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ヒメグモのオス間闘争

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ヒメグモのオス間闘争
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
ヒメグモのオス間闘争
池 田
博 明
Hiroyoshi IKEDA. The male combat of Japanese little orange cobweb spider
with black stockings, Achaearanea japonica (Therididae)
要約 ABSTRACT
筆者は 1990 年 7 月 13 日から 8 月 6 日にかけて,神奈川県小田原市南町の小田原城内高等学
校敷地内において,ヒメグモのオス間闘争に関する観察および実験を行ない ,オス成体がメス亜
成体の網に侵入し,同居し ,メスの網に侵入する他のオスと脚を打ちあう等の闘争をしてメスを
ガードすることを確認した.また,オス間闘争においては,オスの先住効果はなく,サイズの大
きいオスが勝者となること,勝ったオスは闘争後に必ずメスに求愛行動を行うことを発見し た .
野外で適当に採集したオス同士を戦わせた結果は,オスのサイズ差と闘争時間には有意な関係は
見られなかったが,個々のオスの闘争の履歴が不明なため,詳しい考察はしなかった.
I.
. はじめに INTRODUCTION
メスを争うオスの闘争でよく知られているのは,ハエトリグモである( Crane 1949)が,造
網性クモ類でもメスを争うオスの闘争が見られ,特にアメリカジョロウグモでは ,性選択の観点
からよく研究されていた( Christenson & Goist 1979).また,生物のと る ESS( Evolutionarily
Stable Strategy:進化的安定戦略)やゲーム理論,精子競争の観点からも研究があった(Austad
1983, Austad 1984, Toft 1989, 粕谷 1990).昆虫の繁殖戦略の総説も参考になる( Thornhill
& Alcock 1983)が,この本は翻訳されていない.
日本産のクモでは,ハエトリグモで誇示行動の報文が若干あり(井伊 1972, 1973, 1976, 花
井・川口 2008),造網性クモ類ではクサグモやジョロウグモでの研究が知られている
( Masumoto 1991, Miyashita 1993, 1994).他のクモでは,交尾前ガードやオス間闘争の短
報はあるものの(中山ら 1991, 池田 1991b),ほとんど報告されていなかった.1992 年に筆
者は当時のクモの配偶行動の研究に関する紹介文を書いたが(池田 1992),その後,海外では
交尾後のメスの “隠された”戦略の重要性( Eberhard 1996)や,動物の信号の進化( Maynard
Smith & Harper 2003)といった刺激的な観点が議論され,交尾における雌雄の利害の対立が
形態や行動を進化させる過程がホットな研究課題となっているが,日本産クモ類では ,この方面
のめぼしい研究は発表されていないようだし,以下の本稿でも交尾後の戦略や信号の進化の観点
は考慮していない.
筆者はヒメグモで, 1990 年にオス間闘争を集中的に調査した.ヒメグモ(またはニホンヒメ
グモ) Achaearanea japonica は,神奈川県小田原市では,成体オス が 7 月からメスの最終脱
1
皮直前の網に侵入し始める.ほぼ 1 ケ月半ほどメスの網へのオスの同居が観察される.同居する
オスはメスを他のオスからガードしていて,そのことは人為的に他のオスを侵入させること で ,
オス同士のはげしい闘争を観察できることから,明らかである.
このようなオスのメス亜成体の交尾前ガード,オス間闘争はジョロウグモで調査された結果と
類似しているが,ヒメグモの利点は狭い範囲に多くの個体数が生息していることである .しかも
クモが小さいので,データの収集に場所を取らない.今回の調査は学校の敷地内で,主に夜間行
なったが,オスの闘争の実験は 7 月 13 日から 18 日に集中して行って,短時日で十分なデータ
を得ることができた.
これらの結果を筆者は, 1990 年に箱根で行なわれた日本蜘蛛学会第 22 回大会にて口頭発表
した(池田 1991a)が,その後,論文発表をしていなかった.ここにその概要をまとめて報告
する.
II.
.方法 METHODS
調査地は神奈川県小田原市南町の神奈川県立小田原城内高等学校の敷地内である. 1989 年の
調査地の状況は別報した(池田 1990).1990 年 は 1989 年の調査地・サンゴジュの生垣のほ
か,裏門付近のウバメガシの生垣,グラウンドに面したマサキの生垣のヒメグモも調査した.な
お,小田原城内高校はその後,小田原高校と統合され, 2009 年現在,この校舎は使用されてい
ない.生垣もすべて取り払われてしまっている.
1990 年 7 月 13 日か ら 7 月 24 日まで行なったオス間闘争の調査では,闘争に使用したオス
は管びんに入れ,CO2 で麻酔した後,双眼実体顕微鏡に設置した接眼ミクロメーターで,右第 1
脚の膝節と脛節を合わせた長さを測定した.この部分は麻酔されて脚を折り曲げた個体の上面に
必ず来るので,外から迅速に正確に計測することができる.この長さは頭胸部幅(背甲幅)や左
第 1 脚脛節長と強く相関しており(後述する),この長さが長いほど闘争の勝者となった .ここ
では仮にこれを 「アーム・インデックス( Arm Index)」と呼んでおこう.測定を終えたオス
は野外へ戻した.ただし ,右第 1 脚のアーム・インデックスが,頭胸部幅や左脛節長と相関する
ことを調査した個体は液浸標本とした.
III.
.結果 RESULTS
( 1)オスの威嚇誇示行動の段階 The sequences of male agonistic behavior
メス亜成体の網上でのオス間闘争は先住者( resident)と侵入者(intruder)の間で次のよう
に進行した.
i)相手を認知し定位する( orientation).
ii)おたがいに接近( approach)しながらジャーキング(jerking:手元の糸をぐいと引く行
動)する.
iii)第 1 脚を振りながら上げる(leg extension with shaking).この後,通常はすぐに次の
打ち合わせる行動に進むが,直接打ち合わずに分かれる例があった.
iv) 第 1 脚を直接打ち合わせる( beating).
v)組み打ち( grappling) .
2
vi)一方が逃走( escape)して敗者(looser)となり ,勝者( winner)がメスの近くに残り決
着する.
vii)勝者はほとんど亜成体メスに求愛行動( courtship)を行なう.しかし,メスは亜成体で
あるため,オスは拒否されて元の位置に戻る.
このようなオス同士の闘争は,コガネヒメグモやシロブチサラグモ ,アシナガサラグモのオス
同士でも観察できる(池田 1991b).また,アメリカジョロウグモで判明しているのと同様,
複数のオスが同居している場合,メスの近くにいる中心オスが闘争の勝者で ,離れたところに位
置する周辺オスが敗者である. 3 頭以上のオスが同居する場合は,強い順番にメスに近い場所に
位置する.求愛と交尾については後述する.
( 2)オスの闘争の勝者はサイズの大きい個体である The large male always win
7 月 13 日か ら 18 日まで闘争実験に供した 21 組のうち,勝者となったのが先住者か,侵入者
かをみると,先住者 9 に対し,侵入者 12 で差はなかった.さらにアーム・インデックスの大小
が勝敗にどう関わっているかどうかを分析したところ,先住・侵入に関わらず,アーム・インデ
ックスの大きいほうが勝つことが,明らかになった(表 1).一例だけ先住の小形オスが勝った
例があるが,この対ではオス同士は糸を引き合っただけで実際に脚の打ち合いなどの接触はして
おらず,侵入オスが相手の力量を誤って判断した結果であろう.
( 3)オスのサイズ分布
The size variation of males in fields
実験に供したオスが特定のサイズに偏っていないかどうか, 7 月 20 日に調査地内でランダム
にサンプリングしたオスのサイズと比較した.その結果は ,実験オス個体群のサイズと自然オス
個体群のサイズの平均と標準偏差はほぼ一致した.実験オス個体群と自然オス個体群のサイズ差
も統計的に有意ではなかった( U 検定 で P > 0.05).
実験に供したオスはサイズを測定した後で野外にもどしているため,同じオスを繰り返し使っ
ている可能性がある.異なる日にそれ以前の日と同じサイズのオスを使った場合のデータを除い
て補正すると,実験補正オス個体群の平均は,やや高くなった.しかし,検定すると,実験オス
個体群と実験補正オス個体群のサイズ差は有意ではなかった( U 検定 で P > 0.05).
表 1 勝ちオスの特徴
ちオスの特徴
侵入
先住
大形
12
8
小形
0
1
表 2 オスのサイズ分布
オスのサイズ分布
実験
自然
実験補正
アーム・インデックス
(平均 + 標準偏差,mm)
1.32 + 0.176
1.32 + 0.218
1.37 + 0.110
個体数
51
33
33
調査日
7 月 13~18 日
7 月 20 日
7 月 13~18 日
3
アーム・インデックスがヒメグモの体のほかの部分のサイズと相関しているかどうかを, 7 月
20 日に野外個体群で調査した(n = 20).オス 20 頭の右第 1 脚アーム・インデックス,左第 1
脚脛節長,頭胸部幅をそれぞれ測定し ,エクセル関数により相関分析を行なったところ,アーム・
インデックスと脛節,アーム・インデックスと頭胸部幅ともに高い相関が得られた.決定係数は
それぞれ 0.92 および 0.86,誤差分散が 0.021 および 0.027 であった.回帰直線の回帰式は,
アーム・インデックスを X( mm),脛節長を YL( mm),頭胸部幅を YW( mm)とすると,
YL = 0.671 X - 0.0014,及び YW = 0.554 X + 0.0954 と算出された.この回帰式を用いて実験
補正群のオスのアーム・インデックスの平均から背甲幅を求めると, 0.85 mm と なる.
( 4)闘争するオスのサイズ差と闘争時間 The combat time of the male
サラグモの一種 Front inella pyramit ela の場合には,オスのサイズ差が小さいほど闘争のレ
ベルは進み,闘争時間は長引く結果が得られている( Austad 1983:粕谷( 1990)に略述され
ている).ヒメグモの場合はどうだろうか.サイズ差が著しく大きい場合には,双方がジャーク
した段階で,小さいオスが退散した(アーム・インデックスが 1.47 mm 対 1.10 mm そして 1.37
mm 対 0.81 mm の二例).一例だけサイズの大きいオスが退散したことがあったが,その際に
はこの糸引き段階だった( 1.42 mm 対 1.67 mm).
ここで闘争時間として測定しているのはクモが脚を振り始めてから打ち合わせて組み打ちに
なり,離れるまでの時間(秒数)である.組み打ちになることはそれほど例がないので,ほとん
どが脚を振り,打ち合わせている時間である.
実験開始時刻は,平日の場合は勤務を終えてから 20 時ごろ,土曜日は 14 時 30 分,日曜日は
10 時だった.実験開始前のオスの闘争履歴は,不明である.オスに負けグセがつくことを考慮
すると,実際の闘争時間は過少評価になっている可能性がある .また調査対象としたオスがガー
ドしているメスはすべて亜成体であった.結果は表 3 に示した.
結果は,平均値と標準偏差をみれば明らかなように ,闘争時間にはかなりバラつきが大きかっ
た.サイズ差と闘争時間の間にも有意な関連は無かった.平均値を比較すると,サイズが平均よ
り大きいオスが敗者となったときの闘争時間の 17.9 秒が目立って短いように見える.しかし敗
者の二つの群の間には, U 検定で有意な差はなかった( P > 0.05).
それぞれのオスの闘争履歴がわからない状態で,これ以上の考察は無益である .結果を報ずる
にとどめたい.
YL = 0.671 X - 0.0014
R2 = 0.9424
F1,1 8 = 219.4, P < 0.01
図 1 アーム・インデックスと脛節長
アーム・インデックスと脛節長の
脛節長の関係
4
YW = 0.554 X + 0.0954
R2 = 0.8654
F1,1 8 = 115.7, P < 0.01
図 2 アーム・インデックスと
アーム・インデックスと頭胸部幅の
頭胸部幅の関係
表 3 オスのサイズと闘争時間
オスのサイズと闘争時間
グループ
全頭
A:平均より上の勝者オス
B:平均以下の勝者オス
C:平均より上の敗者オス
D:平均以下の敗者オス
闘争時間
(平均 + 標準偏差,秒)
30.1 + 21.6
30.0
30.4
17.9
33.4
+
+
+
+
19.4
29.6
21.0
22.3
実験数
19
12
7
4
15
―
A と B の闘争時間に
有意差なし(P > 0.05)
C と D の闘争時間に
有意差なし(P > 0.05)
( 5)オスの求愛行動は猪突猛進型である The Direct Courtship
オス同士の闘争の結果,勝者となったオスはメスに求愛するので ,求愛行動を観察するのは容
易である.ヒメグモ類やサラグモ類の求愛行動はオスがやみくもにメスに糸を引きながら接近し,
脚などに触わりながら体を寄せていくタイプが多く,ヒメグモもその例にもれない .求愛行動お
よび交尾行動は既に報じた(池田 1989).野外だけでなく,実験室内の管びん内でも求愛や交
尾行動を観察することができる.管びん内で 1990 年 7 月 18 日に最終脱皮をした処女メスの網
に, 8 月 2 日 10 時,外からオスを入れたところ,2 度挿入交尾し,その後,オスはメスの網に
同居した.さらに 10 時 15 分 に 3 度めの挿入,続い て 4 度めの挿入も行なった.
既交尾メスに対する求愛と交尾も既に報じた(池田 1989)が,1990 年に成体メス が 2 頭同
居する網で交尾を確認したので報じる.1990 年 7 月 28 日 10 時,網の中央に葉を吊り,卵のう
を 2 個持った成体メスの網に中心オスと周辺メス(成体 )が同居していた.そこへ別の網の成体
オスを侵入させたところ,このオスは周辺メスに 2, 3 度求愛し,拒否された後,挿入交尾に成
功した.その後,侵入オスはメスの周囲で活発に動いたものの,卵のうを守るメスと中心オスは
まったく反応しなかった.なお筆者はクモに交接行動という特殊な用語を使用するのは不適当と
考えているので,交尾行動と表現している.
IV.
. 考察 DISCUSSION
ヒメグモの神奈川県における生活史は 2003 年以降の調査で,ほぼ明らかになった(石本ら
2005,石本ら 2008).千国( 1941)にある,ヒメグモは 年 1 化で夏に繁殖し ,出のう分散し,
幼体で越冬する.ヒメグモが卵で越冬し 4 月に孵化するという判断は誤りで,千国自身が後に正
しく訂正している(千国 1983).越冬した幼体は 4 月まで成長しない.
ヒメグモは 5 月から造網・捕食して成長し,オスは 6 月末から 7 月にメスよりも早く成熟する.
成熟したオスは網を張らずにメスの網に同居し,メスの最終脱皮を待つ.成体オスは 7 月上旬は
メスの網に一様分布するが,その後,ランダム分布を経て 7 月下旬には集中分布をするようにな
り,8 月中旬にはほぼ消失する.メスの産卵は早い個体では 7 月から観察されるがピークは 8 月
中旬である.ヒメグモのメスは通常複数個の卵のうを作るが ,各卵のうの子供と父親の関係は研
究されていない.
出のうした幼体は母親が取った餌を食べて育つ. Ito(1985)が報じた母親が子グモに食べら
れる例は,閉鎖空間での例外的な現象である(石本ら 2005).約一週間の親と同居の後,子グ
モは分散していく.分散直前に脱皮するかどうかがはっきりしない.脱皮殻を観察できない し ,
5
分散直前と直後の幼体サイズが変わらないのだ.卵のうが複数ある場合 の 2 個め,3 個めの出の
う幼体に対する母親の世話,貢献度は未調査である.
オスのサイズにはバラつきがあり,メス亜成体の網上での闘争では大型オスが勝者となり ,闘
争後はメスに求愛することが多く,網の中心近くに位置する.メスの最終脱皮直後に,中心オス
は求愛し交尾する.小型オスは敗者となり ,網の周辺に位置するが,敗者の同居期間は約 1 日で
ある(石本ら 2005).敗者オスのスニーキング行動やメスの後オスとの交尾に関しては,その
ような行動の有無も含めて実態は不明である.交尾実験から ,メスの複数回交尾は可能と思われ
る.アメリカジョロウグモでは,最終脱皮後,時間がたつほどオスの交尾が困難となるが,ヒメ
グモでは未調査である.
池田は 1989 年 7 月 23 日の結果から亜成体メスとガードするオスの間にサイズに関する同系
交配(size assortative mating)はないと結論した(池田 1989).ジョロウグモでも全繁殖期
間にわたって同様であった( Miyashita 1994).ただし,ヒメグモでもジョロウグモでも交尾
するペアを直接調査したわけではない.しかし,オスはサイズと無関係に,ランダムにメス亜成
体の網に入ってガードしているとしても,野外のオス個体群のサイズが 7 月より 8 月に小さいこ
とを考慮すると,繁殖時期の初期と後期の違いというかたちで ,サイズ同系交配が起こっている
可能性があった.ヒメグモでは,この点を比較できる 8 月の亜成体メス個体群のサイズ調査をし
ていなかった.また,メスのサイズと卵サイズ・産卵数の関係や,オスの寿命は未調査であ る .
ヒメグモ類の受精のうは多くの真正クモ類同様,conduit型であり,メスが多回交尾した場合に
は,オスの精子は混合すると考えられる( Austad 1984).
謝 辞
文献に関して宮下直氏にお世話になった.原稿に関して東京クモゼミで谷川明男・馬場友希・
加藤輝代子氏にご助言いただいた.記して感謝する.
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7
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
ジョロウグモの複数回産卵と繁殖及び出のう
に影響を及ぼす要因
西 野
真 由 子
はじめに
複数回産卵する数種のクモでは,産卵回数を重ねるほど産卵数が少なくなり ,孵化率も低下す
る(吉倉 1987).ジョロウグモ Nephila clavat a は通常 1 回産卵であるが,沖縄では一部が 2
回産卵する.本州 で 2 回産卵できない原因として餌不足と気温の低下(徳本 1992)が ,沖縄に
おいて一部のクモしか 2 回産卵できない原因としては気温や餌等の外的要因ではなく内的要因
(下謝名 1971)が指摘されている.今回は大阪における野外調査から,ジョロウグモの複数回
産卵に内的要因が関与するのか,産卵履歴が産卵数,産卵場所,孵化率や出のう時期に影響する
のか検討した.
対象と
対象と方法
大阪府堺市において, 1994 年から 2007 年まで野外で複数回( 2 回)産卵したジョロウグモ
28 頭を対象とした.産卵日,産卵場所,卵塊の大きさ,産卵後の母グモの造網の有無(造網し
た時は卵のうから網(こしき)までの距離),出のう日,出のうした幼体数,起算日から出のう
日までの積算気温を調査した.積算気温は起算日を前報(西野 2009)で最も相関が高かった 4
月 1 日とし ,気象庁アメダスデータ(大阪府堺市)の日平均気温を用いた .対象のクモには亜成
体あるいは成体になって以降,死亡するまで 1~ 3 日に 1 匹の昆虫(トンボ,チョウ,バッタ等)
を給餌したが,産卵行動や産卵後の卵のうには人為的操作を行わなかった.対照として 1994 年
から 2007 年まで野外で 1 回産卵したジョロウグモ 785 頭を用いた.対照群の一部にも同様に
給餌した.統計学的解析は有意水準 5 % で判定した.
結 果
( 1)産卵状況(産卵日,産卵場所,卵塊の大きさ,産卵後の網)
初回産卵日は 10 月 9 日~10 月 31 日, 2 回目は 10 月 31 日~ 12 月 16 日だった.月別の産
卵数を表 1 に示す.対照群の中央値 は 11 月 9 日だったが,複数産卵群の初回産卵日はすべ て 10
月だった.
産卵場所を表 2 に示す. 2 回とも葉に産卵したクモが 18 頭(うち 8 頭は同じ樹種に産卵)い
たが, 2 回とも幹, 2 回とも人工物に産卵したクモはいなかった.独立性の検定では初回と 2 回
目の産卵場所に関連がないという仮説が棄却された.
8
表 1 月別の
月別の産卵数と
産卵数と産卵日中央値
複数回産卵群 初回
2 回目
対照群
10 月
28
1
186
11 月
0
18
524
12 月
0
9
75
中央値
10 月 18 日
11 月 21 日
11 月 9 日
表 2 産卵場所
B:2 回目産卵
A:初回産卵
葉
幹
人工物
合計
葉
18
0
2
20
幹
1)
人工物
4
0
2
6
1
1
0
2
合計
23
1
4
28
1) このうち 8 頭は 2 回とも同じ樹種の葉に産卵
A 群-B 群は Fishe r 正確検定で P < 0.05
表 3 初回産卵後の
初回産卵後の網
複数回産卵群
対照群(10 月産卵)
元網
6
40
空網
2
12
他網
7
15
新網
13
63
元網:産卵前の網に戻ったクモ
空網:クモがいない網に入ったクモ
他網:他のクモを追い出して網に入ったクモ
新網:新しく網を張ったクモ
複数回産卵群-対照群は Fishe r 正確検定で P > 0.05
卵塊の大きさは 27 個の卵のうで測定した.初回産卵の卵塊(長径×短径,単位:mm)は 15× 5
~ 25× 20( n = 13),2 回目産卵 は 8× 5~22× 15( n = 14)だった.初回, 2 回目とも測定
できた 12 例のうち 9 例で初回産卵の卵塊の方が大きかった.
初回産卵後の母グモの造網率は 100 % だったが,2 回目産卵後は 21.4 %(6/28)と低かった.
対照群の造網率は 51.0 % (400/785),10 月産卵に限ると 69.9 %(130/186)だった.産
卵時期により産卵後の網の選択に違いがあった(西野 2007a)ので,対照群のうち 10 月に産卵
したクモの産卵後の網( n = 130)を複数回産卵群と比較したが,有意な差はみられなかった(表
3).卵のうから初回産卵後の網(こしき)までの距離(中央値)は複数回産卵群 150 cm(最
小~最大 50~ 600 cm),対照群( 10 月産卵)120 cm( 30~ 1000 cm)だった.初回, 2 回
目とも同じ樹種の葉に産卵したクモでは 135 cm( 50~ 200 cm)だった(図 1).
( 2)出のう状況(出のう率,出のう日,出のう幼体数,積算気温)
初回産卵, 2 回目産卵とも出のうが 22 例,初回のみ出の う 4 例,2 回目のみ出の う 1 例だっ
た.出のう卵のう率(出のうした卵のう数 /卵のう数)は初 回 92.9 % ,2 回目 82.1 % ,対照群
80.4 % (631/785)だった.
出のう日は初回産卵が 4 月 25 日~ 6 月 6 日,2 回目 が 4 月 30 日~ 5 月 27 日だった.初回 ,
2 回目とも出のうした 22 例では初回産卵が早く出のうしたの が 15 例,同日出のうが 3 例, 2
回目が早く出のうした逆転例が 4 例だった.
9
出のう幼体数は初回産卵 380.7 + 306.6 頭(平均 + 標準偏差, n = 28),2 回目産 卵 191.5
+ 166.5 頭( n = 28)で,有意な差がみられた( Wilcoxon 符号付順位和検定, P < 0.05).
4 月 1 日を起算日とした出のう日までの積算気温は,初回産卵(相関係数 r = 0.972), 2 回
目産卵( r = 0.963)とも強い正の相関を示し,有意な回帰直線を得た( P < 0.001,図 2).2
本の回帰直線の傾きは有意な差がみられなかったが, y 切片は 5 % 有意水準で有意な差がみられ
た(共分散分析).傾きが等しいが切片は異なるという仮説の下での回帰式は初回産卵 Y = 22.8
+ 14.9 X, 2 回目産卵 Y = 46.9 + 14.9 X と推定された.有効積算気温の法則から,発育零点は
14.9 度,有効積算気温は初回 22.8 度日, 2 回目 46.9 度日,初回と 2 回目の有効積算気温の差
は 5.22~42.8 度日(95 % 信頼区間)と推定された.
卵
の
う
か
ら
初
回
産
卵
後
の
網
ま
で
の
距
離
1000
800
600
400
200
0
( cm )
複数回産卵群(n =27 )
中央値 1 50c m
対照群( n=1 27)
中央値 12 0cm
同樹種の葉に産卵(n= 8)
中央値 135 cm
図 1 卵のうから初回産卵後
のうから初回産卵後の
初回産卵後の網までの距離
までの距離(
距離(箱ひげ図
ひげ図)
○は境界点から外側のデータを示す.複数回産卵群 1 例,対照群 3 例は測定データなし
1100
(
900
積
算
気
温 700
度
日
)
初回産卵 (n=26)
500
2回目産卵 (n=23)
初回産卵 y=29.6+14.7x
2回目産卵 y=34.2+15.2x
300
20
30
40
50
60
起算日から出のうまでの日数(日)
図 2 起算日から
起算日から出
から出のうまでの日数
のうまでの日数と
日数と積算気温(
積算気温(初回産卵,
初回産卵, 2 回目産卵)
回目産卵)
相関係数:初回 r = 0.972 2 回目 r = 0.963
回帰直線の相等性 傾き:F1,45 = 0.147,P < 0.05
y 切片:F1,46 = 6.615,P > 0.05
10
70
考 察
今回の野外調査において,初回産卵は出のう幼体数が 2 回目より有意に多く,卵塊が大きいこ
とが多かった.近藤(1988)によると,飼育箱におけるジョロウグモ 12 例の観察では 2 回目の
産卵は卵塊がすべて初回より小さく,卵も小型化する傾向があった.下謝名(1971)によると,
沖縄におけるジョロウグモの野外調査では初回産卵は 2回目より産卵数が多い,卵径も大きいが,
孵化率には大差は認められなかった.今回,出のう卵のう率(出のうした卵のう数 /卵のう数)
は 2 回目(82.1 % )が初回(92.9 % )より低かったが,対照群(80.4 % )よりは高く,2 回目
が低下しているとも言い切れない.したがって,今回の幼体数の違いが産卵数のみによるものか,
孵化率も関与しているのかは判断できない.産卵数の実測や卵単位の孵化率を調査する必要があ
る.
2 回の産卵場所に関連がないという仮説が棄却されたが,初回に幹あるいは人工物に産卵して
2 回目も同じ産卵場所を選んだクモはいなかった(表 2).幹や人工物への初回産卵が 5 例と少
なかったことも原因の 1つと考えられるが,今回の結果で関連があると判断することはできない.
観察数を増やして再検討する必要がある.また初回, 2 回目とも同じ樹種の葉に産卵したクモが
8 頭いたが,この 8 頭の初回産卵後の網は卵のうから 50~ 200 cm だった(図 1)ことから,産
卵前と同じか近隣の樹木に造網したと推測される.造網場所が産卵場所に影響することは以 前 ,
指摘したが(西野 2007b),造網場所の影響 で 2 回とも同じ樹種に産卵した可能性が高い.樹
種の選好性を実証するためには検証実験が必要だろう.
今回の複数回産卵群の初回産卵後の網は卵のうから 150 cm(中央値)で,対照群(120 cm)
より近くなかった(図 1).ジョロウグモの複数回産卵が難しい要因の 1 つとして,コガネグモ
などに比べ産卵前の網に戻りにくい点を指摘した(西野 2007a)が,産卵前の網に戻ったクモ
( 6/28)が対照群(40/130)より多い傾向もなかった(表 3).したがって今回の複数回産卵
群のクモは,必ずしも少ない労力で造網したわけではない.それでも 28 頭が複数回産卵できた
のは,産卵前後に十分な量の餌を与え,なおかつ 10 月に初回産卵した(表 1)ためだろう.と
ころが同様に給餌しても,複数回産卵できなかった 10 月産卵のクモが対照群に相当数いた.こ
れは餌の多寡や気温の違いでは説明できず,下謝名( 1971)が指摘した内的要因の関与を示唆
している.
初回, 2 回目とも起算日( 4 月 1 日)から出のうまでの日数と積算気温は強い正の相関を示し
た(図 2).有効積算気温の法則から推定した発育零点は初回と 2 回目で差がなかったが,有効
積算気温は 2 回目が 5.22~ 42.8 度日高かった.これは 2 回目産卵では発生が遅延することを意
味している.その原因は不明だが,飼育下(近藤 1988)や沖縄における野外調査(下謝名 1971)
で 2 回目産卵では卵が小さいと指摘されていることは注目すべき点である.またジョロウグモの
胚の発生は胚盤形成期で停止し休眠するが,今回の 2 回目産卵の産卵時期は初回産卵に比べ約 1
ヶ月遅かった(表 1)ため,産卵直後の気温が越冬後の発生に影響している可能性もある.越冬
前の気温の影響について分析する必要がある.
11
まとめ
ジョロウグモの複数回産卵には気温や餌などの外的要因に加え,内的要因も関与していること
が確認できた. 2 回目の産卵では産卵数や出のう幼体数の減少,胚の発生遅延が生じる可能性が
高いと考えられた.孵化率の低下や 2回の産卵場所の関連はデータ不足もあり判断できなかった.
今後は野外観察のデータ数を増やすとともに,産卵数や孵化率の実測 ,産卵場所の選好性に関す
る検証実験や胚の発生遅延の原因究明が必要である.
謝 辞
原稿の内容について貴重なご教示を頂きました池田博明先生と,コメント頂いた仲條竜太さん
に深く感謝します.
引用文献
近藤昭夫 1988.産卵後のジョロウグモの活動と二度目の産卵(講演要旨).Atypus, 91: 15.
下謝名松栄 1971.沖縄島のジョロウグモ属の研究.〔Ⅰ〕ジョロウグモの生活史 .沖縄生物学会誌,7: 1-18.
徳本 洋 1992.金沢市街地のジョロウグモ雌個体の秋・冬季における消失状況と産卵ならびに気象との関係.
Kishidaia, 64: 15-22.
西野真由子 2007a.野外における産卵後のジョロウグモ.Kishidaia, 92: 22-26.
西野真由子 2007b.造網場所から探るジョロウグモの産卵部位選択.Kishidaia, 91: 7-12.
西野真由子 2009.有効積算温度を用いたジョロウグモの出のう時期の予測.Kishidaia, 96: 32-36.
吉倉 真 1987.クモの生物学.学会出版センター.
気象庁気象統計情報 http://www.jma.go.jp/jma/me nu/re port.html
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
繁殖期のヒメグモの生息する高さ
池 田
博 明
Hiroyoshi IKEDA. The height of the web of the little orange cobweb spider,
Achaearanea japonica (Therididae) in breeding season
ヒメグモの神奈川県における生活史は 2003 年以降の調査で,ほぼ明らかになった(石本ら
2005, 2008)が,1990 年に筆者は,繁殖期の後期とみなせる 8 月 4 日にヒメグモの網の高さ
を調査していた.調査地は神奈川県小田原市南町の県立小田原城内高等学校のグラウンドに面し
たマサキの生垣であった.生垣に造網するヒメグモの網の高さを幼体・亜成体メス・成体メ ス ,
メスの網に同居するオスに分けて調査していた.どのステージも雌雄でも差は見出せなかったが,
以下にそのときの結果を報ずる.
この生垣は植物の高さが鉄製のネットフェンスにそって約 2 mになっていた.またネットフ
ェンスは約 14.6 mの長さに渡っているが,途中に四箇所ほど植物のない箇所があり,それらの
長さ( 177 cm,209 cm,177 cm, 110 cm)を除くと,実際にヒメグモが造網可能な植物が
生えている長さは約 790 cmであった.奥行きには精粗があり,一概には言えないが奥は校舎の
壁であり,植物の厚さは平均 50 cm 見当であった.奥行きは測定しなかった.なお,オス 10 頭
のうち,単独で生息していたオスは 1 頭だけで,他の 7 頭は亜成体メスに, 1 頭は成体メス に ,
1 頭は幼体に同居していた.
オスの個体数は, 7 月 26 日 21 時には 26 頭を観察したが, 7 月 31 日に は 19 頭, 8 月 2 日
には 11 頭,8 月 4 日に は 10 頭,8 月 6 日には 7 頭と急速に減少する.このような減少は 1989
年もほぼ同様であった(池田 1990).
この調査地で,この日,卵のうを持った成体メスは 3 頭で,その造網高は 52 cm,91 cm,
118 cm で, 3 頭とも葉を吊っていた.また,成体メス 24 頭のうち葉を吊っていたの は 14 頭
( 58 % )で,亜成体メス 55 頭のうち葉を吊っていたのは 17 頭( 31 % )だった.平均値と標
準偏差で比べると,メス成体の生息位置が他と比べて高いように思われるが ,メス亜成体と比べ
てみると, U 検定で有意な差は無かった( P > 0.05).
表 1 ヒメグモの生息
ヒメグモの生息する
生息する高
する高さ
段階
幼体
メス亜成体
メス成体
オス成体
生息する高さ
(平均 + 標準偏差,cm)
76.7
74.4
84.4
70.6
+ 37.61
+ 34.29
+ 44.29
+ 44.09
範囲
(cm)
個体数
15~135
11~193
5~153
15~131
15
55
24
10
13
幼体
メス亜成体
メス成体
オス成体
地表からの高さ(㎝)
個体数
図 1 ヒメグモの生息
ヒメグモの生息する
生息する地表
する地表からの
地表からの高
からの高さの分布
さの分布
左から幼体,メス亜成体,メス成体,オス成体.調査日 1990 年 8 月 4 日
このネットフェンスの生垣にはこの時期,ヒメグモだけではなく ,ジョロウグモ幼体やコクサ
グモ幼体も造網している.それらのクモの個体数はジョロウグモ幼体 5 頭,コクサグモ幼体 38
頭,クサグモ 1 頭,オオヒメグモ 1 頭と,ヒメグモに比べて少なかった.
参考文献
池田博明 1989.ヒメグモの配偶行動.He ptathe la, 4(1): 45-50.
池田博明 1990.ヒメグモの生活史覚え書き.He rtathe la, 4(2): 11-16.
池田博明 1992.クモの配偶行動と糸.遺伝,46(8): 32-37.
池田博明 2010.ヒメグモのオス間闘争.Kishidaia, 94:1-7.
池田 泉 1993.ヒメグモ幼体の生活.Kishidaia, 65: 23-28.
石本 舞・金田愛美・池田博明 2005.ヒメグモの生活史を探る(1)母親食いは無かった.Kishidaia, 88:
35-47.
石本 舞・金田愛美・池田博明 2008.ヒメグモの生活史を探る(2)母親の世話の意義.Kishidaia, 93: 27-36.
14
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
ヒメグモの和名について
池 田
博 明
ヒメグモの和名について,吉田哉はニホンヒメグモを提唱し,改称の理由を三点,属をツリガ
ネヒメグモ属( Achaearanea)に転属したため和名と属名が不一致になった,科名と和名が同
じで不明確である,種小名が日本を表すため中国や台湾で「日本」を冠して呼ばれていることを
挙げている(吉田 2003).しかし,これらの理由には説得力が無い.
転属したからといって和名を変更していたら,和名がしょっちゅう変わることになる .例えば
ハエトリグモの場合をみると,カラスハエトリの属名は Rhene だったのに,いっとき
Dendryphant es になり,数年後に Rhene に戻った.属がめまぐるしく変わったり,新属になっ
たりするのは日常茶飯事である.属は専門の研究者にとっては重要な問題だが ,一般の人にとっ
てはまったく問題ではない.それに,専門家にとって本来,和名は必要のないものである.そし
て,属名と和名が一致しなくとも専門家にはなんの不都合もない.困るのなら,属名に日本語を
つけなければすむだけのことである.
和名は一般の人のためにあるのだ.よく知られた普通種で多くの人に使われている和名は ,原
則として変更すべきではない.なぜなら ,該当の種を過去の文献やデータベースで検索できなく
なってしまうからである.例えば「ニホンヒメグモ」で検索すると,吉田哉が提唱した 2003 年
以降の記録やデータしか検索されて来ない.そして ,ヒメグモという種の存在を示す膨大な記録
は,データベース上や過去の文献から検索されなくなってしまうのである.しかし,ニホンヒメ
グモは,それ以前にも生態も含めて正体不明な種ではなかった.「ヒメグモ」という名前で正し
く認識されていたのである.少し前の旧名も新和名も両方を知っている人は ,新和名でもいいと
思うかもしれないが,それは旧名の正体を知るのに苦労したことのない者の判断で ,きわめて無
責任であるときびしく断定しておこう.
驚いたことに,たかだか五十年ほどで古い事項は忘れられてしまうのだ .過去の和名の正体を
知るのに苦労をした新海栄一は八木沼健夫の 1960 年の図鑑を和名の規準にしようと提案してい
るが,その判断はまことに妥当である.私は新海栄一の主張に賛成する立場から,ニホンヒメグ
モではなく,ヒメグモを使うことにする.
それに,日本の固有種ではないことがはっきりしている種に ,わざわざニホンヒメグモという
和名を付けるのは奇妙である.英語名だってそんなことをしているクモは少ない .アメリカジョ
ロウグモ Nephila clavipes は日本では仮にそう呼ぶが,英語名は golden orb weaver で,ア
メリカンなどと冠されてはいない.
蜘蛛学史を省みれば,「ヒメグモ」は岸田久吉が名づけた和名であり(湯原 1931),千国安
之輔もこれを使用しており(千国 1941),八木沼健夫もこの伝統にならっていた(八木沼 1960).
斎藤三郎は八木沼の図鑑以前に,「日本動物分類」(斎藤 1941)で,コンピラヒメグモにミツ
15
クロボシヒメグモ,ヒメグモにミツシロボシヒメグモという和名を与えたが,「日本動物分類」
は学術専門書であり,斎藤は 1959 年の自分の図鑑に両種とも取り上げなかったため(斎藤
1959),一般には流布しなかった.こういった和名の歴史を考慮すれば,「ヒメグモ」という
和名は,変更すべきものではないということに納得がいくはずだ.歴史を無視して,学問の本来
の発展はあり得ない.スティーブン・J・グルードも「がんばれカミナリ竜」(グルード 1995)
で,主張しているとおりである.
科名と同じ種名が不都合だという主張は,もっともらしく響く.しかし,よく考えてみて欲し
い.ジグモ,ジョロウグモ,コガネグモ,アシナガグモなど科名と同じ種名のあるクモは 29 科
にもわたっているのだ.日本のクモ 65 科の四割にものぼる(小野 2009).それらについても
修正すべきだということになる.そんな措置が正しいとする主張は暴論であり ,基本的に間違っ
ている.吉田哉はヒメグモ科やウズグモ科で属の和名を変え ,所属を変えたときに種の和名をよ
く変えるが,こういった措置も混乱を招くだけである.分類学的な仕事が立派なだけに,一般の
人を惑わすだけの措置はぜひやめて欲しい.
和名には命名規約も使用規則もないのだが,一般の人はもちろん専門家も ,今後とも混乱を引
き起こす提案をしないことと,間違った提案には従わないことという共通の姿勢で望もうではな
いか.たとえ「日本産クモ類」(小野 2009)に記してあったとしても,である.
引用文献
千国安之輔 1941.日本アルプス山系の蜘蛛.信濃教育会南安曇野部会.
小野展嗣 2009.日本産クモ類.東海大学出版会.
斎藤三郎 1941.日本動物分類蛛形綱真正蜘蛛目(II).三省堂.
斎藤三郎 1959.原色蜘蛛類図説.北隆館.
スティーブン・J・グルード 1995.がんばれカミナリ竜 上/下.広野喜幸・松本文雄・石橋百枝(訳),
早川書房.
八木沼健夫 1960.原色日本蜘蛛類大図鑑.保育社.
湯原清次 1931.蜘蛛の研究.総合科学出版協会.
吉田 哉 2003.日本産ヒメグモ科総説.日本蜘蛛学会.
16
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
ミヤマナンキングモ多産地点との出会い
藤 澤
庸 助
Neserigone basarukini Eskov 1992 は,「日本産クモ類」(小野 2009)の中で斎藤博氏に
よってミヤマナンキングモという和名が与えられた.説明には「北海道に分布し,国外ではロシ
ア東部,サハリンから知られる」とあるが,筆者は以前から長野県東部および北部の各地で少数
ながら雌雄ともに数頭を得ていた.初めは「写真・日本クモ類大図鑑」(千国 1989)の図(オ
スのみ,メスは別種)に従って,本種を N. nigrit erminorum (Oi 1960) ハシグロナンキングモ
として長野県クモ類目録(藤澤 2004)に発表し,後に同目録(第 2 報)(藤澤 2007)におい
て「削除;日本産未記録種と思われる」と訂正した.
誤同定に気付いたのは,2006 年 7 月 4 日,菅平高原の上田市と須坂市のほぼ境界を通る根子
岳登山道の標高約 1,950 m地点でシナノザサのビーティングによって得た多数のオスとメスが,
斎藤博氏の同定で真正のハシグロナンキングモであるとわかったからで,N. basarukini も氏の
同定によるものである.ところが県産目録に肝心の菅平産ハシグロナンキングモを真正種として
報告し忘れるというミスを犯していた.さて筆者は, 2008 年度から千曲市版レッドデータブッ
ク作成委員会の一員として調査する機会を与えられ,このミヤマナンキングモが多産する小地点
に出会った.そこで保全の提言も含めて報告する.
場所は千曲市八幡地籍にある大池キャンプ場(標高 820 m).人工のため池を中心にキャンプ
地や遊歩道などが造られ,地元の小・中学校や青少年育成団体,家族などのキャンプまたは自然
観察会に利用されている所である.池の岸には湖沼特有の草木が生え ,所によって木の下にオオ
バザサとミナカミザサの群落もある.
図 1 交接中のミヤマナンキングモ
交接中のミヤマナンキングモ
図 2 卵のうを守
のうを守るミヤマナンキングモのメス
17
このササ群落に本種が群棲していることを知ったのは 2009 年 6 月 2 日である.ササをビーテ
ィングして,帰宅後に採集物の整理をしたところ, 14 頭のオス成体, 4 頭のオス幼体, 19 頭の
メス幼体を得ていた.メスの成熟には時期が早かった .本種以外ではコノハサラグモのメス成体
1 頭とクロナンキングモのメス成体 1 頭が同一ビンに入っていただけであり,本種の圧倒的な優
先度の高さを知ることができた.
同年 6 月 8 日 ,大池キャンプ場を再度調査.ササの葉上面で本種が交接している場面があちこ
ちに見られた.葉の上に張った網の下面で雌雄ともに仰向けでの交接姿勢であった(図 1).交
接シーンを撮影後,ササ 1 本を叩いたら葉の数以上の本種が落ちてきた.多分葉の上面だけでは
なく下面にも造網している個体があったものと思われる.帰宅して検鏡してみると ,外雌器の上
端からゲル状になった半透明で乳白色の物質がはみ出しているメスが多く見られた. 1 頭のオス
の腹部下面にある生殖口からも細く同様な物質が出ていた.これは検鏡の途中で揺らしたらすぐ
取れてしまったが,オスにもメスにも同様の物質が付着していることから ,精液であろうと推定
できた.
同年 7 月 14 日,ササの葉上では卵のうを守るメスの姿が散見できた(図 2).撮影後,種の
確認とオスの生存を知るために車道沿いで 2~ 3 本のササをビーティングした結果,6 頭のメス
成体を得たが,オスは得られなかった.
千曲市ではほかに 2009 年 6 月 26 日冠着山山頂(標高 1,252 m)で,オス成体 1 頭,メス成
体 3 頭,幼体 1 頭を得ている.同日はこのミヤマナンキングモを目当てに,隣接する筑北村や麻
績村を廻って採集を試みたが成果はなかった.このことからこの地域一帯では大池周辺が稀に見
る本種の多産地であることが示唆された.
図 3 ミヤマナンキングモとハシグロナンキングモとの違
ミヤマナンキングモとハシグロナンキングモとの違い
18
そこで,大池キャンプ場のミヤマナンキングモ群を,長野県版レッドデータブック( 2004)
付属資料に準拠して「絶滅のおそれのある地域個体群」( LP: Threatened Local Population)
に位置付けて,大池周辺一帯を里山保全的な(適度に人の手を入れる)保護を図るように提言し
ているところである.できれば市民対象に ,本種のほか大池周辺に多いアシナガグモ類やコシロ
ブチサラグモ,ナガテオニグモ,カバキコマチグモ,ウスリーハエトリなどを含めたクモ類の生
態の一端を覗くといったクモ類の観察会をとおして,保護の仕方やその必要性を考え合う機会が
設けられればと願っている.
付記になるが,大池から弁天清水(標高 900 m)にいたる林道脇では仮名シナノヤマヤチグモ
Tegecoelot es sp. (千国 1989)の生息も確認している.
ここにいたるまで,筆者が送り続けた幾多のサラグモ科の種を同定し ,解説まで加えてご返送
くださった斎藤博氏と,Tegecoelot es sp. がシナノヤマヤチグモと同一種であることを確認して
くださった西川喜朗先生に厚く御礼を申し上げる.
参考文献
小野展嗣 2009.日本産クモ類.東海大学出版会.
千国安之輔 1989.写真・日本クモ類大図鑑.偕成社.
藤澤庸助 2004.長野県クモ類目録. Kishidaia, 85: 47-101.
藤澤庸助 2007.長野県クモ類目録(第 2 報). Kishidaia, 91: 70-75.
19
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
「京都から越後へと」イソコモリを求めて
新 海
明
今年 2009 年もゴールデンウィークを利用して,谷川さんとイソコモリ探しをしてきた.ルー
トは京都の丹後半島から新潟までの北陸沿岸だ.このあたりの分布は徳本先生や吉田真さん金野
さんらによって,すでに調査済みなのではないかと訝しむイソコモリ「通」の方もいるかもしれ
ない.だが,今回の調査目的はイソコモリの DNAを調べるための採集旅行だった.谷川さんの
下調べであらかじめ調査地点がほぼ設定されていた.同じところばかりでサンプルしても地域間
の比較ができにくい.そのため今回はポイント間の移動距離が長かった.昨年までの調査と,こ
の点が大きく異なった.
5 月 4 日.新幹線で京都まで行き,山陰線を乗り継いで福知山へ入った.ここでレンタカーを
借りて丹後半島へと向かったのだが,この行程がかなり長かった .丹後半島周辺でレンタカーを
借りて,新潟で乗り捨てるには福知山で車を調達するほかに手がなかったという .たしかにそん
なルートを巡る観光客などあまりいないに決まっている.途上に通った「与謝」という町は,あ
の有名な与謝蕪村や与謝野鉄幹・晶子ゆかりの地だそうだ.そういえば,洛北の寺で蕪村の筆な
る天橋立の鳥瞰図を見た覚えがある.蕪村と天橋立は近かったのだ.谷川さん相手に「ウンチク」
を並べて時をつぶした.
第一日目の目的地は琴引浜(図 1)である.カーナビの指示に従い丹後半島を突っ切って日本
海へと出た.「琴引」浜という地名は各地にあるが,いずれも「鳴き砂」の場所として有名なよ
うだ.踏みしめたときに発する砂の音を琴の音にたとえたものだろう.到着すると,黄金週間中
ということもあってか駐車場には係員がおり,ここで駐車料金を取られてしまった .イソコモリ
調査では初めてのことである.「絶対に採らねば」と決意を新たにした.悲壮な!?決断のわり
にイソコモリはあっけなく見つかった.谷川さんの下調べのおかげである .あまりに簡単に見つ
かったので,宿に到着するまでの時間に余
裕ができた.そこで少し先に進みもう一箇
所でイソコモリを探すことにした.奥丹後
のひなびた海岸のキャンプ場に隣接した砂
浜だ.琴引浜での印象からここにもたくさ
んいるだろうと高をくくっていたのだが,
そう簡単にいかなかった.まったく「いな
かった」のだ.この浜での体験は,その後
に続く北陸での調査の苦難の始まりとなる
ことに,この時点では知る由もなかった.
図 1 琴引浜
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一日目の宿は,日本海に沈む夕陽が見事に
見える岸壁上にあった.各部屋に広いテラス
デッキがついており,そこに椅子とテーブル
があつらえてあった.ここに座り沈む夕陽を
眺めながら,谷川さんと缶ビールを傾けた.
われわれには余る贅沢なひと時である.これ
があるのでやめられない.このテラスに露天
風呂があればと思ったが,残念ながら風呂は
屋内のありきたりのものだった.
二日目は丹後半島から一路能登半島のつ
け根にある加賀温泉までの長丁場だ.午前中
図 2 曽々木海岸
は,私が唯一の観光旅行を希望した「伊根の船屋」へとまわった.丹後半島の海沿いをうねうね
と巡り,名だたる名勝天橋立の少し北方,半島の根元に伊根はある.道標にそって細い街路に入
ったが,対向車が来るとすれ違うのがやっとだ .「船屋 」とは海に面した土蔵や小屋の 1 階部分
というか地下というか,そこに船を入れるスペースを持った建造物のことである .伊根にはこの
船屋が多く現存することで名高い.私が初めてこの船屋を知ったのは映画「男はつらいよ」の中
である.船屋のいくらかは民宿となっており ,ここに泊まった寅さんは例のように船屋の乙女に
恋をするという,いつものパターンだ .それにしても山田洋次監督の古き良き日本の景勝地を探
し出す眼力には感心してしまう.この映画シリーズはいつの日か「日本」遺産の記録集になるか
もしれない.伊根の船屋を訪れたいと思っている方に 1 つだけアドバイスをしよう.町外れの小
高い丘の上に見学用施設がある.伊根は,ここから眺めるのがもっとも良い.観光施設を嫌う向
きの人もいよう.私も然り.でも海に向かって建っている船屋は町中に入ってしまうと,なんだ
かさっぱり様子がわからなくなってしまうのだ.車や行き交う人々に気を使うのも一苦労である.
閑話休題.
伊根をあとにして天橋立を過ぎ高速道路に乗った.小浜までは高速があるが ,その先の敦賀ま
での若狭路は一般道路のみだ.今日の第一サンプル地点は小浜の先の松原海岸である .到着して
みた景観は申し分ない.ところがいくら探しても巣穴のかけらさえもなかった .レベル 0 だ.今
度の調査はサンプル目的で,生息密度を明らかにするものではなかった.そこで,一定時間探し
て「いない」ときには早めに切り上げることに決めていた.「ここは捨てよう」.すぐさま決ま
った.この周辺の別の場所で探すことにした.敦賀半島の坂尻海岸へと向かった.だが,ここも
いなかった.さらに半島の先端の白木海岸まで車を飛ばした.プルサーマルで有名な原発「もん
じゅ」の真下の浜だった.だがここもダメだった.少しあせってきた.われわれの訪れる前の印
象ではこの一帯はイソコモリの宝庫のはずだったからである.次は敦賀市を越えてその北へと足
を伸ばした.こちらは小砂利の浜が多かった.やっと少し砂まじりの浜を探し当て,ここで遅い
昼食をとることにした.そそくさと昼食をすませて調査に入ったが,やはり「いない」.今日中
に加賀まで行く予定なので,若狭はここでタイムオーバーだ.だが,不幸中の幸いで敦賀からは
北陸道が通っているので,一気に高速を使って加賀へと向かった .加賀の地は徳本先生のフィー
ルドである.イソコモリは確実に生息するはずだ.果たして,そこはイソコモリ天国だった.サ
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ンプルはまたたく間に集めることができた.今宵の宿は片山津温泉郷 .この名前を耳にしたこと
は何度もあったが,泊まるのは初めてだ .あの雪の結晶の研究で有名な中谷宇吉郎記念館があっ
た.興味を惹かれたが訪れる時間はなかった.
三日目は能登半島を巡る旅だ.加賀から能登半島の先端まで行き,富山までもどる.加賀温泉
のそばから高速に入り能登有料道路へと向かった.この有料道路には途中何箇所もの料金所があ
り,200 円,300 円,500 円と小刻みに料金を徴収され,結局 1000 円以上払うことになってし
まった.ここは県有道路なのだ.今年から始まった高速の 1000 円一律料金の恩恵は受けられな
かった.
輪島はかつて 2 度ほど訪れたことがあったが,町の中心部の様子がかなり変貌していた.廃止
された駅舎は物産館に変わり,駅前の通りは電柱の地中化が進み ,店並み全体の様子がノスタル
ジックなものとなっていた.朝市ばかりが有名となったので ,町の中心へも観光客を呼び入れる
算段かもしれない.調査目的の浜は輪島のさらに先だ.道を急いだ.途上の海岸沿いの道路 に ,
彼の有名な白米千枚田があった.谷川さんは学生時代にここをバイクで通ったことがあったのだ
そうだ.そのとき田んぼのそばでお婆さんとなにやら話をしたという .だが素朴な面影はすでに
失せていた.傍らには駐車場と土産物屋ができ,大型バスが入っていた.バァちゃんがいるわけ
もなかった.はじめて見た白米千枚田だったが,その小ささに驚いた.私は海沿いの道路より上
側の斜面に広がっているとかってに想像していたのだが,千枚田は道路の下 ,海に向かって存在
していた.「よくもまぁ,こんなに狭いとこに水田を作ったものだなぁ」見た人が等しく思う感
想だろう.今は輪島市が買い上げて管理しているのだそうだ .曽々木海岸はこの千枚田の先にあ
った.小さな町のありふれた浜だった.でもここにイソコモリは豊産した.サンプルはまたたく
間に集めることができた.
能登半島の調査はここ曽々木海岸(図 2)だけだったが,半島のつけ根富山県に入ったところ
で数ヶ所調査をした.富山県のイソコモリは絶滅したとの報告があり(徳本ら 2008),これを
確認する意味もあった.3 日目か ら 4 日目にかけて富山県内の浜を調査して回ったのだが ,結局
1 個体も発見できなかった.やはり富山県では絶滅した可能性が高いようだ.しかし,すべての
浜を調べたわけでではないので,読者の中で富山の海岸を訪れる機会があった方は再調査してい
ただけたら幸いである.
さて四日目.最終日の午前は前述のように富山県東部の浜を調べ ,次にいよいよ新潟県に入っ
た.北陸道を親不知 IC で下りて,海岸沿いを北上した.話には聞いていたが親不知付近の景観
は壮絶だった.よくもまぁ,こんなところに道路を作ったものだと感心してしまった.当然なが
ら砂利浜ばかりだ.「ここは」と思った浜は糸魚川を過ぎ直江津の近傍の谷浜海水浴場(図 3)
周辺だけだった.砂浜の景観は良かったが,ここでも発見できなかった.午前中は富山から全敗
である.北陸の海岸ならイソコモリはどこにでもいるものと思っていたのは誤りだった .当り前
といえば当り前のことなのだがわれわれには錯覚があったのだろう.能登からここまでイソコモ
リの空白地帯が存在するのかは不明である.それはともかく,この付近でサンプルが必要だ.
結局,柿崎へ向かうことにした.ここは一昨年に調査に訪れ,生息が確認されている.もっと
もたくさんいた浜は JR 北陸本線脇の砂浜だが,行ってみると工事関係者が仕事をしていた.浜
へは線路を突っ切らないと入れないので,ここは断念した .柿崎の海水浴場の浜は数が少なかっ
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たが仕方がなかった.けれども,何とか目
標のサンプル数は集めることができた.今
日はじめての成果だった.帰りの新幹線ま
でにはまだ間があったので,も う 1 ヶ所探
すことにした.あの柏崎刈羽原発の先にあ
る西山町の浜だ.彼の田中角栄の生誕地で
ある.角栄記念館なるものの標識を横目で
見やり,砂浜海岸を探した.やっとのこと
で探し当てた砂浜は海水浴場で,景観的に
も今ひとつピンとこなかった.案の定イソ
コモリは発見できなかった.
「京都から新潟にかけての沿岸のいたる
図 3 谷浜海水浴場
ところにイソコモリは生息している」とのわれわれの先入観は見事に打ち砕かれた .生物の分布
はやはりパッチ状なのだ.青森県の下北半島での経験と同じだ.越後西山町での調査を最後 に ,
今回のわれわれのイソコモリ探蛛行は終わった.一気に車を内陸の長岡へと向かわせ ,ここで上
越新幹線へと乗り継いだ.
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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アズチグモから線虫が出た
中島 晴子
2009 年 8 月 29 日,千葉の大網に住む友人から,庭のミソハギの花畑でクモを見つけたから
と郵便が届きました.黄色のアズチグモで腹部が大きくふくらんでいるので卵を産むのだったら
見てみたいと思い,プラスチック容器で飼うことにしました.庭の草や花などを入れ,小さな蛾
やハエ,バッタの子などを日替わりで入れてみましたが食べてはくれません .見ている間は動か
ないのですが,いつの間にか居場所が変わっているので生きていることはわかります .そろそろ
逃がしに行こうと考えていた 9 月 5 日の朝 ,小さく縮まって死んでいました.少し離れたところ
に白い糸くずが丸まっているので,最初「あれ?何だろう」と思い,よく見ると,かすかに動い
ているではありませんか.その時,
約束の来客があったので,そのまま
にして二時間後に戻ってみると,例
の糸くずは少しほどけてもうすで
に固くなっていました.細い先が頭
と思われますが,容器の壁を上ろう
とするような姿でした.ピンセット
で折り紙の上にクモと線虫を置い
て写真を撮りました.そして乾燥し
図 アズチグモとアズチグモから出
アズチグモとアズチグモから出てきた線虫
てきた線虫
ないうちに二つをアルコール瓶へ
入れました.
ジョロウグモの網に入っていたクロマルイソウロウグモ
平松 毅久
2009 年 10 月 11 日東京都あきる野市横沢入りで行われた東京蜘蛛談話会採集観察会に遅れて
参加した筆者は,ジョロウグモ Nephila clavat a L. Koch1878(以下「ジョロウ」)メス成体
の網に寄生するイソウロウグモを見ていた.主にトビジロイソウロウ ,ミヤシタイソウロウなど
が見られたが,一部黒い 1 mm に満たない微小なイソウロウグモが混じっていた.よく見るとク
ロマルイソウロウグモ Spheropist ha melanosoma Yaginuma 1957(以下「クロマル」)のよ
うであった.念のため谷川明男氏に見ていただいたところ腹部後端に一対の白斑がありクロマル
の幼体に間違いないとのことであった.
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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筆者は以前埼玉県飯能市飯能の天覧山の麓でやはりジョロウの網からクロマルを見出したこ
とがある(平松 未発表).過去に記録されているクロマルのホストは,オオヒメグモ(中平 1961,
新海 1989,新海 2001),ニホンヒメグモ(池田 2001),カグヤヒメグモ(新海 2007)と
いったヒメグモ類であり,その時は 1 頭のジョロウの網にクロマルが 1 頭確認されただけだった
ので,偶発的な観察例にすぎないとの認識であった.今回の観察では ,複数のジョロウの網(24
例中 6 例)から 1~ 4 頭のクロマルが確認されたことから,本種は少なくともある時期(おそら
く秋~冬)一時的にジョロウをホストとして利用している可能性がある .また今回行ったジョロ
ウの観察はすべて林縁部であり,周囲にオオヒメグモやニホンヒメグモの網は存在しなかったが,
生息環境としては,オオヒメグモはともかくニホンヒメグモがいてもおかしくない環境であった.
クロマルの大きさから判断すると卵のう脱出後間もなくジョロウの網に入り込んだものと思わ
れた.
クロマルはホストであるオオヒメグモやヒメグモの出のう直後の幼体を捕食する(新海 1989,
池田 2001)のみならず成体をも捕食する(新海 1989,池田 私信)ホストキラーとして知ら
れるが,ごく初期の幼体の食性や生活史については報告がない .ジョロウの網で確認された幼体
は,大きさ(1 mm 弱 )から判断してホストであるジョロウやホストの網にいる他種を捕食する
とは考えにくい.ジョロウの網では餌盗みをしているのだろうか?
最後に本種の同定をしていただいた谷川明男博士に感謝申し上げる.
付記:2009 年 10 月 19 日埼玉県秩父郡皆野町皆野蓑山公園においてクロマルがジョロウの網に
居候しているのを確認した.サイズはやはり 1 mm 前後であった.この場所では同年 9 月 7 日
にクロマルの卵のうを 1 個確認している.
引用文献
池田博明 2001.クロマルイソウロウグモがヒメグモ幼体を捕食.Kishidaia, 81: 38.
新海 明 1989.クロマルイソウロウグモの捕食行動について(日本蜘蛛学会第 20 回大会講演要旨).
Atypus 93: 25.
新海 明 2001.関東地方でのクロマルイソウロウグモの採集記録.しのびぐも(28): 11-12.
新海 明 2007.イソウロウグモのホストの一覧.Kishidaia, 91: 21-30.
中平 清 1961.高知県のクモ.Atypus, 23/24: 27-60.(著者未見)
子グモがふ化するまで卵のうを守る?マルコブオニグモ
平松 毅久
2009 年 7 月 18~ 20 日長野県北佐久郡立科町で行われた東京クモ談話会採集観察合宿最終日
20 日午前中の観察地である夢の平において,広葉樹の葉上で卵のうを保護していたマルコブオ
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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ニグモ Araneus rotundicornis
Yaginuma,1972 のメス成体(図)を
見つけた.卵のうは卵塊に白い糸をか
けた比較的簡素なものであった.写真
撮影の後卵のうが付いた枝ごと筆者が
持ち帰り円筒形のプラスチック容器
(高さ 10.7 cm,上径 6.7 cm,底径
5.8 cm)に入れて飼育した.
図 卵のうを 保護する
保護する マルコブ オニグモ
持ち帰った 20日から 23日まで母グ
モはずっと卵のうのそばにいて保護しているのを確認した.夏季休暇と溜まった有給休暇消化の
ため留守にした関係で 7 月 23 日~ 8 月 5 日まで職場のロッカーに容器を入れておいたが,幸い
8 月 5 日に確認したところまだ生きており,依然卵のうのそばで保護していた .自宅に持ち帰り
翌 8 月 6 日に確認すると子グモが孵化しまどいを形成していた.母グモは翌 8 月 7 日に死亡し
た.前述のように観察にブランクがあるため断言するのは危険かもしれないが ,子グモの孵化前
日に母グモが卵のうを保護していたことから,本種は産卵から孵化まで卵のうを保護すると思わ
れる.
幼体の飼育を試みたが,技術が未熟なのか,愛情が足りなかったのか,或いは両方が原因なの
か,残念ながら約 1 カ月後に全滅させてしまった.ちなみに生まれたばかりの子グモをカウント
したところ 286 頭であった.本種の生活史や習性については殆ど記録がなく,不完全なデータで
はあるが報告することにした.
イソコモリグモは,福島県にはどこにもいないが,
茨城県高萩市にはたくさんいる
谷川 明男・新海 明
2009 年 10 月 16 日と 17 日,茨城県高萩市産イソコモリグモの遺伝子解析用サンプリングを
行った.その機会を利用して ,イソコモリグモの生息の有無を確認しながら福島県の砂浜海岸も
見てまわった.探索を行った海岸は末尾に掲げた.結局,前に報告した(新海・谷川 2008,
Kishidaia, 94)海岸を含め ,福島県内の海岸ではまったく生息を確認することができなかった.
訪れた海岸では,その全てに防波堤か傾斜護岸が築かれ ,ほとんどの場合には離岸堤も設置され
ていた.しかし,多数のイソコモリグモが生息している高萩市の海岸も決して自然海岸ではない.
防波堤の築かれた海水浴場であり,離岸堤もあるし ,背後は海水浴客用の駐車場をはさんで団地
となっている.これで大丈夫なら福島県の海岸にも生息していてもよいように思う .どうも現在
の環境条件以上に過去の歴史が影響しているような気がした.
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
── DRAGLIN ES─ ────────────────────────────────
高萩市の海岸に到着して歩き始めると,すぐに大きな放棄巣がいくつも目に入った .かなりの
個体数が生息しているようである.幸い風の弱い日であったので ,イソコモリが隠れている穴の
周囲には,ふたを作成した後の痕跡が残っていた .クモが砂をかき出したあとがキクの花状につ
いている.だが,ふたの部分はドーム状に膨らんでいない.今までに採集に訪れた場所では,大
きな個体の穴のふたはドーム状に膨らんでいた.ただし ,ドーム状になっていたものは見つける
ことができ,そうでないものは見つけることができていなかっただけかもしれない .あるいはド
ーム状になるのは産卵期だけなのかもしれない.今回新たに認識したのは ,オス成体の巣穴は浅
いということだ.地表からほんの数センチのこところにクモが潜んでいる .そのために巣穴の周
囲の砂の色を見ればクモを掘り出さなくてもオスなのかメスなのかが判断できた.地表と色の変
わらない砂がまかれているのはオス,少し違う色の砂がまかれているのがメスであった.ただし,
これもこの海岸の砂の色がメスの巣穴の深さまで掘ると表面のものと違っているからで,もしも
深く掘っても砂の色が変わらなければこのような区別はできないだろう.今回はほとんど無風で
あったことと,砂の色が深さによって違っていることが幸いしたようで ,個体数の少ない成体期
にもかかわらず短時間で多数の個体を発見することができた.
最後になったが,生息地のご案内をいただいた井上尚武さんに厚くお礼申し上げる.
表 探したけれどもイソコモリグモを
したけれどもイソコモリグモを見
モリグモを見つけることができなかった
つけることができなかった海岸
福島県 相馬市 磯部
南相馬市 鹿島区北海老
南相馬市 鹿島区南右田
南相馬市 小高区村上
南相馬市 小高区角部内
双葉郡浪江町 棚塩
双葉郡双葉町 郡山
双葉郡大熊町 熊川
いわき市 久之浜町久之浜
いわき市 久之浜町田之網
いわき市 四倉町
N37°47’
N37°43’
N37°41’
N37°34’
N37°32’
N37°29’
N37°27’
N37°23’
N37°08’
N37°07’
N37°06’
ムツトゲ日誌のムツトゲ成長記録
25.3”
10.2”
15.0”
08.9”
57.3”
18.1”
15.8”
11.1”
26.6”
16.4”
15.7”
E140°59’
E141°00’
E141°00’
E141°01’
E141°01’
E141°02’
E141°02’
E141°02’
E140°59’
E140°59’
E140°59’
11.6”
38.9”
43.7”
33.6”
42.1”
20.2”
14.3”
02.3”
58.5”
51.0”
27.8”
谷川 明男
通信に連載されている張替さん作の漫画「ムツトゲ日誌 」の主人公であるムツトゲイセキグモ
の脱皮殻と成体になった時の背甲幅を測定させていただいた.また ,吉田嗣郎さんには子グモが
出のうしたあとのムツトゲイセキグモの卵のうと出のう直後の幼体,およびその脱皮殻を測定さ
せていただいた.
子グモが出のうしたあとの卵のう内には卵殻と脱皮殻があり,脱皮殻の大きさは皆同じように
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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見えた.すなわち,ムツトゲは孵化後,卵のう内で 1 回脱皮し, 2 令となって出のうするものと
判断した.
張替さんが飼育されていたムツトゲは,採集されてからメス成体になるまでに 4回脱皮をした.
それぞれの脱皮殻と成体メスの背甲幅は,0.85,1.08,1.48,2.07,2.77 mm で あった.吉田
さんの飼育されていた 2 令幼体 7 個体の背甲幅の平均は 0.65 mm, 3 令幼体 3 個体の背甲幅の
平均は 0.84 mm であった.両者を比較すると,張替さんの最初の脱皮殻のサイズ 0.85 mm は
吉田さん飼育の 3 令幼体の背甲幅の平均値 0.84 mm にたいへん近い.このことから ,張替さん
が採集した時点でのムツトゲ幼体は 3 令であり,その後,4 回の脱皮を経て 7 令のメス成体にな
るまで育て上げられたものと思われる.
貴重な標本資料の測定をさせてくださった張替智行氏,吉田嗣郎氏に厚くお礼申し上げる.
ジョロウグモがジョロウグモを捕食
池田 博明
隣接して網を張っていたジョロウグモが網を壊されて動いた拍子にジョロウグモに捕食され
た.山形県天童市荒谷のマツの樹木と駐車場の小屋根の間に張
られた網を, 2009 年 10 月 27 日,午前 10 時 20 分壊したと
ころ,数分後に捕食されているクモに気づいた.捕獲の瞬間を
見ていないが,網を壊されて不用意に動いたスキをつかれたの
ではないか.上の方のクモが下のクモの頭部にかみついている.
下のクモは麻痺が始まっている.
ジョロウグモどうしが糸を共有して網を接し,集団を作って
いるところでは共食いは無いかもしれないと理由もなく考え
ていたが,そうではなかった.
図 共食いする
共食いする ジョ ロウグモ
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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シロオビトリノフンダマシの卵のう作成
山本 一幸
シロオビトリノフンダマシが卵のうを作成している途中を観察しているので,ここに報告する.
今回観察したシロオビトリノフンダマシの卵のうは,低い場所に作られ「黄色で,形態は細身
の紡錘形」をしている点で,荘司(2009)の報告と同じであり,その色と形は新海・高野( 1984)
の写真とは異なる.
当地では,シロオビトリノフンダマシの発見は稀であり,その卵のうは,この度初めて発見さ
れた.
観察結果
日時: 2008 年 8 月 15 日,午 前 0 時 37 分~ 1 時 29 分.
場所:兵庫県豊岡市日高町十戸,「清滝浄化センター」敷地内のサザンカの生垣,地表からの
高さ約 25 ㎝の枝先.
発見時は,卵のうはすでに長さ約 4 cm の白色をした細い紡錘形をしていた(図 1).クモ
は上下に移動しながら,腹部を打ちつけるようにして糸を付けていた.内部の卵塊(細長い黄
色)が透けて見えていたが,やがて糸の密度が増し, 1 時 28 分には卵のうの外壁に黄色の糸
が付けられるようになった(図 2).時間の都合で最終までは観察できなかったが,その日の
日中に同じ場所で完成した卵のうを確認した.親グモの姿は発見できなかった.
図 1 クモは上下
クモは上下に
上下に移動しながら
移動しながら糸
しながら糸を打ち付ける.
ける.
図 2 黄色く
黄色く紡錘形の
紡錘形の卵のう .
参考文献
新海栄一・高野伸二 1984.フィールド図鑑クモ.東海大出版会.
荘司康治郎 2009.シロオビトリノフンダマシの卵のう.Kishidaia, 95: 32-33.
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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産卵直後に交接をしたエゾアシナガグモ
山本 一幸
産卵直後,卵塊が卵のうで包まれず ,まだ露出したままの状態でありながら交接をしているエ
ゾアシナガグモのメスの特異な行動を観察したので報告する.
卵のうで保護されていない無防備な状態の卵塊は外敵に襲われやすく,産卵直後は直ちに糸で
包む必要があると思われる.また,本能で行動する動物では,一つの行動が完結するまでは他の
行動を差し挟めないことが生物学の通説になっていた.トリノフンダマシなどの産卵 ,卵のう作
成を観察していると,産卵後はすぐに卵塊を糸で包み ,一心不乱になって卵のうに糸を絡ませ完
成まで休むことがない.それから考えると,今回のエゾアシナガグモのメスの行動は,我が子の
世話をほったらかしにして恋路に走ることが珍しくない,ある高等生物のメスの行動を連想させ,
少々理解に苦しむ.
観察結果
日時: 2009 年 6 月 13 日,午 後 23 時 50 分~52 分.
場所:兵庫県豊岡市日高町十戸,林道ぞいの低木(タニウツギ),地表から約 40 cm の高さ
の葉裏.
発見時にはすでに交接をしており(図 1),葉裏に引かれた橋糸に,頭部を下にして垂直に
ぶら下がるメスに,オスは背面を下にして横位置で接していた.オスは,上顎の牙でメスを頭
胸部ごと抱えこんでおり,第 4 脚でメスの腹部を “く”の字にまげ,触肢をメスの生殖器に当て
ていた.触肢の先端の精嚢が膨らんだり萎んだりするのが観察され,その時に精液がメスの体
内に注がれているものと思われる.
葉裏には,交接中のメスが産卵,作成途中と思われる卵のうがあり,下部には淡青色の卵塊
がまだ露出していた.観察を一時中断し,約 25 分後の 14 日午 前 0 時 15 分に再び観察に行
くと,オスの姿はすでに無く,メスが卵塊を糸で包む行動を再開していた(図 2).
図 1 卵塊
卵塊の
の露出した
露出した卵
した卵のう(
のう (矢印)
矢印)の下で
交接する
交接する エゾ アシナガグモ
30
図 2 卵のうの作成
のうの作成を
作成を 再開したメス
再開したメス
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
── DRAGLIN ES─ ────────────────────────────────
ゴミグモの巣上で吸汁したヤマトシリアゲの観察例
高津 佳史
本誌 96 号に掲載された平松氏の報文を拝読し,私自身も 5 年前に同様の事例を観察していた
ことに(今更ながら)気付いたのでここに報告します.
2004 年 5 月 12 日神奈川県秦野市栃窪の放棄ミカン園において,ゴミグモの巣上に止まるヤ
マトシリアゲを発見しました.平松氏の場合と同様に ,ヤマトシリアゲはゴミグモの網中央部に
吊るされた「ゴミリボン」に止まって口吻を餌の残骸に付けた状態でした.
観察当時は「さすが悪食のヤマトシリアゲ,こんなものまで餌にするか!」と感心しただけで
したが,幸いにも現場 を 2 枚の写真に撮影していました .図 2 には筆者発見時の両種の位置関係
が記録されていますが,ゴミグモはヤマトシリアゲに遠慮したのか?巣の端に移動していたこと
が分かります.
図 1 ゴミリボンから吸汁
ゴミリボンから吸汁するヤマトシリアゲ
吸汁するヤマトシリアゲ
図 2 両種の
両種の位置関係
ヤマトウシオグモは昼間何をしているのか?
高津 佳史
ヤマトウシオグモは実は夜行性ではないか?そんな疑問を抱かせるような事例に遭遇しまし
たので報告します.
干拓問題で揺れる沖縄県の泡瀬干潟,暑い盛りの 7 月 22 日にヤマトウシオグモを探して石起
こしに励んでいました.サンゴの隙間にようやく見つけた住居は ,最干潮時にも関わらず入口に
網が張られていました.(申し訳ないとは思いながら )網を破って中をのぞくとヤマトウシオグ
モが迷惑そうに飛び出して来ました.そこで疑問がわきました .何故昼間っから住居に潜んでい
るのでしょう?沖合まで干潟が現れて餌探しには絶好の状況でしたが,あまりの暑さに休憩中だ
ったのでしょうか?
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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本誌 93 号で報告した 2007 年 11 月 3 日の
観察例も当時は潮が満ちて来たため巣穴を閉
じたと推測しましたが,干潮時から巣の入り口
を閉じていたとも考えられます.
あれこれ考えるより,夜間調査を行えば一発
で解決するはずですが・・・
図 巣か ら無理
ら無理やり
無理やり引
やり引き 出されたヤマトウシ オグモ
安芸の宮島で見たキシノウエのようなキノボリの住居
新海 明
「キノボリトタテグモとキシノウエトタテグモの住居を見誤るようになったら,もうお終いだ」
と自分自身でも思っていたが・・・やってしまった.それも谷川さんともどもの討ち死にである.
すでに,キムラとキシノウエでも「やっちまった」のだから,もう救いがない.
2009 年 10 月 4 日.われわれはキシノウエを求めて広島県安芸の宮島へと入った.この情報
は井原さんからのもので,キノコ屋さんからのクモタケ情報に基づくものだった .桟橋から宮島
参道へと向かう観光客から離れ,われわれは宮島包ヶ浦自然公園の舗道へと向かった .崖の様子
や付近の環境は申し分ない.道路沿いやその脇の藪の中にのぞく崖に目を凝らした.
「こりゃあ,
たくさんいるな」とのはじめの感想は,すぐにやぶられてしまった.まったくいない.古巣のか
けらも見当たらなかった.「クモタケが見つかっているのだから,どこかにいるはずだ」と崖面
を舐めるよう探したが,まったくの「スカ」である.やがて,宮島の塔や仏閣が臨めるところま
できてしまった.「山道はダメだろうから,人家周辺へ向かおう」というわけで,山道を下りか
けた脇に神社があり,「ウ~ム」と思わせる石垣があった.すぐに目を凝らすがやはりいな い .
しかし,あきらめずその下に伸びた道沿いの崖地に目をやると,直径 3~ 4 mm ほどのあの扉が
「あった」のだ.「いたぞ!」.すぐさま谷川さんに呼びかけた.掘り取りは谷川さんのほうが
上手いのですべてを任せた.「やったね」という安堵感と同時に,さらに周辺にいないか探し始
めた.しばらくすると,「ワァ,こりゃキノボリだ」と,谷川さん.「掘りはじめたらすぐそこ
にいたから,おかしい?と思ったが,出てきたのはやはりキノボリだった」とのこと.扉を見た
ときは谷川さんもキシノウエだと思ったというので,少しは安心した .しかし,二人そろって「や
られてしまった」のは反省である.
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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読者の中には,「だってキノボリは崖の上に住居を貼り付けるように作り,キシノウエは崖に
穴を穿って住居を作るから,簡単に区別できるじゃないですか」と思う方もいるだろう.私たち
も然り.そう思っていた.それがそうでなかったから,このような報告となったとご理解をいた
だけたら本望である.
ジョロウグモの耐寒力に関して –たったの 2 例からですが藤澤 庸助
私はジョロウグモ生息の標高上限について, Kishidaia No.96(2009)に,2008 年の調査結
果を報告しました.調査結果と気温のデータをからませた考察をしてみて ,生息限界はその年の
最低気温が要因のひとつではないかと思えてきました.
そのような思いが頭にあったため,当年 2008 年と 2009 年にジョロウグモの生死と気温とが
関係ありそうな観察をしましたので,2 例だけでものを書く暴挙をお許しいただいて一報します.
2008 年
以下は日記からひろい出したものです.カッコ内が日記分です.
・12 月 5 日曇のち晴れ.(+ 5℃!午後は突風と雨,温かい一日でジョロウグモが玄関正面へ移
動していた.)記憶が曖昧ですが,南面向の玄関の東側,庇から玄関の柱にかけて網を張って
いた 2 頭のうち,産卵が遅れた玄関正面寄りの 1 頭が網を離れて軒の下面に移動したという意
味だと思います.
・12 月 6 日-3.0℃,(軽井沢並み .昨夜のうちにジョロウグモが産卵を終えていた.日中のろ
のろまだ糸をかぶせている姿が痛々しいほどだ.次の代に命を託す本能に心を打たれた.)
・ 12 月 7 日 7: 00 現在-6.5℃.思わぬ寒さに驚いてタイヤ洗いや野沢菜の収穫,ネギの収納
などに追われてジョロウグモを観察しなかったようです.
・ 12 月 8 日 7: 00 現在-5℃以下.(昨日- 6.5℃の低温でジョロウグモの殆どは死亡落下.)
玄関先のクモのほか,家の周り全体の状況です.
2009 年
・今年も玄関の東側と西側に,ジョロウグモが 1 頭ずつ網を張っていました.東側のクモは ,軒
の庇の雨どいから玄関の柱にかけて網を張ったので,雨がかかりません .一方西側のクモは雨
どいから玄関脇に植えられたナツツバキの枝にかけて網を張ったので,雨にさらされています.
2 頭とも腹部が肥大していましたが,秋が深まっても産卵しません.日を追って気温が下がっ
てくると網の張り替えも片面 2 日がかりとなり,そのつど網面が小さく横糸の間隔も粗くなっ
ていきました.餌がかかった形跡もありませんでした.
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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・11 月 4 日朝約- 5℃.昨夜は寒波襲来で庭のツツジの葉にも雪が積もり,季節外れの寒さでし
た.西側のナツツバキのクモは地上に落下していました.一方,東側の軒下のクモは腹部が反
り返るように垂れた状態でしたが,落下を免れ ,気温の上昇とともに正常な占座姿勢に戻りま
した.この生死を分けた要因には,個体差のほかに雪や霜に直接さらされたか否かの違い,体
表についた雪や霜が気化することで奪われる体熱の有無,あるいは両所の微小な気温差などが
考えられます.
・11 月 9 日小春日和の日中,東側のクモは昨年のクモが産卵した西方 2cm も離れていない軒の
下面に産卵を終えて卵のうの上に糸をかけていました.卵のうは長径約 1.5cm,短径 約 1.2cm
でした.
・ 11 月 24 日朝,約- 4℃.この寒さでも相変わらずクモは卵のうの上におおいかぶさっていま
したが,卵のうとの間隔は開いていて,ぶら下がっているといった状態でした.
・ 11 月 25 日昼,昨夜の雨があがって穏やかな小春日和.例のジョロウグモは?と見上げると,
なんと超スローですが,卵のうの上に糸をかけているではありませんか .母グモはこの時期に
なっても卵のう造りの一連の手順を続けようとしているのです.
・ 12 月 8 日朝,- 5℃以下,遂にジョロウグモは落下し,死んでいました.
偶然の一致かもしれませんが, 2 年間の観察で,ジョロウグモが落下した気温が-5℃から-
6℃という結果をみて,耐寒力の限界温度がこのあたりにありそうな気がしました.毎年同様の
観察を多数続ければさらに精度が上がるでしょうし,別の要因が見えるかもしれません .年によ
って結果が違うかもしれません.
1999 年に日本蜘蛛学会の有志の皆さんによって行われた調査では,長野県のジョロウグモは
他県に比べて標高の高いところまで生息しているという結果が出ました(池田ら 2000).この
結果について,宮下直さんは,「低地からの遺伝子流動が周囲の山々によって遮られているため,
寒冷地適応ができ上がっているからではないか」と推測しています .寒冷地適応という観点から
みて,他県では産卵の遅れたジョロウグモが ,何度ぐらいの寒さまで耐えていられるのか興味が
わいてきました.最低気温ばかりではなく,様々な要因が影響しているのかもしれませんが・・・.
先の卵のうから子グモたちがふ化するか否かと来春が楽しみです.卵の耐寒力の限界はどのあ
たりにあるのでしょう.しかし,野外観察にも限界があります.こればかりは施設の整った実験
室でないと解明は難しいように思えます.
ちなみに 2008 年 12 月 5 日夜に産卵した卵のうには出のうの跡がはっきり残っています.
参考文献
池田博明・新海 明・鶴崎展巨・徳本 洋・西原かよ子・藤沢庸助・桝元敏也・宮下 直 2000.ジョロウ
グモの垂直分布調査.Kishidaia, 79: 43-53.
藤澤庸助 2009.ジョロウグモ生息の標高上限調査報告(2008 年).Kishidaia, 96: 75-80.
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5 月におけるコゲチャオニグモ成体の採集例
馬場 友希
コゲチャオニグモ Neoscona punct igera は日本本土では秋に孵化した幼体が越冬し,翌年の
7 月~ 9 月に成熟するという年 1 化の生活史をもつ(千国 2008,新海・高野 1984,1987). 筆
者は 5 月というきわめて早い時期に本種のメス成体を採集していたので(馬場 2006),特異な
事例として改めてここに報告する .
コゲチャオニグモ
Neoscona punct igera 2001/5/14
1♀ 福岡県糟屋郡 相ノ島
採集個体は平均的なコゲチャオニグモよりも一回り大きく , 一見ヤマシロオニグモのようであ
った . 新世代の幼体が急激にこのサイズにまで成長したとは考えにくく , 前世代の個体が何らか
の理由で越冬し , その後成熟したのではないかと推測される .
引用文献
引用文献
馬場友希 2006.福岡県で採集したクモ. Kishidaia, 90: 41-43.
千国安之輔 2008.写真日本クモ類大図鑑改訂版.偕成社.
新海栄一・高野伸二 1984.クモ.東海大学出版会.
新海栄一・高野伸二 1987.クモ基本 50.森林書房.
東京・世田谷区で採れたマルゴミグモ
笹岡 文雄
マルゴミグモ Cyclosa vallat a は元々南方系で海岸部に生息する種であった.しかし近年北
上傾向にあり, 2008 年東京都心部で多数が確認された(新海 2008).その後も新海によると
東京の市部においても広い範囲に生息し,世田谷区でも確認したという.
筆者も 2009 年 6 月 16 日,世田谷区世田谷(区役所付近)にて 3 個体のマルゴミグモを目撃,
内 1 頭を採集(メス成体)し確認した.世田谷区においては初確認ではないが ,分布状況に関す
る情報として貴重と思われるのでここで報告したい.
謝 辞
新海栄一氏からは貴重な情報を頂けた.ここにお礼を申し上げたい.
参考文献
新海栄一 2008.国会議事堂前に出現した熱帯性のクモについて.Acta Arachnologica, 57(2): 120.
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ウシガエルに食われたクモ
武田 勇人・谷川 明男
ウシガエルの胃内容物から発見されたクモについて報告する.調査の対象となったウシガエル
は,岩手県一関市のため池から,2009 年 6 月から 9 月にかけて,アナゴカゴによるわなや,釣
り,もりによって採集され た 163 個体で,このうち 18 個体の胃内容物にクモが見られた.ウシ
ガエルの個体番号とその胃内容から発見されたクモは表のとおりである.
表 ウシガエルの胃内容
ウシガエルの胃内容から
胃内容から発見
から発見されたクモ
発見されたクモ
個体番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
胃内容から発見されたクモ
ハエトリグモ科の一種 1y
ヤマトフクログモ 1M
アシナガグモ属の一種 1y
ハシリグモ属の一種 1y
ヒノマルコモリグモ 2M
キバラコモリグモ 2M
アシナガグモ属の一種 1y
オオアシコモリグモ属の一種 1y,イオウイロハシリグモ 1y
カニグモ属の一種 1y
ヤチグモ類(属不明)の一種 1y
フクログモ属の一種 1y
コモリグモ科の一種 1y
キバラコモリグモ 1M
アシナガグモ属の一種 1y,カイゾクコモリグモ属の一種 1y
ヤサガタアシナガグモ 1F1M,キバラコモリグモ 2M
ハラビロアシナガグモ 1M,キバラコモリグモ 1M,ナカムラオニグモ 1F,
オニグモ類(属不明)2y
ヤチグモ類(属不明)1y
ハリゲコモリグモ類の一種(種不明)1F
ギンメッキゴミグモも北上顕著か?
藤澤 庸助
筆者が過去に長野県下で得たギンメッキゴミグモ Cyclosa argent eoalba は 2003 年 9 月 16
日に北安曇郡三郷村〈現安曇野市三郷 〉北小倉で得たメス 1 頭のみである.県の中・南部では筆
者の採集物はないが,文献では 2001 年発刊の下伊那誌に記録が見られる.それがここ 2 年間に
県東・北部で相次ぎ確認された.
最初は,2008 年 8 月 8 日,千曲市戸倉の八王子山散策道入口付近でメス成体 1 頭の採集であ
った.同所では同日クマダギンナガゴミグモメスの成体 1 頭とヨツデゴミグモのオス幼体 1 頭も
採っている.次いで翌年 2009 年 6 月 25 日にも戸倉の見性寺の境内で本種のメス成体 1 頭,オ
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ス成体 1 頭,オス幼体 1 頭を採集,まだあちこちの墓石の間に造網していた.ほかにクマダギン
ナガゴミグモと思われるメス幼体 1 頭を採集した.
また, 2009 年 5 月 18 日,須坂市の臥竜公園の臥竜山で本種のオス成 体 1 頭を採集した. 9
月 1日に訪れたときには散策道や山頂部のやぶにジョロウグモに優占するほどの密度で造網して
いて,メス成体を 5 頭採集した.長野市では 2009 年 9 月 8 日豊野町〈旧上水内郡豊野町〉の多
賀神社,観音堂,長秀院,経塚で本種が多数確認できた.
ここまでは,標高が低い温暖な地であるがゆえに生息できるのだろうと自分勝手に解釈してい
た.筆者の今までの解釈が覆ったのは同年 11 月 21 日のことである.上田市常磐城の矢嶋家を
訪れたところ,庭園に数頭のギンメッキゴミグモの幼体が網を張っていたのである .この庭は筆
者が若い頃( 1958 年~)にクモ類の行動などを観察していた場所である.本種を見落とす筈は
なかったと信じたい.1995~ 2000 年にかけた調査でも上田市内外では本種を 1 頭も採集してい
ない.したがって 2001 年以降に本種がここに定着するようになってきたのではないかと思われ
るのである.長野市の場合,筆者が学生時代(1956~1959)にはこの太短い銀色のクモは目に
していなかったと思う. 1998~ 2002 年にわたる調査でも採集していない.
以上からの推測であるが,今回千曲市,長野市,須坂市で生息が確認されたギンメッキゴミグ
モも,上田市同様以前から生息していたものではなく,過去 7~ 8 年以降に気候の温暖化にとも
なって北上してきたと考えた方が妥当かと思われる.
宮城県仙台市におけるキシノウエトタテグモの分布状況
笹岡 文雄
宮城県仙台市はキシノウエトタテグモの太平洋側分布の北端にあたる.しかし筆者が 2002 年
9 月に同市で分布を確認して以来まったく調査が行われておらず,その後の状況が不明であった.
そこで 2009 年 8 月 21~ 23 日,分布地の状況確認および前回行えなかった公園緑地等の調査を
行った.
結 果
分布地の榴ヶ岡公園(宮城野区五輪 )で,オス成体 1 頭,幼 体 1 頭を住居より堀採り,生息を
確認した.成体と思われる住居数(蓋直径により推定)が採集個体以外見つからなかったが,幼
体と推定する住居は 12 個確認できた(全て視認および住居内に金属棒を挿入する事による触診
によって個体の存在確認).
2002 年には今回よりも狭い調査範囲で成体・幼体合わせた住居数が 35 個確認できている.
したがって目視による状況の変化は見受けられなかったが,結果からすると生息環境が悪化して
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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いる可能性も考えられる.その他調査した市内 5 カ所は全て生息を確認できなかった.
表 宮城県仙台市におけるキシノウエトタテグモの
宮城県仙台市におけるキシノウエトタテグモの確認状況
におけるキシノウエトタテグモの確認状況
調査日
2002 年
2009 年
9月
8月
調査地
2日
21 日
宮城野区五輪
青葉区片平
青葉区五橋
青葉区川内
青葉区北山
青葉区東照宮
宮城野区五輪
宮城野区宮城野
若林区木ノ下
青葉区台原森林公園
22 日
23 日
青葉区桜ヶ丘
青葉区水の森
ロケーション
榴ヶ岡公園
東北大学片平キャンパス構内
五橋公園
青葉山公園
(市立博物館から仙台城跡一帯)
市営北山霊園
東照宮
榴ヶ岡公園
宮城野原公園総合運動場
陸奥国分寺薬師堂・
史跡公園・木ノ下公園一帯
台原森林公園東側
(中央遊歩道周辺)
宮城学院女子大学構内
水の森公園南側
確
認
○
-
-
-
-
-
○
-
-
-
-
-
謝 辞
宮城学院女子大学・田中一裕氏には「水の森公園」の情報をお教えいただいた.円滑な調査に
大いに役立ち,感謝に堪えない.ここに紙面をかりお礼申し上げたい.
参考文献
笹岡文雄 2007.東北地方におけるキシノウエトタテの分布.Kishidaia, 87: 39-48.
福島県でのアカオニグモの採集記録
平野 健一
福島県南会津郡南会津町にてアカオニグモ Araneus pinguis を採集し写真に収めたのでここ
に報告する.著者は 2002 年 9 月 13 日午後 1 時 28 分に,南会津町田島の某湿地にてメス成体
1 頭を採集した(図 1,図 2).採集した個体を飼育したところ,産卵した( 図 3).産卵を終
えた個体は,2002 年 9 月 27 日に同じ場所に放した.2003 年 9 月 28 日午前 9 時 45 分にはオ
ス成体を確認した.さらに, 2007 年 9 月 10 日午 前 7 時 30 分にメス成体を確認した(図 4).
南会津町田島の某湿原におけるアカオニグモの生息密度は極めて低いと思われ,乱獲が心配され
る.
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図 1 2003 年に確認したアカオニ
確認したアカオニ グモ
図 2 アカオニグモを確認
アカオニグモを確認した
確認した湿地
した湿地
図 3 アカオニグモの卵
アカオニグモの卵のう
図 4 2007 年に確認したアカ
確認したアカ オニグモ
福島県檜枝岐村で採集されたクモ
馬場 友希・栗原 隆
2009/8/1-2 に福島県檜枝岐村でクモを採集する機会があったので,そのリストを掲載する .
採集は栗原が行い,同定は馬場が行った. *印は県内新記録を表す.なお, F はメス, Mはオス
である.
Neolinyphia angulif era (Schenkel 1953) ハンモックサラグモ
F
大杉山 09/8/2
Tet ragnatha ext ensa (Linnaeus 1758)
ハラビロアシナガグモ
FM
大杉山 09/8/2
Araneus nojimai Tanikawa 2001
マメオニグモ
F
大杉山 09/8/2
Araniella yaginumai Tanikawa 1995
ムツボシオニグモ
F
船岐林道 09/8/1
Eriophora sachalinensis (S.Saito 1934) カラフトオニグモ
F
船岐林道 09/8/1
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KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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Pronoides brunneus Schenkel 1936
コオニグモモドキ
F
大杉山 09/8/2
*Lysit eles maius Ono 1979
タカネエビスグモ
F
大杉山 09/8/2
Phint ella arenicolor (Grube 1861)
マガネアサヒハエトリ
F
船岐林道 09/8/1
Yaginumaella striat ipes (Grube 1861)
ウススジハエトリ
FM
大杉山 09/8/2
山梨県鳴沢村で採集されたクモ
馬場 友希・栗原 隆
2009/8/8 に山梨県鳴沢村富士林道でクモを採集する機会があったので,そのリストを掲載す
る.採集は栗原が行い,同定は馬場が行った. *印は県内新記録を表す.なお, F はメス, Mは
オスである.
*Herbiphant es cericeus (S.Saito 1934)
キヌキリグモ
M
Chikunia albipes (S. Saito 1935)
ギボシヒメグモ
F
Araneus ishisawai Kishida 1928
イシサワオニグモ
M
Araniella yaginumai Tanikawa 1995
ムツボシオニグモ
y
Eriophora sachalinensis (S.Saito 1934)
カラフトオニグモ
Fy
Diaea subdola O. Pickard-Cambridge1885
コハナグモ
F
Yaginumaella striat ipes (Grube 1861)
ウススジハエトリ
M
沖縄本島で採集されたクモ
馬場 友希
2002/3/8 から 3/11にかけて沖縄本島にてクモ採集を行なったので,そのリストを掲載する.
採集に同行していただいた中島 淳氏(現 九州大学,日本学術振興会特別研究員 PD)にお礼申
し上げる.
Ctenizidae トタテグモ科
Lat ouchia swinhoei Pocock 1901
オキナワトタテグモ
F 浜第二林道 02/3/10
Pholcidae ユウレイグモ科
Pholcus nagasakiensis Strand 1918
M 喜 如嘉 02/3/10
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ミナミユウレイグモ
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Uloboridae ウズグモ科
Oct onoba okinawaensis Yoshida 1981
オキナワウズグモ
F 与那覇 02/3/8
Pisauridae キシダグモ科
Dolomedes horishanus Kishida 1936
ヘリジロハシリグモ
y 喜味原 02/3/10
Lycosidae コモリグモ科
Arct osa laminat a Yu & Song 1988
ネッタイコモリグモ
F 与那覇岳 02/3/9
Pardosa laevitarsis Tanaka & Suwa 1986
タテスジハリゲコモリグモ
FM 喜味 原 02/3/8 , F 喜味原 02/3/9 , F 浜第二林道 02/3/10
Pardosa pseudoannulat a (Bösenberg & Strand 1906) キクヅキコモリグモ
F 喜味原 02/3/8 , M奥 間 02/3/9, M 具志川 02/3/11
Pardosa t akahashii (S.Saito 1936)
スナハラコモリグモ
F 辺野木ダム 02/3/9 , F 奥間-喜味原 02/3/9
Trochosa aquat ica Tanaka 1985
ナガズキンコモリグモ
FMy 瀬底島 02/3/8
Wadicosa okinawensis (Tanaka 1985)
リュウキュウコモリグモ
M 奥 間 02/3/9, M 具志川 02/3/11
Theridiidae ヒメグモ科
Anelosimus crassipes (Bösenberg & Strand 1906)
アシブトヒメグモ
F 辺野木ダム 02/3/9, F 与那覇岳 02/3/9
Chikunia albipes (S. Saito 1935)
ギボシヒメグモ
M 与 那覇岳 02/3/8
Chrysso sasakii Yoshida 2001
オキナワホシミドリヒメグモ
FM 与那覇 岳 02/3/8, F 与那覇岳 02/3/9
Episinus aff inis Bösenberg & Strand 1906
ヒシガタグモ
F 与那覇岳 02/3/8
Parast eatoda tepidariorum (C.L.Koch 1841)
オオヒメグモ
F 喜如嘉 02/3/10
Phycosoma must elinum (Simon 1888)
カニミジングモ
FM 与那覇 岳 02/3/9
St eat oda cingulat a (Thorell 1890)
ハンゲツオスナキグモ
F 喜味原 02/3/10
Tetragnathidae ア シナガグモ科
41
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
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Leucauge blanda (L.Koch 1878)
チュウガタシロカネグモ
M 備 瀬崎 02/3/8, FM 瀬底島 02/3/8
Leucauge magnif ica Yaginuma 1954
オオシロカネグモ
M 与 那覇岳 02/3/8, FM奥間 -喜味原 02/3/9
Meta ret iculoides Yaginuma 1958
ヤマジドヨウグモ
F 与那覇岳 02/3/8, F 喜如嘉 02/3/10
Tet ragnatha javana Thorell 1890
オナガアシナガグモ
F 奥間 02/3/9
Tet ragnatha maxillosa Thorell 1895
ヤサガタアシナガグモ
F 与那覇岳 02/3/8, M 与那覇岳 02/3/9
Tet ragnatha praedonia L. Koch 1878
アシナガグモ
M 喜 味原 02/3/8, F 辺野木ダ ム 02/3/9
Araneidae コガネグモ科
Acusilas coccineus Simon 1895
ハツリグモ
y 瀬底島 02/3/8
Araneus amabilis Tanikawa 2001
チュラオニグモ
M 辺 野木ダム 02/3/9
Cyclosa confusa Bösenberg &Strand 1906
ミナミノシマゴミグモ
FMy 瀬底島 02/3/8
Cyclosa ginnaga Yaginuma 1959
ギンナガゴミグモ
F 与那覇岳 02/3/8, F 浜第二林道 02/3/10
Cyclosa mulmeinensis (Thorell 1887)
トゲゴミグモ
Fy 備瀬崎 02/3/8, FM 奥間 02/3/9
Neoscona subpullata (Bösenberg & Strand 1906) ヘリジロオニグモ
F 喜味原 02/3/8, F 奥間 02/3/9
Neoscona t heisi (Walckenaer 1841)
ホシスジオニグモ
y 奥間 02/3/9
Thelacant ha brevispina (Doleschall 1857)
チブサトゲグモ
F 瀬底島 02/3/8, F 奥間 02/3/9
Ctenidae シボグモ科
Anahita f auna Karsch 1879
シボグモ
M 奥 間-喜味原 02/3/9
Sparassidae アシダカグモ科
Pseudopoda spirembolus Jager & Ono 2002
F 奥間-喜味原 02/3/9
42
オキナワカワリアシダカグモ
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
── DRAGLIN ES─ ────────────────────────────────
Gnaphosidae ワシグモ科
Cladot hela auster Kamura 1997
ハエミノチャクロワシグモ
M 喜 味原 02/3/8
Thomisidae カニグモ科
Bolis cus tuberculat us (Simon 1886)
イボカニグモ
y 瀬底島 02/3/8
Lysit eles miniat us Ono 1980
ダイダイエビスグモ
y 与那覇岳 02/3/9
Oxyt at e hoshizuna Ono 1978
ホシズナワカバグモ
y 与那覇岳 02/3/8, FM 与那覇岳 02/3/9, M 奥間 -喜味原 02/3/9
Clubionidae フクログモ科
Clubiona jucunda (Karsch 1879)
ヤハズフクログモ
M 喜 如嘉 02/3/10
Corinnidae ネコグモ科
Otacilia lynx (Kamura 1994)
ヤマネコウラシマグモ
F 喜如嘉 02/3/10
茨城県南部で採集されたクモ
馬場 友希・吉武 啓
2009 年 7 月・9 月・12 月に茨城県のつくば市,土浦市 ,かすみがうら市,稲敷市 ,守谷市で
クモを採集する機会があったので,そのリストを掲載する.採集は吉武が行い,同定は馬場が行
った. *印は県内新記録を表す.なお, F はメス, M はオスである.
Paracoelotes luctuosus (L. Koch 1878)
メガネヤチグモ
F 茨城県守谷市高 野 09/12/17
Oct onoba sybot ides (Bösenberg & Strand 1906)
カタハリウズグモ
F つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11
Pardosa pseudoannulat a (Bösenberg & Strand 1906)
キクヅキコモリグモ
F 土浦市宍塚 2009/7/11
Oxyopes sert atus L. Koch 1878
ササグモ
F かすみがうら市上佐谷 09/7/5
Ero japonica Bösenberg & Strand 1906
センショウグモ
F 土浦市宍塚 09/7/11
43
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
───────────────────────────────── DRAGLIN ES─ ─
Gnat honarium exsiccat um (Bösenberg & Strand 1906)
ニセアカムネグモ
F 稲敷市浮島 09/9/6
Neriene oidedicata (van Helsdingen 1969)
ヘリジロサラグモ
F 土浦市宍塚 09/7/11
Rhomphaea sagana (Donitz and Strand 1906)
ヤリグモ
F 土浦市宍塚 09/7/11
Leucauge magnif ica Yaginuma 1959
オオシロカネグモ
M 土 浦市 宍塚 09/7/11
Leucauge subblanda Bösenberg & Strand 1906
コシロカネグモ
F つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11, F 土浦市 宍塚 09/7/11
*Pachygnat ha quadrimaculat a (Bösenberg & Strand 1906) ヨツボシヒメアシナガグモ
My 稲敷市浮 島 09/9/6
Tet ragnatha caudicula (Karsch 1879)
トガリアシナガグモ
F 稲敷市浮島 09/9/6
Tet ragnatha maxillosa Thorell 1895
ヤサガタアシナガグモ
M か すみがうら市中志筑 09/7/4
Tet ragnatha praedonia L. Koch 1878
アシナガグモ
M か すみがうら市上佐谷 09/7/5, M土浦市宍 塚 09/7/11
Tet ragnatha vermif ormis Emerton 1884
シコクアシナガグモ
FM 稲敷市浮 島 09/9/6
Chorizopes nipponicus Yaginuma 1963
ヤマトカナエグモ
F かすみがうら市上佐谷 09/7/5, M つくば市高崎 高崎自然の 森 09/7/11
Cyclosa sedeculat a Karsch 1879
ヨツデゴミグモ
FM つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11
Neoscona scylloides (Bösenberg & Strand 1906)
サツマノミダマシ
M 土 浦市宍塚 09/7/11
Diaea subdola O. Pickard-Cambridge1885
コハナグモ
F つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11
Thomisus labefactus Karsch 1881
アズチグモ
M つ くば市高崎 高崎自然の森 09/7/11, M 土浦市宍塚 09/7/11
Tmarus rimosus Paik 1973
セマルトラフカニグモ
FM つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11, M 土浦市上高津 貝 塚 09/7/11
Xyst icus croceus Fox 1937
ヤミイロカニグモ
F かすみがうら市上佐谷 09/7/5
Xyst icus ephippiat us Simon 1880
44
カラカニグモ
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
── DRAGLIN ES─ ────────────────────────────────
M かすみがうら市上佐谷 09/7/5
Xyst icus kurilensis Strand 1907
チシマカニグモ
F 土浦市宍塚 09/7/11
Evarcha albaria (L.Koch 1878)
マミジロハエトリ
M か すみがうら市上佐谷 09/7/5, F つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11
Marpissa pulla (Karsch 1879)
ヨダンハエトリ
F 土浦市宍塚 09/7/11
Mendoza elongat a (Karsch 1879)
ヤハズハエトリ
F かすみがうら市上佐谷 09/7/5
Mendoza ibarakiensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987) キタヤハズハエトリ
M 土 浦市宍塚 09/7/11
Phint ella abnormis (Bösenberg & Strand 1906)
チャイロアサヒハエトリ
F 土浦市宍塚 09/7/11
Phint ella linea (Karsch 1879)
メガネアサヒハエトリ
F かすみがうら市上佐谷 09/7/5, M 土浦市宍塚 09/7/11
Plexippoides doenit zi (Karsch 1879)
デーニッツハエトリ
F 土浦市宍塚 09/7/11
Pseudicius vulpes (Grube 1861)
イナヅマハエトリ
F つくば市高崎 高崎自然の森 09/7/11
Rhene atrata (Karsch 1881)
カラスハエトリ
Fy つくば市高崎 高崎自然の 森 09/7/11, FM 土浦市宍塚 09/7/11
Siler vitt at us (Karsch 1879)
アオオビハエトリ
F かすみがうら市中志筑 09/7/4 , F 土浦市宍塚 09/7/11
岩手県岩泉町で採集されたクモ
馬場 友希・吉武 啓
2009/6/26 に岩手県岩泉町安家でクモを採集する機会があったので,そのリストを掲載する.
採集は吉武が行い,同定は馬場が行った.なお, F はメス, M はオスである.
Ummeliat a insect iceps (Bösenberg & Strand 1906)
セスジアカムネグモ
F
Tet ragnatha pinicola L. Koch 1870
ミドリアシナガグモ
FM
Tet ragnatha yesoensis S. Saito 1934
エゾアシナガグモ
F
Pronoides brunneus Schenkel 1936
コオニグモモドキ
F
45
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
───────────────────────────────── DRAGLIN ES─ ─
Xyst icus kurilensis Strand 1907
チシマカニグモ
FM
Xyst icus at rimaculatus Bösenberg & Strand 1906
ホンクロボシカニグモ
M
Clubiona jucunda (Karsch 1879)
ヤハズフクログモ
F
46
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
伊豆諸島・新島のクモ類
笹 岡
文 雄
調査につい
調査について
について
トタテグモ類の生息状況を確認する目的で 2009 年 9 月 1~ 2 日,調査を行った.合わせて他
のクモ類の採集をも行った.採集は見つけ採りを主として,一部ビーティングを行った.天候は,
1 日が晴れ, 2 日が曇りであった.
概 観
新島は東京から約 149 km 大島の南南西 42 kmに位置し, 3 つの附属島嶼(鵜渡根島,地
内島,早島)とその他小岩礁からなる.本島の面積 23.87 km,周 囲 28.2 km,伊豆諸島中 4
番目の大きさである.人口約 2,600 人,行政区は隣接の式根島と合わせ 1 自治体(東京都新島
村)を構成する.
富士火山帯に属するが,噴火は 886 年(仁和 2 年)を最後として大きな火山活動はない.植
生はヤブツバキクラス域に属し常緑広葉樹が主体である.南方系の植物は他の伊豆諸島に比べ少
ないが,海岸砂丘が発達していることから海浜植生が豊富に存在する(新島村 1996).
平均降水量約 2,300 mm で東京都心 の 1.6 倍,平均気 温 17.3 度で,他の伊豆諸島と同じく温
暖湿潤である.しかし湖沼,河川といった顕著な陸水系はなく,湧水のような小水系のみである.
目 録
個体記号: F メス成体, f メス幼体, Mオス成体, m オス幼体, y 雌雄不明幼体
採集地略号:神(十三社神社境内及びその周辺),寺(長栄寺周辺),羽(都立羽伏浦公園)
1.ウズグモ科
Uloboridae
1.カタハリウズグモ
2.チリグモ科
Oecobius navus
1y
1-IX-2009 神
Uroct ea compact ilis
1y
1-IX-2009 神
1F
1-IX-2009 神
Agelenidae
4.コクサグモ
5.ヒメグモ科
1-IX-2009 神
Urocteidae
3.ヒラタグモ
4.タナグモ科
1F
Oecobiidae
2.チリグモ
3.ヒラタグモ科
Oct onoba sybot ides
Allagelena opulent
Theridiidae
47
5.シロカネイソウロウグモ
Argyrodes bonadea
2F1y 1-IX-2009 神
1M 2-IX-2009 羽
6.オナガグモ
Ariamnes cy lindrogast er
7.ヒシガタグモ
Episinus aff inis
8.ムラクモヒシガタグモ
9.オオヒメグモ
Episinus nubilus
Parast eat oda t epidariorum
1F
1-IX-2009 神
1F
2-IX-2009 羽
2F
1-IX-2009 神
1F1M 1-IX-2009 神
1F
10.フタオイソウロウグモ
11.ヒゲナガヤリグモ
6.ジョロウグモ科
Neospintharus fur
Rhomphaea labiat a
2-IX-2009 羽
1M1y
1-IX-2009 神
1F1M 1-IX-2009 神
Nephilidae
12.ジョロウグモ
Nephila clavata
1F1M 1-IX-2009 神(目撃)
1M 2-IX-2009 羽
7.コガネグモ科
Araneidae
13.ナガコガネグモ
Argiope bruennichii
1y
2-IX-2009 羽
Argiope minut a
1F
1-IX-2009 神
Cyclosa argenteoalba
1y
1-IX-2009 神
Cyclosa confusa
1F
1-IX-2009 神
1F
1-IX-2009 神
1F
2-IX-2009 羽
2-IX-2009 羽
14.コガタコガネグモ
15.ギンメッキゴミグモ
16.ミナミノシマゴミグモ
17.キジロゴミグモ
Cyclosa lat icauda
18.ヘリジロオニグモ
Neoscona subpullata
1F
19.ホシスジオニグモ
Neoscona t heisi
1M 2-IX-2009 羽
8.アシダカグモ科
Sparassidae
20.アシダカグモ
9.エビグモ科
Het eropoda venat oria
1-IX-2009 神
1y
1-IX-2009 神
Philodromidae
21.アサヒエビグモ
10.カニグモ科
1F
Philodromus subaureolus
Thomisidae
22.アズチグモ
Thomisus labefacus
23.ゾウシキカニグモ
カニグモの一種
11.ハエトリグモ科
Xyst icus saganus
1F
2-IX-2009 寺
Xyst icus sp.
1y
2-IX-2009 寺
1F
1-IX-2009 神
1F
1-IX-2009 神
Salticidae
24.シラヒゲハエトリ
25.アリグモ
1y1M 1-IX-2009 神
Menemerus brachygnathus
Myrmarachne japonica
アサヒハエトリの一種
Phint ella sp.
1y
1-IX-2009 神
カラスハエトリの一種
Rhene sp.
1y
1-IX-2009 神
1y
1-IX-2009 神
1F
2-IX-2009 寺
26.アオオビハエトリ
Siler vittat us
11 科 26 種
48
新島のクモ
新島のクモ類
のクモ類
伊豆諸島において新島はもっともクモ類が調査されており,発表された論文類は網羅的調査記
録,一定の分類群研究からの記載,環境アセスメント報告など 14 編に及ぶ(仲辻 1942,八木
沼 1957,1967,大野・八木沼 1968,権田 1972, Tanaka 1974,東京都港湾局 1984a,
東京都港湾局 1984b, Ono 1985,東京都 1988, Tanaka 1990,東京都港湾局離島港湾部建
設課 1999,仲條ら 2005,仲條・植松 2007).この内,仲條ら(2005),仲條・植松( 2007)
と,伊豆諸島のクモ類をまとめた小野( 2001)はそれぞれ過去の記録も集計し,新島産のクモ
類を 22 科 84 種, 22 科 90 種, 17 科 60 種とした.
筆者は上記の 3 編を参考にし,再度過去の記録を点検した.さらにいずれにも集計されていな
い新島空港整備事業にかかる環境アセスメント調査報告 3編と今回の採集結果とを加え再集計を
行った.分類,科名およびその配列,学名,標
準和名は小野(2009)によった.したがって本
稿では,原資料の記載表記はそれに従い整理修
正した.
その結果新島のクモ類既産種は,表 1( 1)~
( 4)の通り 26 科 114 種となった.今回の採集
結果 11 科 26 種の内,過去に記録がない種類は
1 科 2 種(チリグモ,フタオイソウロウグモ)
であった.したがってこれを集計に加えて,新
島産のクモ類は 27 科 116 種となった.
また新島村(1996)は優占種をヤマシロオニ
グモ,イオウイロハシリグモ,コクサグモ,ア
ズチグモの 4 種としているが,今回の調査にお
いては 特に優占して いるという印 象はなかった.
新島空港整備事業にかかる環境調査の 3 つの
報告書は一般的に知られていないものであるの
でここに概要を記す.東京都港湾局( 1984b)
は調査期間 1983 年 7 月 10~ 11,18~ 20 日で
11 科 40 種,東京都(1988)は 1987 年 10 月
13~ 18日,1988年 3 月 4~ 5日 で 12 科 29種,
東京都港湾局離島港湾部建設課( 1999)は 1998
年 8 月 25~ 26 日で 15 科 53 種を記録した.い
ずれも雌雄,成体幼体との区別は記されていな
新島全図(
新島全図(東京都港湾局 1984a )
(基図は
基図は奥富ほか
奥富ほか 1976)
い.またこの内 6 種は種名不明ながら記録数(別
表参照)に加えられている.
49
トタテグモ類
トタテグモ類について
新島におけるトタテグモ類の記録は現在までない.しかしキノボリトタテグモと思われる住居
が見つかっており(笹岡
2009),同種が生息している可能性は高い.そこで筆者は今回キノ
ボリトタテグモおよびキシノウエトタテグモの 2 種について重点的に調査した.調査は新島の住
宅等が集中している本村を重点的に行った.定点として宿舎敷地内(本村 3-6),新島観音境内,
十三社境内及びその周辺地,都立羽伏浦公園,新島羽伏浦野営場(キャンプ場),適宜途中の住
宅,道路沿いを調査した .その結果キノボリトタテグモおよびキシノウエトタテグモ共にその個
体を確認するに至らなかった.
キノボリトタテグモについては十三社神社境内にて 6 個,同周辺地に て 2 個,長栄寺周辺地に
て 5 個の廃巣を確認した.大きさから推定して全て成体のものと推定した.その状態はかなり破
損が進んだものから,蓋も完全に残り ,中に塵芥もほとんどない比較的新しいものまでと一定で
はなかった.住居は十三社神社周辺地 の 1 個を除き全て樹上(ソテツ及びスダジイ)で確認した.
確認できた住居の状況から推定して新島においては,キノボリトタテグモが生息している可能性
が高いと考えられる.
キシノウエトタテグモについては今回,個体はもちろん生息を裏付ける痕跡もまったく確認で
きなかった.しかし新島島内は寺社地,緑地など両種の生息適地と思われる場所はまだ多く,さ
らに調査する必要があると思われる.
表 1 (1) これまでに新島
これまでに新島から
新島から報
から報 告されたクモ
告されたクモ類
されたクモ類
種
名
a
b
c
d
e
f
文
献
g
h
ワスレナグモ
i
j
k
●
●
ミヤグモ
●
●
ヤマトガケジグモ
●
●
カタハリウズグモ
●
●
●
ヒラタグモ
●
ハタケグモ
●
シモフリヤチグモ
ヤマヤチグモ
●
●
●
ヤチグモの一種
クサグモ
●
●
●
コクサグモ
イオウイロハシリグモ
●
●
アズマキシダグモ
●
●
●
●
●
●
ハリゲコモリグモ
50
●
●
ヒノマルコモリグモ
ウヅキコモリグモ
m
●
シマミヤグモ
トウキョウウズグモ
l
●
●
●
●
●
●
●
●
n
表 1 (2) これまでに新島
これまでに新島から
新島から報
から報 告されたクモ
告されたクモ類
されたクモ類
種 名
キバラコモリグモ
a
b
c
d
e
f
文
献
g
h
i
j
l
m
●
●
コモリグモの一種属不明
●
●
●
●
●
センショウグモ
●
●
ヘリジロサラグモ
●
アシブトヒメグモ
●
シロカネイソウロウグモ
●
●
●
●
チリイソウロウグモ
●
●
アカイソウロウグモ
●
●
オナガグモ
●
シモフリミジングモ
●
カレハヒメグモ
●
●
●
●
●
ヒシガタグモ
●
ムラクモヒシガタグモ
●
●
●
●
サトヒメグモ
●
ムナボシヒメグモ
●
●
ニホンヒメグモ
オオヒメグモ
●
●
●
キベリミジングモ
●
●
●
●
ヒゲナガヤリグモ
●
ヤリグモ
●
タニカワヤリグモ
●
クロマルイソウロウグモ
●
ハンゲツオスナキグモ
●
ボカシミジングモ
●
ジョロウグモ
チュウガタシロカネグモ
●
●
オオシロカネグモ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
コシロカネグモ
●
キララシロカネグモ
●
ハツリグモ
●
アオオニグモ
●
オニグモ
●
●
●
ナガコガネグモ
●
●
●
コガネグモ
●
●
●
コガタコガネグモ
●
●
シロゴミグモ
ギンメッキゴミグモ
ミナミノシマゴミグモ
n
●
ハラクロコモリグモ
ササグモ
k
●
●
●
●
●
51
表 1 (3) これまでに新島
これまでに新島から
新島から報
から報 告されたクモ
告されたクモ類
されたクモ類
文
種 名
ギンナガゴミグモ
a
b
c
d
e
f
g
●
j
●
k
l
m
n
●
●
マルゴミグモ
●
カラフトオニグモ
●
●
●
●
●
●
●
●
コゲチャオニグモ
●
●
ワキグロサツマノミダマシ
サツマノミダマシ
i
●
シマゴミグモ
ヤマシロオニグモ
h
●
キジロゴミグモ
ヨツデゴミグモ
献
●
●
●
ヘリジロオニグモ
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ホシスジオニグモ
●
ゲホウグモ
ズグロオニグモ
●
アシナガコマチグモ
●
●
カバキコマチグモ
●
●
ヤマトコマチグモ
●
シボグモ
●
アシダカグモ
●
●
ヤドカリグモ
●
●
シャコグモ
●
アサヒエビグモ
●
●
●
●
●
チャクロワシグモ
●
トラフワシグモ
●
ホシジロトンビグモ
●
クロケムリグモ
●
ケムリグモの一種
●
ワシグモの一種属不明
●
キハダカニグモ
●
イボカニグモ
●
●
コハナグモ
●
●
●
●
ハナグモ
●
●
●
●
ガザミグモ
アズチグモ
●
●
●
●
●
●
●
トラフカニグモ
●
ヤミイロカニグモ
●
52
●
●
セマルトラフカニグモ
ゾウシキカニグモ
●
●
●
●
●
表 1 (4) これまでに新島
これまでに新島から
新島から報
から報 告されたクモ
告されたクモ類
されたクモ類
文
種
名
a
b
ヤハズフクログモ
c
d
e
f
g
献
h
i
j
k
l
●
フクログモの一種
●
●
フクログモの一種
●
フクログモの一種
●
イタチグモ
●
●
ジガバチグモの一種
●
ネコハエトリ
●
●
マミジロハエトリ
●
●
●
ウデブトハエトリ
●
イソハエトリ
●
アダンソンハエトリ
●
ジャバラハエトリ
●
オオハエトリ
●
●
●
ヨダンハエトリ
●
シラヒゲハエトリ
●
●
●
●
アリグモ
●
●
●
●
クワガタアリグモ
●
マガネアサヒハエトリ
●
メガネアサヒハエトリ
●
チャスジハエトリ
●
●
ミスジハエトリ
●
カラスハエトリ
アオオビハエトリ
計
n
●
ムナアカフクログモ
ヤサアリグモ
m
●
16
11
41
1
●
●
●
●
●
●
●
●
13
1
1
39
1
28
1
49
●
30
6
注)文献の略号は以下のとおり.a:仲辻(1942),b:八木沼(1957),c:八木沼(1967),d:大野 ・
八木沼(1968),e:権田(1972),f:Tanaka(1974),g:Ono(1985),h:東京都港湾局(1984b),
i:Ono(1985),j:東京都(1988),k:Tanaka(1990),l:東京都港湾局離島港湾部建設課(1999),
m:仲條ら(2005),n:仲條・植松(2007).
謝 辞
今回の調査するにあたり仲條竜太氏には,キノボリトタテグモに関する情報をいただいた .こ
こに厚くお礼を申し上げる.
参考文献
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伊豆諸島東京移管百年史編さん委員会編 1981.伊豆諸島東京移管百年史 上巻.東京都島嶼町村会.
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54
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
伊豆諸島・八丈島におけるトタテグモ類とその他のクモ
笹 岡
文 雄
過去伊豆諸島の有人島 9 島において,トタテグモ類が確認されていたのは大島 ,三宅島,利島
の 3 島であった.近年さらに八丈島においてキノボリトタテグモ(谷川 2005)および 2007 年
キシノウエトタテグモ(高須 私信)(笹岡 2009b)が相次いで確認された.
そこで筆者は両種の生息状況の確認のため,2009 年 6月 20~ 22日に八丈島の調査を行った.
さらに若干,他のクモ類の採集をも行ったのでその結果と合わせ ,八丈島におけるクモ相を概観
したい.なお採集はすべて見つけ捕りによった.天候は 20 日晴,21 日雨, 22 日霧であった.
八丈島の
八丈島の概観
八丈島は本土より 287 km 南方海上に位置し,伊豆諸島最南端の青ヶ島と北の近接島御蔵島間
のほぼ中心位置する.面積 62.52 km2,二つの火山が接合したひょうたん型で東山(三原山,標
高 701 m)と西山(八丈富士,標高 854 m)に挟まれた中心部に平坦地があり町の主要施設,人
口が集中している.東山・西山山頂を通して中心線をとると,ほぼ南東に傾く.年間降水量は都
心の 2 倍強の約 3,100 mm,年平均気温約 18 ℃で温暖湿潤で,小規模であるが流水による陸水
系がある.伊豆諸島において流水の陸水系があるのは,この八丈島の他は御蔵島のみである.行
政区は 1 島で 1 自治体(東京都八丈町)を形成し人口は約 8,300 人,伊豆諸島においては大島
(大島町)についで多い.
目 録
個体記号: F メス成体, f メス幼体, Mオス成体, m オス幼体, y 雌雄不明幼体
採集地略号:園(植物公園・大賀郷),寺(宗福寺境内・大賀郷),薬(薬師堂・大賀郷),浜
(ヤケンヶ浜・大賀郷),三(三島神社・中之郷),八(八幡神社境内・三根),水(ホタル水
路・三根),宿(宿周辺・三根),内(宿室内・三根)
1.ジグモ科
Atypidae
1.ジグモ
Atypus karschii
1F
20-VI-2009 園(目撃)
1F
20-VI-2009 三(目撃)
( 2 カ所共に住居多数)
2.トタテグモ科
Ctenizidae
2.キノボリトタテグモ
Conot hele f ragaria
1F
20-VI-2009 園
55
2F3y 20-VI-2009 八(目撃)
3.キシノウエトタテグモ
Lat ouchia typica
2F
20-VI-2009 園
3y
20-VI-2009 三(目撃)
(三島神社境内住居多数)
3.チリグモ科
Oecobiidae
4.チリグモ
ヤチグモ科
1F3M 21-VI-2009 寺
Oecobius navus
1F
21-VI-2009 薬
1y
21-VI-2009 寺
1y
21-VI-2009 水
2F
21-VI-2009 浜
Coelotidae
ヤチグモの一種
キシダグモ科
Coelot es sp.
Pisauridae
ハシリグモの一種
4.コモリグモ科
Dolomedes sp.
Lycosidae
5.ハラクロコモリグモ
5.ササグモ科
Oxyopidae
6.ササグモ
6.ヒメグモ科
Lycosa coelest is
Theridiidae
7.シロカネイソウロウグモ
8.コンピラヒメグモ
ヒメグモの一種
7.アシナガグモ科
Argyrodes bonadea
Paraseat oda kompirensis
Paraseat oda sp.
9.ハンゲツオスナキグモ
St eat oda cingulat a
1F1M 21-VI-2009 寺
1F
21-VI-2009 寺
1y
21-VI-2009 寺
1F
21-VI-2009 浜
Tetragnathidae
10.ヤサガタアシナガグモ
8.コガネグモ科
1M 21-VI-2009 宿
Oxyopes sertat us
Tet ragnatha maxillosa
1F1f 21-VI-2009 水
Araneidae
Argiope bruennichii
1y
21-VI-2009 寺
Cyrt ophora moluccensis
1y
21-VI-2009 寺
11.ナガコガネグモ
12.スズミグモ
(採集地以外でも多数確認 )
13.ギンメッキゴミグモ
Cyclosa argenteoalba
1y
21-VI-2009 寺
Cyclosa confuse
1F
21-VI-2009 寺
1F
21-VI-2009 寺
1F
2-VIII-2008 宿
Neoscona mellott eei 1y
20-VI-2009 園
14.ミナミノシマゴミグモ
15.マルゴミグモ
Cyclosa vallat a
16.ドヨウオニグモ
Neoscona adinta
17.ワキグロサツマノミダマシ
Neoscona t heisi
1F
19.サツマノミダマシ
Neoscona scylloides
1f1m 21-VIII-2008 宿
9.エビグモ科
Philodromidae
20.キハダエビグモ
10.ハエトリグモ科
Philodromus rufus
1F
20-VI-2009 園
1y
22-VI-2009 内
Salticidae
21.アダンソンハエトリ
56
2-VIII-2008 宿
18.ホシスジオニグモ
Hasarius adansoni
22.アリグモ
Myrmarachne japonica
1F
21-VI-2009 宿
10 科 22 種
八丈島におけるクモ
八丈島におけるクモ類
におけるクモ類
八丈島におけるクモ類の目録は 1940 年加藤の発表が最初である.それは昆虫,多足類等の総
合目録であった.クモ類 は 8 種類記録されている .その後は伊豆諸島全般の目録も出,また断片
的な記録も発表されている(仲辻 1942,植村 1951,1965,葛西 1968,大河内 1969,八
木沼 1997,小野 2001).小野(2001)によって過去の目録が集計整理,採集種の追加が行
われ, 23 科 76 種が記録された.
その集計後も記録(徳本 2002,谷川 2005,仲條 2008,笹岡 2009a, 2009b)が発表さ
れ, 3 科 6 種(ツシマトリノフンダマシ,キノボリトタテグモ,スズミグモ,ジグモ,キハダエ
ビグモ,キシノウエトタテグモ:発表順)がさらに追加された.また八丈ビジターセンター HP
の「島の生きもの」に 31 種の掲載があり,このうち 2 科 7 種がこれまでに記録がないクモであ
る(イトグモ,ウズグモ,ヤリグモ,サツマノミダマシ,ササグモ,マミクロハエトリ,アリグ
モ).
今回の調査においては過去の目録,八丈ビジターセンター HP 掲載種を除く初記録はコンピラ
ヒメグモ,ワキグロサツマノミダマシ の 2 種である .したがって八丈島のクモ類は小野( 2001)
を基礎に再集計を行うと 28 科 91 種となった.現在のところ記録された種類数は伊豆諸島にお
いて,新島の 116 種(笹岡 2010)に次いで多い.
なお,今回もジョロウグモは確認できていない.同時期に自宅周辺(東京都豊島区)では出現
していたが,八丈島ではまったく確認できなかった.徳本( 1999)の報告以来同じ状況が続い
ている可能性がある.逆に調査地全体にスズミグモが確認され,生息密度も高かった.ジョロウ
グモの生息ステージと競合すると考えられ,今後この 2 種の消長を注目すべきと考える.
植村( 1965)は新亜種ハチジョウチリグモを記載している.このクモはメス成体のみで記載
され,その後まったく記録がなく,タイプ標本も所在が明らかではない.小野( 2001)は記載
文の疑義からこれを新種とせずチリグモと集計した.今回チリグモを採集しているが ,本稿もこ
れに従いチリグモを新記録とはしなかった.また,ジョロウグモの分類は小野( 2001)の集計
時のアシナガグモ科のままに留め再集計した.
トタテグモ類
トタテグモ類について
八丈島のトタテグモ類は,キノボリトタテグモのメス成体 1 頭が 2005 年に八丈植物公園内で
記録された.しかしそれ以上の詳細は明らかでなかった(谷川 2005).そこで筆者も 2008 年
8 月に八丈植物公園内調査したところ,廃巣だけで個体は確認できなかった.しかしその後,八
丈植物公園外においても住居が見つかり,個体も確認された(高須私信).そこから個体数は多
くないが島内に比較的広く分布していると思われる.
キシノウエトタテグモはまったく記録がなかったが,八丈植物公園内で 2007 年個体が確認さ
57
れていた(高須私信).今回の調査で筆者も改めてキノボリトタテグモおよびキシノウエトタテ
グモを確認採集するに至った.キシノウエトタテグモは伊豆諸島において確認されたのは三宅島,
大島に続いて 3 島目である.なお三宅の記録はオス 1 頭の標本のみで,詳細が不明である(笹岡
2009).
謝 辞
今回の調査にあたって,八丈ビジターセンター高須英之氏には滞在中 ,公私にわたり大変お世
話になった.氏にはご多忙の中にもかかわらず島内の案内などをしていただき ,そのご援助がな
ければトタテグモ類の確認採集はできなかったといっても過言ではない.ここに紙面を借り厚く
お礼申し上げたい.
参考文献
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http://www.hachijo-vc.com/cre ature /(参照 2009 年 12 月 11 日).
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58
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
千葉県松戸市「21 世紀の森と広場」のクモ
馬 場
友 希
「 21 世紀の森と広場」は千葉県松戸市千駄堀に位置する都市型自然公園である.その広さは
東京ドーム 11 個分 (約 50.5 ヘクタール)に相当し,湿地・池・山・林・田圃・草地など様々
な環境を含むことから,都市近郊にも関わらず貴重な動植物が確認されている(松戸市).筆者
は本公園で自然解説員として活動する機会があり,その際に園内のクモ相の調査を行う機会に恵
まれた.ここでは園内で採集されたクモ目録を掲載するとともに ,特筆すべき種について末尾で
触れる.なお本公園では自然解説員による調査目的以外の動植物の採集は固く禁止されてい る .
調査は 2002 年 4 月~2005 年 3 月,2008 年 4 月~ 2009 年 10 月の期間におこない,主にス
ウィーピング,ビーティング,シフティングによってクモを採集した.採集および同定は一部を
除き,筆者によっておこなわれた.計 26 科,126 種のクモが採集され,これらのクモは 75 %
エタノールの液浸標本として園内の自然観察舎に保管されている.
本目録は園内のクモ相の解明を主たる目的としたため,一部採集日が不明な標本も含まれ る .
筆者以外の採集品については日付の後に採集者名を付記した. F はメス成体, M はオス成体,y
は幼体を表す. *印がついているものは千葉県新記録となる種である.
Ctenizidae トタテグモ科
キシノウエトタテグモ
Lat ouchia typica (Kishida 1913)
M08/8/16 F09/8/15
Segestriidae エンマグモ科
ミヤグモ
Ariadna lat eralis Karsch 1881
F 採集日不明, y04/2/7
Pholcidae ユウレイグモ科
Pholcus phalangioidea (Fusslin 1775)
イエユウレイグモ
F09/5/2
ユウレイグモ
Pholcus zichyi Kulczynski 1901
F02/4/19, F 04/2/15, F04/2/21
Spermophora senoculat a (Dyges 1836)
シモングモ
F08/8/16
Dictynidae ハグモ科
Dict yna f elis Bösenberg & Strand 1906
ネコハグモ
59
F02/4/27
Uloboridae ウズグモ科
Hypt iot es aff inis Bösenberg & Strand 1906
オウギグモ
M08/9/28
Miagrammopes orient alis Bösenberg & Strand 1906
マネキグモ
F03/7/3
Oct onoba sybot ides (Bösenberg & Strand 1906)
カタハリウズグモ
y02/8/17,F08/7/20
Urocteidae ヒラタグモ科
ヒラタグモ
Uroct ea compact ilis L. Koch 1878
M 採 集日不明
Coelotidae ヤチグモ科
Iwogumoa insidiosa (L.Koch 1878)
シモフリヤチグモ
M02/2/7 F04/2/1
Pireneit ega luct uosa (L.Koch 1878)
メガネヤチグモ
F03/7/20
Agelenidae タナグモ科
クサグモ
Agelena silvat ica Oliger 1983
F08/8/10
*Allagelena donggukensis (Kim 1996)
ヒメクサグモ
F09/9/23
Allagelena opulenta (L.Koch 1878)
コクサグモ
FM09/9/12
コタナグモ
Cicurina japonica Simon 1886
y04/2/15, M04/2/21,FM05/2/?
Pisauridae キシダグモ科
Dolomedes sulfureus L.Koch 1878
イオウイロハシリグモ
M08/7/20, F08/8/3
Lycosidae コモリグモ科
Arct osa subamylacea (Bösenberg & Strand 1906)
クロココモリグモ
F08/8/10, F09/6/6
Hygrolycosa umidicola Tanaka 1978
シッチコモリグモ
F09/6/14, M09/10/4
Pardosa agraria Tanaka 1985
イナダハリゲコモリグモ
M02/8/17, F08/7/27, F08/8/10
Pardosa astrigera L. Koch 1878
F03/3/29, FMy04/2/21
60
ウヅキコモリグモ
Pardosa pseudoannulat a (Bösenberg & Strand 1906)
キクヅキコモリグモ
F08/8/16
Pirat a subpirat icus (Bösenberg & Strand 1906)
キバラコモリグモ
F08/7/27, F08/8/3
アライトコモリグモ
Trochosa ruricola (De Geer 1778)
F04/2/21
Oxyopidae ササグモ科
ササグモ
Oxyopes sert atus L.Koch 1878
F08/8/16
Mimetidae センショウグモ科
Ero japonica Bösenberg & Strand 1906
センショウグモ
y02/4/27
Linyphiidae サラグモ科
デーニッツサラグモ
Doenitzius peniculus Oi 1960
M04/2/15
Nemat ogmus sanguinolent us (Walckenaer 1837)
チビアカサラグモ
F09/10/04
Neriene oidedicata (van Helsdingen 1969)
ヘリジロサラグモ
F03/5/24
テングヌカグモ
Paikin iana mira (Oi 1960)
M05/2/?
Turinyphia yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906)
ユノハマサラグモ
FM02/4/19,F08/5/2
Theridiidae ヒメグモ科
Aramnes cylindrogast er Simon 1888
オナガグモ
F09/6/14, M09/5/24
Argyrodes bonadea (Karsch 1881)
シロカネイソウロウグモ
F02/8/17, F08/8/3, M09/5/24
Argyrodes kumadai Chida & Tanikawa 1999
チリイソウロウグモ
FM08/7/19
Dipoena punct isparsa Yaginuma 1967
シモフリミジングモ
F08/8/16, M09/8/2
Enoplognatha abrupt a (Karsch 1879)
カレハヒメグモ
F 採集日不明, y04/2/7, M04/2/21
Episinus aff inis Bösenberg & Strand 1906
ヒシガタグモ
F09/5/6, M09/6/6
61
Episinus nubilus Yaginuma, 1960
ムラクモヒシガタグモ
F03/8/3, M09/8/9
Keijia st erninot ata (Bösenberg & Strand 1906)
ムナボシヒメグモ
F09/5/2 F09/8/9
Monet a caudif er (Dönitz & Strand 1906)
ハラナガヒシガタグモ
F09/8/15
Neospint harus fur (Bösenberg & Strand 1906)
フタオイソウロウグモ
F04/2/14
Parast eatoda culicivora (Bösenberg & Strand 1906)
カグヤヒメグモ
FM08/8/3, M09/5/24, M09/6/27
Parast eatoda japonica (Bösenberg & Strand 1906)
ニホンヒメグモ
F09/8/2
Parast eatoda oculiprominens (S.Saito 1939)
キヨヒメグモ
FM08/7/20,F08/7/27 吉岡明良氏採集
Parast eatoda tepidariorum (C.L.Koch 1841)
オオヒメグモ
F08/8/3
Phoroncidia alt ivent ris Yoshida 1985
ハラダカツクネグモ
F04/3/14
Phycosoma must elinum (Simon 1888)
カニミジングモ
F04/3/14, M09/6/27, F09/8/1, Fy09/8/9
Rhomphaea sagana (Dönitz & Strand 1906)
ヤリグモ
M09/5/2, F09/8/15
Spheropistha melanosoma Yaginuma 1957
クロマルイソウロウグモ
F08/7/20, F09/6/27
St emmops nipponicus Yaginuma 1969
スネグロオチバヒメグモ
y03/8/31,y05/2/?, F09/8/9
Nephilidae ジョロウグモ科
Nephila clavat a L. Koch 1878
ジョロウグモ
M08/8/16, F08/10/?
Tetragnathidae ア シナガグモ科
Leucauge magnif ica Yaginuma 1954
オオシロカネグモ
F02/8/17, F08/8/3
Leucauge subblanda Bösenberg & Strand 1906
コシロカネグモ
M09/5/17, F09/5/24, F09/6/6
Leucauge subgemmea Bösenberg & Strand 1906
キララシロカネグモ
FM09/8/15
Pachygnatha t enera Karsch 1879
62
ヒメアシナガグモ
F03/5/24
Tet ragnatha caudicula (Karsch 1879)
トガリアシナガグモ
F09/5/2
Tet ragnatha maxillosa Thorell 1895
ヤサガタアシナガグモ
M02/8/17, F08/8/10
Tet ragnatha praedonia L. Koch 1878
アシナガグモ
F02/8/17, M08/7/20, F08/8/3
Tet ragnatha squamat a Karsch 1879
ウロコアシナガグモ
M02/8/17, FM09/5/2, F09/8/1
Araneidae コガネグモ科
Acusilas coccineus Simon 1895
ハツリグモ
y09/5/2
Araneus mit if icus (Simon 1886)
ビジョオニグモ
y09/8/1, M09/8/15
Araneus pent agrammicus (Karsch 1879)
アオオニグモ
F09/5/2
Araneus semilunaris (Karsch 1879)
マルヅメオニグモ
F09/6/14
Araneus vent ricosus (L.Koch 1878)
オニグモ
M03/5/24, F08/8/10
Argiope amoena L. Koch 1878
コガネグモ
F08/8/10
Argiope boesenbergi Levi 1983
チュウガタコガネグモ
F04/5/? 今村裕之氏採集
Argiope bruennichi (Scopoli 1772)
ナガコガネグモ
M08/7/20, F09/9/12
Argiope minut a Karsch 1879
コガタコガネグモ
F08/7/27 M09/8/1
Chorizopes nipponicus Yaginuma 1963
ヤマトカナエグモ
F 09/6/20
Cyclosa argent eoalba Bösenberg & Strand 1906
ギンメッキゴミグモ
F08/9/19
Cyclosa at rata Bösenberg & Strand 1906
カラスゴミグモ
FM02/8/17,F08/8/3, M09/8/9
Cyclosa oct otuberculat a Karsch 1879
ゴミグモ
FM 採集日不明
63
ヨツデゴミグモ
Cyclosa sedeculat a Karsch 1879
F09/5/2
Cyrtarachne buf o (Bösenberg & Strand 1906)
トリノフンダマシ
y09/7/26 加藤裕一氏採集, F 09/8/16
Cyrtophora mollucensis (Doleschall 1857)
スズミグモ
F08/8/10, F09/8/16
Larinia argiopif ormis Bösenberg & Strand 1906
コガネグモダマシ
F09/6/14
Larinioides cornutus (Clerck 1758)
ナカムラオニグモ
F02/8/10
Neoscona adiant a (Walckenaer 1802)
ドヨウオニグモ
y02/7/20, M09/8/8
ワキグロサツマノミダマシ
Neoscona mellott eei (Simon 1895)
F08/8/16, M09/8/1
Neoscona punct igera (Doleschall 1857)
コゲチャオニグモ
M08/8/16, F09/8/16
ヤマシロオニグモ
Neoscona scylla (Karsch 1879)
F09/6/27, F09/8/9
Neoscona scylloides (Bösenberg &Strand 1906)
サツマノミダマシ
M02/7/20, F08/8/16
ズグロオニグモ
Yaginumia sia (Strand 1906)
F02/8/17, F03/5/24
Chiracathiidae コマチグモ科
Chiracant hium eut ittha Bösenberg & Strand 1906
アシナガコマチグモ
M08/12/23, M08/6/12
Chiracant hium lascivum Karsch 1879
ヤマトコマチグモ
F03/5/23, M08/6/?
Ctenidae シボグモ科
シボグモ
Anahita f auna Karsch 1879
y03/8/31,y08/4/18
Philodromidae エビグモ科
Philodromus spinit arsis Simon 1895
キハダエビグモ
y02/2/8, y04/2/21,F09/5/24
Philodromus subaureolus Bösenberg & Strand 1906
アサヒエビグモ
F09/5/24, M09/6/27
Tibe llus f engi Efimik 1999
F08/7/20
64
ヨシシャコグモ
シャコグモ
Tibe llus japonicas Efimik 1999
F09/6/27, F09/8/9, F09/9/23
Gnaphosidae ワシグモ科
Sanit ubius anat olicus (Kamura 1989)
ナミトンビグモ
M09/6/27, M09/8/1
Thomisidae カニグモ科
Bassaniana decorat a (Karsch 1879)
キハダカニグモ
M02/4/19, y02/4/27, M03/5/24
Ebrecht ella t ricuspidat a (Fabricius 1775)
ハナグモ
F02/4/27, y02/8/17
マツモトオチバカニグモ
Oxypt ila mat sumot oi Ono 1988
F09/9/23
ニッポンオチバカニグモ
Oxypt ila nipponica Ono 1985
F09/5/24
Thomisus labefactus Karsch 1881
アズチグモ
y02/7/20,FM02/8/17, M08/8/3,F08/8/16
Xyst icus saganus Bösenberg & Strand 1906
オオヤミイロカニグモ
F09/7/18, F09/8/1, F09/8/9, M09/8/15
Clubionidae フクログモ科
Clubiona japonicola Bösenberg & Strand 1906
ハマキフクログモ
F08/8/16, F09/6/14
Clubiona kurlensis Bösenberg & Strand 1906
ヒメフクログモ
M08/7/20
Clubiona lena Bösenberg & Strand 1906
トビイロフクログモ
F09/4/26
*Clubiona pseudogermanica Schenkel 1936
カギフクログモ
F02/8/17
ムナアカフクログモ
Clubiona vigil Karsch 1879
F04/12/15, F08/8/10, F09/5/24, F09/8/1
Liocranidae ウエムラグモ科
It asina prat icola (Bösenberg & Strand 1906)
イタチグモ
y09/6/14
Corinnidae ネコグモ科
Phrurolithus nipponicus Kishida 1914
ウラシマグモ
y02/8/17,y09/3/15, F09/6/14,y09/6/27
Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906
ネコグモ
65
M04/2/21, y09/5/2
Salticidae ハエトリグモ科
Carrhotus xant hogramma (Latreille 1819)
ネコハエトリ
FM09/5/2
Evarcha albaria (L. Koch 1878)
マミジロハエトリ
FM09/5/2
Harmochirus insulanus (Kishida 1914)
ウデブトハエトリ
M02/4/19
Hasarius adansoni (Audouin 1826)
アダンソンハエトリ
M09/6/20
Helicius yaginumai Bohdanowicz & Prószyński 1987
ジャバラハエトリ
FM09/8/9
Marpissa pulla (Karsch 1879)
ヨダンハエトリ
M09/5/24 川端祥子氏採集, y09/8/1
Mendoza canest rinii (Ninni 1868)
オスクロハエトリ
My08/7/20, y08/8/10, F09/8/9
Mendoza elongat a (Karsch 1879)
ヤハズハエトリ
M09/9/23
Menemerus brachygnathus (Thorell 1877)
シラヒゲハエトリ
F08/8/17
Myrmarachne formicaria (De Geer 1778)
タイリクアリグモ
M09/8/1, F09/8/9
Myrmarachne inermichelis Bösenberg & Strand 1906
ヤサアリグモ
M08/7/19, M09/6/6
Myrmarachne japonica (Karsch 1879)
アリグモ
FM09/5/2
Phint ella abnormis (Bösenberg & Strand 1906)
チャイロアサヒハエトリ
M08/7/19, F09/8/9
Phint ella linea (Karsch 1879)
メガネアサヒハエトリ
M02/8/17, M09/8/9, M09/8/15, M09/9/23
Phint ella versicolor (C.L. Koch 1846)
メスジロハエトリ
F08/7/20, M09/5/2
Plexippoides doenit zi (Karsch 1879)
デーニッツハエトリ
F09/6/20, F09/6/27
Plexippus paykulli (Audouin 1827)
チャスジハエトリ
F08/8/17
Plexippus set ipes Karsch 1879
66
ミスジハエトリ
M09/10/04
イナズマハエトリ
Pseudicius vulpes (Grube 1861)
y02/8/17,y04/7/3,y08/8/3
カラスハエトリ
Rhene atrata (Karsch 1881)
M03/5/22, M04/2/15, M08/8/10, F09/8/15
アオオビハエトリ
Siler vitt at us (Karsch 1879)
F09/6/6
特筆すべき
特筆すべき種
すべき種
スズミグモ :本種は南方系のクモであるが,近年その分布域は北方へと拡大しつつある.現 在 ,
北限は埼玉県であるが,千葉県での記録は少なく東方への分布拡大は途上段階にあるとみら
れる (新海 2004,久保田 2006).園内では 2008 年以降自然観察路で確認されており,
2009 年には卵のうも確認されている.分布の拡大・定着とともに今後目撃数が増えるかも
しれない.
ヒメクサグモ :近年 日本新記録種として報告されたクモであるが(Tanikawa 2005)全国的な
採集例はまだ少ない.園内では湿地周辺の草間に数多く確認できる .おそらく普通種と思わ
れるが,近縁種のコクサグモと混同されやすいことと ,網の位置が低く人目につきにくいこ
とから,報告例が少ないものと思われる.
ヨシシャコグモ :日本新記録種としてごく最近報告された種である (小野 2009).本公園で
は自然観察路のヨシをスウィーピングすることで数多く採集することができる.
リストに掲載された種以外に,ジグモ,シロオビトリノフンダマシ,ハラクロコモリグモ,ヒ
ノマルコモリグモ,エビチャコモリグモが目視によって確認されている.参考までにここに記す.
謝 辞
クモ類の採集を許可して下さったパークセンターと自然観察舎の職員の方々にお礼申し上げ
ます.また.一部の同定を確認して下さった谷川明男氏(東京大学),ならびに採集に協力して
下さった自然解説員の方々(特に今村裕之氏,加藤裕一氏,川端祥子氏,吉岡明良氏)にお礼申
し上げます.
引用文献
引用文献
久保田克也 2006.スズミグモの千葉県での採集記録.遊絲,18: 9-10.
松戸市
http://www.city.matsudo.chiba.jp/inde x/profile /shise tsu-guide /koue n_ryokuka/top.html
小野展嗣 2009.日本産クモ類.東海大学出版会.
新海 明 2004.スズミグモの全国分布調査結果.Kishidaia, 85: 13-22.
Tanikawa A. 2005. Japane se spiders of the ge nus Agelen a (Arane ae : Age le nidae ). Acta
Arachnologica, 54: 23-30.
67
KISHIDAIA, No.97, Mar. 2010
香川県各地のクモ類採集記録
三 谷
進・谷 川
明 男
本目録は,香川県各地において三谷が採集したクモ類の標本を谷川が同定した結果である .誤
同定の危険を最小限にするために,記録は成体標本によるもののみとした .標本は三谷が保管し
ている.目録中に略記した地名の詳細は表 1 のとおりである.採集日は西暦の下 2 桁と月日で 6
桁の数字で表した. F は雌成体, M は雄成体である.
略 称
雨 島
石清尾山
猪ノ鼻
上 西
内野々
海老済
大川山
大滝山
大多和
大 坪
岡
男木島
尾ノ瀬山
女木島
柏原渓谷
川 股
寒霞渓
公渕公園
久保谷
五 毛
琴平山
紫雲山
塩 入
七 箇
島ヶ峰
十 郷
浄願寺山
白 浜
白峰山
炭所西
大麻山
68
表 1 目録中に
目録中に略記した
略記した地名
した地名の
地名の詳細
地名の詳細
略 称
仲多度郡琴南町雨島
銚子浜
高松市石清尾山
造 田
仲多度郡琴南町猪ノ鼻
直 島
香川郡塩江町上西
長柄池
三豊市大野原町内野々
奈良ノ木
観音寺市大野原町海老済
西 浦
仲多度郡琴南町大川山
西 分
香川郡塩江町大滝山
根香寺
大川郡長尾町大多和
野 口
三豊郡豊浜町大坪
野田小屋
香川郡香南町岡
羽 間
高松市男木島
柞 野
仲多度郡まんのう町尾ノ瀬山
浜ノ町
高松市女木町女木島
日開谷
綾歌郡綾上町柏原渓谷
東植田町
大川郡引田町川股
平 川
小豆郡土庄町寒霞渓
藤尾神社
高松市東植田町公渕公園
星ヶ城山
仲多度郡まんのう町久保谷
まんのう大川山
仲多度郡まんのう町五毛
まんのう平川
仲多度郡琴平町琴平山
まんのう吉野
高松市紫雲山
まんのう竜王山
仲多度郡まんのう町塩入
屋 島
仲多度郡まんのう町七箇
安原上東
仲多度郡まんのう町島ヶ峰
山 脇
仲多度郡まんのう町十郷
ユズリハ
高松市西春日町浄願寺山
吉 野
小豆郡小豆島町白浜
栗林町
坂出市青海町白峰山
竜王山
仲多度郡まんのう町炭所西
若狭峰
小豆郡小豆島町大麻山
地名の詳細
小豆郡土庄町銚子浜
仲多度郡琴南町造田
香川県直島
綾歌郡綾上町長柄池
仲多度郡琴南町奈良ノ木
小豆郡土庄町西浦
綾歌郡綾上町西分
高松市青峰根香寺
仲多度郡まんのう町野口
仲多度郡まんのう町野田小屋
仲多度郡まんのう町羽間
仲多度郡琴南町柞野
高松市浜ノ町
仲多度郡まんのう町日開谷
高松市東植田町
仲多度郡琴南町平川
高松市西植田町藤尾神社
小豆郡小豆島町星ヶ城山
仲多度郡まんのう町大川山
仲多度郡まんのう町平川
仲多度郡まんのう町吉野
仲多度郡まんのう町竜王山
高松市屋島
香川郡塩江町安原上東
仲多度郡まんのう町山脇
大川郡長尾町ユズリハ
小豆郡小豆島町吉野
高松市栗林町
香川郡塩江町竜王山
三豊市財田町若狭峰
Scytodidae ヤマシログモ科
Scytodes thoracica (Latreille 1802)
ユカタヤマシログモ
浜ノ町 080707F
Pholcidae ユウレイグモ科
Pholcus crypt icolens Bösenberg & Strand 1906
ユウレイグモ
石清尾山 080518F, 藤尾神社 040529F
Pholcus phalangioides (Fuesslin 1775)
イエユウレイグモ
浜ノ町 070614M
Mimetidae センショウグモ科
Ero japonica Bösenberg & Strand 1906
センショウグモ
琴平山 080613F
Mimet us japonicus Uyemura 1938
ハラビロセンショウグモ
大坪 040605F
Mimet us t est aceus Yaginuma 1960
オオセンショウグモ
大坪 040605M, 銚子 浜 050626F, 屋 島 070620M
Uloboridae ウズグモ科
Hypt iot es aff inis Bösenberg & Strand 1906
オウギグモ
七箇 021024M, 長柄 池 021118F, 藤尾神 社 021021F, ユズリハ 020921M
Miagrammopes orient alis Bösenberg & Strand 1906
マネキグモ
内野々 040605F
Oct onoba sybot ides (Bösenberg & Strand 1906)
カタハリウズグモ
石清尾山 080518F, 内野々 040605M, 内野々040605F, 紫雲山 070501F, 紫雲 山 070501F,
屋島 080612F
Theridiidae ヒメグモ科
Achaearanea asiat ica (Bösenberg & Strand 1906)
キヒメグモ
尾ノ瀬山 070627M
Achaearanea culicivola (Bösenberg & Strand 1906)
カグヤヒメグモ
猪ノ鼻 021206F, 藤尾神社 040529F
Achaearanea japonica (Bösenberg & Strand 1906)
ニホンヒメグモ
海老済 070629M, 尾ノ瀬 山 020904F, 塩 入 070708F, 造田 020929F, 屋島 020920F
Achaearanea kompirensis (Bösenberg & Strand 1906) コンピラヒメグモ
尾ノ瀬山 070627M
Achaearanea ryukyu Yoshida 2000
リュウキュウヒメグモ
琴平山 080713M
Anelosimus crassipes (Bösenberg & Strand 1906)
アシブトヒメグモ
男木島 080420M, 西 浦 060521F
69
Argyrodes bonadea (Karsch 1881)
シロカネイソウロウグモ
白浜 080909M, まんのう吉 野 020908F, 紫雲 山 080606M
Argyrodes cylindrat us Thorell 1889
トビジロイソウロウグモ
海老済 070629M
Argyrodes kumadai Chida & Tanikawa 1999
チリイソウロウグモ
柏原渓谷 021024F, 平川 021123F
Chrysso albipes (S.Saito 1935)
ギボシヒメグモ
尾ノ瀬山 020904F, 日開谷 070819F
Chrysso f oliat a (L.Koch 1878)
ホシミドリヒメグモ
大川山 030502M, 大多和 030501M, 紫雲山 070424M, 塩入 030517F, 奈良ノ木 030520F,
星ヶ城山 070505M, まんのう竜王 山 070508M, 竜王山 070505M
Chrysso scint illans (Thorell 1895)
コガネヒメグモ
久保谷 080815M
Dipoena punct isparsa Yaginuma 1967
シモフリミジングモ
海老済 070629M, 大川 山 050613F, 紫雲 山 0806060F, 藤尾神社 040529F, 星ヶ城山
070505FM, まんのう大川山 060606F
Enoplognatha abrupt a (Karsch 1879)
カレハヒメグモ
久保谷 060524F
Enoplognatha caricis (Fickert 1876)
ヤマトコノハグモ
岡 860318M
Episinus aff inis Bösenberg & Strand 1906
ヒシガタグモ
星ヶ城山 070605M
Keijia st erninot ata (Bösenberg & Strand 1906)
ムナボシヒメグモ
大滝山 021107F, 銚子浜 050626F, まんのう吉野 020908F, 屋島 080612F, 屋島 080612F
Monet a caudif era Dönitz & Strand 1906)
ハラナガヒシガタグモ
内野々 040605M, 塩入 020521M
Neospint harus fur (Bösenberg & Strand 1906)
フタオイソウロウグモ
内野々 040605M, 久保谷 060524M, 銚子浜 050626F, ユズリ ハ 020921F
Parast eatoda tepidariorum (C. L. Koch 1841)
オオヒメグモ
白浜 0810909FM
Phoroncidia pilula (Karsch 1879)
ツクネグモ
琴平山 030323F
Phycosoma must elinum (Simon 1889)
カニミジングモ
上西 020903M, 海老済 070629M, 塩 入 030517M, 塩入 070708F, 島ヶ峰 070403M, 銚子
浜 050626F, 直島 080422F, 東植田町 080619F, まんのう大川山 060606FM, 吉野
080909M, 竜王山 021018F
Rhomphaea sagana (Dönitz & Strand 1906)
70
ヤリグモ
野田小屋 070515M
Takayus chikunii (Yaginuma 1960)
バラギヒメグモ
紫雲山 080606F, 塩入 030517M, 山 脇 060514M
Takayus lat if olius (Yaginuma 1960)
ヒロハヒメグモ
塩入 030517M
Takayus takayensis (S. Saito 1939)
タカユヒメグモ
大川山 070610M, 銚子 浜 050626F, 星ヶ城 山 070505M, 星ヶ城山 070605M, まんのう大
川山 060606M
ムネグロヒメグモ
Theridion pinast ri L. Koch 1872
屋島 080612M
Yaginumena castrat a (Bösenberg & Strand 1906)
ボカシミジングモ
上西 020903F, 寒霞渓 080601F, 屋島 070620F
Yunohamella lyricus (Walckenaer 1841)
シモフリヒメグモ
銚子浜 050626F
Yunohamella yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906)
ユノハマヒメグモ
雨島 080622M
Linyphiidae サラグモ科
Aspert horax communis Oi 1960
ザラアカムネグモ
竜王山 040107F
Diploce phaloides saganus (Bösenberg & Strand 1906)
ハラジロムナキグモ
白浜 030428F
Gongylidioides communis Saito & Ono 2001
ナミズキンヌカグモ
奈良ノ木 050608M, 若狭 峰 070612M
Neriene brongersmai Helsdingen 1969
チビサラグモ
星ヶ城山 070605F
Neriene fusca (Oi 1960)
クスミサラグモ
大川山 070610M, 大多和 030501M, 久保 谷 080506M, 塩入 030517F, 塩入 030517M, 野
口 070415M, 野 口 070415FM, 竜王山 021018F
Neriene limbat inella (Bösenberg & Strand 1906)
フタスジサラグモ
炭所西 021119F, 安原上東 021103F, 竜王山 021018F
Neriene longipedella (Bösenberg & Strand 1906)
アシナガサラグモ
大川山 060616F, 塩入 070422M, 日開 谷 070819M, 竜王山 070815M
Neriene nigripect oris (Oi 1960)
ムネグロサラグモ
大川山 070610M
Strandella yaginumai H. Saito 1982
ヒメヨツボシサラグモ
まんのう大川山 060606M
71
Turinyphia yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906)
ユノハマサラグモ
久保谷 060524F, 塩入 030517F, 野口 070415M, 竜王山 070505M
Tetragnathidae ア シナガグモ科
Leucauge subgemmea Bösenberg & Strand 1906
キララシロカネグモ
海老済 070629F
Meta ret iculoides Yaginuma 1958
ヤマジドヨウグモ
雨島 011113F, 塩入 060829M, 奈良ノ 木 080819FM, まんのう平 川 080902M
Met leucauge kompirensis (Bösenberg & Strand 1906)
タニマノドヨウグモ
海老済 070729F
Met leucauge yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906) メガネドヨウグモ
塩入 030517F, 野田小屋 070515F
Araneidae コガネグモ科
Araneus acusisetus Zhu & Song 1994
オオクマヤミイロオニグモ
塩入 030517F
Araneus ejusmodi Bösenberg & Strand 1906
ヌサオニグモ
大多和 040619FM
Araneus ishisawai Kishida 1920
イシサワオニグモ
上西 020903M
Araneus nojimai Tanikawa 2001
マメオニグモ
竜王山 070505M
Araneus t surusakii Tanikawa 2001
カラオニグモ
塩入 030517M
Araniella yaginumai Tanikawa 1995
ムツボシオニグモ
塩入 070422M, 藤尾神 社 040529F
Argiope minut a Karsch 1879
コガタコガネグモ
浄願寺山 020923F
Chorizopes nipponicus Yaginuma 1963
ヤマトカナエグモ
銚子浜 050626M, 奈良ノ 木 050608F, 根香 寺 080720F
Cyclosa argent eoalba Bösenberg & Strand 1906
ギンメッキゴミグモ
十郷 021102F, ユズリハ 020921F
Cyclosa ginnaga Yaginuma 1959
ギンナガゴミグモ
紫雲山 070424M
Cyclosa hamulata Tanikawa 1992
カギヅメカラスゴミグモ
竜王山 070815M
Cyclosa oct otuberculat a Karsch 1879
ゴミグモ
石清尾山 070603M
Cyrtarachne yunoharuensis Strand 1918
72
アカイロトリノフンダマシ
塩入 070808M, 山 脇 080608F
サガオニグモ
Eriophora ast ridae (Strand 1917)
久保谷 060524M
Eriophora sachalinensis (S. Saito 1934)
カラフトオニグモ
久保谷 060524M, 塩 入 030517M, 塩入 020521F, 野田小屋 070515M
Gast eracantha kuhli C. L. Koch 1837
トゲグモ
奈良ノ木 080819F
Neoscona adiant a (Walckenaer 1802)
ドヨウオニグモ
造田 020929F
ワキグロサツマノミダマシ
Neoscona mellot eei (Simon 1895)
琴平山 020915M, 浄願寺 山 020923M, ユズリハ 020921F
イエオニグモ
Neoscona naut ica (L. Koch 1875)
羽間 050617F
Neoscona punct igera (Doleschall 1857)
コゲチャオニグモ
尾ノ瀬山 020904M
Neoscona subpullata (Bösenberg & Strand 1906)
ヘリジロオニグモ
白浜 030428M, 白 浜 030428M
Neoscona t heisi (Walckenaer 1842)
ホシスジオニグモ
白浜 080909M
Pasilobus hupingensis Yin, Bao & Kim 2001
ワクドツキジグモ
川股 030203M
Pronoides brunneus Schenkel 1936
コオニグモモドキ
大川山 050613M, 星ヶ城 山 070605F
Lycosidae コモリグモ科
ヒノマルコモリグモ
Arct osa ipsa (Karsch 1879)
炭所西 040129M
Pardosa pseudoannulat a (Bösenberg & Strand 1906) キクヅキコモリグモ
長柄池 021118FM
Pirat a procurvus (Bösenberg & Strand 1906)
チビコモリグモ
大坪 040605M
Oxyopidae ササグモ科
ササグモ
Oxyopes sert atus L. Koch 1878
紫雲山 070727M
Agelenidae タナグモ科
Agelena silvat ica Oliger 1983
クサグモ
岡 870609M, まんのう竜王 山 061012F
73
Cybaeidae ナミハグモ科
ヒメナミハグモ
Cybaeus miyosii Yaginuma 1941
平川 050103M
Amaurobiidae ガケジグモ科
Coelot es yaginumai Nishikawa 1972
カミガタヤチグモ
大川山 040310M
Miturgidae ツチフクログモ科
Cheiracant hium unicum Bösenberg & Strand 1906
ヤサコマチグモ
安原上東 070619M
Anyphaenidae イヅツグモ科
イヅツグモ
Anyphaena pugil Karsch 1879
塩入 070422F
Clubionidae フクログモ科
ヤハズフクログモ
Clubiona jucunda (Karsch 1879)
山脇 080608F
マイコフクログモ
Clubiona rostrata Paik 1985
屋島 080612F, 山脇 060514F
Clubiona yaginumai Hayashi 1989
ヤギヌマフクログモ
内野々 040605M
Corinnidae ネコグモ科
Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906
ネコグモ
五毛 070417FM
Zodariidae ホウシグモ科
ホウシグモ
Mallinella hoosi (Kishida 1935)
久保谷 080815F
Gnaphosidae ワシグモ科
Drassyllus sanmenensis Platnick & Song 1986
エビチャヨリメケムリグモ
白浜 030428M
Sanit ubius anat olicus (Kamura 1989)
ナミトンビグモ
雨島 040619F
Thomisidae カニグモ科
Diaea subdola O. P.-Cambridge 1885
コハナグモ
内野々 040605F, 大滝山 860831F, 野 口 050529M, 若狭峰 070612M
Ebeling ia kumadai (Ono 1985)
クマダハナグモ
石清尾山 070503F
Ebrecht ella t ricuspidat a (Fabricius 1775)
白峰山 030429F, 西分 020528F, 藤尾神社 021021F
74
ハナグモ
Lysit eles coronatus (Grube 1861)
アマギエビスグモ
大多和 030501M, 野 口 070415M, まんのう竜王山 070508M
ワカバグモ
Oxyt at e st riat ipes L. Koch 1878
大滝山 030801F
ニッポンオチバカニグモ
Ozypt ila nipponica Ono 1985
海老済 070629F
Thomisus labefactus Karsch 1881
アズチグモ
男木島 080420F, 女木島 080527F
Tmarus piger (Walckenaer 1802)
トラフカニグモ
奈良ノ木 050608F
ヤミイロカニグモ
Xyst icus croceus Fox 1937
紫雲山 080606M
Salticidae ハエトリグモ科
Carrhotus xant hogramma (Latreille 1819)
ネコハエトリ
大麻山 060530F
Evarcha albaria (L. Koch 1878)
マミジロハエトリ
炭所西 021009M
Harmochirus insulanus (Kishida 1914)
ウデブトハエトリ
雨島 020724F, 大坪 040605M
Hasarius adansoni (Audouin 1826)
アダンソンハエトリ
栗林町 021009M
Helicius yaginumai Bohdanowicz & Prószyński 1987 ジャバラハエトリ
大川山 050519M
Lauf eia aenea Simon 1888
エキスハエトリ
まんのう大川山 080916F
Marpissa pulla (Karsch 1879)
ヨダンハエトリ
星ヶ城山 070505F
Phint ella bif urcilinea (Bösenberg & Strand.1906)
キアシハエトリ
塩入 070808M
Phint ella versicolor (C. L. Koch 1846)
メスジロハエトリ
炭所西 021009F
Plexippoides doenit zi (Karsch 1879)
デーニッツハエトリ
奈良ノ木 020918F
Rhene albigera (C.L.Koch 1848)
ヒメカラスハエトリ
塩入 060829M, 銚子 浜 050626M, 屋島 080612F
Rhene atrata (Karsch 1881)
カラスハエトリ
75
公渕公園 011111F
Synagelides annae Bohdanowitz 1979
オオクマアメイロハエトリ
柞野 050918M
Yaginumaella striat ipes (Grube 1861)
上西 030503F
76
ウススジハエトリ
KISHIDAIA No.97 Mar. 2010
東京都立石神井公園のクモ
荘 司
康 治 郎
はじめに
石神井公園は敷地面積 20 万平方メートル強の東京都練馬区にある都立公園であり,敷地内に
は二つの大きな池を有している.東側に位置する石神井池は別名「ボート池」と呼ばれる都市公
園らしい開放的な人工池だが,公園西側の三宝寺池は樹木がオーバーハングする古くからある池
で,1935 年(昭 和 10 年)には「三宝寺池沼沢群落」として国の天然記念物に指定されている.
かつては豊富な湧水により多数の貴重な沼沢植物を育み, 55 種ものトンボ類が生息できるよ
うな多様な環境を保持していた.しかし近年の宅地開発等により湧水は枯渇してしまい ,現在で
は地下水を汲み上げて水源としている.沼沢植物は激減しており,トンボ類も 20 種程度しか確
認できないが,「氷河期の生き残り」といわれるミツガシワが残存し,マルタンヤンマやヤブヤ
ンマなど自然度の高い里山でもなかなか見られない貴重な種が生き残っている.
池の北から西側には落葉広葉樹を中心とした広場,疎林,雑木林があり,南側には隣接する社
寺林により小規模ながらも照葉樹林を形成している.また武蔵野台地に位置しているため ,北側
の雑木林~広場と,池を取り巻く散策路とで は 3~ 5 mの高低差があり ,その間の斜面の形状も
一様ではない.これらにより,限られた土地面積のなかに多様な環境が醸成され,様々な生物の
生息地域となっている.
筆者が当地においてクモおよび昆虫類の観察を始めたのは 2004 年 5 月からであり,2008 年
5 月に東京都小金井市に転居するまでの 4 年間に確認したクモの種数は 180 種を超えた.それら
のうち未採集で同定に疑問が残る数種を除いた 180 種をリストにまとめた.リストに挙げた種の
うち偶産と思われるものについては欄外に記した.
目 録
分類体系は谷川( 2009)に準拠する.種の同定にご協力いただいた貞元己良氏,谷川明男博
士,初芝伸吾氏にお礼申し上げる.
Atypidae ジグモ科
001 At ypus karschi Dönitz 1887
ジグモ
Ctenizidae トタテグモ科
002 Lat ouchia typica (Kishida 1913)
キシノウエトタテグモ
Scytodidae ヤマシログモ科
77
003 Scytodes thoracica (Latreille 1802)
ユカタヤマシログモ
Pholcidae ユウレイグモ科
004 Pholcus crypt icolens Bösenberg & Strand 1906
ユウレイグモ
005 Pholcus phalangioides (Fuesslin 1775)
イエユウレイグモ
006 Spermophora senoculat a (Dugès 1836)
シモングモ
Mimetidae センショウグモ科
007 Ero japonica Bösenberg & Strand 1906
センショウグモ
Oecobiidae チリグモ科
008 Oecobius navus Blackwall 1859
チリグモ
009 Uroct ea compact ilis L. Koch 1878
ヒラタグモ
Uloboridae ウズグモ科
010 Miagrammopes orient alis Bösenberg & Strand 1906
マネキグモ
011 Oct onoba sybot ides (Bösenberg & Strand 1906)
カタハリウズグモ
Theridiidae ヒメグモ科
012 Anelosimus crassipes (Bösenberg & Strand 1906)
アシブトヒメグモ
013 Argyrodes bonadea (Karsch 1881)
シロカネイソウロウグモ
014 Argyrodes kumadai Chida & Tanikawa 1999
チリイソウロウグモ
015 Ariamnes cylindrogast er (Simon 1888)
オナガグモ
016 Dipoena punct isparsa Yaginuma 1967
シモフリミジングモ
017 Enoplognatha abrupt a (Karsch 1879)
カレハヒメグモ
018 Episinus nubilus Yaginuma 1960
ムラクモヒシガタグモ
019 Neospint harus fur (Bösenberg & Strand 1906)
フタオイソウロウグモ
020 Paidiscura subpallens (Bösenberg & Strand 1906)
ハイイロヒメグモ
021 Parast eatoda angulit horax (Bösenberg & Strand 1906)
ツリガネヒメグモ
022 Parast eatoda culicivola (Bösenberg & Strand 1906)
カグヤヒメグモ
023 Parast eatoda japonica (Bösenberg & Strand 1906)
ニホンヒメグモ
024 Parast eatoda oculiprominens (S. Saito 1939)
キヨヒメグモ
025 Parast eatoda tabulat a Levi 1980
オオツリガネヒメグモ
026 Parast eatoda tepidariorum (C. L. Koch 1841)
オオヒメグモ
027 Phycosoma must elinum (Simon 1889)
カニミジングモ
028 Plat nickia mneon (Bösenberg & Strand 1906)
サトヒメグモ
029 Plat nickia st erninot ata (Bösenberg & Strand 1906)
ムナボシヒメグモ
030 Rhomphaea sagana (Dönitz & Strand 1906)
ヤリグモ
031 Spheropistha melanosoma Yaginuma 1957
クロマルイソウロウグモ
032 St eat oda cingulat a (Thorell 1890)
ハンゲツオスナキグモ
033 St emmops nipponicus Yaginuma 1969
スネグロオチバヒメグモ
034 Takayus chikunii (Yaginuma 1960)
バラギヒメグモ
78
035 Theridion pinast ri L. Koch 1872
ムネグロヒメグモ
036 Yaginumena castrat a (Bösenberg & Strand 1906)
ボカシミジングモ
037 Yaginumena mut ilat a (Bösenberg & Strand 1906)
コアカクロミジングモ
038 Yunohamella subadulta (Bösenberg & Strand 1906)
コケヒメグモ
Linyphiidae サラグモ科
039 Aspert horax communis Oi 1960
ザラアカムネグモ
040 Bat hyphant es tat eyamaensis (Oi 1960)
タテヤマテナガグモ
041 Diploce phaloides saganus (Bösenberg & Strand 1906)
ハラジロムナキグモ
042 Doenitzius peniculus Oi 1960
デーニッツサラグモ
043 Doenitzius pruvus Oi 1960
コデーニッツサラグモ
044 Erigone prominens Bösenberg & Strand 1906
ノコギリヒザグモ
045 Gnat honarium exsiccat um (Bösenberg & Strand 1906)
ニセアカムネグモ
046 Hylyphant es graminicola (Sundevall 1830)
クロナンキングモ
047 Lept hyphant es concavus (Oi 1960)
クボミケシグモ
048 Neriene nigripect oris (Oi 1960)
ムネグロサラグモ
049 Neriene oidedicata Helsdingen 1969
ヘリジロサラグモ
050 Nippononeta obliqua (Oi 1960)
ナナメケシグモ
051 Nippononeta project a (Oi 1960)
ツノケシグモ
052 Paikin iana mira (Oi 1960)
テングヌカグモ
053 Syedra oii H. Saito 1983
オオイオリヒメサラグモ
054 Ummeliat a insect iceps (Bösenberg & Strand 1906)
セスジアカムネグモ
Tetragnathidae ア シナガグモ科
055 Leucauge magnif ica Yaginuma 1954
オオシロカネグモ
056 Leucauge subblanda Bösenberg & Strand 1906
コシロカネグモ
057 Leucauge subgemmea Bösenberg & Strand 1906
キララシロカネグモ
058 Met leucauge yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906) メガネドヨウグモ
059 Pachygnatha quadrimaculat a (Bösenberg & Strand 1906)ヨツボシヒメアシナガグモ
060 Pachygnatha t enera Karsch 1879
ヒメアシナガグモ
061 Tet ragnatha caudicula (Karsch 1879)
トガリアシナガグモ
062 Tet ragnatha maxillosa Thorell 1895
ヤサガタアシナガグモ
063 Tet ragnatha praedonia L. Koch 1878
アシナガグモ
064 Tet ragnatha squamat a Karsch 1879
ウロコアシナガグモ
065 Tet ragnatha vermif ormis Emerton 1884
シコクアシナガグモ
Nephilidae ジョロウグモ科
066 Nephila clavat a L. Koch 1878
ジョロウグモ
Araneidae コガネグモ科
79
067 Acusilas coccineus Simon 1895
ハツリグモ
068 Araneus mit if icus (Simon 1886)
ビジョオニグモ
069 Araneus pent agrammicus (Karsch 1879)
アオオニグモ
070 Araneus vent ricosus (L. Koch 1878)
オニグモ
071 Araniella yaginumai Tanikawa 1995
ムツボシオニグモ
072 Argiope amoena L. Koch 1878
コガネグモ
073 Argiope bruennichi (Scopoli 1772)
ナガコガネグモ
074 Argiope minut a Karsch 1879
コガタコガネグモ
075 Chorizopes nipponicus Yaginuma 1963
ヤマトカナエグモ
076 Cyclosa argent eoalba Bösenberg & Strand 1906
ギンメッキゴミグモ
077 Cyclosa japonica Bösenberg & Strand 1906
ヤマトゴミグモ
078 Cyclosa oct otuberculat a Karsch 1879
ゴミグモ
079 Cyclosa sedeculat a Karsch 1879
ヨツデゴミグモ
080 Cyrtophora moluccensis (Doleschall 1857)
スズミグモ
081 Eriophora ast ridae (Strand 1917)
サガオニグモ
082 Eriophora sachalinensis (S. Saito 1934)
カラフトオニグモ
083 Hypsosinga sanguinea (C. L. Koch 1844)
シロスジショウジョウグモ
084 Larinia argiopif ormis Bösenberg & Strand 1906
コガネグモダマシ
085 Neoscona mellot eei (Simon 1895)
ワキグロサツマノミダマシ
086 Neoscona punct igera (Doleschall 1857)
コゲチャオニグモ
087 Neoscona scylla (Karsch 1879)
ヤマシロオニグモ
088 Neoscona scylloides (Bösenberg & Strand 1906)
サツマノミダマシ
089 Ordgarius sexspinosus (Thorell 1894)
ムツトゲイセキグモ
Lycosidae コモリグモ科
090 Arct osa f ujiii Tanaka 1985
フジイコモリグモ
091 Arct osa ipsa (Karsch 1879)
ヒノマルコモリグモ
092 Lycosa coelest is L. Koch 1878
ハラクロコモリグモ
093 Pardosa astrigera L. Koch 1878
ウヅキコモリグモ
094 Pardosa laura Karsch 1879
ハリゲコモリグモ
095 Pirat a clercki (Bösenberg & Strand 1906)
クラークコモリグモ
096 Pirat a meridionalis Tanaka 1974
ミナミコモリグモ
097 Pirat a subpirat icus (Bösenberg & Strand 1906)
キバラコモリグモ
098 Pirat a t anakai Brignoli 1983
コガタコモリグモ
099 Trochosa ruricola (De Geer 1778)
アライトコモリグモ
Pisauridae キシダグモ科
100 Dolomedes japonicus Bösenberg & Strand 1906
キクメハシリグモ
101 Dolomedes sulfureus L. Koch 1878
イオウイロハシリグモ
80
Oxyopidae ササグモ科
102 Oxyopes sert atus L. Koch 1878
ササグモ
Ctenidae シボグモ科
シボグモ
103 Anahita f auna Karsch 1879
Agelenidae タナグモ科
104 Agelena silvat ica Oliger 1983
クサグモ
105 Allagelena opulenta (L. Koch 1878)
コクサグモ
Hahniidae ハタケグモ科
106 Hahnia cort icicola Bösenberg & Strand 1906
ハタケグモ
Dictynidae ハグモ科
107 Brommella punct osparsa (Oi 1957)
ナシジカレハグモ
108 Cicurina japonica (Simon 1886)
コタナグモ
109 Dict yna f elis Bösenberg & Strand 1906
ネコハグモ
110 Dict yna f oliicola Bösenberg & Strand 1906
ヒナハグモ
111 Lathys annulata Bösenberg & Strand 1906
カレハグモ
Amaurobiidae ガケジグモ科
112 Iwogumoa insidiosa (L. Koch 1878)
シモフリヤチグモ
113 Iwogumoa int eruna (Nishikawa 1977)
ヒメシモフリヤチグモ
114 Pireneit ega luct uosa (L. Koch 1878)
メガネヤチグモ
Miturgidae ツチフクログモ科
115 Cheiracant hium lascivum Karsch 1879
ヤマトコマチグモ
Liocranidae ウエムラグモ科
116 It atsina prat icola (Bösenberg & Strand 1906)
イタチグモ
Clubionidae フクログモ科
117 Clubiona delet rix O. P.-Cambridge 1885
マダラフクログモ
118 Clubiona japonicola Bösenberg & Strand 1906
ハマキフクログモ
119 Clubiona jucunda (Karsch 1879)
ヤハズフクログモ
120 Clubiona kurilensis Bösenberg & Strand 1906
ヒメフクログモ
121 Clubiona lena Bösenberg & Strand 1906
トビイロフクログモ
122 Clubiona pseudogermanica Schenkel 1936
カギフクログモ
123 Clubiona rostrata Paik 1985
マイコフクログモ
124 Clubiona vigil Karsch 1879
ムナアカフクログモ
Corinnidae ネコグモ科
125 Ort hobula crucif era Bösenberg & Strand 1906
オトヒメグモ
126 Otacilia komurai (Yaginuma 1952)
コムラウラシマグモ
127 Phrurolithus claripes (Dönitz & Strand 1906)
イナズマウラシマグモ
81
128 Phrurolithus nipponicus Kishida 1914
ウラシマグモ
129 Phrurolithus pennat us Yaginuma 1967
ヤバネウラシマグモ
130 Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906
ネコグモ
Gnaphosidae ワシグモ科
131 Gnaphosa kompirensis Bösenberg & Strand 1906
メキリグモ
132 Hit obia asiat ica (Bösenberg & Strand 1906)
シノノメトンビグモ
133 Kishidaia albimaculat a (S.Saito 1934)
ヨツボシワシグモ
134 Sanit ubius anat olicus (Kamura 1989)
ナミトンビグモ
135 Sergiolus hosiziro (Yaginuma 1960)
ホシジロトンビグモ
136 Zelot es asiat icus (Bösenberg & Strand 1906)
クロチャケムリグモ
Philodromidae エビグモ科
137 Philodromus auricomus L. Koch 1878
キンイロエビグモ
138 Philodromus spinit arsis Simon 1895
キハダエビグモ
139 Philodromus subaureolus Bösenberg & Strand 1906
アサヒエビグモ
140 Thanatus miniaceus Simon 1880
ヤドカリグモ
141 Tibe llus japonicus Efimik 1999
シャコグモ
Thomisidae カニグモ科
142 Bassaniana decorat a (Karsch 1879)
キハダカニグモ
143 Coriarachne f ulvipes (Karsch 1879)
コカニグモ
144 Diaea subdola O. P.-Cambridge 1885
コハナグモ
145 Ebeling ia kumadai (Ono 1985)
クマダハナグモ
146 Ebrecht ella t ricuspidat a (Fabricius 1775)
ハナグモ
147 Lysit eles coronatus (Grube 1861)
アマギエビスグモ
148 Oxyt at e st riat ipes L. Koch 1878
ワカバグモ
149 Ozypt ila mat sumotoi Ono 1988
マツモトオチバカニグモ
150 Ozypt ila nipponica Ono 1985
ニッポンオチバカニグモ
151 Thomisus labefactus Karsch 1881
アズチグモ
152 Tmarus rimosus Paik 1973
セマルトラフカニグモ
153 Xyst icus croceus Fox 1937
ヤミイロカニグモ
Salticidae ハエトリグモ科
154 Brist owia heterospinosa Reimoser 1934
マツモトハエトリ
155 Carrhotus xant hogramma (Latreille 1819)
ネコハエトリ
156 Euophrys kat aokai Ikeda 1996
カタオカハエトリ
157 Evarcha albaria (L. Koch 1878)
マミジロハエトリ
158 Harmochirus insulanus (Kishida 1914)
ウデブトハエトリ
159 Hasarius adansoni (Audouin 1826)
アダンソンハエトリ
160 Lauf eia aenea Simon 1889
エキスハエトリ
82
161 Marpissa milleri (Peckham & Peckham1894)
オオハエトリ
162 Marpissa pulla (Karsch 1879)
ヨダンハエトリ
163 Mendoza canest rinii (Ninni in Canestrini & Pavesi 1868) オスクロハエトリ
164 Menemerus fulvus (L. Koch 1878)
シラヒゲハエトリ
165 Myrmarachne formicaria (De Geer 1778)
タイリクアリグモ
166 Myrmarachne inermichelis Bösenberg & Strand 1906
ヤサアリグモ
167 Myrmarachne japonica (Karsch 1879)
アリグモ
168 Phint ella abnormis (Bösenberg & Strand 1906)
チャイロアサヒハエトリ
169 Phint ella linea (Karsch 1879)
メガネアサヒハエトリ
170 Phint ella versicolor (C. L. Koch 1846)
メスジロハエトリ
171 Plexippoides doenit zi (Karsch 1879)
デーニッツハエトリ
172 Plexippus set ipes Karsch 1879
ミスジハエトリ
173 Pseudeuophrys iwat ensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987)イワテハエトリ
174 Pseudicius vulpes (Grube 1861)
イナズマハエトリ
175 Rhene albigera (C.L.Koch 1848)
ヒメカラスハエトリ
176 Rhene atrata (Karsch 1881)
カラスハエトリ
177 Sibianor pullus (Bösenberg & Strand 1906)
キレワハエトリ
178 Siler cupreus Simon 1888
アオオビハエトリ
179 Sitt icus avocator (O. P.-Cambridge 1885)
ヒトリコゲチャハエトリ
180 Sitt icus penicillat us (Simon 1875)
シラホシコゲチャハエトリ
※偶産と
偶産と思われる種
われる種の記録
Scytodes thoracica (Latreille 1802)
1♀(サワラ樹皮下) 2004.10.10
Spermophora senoculat a (Duges 1836)
1♀(倒木下) 2004.10.10
Argiope amoena L. Koch 1878
1 幼体 2007.04.29
Cyrtophora moluccensis (Doleschall 1857)
1 幼体 2007.07.06
Ordgarius sexspinosus (Thorell 1894)
1♀ 2004.08.21,1♀ 2007.08.14
Cheiracant hium lascivum Karsch 1879
1♀ 2004.06.20
Hit obia asiat ica (Bösenberg & Strand 1906)
1 幼体(ケヤキ樹皮下) 2006.12.24
ユカタヤマシログモ
シモングモ
コガネグモ
スズミグモ
ムツトゲイセキグモ
ヤマトコマチグモ
シノノメトンビグモ
引用文献
谷川明男 2009.日本産クモ類目録 Ver.2009R1.
練馬・文化の会 1993.石神井公園の歴史と自然.練馬・文化の会.
83
KISHIDAIA No.97 Mar. 2010
茨城県南部の農地で採集されたクモ標本目録
馬場 友希† ・吉武 啓・平舘 俊太郎・楠本 良延・栗原 隆・吉松 慎一
Yuki BABA, Hiraku YOSHITAKE, Syuntaro HI RADATE, Yoshinobu
KUSUMOTO, Takashi KURIHARA and Shin-ichi YOSHIMATSU. A list of
spider specimens (Arachnida: Araneae) collected from farmland located at the
southern part of Ibaraki Prefecture, Honshu, Japan
はじめに
茨城県は,千葉県・東京都・神奈川県などの南関東の都県に比べてクモ類の分布・採集記録の
報告例が少なく県内のクモ相はよく分かっていない(新海 2001).我々は農林水産省委託プロ
ジェクト研究「農業に有用な生物多様性の指標及び評価手法の開発」(課題番号:1263,2111)
の一環として 2008 年から 2009 年にかけて茨城県南部(牛久市・つくば市・つくばみらい市)
の農地 5 地点( 図 1,表 1)においてスウィーピング( SW)とベイトトラップ( BT),目視( VS)
によるクモ相の調査を行った.採集したクモ類は全て 99.5 % エタノールの液浸標本にした後に
それらを類別・同定し各種標本情報をデータベース化した.採集されたクモ類は計 25 科 86 属
119 種 2,104 点にのぼった.これらのデータは北関東の農地におけるクモ相の基礎情報として
非常に有用と考えられるため全標本情報の目録を作成しここに発表する.また茨城県新記録とな
る種も多く採集されたため特筆すべき種として末尾に掲載する.
図 1 調査地の
調査地の位置
†
Location of study sites
独立行政法人農業環境技術研究所 〒305-8604 茨城県つくば市観音台 3-1-3
National Institute for Agro-Environmental Sciences, 3-1-3 Kannondai, Tsukuba,
Ibaraki, 305-8604 Japan
84
調査地
表 1 調査地の
調査地の概要 Description of study sites in Ibaraki Prefecture
座標
標高
生息地タイプ
植生タイプ
Location
1
つくば市松代
2
つくば市松代
3
つくばみらい市狸穴
4
つくば市西平塚
5
牛久市遠山
Coordinates
36 °°04’
Matsushiro, Tsukuba city
Matsushiro, Tsukuba city
Mamiana, Tsukuba-mirai city
Nishihiratsuka, Tsukuba city
Altitude
02.6”N,
140 05’ 96.2”E
25 m
36 °04’ 04.1”N,
140 °05’ 93.5”E
28 m
35 °59’ 16.5”N,
140 °04’ 18.4”E
15 m
36 °05’ 43.4”N,
140 °05’ 26.4”E
25 m
35 °57’ 00.6”N,
140 °09’ 03.3”E
17 m
Habitat type
Vegetation type
耕作地わきの土手
一年生草本
Levee beside arable
fields
Annual grassland
耕作放棄地
セイタカアワダチソウ群集
Abandoned arable field
Solidago altissima c ommunity
耕作地間の斜面
在来種と外来種の草本の群集
Slope between arable
fields
Native and exotic herbace ous
plants community
管理された牧草地
半自然草原
Meadow with periodic
mowing
水田に面した林縁
Tooyama, Ushiku city
Traditional verge
meadow
(Forest edge beside
paddy field)
Semi-natural grassland
半自然草原と樹林
Semi-natural grassland and
forest plants
本目録における学名および和名は小野( 2009)を参照した.調査地の概要と採集日に関する
情報は(表 1,2)に示す.標本情報は各分類群の学名と和名を記した後,採集地ごとに個体数・
採集年月日・採集方法(農環研所蔵標本番号)の順で記した .採集者は表 2 に採集日との対応を
示したため省略した. F はメス成体, M はオス成体, y は幼体を表す.幼体など種レベルでの同
定が困難な一部の標本に関しては属の学名・和名の後にそれぞれ「sp.(または spp.)」・「○○
の 1 種(または○○の不明種)」と表記した . 本目録に含まれる全情報は農環研のオンライン昆
虫インベントリーシステム上で今後公開する予定である .
表 2 各調査日における
:スウィーピング,
:ベイトトラップ,
:目視)
各調査日における採集者
における採集者と
採集者と採集方法(
採集方法( SW:
スウィーピング, BT:
ベイトトラップ,VS:
目視)
Collector’s name and sampling methods at each sampling date. Abbreviations of sampling
methods: Sw eeping (SW), Bait trap (BT) and Visual searching (VS)
調査日
採集者
採集方法
Date
Collector’s n ame
Sampling method
4-8. VIII. 2008
24. IX. 2008
25. IX. 2008
27. IX. 2009
27-28. IX. 2009
15. V. 2009
15-18. V. 2009
24. VI. 2009
25. VI. 2009
24-25. VI. 2009
24-25. VI. 2009
23. VII. 2009
23-24. VII. 2009
23-24. VII. 2009
26. VIII.2009
26-27, VIII. 2009
24. IX. 2009
24-25. IX. 2009
28. X. 2009
28-29. X. 2009
吉武 Yoshitake
吉武 Yoshitake
吉武 Yoshitake
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
馬場・吉武・栗原 Baba, Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
馬場・吉武・栗原 Baba, Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
吉武・馬場 Yoshitake & Baba
吉武・栗原 Yoshitake & Kurihara
栗原・馬場 Kurihara & Baba
栗原・吉松 Kurihara & Yoshimatsu
SW
SW, BT
SW
SW
BT
SW, VS
BT
SW
SW
BT
VS
SW
BT
VS
SW
BT
SW
BT
SW
BT
85
標本目録
Atypidae ジグモ科
At ypus karschii Dönitz 1887 ジグモ
Matsushiro ST1: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900535).
Ctenizidae トタテグモ科
Lat ouchia typica (Kishida 1913) キシノウエトタテグモ
Tooyama: 1M 24. IX. 2008 BT (Ar-200800001).
Pholcidae ユウレイグモ科
Pholcus zichyi Kulczyński 1901 ユウレイグモ
Tooyama: 1y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901194).
Titanoecidae ヤマトガケジグモ科
Nurscia albof asciat a (Strand 1907) ヤマトガケジグモ
Matsushiro ST2: 1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900851). Nishihiratsuka: 1y 27-28.IV.2009
BT (Ar- 200900043); 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900470); 2M 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900690 Ar-200900691).
Uloboridae ウズグモ科
Oct onoba sp. トウキョウウズグモ属の 1 種
Tooyama: 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900880).
Oct onoba sybot ides (Bösenberg & Strand 1906) カタハリウズグモ
Tooyama: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900365).
Hahniidae ハタケグモ科
Hahnia cort icicola Bösenberg & Strand 1906 ハタケグモ
Matsushiro ST2: 1M 27.IV.2009 SW (Ar-200900106); 1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900849);
1M 28-29.X.2009 BT (Ar-200901401). Mamiana: 2M 28-29.X.2009 BT (Ar-200901306
Ar-200901309). Nishihiratsuka: 1M 27-28. IV. 2009 BT (Ar-200900046).
Coelotidae ヤチグモ科
Coelot es musashiensis Nishikawa 1989 ムサシヤチグモ (図 2;茨城県新記録種 )
Tooyama: 1M 28-29.X.2009 BT (Ar-200901192).
Coelotidae gen. spp. ヤチグモ科の不明種
Matsushiro ST2: 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900846). Tooyama: 1y 24.IX.2008 SW
(Ar-200800128); 1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900331); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900611); 1y
23-24.VII.2009 BT (Ar-200900614); 3y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900629 Ar-200900630
86
Ar-200900641); 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901833); 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901834);
1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900891).
Tegecoelot es mizuyamae Ono 2008 ヒタチヤマヤチグモ
Tooyama: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900368).
Agelenidae タナグモ科
Agelena silvat ica Oliger 1983 クサグモ
Tooyama: 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900356).
Allagelena donggukensis (Kim 1996) ヒメクサグモ
Nishihiratsuka: 1F 28.X.2009 SW (Ar-200901222).
Allagelena opulenta (L. Koch 1878) コクサグモ
Nishihiratsuka: 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900663). Tooyama: 1y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800127); 4y 15.V.2009 SW (Ar-200900135 Ar-200900138~Ar-200900140); 1y
25.VI.2009 SW (Ar-200900330); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900370).
Pisauridae キシダグモ科
Dolomedes sulfureus L. Koch 1878 イオウイロハシリグモ
Matsushiro ST1: 25y 24.IX.2008 SW (Ar-200800082~Ar-200800106); 6y 15.V.2009 SW
(Ar-200900259 Ar-200900261~Ar-200900265); 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900288); 1M
26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901847); 6y 24.IX.2009 SW (Ar-200901095 Ar-200901100
Ar-200901123 Ar-200901125 Ar-200901126 Ar-200901128). Matsushiro ST2: 2y
24.IX.2009 SW (Ar-200901027 Ar-200901046); 7y 28.X.2009 SW (Ar-200901314
Ar-200901316 Ar-200901322 Ar-200901342 Ar-200901365 Ar-200901374 Ar-200901378).
Mamiana: 1y 25.IX.2008 SW (Ar-200800081); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901293).
Nishihiratsuka: 3y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901542~Ar-200901544); 2y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900921 Ar-200900922); 3y 28.X.2009 SW (Ar-200901204 Ar-200901207
Ar-200901211). Tooyama: 2y 24.IX.2008 SW (Ar-200800079 Ar-200800080); 1y 25.VI.2009
SW (Ar-200900319); 1y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900635); 1y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900867).
Pisaura lama Bösenberg & Strand 1906 アズマキシダグモ
Nishihiratsuka: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900468); 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901511).
Tooyama: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-20090002); 1y 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900024); 1y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901479); 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200900864 Ar-200900877); 1y
28.X.2009 SW (Ar-200901177).
Lycosidae コモリグモ科
Arct osa ebicha Yaginuma 1960 エビチャコモリグモ
Mamiana: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900414); 1F 24.IX.2009 SW (Ar-200900972).
Arct osa f ujiii Tan aka 1985 フジイコモリグモ (図 3;茨城県新記録種)
Matsushiro ST1: 1M 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900093). Nishihiratsuka: 2M 15-18.V.2009
BT (Ar-200900196 Ar-200900197). Tooyama: 5M 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900018
Ar-200900020~Ar-200900023); 2M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900157 Ar-20090158).
Lycosa coelest is L. Koch 1878 ハラクロコモリグモ
Mamiana: 4M 15-18. V. 2009 BT (Ar-200900214~Ar-200900217).
87
Lycosidae gen. spp. コモリグモ科の不明種
Matsushiro ST1: 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800078); 13y 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900777~Ar-200900779 Ar-200900781~Ar-200900783 Ar-200900787 Ar-200900788
Ar-200900796~Ar-200900800); 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901854); 1y 24.IX.2009 SW
(Ar-200901133). Matsushiro ST2: 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901845). Mamiana: 1y
15-18.V.2009 BT (Ar-200900224); 2y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900411 Ar-200900417); 1y
23-24.VII.2009 BT (Ar-200900719); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900987); 5y 24-25.IX.2009 BT
(Ar-200900999 Ar-200901000 Ar-200901002 Ar-200901004 Ar-200901005).
Nishihiratsuka: 2y 24-25.IX.2009 BT (Ar-200900954 Ar-200900955). Tooyama: 1y
24.IX.2008 SW (Ar-200800248); 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900167).
Pardosa astrigera L. Koch 1878 ウヅキコモリグモ
Matsushiro ST1: 1F 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900092); 1M 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900549). Matsushiro ST2: 1F 27.IV.2009 SW (Ar-200900095). Mamiana: 1M
15-18.V.2009 BT (Ar-200900226); 3M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900406~Ar-200900408); 1M
24-25.VI.2009 VS (Ar-200900418).
Pardosa laura Karsch 1879 ハリゲコモリグモ
Matsushiro ST1: 4M 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900087~Ar-200900090); 3M 24-25.VI.2009
BT (Ar-200900538 Ar-200900540 Ar-200900546). Matsushiro ST2: 2M 15-18.V.2009 BT
(Ar-200900301 Ar-200900305); 1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900852). Mamiana: 2F
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900402 Ar-200900403). Nishihiratsuka: 4M 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900463~Ar-200900465 Ar-200900469); 1F 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901835).
Tooyama: 1F. 15-18.V.2009 BT (Ar-200900166).
Pardosa pseudoannulat a (Bösenberg & Strand 1906) キクヅキコモリグモ
Matsushiro ST1: 1M1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900554 Ar-200900552).
Pardosa spp. ハリゲコモリグモ複合群の不明種
Matsushiro ST1: 1y 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900091); 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900287);
2y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901840 Ar-200901848). Matsushiro ST2: 1y 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900580). Tooyama: 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900141).
Pirat a piratoides (Bösenberg & Strand 1906) イモコモリグモ(図 4;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST1: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900555).
Pirat a procurvus (Bösenberg & Strand 1906) チビコモリグモ
Matsushiro ST1: 2M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900543 Ar-200900544); 1F 23-24.VII.2009
BT (Ar-200900793); 1F 24-25.IX.2009 BT (Ar-200901138). Matsushiro ST2: 1F
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900582); 1M1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900587 Ar-200900586).
Mamiana: 2M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900720 Ar-200900721); 1F 28-29.X.2009 BT
(Ar-200901304). Nishihiratsuka: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900471). Tooyama: 1M
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900346); 1M 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900359); 1M
23-24.VII.2009 BT (Ar-200900619); 3F 24-25.IX.2009 BT (Ar-200900894~Ar-200900896).
Pirat a spp. カイゾクコモリグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900784); 1y 24-25.IX.2009 BT
(Ar-200901136). Matsushiro ST2: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900105). Mamiana: 1y
27-28.IV.2009 BT (Ar-200900062); 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901842). Tooyama: 1y
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900893); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900360); 3y 28-29.X.2009
BT (Ar-200901189 Ar-200901190 Ar-200901193).
Pirat a t anakai Brignoli 1983 コガタコモリグモ
88
Matsushiro ST2: 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900850). Mamiana: 1M 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900400); 2M 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900419 Ar-200900421). Nishihiratsuka: 1F
28-29.X.2009 BT (Ar-200901225). Tooyama: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900350).
Tricca japonica Simon 1888 ヒノマルコモリグモ
Matsushiro ST1: 7M1F 15-18.V.2009 BT (Ar-200900277~Ar-200900283 Ar-200900285); 2M
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900536 Ar-200900537); 1F25y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901849
Ar-200901850). Matsushiro ST2: 2M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900304 Ar-200900306); 1F
23-24.VII.2009 BT (Ar-200900857). Mamiana: 3M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900399
Ar-200900404 Ar-200900409); 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900735); 1F 24-25.IX.2009 BT
(Ar-200901001); 1y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901303). Tooyama: 1M 15-18.V. 2009 BT
(Ar-200900164); 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900616).
Tricca yasudai Tanaka 2000 ヤスダコモリグモ (図 5;茨城県新記録種)
Matsushiro ST1: 1M 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900094). Matsushiro ST2: 1M 15-18.V.2009
BT (Ar-200900302). Mamiana: 1M 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900057); 2M1F 15-18.V.2009
BT (Ar-200900220 Ar-200900222 Ar-200900223).
Trochosa ruricola (De Geer 1778) アライトコモリグモ
Matsushiro ST1: 2M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900284 Ar-200900286); 1y 24-25.IX.2009 BT
(Ar-200901134). Matsushiro ST2: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800077); 1F 27.IV.2009 SW
(Ar-200900104); 2M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900300 Ar-200900303).
Oxyopidae ササグモ科
Oxyopes sert atus L. Koch 1878 ササグモ
Matsushiro ST1: 3y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800112~Ar-200800114); 12y 24.IX.2008 SW
(Ar-200800115~Ar-200800126); 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900260); 1F46y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901701 Ar-200901636~Ar-200901652 Ar-200901702~Ar-200901730); 28y
24.IX.2009 SW (Ar-200901079 Ar-200901081~Ar-200901083 Ar-200901085~Ar-200901091
Ar-200901101 Ar-200901102 Ar-200901104~Ar-200901109 Ar-200901113~Ar-200901115
Ar-200901120 Ar-200901124 Ar-200901127 Ar-200901130~Ar-200901132); 1y
24-25.IX.2009 BT (Ar-200901135). Matsushiro ST2: 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900811
Ar-200900839); 11y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901778~Ar-200901784
Ar-200901817~Ar-200901820); 12y 24.IX.2009 SW (Ar-200901021 Ar-200901023
Ar-200901025 Ar-200901026 Ar-200901028 Ar-200901053~Ar-200901059); 7y 28.X.2009
SW (Ar-200901313 Ar-200901325 Ar-200901346 Ar-200901359 Ar-200901367
Ar-200901375 Ar-200901379). Mamiana: 1y 25.IX.2008 SW (Ar-200800111); 2y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901601 Ar-200901617); 3y 24.IX.2009 SW (Ar-200900963
Ar-200900964 Ar-200900988); 2y 28.X.2009 SW (Ar-200901227 Ar-200901272).
Nishihiratsuka: 4y 25.IX.2008 SW (Ar-200800107~Ar-200800110); 5y 15.V.2009 SW
(Ar-200900175~Ar-200900179); 2F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900473 Ar-200900491); 2y
23.VII.2009 SW (Ar-200900681 Ar-200900684); 22y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901515~Ar-200901519 Ar-200901551~Ar-200901567); 1F22y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900914 Ar-200900898~Ar-200900913 Ar-200900933~Ar-200900938); 8y 28.X.2009
SW (Ar-200901196 Ar-200901199 Ar-200901200 Ar-200901206 Ar-200901212~
Ar-200901215).
Linyphidae サラグモ科
Aprif ront alia mascula (Karsch 1879) コサラグモ
89
Tooyama: 1F 15.V.2009 SW (Ar-200900134).
Diploce phalus saganus (Bösenberg & Strand 1906) ハラジロムナキグモ
Mamiana: 2F 27.IV.2009 SW (Ar-200900049 Ar-200900051); 1F 27-28.IV.2009 BT
(Ar-200900064); 1F 15.V.2009 SW (Ar-200900209); 3F 25.VI.2009 SW (Ar-200900371
Ar-200900374 Ar-200900393).
Erigone prominens Bösenberg & Strand 1906 ノコギリヒザグモ (図 6;茨城県新記録種)
Matsushiro ST1: 1M 15.V.2009 SW (Ar-200900276). Mamiana: 1M 27.IV.2009 SW
(Ar-200900052); 1M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900230). Tooyama: 1M 25.VI.2009 SW
(Ar-200900345).
Erigone edent at e Saito & Ono 2001 マルムネヒザグモ (図 7;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST1: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900534). Mamiana: 1F 15.V.2009 SW
(Ar-200900208). Nishihiratsuka: 1F 15.V.2009 SW (Ar-200900182).
Gnat honarium exsiccat um (Bösenberg & Strand 1906) ニセアカムネグモ
Matsushiro ST1: 1M 26.VIII.2009 SW (Ar-200901737). Matsushiro ST2: 2F 28.X.2009 SW
(Ar-200901329 Ar-200901355). Mamiana: 1M1F 26.VIII.2009 SW (Ar-200901624
Ar-200901623). Nishihiratsuka: 1F 26.VIII.2009 SW (Ar-200901575). Tooyama: 1M1F
15.V.2009 SW (Ar-200900136 Ar-200900137).
Nippononeta sp. ニッポンケシグモ属の一種
Matsushiro ST1: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900547). Nishihiratsuka: 1M 26-27.VIII.2009
BT (Ar-200901837).
Linyphiidae gen. spp. サラグモ科の不明種
Matsushiro ST1: 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901853). Matsushiro ST2: 2y 15.V.2009 SW
(Ar-200900297 Ar-200900298); 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900307); 1F 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900579); 3y 24.IX.2009 SW (Ar-200901029 Ar-200901042 Ar-200901049); 1y
28.X.2009 SW (Ar-200901335); 1y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901402). Mamiana: 3y
25.IX.2008 SW (Ar-200800007~Ar-200800009); 1F 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900060); 1F
15.V.2009 SW (Ar-200900203); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900423); 3y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900377 Ar-200900372 Ar-200900381); 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900727); 1y
23-24.VII.2009 VS (Ar-200900742); 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901618); 3y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900970 Ar-200900976 Ar-200900995); 15y 28.X.2009 SW (Ar-200901226
Ar-200901231 Ar-200901233~Ar-200901239 Ar-200901245 Ar-200901255 Ar-200901257
Ar-200901263 Ar-200901292 Ar-200901297); 1y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901308).
Nishihiratsuka: 3y 15.V.2009 SW (Ar-200900173 Ar-200900180 Ar-200900181); 1y
23.VII.2009 SW (Ar-200900676); 1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900689); 1M 28-29.X.2009
BT (Ar-200901224). Tooyama: 4y 15.V.2009 SW (Ar-200900142~Ar-200900145); 7y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901470 Ar-200901489~Ar-200901494); 1y 24-25.IX.2009 BT
(Ar-200900897).
Nemat ogmus sanguinolent us (Walckenaer 1837) チビアカサラグモ (図 8;茨城県新記録種)
Mamiana: 2F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800005 Ar-20080006); 3M 27-28.IV.2009 BT
(Ar-200900059 Ar-200900061 Ar-200900063); 2F 25.VI.2009 SW (Ar-200900382
Ar-200900392); 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900431); 1F 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900734); 1M1F 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901839 Ar-200901838); 1F 24-25.IX.2009
BT (Ar-200901003); 6y 28.X.2009 SW (Ar-200901229 Ar-200901243 Ar-200901244
Ar-200901258 Ar-200901299 Ar-200901301); 3y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901307
Ar-200901310 Ar-200901311).
Oia imadat ei (Oi 1964) イマダテテングヌカグモ
Nishihiratsuka: 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900688).
90
Saarist oa nipponica (H. Saito 1984) ヤマトマルサラグモ
Tooyama: 1F 28-29.X.2009 BT (Ar-200901188).
Ummeliat a f eminea (Bösenberg & Strand 1906) アトグロアカムネグモ
(トウキョウアカムネグモ)
Matsushiro ST1: 1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900780).
Theriidae ヒメグモ科
Chrysso sasakii Yoshida 2001 ヤホシヒメグモ
Matsushiro ST2: 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200901061 Ar-200901070); 1M8y 28.X.2009 SW
(Ar-200901334 Ar-200901320 Ar-200901328 Ar-200901330 Ar-200901336 Ar-200901339
Ar-200901351 Ar-200901397 Ar-200901398). Mamiana: 1F 25.VI.2009 SW (Ar-200900383);
4y 28.X.2009 SW (Ar-200901230 Ar-200901232 Ar-200901240 Ar-200901296).
Nishihiratsuka: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800002). Tooyama: 1y 28.X.2009 SW
(Ar-200901171).
Episinus nubilus Yaginuma 1960 ムラクモヒシガタグモ
Matsushiro ST1: 1F 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901851).
Keijia st erninot ata (Bösenberg & Strand 1906) ムナボシヒメグモ
Matsushiro ST1: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900551). Tooyama: 1F 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800003); 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900010); 1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900636).
Parast eatoda oculiprominens (S. Saito 1939) キヨヒメグモ (図 9;茨城県新記録種 )
Mamiana: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900416).
Phoroncidia pilula (Karsch 1879) ツクネグモ
Tooyama: 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900865); 1M 28.X.2009 SW (Ar-200901146).
St eat oda cingulat a (Thorell 1890) ハンゲツオスナキグモ
Matsushiro ST2: 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900860)
St emmpos nipponicus Yaginuma 1969 スネグロオチバヒメグモ
Mamiana: 2M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900231 Ar-200900232); 5M3y 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900722 Ar-200900723 Ar-200900725 Ar-200900726 Ar-200900728
Ar-200900730~Ar-200900732); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901248). Tooyama: 1y
24-25.IX.2009 BT (Ar-200900892); 3y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901186 Ar-200901187
Ar-200901191).
Theridiidae gen. spp. ヒメグモ科の不明種
Matsushiro ST1: 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901852). Matsushiro ST2: 4y 24.IX.2009 SW
(Ar-200901050 Ar-200901063 Ar-200901074 Ar-200901075); 2y 28.X.2009 SW
(Ar-200901399 Ar-200901400). Mamiana: 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200900967 Ar-200900997).
Nishihiratsuka: 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200900948 Ar-200900949). Tooyama: 1y 24.IX.2008
SW (Ar-200800004); 1F1y 15.V.2009 SW (Ar-200900148 Ar-200900149); 1y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900873).
Yaginumena castrat a (Bösenberg & Strand 1906) ボカシミジングモ
Tooyama: 3y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900637 Ar-200900650 Ar-200900651).
Nephilidae ジョロウグモ科
Nephila clavat a L. Koch 1878 ジョロウグモ
91
Matsushiro ST2: 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900573); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900829).
Mamiana: 1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900376). Nishihiratsuka: 1F 25.IX.2008 SW
(Ar-200800014). Tooyama: 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800013); 1y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900329).
Tetragnathidae アシナガグモ
Leucauge magnif ica Yaginuma 1954 オオシロカネグモ
Tooyama: 1F 24.IX.2008 SW (Ar-200800010).
Leucauge spp. シロカネグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900492). Mamiana: 1y 25.IX.2008 SW
(Ar-200800012); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900710); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900998); 2y
28.X.2009 SW (Ar-200901228 Ar-200901242). Nishihiratsuka: 1y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900042); 2y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901520 Ar-200901521). Tooyama: 2y
24.IX.2008 SW (Ar-200800053 Ar-200800054); 3y 27.IV.2009 SW (Ar-200900003
Ar-200900006 Ar-200900007); 1y 15.V.2009 VS (Ar-200900113); 1y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900334); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900364); 2y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901455
Ar-200901496); 3y 28.X.2009 SW (Ar-200901147 Ar-200901167 Ar-200901170).
Leucauge subblanda Bösenberg & Strand 1906 コシロカネグモ
Tooyama: 2F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900353 Ar-200900354).
Leucauge subgemmea Bösenberg & Strand 1906 キララシロカネグモ
Nishihiratsuka: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800011); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900479).
Tooyama: 1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900333); 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900355); 1F
26.VIII.2009 SW (Ar-200901440).
Pachygnatha quadrimaculat a (Bösenberg & Strand 1906) ヨツボシヒメアシナガグモ
(図 10;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST2: 1F 28.X.2009 SW (Ar-200901338).
Pachygnatha t enera Karsch 1879 ヒメアシナガグモ
Matsushiro ST1: 1M1F 15.V.2009 SW (Ar-200900238 Ar-200900239); 1F 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900556).
Tet ragnatha caudicula (Karsch 1879) トガリアシナガグモ
Matsushiro ST1: 11y 24.IX.2008 SW (Ar-200800021~Ar-200800031); 2M 15.V.2009 SW
(Ar-200900236 Ar-200900237); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900557); 1M3y 26.VIII.2009
SW (Ar-200901732 Ar-200901633~Ar-200901635); 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200901099
Ar-200901122). Matsushiro ST2: 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200901009); 1y 28.X.2009 SW
(Ar-200901348). Mamiana: 5y 25.IX.2008 SW (Ar-200800016~Ar-200800020); 2y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901621 Ar-200901622); 4y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900979~Ar-200900982); 7y 28.X.2009 SW (Ar-200901253 Ar-200901262
Ar-200901265~Ar-200901267 Ar-200901280 Ar-200901286). Nishihiratsuka: 1y 25.IX.2008
SW (Ar-200800015); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900928).
Tet ragnatha maxillosa Thorell 1895 ヤサガタアシナガグモ
Matsushiro ST1: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900553). Matsushiro ST2: 1M 15.V.2009 SW
(Ar-200900290). Tooyama: 1F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800032).
Tet ragnatha praedonia L. Koch 1878 アシナガグモ
Mamiana: 1M 26.VIII.2009 SW (Ar-200901614). Tooyama: 1y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800033); 1M 15.V.2009 SW (Ar-200900116).
Tet ragnatha spp. アシナガグモ属の不明種
92
Matsushiro ST1: 5y 24.IX.2008 SW (Ar-200800034~Ar-200800038); 1y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900080); 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900533); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900743); 6y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901629 Ar-200901630 Ar-200901699 Ar-200901700 Ar-200901731
Ar-200901827); 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200901111 Ar-200901129); 3y 24-25.IX.2009 BT
(Ar-200901139 Ar-200901142 Ar-200901145). Matsushiro ST2: 1y 24.VI.2009 SW
(Ar-200900572); 6y 23.VII.2009 SW (Ar-200900804 Ar-200900805 Ar-200900807
Ar-200900815 Ar-200900817 Ar-200900825); 2y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901758
Ar-200901759); 6y 24.IX.2009 SW (Ar-200901024 Ar-200901030 Ar-200901068
Ar-200901071 Ar-200901072 Ar-200901076). Mamiana: 1y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800043); 9y 25.IX.2008 SW (Ar-200800044~Ar-200800052); 2y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900384 Ar-200900395); 5y 23.VII.2009 SW (Ar-200900695~Ar-200900698
Ar-200900700); 5y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901600 Ar-200901610~Ar-200901613); 9y
24.IX.2009 SW (Ar-200900968 Ar-200900975 Ar-200900977 Ar-200900983
Ar-200900991~Ar-200900994 Ar-200900996); 20y 28.X.2009 SW (Ar-200901241
Ar-200901246 Ar-200901247 Ar-200901251 Ar-200901252 Ar-200901259 Ar-200901261
Ar-200901264 Ar-200901269 Ar-200901274 Ar-200901275 Ar-200901278 Ar-200901283
Ar-200901287~Ar-200901289 Ar-200901294 Ar-200901298 Ar-200901300 Ar-200901302).
Nishihiratsuka: 2y 25.IX.2008 SW (Ar-200800041 Ar-200800042); 2y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900026 Ar-200900027); 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900658 Ar-200900661); 8y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901507~Ar-200901510 Ar-200901537~Ar-200901540); 4y
24.IX.2009 SW (Ar-200900919 Ar-200900920 Ar-200900929 Ar-200900946). Tooyama: 2y
24.IX.2008 SW (Ar-200800039 Ar-200800040); 2y 27.IV.2009 SW (Ar-200900004
Ar-200900009); 2y 25.VI.2009 SW (Ar-200900332 Ar-200900344); 3y 23.VII.2009 SW
(Ar-200900597~Ar-200900599); 1y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900627); 4y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901418~Ar-200901421); 5y 24.IX.2009 SW (Ar-200900869 Ar-200900870
Ar-200900874 Ar-200900881 Ar-200900882); 11y 28.X.2009 SW (Ar-200901148
Ar-200901159 Ar-200901160 Ar-200901162 Ar-200901164~Ar-200901166 Ar-200901168
Ar-200901172 Ar-200901173 Ar-200901180); 1y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901184).
Tet ragnatha squamat a Karsch 1879 ウロコアシナガグモ
Matsushiro ST1: 1F 27.IV.2009 SW (Ar-200900067). Matsushiro ST2: 1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901761); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200901077); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901362).
Mamiana: 2y 28.X.2009 SW (Ar-200901249 Ar-200901291). Nishihiratsuka: 1y 24.IX.2009
SW (Ar-200900931). Tooyama: 1F 27.IV.2009 SW (Ar-200900001); 1F 23.VII.2009 SW
(Ar-200900595); 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901480); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901169).
Araneidae コガネグモ科.
Araneidae gen. spp. コガネグモ科の不明種
Matsushiro ST2: 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900844). Nishihiratsuka: 4y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900034 Ar-200900036 Ar-200900037 Ar-200900039); 1y 23.VII.2009 SW
(Ar-200900685). Tooyama: 2y 27.IV.2009 SW (Ar-200900015 Ar-200900016); 1y 25.VI.2009
SW (Ar-200900341).
Araneus ejusmodi (Bösenberg & Strand 1906) ヌサオニグモ
Nishihiratsuka: 1F 24.VI.2009 SW (Ar-200900438); 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900480);
6y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901514 Ar-200901526 Ar-200901527 Ar-200901576 ~
Ar-200901578); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900918); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901216).
Araneus pent agrammicus (Karsch 1879) アオオニグモ
Tooyama: 1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900339); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901155).
93
Araneus spp. オニグモ属の不明種
Matsushiro ST2: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900101); 2y 15.V.2009 SW (Ar-200900295
Ar-200900296); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901319). Mamiana: 1y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900055); 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900213). Nishihiratsuka: 1y 25. IX. 2008 SW
(Ar-200800055); 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900035); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900484).
Argiope bruennichi (Scopoli 1772) ナガコガネグモ
Matsushiro ST1: 2F 24.IX.2008 SW (Ar-200800058 Ar-200800059); 4y 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900564~Ar-200900567); 1M 26.VIII.2009 SW (Ar-200901736). Matsushiro ST2: 3y
23.VII.2009 SW (Ar-200900809 Ar-200900834 Ar-200900835); 2y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901785 Ar-200901821). Mamiana: 1F 25.IX.2008 SW (Ar-200800057); 1y 25.VI.2009
SW (Ar-200900394); 2y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900426 Ar-200900427); 1y 23.VII.2009
SW (Ar-200900699). Nishihiratsuka: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800056); 2y 24.VI.2009 SW
(Ar-200900448 Ar-200900449); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900486); 2y 23.VII.2009 SW
(Ar-200900654 Ar-200900660); 3M4y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901525 Ar-200901573
Ar-200901574 Ar-200901569~Ar-200901572); 1F1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900942
Ar-200900943); 1F 28.X.2009 SW (Ar-200901218).
Argiope minut a Karsch 1879 コガタコガネグモ
Tooyama: 1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900335); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900369); 1y
23-24.VII.2009 VS (Ar-200900631).
Argiope spp. コガネグモ属の不明種
Matsushiro ST2: 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900308); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901345).
Mamiana: 2y 15.V.2009 SW (Ar-200900206 Ar-200900207); 1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901616). Nishihiratsuka: 1y 25.IX.2008 SW (Ar-200800061); 2y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900028 Ar-200900029); 4y 15.V.2009 SW (Ar-200900174
Ar-200900190~Ar-200900192); 4y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901513
Ar-200901547~Ar-200901549). Tooyama: 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800060); 1y 15.V.2009
SW (Ar-200900153); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901151).
Chorizopes nipponicus Yaginuma 1963 ヤマトカナエグモ
Tooyama: 2F 25.VI.2009 SW (Ar-200900321 Ar-200900322); 1F 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900363); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900866).
Cyclosa at rata Bösenberg & Strand 1906 カラスゴミグモ
Nishihiratsuka: 1M 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900474); 1F 26.VIII.2009 SW (Ar-200901546).
Cyclosa sedeculat a Karsch 1879 ヨツデゴミグモ
Tooyama: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800062); 5y 24.IX.2008 SW
(Ar-200800063~Ar-200800067); 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900011); 1y 23-24.VII.2009 VS
(Ar-200900644); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900868); 3y 28.X.2009 SW (Ar-200901174
Ar-200901178 Ar-200901179).
Cyclosa spp. ゴミグモ属の不明種
Mamiana: 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901254). Tooyama: 1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900340).
Cyrtarachne nagasakiensis Strand 1918 シロオビトリノフンダマシ
Mamiana: 2F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800068 Ar-200800069); 1F 25.IX.2008 SW
(Ar-200800070); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900428); 1F1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901619 Ar-200901620). Nishihiratsuka: 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900446); 1F
24-25.VI.2009 VS (Ar-200900475); 1F 23.VII.2009 SW (Ar-200900653).
Cyrtarachne spp. トリノフンダマシ属の不明種
Mamiana: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900053); 3y 24.IX.2009 SW (Ar-200900969
Ar-200900973 Ar-200900978). Tooyama: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900013).
94
Gibbaranea abscissa (Karsch 1879) キザハシオニグモ
Nishihiratsuka: 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900939); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901203).
Larinia argiopif ormis Bösenberg & Strand 1906 コガネグモダマシ
Matsushiro ST2: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901816). Nishihiratsuka: 1y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800071); 1y 25.IX.2008 SW (Ar-200800072).
Larinioides cornutus (Clerck 1758) ナカムラオニグモ
Tooyama: 1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900628).
Neoscona adiant a (Walckenaer 1802) ドヨウオニグモ
Matsushiro ST1: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800074); 4y 27.IV.2009 SW (Ar-200900078
Ar-200900082 Ar-200900084 Ar-200900085); 2y 15.V.2009 SW (Ar-200900268
Ar-200900269); 3y 23.VII.2009 SW (Ar-200900748 Ar-200900772 Ar-200900773); 1M1y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901660 Ar-200901661). Matsushiro ST2: 1y 15.V.2009 SW
(Ar-200900294); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900830). Mamiana: 1y 23.VII.2009 SW
(Ar-200900709); Nishihiratsuka: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800073); 2y 24.VI.2009 SW
(Ar-200900450 Ar-200900458); 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900483).
Neoscona mellott eei (Simon 1895) ワキグロサツマノミダマシ
Matsushiro ST1: 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900568); 1M 26.VIII.2009 SW (Ar-200901698).
Mamiana: 2y 25.VI.2009 SW (Ar-200900375 Ar-200900387). Nishihiratsuka: 1y 24.VI.2009
SW (Ar-200900452); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900481); 1M 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901599). Tooyama: 2y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800075 Ar-200800076); 5y
25.VI.2009 SW (Ar-200900323~Ar-200900327); 3y 23.VII.2009 SW
(Ar-200900592~Ar-200900594); 1M1F 26.VIII.2009 SW (Ar-200901476 Ar-200901475).
Neoscona punct igera (Doleschall 1857) コゲチャオニグモ
Nishihiratsuka: 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900482). Tooyama: 1y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900328); 3y 23.VII.2009 SW (Ar-200900589 Ar-200900590 Ar-200900591).
Neoscona scylloides (Bösenberg & Strand 1906) サツマノミダマシ
Tooyama: 1M1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900623 Ar-200900622).
Neoscona spp. ヒメオニグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900070); 3y 15.V.2009 SW
(Ar-200900273~Ar-200900275). Mamiana: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900054); 2y 15.V.2009
SW (Ar-200900210 Ar-200900211). Nishihiratsuka: 3y 27.IV.2009 SW (Ar-200900033
Ar-200900038 Ar-200900040); 4y 15.V.2009 SW (Ar-200900183 Ar-200900184
Ar-200900187 Ar-200900188). Tooyama: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900008); 1y 15.V.2009
SW (Ar-200900133).
Chiracathiidae コマチグモ科
Chiracant hium japonicum Bösenberg & Strand 1906 カバキコマチグモ
Mamiana: 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900413). Nishihiratsuka: 1M 24.VI.2009 SW
(Ar-200900432); 1M1F1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900488~Ar-200900490).
Chiracant hium lascivum Karsch 1879 ヤマトコマチグモ (図 11;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST1: 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900792); 1F 23-24.VII.2009 VS
(Ar-200900801).
Chiracant hium spp. コマチグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 2y 15.V.2009 SW (Ar-200900266 Ar-200900267); 9y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901653~Ar0200901658 Ar-200901733~Ar-200901735); 1y 24.IX.2009 SW
95
(Ar-200901094). Matsushiro ST2: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900098); 2y 24.IX.2009 SW
(Ar-200901022 Ar-200901052). Nishihiratsuka: 3y 27.IV.2009 SW (Ar-200900025
Ar-200900030 Ar-200900031); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900673); 1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901550). Tooyama: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901456).
Ctenidae シボグモ科
Anahita f auna Karsch 1879 シボグモ
Matsushiro ST1: 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900289). Matsushiro ST2: 1y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900103); 1y 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900578). Mamiana: 1F 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900412). Nishihiratsuka: 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900686). Tooyama: 1M
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900347).
Philodromidae エビグモ科
Philodromus spp. エビグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900079); 3y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901631
Ar-200901632 Ar-200901829); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200901093). Matsushiro ST2: 25y
24.IX2009. SW (Ar-200901006 Ar-200901007 Ar-200901013~Ar-200901015
Ar-200901031~Ar-200901035 Ar-200901037~Ar-200901040 Ar-200901043~Ar-200901045
Ar-200901047 Ar-200901060 Ar-200901062 Ar-200901064~Ar-200901066 Ar-200901069
Ar-200901073); 27y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901762~Ar-200901774
Ar-200901802~Ar-200901815); 20y 28.X.2009 SW (Ar-200901317 Ar-200901318
Ar-200901321 Ar-200901323 Ar-200901324 Ar-200901331 Ar-200901333 Ar-200901340
Ar-200901350 Ar-200901352 Ar-200901354 Ar-200901356 Ar-200901357 Ar-200901361
Ar-200901366 Ar-200901368 Ar-200901371 Ar-200901376 Ar-200901377 Ar-200901381).
Mamiana: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800141); 2y 25.IX.2008 SW (Ar-200800142
Ar-200800143); 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900048); 1y 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900065); 1y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901615); 5y 24.IX.2009 SW (Ar-200900966 Ar-200900971
Ar-200900974 Ar-200900984 Ar-200900990); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901290).
Nishihiratsuka: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900041); 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900454); 2y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901512 Ar-200901545); 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200900923
Ar-200900924). Tooyama: 9y 24.IX.2008 SW (Ar-200800132~Ar-200800140); 1y 27. IV.
2009 SW (Ar-200900014); 4y 15.V.2009 SW (Ar-200900124~Ar-200900127); 16y
26.VIII2009 SW (Ar-200901431~Ar-200901439 Ar-200901481~Ar-200901487); 4y
24.IX.2009 SW (Ar-200900883 Ar-200900884~Ar-200900886); 3y 28.X.2009 SW
(Ar-200901158 Ar-200901176 Ar-200901183).
Philodromus subaureolus Bösenberg & Strand 1906 アサヒエビグモ
Matsushiro ST2: 1F 23.VII.2009 SW (Ar-200900832). Tooyama: 1F 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900366); 1F 23.VII.2009 SW (Ar-200900608); 1F 26.VIII.2009 SW (Ar-200901478).
Thanatus nimiaceus Simon 1880 ヤドカリグモ
Matsushiro ST1: 1F 23.VII.2009 SW (Ar-200900767).
Thanatus nipponicus Yaginuma 1969 ヤマトヤドカリグモ (図 12;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST2: 1F 24.IX.2009 SW (Ar-200901019). Mamiana: 1M 28.X.2009 SW
(Ar-200901284). Nishihiratsuka: 1y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900692); 1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901598); 3y 24.IX.2009 SW (Ar-200900915 Ar-200900916 Ar-200900950); 1M1F
28.X.2009 SW (Ar-200901219 Ar-200901201).
Tibe llus japonicus Efimik 1999 シャコグモ
96
Tooyama: 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800146); 2y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800144
Ar-200800145); 1M 25.VI.2009 SW (Ar-200900318); 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900606
Ar-200900607); 3y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901453 Ar-200901454 Ar-200901495); 4y
28.X.2009 SW (Ar-200901149 Ar-200901150 Ar-200901152 Ar-200901153).
Gnaphosidae ワシグモ科
Cladot hela oculinotat a (Bösenberg & Strand 1906) チャクロワシグモ
Tooyama: 1M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900163).
Cladot hela parva Kamura 1991 ヒメチャワシグモ(図 13;茨城県新記録種)
Tooyama: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900348).
Drassodes serrat idens Schenkel 1963 トラフワシグモ
Mamiana: 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901276). Nishihiratsuka: 1M 15-18.V.2009 BT
(Ar-200900195); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900940).
Drassyllus sanmenensis Platnick & Song 1986 エビチャヨリメケムリグモ (図 14;茨城県新
記録種 )
Matsushiro ST1: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900539).
Gnaphosa kompirensis Bösenberg & Strand 1906 メキリグモ
Matsushiro ST2: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900583); 1F 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900856). Mamiana: 2F 15-18.V.2009 BT (Ar-200900218 Ar-200900219); 1M
24-25.VI.2009 BT (Ar-200900398). Nishihiratsuka: 1F 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900462);
1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900687).
Gnaphosidae gen. spp. ワシグモ科の不明種
Matsushiro ST1: 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900790). Nishihiratsuka: 1F 15-18.V.2009 BT
(Ar-200900198); 2y 24-25.IX.2009 BT (Ar-200900952 Ar-200900953). Mamiana: 1F1y
15-18.V.2009 BT (Ar-200900225 Ar-200900221); 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901841).
Kishidaia albimaculat a (S. Saito 1934) ヨツボシワシグモ
Matsushiro ST1: 1M 24.VI.2009 SW (Ar-200900531).
Micaria japonica Hayashi 1985 ヤマトツヤグモ (図 15; 茨城県新記録種 )
Nishihiratsuka: 1F 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900472).
Zelot es asiat icus (Bösenberg & Strand 1906) クロチャケムリグモ
Nishihiratsuka: 1F 15-18.V.2009 BT (Ar-200900194); 1M 24-25.IX.2009 BT (Ar-200900956).
Zelot es exiguus (Müller & Schenkel 1895) チビケムリグモ(図 16;茨城県新記録種 )
Nishihiratsuka: 1M 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900045).
Zelot es t ortuosus Kamura 1987 クロケムリグモ (図 17;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST1: 1M 24-25.IX.2009 BT (Ar-200901137). Matsushiro ST2: 1M 24-25.IX.2009
BT (Ar-200901078).
Thomisidae カニグモ科
Diaea subdol O. Pickard-Cambridge 1885 コハナグモ
Matsushiro ST1: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900073). Mamiana: 1y 25.IX.2008 SW
(Ar-200800150). Tooyama: 3y 24.IX.2008 SW (Ar-200800147~Ar-200800149); 3y 15.V.2009
SW (Ar-200900129 Ar-20090131 Ar-200900132); 1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900633); 13y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901441~Ar-200901452 Ar-200901488); 1y 24.IX.2009 SW
97
(Ar-200900875).
Ebrecht ella t ricuspidat a (Fabricius 1775) ハナグモ
Matsushiro ST1: 9y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800172~Ar-200800180); 6y 24.IX.2008 SW
(Ar-200800181~Ar-200800186); 2M1F7y 27.IV.2009 SW (Ar-200900068 Ar-200900071
Ar-200900069 Ar-200900072 Ar-200900074~Ar-200900077 Ar-200900081 Ar-200900083);
6M2F11y 15.V.2009 SW (Ar-200900253~Ar-200900258 Ar-200900240~Ar-200900252);
1M1F34y 24.VI.2009 SW (Ar-200900532 Ar-200900526 Ar-200900495~Ar-200900506
Ar-200900508~Ar-200900525 Ar-200900527~Ar-200900530); 2M1F4y 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900548 Ar-200900558 Ar-200900562 Ar-200900563 Ar-200900569~Ar-200900571);
4y 24-25.VI.2009 BT (Ar-200901140 Ar-200901141 Ar-200901143 Ar-200901144);
4M1F21y 23.VII.2009 SW (Ar-200900758 Ar-200900761 Ar-200900766 Ar-200900774
Ar-200900775 Ar-200900744~Ar-200900746 Ar-200900750 Ar-200900751
Ar-200900753~Ar-200900757 Ar-200900759 Ar-200900760 Ar-200900762~Ar-200900765
Ar-200900768~Ar-200900771 Ar-200900776); 45y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901671~Ar-200901695 Ar-200901738~Ar-200901754
Ar-200901830~Ar-200901832); 5M2F7y 24.IX.2009 SW (Ar-200901080 Ar-200901084
Ar-200901103 Ar-200901112 Ar-200901117 Ar-200901116 Ar-200901119 Ar-200901121
Ar-200901092 Ar-200901096~Ar-200901098 Ar-200901110 Ar-200901118). Matsushiro
ST2: 14y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901789~Ar-200901801 Ar-200901823); 1M3y 27.IV.2009
SW (Ar-200900097 Ar-200900099 Ar-200900100 Ar-200900102); 2y 15.V.2009 SW
(Ar-200900291 Ar-200900292); 2M14y 23.VII.2009 SW (Ar-200900812 Ar-200900822
Ar-200900808 Ar-200900816 Ar-200900818~Ar-200900821 Ar-200900823
Ar-200900826~Ar-200900828 Ar-200900838 Ar-200900840~Ar-200900842); 2M1F5y
24.IX.2009 SW (Ar-200901008 Ar-200901020 Ar-200901012 Ar-200901010 Ar-200901011
Ar-200901017 Ar-200901041 Ar-200901051); 2y 24.VI.2009 SW (Ar-200900575
Ar-200900577); 2M1F12y 28.X.2009 SW (Ar-200901327 Ar-200901343 Ar-200901344
Ar-200901341 Ar-200901347 Ar-200901349 Ar-200901353 Ar-200901358 Ar-200901360
Ar-200901364 Ar-200901369 Ar-200901370 Ar-200901372 Ar-200901373 Ar-200901380).
Mamiana: 11y 25.IX.2008 SW (Ar-200800161~Ar-200800171); 4y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800157~Ar-200800160); 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900205); 5y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900379 Ar-200900385 Ar-200900386 Ar-200900391 Ar-200900396); 4y 23.VII.2009
SW (Ar-200900701 Ar-200900704~Ar-200900706); 1M8y 24.IX.2009 SW (Ar-200900962
Ar-200900957~Ar-200900961 Ar-200900965 Ar-200900986 Ar-200900989); 2y 26.VIII.2009
SW (Ar-200901625 Ar-200901626); 1F2y 28.X.2009 SW (Ar-200901271 Ar-200901250
Ar-200901295). Nishihiratsuka: 2y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800152 Ar-200800153); 3y
24.VI.2009 SW (Ar-200900451 Ar-200900455 Ar-200900456); 1F2y 25.IX.2008 SW
(Ar-200800154~Ar-200800156); 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900674 Ar-200900683); 1y
24.IX.2009 SW (Ar-200900917). Tooyama: 1M 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800151); 1F
15.V.2009 VS (Ar-200900110); 1F1y 15.V.2009 SW (Ar-200900128 Ar-200900130); 1F1y
25.VI.2009 SW (Ar-200900337 Ar-200900338); 1M 23.VII.2009 SW (Ar-200900596); 4y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901459~Ar-200901462); 1F 24.IX.2009 SW (Ar-200900876); 1M
28.X.2009 SW (Ar-200901154).
Oxypt ila mat sumot oi Ono 1988 マツモトオチバカニグモ
Matsushiro ST1: 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900791). Matsushiro ST2: 1M 24-25.VI.2009
BT (Ar-200900581). Mamiana: 1M 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900401). Tooyama: 1M
25.VI.2009 SW (Ar-200900342).
Oxypt ila nipponica Ono 1985 ニッポンオチバカニグモ
Tooyama: 1M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900165).
Oxypt ila spp. オチバカニグモの不明種
98
Tooyama: 2y 24.IX.2008 SW (Ar-200800190 Ar-200800191); 1y 15.V.2009 SW
(Ar-200900120); 1y 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900349); 5y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900639
Ar-200900643 Ar-200900645 Ar-200900647 Ar-200900648).
Oxyt at e st riat ipes L. Koch 1878 ワカバグモ
Nishihiratsuka: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901536). Tooyama: 1y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800187); 2y 24.IX.2008 SW (Ar-200800188 Ar-200800189); 4y 23.VII.2009 SW
(Ar-200900600~Ar-200900602 Ar-200900605); 5y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901472~Ar-200901474 Ar-200901505 Ar-200901506); 3y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900862 Ar-200900863 Ar-200900878).
Thomisus labefactus Karsch 1881 アズチグモ
Matsushiro ST1: 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900507); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900749).
Matsushiro ST2: 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900293); 18y 28.X.2009 SW (Ar-200901315
Ar-200901332 Ar-200901337 Ar-200901382~Ar-200901396). Tooyama: 1y 28.X.2009 SW
(Ar-200901181).
Tmarus sp. トラフカニグモ属 の 1 種
Mamiana: 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900713). Tooyama: 1y 28.X.2009 SW (Ar-2009001163).
Xyst icus croceus Fox 1937 ヤミイロカニグモ
Tooyama: 1M1F 15.V.2009 VS (Ar-200900111 Ar-200900112); 2M3F 15.V.2009 SW
(Ar-200900117 Ar-200900118 Ar-200900121~Ar-200900123); 1F 23-24.VII.2009 VS
(Ar-200900625).
Xyst icus ephippiat us Simon 1880 カラカニグモ
Matsushiro ST2: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800192); 1M 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900584); 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900858). Mamiana: 1M 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900405); 2M 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900429 Ar-200900430); 1F 25.VI.2009 SW
(Ar-200900390); 1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900740). Nishihiratsuka: 1F 26-27.VIII.2009
BT (Ar-200901836).
Xyst icus kurilensis Strand 1907 チシマカニグモ
Mamiana: 1M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900717).
Xyst icus saganus Bösenberg & Strand 1906 オオヤミイロカニグモ
Matsushiro ST1: 3M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900785 Ar-200900786 Ar-200900794).
Matsushiro ST2: 1M 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800193); 3M1F 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900853 Ar-200900854 Ar-200900859 Ar-200900855). Mamiana: 1M 23.VII.2009 BT
(Ar-200900716); 4M1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900736~Ar-200900739 Ar-200900718).
Xyst icus spp. カニグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900789). Matsushiro ST2: 1y 24-25.VI.2009
VS (Ar-200900585); 6y 23.VII.2009 SW (Ar-200900802 Ar-200900803 Ar-200900814
Ar-200900831 Ar-200900836 Ar-200900837); 3y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901775~Ar-200901777); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901312). Mamiana: 3y 25.IX.2008
SW (Ar-200800194~Ar-200800196); 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900047); 1y 27-28.IV.2009
BT (Ar-200900056); 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900233); 1y 24-25.VI.2009 VS
(Ar-200900420); 2y 28.X.2009 SW (Ar-200901273 Ar-200901285); 1y 28-29.X.2009 BT
(Ar-200901305). Nishihiratsuka: 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900945). Tooyama: 1y 15.V.2009
SW (Ar-200900119); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900612); 2y 23-24.VII.2009 VS
(Ar-200900646 Ar-200900649).
Clubionidae フクログモ科
99
Clubiona kurilensis Bösenberg & Strand 1906 ヒメフクログモ
Matsushiro ST1: 1F 26.VIII.2009 SW (Ar-200901755).
Clubiona lena Bösenberg & Strand 1906 トビイロフクログモ
Nishihiratsuka: 1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900694).
Clubiona spp. フクログモ属の不明種
Matsushiro ST2: 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900096); 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900806
Ar-200900810); 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901824). Mamiana: 1y 15.V.2009 SW
(Ar-200900204); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900708); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901282).
Nishihiratsuka: 4y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901529 Ar-200901580~Ar-200901582); 1y
24.IX.2009 SW (Ar-200900951). Tooyama: 2y 24.IX.2008 SW (Ar-200800130
Ar-200800131); 1y 27. IV. 2009 SW (Ar-200900012); 1F1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900336
Ar-200900343); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900610); 1y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900626);
7y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901463~Ar-200901469); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900871); 2y
28.X.2009 SW (Ar-200901175 Ar-200901182).
Liocranidae ウエムラグモ科
It atsina prat icola (Bösenberg & Strand 1906) イタチグモ
Matsushiro ST1: 1y 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900545). Tooyama: 1F 27-28.IV.2009 BT
(Ar-200900019); 2y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900155 Ar-200900156); 1y 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900352); 4M 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900613 Ar-200900615 Ar-200900617
Ar-200900618); 1y 28-29.X.2009 BT (Ar-200901185).
Corinnidae ネコグモ科
Ort hobula crucif era Bösenberg & Strand 1906 オトヒメグモ
Matsushiro ST1: 1F 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900542). Mamiana: 3F 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900724 Ar-200900729 Ar-200900733).
Phrurolithus nipponicus Kishida 1914 ウラシマグモ
Nishihiratsuka: 1F 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900467). Tooyama: 3M 15-18.V.2009 BT
(Ar-200900160~Ar-200900162).
Phrurolithus pennat us Yaginuma 1967 ヤバネウラシマグモ(図 18;茨城県新記録種 )
Nishihiratsuka: 1M 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900485).
Phrurolithus sp. ウラシマグモ属 の 1 種
Matsushiro ST1: 1y 24-25.VI.2009 BT (Ar-200900541).
Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906 ネコグモ
Tooyama: 2F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900640 Ar-200900642); 1y 28.X.2009 SW
(Ar-200901156).
Salticidae ハエトリグモ科
Asianellus f est ivus (L. Koch 1834) ヤマジハエトリ
Matsushiro ST1: 1y 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900795). Mamiana: 1M 27-28.IV.2009 BT
(Ar-200900058); 1M1F 15-18.V.2009 BT (Ar-200900228 Ar-200900227). Nishihiratsuka:
1M1F 15-18. V. 2009 BT (Ar-200900200 Ar-200900199).
Carrhotus xant hogramma (Latreille 1819) ネコハエトリ
100
Matsushiro ST1: 1F 15.V.2009 SW (Ar-200900235); 9y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901662~Ar-200901670). Matsushiro ST2: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901786); 1y
28.X.2009 SW (Ar-200901326). Mamiana: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800200); 1y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901604). Nishihiratsuka: 2y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800197
Ar-200800198); 1y 25.IX.2008 SW (Ar-200800199); 4y 24.VI.2009 SW
(Ar-200900441~Ar-200900444); 1F1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900477 Ar-200900476); 1y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901528). Tooyama: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901457); 1y
24.IX.2009 SW (Ar-200900861).
Euophrys kat aokai Ikeda 1996 カタオカハエトリ(図 19;茨城県新記録種)
Mamiana: 1M 15-18.V.2009 BT (Ar-200900229).
Evarcha albaria (L. Koch 1878) マミジロハエトリ
Matsushiro ST1: 1M1F1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900561 Ar-200900559 Ar-200900560).
Matsushiro ST2: 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900574); 2M 23.VII.2009 SW (Ar-200900833
Ar-200900843); 1F2y 24.IX.2009 SW (Ar-200901018 Ar-200901016 Ar-200901048).
Mamiana: 1M1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800208 Ar-200800209); 1M 25.IX.2008 SW
(Ar-200800210); 1M 15.V.2009 SW (Ar-200900201); 1M1F 15.V.2009 VS (Ar-200900310
Ar-200900309); 3M2F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900410 Ar-200900424 Ar-200900425
Ar-200900415 Ar-200900422); 1F1y 25.VI.2009 SW (Ar-200900380 Ar-200900378); 3M2F1y
28.X.2009 SW (Ar-200901268 Ar-200901277 Ar-200901279 Ar-200901256 Ar-200901270
Ar-200901260). Nishihiratsuka: 1F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800206); 1F 25.IX.2008 SW
(Ar-200800207); 1F 15.V.2009 SW (Ar-200900171); 1F 23.VII.2009 SW (Ar-200900655).
Tooyama: 4y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800201~Ar-200800204); 1M2y 24.IX.2008 SW
(Ar-200800205 Ar-200800211 Ar-200800212); 1F 27.IV.2009 SW (Ar-200900017); 2M1F
15.V.2009 VS (Ar-200900108 Ar-200900109 Ar-200900107); 1M1y 25.VI.2009 SW
(Ar-200900316 Ar-200900317); 2M1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900357 Ar-200900367
Ar-200900361); 1M1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900624 Ar-200900632); 1y 26.VIII.2009
SW (Ar-200901471); 1F 28.X.2009 SW (Ar-200901157).
Helicius yaginumai Bohdanowicz & Prószyński 1987 ジャバラハエトリ
Tooyama: 1M 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900638).
Marpissa pulla (Karsch 1879) ヨダンハエトリ
Tooyama: 1F 25.VI.2009 SW (Ar-200900314); 1F 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900634).
Mendoza canest rinii (Ninni 1868) オスクロハエトリ
Tooyama: 1M 24.IX.2008 SW (Ar-200800213).
Mendoza elongat a (Karsch 1879) ヤハズハエトリ
Matsushiro ST1: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901697). Mamiana: 1M 23-24.VII.2009 VS
(Ar-200900741); 7y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901605~Ar-200901609 Ar-200901627
Ar-200901628). Nishihiratsuka: 1F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800214); 2F 24.VI.2009 SW
(Ar-200900433 Ar-200900435); 1M1F4y 23.VII.2009 SW (Ar-200900657 Ar-200900659
Ar-200900662 Ar-200900667 Ar-200900670 Ar-200900675); 1F 23-24.VII.2009 VS
(Ar-200900693); 1M1F19y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901583 Ar-200901584
Ar-200901530~Ar-200901535 Ar-200901585~Ar-200901597); 5y 24.IX.2009 SW
(Ar-200900925~Ar-200900927 Ar-200900941 Ar-200900944); 3M3F3y 28.X.2009 SW
(Ar-200901217 Ar-200901220 Ar-200901221 Ar-200901197 Ar-200901198 Ar-200901202
Ar-200901195 Ar-200901209 Ar-200901210).
Mendoza spp. オスクロハエトリグモ属の不明種
Matsushiro ST2: 1y 24-25.VI.2009 SW (Ar-200900588); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200901067).
Nishihiratsuka: 1y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800215); 1y 25.IX.2008 SW (Ar-200800216); 2y 101
15.V.2009 SW (Ar-200900169 Ar-200900170); 2y 24.VI.2009 SW (Ar-200900434
Ar-200900447); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900487); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900656).
Myrmarachne inermichelis Bösenberg & Strand 1906 ヤサアリグモ
Tooyama: 1F 25.VI.2009 SW (Ar-200900315).
Myrmarachne japonica (Karsch 1879) アリグモ
Matsushiro ST1: 1F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800218). Mamiana: 1F 25.VI.2009 SW
(Ar-200900389). Nishihiratsuka: 1F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800217).
Myrmarachne spp. アリグモ属の不明種
Matsushiro ST1: 3y 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800228~Ar-200800230); 1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901828). Matsushiro ST2: 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901760). Mamiana: 1y
23.VII.2009 SW (Ar-200900702); 1F 24.IX.2009 SW (Ar-200900985). Nishihiratsuka: 1y
27.IV.2009 SW (Ar-200900032); 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900665 Ar-200900678); 1y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901541); 1F1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901856 Ar-200901855);
1y 24.IX.2009 SW (Ar-200900932). Tooyama: 9y 24.IX.2008 SW
(Ar-200800219~Ar-200800227); 1y 27.IV.2009 SW (Ar-200900005); 2y 15.V.2009 SW
(Ar-200900114 Ar-200900115); 9y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901422~Ar-200901430); 1y
24.IX.2009 SW (Ar-200900872).
Phint ella linea (Karsch 1879) メガネアサヒハエトリ
Matsushiro ST1: 2F 4-8.VIII.2008 SW (Ar-200800233 Ar-200800234); 1F 24.VI.2009 SW
(Ar-200900493); 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900550); 1F1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901756 Ar-200901696). Nishihiratsuka: 2y 25.IX.2008 SW (Ar-200800237
Ar-200800238); 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900172); 2y 24.VI.2009 SW (Ar-200900440
Ar-200900445). Tooyama: 2F1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800231 Ar-200800232
Ar-200800235); 1M 25.VI.2009 SW (Ar-200900320).
Phint ella spp. ヤマトハエトリグモ属の不明種
Matsushiro ST2: 1F 24.VI.2009 SW (Ar-200900576); 1y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901757).
Nishihiratsuka: 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900671 Ar-200900672); 3y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901522~Ar-200901524). Tooyama: 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800236); 13y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901405~Ar-200901417).
Plexippoides doenit zi (Karsch 1879) デーニッツハエトリ
Tooyama: 1F 24.IX.2008 SW (Ar-200800239); 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900603
Ar-200900604); 1y 23-24.VII.2009 VS (Ar-200900652); 1F 24.IX.2009 SW (Ar-200900879).
Rhene spp. カラスハエトリグモ属の不明種
Tooyama: 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800240); 1y 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900362); 1y
28.X.2009 SW (Ar-200901161).
Salticidae gen. spp. ハエトリグモ科の不明種
Matsushiro ST1: 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900747 Ar-200900752); 1y 26.VIII.2009 SW
(Ar-200901659). Matsushiro ST2: 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900845); 1y 23-24.VII.2009 BT
(Ar-200900847); 3y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901787 Ar-2009001788 Ar-200901822); 2y
26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901843 Ar-200901844); 1y 24.IX.2009 SW (Ar-200901036).
Mamiana: 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900707); 2y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901602
Ar-200901603); 1y 28.X.2009 SW (Ar-200901281). Nishihiratsuka: 4y 4-8.VIII.2008 SW
(Ar-200800243~Ar-200800246); 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900439); 2y 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900461 Ar-200900466); 8y 23.VII.2009 SW (Ar-200900664 Ar-200900666
Ar-200900668 Ar-200900669 Ar-200900677 Ar-200900679 Ar-200900680 Ar-200900682);
2y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901568 Ar-2009001579); 2y 24.IX.2009 SW (Ar-200900930
Ar-200900947); 2y 28.X.2009 SW (Ar-200901205 Ar-200901208). Tooyama: 1y 4-8.VIII.2008
102
SW (Ar-200800241); 1y 24.IX.2008 SW (Ar-200800242); 1y 23.VII.2009 SW (Ar-200900609);
1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900620); 9y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901458
Ar-200901497~Ar-200901504); 4y 24.IX.2009 SW (Ar-200900887~Ar-200900890).
Sibianor pullus (Bösenberg & Strand 1906) キレワハエトリ
Nishihiratsuka: 1y 27-28.IV.2009 BT (Ar-200900044). Tooyama: 1M 24-25.VI.2009 BT
(Ar-200900351).
Siler vitt at us (Karsch 1879) アオオビハエトリ
Mamiana: 1M 15.V.2009 SW (Ar-200900202); 1M 25.VI.2009 SW (Ar-200900388); 1F
23.VII.2009 SW (Ar-200900703). Nishihiratsuka: 2M 24.VI.2009 SW (Ar-200900436
Ar-200900437); 1F 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900478). Tooyama: 1F 25.VI.2009 SW
(Ar-200900311); 1M 24-25.VI.2009 VS (Ar-200900358); 2F 25.VI.2009 SW (Ar-200900312
Ar-200900313); 3y 26.VIII.2009 SW (Ar-200901403 Ar-200901404 Ar-200901477).
Talavera ikedai (Logunov & Kronestedt 2003) ヒメスジハエトリ (図 20;茨城県新記録種 )
Matsushiro ST2: 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900848).
Araneae Fam. gen. spp. 不明種
Matsushiro ST1: 2y 27.IV.2009 SW (Ar-200900066 Ar-200900086); 4y 15.V.2009 SW
(Ar-200900270~Ar-200900272 Ar-200900299); 1y 24.VI.2009 SW (Ar-200900494); 2y
26.VIII.2009 SW (Ar-200901825 Ar-200901826); 1y 26-27.VIII.2009 BT (Ar-200901846).
Matsushiro ST2: 2y 23.VII.2009 SW (Ar-200900813 Ar-200900824); 1y 28.X.2009 SW
(Ar-200901363). Mamiana: 1y 25. IX. 2008 SW (Ar-200800247); 1y 27.IV.2009 SW
(Ar-200900050); 1y 15.V.2009 SW (Ar-200900212); 1y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900234); 2y
25.VI.2009 SW (Ar-200900373 Ar-200900397); 4y 23.VII.2009 SW (Ar-200900711
Ar-200900712 Ar-200900714 Ar-200900715). Nishihiratsuka: 4y 15.V.2009 SW
(Ar-200900185 Ar-200900186 Ar-200900189 Ar-200900193); 4y 24.VI.2009 SW
(Ar-200900453 Ar-200900457 Ar-200900459 Ar-200900460); 1y 28-29.X.2009 BT
(Ar-200901223). Tooyama: 6y 15.V.2009 SW (Ar-200900146 Ar-200900147
Ar-200900150~Ar-200900152 Ar-200900154); 2y 15-18.V.2009 BT (Ar-200900159
Ar-200900168); 1F 23-24.VII.2009 BT (Ar-200900621).
特筆すべき
特筆すべき種
すべき種
新海ら( 2008)を参照すると 茨城県内新記録種は以下の 19 種類である.
ムサシヤチグモ(図 2),フジイコモリグモ(図 3),イモコモリグモ(図 4),ヤスダコモ
リグモ( 図 5),ノコギリヒザグモ(図 6),マルムネヒザグモ(図 7),チビアカサラグモ(図
8),キヨヒメグモ(図 9),ヨツボシヒメアシナガグモ(図 10),ヤマトコマチグモ(図 11),
ヤマトヤドカリグモ(図 12),ヒメチャワシグモ(図 13),エビチャヨリメケムリグモ( 図 14),
ヤマトツヤグモ(図 15),チビケムリグモ( 図 16),クロケムリグモ(図 17),ヤバネウラ
シマグモ(図 18),カタオカハエトリ( 図 19),ヒメスジハエトリ(図 20).
このうち とくに注目すべき種として,ヤスダコモリグモが挙げられる.これまで本種は北海
道と本州の東海地方(三重,静岡)に分布することが知られていたが(新海ら 2008),今回関
東地方で初めてその存在が確認された . 本種の成体 は 7~ 8 月に出現するとされていたが(小野
2009),本調査では 4~ 5 月にも採集されたため,成体の出現期間はこれまで考えられていたよ
りも長いものと考えられる.また本種の生息地については,「池や湖周辺の湿地や海岸に生息す103
図 2―19 茨城県新記録のクモ
茨城県新記録のクモ類
のクモ類 New ly recorded spiders f rom Ibaraki Prefecture
2:ムサシヤチグモ Coelotes mu sashien sis,3:フジイコモリグモ Arcto sa fu jiii,4:イモコモリグモ
Pirata piratoides,5:ヤスダコモリグモ Tricca y asud ai,6:ノコギリヒザグモ Erigone pro minen s,
7:マルムネヒザグモ Erigone eden tate,8:チビアカサラグモ Nematogmu s san guinolentu s,9:キ
ヨヒメグモ Par asteatoda oculipro minen s,10:ヨツボシヒメアシナガグモ Pachygn ath a
quadrimaculata,11:ヤマトコマチグモ Chirac an thiu m lascivu m,12:ヤマトヤドカリグモ Than atu s
nipponicus,13:ヒメチャワシグモ Cladoth ela p ar va,14:エビチャヨリメケムリグモ Dr assyllu s
san menen sis,15:ヤマトツヤグモ Mic aria japonic a,16:チビケムリグモ Zelotes exiguu s,17:ク
ロケムリグモ Zelotes tortuo su s,18:ヤバネウラシマグモ Phrurolithu s penn atu s,19:カタオカハエ
トリ Euophrys k ataokai,20:ヒメスジハエトリ Talaver a iked ai.(スケールバー Scale bars:1 mm)
る」との記述があるが(小野 2009),本調査により比較的乾燥した農地にも生息することが明
らかになった.
引用文献
小野展嗣 2009.日本産クモ類.東海大学出版会.
新海 明・安藤昭久・谷川明男 2008.県別クモ類分布図.Ver. 2008 著者自刊 CD.
新海 明 2001.県別クモ類文献リストの一覧.Kishidaia, 80: 93-140.
104
KISHIDAIA 投稿規定
1)投稿資格は本会会員とする.ただし共著者には,会員以外の者を含むことができる.依頼原
稿については,本会会員でなくとも,運営委員会の承認があればよい.
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どをお願いすることがある.
4)頁数は図表を含めて,刷り上がり 8 頁以内とし,超過頁分は著者負担となる.ただし超過頁
分の代金を徴収しない場合があり,別項に記す.超過頁代は 1 頁につき 2500 円とする が ,
印刷費の変更等により,金額が変ることがある.
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6)別刷りは 50 部単位で作成するが,その費用は全額著者負担とする.
7)論文の著者校正は 1 回だけとする.DRAGLIN ES な ど短文の場合は著者校正を省略する場合
がある.
超過頁分を徴収しない場合
補 1)談話会活動報告(観察会報告・合宿報告など)は超過頁代を取らない.
補 2)各県別目録を積極的に掲載する方針が 1997 年 4 月の総会で確認され,主旨に沿う原稿に
関しては超過頁代を取らずに掲載する.
補 3)その他運営委員会で認めたもの.
原稿作成上の注意
1)手書き原稿は白紙に黒字,横書きで書いて下さい.
2)文章は 5 行目から書き始め,1 行目にタイトルを, 3 行目に著者名を書いて下さい.
3)ワープロなどで原稿を作成した場合は,プリントアウトしたものではなく FDあるいは CD
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4)図は製図用インクなどにて完成したものにして下さい.図,写真などを画像ファイルとして
お送りくださる場合には,本文中に貼り付けたものだけではなく,元の画像ファイルそのも
のもお送りください.画像解像度は刷り上りのサイズ で 300dpi 以上でないときれいに印刷
できません.デジタルカメラで撮影した写真は解像度などを変更せずにもとのままのファイ
ルでお送りください.
5)原稿は電子メールでも受付けま す.ただし添付ファイルが開けない事も予 想されますのでテ
キストファイルで送って下さい.なお,原稿ファイルでは,中央ぞろえや字下げなどの書式
の設定は一切行わないでください.
105
東京蜘蛛談話会
運営委員
池田 博明・小野 展嗣・木村 知之・甲野 涼・新海 明・谷川 明男・仲條 竜太・萩本 房枝・
初芝 伸吾・安田 明雄・八幡 明彦
会
長:新海 栄一
185-0011 東京都国分寺市本多 1-6-6
本
部:小野 展嗣
169-0073 東京都新宿区百人町 3-23-1 国立科学博物館動物研究部
会誌編集:仲條 竜太
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会計監査:笠原喜久雄・梅林 力
KISHIDAIA No.97
発行所
2010 年 3 月 31 日
印刷
編集者
仲條竜太
2010 年 3 月 31 日
発行
発行者
新海栄一
東京蜘蛛談話会
東京都新宿区百人町 3-23- 1 国立科学博物館動物研究部
印刷
106
株式会社オーエム大阪市東成区中道 4-5-14-101
小野展嗣方
KISHIDAIA
Bulletin of Tokyo Spider Study Group
No.97,Mar. 2010
─ 目
次 ─
池田博明:ヒメグモのオス間闘争 ................................................................................1
西野真由子:
ジョロウグモの複数回産卵と繁殖及び出のうに影響を及ぼす要因 ...................................8
池田博明:繁殖期のヒメグモの生息する高さ ............................................................... 13
池田博明:ヒメグモの和名について ........................................................................... 15
藤澤庸助:ミヤマナンキングモ多産地点との出会い ...................................................... 17
新海 明:「京都から越後へと」イソコモリを求めて..................................................... 20
DRAGLINES
中島晴子:アズチグモから線虫が出た ...................................................................... 24
平松毅久:ジョロウグモの網に入っていたクロマルイソウロウグモ ............................... 24
平松毅久:子グモがふ化するまで卵のうを守る?マルコブオニグモ ............................... 25
谷川明男・新海 明:
イソコモリグモは,福島県にはどこにもいないが,茨城県高萩市にはたくさんいる ....... 26
谷川明男:ムツトゲ日誌のムツトゲ成長記録 ............................................................. 27
池田博明:ジョロウグモがジョロウグモを捕食 .......................................................... 28
山本一幸:シロオビトリノフンダマシの卵のう作成 .................................................... 29
山本一幸:産卵直後に交接をしたエゾアシナガグモ .................................................... 30
高津佳史:ゴミグモの巣上で吸汁したヤマトシリアゲの観察例 ..................................... 31
高津佳史:ヤマトウシオグモは昼間何をしているのか? .............................................. 31
新海 明:安芸の宮島で見たキシノウエのようなキノボリの住居.................................... 32
藤澤庸助:ジョロウグモの耐寒力に関して -たったの 2 例からですが-............................. 33
馬場友希: 5 月におけるコゲチャオニグモ成体の採集例............................................... 35
笹岡文雄:東京・世田谷区で採れたマルゴミグモ ....................................................... 35
武田勇人・谷川明男:ウシガエルに食われたクモ ....................................................... 36
藤澤庸助:ギンメッキゴミグモも北上顕著か? .......................................................... 36
笹岡文雄:宮城県仙台市におけるキシノウエトタテグモの分布状況 ............................... 37
平野健一:福島県でのアカオニグモの採集記録 .......................................................... 38
馬場友希・栗原 隆:福島県檜枝岐村で採集されたクモ................................................ 39
馬場友希・栗原 隆:山梨県鳴沢村で採集されたクモ................................................... 40
馬場友希:沖縄本島で採集されたクモ ...................................................................... 40
馬場友希・吉武 啓:茨城県南部で採集されたクモ...................................................... 43
馬場友希・吉武 啓:岩手県岩泉町で採集されたクモ................................................... 45
笹岡文雄:伊豆諸島・新島のクモ類 ........................................................................... 47
笹岡文雄:伊豆諸島・八丈島におけるトタテグモ類とその他のクモ ................................. 55
馬場友希:千葉県松戸市「 21 世紀の森と広場」のクモ .................................................. 59
三谷 進・谷川明男:香川県各地のクモ類の採集記録..................................................... 68
荘司康治郎:東京都立石神井公園のクモ ..................................................................... 77
馬場友希・吉武 啓・平館俊太郎・楠本良延・栗原 隆・吉松慎一
茨城県南部の農地で採集されたクモ標本目録 ............................................................ 84
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