 体」を選択します。 5.ラベルを「Vacuum」に変更します。 Steel AISI 4340 1.材料ツールバーの「材料を追加」をクリックします。 2.GUI 画面の右側に出てきた「材料を追加」ウインドウに行って、「標準」を展開し て「Steel AISI 4340」を選択します。 21 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 3.「材料を追加」ウインドウの「コンポーネントに追加」をクリックします。次に材 料ツールバーの「材料を追加」をクリックしますと、「材料を追加」ウインドウを閉じ ます。 4.モデルビルダ中の「Steel AISI 4340」ノードをクリックします。 5.「ジオメトリックエンティティ選択」セクションに行って、選択リストから「Steel Base」を選択します。 メッシュ1 サイズとフリーメッシュ 4 面体 1 1.モデルビルダの「メッシュ1」を右クリックし、「フィジックス制御メッシュシー ケンスを編集」を選択します。 2.「フリーメッシュ 4 面体 1」を右クリックして、「無効」を選択します。 サイズ1 1.「メッシュ1」を右クリックして、「サイズ」を選択します。 2.「サイズ1」の設定ウインドウの「要素サイズ」セクションに行って、「カスタ ム」を選択します。 3.「要素サイズパラメータ」セクションの「最大要素サイズ」チェックボックスにチ ェックを入れて、そのテキストフィールドに 50e-6 を入れます。 4.「ジオメトリックエンティティ選択」セクションの「ジオメトリックエンティティ レベル」選択リストから「境界」を選択します。 5.境界3のみ選択します。 22 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション マップト1 1.「メッシュ1」を右クリックし、その他の操作>マップトを選択します。 2.境界3、16と32のみ選択します。 3.「全て作成」をクリックします。 スイープ1 1.「メッシュ1」を右クリックし、「スイープ」を選択します。 2.「全て作成」をクリックします。 23 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション スタディ1 1.モデルビルダの「スタディ1」ノードを展開して、「ステップ1:定常」をクリッ クします。 2.設定ウインドウの「スタディ拡張」セクションを展開して、「補助スイープ」チェ ックボックスを選択します。 3.「補助スイープ」の追加ボタン「+」をクリックします。すると、ディフォルトで パラメータ p0 が追加されました。今回のこのパラメータでスイープ計算を実行します。 4.「補助スイープ」の範囲ボタンをクリックし、範囲のダイアログボックスに以下の 値を入れます: 「スタート」テキストフィールドに 0 を入れます。 「ステップ」テキストフィールドに 5000 を入れます。 「停止」テキストフィールドに 25000 を入れます。 5.「追加」ボタンをクリックします。 6.ホームツールバーの「計算」をクリックします。 結果 ポスト処理をより便利にするために、先ずデータセットに「選択」を追加して、表示し たい部分のみ表示できるようにします。 データセット 1.モデルビルダの、結果>データセットを展開します。 2.「スタディ1/解1」を右クリックして、「選択」を追加します。 3.「ジオメトリックエンティティ選択」セクションの「ジオメトリックエンティティ レベル」選択リストから「ドメイン」を選択します。 4.境界3と4のみ選択します。 24 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 変位(emi) 1.モデルビルダの「変位(emi)」をクリックします。 2.グラフィックウインドウの「画面にわたってズーム」ボタンをクリックします。 上記図から、センサー中心部の変位が想定通りに一番大きいとのことが分かりました。 電位(emi) 1.モデルビルダの「電位(emi)」を展開して、「断面1」をクリックします。 2.断面の設定ウインドウの「平面データ」セクションに、以下の設定を行います: 25 COMSOL Multiphysics Ver.5.2 専門モジュールイントロダクション 「平面」リストから、「xy 平面」を選択します。 「平面数」テキストフィールドに1を入力します。 「インタラクティブ」の所にチェックを入れます。 「シフト」テキストフィールドに-5.8E-6 を入れます。 3.プロットボタンをクリックします。 以上 26