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2013 年 7 月 8 日号

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2013 年 7 月 8 日号
2013 年 7 月 8 日号
THIS WEEK’S MAGAZINE
1.
Week of July 8
The New Breed Of Income Fund 新種のインカムファンド→ P.2
【インカムファンド】
幅広い戦術で利回りを稼ぐ 5 つのマルチアセットファンド
2.
Investors, Brace Yourselves 株式は不安定が普通→ P.5
【インタビュー】
JP モルガン・アセット・マネジメントのポール・クインシー氏に聞く
3.
The Climb Gets Tougher 上るほどに苦しく→ P.8
【種類別ファンド成績】
中型・小型の米国株式ファンドが好調、債券、貴金属、新興国株式は不振
4.
A Winning Year, So Far 今年これまでは上々の成績→ P.11
【バロンズ推奨銘柄】
本誌記事が取り上げた銘柄のパフォーマンスを検証
5.
The Trader 気温の上昇とともに株価も金利も・・・→ P.20
【米国株式市場】
雇用統計の発表を受けて量的緩和策縮小の見方は強まったものの株価は上昇
6.
ECB Makes It Clear: No Rate Hikes Soon 低金利継続→ P.22
【欧州市場】
欧州中央銀行の発表 ポルトガルの政権分裂 エジプトの混乱
7.
Bonds Tumble On Turbulent Week 債券市場は急落→ P.25
【米国債券市場】
世界的な政治の混乱と好調な雇用統計を受け、国債利回りは上昇
8.
Preview 今週の予定→ P.27
【経済関連スケジュール】
33 連勝に挑むテニスチーム
9.
Up & Down Wall Street 毎分新たに生まれる→ P.29
【コラム】
ETF ならあらゆる市場にアクセス可能 雇用統計発表
10.
Praying For An Immaculate Rotation 完璧なローテーションへの願い→P.31
【株式市場展望】
上半期の相場総括 ファストフードの割高銘柄
※ 当誌は、株式会社 時事通信社がライセンスに基づき Dow Jones & Company, Inc.の発行する BARRON S 誌の内容を利用して作成したものです。
※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、当誌は当社が信頼できると判断した資
料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもの
ではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.
本誌記事の無断転載・複写を禁じます
バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
1. The New Breed Of Income Fund 新種のインカムファンド
幅広い戦術で利回りを稼ぐ 5 つのマルチアセットファンド
【インカムファンド】
■ インカム重視の投資家のために
特に引退後の生活に目を向けている投資家は、利回
りを必死に追い求めている。そして、顧客がそれを
見つけるのを手助けしようと、ミューチュアルファ
ンド業界も必死になっている。
両者にとって、それは簡単なことではない。投資家
はこの 5 年間、マスター・リミッテッド・パートナ
ーシップ(MLP)
、不動産投資信託(REIT)
、債券、
有配当銘柄、あるいはそれ以上に難解な商品などに
投資して以前より利回りの小さくなったファンドに、
より多くの手数料を支払ってきた。
ボラティリティが最近上昇した影響で、インカムを得るという難題はさらに複雑化した。1926 年から 2012
年までの間に平均で年率 5%の利回りを上げてきた、従来の債券だけのポートフォリオを堅持するという古
い計画はもはや役に立たない。米国債の平均利回りは今や 2%で、ボラティリティは今後も高まり得るから
だ。
となると、インカムを得るために向かうべき新たな分野はどこになるのか。市場調査・コンサルティング会
社のコジェント・リサーチが行った調査によると、顧客のためにインカムを生み出すのに、ファイナンシャ
ルアドバイザーたちは平均で 12 の投資手段を用いているという。ロサンジェルスにあるミラクル・マイル・
アドバイザーズのマネージングディレクター、ブロック・モズリー氏はこう話す。
「われわれには顧客を説得
してリスクに関する考え方を改めさせ、確定利付証券に投資されている『安心であるはずの』資産が今や本
物のリスクにさらされているということを理解させる必要がある」
。
ミューチュアルファンド業界は昔から新商品探しに余念がなく、それは今も変わっていない。投信情報会社
リッパーによると、2010 年の初め以来、数種類の資産を組み込んでインカムを生み出すファンドが 100 本
ほど新設され、260 億ドルの資産を集めたという。いわゆるマルチアセットファンドが運用する資産の総額
は今や 4600 億ドル弱となっている。
本誌は S&P500 指数の配当利回り 2%を上回り、少なくともこの 3 年以上で立派なトータルリターンを上げ
ているファンドを五つ特定した。ただし、こうしたファンドには高めの前払い手数料がかかる傾向がある。
手数料が安いマルチアセット上場投資信託(ETF)も幾つかあるが、運用資産 10 億ドルで 7 年目を迎えた
グッゲンハイム・マルチアセット・インカム・ファンド(CVY)を除くと、設立から 3 年以上になるものは
ほとんどない。以下、投資スタイルが異なる 5 本のマルチアセットファンドを見ていこう。
■ フランクリン・インカム・ファンド(FKINX)
運用資産 780 億ドルのフランクリン・インカム・ファンドは、分散型インカムファンドのパイオニアと言え
る存在だ。1948 年に設立されたファンドは、今では株価
連動債のようなデリバティブにも投資できるが、リード
マネジャーのエドワード・パークス氏は、
もっぱら株式、
債券、転換社債、REIT へ投資して、この 10 年間では平
均年率 7.6%、過去 3 年間では 11.6%のリターンを生み
出してきた。
-2-
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
このファンドは第一にインカム、第二にキャピタルゲインに焦点を当てているが、その優先度にはほとんど
差はない。S&P500 指数の配当利回りが約 2%であるのに対し、同ファンドの過去 12 カ月間の利回りは 6%
であり、第一目標は簡単にクリアした。ところがバリュー志向が強いパークス氏は、上昇余地がある証券を
見つけるという第二目標の方がずっと難しいと話す。同ファンドの株式へのエクスポージャーが 5 月末に 1
年前の 47%から 62%に増加した一因もそこにある。
その目論見書では幅広い柔軟性が許容されているにもかかわらず、同ファンドは他のマルチアセットファン
ドよりもずっと米国中心となっている。5 月末時点で、25%が上限の海外へのエクスポージャーは 18%にと
どまっている。バッファーとしての現金も保有せず、特定のポジションを運用する上で他に選択肢がない場
合にしかヘッジしない。インカムに焦点を当てていることもあり、このファンドはモーニングスターでは保
守的資産配分というカテゴリーに分類されているが、確定利付証券に代わるものを探している投資家や、国
内志向の強いファンドを使って債券から株式へのくら替えを図っている投資家の間で人気となっている。
■ ソーンバーグ・インベストメント・インカム・ビルダー(FKINX)
5 月末時点で半分以上の資産を海外に投資しているこのファンドは、かなり国際的な感じがする。インカム
を増やすことが目的であることに違いはないが、リードマネジャーのブライアン・マクマホン氏は米国、海
外の先進国市場にかかわらず、株式、債券、優先株、転換社債などを探している。従来のバランス型ファン
ドと違い、マクマホン氏は資産配分において柔軟であり、有利な価格でキャピタルゲインとインカムの最高
の組み合わせが得られるならば場所や資産は問わない。
南米でも事業を拡大しているスペインの通信会社、テレフォニカ(TEF.スペイン)に絡んだ投資はマクマホ
ン氏の最近の成功例だ。欧州債務危機の最中、同社が社債の格付けを引き上げるために配当を犠牲にするだ
ろうと読んだ同氏は、同社株を売却し、同社債を安く買うことで 20%ものトータルリターンを上げた。
マクマホン氏は他のマルチアセット・インカム・ファンドのようにはヘッジしないが、バリュエーションに
細かく気を配っている。
「市場が難しくなると、株式に関してはより少数の銘柄に集中投資する傾向がある」
と同氏は言う。マクマホン氏の株式やインカム成長に対する傾向を踏まえると、このファンドはインカムを
引き出そうと考えている保守的な引退生活者よりは、インカムを積み増していこうと考えている投資家に適
しているだろう。
■ JP モルガン・インカム・ビルダー(JNBAX)
このファンドもやはり柔軟なアプローチを取っているが、インカムを生み出すのに転換社債、エージェンシ
ー・モーゲージ債(米国住宅金融公社が組成・保証する住宅ローン担保証券)に加えて、REIT、新興国市
場の有配当銘柄といった幅広い資産に投資しており、過去 12 カ月間の利回りは 4.9%となっている。1700
以上の銘柄を保有する同ファンドもグローバル志向で、総資産の 40%が海外資産へ投資されている。5 月末
時点で総資産の約 16%が新興国市場へ投資されており、この市場にほとんど投資していない他の多くのマル
チアセットファンドとは大違いである。新興国市場の有配当銘柄は米国のそれほど上昇していないが、リー
ドマネジャーのマイケル・シェーンハット氏はこれに魅力的な成長性を見出している。
バリュエーションやリスクによって資産配分は変動する。リスク回避によって投資家が大きな利回りを安く
得られていた 2009 年には総資産の 55%を占めていたハイイールド債だが、値上がりの余地が限られている
と判断した今年は、26%に減少している。最近売り込まれたことで、同氏は再びハイイールド債に注目して
おり、総資産の 5%を占めていた新興国市場の債券の割合は減らした。
最終的にこのファンドは株式 60%/債券 40%のポートフォリオに似たリスクを目指しており、相関が小さ
くなるように分散された資産の組み合わせを用いている。恐らく、株式に戻る上でグローバル色が濃い方法
か、分散された債券ポートフォリオを探している投資家により適している。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
■ ブラックロック・マルチアセット・インカム・ファンド(BAICX)
より保守的なインカム投資家には、このファンドがおすすめだ。このファンドも有配当のグローバル銘柄、
従来的な確定利付証券から MLP、REIT、優先株まで、ほぼ全ての資産への投資が可能となっていて、ボラ
ティリティと下値保護に細心の注意を払うことで、過去 3 年間で年率 11.6%のリターンを生み出している。
最近 12 カ月間の利回りが 4.5%だったこのファンドのリードマネジャーであるマイケル・フレデリックス氏
は「最大の利回りを記録すれば、資金は流入してくるというのがこの業界の鉄則だ。このファンドは安定的
なインカムを生み出すことを目指しているが、われわれはリスクを避けることを優先させている」と話す。
同氏は幾つかの資産クラスを完全に回避することもいとわない。最近では新興国市場の債券と REIT を投資
対象から除外した。同氏によると REIT は割高で、過去のデータからしても株式よりボラティリティが高い
という。同氏はこの 1 年間、低利回りだが通信会社や公益事業者ほど上昇していない景気に敏感な有配当銘
柄に傾倒してきた。
■ MFS ディバーシファイド・インカム・ファンド(DIFAX)
ブラックロックと正反対に位置するのが、この 12 カ月間で 3%の利回りを上げたこのファンドである。この
ファンドは主に米国資産に投資し、資産クラスは相関の小さい、ハイイールド債、主にドル建ての新興国市
場の債券、米国債、米国のバリュー株、REIT の五つに限定されている。MFS のチーフ投資ストラテジスト
でこのファンドのリードマネジャーでもあるジム・スワンソン氏は、インカム収入を増やすことを目指しな
がらキャピタルゲインにも目を配ることを「ガードレール付きの戦術」と呼んでいる。
過去 3 年間に平均年率で 11.3%のリターンを上げたこのファンドは、総資産の約 60%を債券に、40%を株
式と REIT に配分する傾向がある。柔軟性が過剰なファンドに不安を感じる投資家にとって、これはより手
軽な代替案と言えるだろう。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
Guggenheim Multi-Asset Income ETF
(CVY)
Franklin
(FKINX)
Income
Fund
Class
A
Telefonica S.A. (ES:TEF)
JPMorgan Income Builder Fund - A
(JNBAX)
Thornburg
Investment
Builder Class A (TIBAX)
Income
BlackRock Funds II, BlackRock
Multi-Asset Income Ptf Investor A
(BAICX)
MFS Diversified Income Fund Class A
(DIFAX)
チャートは 3 年(BR:VIVT4 は 2 年)
By RESHMA KAPADIA
(Source: Dow Jones)
2. Investors, Brace Yourselves 株式は不安定が普通
JP モルガン・アセット・マネジメントのポール・クインシー氏に聞く
【インタビュー】
■ 株式は依然として魅力的
米株式市場は、年初から 5 月の第 3 週まで大幅に上昇し、その
後下げに転じた。株式市場の今後の展望について JP モルガン・
アセット・マネジメントの米大型コア&バリュー株の最高投資
責任者(CIO)
、ポール・クインシー氏に話を聞いた。
本誌:まず米国株全般をどうみているか。
クインシー氏:上半期の終盤は不調だったものの、2012 年に大
幅に上昇した S&P500 指数の上昇率は年初以来 14%近くと、
まだ 2 桁台だ。多くの債券投資家のリターンはややマイナスで、海外、特に新興国市場も低調だ。相対、絶
対ベースでみて、米国株の実績はかなり高い。
Q:ここ 1 カ月の不安定な相場を見て楽観的になるのは難しい。
A:株式投資では普通のことだ。われわれは、投資家に年間リターンの幅を示し、それを獲得するための痛
みも示している。最も好調な時でも、株式市場には痛みがつきものだ。株式市場が絶好調だった 1990 年代
末でも、1 年の間には株価が下落することはあった。高いリターンを得るためには、反落の時期にもじっと
耐える必要がある。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
■ 金利上昇は懸念せず
Q:債券利回りは 5 月以来大幅に上昇している。これは株式にどのような影響を及ぼすか。
A:市場や投資家心理、個々の企業に対する影響を分けて考える必要がある。市場と投資家心理に関しては
あまり懸念していない。確かに債券利回りは上昇している。債券の魅力が増すにつれて株式の競争相手にな
るだろう。ここ数週間で 10 年物国債の利回りは 0.90%上昇したが、それでも極めて低い。債券が株式の本
格的なライバルになるのはまだかなり先のことだろう。
Q:金利上昇が企業に及ぼす影響は。
A:金利上昇は、多額の負債を抱える企業にとっては利払い負担が増えるためマイナスだが、利益を得る企
業も多い。特に金融セクターの多くの企業は金利上昇の恩恵を受ける。銀行は数十年ぶりの低い純金利マー
ジンに苦しんできたので、その改善は歓迎するだろう。
Q:今後の最大の懸念は。
A:米国は他の多くの先進諸国と同様、財政の不均衡是正という長期的な課題を抱えている。これは今年だ
けではなく、今後 5 年、10 年、そして次世代の課題だ。財政再建に向けた正しい決定をする時間はまだある
が、なくなりつつある。企業も消費者もレバレッジを大幅に解消したが、それでもまた多額の債務が残って
いる。そのうえ 1990 年代や 2000 年代の初めのような良好な経済環境や高いリターンは期待できない。
Q:全般的なバリュエーションをどうみるか。
A:妥当だが、残念ながらそれ以上ではない。2009 年 3 月にパニックが最高潮に達した当時、S&P500 指数
の景気変動を平準化したベースの実績株価収益率(PER)は 8 倍だった。現在は 15 倍だが、これは長期的
にみて標準的な水準だ。
Q:企業収益の伸びの見通しは。
A:少なくとも米国、そして恐らく世界の他の幾つかの地域において、増益率 6∼7%が見込まれる。ただ、
2009 年に始まり、昨年の下半期にやや後退した回復局面に比べればはるかに低いものにとどまりそうだ。
Q:市場で避けている部分はあるか。
A:公益や不動産投資信託(REIT)
、マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)
、生活必需品、電
気通信など、投資家が配当だけに注目し、不合理な水準まで値上がりしたセクターは避けている。
■ 景気敏感株に注目
Q:景気敏感株にはチャンスがあるとみているか。
A:そうだ。景気敏感株と金融株の一部に注目している。有望な企業が数多くある。
Q:魅力的な景気敏感株の例は。
A:最近は半導体関連にかなり投資している。半導体は好調だが、特に半導体製造装置の利益予想に上振れ
余地があるとみている。ここ数年間、景気後退によって設備投資が減少し、業界の統合再編と技術移行が進
んだ。しかしこれらは終盤に近づいており、サムスン電子(005930.韓国)など大手メーカーはかなり大幅
な設備投資の増加を計画している。450mm ウエハーへの移行は 2018 年までなさそうだ。特にメモリーメー
カーが利益を再投資して追いつこうとする中で、設備投資は大幅増が予想される。半導体製造装置メーカー
のラム・リサーチ(LRCX)やアプライド・マテリアルズ(AMAT)が魅力的だ。投資家の信頼感が回復し、
セクターの見通しが改善すれば、株価は市場を 15∼20%アウトパフォームする可能性がある。設備投資がい
つ上向きになるか分からないが、メモリー部門へのエクスポージャーが大きいことを考えれば、向こう 12
∼24 カ月間に大幅な回復が予想される。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
■ 金融、自動車、ヘルスケアの個別銘柄
Q:金融株を有望とみているようだが、規制強化によってリターンは限定的だとみる向きもある。
A:金融部門はここ数年間、規制強化と自己資本の増強という現実に直面していた。金融危機の帰結として
規制が強化されるのは明白だったが、これは管理可能だ。第 2 に、もちろん、金融セクターには(貸し出し
の観点から)金利上昇を待っている企業が多い。貸し出しの質も大幅に改善したため、全般的にみて、金融
株は今後数年間、堅調に推移すると予想される。住宅ローン市場で支配的な地位を占めるウェルズ・ファー
ゴ(WFC)や、シティグループ(C)
、バンク・オブ・アメリカ(BAC)などが期待できる。損失が縮小し、
訴訟関連費用が減少し、経営の効率化が進む中で利益拡大の余地がある。
Q:他に面白いセクターは。
A:自動車だ。海外に事業展開しているため、経済が好調な国に大きく助けられる。また、内需も徐々に回
復している。ゼネラル・モーターズ(GM)は新モデルを発売する。同社は以前よりはるかに良い会社にな
り、株価もまだいくらか上昇の余地がある。
Q:他に関心のある分野は。
A:急成長している企業に注目している。ヘルスケア、特にバイオテクノロジー企業では技術革新が絶え間
なく行われている。われわれは依然としてバイオジェン・アイデック(BIIB)やセルジーン(CELG)など
が理にかなっていると考えている。住宅関連も候補の一つだ。住宅市場の回復はかなり長期にわたって続く
と考える。この分野で最も有望なホーム・デポ(HD)は、今年になってから大幅に上昇している。住宅市
場の回復余地は大きく、住宅の回復は複数年にわたるテーマだ。
Q:海外の投資家は米国市場をどうみているか。
A:欧州やアジアの投資家は米国株に大いに関心を持っている。2010 年のユーロ危機がきっかけだが、最近
では、アジアについての楽観的な見方がやや後退しているという理由もある。世界の投資家は米国を見過ご
してきたことに気づきつつあり、米国の優良企業に再び注目するようになっている。
Q:2013 年の上半期が終了した。年末にかけて株式市場はどうなるか。
A:厳しくなるとみられるが、まだわずかに上昇するかもしれない。10 年債の利回り 2.5%に比べれば、株
式は依然として割安だ。10 年債の利回りが 1.5%だった当時は非常に過小評価されていると思われたが、
2.5%でもまだ割安だ。利益の伸びは続き、キャッシュフローは潤沢で、株主還元も急増している。これはリ
ターンにある程度プラスだ。
Q:今後数年間、株式投資家はどのくらいの年間リターンを期待できるか。
A:1 桁台の半ばの利益成長プラス配当だ。株式のトータルリターンは 1 桁台の後半だろう。これは控えめ
な見方だ。それでも、向こう 5 年間で株式ポートフォリオのリターンが年間 8∼10%になれば、債券を上回
る。問題は、毎年必ず 8%になるわけではないということだ。ある年はリターンが 20%に達すると思えば、
しばらくマイナスになることもある。株式市場とはそういうものだ。それを理解し、受け入れることが株式
投資家にとっては極めて重要だ。市場は順調ではなく、1 桁のリターンや、2 桁の乱高下が株式市場の正常
な状態だ。
Samsung
(KR:005930)
Electronics
Co.
Ltd.
Lam Research Corporation (LRCX)
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Applied Materials Inc (AMAT)
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Wells Fargo & Co (WFC)
Citigroup Inc (C)
Bank Of America Corporation (BAC)
General Motors Co. (GM)
Biogen Idec Inc (BIIB)
Celgene Corporation (CELG)
Home Depot Inc (HD)
チャートは 3 年
By LAWRENCE C. STRAUSS
(Source: Dow Jones)
3. The Climb Gets Tougher 上るほどに苦しく
【種類別ファンド成績】
中型・小型の米国株式ファンドが好調、債券、貴金属、新興国株式は不振
■ 明暗分かれる
5 月は決して心が浮く月ではなかった。投資家は債券ファン
ドから逃げ、相場下落が著しい米国外の株式市場を避けよう
とした。
しかし、6 月の終わりが近づくにつれて売り圧力は弱まり、
リッパーがカバーする 7896 本の米国分散型株式ファンドは
第 2 四半期に 2.29%のリターンを確保し、S&P500 指数の
2.36%に迫った。上半期全体では、好パフォーマンスは前半
に偏り、株式ファンドは 1∼4 月の急騰により 12.79%上昇。
S&P500 指数の 12.63%をアウトパフォームした。世界株式
ファンドは 4-6 月期に 2.2%下落したが、上半期でみると 2.64%上昇している。
5 月の惨劇を引き起こしたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が月 850 億ドルの債券買い入れプログラム
をついに縮小するだろうというバーナンキ議長の発言だった。市場はこれに過剰に反応し、金利は急上昇、
株式市場は急落した。
5 月初めに 1.66%だった 10 年物米国債の利回りは 6 月末に 2.50%前後まで上昇し、長期米国債券ファンド
は第 2 四半期に 2.10%下落した。調査会社のトリムタブスによると、債券ファンドからの資金流出額は過去
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
最高の 708 億ドルに上った。巨額を運用するピムコ・トータル・リターン(PTTRX)は第 2 四半期に 3.6%
下落。モーニングスターによると、6 月だけで約 100 億ドルが流出した。
56 億ドルを運用するゴールドマン・サックス・ストラテジック・インカム(GSZAX)は第 2 四半期に 0.7%
とわずかながらプラスのリターンを記録し、上半期に 4.06%上昇。ポートフォリオマネジャーのマイケル・
スウェル氏によると、あらゆる債券に加え、デリバティブとキャッシュも投資対象とするアプローチが奏功
した。
スウェル氏は、ハイイールド債と新興国市場債の売りによりスプレッドが過剰に広がり、買いの機会が生ま
れていると主張する。地方債ファンドは特に落ち込みが激しく、第 2 四半期に 4.1%下落。上半期のリター
ンはマイナス 3.59%となった。ブラックロック(BLK)の資産マネジャーは、地方債の 5 月の絶対リターン
は最近 25 年以上でワーストだったと言う。世界債券ファンドも第 2 四半期に 4.67%下落し、上半期のリタ
ーンはマイナス 5.39%だった。
■ 米国株ファンドはプラス維持
株式ファンドは大型、中型、小型とも第 2 四半期に若干上昇し、大型・中型でバリュー型がグロース型をア
ウトパフォームした。両タイプのパフォーマンス差は期末に向けて縮小したが、上半期の株式ファンドは大
型・中型・小型にかかわらず 2 桁のリターンを記録した。
その中、20 億ドルを運用するエーカー・フォーカス・リテール(AKREX)は突出したリターンをマークし
た。ムーディーズ(MCO)
、ディレク TV(DTV)
、産業用ポンプおよび液体処理機器メーカーのコルファッ
クス(CFX)への投資が奏功して、第 2 四半期に 6.39%、上半期全体で 20%上昇した。
「ムーディーズは、
2 月に司法省が競合相手のスタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービシズを提訴してから、
上昇し続けた」とポートフォリオマネジャーのチャールズ・エーカー氏は説明する。ディレク TV は予想を
上回る好業績と自社株買い戻しによって上昇。また、コルファックスは 2012 年に買収した企業の経営改善
により 1 株当たりフリーキャッシュフローの力強い伸びを生み出し、株価を堅調に伸ばした。
第 2 四半期、グロース株のリターンがバリュー型を上回った小型株ファンドは、中型・大型株ファンドをア
ウトパフォーム。中でも 6300 万ドルを運用するニーダム・アグレッシブ・グロース(NEAGX)は、同四
半期に 12.59%、上半期で 23.9%上昇した。小型・超小型株を主な投資対象とする同社だが、二つの大型株
がパフォーマンスをけん引。その一つが薬剤給付管理のエクスプレス・スクリプツ(ESRX)で、上半期に
14.33%のリターンを記録した。ポートフォリオマネジャーのジョン・バー氏は、処方薬購入費の削減に役
立つ同社は今後も成功すると考えている。
保有株のうち、音声・E メール・テキストメッセージサービス提供大手のサウンドバイト・コミュニケーシ
ョンズ(SDBT)と消費者福利サービス提供大手のウェイジワークス(WAGE)の株価は 1 年で 2 倍以上に
上昇した。サウンドバイトはジェネシス・テレコミュニケーションズ・ラボラトリーズによる買収が決まっ
ている。
■ 貴金属は大幅下落
セクター別ファンドは第 2 四半期に 2.8%下落。上半期のリターンは 2.64%だった。最も好調だったのはヘ
ルスケアで、第 2 四半期に 4.97%、上半期全体で 21.29%上昇。一方、貴金属株式ファンドは落ち込みが激
しく、第 2 四半期に 35.02%、上半期に 46.23%下落した。巨額を運用する SPDR ゴールド・トラスト(GLD)
は、今年に入って解約と金価格の急落により 40%下落。第 2 四半期でワーストのパフォーマンスを記録した
のはディレクション:ゴールド M ブル 3X(NUGT)で、リターンはマイナス 79.11%だった。
対照的に、1 億 2420 万ドルを運用するフォワード・コモディティー・ロング・ショート・ストラテジー
(FCMLX)は 11.58%上昇。ポートフォリオマネジャーのネーサン・ロワダー氏は金、銀、ニッケルをショ
ートした。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
ブラジル、インド、中国での経済成長鈍化により、投資家は国際投資の資金を日本にシフトした。これは金
融刺激策の効果を見込んだ動きで、
日本株ファンドは第 2 四半期に 3.41%、
上半期に 16.6%上昇した。
一方、
中国株ファンドは第 2 四半期に 4.05%、上半期に 5.53%下落。新興国市場ファンドもそれぞれ 7.33%と
7.43%下落した。最もパフォーマンスが悪かったのは中南米ファンドで、第 2 四半期のリターンはマイナス
15.07%、上半期全体でマイナス 14.51%だった。
ニーダムのバー氏は、規模にかかわらず米国株に妙味があるが、中国、欧州、新興国市場、および債券は軟
調に推移するとみている。これに同意するゴールドマンのスウェル氏は、ボラティリティが高まり、10 年物
米国債の利回りは先週の約 2.5%から年末までに 3%、来年はそれを超える水準まで上昇する可能性があると
指摘。一方ブラックロックは、株式を保有し続け、新興国市場と金を売ることを推奨している。
PIMCO Funds Total Return Fund
Institutional Shares (PTTRX)
Goldman Sachs Strategic
Fund A Shares (GSZAX)
Akre Focus - Retail (AKREX)
Moodys Corp (MCO)
Directv (DTV)
Colfax Corp (CFX)
Needham Aggressive Growth Fund
(NEAGX)
Express Scripts Hldg Co (ESRX)
Wageworks Inc (WAGE)
SPDR Gold Trust (GLD)
SoundBite
(SDBT)
Communications
Inc
- 10 -
Income
BlackRock Inc (BLK)
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
Direxion Daily Gold Miners Bull 3X
Shares (NUGT)
Forward
Commodity
Long/Short
Strategy Fd Insti Cl (FCMLX)
チャートは 3 年(WAGE は 1 年)
By J.R. BRANDSTRADER
(Source: Dow Jones)
4. A Winning Year, So Far 今年これまでは上々の成績
本誌記事が取り上げた銘柄のパフォーマンスを検証
【バロンズ推奨銘柄】
■ これまでのところ良好な成績を維持
今年に入ってからの本誌の予想は、強気も弱気もひっくるめて、これまでのところは市場を上回る結果を残
している。2013 年上半期に本誌記事で強気と紹介した 67 社は、それぞれの記事掲載前の金曜日から 6 月 28
日までに平均 7.4%上昇した。対応する期間のベンチマーク指標は 3%の上昇であった。弱気と紹介した 6
社は平均 21.2%の下落となり、それらのベンチマークが 2.3%上昇したのに対し、より顕著な動きをみせた。
特に良い結果となっているのは、米食品大手のチキータ・ブランズ・インターナショナル(CQB)
、米婦人
服小売りニューヨーク・アンド・カンパニー(NWY)
、デルタ航空(DAL)
、米コンサートプロモーション
大手ライブネーション・エンターテインメント(LYV)
、アイカーン・エンタープライジズ(IEP)といった
銘柄で、いずれも 30%以上上昇している。反対に振るわなかったのは、タタ・モーターズ(TTM)
、ADT
(ADT)
、米石炭・鉄鉱石大手クリフス・ナチュラル・リソーシズ(CLF)
、アメリカン・イーグル・アウト
フィッターズ(AEO)
、アップル(AAPL)である。
弱気で挙げた 7 銘柄のうち 6 銘柄は下落した。その中には、記事掲載の 5 月以降、生産の遅れなども手伝っ
て株価が 50%以上下落した、タッチスクリーン向け技術開発のユニピクセル(UNXL)も含まれている。
最も話題とすべき弱気銘柄はリン・エナジー(LINE)かもしれない。本誌が最初の懐疑的な記事を掲載し
た 2 月以降、株価は 6 月 28 日までに 8%下落して 33 ドルとなった。先週、リン・エナジーの会計処理につ
いて、一般に認められた会計原則に基づかない(非 GAAP の)手法やヘッジ手法を中心に、米証券取引委員
が非公開の調査を開始したと同社が公表した後、
株価はさらに 29%下落して 23.45 ドルとなった。
会
(SEC)
そうしたトピックスは、本誌 2 月と 5 月の記事でまさに取り上げたものである。
■ 2012 年も優良なパフォーマンス
表は 2013 年の選択銘柄を示している。これらは現時点までの経過時間が短い一方、2012 年の選択銘柄であ
る強気 121 銘柄と弱気 23 銘柄はほぼ 1 年が経過しているので、本誌のパフォーマンスを見るには適してい
るだろう。6 月 28 日までのベンチマークが 18.1%上昇だったのに対し、2012 年の強気銘柄はそれを上回る
平均 23.3%の上昇であった。2012 年からの上昇上位 5 銘柄は、米バイオ医薬品会社サレプタ・セラピュー
ティクス(SRPT)
、米ゲームソフト小売り大手ゲームストップ(GME)
、スポーツ用品小売りチェーンの米
ビッグ 5 スポーティング・グッズ(BGFV)
、食料品メーカーのファーマー・ブラザーズ(FARM)
、米燃料
メーカーのフィリップス 66(PSX)で、全て 95%以上の上昇を記録した。
成績が振るわなかったのは、クリフス・ナチュラル・リソーシズ、電子決済システムを手掛けるベリフォン・
システムズ(PAY)
、米金鉱大手ニューモント・マイニング(NEM)
、芝生やペット関連商品のセントラル・
ガーデン・アンド・ペット(CENTA)
、自動車用ホイールリム製造のタイタン・インターナショナル(TWI)
。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
2012 年の弱気銘柄はスローペースながら平均で 23.4%上昇した。対するベンチマークは 19.8%の上昇であ
った。弱気銘柄として挙げた教育関連の ITT エデュケーショナル・サービシズ(ESI)
、米小売り大手の JC
ペニー(JCP)
、フェイスブック(FB)については予想通りの結果となったが、住宅ローン保証のラディア
ン・グループ(RDN)
、製薬のオプコヘルス(OPK)
、減量関連製品の米メディファスト(MED)について
は予想が外れた。ラディアン・グループは本誌 2012 年 1 月号でネガティブな見通しを掲載して以降、株価
はほぼ 4 倍に大幅上昇し、本誌予想は完全に打ちのめされた。
本誌では企業の市場価値に基づいて適切と見なされるベンチマークを用いてパフォーマンスの比較を行って
いる。大型株や米国外の株式に対しては S&P500 指数を、中型株に対しては S&P ミッドキャップ 400 指数
を、そして小型株に対してはラッセル 2000 指数を用いている。対象とする記事は業界の話題というよりも、
特定の 1 社か 2 社に焦点を当てたものである。コラムで触れた銘柄は含めていないが、
「株式市場展望」や
「米国株式市場」で取り上げた銘柄は含めている。
■ 主な銘柄の紹介
2013 年の強気銘柄をけん引するチキータ・ブランズ・インターナショナルは、バナナや袋詰めサラダを「フ
レッシュ・エクスプレス」のブランド名で生産している。同社のリストラ推進やサラダの収益性が上昇して
いることを市場はプラスに受け止めている。
婦人服小売りのニューヨーク・アンド・カンパニーは既存店売り上げが回復し、黒字に転換した。チケット
マスターを傘下に収め、コンサートや演劇のチケットを販売するライブネーション・エンターテインメント
は、欧州の興業プロモーターとの訴訟に勝訴したことが好感されている。
著名投資家のカール・アイカーン氏が経営するアイカーン・エンタープライジズは、本誌の記事掲載後に株
価が 30%上昇し 72 ドルとなった。米ネット DVD レンタル大手ネットフリックス(NFLX)を手中に収め、
マイケル・デル氏によるデル(DELL)の MBO と攻防を繰り広げるアイカーン氏の勢いに乗ろうという投
資家はますます増えている。
収益性が回復し経営危機から完全に脱したデルタ航空は、本誌 1 月記事以降 40%上昇した。新たに導入した
配当制度や自社株買いプログラムにより、株主へ収益を還元していることが奏功した。
タタ・モーターズはインド株式相場下落のあおりを受けて 16%下げ、本誌が紹介した中で最も振るわない銘
柄となった。また、クリフス・ナチュラル・リソーシズについては 4 月に鉄鉱石や石炭ビジネスへの強気の
見方を示したが、弱含みの鉄鉱石市場にあって株価は 10%下落し、現時点で良い状況にはない。
2012 年から最も素晴らしい結果を残しているのが、
男性に発病する筋疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロ
フィーの治療薬となる新薬を開発中のサレプタ・セラピューティクスである。2012 年 4 月に最初の記事を
本誌が掲載した時に 9 ドルだった株価は 40 ドル近くまで上昇している。米食品医薬品局(FDA)からの承
認が一刻も早く望まれており、もしかすると今夏に承認が決定する可能性もある。その場合、同社の年間世
界売り上げは数年内に 5 億ドル以上増加する可能性があり、株価上昇も期待される。
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Chiquita Brands International Inc
(CQB)
New York & Co Inc (NWY)
Delta Air Lines Inc (DAL)
Live Nation Entertainment In (LYV)
Icahn Enterprises LP (IEP)
Tata Motors Ltd (TTM)
The Adt Corporation (ADT)
Cliffs Nat Res Inc (CLF)
American Eagle Outfitters (AEO)
Apple Inc (AAPL)
Uni Pixel Inc (UNXL)
Linn Energy Llc (LINE)
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Sarepta Therapeutics Inc (SRPT)
Gamestop Corp New (GME)
Big 5 Sporting Goods Corp (BGFV)
Farmer Brothers Co (FARM)
Phillips 66 (PSX)
Verifone Holdings Inc (PAY)
Newmont Mining Corp (NEM)
Central Garden & Pet Co (CENTA)
Titan International Inc (TWI)
ITT Educational Services Inc (ESI)
JC Penney Co Inc (JCP)
Facebook Inc (FB)
Radian Group (RDN)
Opko Health Inc (OPK)
Medifast Inc (MED)
Netflix, Inc (NFLX)
Dell Inc (DELL)
チャートは 3 年
(ADT, PSX, FB は 1 年)
By ANDREW BARY
(Source: Dow Jones)
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5. The Trader 気温の上昇とともに株価も金利も・・・
【米国株式市場】
雇用統計の発表を受けて量的緩和策縮小の見方は強まったものの株価は上昇
■ 株式市場の上昇と債券市場の下落
真夏がやってきた。普通の投資家は自分のポート
フォリオにも日焼け止めを塗って休暇を楽しみ、
秋までリラックスする時期だ。ただし短期的な投
資家は、強い雇用統計の発表を受けて連邦準備制
度理事会(FRB)が資産購入のペースを緩める可
能性が高まっても活発に売買していた。
こうして今年の後半も始まったが、これまでのと
ころは前半と同じような始まり方になっている。
ダウ工業株 30 種平均(NY ダウ)は木曜日に独立
記念日の休日が入った先週、1.52%上昇して 1 万
5135 ドル 84 セントで引けた。S&P500 指数は
1.59%高の 1631.89、ナスダック総合指数は
2.24%高の 3479.38 となった。小型株のラッセル
2000 指数は 2.86%と大幅高となり、1005.39 で
週末を迎えた。
一方、債券市場は下落し、米 10 年債の利回りは 1
週間で 0.23%ポイント上昇して 2.72%となった。
先週投資家は原油価格にも注目した。エジプト軍
がクーデターでモルシ大統領を追放したことを受
けてニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油
指標銘柄の中心限月の先物価格は 6.9%上昇し、
103 ドル 22 セントとなったからだ。
■ 雇用統計の解釈
労働省が先週金曜日に発表した雇用統計で、6 月
の非農業部門就業者数は 19 万 5000 人の増加とな
り、同時に 4 月と 5 月の数値も合計で 7 万人分上
方修正された。これで今年に入ってから、毎月平
均で 20 万 2000 人の非農業部門就業者数の増加が
あったことになる。このニュースを受けて金曜日の株式市場は
安く始まった。明らかに FRB に資産購入プログラムの縮小の
口実を与えるような、着実で力強いともいえるデータだったか
らだが、午後に入ると徐々に買われ始め、結局 NY ダウは 147
ドル高で金曜日の取引を終了した。
それでも、先週話を聞いたストラテジストや機関投資家は懸念
を残していた。FRB が経済の自転車の補助輪を取ってしまうと、
今後大きくぐらついてしまうかもしれないと考えているからだ。
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LPL フィナンシャルのインベストメント・ストラテジス
トであるジョン・カナリー氏は「FRB が量的緩和策の縮
小を始められるほど米国経済は十分な雇用を生み出し
た」
と述べたものの、
「量的緩和の縮小が経済成長をより
確実にするかどうかは、雇用市場が経済全体にやっと追
いついただけなので、疑問だ。FRB の量的緩和の縮小が
始まった一方で、経済成長率が FRB の予想を下回るこ
とも考えられる」と懸念を示していた。
ベアード・ミッドキャップ・ファンドの運用担当者であ
るチャック・セバーソン氏は、経済はいくらか成長する
ものの、今年後半の企業業績は大幅に伸びることはなさ
そうだと考えている。第 2 四半期の業績発表は月曜日の
アルコア(AA)を皮切りに来週から始まる。
セバーソン氏は「企業業績の改善は株価に織り込まれて
いるようだ」
と述べ、
「経済成長が今後加速する理由が見
当たらないので、業績発表シーズンに各企業の経営者が
投資家の期待を引き下げるような発言をするのではない
かと少し心配している」と懸念を示した。
■ 大きな年金債務のある企業
先週起きたような株価の上昇と金利の上昇は、ある種の
企業には好材料となる。つまり大きな年金債務がある企
業だ。
過去数年間、企業の年金債務が非常に増大した。金利が
低下したため、将来の債務を現在価値に直すための割引
率も低下したからだ。割引率が低下するほど、現時点で積み立てが必要な年金債務の額が増加するため、積
み立て不足となる可能性が高まっていた。
住宅バブルが崩壊して金利が低下すると同時に年金基金が保有していた株式も値下がりしたため、年金資産
の減少と積み立て不足の拡大が生じた。JP モルガン・アセット・マネジメントの年金専門家であるカレン・
フランセリーズ氏は、米国企業全体で見た場合、2007 年には積み立て不足がほとんどなかったのだが、2008
年の積立額は、必要額の 75%にすぎないところまで低下していたと述べる。年金の積み立て不足が企業のバ
ランスシートの重しとなり、特に自動車、空運、鉄鋼業などの業種では、破産法の適用を申請して年金債務
を再編し、キャッシュを他の目的に回そうとする
リスクさえ生じていた。
しかし金利が上昇すると年金債務の水準は低下し、
バランスシートに対する圧力は弱まった
(ただし、
今回のように債券価格の下落という形である程度
の影響はあるかもしれない。年金資産において債
券に対する配分比率は、
多くの場合大きいからだ)
。
フランセリーズ氏によると、年初からの市場を反
映して米国企業全体の年金資産は少なくとも 8%
増加したことになる。同氏は、米国企業全体では
必要額の 86%を 5 月末現在で積み立てている状
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態にあると推計しており、
「年金資産の積み立て状況は非常に改善し、大きな好材料だ」と述べる。
積み立て不足解消の恩恵は各セクター全体にわたっているが、年金債務が大きく、自社の時価総額と同程度
かそれよりも大きくなっている企業を表にした(前ページ)
。その中には AK スチール(AKS)
、JC ペニー
(JCP)およびボーイング(BA)が含まれている。ただし個別企業がどれほどの恩恵を受けているかは、各
社の次のアニュアルレポートが出されるまで分からないのだが。
■ 主要指標
DJ Industrials
DJ Transportation
DJ Utilities
DJ 65 Stocks
DJ US Market
NYSE Comp.
Amex Comp.
S & P 500
S & P MidCap
S & P SmallCap
Friday's
Close
15135.84
6289.96
476.94
5087.30
410.83
9214.18
2274.41
1631.89
1186.11
568.15
Week's
Change
+226.24
+116.10
-8.96
+52.64
+6.82
+101.48
+28.68
+25.61
+25.29
+17.63
Week's %
Chg.
+1.52
+1.88
-1.84
+1.05
+1.69
+1.11
+1.28
+1.59
+2.18
+3.20
Nasdaq
Value Line (arith.)
Russell 2000
DJ US TSM
3479.38
3758.94
1005.39
17066.43
+76.13
+78.01
+27.91
+295.12
+2.24
+2.12
+2.86
+1.76
Alcoa Inc (AA)
NYSE
Advances
Declines
Unchanged
New Highs
New Lows
Dollar (Finex spot index)
T-Bond (CBT nearby futures)
Crude Oil (NYM light sweet crude)
Inflation KR-CRB (Futures Price
Index)
Gold (CMX nearby futures)
AK Steel Holding Corp (AKS)
Last
Week
1,657
1,513
38
295
111
2,728.2
83.23
124-210
103.22
280.72
Week
Earlier
2,308
875
45
168
681
3,892.9
83.14
126-180
96.56
275.62
1212.90
1223.80
JC Penney Co Inc (JCP)
Boeing Co (BA)
チャートは 3 年
By AVI SALZMAN
(Source: Dow Jones)
6. ECB Makes It Clear: No Rate Hikes Soon 低金利継続
欧州中央銀行の発表 ポルトガルの政権分裂 エジプトの混乱
【欧州市場】
■ 欧州の低金利持続
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は木曜日(4 日)に、金利は「長期間にわたって現在の水準またはそれ
以下にとどまる」と ECB は予想していると述べた。声明の内容は意外ではないが、将来に対する異例とも
いえる率直な指針は過去に例がなく、米連邦準備制度理事会(FRB)の資産買い入れプログラムの縮小に対
する ECB の対応に関する不透明感を払拭(ふっしょく)した。投資家は、ECB が一層の緩和に対する全て
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
の選択肢を維持しているという明確な合図を歓迎した。ユーロは対ドルで 1 セント下落し、欧州の株式市場
は 2.3%上昇した。
今回の発表はドラギ総裁の評判をさらに高めた。またイングランド銀行(英中央銀行、BOE)も木曜日に、
金利上昇は妥当ではなく、英国の景気回復を遅らせる可能性があると述べた。BOE のカーニー新総裁は、
ドラギ総裁と同意見のようだ。FRB は、米国の経済成長率が高まれば市場に注入する資金の額を減らそうと
考えているようだが、欧州は流動性が高く、経済成長率が低い環境が続きそうで、それは債券にとっては朗
報だ。
■ ポルトガルの政情不安
ECB の将来に対する指針はタイミングも良かった。先週ポルトガルでは連立政権が分裂し、政府の脆弱(ぜ
いじゃく)性を裏付けるとともに、同国の金融市場を不安定化させた。政治家は連立の維持に向けた解決策
を模索しているが、ポルトガルの株式市場は 1 週間で 2.7%下落し、10 年国債の利回りは 1 カ月前の 5.7%
から 7.4%へ急上昇した。
南欧諸国は 2011 年に、国際的な支援金として 780 億ユーロを受け取った。ポルトガルは、問題を抱えた他
の欧州連合(EU)諸国とは異なって支援を冷静に受け止めてきたが、同国の労働市場や経済成長率は、期
待ほどは改善しなかった。実際問題として、ポルトガルが元の軌道に戻るためにさらなる支援を必要とする
可能性が高まっている。金曜日にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、ポルトガルのソブリン格
付けの見通しを安定的からネガティブへ引き下げた。最新の問題にプラス面があるとすれば、伝播(でんぱ)
リスクが抑制されているようにみられることだ。ECB のアウトライト・マネタリー・トランザクションズ
(OMT)と呼ばれる資産買い入れプログラムが効果的な防火壁となっている。
ポルトガルで長引いている危機は、財政緊縮が失業者の増加や社会不安などの懸念すべき副作用を引き続き
生み出しているというさらなる証左である。欧州が、過去数年間悩まされてきた金融危機に引き続き取り組
むにつれて、恐らくさらなるショックがあるだろう。欧州の苦境を緩和してくれる経済成長が訪れるまでに
は時間がかかりそうだ。
■ エジプトの混乱
エジプトでは民主的に選ばれた指導者が追放され、中東の不透明感が長引くことを意味している。この混乱
が原油価格上昇の原因とされているが、政情不安が露呈す
る以前から価格は上昇傾向にあったため、それが完全に正
しいともいえない。
また、
エジプトは主要産油国ではなく、
中東からの原油の主要輸送路であるスエズ運河も脅威には
さらされていないもようだ。
エジプトで、株価が 1 日に 6%も変動するなど市場のボラ
ティリティが高まったことは意外ではない。株式市場の現
在の水準は、ムバラク元大統領が辞任する直前の 2011 年
初頭の水準にある。
これは、
民主主義への移行の困難さと、
モルシ前大統領のイスラム主義政治に対する不満を反映し
ている。
モルシ前大統領の支援者と強力なムスリム同胞団のデモが
混乱に拍車をかけるだろう。カタールからの金融支援は継
続される保証がなく、エジプトの経済的な問題がさらに増
えている。エジプトポンドや同国の資産は今後数カ月で下
落する公算が大きい。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
By JONATHAN BUCK
(Source: Dow Jones)
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7. Bonds Tumble On Turbulent Week 債券市場は急落
世界的な政治の混乱と好調な雇用統計を受け、国債利回りは上昇
【米国債券市場】
■ 雇用統計を受け、米国債券市場は急落
米国市場は休日をはさむ週だったが、エジプトのクーデター、ポルトガルの主要閣僚 2 人の辞任、そして 6
月の雇用統計が予想を上回る好調な結果となるなど、国債利回りを押し上げる多くの出来事が起こり、一休
みというわけにはいかなかった。
米国での最大のショックは、
金曜日に労働省が発表した 6 月の雇用統計で、
非農業部門就業者数は 19 万 5000
人増となりコンセンサス予想を上回った。4 月と 5 月の就業者増加数も上方修正された。失業率は 7.6%と
横ばいだったが、債券投資家は、このデータを米連邦準備制度理事会(FRB)が月額 850 億ドルの国債とモ
ーゲージ債の購入額を段階的に縮小させるスケジュールを前倒しにする兆候として受け取った。
FRB が短期金利を引き上げるのはまだ数年先のことだが、最大の債券購入者である FRB の存在を失うとの
見通しから既に債券価格は下落し、最も短期の国債以外の全ての国債の利回りが大幅に上昇した。トレード
ウェブによると、10 年債利回りは金曜日に 23 カ月ぶりの高水準となる 2.736%に上昇した。1 週間前の利
回りは、2.520%、5 月初めは 1.624%だった。
金曜日の雇用統計発表後、JP モルガン、ゴールドマン・サックス、ブラックロックは即座に FRB が量的緩
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
和を縮小し始める時期の予想を従来の 12 月から今年の 9 月に前倒しした。バンクオブアメリカ・メリルリ
ンチは緩和縮小の予想時期を 2014 年 3 月から 2013 年末に繰り上げ、
年末の 10 年国債の目標利回りを 2.4%
から 3%に引き上げた。
国債利回りの上昇が続くことで、市場が FRB の行動を先取りし始めるのはいつかということが問題になっ
てくる。これは、現時点で 10 年債利回りが金融市場の緩和縮小の予想をどれだけ織り込んでいるかという
意味であり、また、インフレ率が依然として非常に低く経済成長も緩慢なことを踏まえると、FRB が実際に
量的緩和を縮小する際に利回りはどれだけ上昇するのかということだ。
■ 金利上昇の影響
FRB 高官の一部が数カ月前に懸念を示していた通り、金利上昇によって既に多くの高利回り資産の価格が下
落している。モーゲージ不動産投資信託(REIT)は金曜日に大幅に下落し、5 月初めからの下落率は約 20%
になる。
債券市場全体を見ると、ジャンク債とバンクローンだけが現時点で 2013 年のリターンがプラスになってい
る。ジャンク債の価格は過去 2 カ月間に下落し、平均価格は 5 月初めの額面 1 ドル当たり 107.2 セントから
同 101.6 セントまで落ち込んだ。平均利回りは 4.97%から 6.58%まで上昇した。
一方、バンクローンは打撃を受けておらず、価格と利回りは実質的にほぼ横ばいだった。これは、投資家が
金利上昇に対するヘッジとして、
変動金利のバンクローンに資金を投入し続けてきたことがその理由にある。
現在一部の専門家は、ジャンク債に割安感が出てきたと指摘して、バンクローンからジャンク債に再び投資
対象を変更している。
ブラックロックのチーフ債券投資ストラテジストのジェフリー・ローゼンバーグ氏は、FRB が短期金利を引
き上げ始めるまでは、バンクローンは実際に金利上昇のプロテクションにはならないだろうという。また、
同氏は、債券とローンのパフォーマンスが最近連動していないことから「現在、われわれが当初債券よりロ
ーンを選好していた理由である相対的な割安感が逆転している。投資家は現在、債券より低いリターンで高
い信用リスクを負担している」と指摘する。
TF マーケット・アドバイザーズのピーター・チール氏は、投資家は国債利回りの上昇と変動金利ローンの
関係を誤解している可能性があると指摘する。なぜなら、バンクローンの金利はロンドン銀行間取引金利
(LIBOR)に基づいているからだ。
「レバレッジドローンは LIBOR に基づいて価格付けがされるため、国
債利回りの上昇がレバレッジドローンに影響を与えることは絶対になく、実際、LIBOR と国債の間のイー
ルドカーブがスティープ化するに伴い、レバレッジドローンの魅力は減退する」と同氏は述べ、過去 1 年半
でイールドカーブは最もスティープだという。
もっと簡単に変動金利のプロテクションが欲しい投資家に対してチール氏は、iシェアーズ・フローティン
グレート・ボンド ETF(FLOT)を推奨する。これは主に金融機関が発行した変動利付債に投資している。
iShares Floating Rate Bond ETF
(FLOT)
チャートは 3 年
By MICHAEL ANEIRO
(Source: Dow Jones)
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
8. Preview 今週の予定
33 連勝に挑むテニスチーム
【経済関連スケジュール】
■ 記録更新に期待
記録とは破られるためにある。そして今、プロ
スポーツチームとしての最多連勝記録が破られ
ようとしている。
あまり知られていないが、マイラン・ワールド・
チームテニス・リーグ(WTT)に所属するワシ
ントン・キャッスルズは、現在 2 シーズンにわ
たって 32 連勝を達成している。7 月 8 日に開幕
する今シーズンでは、バスケットボールチーム
のロサンゼルス・レイカーズが 1971∼72 年に
かけて樹立した 33 連勝の記録を破るのではな
いかとの期待が集まっている。
WTT は 1970 年代初頭にビリー・ジーン・キング氏によって創設された。現在は 8 チームが、ウィンブルド
ン選手権と全米オープンの間の 3 週間の日程で戦いを繰り広げ、テニスファンを熱狂させている。最大の特
徴は、男女混合のチーム戦で、1 試合 5 ゲーム先取制と短いところだ。現役のスター選手だけでなく、期待
の若手やかつてのツアープロなど、さまざまな選手が出場する点も人気の理由となっている。ワシントン・
キャッスルズは、ビーナス・ウィリアムズ、マルティナ・ヒンギス、ケビン・アンダーソン、リーンダー・
パエスといった名選手を擁している。ライバルチームのニューヨーク・スポーツタイムズからは、今シーズ
ンはジョン・マッケンロー選手が出場する予定となっている。
起業家のマーク・エイン氏がオーナーを務めるワシントン・キャッスルズは、地元のワシントン DC ではと
ても人気がある。
川沿いにあるホームスタジアムで行われる試合のチケットは約2600枚が毎回ほぼ完売し、
ミシェル・オバマ大統領夫人やその娘たちといった有名人も観戦に訪れるという。
WTT のタイトルスポンサーは製薬会社のマイラン(MYL)であるが、今年 5 月には、ビーナス・ウィリア
ムズ選手とアンディ・ロディック選手が共同スポンサーに加わり、5 試合と特集番組の放映権をめぐりテレ
ビ局のテニス・チャンネルと契約を結んだ。観客動員数が伸び悩む中、WTT は注目を集めるための話題を
探している。ワシントン・キャッスルズの勝利による記録更新はその一助となるかもしれない。
By EMILY BARY
■ 今週の国債入札
曜日
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
300 億ドル
250 億ドル
320 億ドル
210 億ドル
130 億ドル
3 カ月
6 カ月
3年
9 年 10 カ月
29 年 10 カ月
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Yields (%)
When Issued*
0.035
0.081
0.748
2.732
3.705
Yields (%)
Last Auction
0.050
0.085
0.581
1.795
2.998
(* 金曜日午後現在)
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
■ 今週の予定
7 月 8 日(月)
・ 3 月消費者信用残高発表。アメリプライズ・ファイナンシャルのシニアエコノミスト、ラッセル・プライ
ス氏は、自動車販売台数と学生ローン契約件数の増加により前月比でやや増加すると予想している。
・ 通信大手スプリント・ネクステル(S)による無線通信大手クリアワイヤ(CLWR)の未保有株 50%の買
収をめぐり、クリアワイヤの株主投票が行われる。
・ 半導体製造装置最大手アプライド・マテリアルズ(AMT)がアナリスト向け説明会を開催。
・ 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、四半期ごとに行われている欧州議会経済金融委員会の公聴会で
証言。
・ ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が開かれる。
・ ディープウォーター・ホライズンでの原油流出事故をめぐって英石油大手 BP(BP)が支払ったとする数
十億ドルについて、ニューオーリンズ連邦地裁の 3 人の裁判官で構成される審査員団が BP から聴取。
・ イスラム教の断食月「ラマダーン」が始まる。
・ 財務省と国務省が主催する米中経済会議が開かれる。
・ ホームセンターのオーチャード・サプライ・ハードウエア・ストアーズ(OSH)が、資産の売却につい
てデラウェア破産裁判所に許可を求める。
7 月 9 日(火)
・ 食品大手ゼネラル・ミルズ(GIS)が、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で 2014 年度投資家向け説明
会を開催。
・ アルゼンチンとブラジルの市場は休場。
・ 連邦預金保険公社(FDIC)が、JP モルガン・チェース(JPM)
、モルガン・スタンレー(MS)
、バンク・
オブ・アメリカ(BAC)
、シティグループ(C)といった銀行に対して債務上限を設定する案を提出する。
同案では、銀行の自己資本比率を総資産の 3∼6%とすることを求めるとみられる。
・ 半導体製造装置メーカーのラム・リサーチ(LRCX)と産業機器メーカーのダナハー(DHR)がアナリ
スト・投資家向け説明会を開催。
・ クラウド・ベースのサービスを提供する j2 グローバル・コミュニケーションズ(JCOM)がデジタル・
メディア・デーを開催。
7 月 10 日(水)
・ 6 月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開される。アメリプライズ・ファイナンシャルのプラ
イス氏は、
「極めて影響力が大きく」
、市場は国債購入プログラムの縮小をめぐって実際にどのような議論
が行われたかに「強い関心を持っている」とみている。
・ 金利の影響を受けやすい、週の住宅ローン申請件数が発表される。
・ 石油大手シェブロン(CVX)が、第 2 四半期の暫定決算を発表。
・ 医療分野を対象とした投資会社セーフガード・サイエンティフィックス(SFE)が、業界コンファレンス
のメドシティ・コンバージに参加。
・ 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が取引終了後に、米国の中央銀行の歴史について講演。
・ 上院農業委員会が、食肉加工大手スミスフィールド・フーズ(SFD)に対する中国企業からの買収提案
について協議。
・ ミュンヘン再保険が、ロンドンで投資家向け説明会を開催。
7 月 11 日(木)
・ 週間新規失業保険申請件数発表。
・ 日銀金融政策決定会合 2 日目。政策金利は据え置かれる見通し。中国がソフトランディングできるかどう
かが議題の中心となるとみられる。
・ 6 月財政収支発表。
・ ファストフード大手ヤム・ブランズ(YUM)が取引開始前に第 2 四半期決算を発表。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
・ バイオ医薬品会社アルナイラム・ファーマシューティカルズ(ALNY)が主催する研究開発会議が開かれ
る。
7 月 12 日(金)
・ 銀行大手の JP モルガン・チェースとウェルズ・ファーゴ(WFC)が第 2 四半期決算を発表。
・ 7 月ロイター/ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)発表。プライス氏は、住宅や雇用市場に関する
消費者の意識が「概ね改善している」として、前月比で上昇すると予想。
・ 製薬大手のイーライリリー(LLY)が取引開始前に第 2 四半期決算を発表。
・ セントルイス連銀のブラード総裁とフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が、グローバル・インターデ
ィペンデンス・センターがワイオミング州で主催するロッキー・マウンテン・エコノミック・サミットで
金融政策と経済見通しについて講演。
・ 医療・科学機器製造・販売カンテル・メディカル(CMN)が 2 株を 3 株に株式分割。
Mylan Laboratories Inc (MYL)
チャートは 3 年
By ROBIN GOLDWYN
BLUMENTHAL
(Source: Dow Jones)
9. Up & Down Wall Street 毎分新たに生まれる
ETF ならあらゆる市場にアクセス可能 雇用統計発表
【コラム】
■ ETF ならあらゆる市場にアクセス可能
「それならアプリがある」
。今やスマートフォンは電話やメールのためだけでなく、手のひらに入るコンピュ
ーターとして使用されている。金融市場でも似た現象があり、どんなものに対しても「それが欲しいなら上
場投資信託(ETF)がある」と言える状態になった。数本の ETF が市場で圧倒的存在になっているところ
もスマートフォン市場と似ている。
ETF の原則は、ある市場への投資を望む投資家に、普通の株式と同じように絶え間なく取引が可能な投資手
段を提供することだ
(従来のオープンエンドのミューチュアルファンドの出入りは 1 日 1 回に限られていた)
。
何十億ドル規模のヘッジファンドから、ごく普通の市民まで、まさに誰でも SPDR S&P 500 ETF(SPY)
を買って、S&P500 指数構成銘柄を保有することができる。年間の運用報酬は 0.1%にも満たないほど安く、
オンライン取引であれば売買手数料もカフェラテ 1 杯分程度だ。
ウォール街は何でも行き過ぎる。ETF もアイデアは良いのだが、どんな資産でも切り分けて、まるでスパゲ
ティを壁に投げつけてゆで加減を試すかのように試行錯誤を繰り返している。ETF は主要な株式指標からも
派生している。SPDR ダウ工業株平均(DIA)あるいはナスダック市場の非金融上位 100 銘柄をトラッキン
グするパワーシェアーズ QQQ(QQQ)はその例だ。
多くの投資家が地図上で位置を特定できないような市場への参入も ETF なら可能だ。以前なら、地元のブ
ローカーを通じるしか入手方法がなかった上、情報開示も不透明で、企業名の発音もままならなかった。と
ころが、ETF であれば、そんな市場への投資も簡単にできる。かくして「投資旅行者」
(ヘッジファンド・
マネジャーのカイル・バス氏の言葉を拝借)の世代が誕生した
例えば、カイロでの抗議デモをテレビで見た人は、その影響についての意見をマーケット・ベクトル・エジ
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
プト・インデックス ETF(EGPT)を通じて表明することもできる。この ETF の売買高はさほど多くはな
いが、先週は 16%上昇した。
「投資旅行者」は、数年前には「アラブの春」を称賛したが、今や軍事政権で
うわべだけでも秩序が維持される方が好ましいと考えているようだ。
まだ誕生していないが、興味深い ETF 創設のニュースもあった。フェイスブック(FB)のアイデアを考案
したと主張していたタイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏の兄弟が、今度は仮想通
貨のビットコインに目を付け、ビットコインの価値に対して投機するファンドを ETF として上場しようと
申請を行った。しかし、本当に通貨として機能するためには、富の貯蔵庫として価値が安定していなければ
ならないものだが、そもそもビットコインの価値が安定しているなら、そのデリバティブを取引したがる人
もいないだろう。
ビットコインは中央銀行に操作されない通貨に対する欲求をとりあえず形にしたものだ。価値の貯蔵庫、そ
して交換手段として長らく使用されてきた金の価格が下落している。金の価値は中央銀行への信頼の強さと
逆に動くもので、市場が中央銀行の管理する通貨を信じたがっていることは明白だ。マーケット・ベクトル
金鉱株 ETF(GDX)の先週の終値は、昨年のピーク時から 58%も下落していた。
ビットコインの価格も、春のピーク時から 50%以上も下落したが、それでもファンは懲りない。また、流動
性の低い資産を裏付けとする流動性の高いデリバティブという根本的矛盾があっても ETF の設定を思いと
どまらせることはない。ジャンク債や地方債の ETF でも同様のことが言える。ちなみに、ビットコインの
ビットは、デジタル情報の最小単位の呼称であるが、植民地時代にスペインのドルの 8 分の 1 もビットと呼
ばれていた。25 セント硬貨が「2 ビット」と呼ばれるに至ったのはこういうわけだ。
25 セント硬貨は 1964 年まで銀製で、結構価値があったものだが、その後の金融操作のおかげで値打ちが下
がってしまった。特に 1971 年にドルの金本位制が停止されたことも大きい。しかし、米国は突出して世界
最大の経済大国であり、米ドルに代替するものはいまだない。ユーロもいまだドルに取って替わるほどでは
なく、中国人民元はようやく国際的決済に限定的に使用され始めたばかりだ。ビットコイン ETF は金融界
の錬金術の最たるものに思える。少なくとも、サブプライムローンに関連するトリプル A 格のデリバティブ
の消滅以来のことだ。サイバースペースにだけ存在する通貨を基にしたデリバティブの上場などと聞けば、
P・T・バーナムがどこかで笑っていそうだ(毎分カモが生まれると言ったと伝えられている)
。
■ 雇用統計発表
雇用統計の発表があった。ニュースの見出しに載るのは事業所調査の数値で、失業率は世帯調査に基づいて
計算される(失業率は 7.6%と前月と変わらず)
。世帯調査による数値は月ごとの変動が大きく、大手金融会
社のエコノミストはあまり注意を向けなくなっている。しかし、マクロメイブンズのステファニー・ポムボ
イ氏は世帯調査を読み、パートタイム雇用の 36 万人増に対し、フルタイムの雇用は 24 万人減少したと指摘
している。このように、経済的理由からパートタイムで働いていたり、職探しをあきらめたりした人などを
含めた不完全雇用を示す「U-6」失業率は、5 月の 13.8%から 6 月は 14.3%に上昇した。
医療保険制度改革(通称オバマケア)の下で 50 人以上のフルタイムの従業員を雇用する会社は医療保険の
提供を義務付けられることになったが、これを 1 年先送りするとのホワイトハウスの発表があった後にパー
トタイム雇用急増のニュースが報道された。
それはさておき、米連邦準備制度理事会(FRB)は 9 月から債券購入の段階的縮小を開始すると市場は想定
しているようだ。同時に、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英国中銀)は、FRB のいわゆるフ
ォワードガイダンスを採択した。先週、ECB が金利は長期にわたり低く据え置かれると明言したため、ドル
がさらに上昇した。
株式市場の注目は今や企業の業績に向いている。まずアルコア(AA)を皮切りに、決算発表シーズンが始ま
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
った。投資家は、終了した四半期よりも、次の四半期についてより良いガイダンスを求めている。多国籍企
業にとってドル高は重しになるだろう。また、30 年物国債の金利が 5%を超えたりしたならば、固定金利の
住宅ローンは住宅市場にとってマイナスとなるだろう。住宅建設銘柄の株価下落にその気配が感じられる。
全般に、企業の利益は市場の方向を示すことになるだろう。
SPDR S&P 500 (SPY)
SPDR Dow Jones Industrial Average
ETF (DIA)
PowerShares QQQ Trust, Series 1
(QQQ)
EGPT (EGPT)
Facebook Inc (FB)
Market Vectors Gold Miners ETF
(GDX)
Alcoa Inc (AA)
チャートは 3 年(FB は 1 年)
By RANDALL W. FORSYTH
(Source: Dow Jones)
10. Praying For An Immaculate Rotation 完璧なローテーションへの願い 【株式市場展望】
上半期の相場総括 ファストフードの割高銘柄
■ 債券から株式へのローテーションが開始したが、本格化にはハードルも
聖母マリアの処女懐胎(immaculate conception)から 2000 年余り、そしてマドンナの大ヒット・アルバム
「Immaculate Collection」 から 23 年経った今、世界は「完璧な(immaculate)
」ローテーションを願っ
ている。
ローテーションとは、言うまでもなく、債券から株式など他の資産への秩序ある資金シフトを指す。今回の
債券の強気相場は過去最大のものだっただけに(10 年物米国債利回りは 1981 年の 16%から 2012 年には
1.4%に低下)
、その巻き戻しはリスクをはらんでいる。
7 月 5 日(金)に発表された 6 月の雇用統計では、非農業部門就業者数が 19 万 5000 人増となった。株式市
場では好材料とみなされたのに対し、債券は売り込まれ、10 年物米国債利回りは 2.7%を突破して 2 年ぶり
の高水準を記録した。2013 年上半期は債券の強気相場の最終局面だったとの指摘がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)は大量の債券を購入し続けているものの、バークレイズ米国総合債券インデ
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
ックスの 4-6 月期のパフォーマンスは過去 9 年間で最悪となった。だが、株式が持続的にリターンを生み出
さなければ、債券から株式への移行が本格化したと言うには程遠い。FRB が資産価格を押し上げるためにあ
らゆる措置を講じたにもかかわらず、物価上昇率は 1960 年以降最低の水準にある。欧州の景気後退は深刻
の度を増し、中国の経済成長は減速し、緊迫化する中東情勢はニュースの第一面をにぎわしている。FRB の
金融支援から経済のファンダメンタルズへと焦点をシフトした投資家の間では、企業の利益率が既に高水準
に達している点や売上高が伸び悩んでいる点が懸念されている。
しかし、今夏の株価調整によって投資家のセンチメントが急速に後退したのは支援材料だ。バンクオブアメ
リカ・メリルリンチはウォール街の証券会社が推奨する株式の配分比率を追跡したところ、最近の目標配分
比率は 49.8%と 13 カ月ぶりの高水準に達したものの、60%∼65%の長期平均を依然として下回ることが分
かった。チャールズ・シュワブが 6 月半ばに実施した顧客調査によると、約 20%が過去 3 カ月間にキャッシ
ュ・ポジションを高めた一方で、株式投資の好機であると考える者は 49%にとどまった。
ビスポーク・インベストメント・マネジメントは上半期の相場を次のように総括している。S&P500 指数の
時価総額下位 50 銘柄のリターンは 21.9%と、上位 50 銘柄の 13.3%を凌いだ。低株価収益率(PER)下位
50 銘柄のリターンは 26.7%と、上位 50 銘柄の 13.8%を凌いだ。また、無配のリターンは 19.9%と、配当
上位 10%の 12.2%を上回り、空売り上位銘柄のリターンは 22.6%と、下位銘柄の 14.3%を上回った。さら
にアナリストのレーティング下位 10%のリターンは 22.7%と、上位 10%の 13.5%を上回る結果となった。
■ ファストフードの割高銘柄
ドーナツチェーン大手の「ダンキン・ドーナツ」やアイスクリーンチェーンの「バスキン・ロビンス」を展
開するダンキン・ブランズ・グループ(DNKN)は 2 年前に 1 株当たり 19 ドルで新規株式公開(IPO)を
果たした。その後、株価は急上昇し、現在 44 ドルを突破している。2013 年予想 PER は 29 倍と、マクドナ
ルド(MCD)の 17 倍、レストラン・セクターの平均 21 倍を上回る。市場の調整局面にもかかわらず、同
社の株価は 52 週最高値を更新中だ。
国内外で積極的な店舗拡大を図る同社だが、投資家の高い期待を背景に好材料の大半は既に株価に織り込み
済みとみられる。ファストフード業界は競争が激しく、値引きが常態化する中で、ダンキンの純負債は 16
億ドルと、2013 年予想キャッシュフローの 3 億 7200 万ドルの 4 倍以上に達し、負債・配当支払い控除後の
フリーキャッシュフロー利回りは約 0.3%まで低下している。このため、借入コストが上昇すれば、返済負
担が膨れ上がるのは目に見えている。
ウォール街のアナリストは、1 杯分ずつ包装されたコーヒーサーバー専用の「K カップ」やサンドイッチの
新しいレシピなど、いわゆるイノベーションをしきりに持ち上げるが、ベーコンや卵をはさんだドーナツが
画期的なヒット商品になることはあるまい。ドーナツは時々食べるにはおいしいが、よくても「完璧な」お
菓子にすぎない。
Dunkin Brands Group Inc (DNKN)
McDonald's Corp (MCD)
チャートは 3 年
By KOPIN TAN
(Source: Dow Jones)
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
2013 年 特集記事年間予定表
January
14 ETFs Quarterly Report
14 Mutual Funds Quarterly Report
21 The Barron’s Roundtable, Part 1
21 Davos World Economic Forum
28 The Barron’s Roundtable, Part 2
28 Davos World Economic Forum
28 Hedge Funds Monthly Report
February
4 The Barron’s Roundtable, Part 3
11 Fund Families Special Report
18 America’s Top 1,000 Advisors: State-by-State
25 MLP Roundtable
25 Hedge Funds Monthly Report
March
4 Barron’s PENTA: Where the Wealthy Are Investing Now
11 Review of Online Brokers
18 ETFs Roundtable
25 World’s Best CEOs
25 Hedge Funds Monthly Report
April
8 ETFs Quarterly Report
8 Mutual Funds Quarterly Report
15 America’s Top 100 Financial Advisors
22 Big Money Poll: Barron’s Survey of U.S. Money Managers
29 Hedge Funds Monthly Report
May
6 Barron’s 500: Best-Performing Companies
13 ETFs Roundtable
20 Barron’s PENTA: 100 Best-Performing Hedge Funds
27 Retirement: America’s Top 50 Annuities
27 Hedge Funds Monthly Report
June
3 America’s Top 100 Women Financial Advisors
10 The Barron’s Roundtable, Midyear Recap
17 Most-Respected Big Companies
24 Retirement
24 Hedge Funds Monthly Report
Special News Reports
July
8 ETFs Quarterly Report
8 Mutual Funds Quarterly Report
15 America’s Top Advisory Teams
22 Barron’s ETFs Handbook
29 Hedge Funds Monthly Report
August
5 Best and Worst Run States
12 MLP Roundtable
19 America’s Top 100 Independent Financial Advisors
26 Hedge Funds Monthly Report
September
2 Equity Strategists’ Fall Outlook
16 Barron’s PENTA: Ranking Elite
Wealth Management Firms
30 Hedge Funds Monthly Report
October
7 ETFs Quarterly Report
7 Mutual Funds Quarterly Report
21 Technology Outlook
28 Big Money Poll: Barron’s Survey of U.S. Money Managers
28 AOSI: Picks and Insights
28 Hedge Funds Monthly Report
November
4 Investing in Brazil
11 Retirement
18 ETFs Roundtable
25 Hedge Funds Monthly Report
December
2 Barron’s PENTA: Rating Philanthropies
9 Barron’s Favorite Stocks for 2014
16 Outlook 2014: What’s Ahead for Stocks, Bonds & Mutual Funds
30 Hedge Funds Monthly Report
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
THIS WEEK’S MAGAZINE
BARRON'S COVER
1. The New Breed of Income Fund
Kapadia
By Reshma
Multi-asset income funds cast a wide net for yield, and take very
different approaches. Here's a look a five of them that have
achieved solid returns.
2. Investors, Brace Yourselves
Strauss
By Lawrence C.
Chief investment officer for JPMorgan Asset Management Paul
Quinsee is optimistic about stocks, particularly those in the
automotive, financial, and cyclical industries, but warns that
investors need to get used to some volatility.
3. The Climb Gets Tougher
By J.R. Brandstrader
Small-cap and mid-cap U.S. stocks did the best in first half. Out
of favor: bonds, precious metals, and foreign equities (except
Japanese shares).
Feature
Endgame for the Dell Buyout
By ANDREW BARY
4. A Winning Year, So Far
By ANDREW BARY
Michael Dell is losing ground in his bid to buy his namesake
company. Carl Icahn and Dell shareholders could be the
winners.
Big gains from Chiquita Brands, Delta Air Lines and Live
Nation have helped lift our 2013 stocks picks 7.4%, more than
double their benchmarks' rise. Our short picks, including
Uni-Pixel and Linn Energy, fell 21.2%.
Earnings: Low Expectations, High Hopes
By
RANDALL W. FORSYTH and JOHANNA
BENNETT
As earnings season gets under way, negative earnings
preannouncements are running at the highest level since 2009.
Time for some upside surprises?
A Healthy Way to Play Health Care
HOUGH
By JACK
UnitedHealth Group's scale will allow it to focus on profit
margins rather than market share in the early stages of the
Obamacare rollout.
Switzerland: Europe's
RICHARD C. MORAIS
Art
Hub
EDITOR
Power to the People
By ALEXANDER EULE
Penta takes an appreciated look at the taste
tradition-smashing art among the tidy and orderly Swiss.
for
Ric Edelman serves the masses, not the classes. Unlike most top
financial advisors, he'll handle accounts as small as $5,000. How
he has used that concept to build an empire.
Our Picks Trounce the Russell 2000
ENGLANDER
By DAVID
Since last July, our 40 picks have returned 24.6%, compared
with 12.3% for that small-stock benchmark. Why we still like
Chiquita Brands, Ruby Tuesday, and Wendy's.
A Century of Income Taxation
THORNDIKE
By JOSEPH J.
A centennial without celebration
MARKETWEEK
The Trader
5. Heat Rises: Dow, S&P Up 1.5% on the Week
AVI SALZMAN
By
As the Fed takes the economy's training wheels off, there may
be considerable wobbles ahead.
International Trader – Europe
6. ECB Makes It Perfectly Clear: No Rate Hikes
Soon
By JONATHAN BUCK
European Central Bank's statement on interest rates eases
sovereign-debt tensions. Ouster of Morsi sinks Egyptian shares.
Emerging Markets: A Career-Killing Sequel?
BEN LEVISOHN
By
Current Yield
7. Bonds Tumble on Turbulent Week
MICHAEL ANEIRO
By
Emerging markets stocks were on a tear—until they stopped.
This year has been the Hudson Hawk to what had been akin to
the Die Hard franchise. The good news is that stocks are looking
cheap; the bad is that they could still get cheaper.
Global political turmoil and strong U.S. jobs data conspired to
push up yields on government debt.
BlackRock: Volatility Is an Asset
SEARS
By STEVEN M.
The world's biggest asset manager recommends that clients
consider volatility as an asset class and include a strategy using
it in their portfolios.
Step on the Gas
By JERRY A. DICOLO
With gasoline inventories rising and prices dropping, drivers
can feel better about their summer getaways, and investors who
bet on lower prices can smile, too.
DEPARTMENT
•Charting the Markets
• Market Watch
•Research Reports
•Review
8. Preview
•Follow Up
•Insider Transactions
•Corrections Amplification
•Mailbag
•13DFilings
COLUMNS
Up and Down Wall Street
9. One Born Every Minute
By RANDALL W.
FORSYTH
As exchange-traded funds pour into the market, more of them
are of dubious value. Consider the Bitcoin ETF.
Streetwise
10. Praying for an Immaculate Rotation By KOPIN
TAN
The Great Rotation out of bonds and into stocks has begun,
though it faces hurdles. Plus: first-half equity performance and a
look at Dunkin' Brands.
As Software Takes Over, Networking Gear Could Be
in Jeopardy
By TIERNAN RAY
Software-defined networking threatens hardware makers,
including Cisco Systems, F5 Networks, and Juniper Networks.
VMware could be a winner. How Cisco is striking back.
Channeling Peter Lynch
By MIKE HOGAN
These three sites mimic stock valuation methods pioneered by
the famous manager of Fidelity's Magellan fund.
Payouts Head for Another Annual Record
SHIRLEY A. LAZO
By
June Data Is a Star-Spangled Disappointment
GENE EPSTEIN
By
Anti-Tax, Anti-Spending,
HOWARD FLINKER
By
Dividends this year are running 13.9% ahead of 2012's
all-time-high level. And, according to payout maven Howard
Silverblatt, the upward trend is intact.
While nonfarm payrolls rose, two key indicators discourage
hopes that even 3% annual gains in real gross domestic product
are on the immediate horizon.
Pro-Growth
"Cutting tax rates and cutting government spending almost
always leads to higher tax revenues and more-successful
economies," writes investment manager Howard Flinker.
The Case for Coal
By JIM MCTAGUE
There may be a glut of gas in this country, but not in New
England and parts of the Midwest, where shutting down coal
plants could lead to blackouts. The unintended consequences of
Obama's new clean-energy policy.
Threat to Indian Outsourcing By ASSIF SHAMEEN
Immigration bills from Australia, Canada, and the U.S. don't
augur well for information technology giants and their margins.
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Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.
バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 8 日号
『バロンズ拾い読み』
発行
Dow Jones & Company, Inc.
監修
時事通信社
編集人
川田 重信(かわた しげのぶ)
大和證券入社後 1986 年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現 UBS)証券を経て 2000
年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学 MBA。
バロンズ拾い読み 主要作成者の略歴(五十音順)
内田 薫(うちだ かおる)
大和証券グループでロンドン、マニラなどの海外勤務を含め、アナリスト活動を中心に国内外の調査業務に従事。2009
年より翻訳活動。東京工業大学機械工学科卒。日本証券アナリスト協会検定会員。
西田 万里子(にしだ まりこ)
旧東京銀行(三菱東京 UFJ 銀行)にて外国送金業務に従事した後、フリーランス通訳・翻訳に転向。現在同志社大学
講師を兼務。神戸大学教育学部教育心理学科卒。英国リーズ大学国際学修士。
西村 嘉洋(にしむら よしひろ)
プロクター&ギャンブルのファイナンス・IT 部門で長らくマネジャーを務め、欧州、米国、アジア各国で勤務経験が
ある。京都大学大学院 情報工学 情報工学科修士、ロンドン大学大学院 金融経済学修士。
発行
『バロンズ拾い読み』 (2013 年 7 月 8 日号)
: Dow Jones & Company, Inc
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: 時事通信社
製作
: エグゼトラスト
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※ 当誌は、時事通信社が Dow Jones & Company, Inc. の発行する BARRON’S 誌の内容を利用して作成したもの
です。
※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありませ
ん。当誌はダウ・ジョーンズ社が信頼できると判断した資料およびデータ等に基づき作成しておりますが、その
正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもので
はありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
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