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平成21年度(PDF 1474KB)
平成21年度 業 務 報 告 第42号 香川県森林センター 目 次 Ⅰ 試験研究・調査 BAP 処理によるマツ雌性誘導試験Ⅶ(第 3 報)・・・・・・・・・・・・・ 1 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 BAP 処理によるマツ雌性誘導試験Ⅷ(第 2 報)・・・・・・・・・・・・・ 3 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 BAP 処理によるマツ雌性誘導試験Ⅸ(第 1 報)・・・・・・・・・・・・・ 4 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 希少糖に関する研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 キンイロアナタケによるヒノキ根株腐朽被害に関する試験・・・・・・・ 穴吹 浩之 内原 伸司 進藤 猛 横山 桂一郎 蓮池 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 伸司 横山 7 満男 雨水のpH及び電気伝導率測定調査・・・・・・・・・・・・・・・・・ 内原 6 将道 マツノマダラカミキリ発生消長調査・・・・・・・・・・・・・・・・・ 内原 5 9 桂一郎 クリ品種特性調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 竹林伐採調査(第2報) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 穴吹 浩之 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 スギ・ヒノキ等花粉観測(花芽ちゃん花粉情報) ・・・・・・・・・・・15 横山 桂一郎 ハンディGPSを活用した森林管理の手法 ・・・・・・・・・・・・・・17 横山 桂一郎 低コスト搬出間伐工程調査(平成 21 年度林業技術現地適応化事業)・・・19 川波 伊知郎 櫻井 幹久 内原 i 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 Ⅱ 育種関連事業 マツノザイセンチュウ抵抗性育種事業(接種検定) ・・・・・・・・・・25 穴吹 浩之 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 優良種苗確保事業(抵抗性マツ採種園の種子生産量と発芽率) ・・・・・・29 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 Ⅲ 普及指導・研修 森林センターにおける普及啓発活動の取り組み ・・・・・・・・・・32 Ⅳ 森林センターの施設利用状況等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・35 ii Ⅰ 試験研究・調査 BAP 処理によるマツ雌性誘導試験Ⅶ(第 3 報) 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 1.目的 平成19年度に BAP 処理した雌性誘導試験Ⅶの球果結実及び種子生産結果について報 告する。 2.方法 BAP 処理をおこなった対象木ごとに球果を採取し、BAP 由来の球果個数と球果重量、種 子重量、発芽率を調査した。 3.結果 BAP 由来の球果個数・球果重量・種子生産量を表-1 に示す。 表-1 抵 抗 BAP 由来の球果個数・球果重量・種子生産量 性 供 試 処 理 結果成功 球 果 球果全重量 BAP 球果1個 精 選 種 子 ア カ マ ツ 本 数 頂芽数 箇所数* 個 数 (g) 当り重量(g) 総 重 量 (g) (本) 真 備 5 8 1 25 - - - - - 大 宰 府 4 1 25 3 13 40.23 3.09 0.35 久留米79 1 25 - - - - - 大分155 1 25 8 27 44.17 1.64 0.43 佐賀関117 1 25 1 2 4.29 2.15 - 5 125 12 42 88.69 2.11 0.78 合 ※ * 計 BAP 処理は、平成 19 年 9 月 13 日に実施した。 結果成功箇所数 BAP ペーストを塗布した頂芽のうち球果が形成された箇所数。 1 BAP 球果と通常球果の年度別生産量を表-2 に示す。 表-2 BAP 球果と通常球果の年度別生産量 BAP 試験名 供試 供試 球果全個数 球果 BAP 球果1個 種子 (球果採取年度) 本数(本) クローン数 (個) 全重量(g) 当り重量(g) 総生産量(g) 試 験 Ⅰ ( H1 5 ) 16 10 1,956 10,340.0 5.3 162.40 試 験 Ⅱ ( H1 6 ) 62 14 1,097 3,739.2 3.4 10.47 試 験 Ⅲ ( H1 7 ) 23 14 481 2,345.7 4.9 61.60 試 験 Ⅳ ( H1 8 ) 45 12 1,355 6,491.1 4.8 23.04 試 験 Ⅴ ( H1 9 ) 21 13 2,278 15,083.8 6.6 355.68 試 験 Ⅵ ( H2 0 ) 10 10 320 1,217.0 3.8 2.82 試 験 Ⅶ ( H2 1 ) 5 5 42 88.7 2.1 0.78 通常球果 球果全個数(個) 球果1個当り重量(g) 種子総生産量(g) 球果採取年度 H15 11,218 10.9 3,281 H16 5,317 7.9 2,636 H17 4,852 22.5 3,060 H18 2,224 20.3 1,197 H19 14,437 15.2 6,380 H20 28,589 14.8 11,050 H21 20,428 11.2 5,813 2 BAP 処理によるマツ雌性誘導試験Ⅷ(第 2 報) 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 1.目的 平成20年度に BAP 処理した抵抗性アカマツの雌性誘導試験Ⅷの雌性誘導結果につい て報告する。 2.方法 平成20年9月に BAP 処理した頂芽について雌性誘導が成功しているか確認した。通常、 雄花が形成される位置に雌花が形成されている場合を成功とみなした。雌性誘導試験の調 査項目は表-1 のとおりである。 試験は森林センター内の抵抗性アカマツ採種園でおこなった。頂芽に BAP を塗布処理し た枝は作業者の手が届く範囲(約 1.2m-1.8m)とした。各家系1個体を実験に用いた。 表-1 雌性誘導試験の調査項目 項目 内容 雌性誘導成功頂芽数 BAP による雌性化が確認できた頂芽の箇所数 着花数 BAP 処理頂芽に由来して形成された雌花の数 平均着花数 着花数を雌性誘導成功頂芽数で除した値 雌性誘導成功率 雌性誘導成功頂芽数を処理頂芽数で除した値×100 3.結果 雌性誘導の結果を表-2 にまとめた。 なお、平成22年度に球果を収穫し、生産量調査をおこなう。 表-2 雌性誘導の結果 平成20年9月5日(BAP処理) 抵抗性 雌性誘導 母 樹 処 理 本 数 頂芽数 アカマツ 雌性誘導 平均着花 成功頂芽 着花数 成功率 数 数 (%) 久留米142 2 50 - - - - 松 島 7 0 2 50 - - - - 有 7 2 50 - - - - 大 分 1 6 7 2 50 - - - - 佐賀関108 2 50 3 8 2.7 6.0 佐賀関 113 2 50 - - - - 佐賀関162 2 50 6 39 25 0.6 明 6.5 12.0 5.2 2.6 1 母樹当り 平均 3 3.4 BAP 処理によるマツ雌性誘導試験Ⅸ(第 1 報) 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 1.目的 BAP 処理による抵抗性アカマツの雌性誘導の効果を確認する。 2.方法 (1)処理方法 抵抗性アカマツについて、10家系を選定し、ペースト状にした BAP を頂芽への塗 布とした。これまでの雌性誘導試験においてアカマツの結果が思わしくないため、BAP の濃度を従来の2,000ppm から5,000ppm へ高めることとし、シリンジを用い て花芽1個につき2ml を塗布した。 (2)処理時期 平成 21 年 9 月 11 日に処理した。表-1 に処理の概要を示す。 表-1 BAP 処理について 抵抗性アカマツ 供試 処理 処理 本数 枝数 芽数 家系名 大分166 1 3 30 久留米79 1 3 30 佐賀関90 1 3 30 太良122 1 3 30 大宰府4 1 3 30 高松1 1 3 30 岡山82 1 3 30 由岐25 1 3 30 松島70 1 3 30 有田49 1 3 30 合計 10 30 300 処理する枝は作業者の手が届く範囲(約 1.2m-1.8m)とし、各家系1個体を実験に 用いた。 3.今後の調査 平成22年度に雌性誘導結果を調査し、23年度に球果を収穫し生産量調査をおこなう。 4 希少糖に関する研究 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 香川県森林センターは平成14年度から平成18年度まで希少糖を核とした高松地域知 的クラスターの参画機関として、希少糖に関する基礎研究をおこなっており、動植物(セ ンチュウ・樹木)に対する影響評価試験をおこなってきた。 平成19年度からは香川大学と共同で、動植物に対する影響評価試験をおこなっている。 (主な試験) 樹木への影響評価試験 希少糖 ③希少糖を用いた医薬 品・食品等の開発 5 希少糖を活用した ②希少糖の大量生産 技術の確立 糖質バイオ産業の創出 新しいライフサイエンス (糖生命化学)の創出 ①希少糖の基礎的研究基盤の確立 キンイロアナタケによるヒノキ根株腐朽被害に関する試験 穴吹 浩之 内原 伸司 進藤 猛 横山 桂一郎 蓮池 将道 1.目的 県内ヒノキ林においてキンイロアナタケによる根株腐朽被害が確認された。この菌によ る腐朽被害を最小限に抑えるため、腐朽被害の材に及ぼす影響、菌の感染経路、分布状況 を明らかにし、主伐期までの管理方針や収穫後の再造林のためのデータの収集を目的とす る。なお、キンイロアナタケに関する専門的な調査は、森林総合研究所森林微生物研究領 域微生物生態研究室田端雅進室長に依頼した。 2.方法 ヒノキ人工林間伐施行地において伐根を調査し、被害率及び被害の分布状況などを調 査した。 3.結果 調査結果は、表-1のとおりである。 表-1 調査結果 区 分 調査地 1 調査地 2 調査地 3 面積(㎡) 5,489 16,312 8,819 林齢(年生) 45 52 45 調査本数(本) 50 50 50 被害率(%) 16 40 18 シカ剥皮被害率(%) 2 2 4 6 マツノマダラカミキリ発生消長調査 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 白川 照生 満男 1.目的 松くい虫被害の原因となるマツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリの発生 状況を調査するとともに、気象条件との関連を把握することによって、マツノマダラカ ミキリの発生時期を予測するための基礎資料を得る。 2.方法 マツ材線虫病被害木を網室に入れ、夏季に羽化脱出するマツノマダラカミキリ成虫数を 雌雄別に調査した。有効積算温量(一日の平均気温から発育限界温度を引いた数値を積 算したもの)は財田測候所の気温データから11℃を減じた温度を積算して算出した。 なお全羽化脱出頭数に占める累積脱出頭数を脱出率として求めた。 3.結果 羽化脱出数の推移について図-1に、有効積算温量と脱出率について図-2にまとめた。 また、表-1に脱出初日から脱出終了日までのデータをまとめた。 10 100 9 90 8 80 脱 出数 7 70 脱 出率 6 60 5 50 ( % ) 脱 出 数 脱 出 率 4 40 3 30 2 20 1 10 0 0 6/1 6/6 6/11 6/16 6/21 6/26 図-1 7/1 7/6 7/11 羽化脱出数の推移 7 7/16 7/21 7/26 7/31 1200 100 1100 90 1000 80 900 70 800 有 700 効 積 600 算 温 500 量 60 脱 出 率 50 ( % ) 40 400 30 300 20 有効積算温量 脱出率 200 10 100 0 0 6/1 6/6 6/11 6/16 6/21 図-2 6/26 7/1 7/6 7/11 7/16 7/21 7/26 7/31 有効積算温量と脱出率 今年度の発生消長調査では、総数で42匹得られた。脱出初日は平成20年度に比べ 24日早く、50%脱出日は19日早く、脱出終了日は15日早かった。 表-1 観測日 脱出初日 H21. 6. 1 50%脱出日 脱出初日から脱出終了日までのデータ 脱出頭数(♂/♀) 1( 1/ 脱出率(%) 有効積算温量 0) 2.4 327.4 H21. 6.25 21(10/11) 50.0 601.4 90%脱出日 H21. 7.10 40(12/28) 95.2 806.4 脱出終了日 H21. 7.24 42(13/29) 100.0 1,009.6 8 雨水のpH 及び電気伝導率測定調査 伸司 内原 横山 桂一郎 1.目的 雨水のpH および電気伝導率(EC)を測定し、季節及び雨量と酸性雨の降雨パターン を明らかにするとともに、継続的にデータを採取し環境変動の資料とする。 2.方法 森林センター内に雨水の採取措置を設置し、平成21年4月1日から平成22年3月 31日までの測定可能な降雨ごとに雨水を採取してpH とECを測定した。pH 測定につ いては東亜電波工業株式会社製 HM-30S を、EC 測定については株式会社堀場製作所製導 電率メータ ES-51 を使用した。 3.結果 調査中の季節変動を図-1に示す。また、表-1にpH、EC の最大値、最小値などをまと めた。 pH EC 7.0 10 9 6.0 8 5.0 6 pH 4.0 5 3.0 4 3 2.0 2 1.0 1 図-1 表-1 pHおよび EC の年変動 pH、EC の最大値、最小値 測定日数 最大値 最小値 年間降水量 (降雨日数) 1,240.5mm pH 6.04 (H22. 1.15) 4.01 (H21.12. 8) 31 日 EC 10.440 (H22. 1.15) (財田測候所 0.292 (H21. 8.14) H21.4.1~H22.3.31) ※ ph : 水素イオン指数 EC : 物質の電気に対する伝導性の大小を表す量 9 3月31日 3月16日 3月1日 2月16日 2月1日 1月16日 1月1日 12月16日 12月1日 11月16日 11月1日 10月16日 10月1日 9月16日 9月1日 8月16日 8月1日 7月16日 7月1日 6月16日 6月1日 5月16日 5月1日 4月16日 0 4月1日 0.0 EC(mS/m) 7 クリ品種特性調査 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 白川 照生 満男 1.目的 県内におけるクリの栽培面積は昭和40年代をピークに漸減しているが、その原因とし て労働力の減少、価格の低迷のほか、病虫害による被害が挙げられる。従来からいろい ろな品種の栽培試験をおこなってきたが、それらの中から県内で栽培可能と考えられる 数品種について収量、被害状況について調査し、本県の気候風土に適合する品種を検討 する。 2.方法 銀寄、石鎚、有磨、国見、丹沢の5品種について、収穫した総個数とその重量、被害個 数とその重量を調査した。また、追跡調査対象木の栗については区別して収穫し、これ までの収量と比較をおこなった。なお、平成21年度におこなった栽培管理は、下刈り 4回のみであり、無農薬栽培を実施した。 3.結果 表-1に結果をまとめた。 表-1 品種別収量および被害量調査結果 品 調査 総個数 総重量 良品 良品 被害 被害 個数 重量 種 対象 (個) (㎏) (個) 重量 個数 重量 被害 被害 名 本数 (㎏) (個) (kg) 率 率 (%) (%) (本) 全本数の収量 追跡調査木の収量 丹沢 6 - - - - - - - - 国見 6 - - - - - - - - 有磨 11 2,692 52.82 2,447 48.40 245 4.42 9.1 8.4 石鎚 14 2,826 51.62 2,515 46.75 311 4.87 11.0 9.4 銀寄 9 1,555 30.15 1,375 26.88 180 3.27 11.6 10.8 丹沢 1 - - - - - - - - 国見 1 - - - - - - - - 有磨 1 287 7.31 243 6.35 44 0.96 15.3 13.1 石鎚 1 738 11.04 577 10.01 161 1.03 21.8 9.3 銀寄 1 161 4.46 136 3.77 25 0.69 15.5 15.5 10 竹林伐採調査(第2報) 穴吹 浩之 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 1.目的 輸入タケノコの増加やタケノコの買取価格の長期低迷等から、タケノコの採取や竹材 の利用が減少し、手入れ不足の竹林が拡大・蔓延している。これらの放置竹林を伐採し 造林する際には、竹林の再生を抑制する必要があり、通常は幾年にもわたり、発生して きた竹を刈払い続けなけらばならない。それゆえ、竹林の再生を抑制し、効率良く竹林 を転換する造林技術の開発が求められている。そこで、竹林の伐採時期の違いによって、 翌春の竹の発生に差が出るか検証する。 2.方法 平成20年度に、調査区の設定及び立竹の伐採をおこなった。平成20年6月から平 成21年2月までの間、毎月末に5m×5mの調査区を複数プロット設定し、竹高、胸 高直径及び根元直径を測定した後、伐採し、重量を測定した。 平成21年度には、発生してきた竹を調査した。平成 21 年 4 月 30 日、平成 21 年 5 月 14 日及び平成 21 年 5 月 29 日にプロット内の竹の本数、根元直径及び高さを測定した。 N H20.9 4 H20.9 5 H20.8 4 H20.9 3 チップ H20.8 3 H20.9 2 H20.12 5 H20.12 4 H20.9 1 H20.10 3 H20.11 3 チップ H20.6 3 H20.12 3 H21.1 3 H21.2 3 H20.7 3 H20.6 2 H20.7 2 H20.8 2 H20.10 2 H20.11 2 H20.12 2 H21.1 2 H21.2 2 H20.6 1 H20.7 1 H20.8 1 H20.10 1 H20.11 1 H20.12 1 H21.1 1 H21.2 1 図-1 調査区配置図 11 3.結果 平成21年度の調査結果を示す。 表-1 平成21年度調査結果 平成 21 年 4 月 30 日 伐採 年月 プロット 平成 21 年 5 月 14 日 平均 竹高 (㎝) 本数 (本) 平均根元 直径(㎜) 本数 (本) 平均根元 直径(㎜) 1 23 7.0 83.6 33 6.8 2 42 7.7 84.1 87 3 60 6.7 87.3 75 平成 21 年 5 月 29 日 平均 竹高 (㎝) 平均 竹高 (㎝) 本数 (本) 平均根元 直径(㎜) 110.8 39 6.5 103.8 6.4 100.3 77 7.3 109.9 7.1 103.0 65 6.9 102.9 H20.6 平均 41.7 7.1 85.5 65.0 6.7 103.1 60.3 7.0 106.1 1 23 7.0 80.4 37 7.0 94.9 59 5.4 90.3 2 18 6.6 76.9 29 6.3 88.6 51 5.2 80.6 3 52 7.8 84.8 82 7.4 95.4 94 7.0 95.2 31.0 7.4 82.2 49.3 7.1 93.9 68.0 6.1 90.1 1 52 9.0 81.0 75 10.8 112.7 77 6.3 68.2 2 16 6.9 66.9 42 8.0 87.4 83 7.1 70.5 3 37 10.8 101.8 72 11.3 147.0 88 10.6 147.0 4 27 12.0 112.6 62 10.3 128.4 68 7.7 99.1 9.9 91.6 62.8 10.4 122.2 79.0 8.0 97.4 83.1 H20.7 平均 H20.8 平均 33.0 1 14 26.4 116.8 28 19.6 181.1 54 10.4 2 14 15.9 113.2 31 15.9 149.7 48 10.0 81.0 3 1 85.0 50.0 1 70.0 460.0 10 10.0 103.0 4 18 10.8 107.8 42 10.1 108.1 43 9.3 132.6 5 42 13.8 149.3 20 15.0 190.0 71 12.1 172.3 15.3 16.9 130.0 22.5 15.4 152.7 39.3 10.8 124.0 1 15 30.5 118.7 38 16.7 155.5 89 7.7 76.7 2 15 26.7 105.7 25 20.5 191.6 84 6.4 70.0 3 11 28.0 135.5 20 24.0 231.0 57 9.8 76.1 H20.9 平均 H20.10 平均 13.7 28.4 118.5 27.7 19.6 184.6 76.7 7.7 74.1 1 13 29.8 125.8 22 20.3 201.8 76 8.1 83.8 2 11 39.2 107.3 18 29.9 314.4 61 10.1 88.2 3 6 28.3 176.7 13 25.0 223.1 18 11.5 87.2 平均 10.0 32.9 129.2 17.7 24.7 245.3 51.7 9.3 85.9 1 6 32.3 166.7 13 25.0 246.9 58 9.8 85.2 2 10 37.9 139.5 25 22.2 207.2 69 8.1 70.7 3 6 38.3 101.7 12 22.6 222.5 39 9.3 73.8 4 1 50.0 75.0 41 11.6 148.3 10 10.8 81.0 5 3 21.3 141.7 11 26.1 239.1 28 12.0 85.0 5.2 35.3 134.8 20.4 18.8 193.8 40.8 9.5 77.9 1 8 31.0 126.9 9 28.2 310.0 16 9.6 82.5 2 4 43.3 130.0 7 28.1 298.6 47 8.9 96.0 3 1 12.0 60.0 3 7.3 113.3 15 9.5 73.3 4.3 33.3 122.7 6.3 24.9 274.7 26.0 9.2 88.9 15 24.5 260.7 23 11.9 100.0 H20.11 H20.12 平均 H21.1 平均 1 10 33.5 102.5 2 1 60.0 200.0 1 49.0 600.0 6 12.2 85.0 3 3 11.3 136.7 57 1.4 83.6 14 7.7 61.4 4.7 30.6 116.8 24.3 6.8 127.1 14.3 10.6 85.3 H21.2 平均 12 80 70 H20.6 H20.7 H20.8 H20.9 H20.10 H20.11 H20.12 H21.1 H21.2 本数(本) 60 50 40 30 20 10 0 H21.4.30 H21.5.14 図-2 H21.5.29 発生本数 40 35 H20.6 H20.7 H20.8 H20.9 H20.10 H20.11 H20.12 H21.1 H21.2 根元直径 (㎜) 30 25 20 15 10 5 0 H21.4.30 H21.5.14 図-3 H21.5.29 根元直径(平均) 300 H20.6 H20.7 H20.8 H20.9 H20.10 H20.11 H20.12 H21.1 H21.2 250 高さ(㎝) 200 150 100 50 0 H21.4.30 H21.5.14 図-4 高さ(平均) 13 H21.5.29 3.考察 ① 発生本数については、伐採時期が早いほど多くなる傾向が見られた。 ② 根元直径については、夏季に伐採したものよりも冬季に伐採したものの方がが大き くなる傾向が見られた。 ③ 高さについても、夏季に伐採したものよりも冬季に伐採したものの方がが高くなる 傾向が見られた。 以上のことから、夏季に伐採したものの方が、竹の発生本数は多いが、個々の竹の大き さについては小さく、下刈は容易になると思われる。竹林を夏季に伐採することで、竹林 の再生を抑制し、効率良く竹林を転換することができると考えられる。 14 スギ・ヒノキ等花粉観測(花芽ちゃん花粉情報) 横山 桂一郎 1.はじめに 香川県森林センターでは、平成17年度より財団法人日本気象協会と共同で、スギ・ ヒノキ等の花粉の飛散状況の観測をおこなっている。 2 . 観測 結 果 表-1 平成 21 年度の観測結果 観測日 曜日 天候 平成 22 年 2 月 4 日 木 晴 平成 22 年 2 月 8 日 月 曇 平成 22 年 2 月 16 日 火 曇 平成 22 年 2 月 19 日 金 雪・曇 平成 22 年 2 月 22 日 月 晴 平成 22 年 2 月 25 日 木 晴 平成 22 年 3 月 1 日 月 曇/雨 平成 22 年 3 月 8 日 月 小雨 平成 22 年 3 月 15 日 月 曇/雨 平成 22 年 3 月 15 日 火 晴 平成 22 年 3 月 16 日 水 晴 平成 22 年 3 月 18 日 木 曇 平成 22 年 3 月 20 日 土 晴 平成 22 年 3 月 21 日 日 晴 平成 22 年 3 月 23 日 火 雨 平成 22 年 3 月 26 日 金 晴・曇 平成 22 年 3 月 30 日 火 晴 平成 22 年 4 月 2 日 金 雨/曇 平成 22 年 4 月 5 日 月 晴 平成 22 年 4 月 8 日 木 晴 平成 22 年 4 月 13 日 火 曇 平成 22 年 4 月 19 日 月 曇 平成 22 年 4 月 23 日 金 雨/曇 平成 22 年 4 月 26 日 月 晴 平成 22 年 4 月 30 日 金 晴 平成 22 年 5 月 6 日 木 晴 平成 22 年 5 月 12 日 水 晴/曇 クロマツ花粉終息 平成 22 年 5 月 19 日 水 雨/曇 アカマツ花粉終息 15 備考 観測開始 スギ花粉飛散開始 スギ花粉終息 ヒノキ花粉飛散開始 ヒノキ花粉終息 クロマツ花粉飛散開始 アカマツ花粉飛散開始 図-1 平成 21 年度の花粉飛散数(環境省花粉観測システム「はなこさん」) 写真-1 写真-2 スギの雄花 ヒノキの雄花 16 ハンディGPSを活用した森林管理の手法 横山 桂一郎 1.はじめに 近 年 の技 術 の進 歩に よ りハ ンデ ィ GP Sの 精 度が 良く な って きて お り、閉 鎖 され た 森 林の 中 や、谷 間 など でも 、衛 星を 捉 え、測定 する こ とが 可能 と なっ てき て いる。 そ こ で、ハン デ ィG PS を 活用 し、省力 的 な森 林管 理 に役 立て る ため の手 法 につ い て 、 検討 を おこ なっ た 。 2 . シス テ ムの 構成 ハン デ ィG PS は、ガ ーミ ン社 の GPSmap60CSx を 使用 し た。ハン ディ G PS から の デ ータ の 抽出 及び 管 理に は、 カ シミ ール 3 D( http://www.kashmir3d.com/) を 使 用 し 、測 量デ ー タの 処理 に は、林 野測量 CompassMate を 使 用 し 、測 量図 面 の作 成 に は 、 Jw_cad( http://www.jwcad.net/) を 使 用し た 。な お、 こ れら のソ フ トウ ェ ア は 全て フ リー ソフ ト であ る。 3 . ハン デ ィG PS に よる 森林 測 量 ハ ン ディ G PS を用 い た森 林測 量 につ いて 、精 度 の検 討を お こな った 。ハ ン ディ G P Sに よ る測 量と 、レ ー ザー デジ タ ルセ オド ラ イト によ る 測量 を比 較 した 。測 量 を お こな っ た場 所は 、森 林 セン ター 内 で整 理伐 を 実施 した 場 所で ある 。3 箇 所の 施 行 地 を測 量 した。施 行地 1( 写真 -1)及び 施行 地 2(写 真 -2)は 、ク ヌギ の 人工 林 で あ り、施行 地 3( 写真 3)は 、ヒ ノキ の 人工 林の 間 に広 葉樹 が 侵入 した も ので あ る 。なお 、い づ れの 施行 地 でも 、ハ ンデ ィ GP Sの 誤 差の 表示 は 、4 m~ 5 mで あ った。 ハ ン ディ G PS によ る 測量 成果 と レー ザー デ ジタ ルセ オ ドラ イト に よる 測量 成 果 の 比較 を 、図 -1~ 図 -3 に示 す 。図 中実 線 がハ ンデ ィ GP S、 破 線が レー ザ ーデ ジ タ ルセ オ ドラ イト で ある 。施 行 地1 では 、 図 -1 右 下 部分 の急 斜 面に 相当 す る部 分 で 、差 が 大き くな っ た。 施行 地 2で は、 図 -2 下部 分 の治 山堰 堤 直下 に当 た る部 分 で、差 が大 きく な った。ま た、施 行 地3 では 、顕 著な 差 が出 たが 、こ れは 、他 の 施 行 地に 比 較し て樹 木 が多 く、 ま た、 急斜 面 であ るた め であ ると 考 えら れる 。 4 . 考察 ハン デ ィG PS に よる 森林 測 量は 、斜 面や 樹 木の 影響 を 受け 、測 量の 精 度が 落ち る こ とが あ る 。し かし 、1人 で 、スピ ーデ ィ に測 量が で きる 。そこ で 、森 林 施業 の 予 定 地の 選 定や 、事 業量 の 把握 など 、森 林 施業 の計 画 立案 に役 立 つも のと 考 えら れ る。 17 写真-1 施行地1 図-1 測量成果の対比(施行地1) 写真-2 施行地2 図-2 測量成果の対比(施行地2) 写真-3 施行地3 図-3 測量成果の対比(施行地3) 18 低 コ ス ト 搬 出 間 伐 工 程 調 査 (平成 21 年度林業技術現地適応化事業) 川波 伊知郎・櫻井 内原 伸司・横山 幹久(西部林業事務所) 桂一郎・神原 照生 1.はじめに 本県において、間伐材の利用が進まない理由として、搬出技術の未熟や機械化の遅れ が挙げられる。そこで、県内森林組合が保有するウインチ付きグラップル及び小型集材 機を使用した、本県の実情にあった集材方法を開発・普及し、間伐材の利用促進につな げることが今回の事業に取組んだ意図である。 仲多度郡まんのう町の旧仲南町区域には、比較的一施行地の面積規模の大きい公有林 が多く、香川県でもいち早く県行造林等でヒノキ造林が開始された区域である。県の平 均よりも若干齢級構成が高めで、8 齢級のヒノキ人工林が多いのが特徴である。これらの 人工林で森林組合が搬出間伐に取り組むことによって、森林組合の技術が向上し、森林 組合が地域の林業の担い手として成長すること、及び搬出間伐が森林組合の収益の柱と なることが期待される。 2.目的 間伐方法の違い(列状間伐と定性間伐)によるかかり木調査、及び工程調査を実施す ることにより搬出間伐を実施する際の採算性を検討するための基礎資料を得ることを目 的として、現地調査を実施した。 3.方法 まんのう町外三ヶ市町山林組合の所有山林(県行造林の契約解除跡地)の 52 年生 及び 37 年ヒノキ林において、ウインチ付きグラップルを用いた搬出間伐の工程調査 を実施した。 図-1 伐採区域見取り図 19 図-1 に、伐採区域見取り図を示す。この区域で間伐を施行し、ハイリード式架線 集材で搬出を行なうことを計画した。施行地の中心に設定した列状伐採区では、林道 に直角に 6 列の伐採列を設けた。施行地の形状が平行四辺形であるため、伐採列が設 定出来ずに残った区域は定性間伐を行う区域に設定した。調査区の現況は表-1 のと おりである。 表-1 区 分 面 積 生立本数 調査区の現況 間伐 間伐率 傾斜方位 平均直径 平均樹高 92 本 23% 35 度 E 23.8cm 18m 17 本 6% 35 度 E 23.7cm 18m 本数 列 状 371 本 0.34ha 間伐区 定 (1,091 本/ha) 性 286 本 0.19ha 間伐区 (1,506 本/ha) 今回は列状に伐採した木を伐採列上で枝払いせず、全木で集材し、土場でチェンソ ーにより造材した。伐採列では、伐採された木が重なっているために作業効率が悪く、 現場造材したところ、定性間伐と造材効率がほとんど変らないので、改善措置として 列状間伐の特性を生かすべく、全木集材することにした。写真-1 及び写真-2 に、搬 出・造材の状況を示す。 写真-1 写真-2 搬出状況 造材状況 4.結果 表-2 は、列状間伐区と定性間伐区において、間伐時に生じたかかり木の本数である。 同じ間伐本数での比較は出来なかったが、予想どおり列状間伐の方がかかり木の発生 率が非常に少ないという結果になった。 20 表-2 区 列状間伐区と定性間伐区におけるかかり木本数 分 間伐本数 かかり木本数 かかり木率 列状間伐区 92 本 10 本 11% 定性間伐区 17 本 8本 47% ※ 定性間伐区については調査本数が少ないが、平成 19 年度に搬出間伐した現場の 調査データでは、かかり木率 20%との調査結果あり(平成 19 年度調査の間伐 本数は 15 本) 表-3 は、かかり木処理も含めた間伐時間と、かかり木にならなかった場合の間伐 時間の比較である。列状間伐区の方が定性間伐区よりも、かかり木処理時間が早いこ とがわかる。かかり木にならなかった木については、列状間伐区、定性間伐区を比較 しても伐採時間に顕著な差は見られないが、列状間伐区の方が定性間伐区よりも、伐 採時間は早いことがわかる。かかり木処理時間も含めた間伐木 1 本当りの間伐所要時 間は、列状間伐区が 1 本当り 2 分 21 秒、定性間伐区が 1 本当り 6 分 42 秒という結果 になった。 表-3 列状間伐区と定性間伐区における間伐所要時間 かかり かかり木 かかり 木処理 1本当り 総 間伐 1本当り にならな 区分 木 の を含む 間 伐 所要 間 伐 かった 本 数 間伐所 所要時間 1本当り 間伐 間 伐 所要 時間 所要時間 間伐本数 所要時間 時間 要時間 列 状 4 分 48 秒 10 本 48 分 間伐区 定 10 分 38 秒 8本 ※ 85 分 9本 /本 2分3秒 216 2 分 21 秒 /本 分 /本 3 分 13 秒 114 6 分 42 秒 /本 分 /本 168 分 /本 性 間伐区 82 本 29 分 かかり木処理には手動ウインチを使用した。 表-4 は、玉切り・枝払い・採寸に要した時間である。間伐木 1 本当りの玉切り・ 枝払い・採寸作業所要時間は、列状間伐区が 1 本当り 2 分 36 秒、定性間伐区が 1 本 当り 4 分 12 秒という結果になった。列状間伐区は、平成 19 年度の結果をふまえ、現 場造材はやめて土場まで全木で引き出して造材。定性間伐では、枝払い作業を伐倒現 場で実施したが、データが取得できなかったため、同様の作業を行った平成 19 年度 事業の結果を引用して比較している。列状間伐では伐採列に伐採木が重なり合った状 21 態で存在することにより、現場での造材作業の障害となるが、全木集材とすることに より、この問題を回避することが出来たと考えられる。 表-4 区 分 列 状 列状間伐区と定性間伐区における玉切り枝払い・採寸の所要時間 玉切り・枝払い 所要時間 1本当り所要時間 92 本 239 分 2 分 36 秒/本 15 本 63 分 4 分 12 秒/本 間伐区 定 性 間伐区 ※定性区は平成 19 年度調査の結果を引用 表-5 は 、工程調査の結果ともいえる、総所要時間の比較表である。伐採~かかり 木処理、玉切り、枝払い、採寸まで通しで行ったトータルの平均作業時間を積み上げ てみると、列状間伐区が 1 本当り 4 分 57 秒、定性間伐区が 1 本当り 10 分 52 秒とい う結果となり、列状間伐の方が定性間伐よりも倍以上作業効率が高いという予想通り の結果となった。 表-5 列状間伐と定性間伐の総所要時間 列状間伐 (92 本当り) 定性間伐 (17 本当り) 伐採時間 (かかり木) 48 分 (10 本当り) 85 分 (8 本当り) 伐採時間 (かかり木なし) 168 分 (82 本当り) 29 分 (9 本当り) 玉切り・枝払い・採寸 239 分 区 分 71 分 (平成 19 年度調査結果より推定) 合計 455 分 185 分 1本当り 処理時間 4 分 57 秒 /本 10 分 52 秒/本 今回は控え索の切断も含めると、架線に関するトラブルが 3 回も生じ、間伐作業と 集材作業を連結した状態でのコスト算出は困難になった。ここでは間伐作業功程の比 較結果のみを表-6 に示す。 22 表-6 間伐作業功程の比較 作業工程 列状間伐区 定性間伐区 伐採 2 分 36 秒 4 分 12 秒 備考 2 人工程 かかり木処理を含む 玉切り、枝払い、 2 分 21 秒 6 分 40 秒 4 分 57 秒 10 分 52 秒 1 人工程 採寸 計 今回は製材業者や、過去に取引実績のあった業者に対し、間伐材の内見会の案内を 通知した。5 社から照会があり、そのうち現地を見たいという申し入れのあった 2 社 を現地に案内したが、今回は取引には至らず、搬出材は全て徳島県の三好木材センタ ーに出荷した。 事業収支一覧を表-7 に示す。事業の総括としては、結果的に 20,428 円の黒字決算 になり、何とか赤字を出さずに県産材を流通させることが出来た。 ただし、通常であると、この上にさらに搬出間伐の補助金が見込める。緑のダム事 業の搬出間伐の場合、1ha 当り 27 万円の補助金が見込めることから、面積が 0.53ha のこの現場であれば 143,100 円の補助金収入が見込める。そうすると、163,528 円の 黒字決算となり、1ha 当りでは 308,543 円の黒字決算となる見込である。 表-7 相 手 先 三好木材センター 賃金 事業収支一覧 金 額 427,128 △238,700 グラップル借料及び回送料 △73,500 市場までのトラック運賃(6 回) △94,500 計 20,428 23 材積(㎥) 31.12 単価(円) 13,725 5.まとめ 仲南町森林組合は広域合併の途を選択しなかった小規模な組合であり、高価な高性 能林業機械の導入には困難が伴う。判断を誤ると機械購入に伴う費用が嵩み、組合の 経営を圧迫するおそれがある。機械化の必要性は感じるが、それはあくまでも事業体 の規模に応じた身の丈に合ったものでなければならない。 しかし、施業方法次第では地域のニーズに合った林産事業の展開も可能であること が判った。今回、ハイリード式架線集材で搬出間伐に取り組んでみて、このようなケ ースに最適な機械はスイングヤーダではないかと思われる。非常に高価な機械である が、リース等を利用して効果的に導入する可能性を探る必要性があると考えられる。 また、今回の事例を、同じまんのう町の広域森林組合である西部森林組合の間伐事 業を推進する上での参考としたい。 24 Ⅱ 育種関連事業 マツノザイセンチュウ抵抗性育種事業(接種検定) 穴吹 浩之 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 1.目的 松くい虫被害跡地の早期回復のため、マツ苗木に培養したマツノザイセンチュウを接 種検定し、次世代抵抗性マツの開発に資する。 2.方法 接種検定をおこなう抵抗性苗の苗齢は3年生とした。接種にはKa-4個体群及び島 原個体群を用いて、センチュウ懸濁液0.1ml(約10,000頭)を接種し、15週間 後の生存率を調査した。 3.結果 家系別の生存率及び健全率を表-1~表-4 にまとめた。 25 表-1 抵抗性アカマツ生存率及び健全率(Ka-4 個体群) 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 接種本数 生存率 健全率 家系 接種本数 生存率 健全率 (本) (%) (%) 家系 (本) (%) (%) 由 岐 2 5 32 90.6 62.5 松 島 7 0 28 96.4 57.1 岡 山 8 2 32 100.0 84.4 有 7 30 96.7 50.0 真 備 5 8 26 88.5 73.1 大分 142 27 88.9 66.7 田 辺 5 2 29 100.0 72.4 大分 166 31 83.9 64.5 須 崎 3 2 32 96.9 56.3 大分 167 31 96.8 71.0 1 31 100.0 96.8 大分 203 29 100.0 79.3 宇和島 50 32 96.9 59.4 佐賀関 84 30 100.0 96.7 大 宰 府 4 20 95.0 55.0 佐賀関 90 28 96.4 82.1 久留米 78 32 87.5 62.5 佐賀関 108 28 85.7 78.6 久留米 79 24 100.0 66.7 佐賀関 113 6 100.0 83.3 久 留 米 14 2 22 95.5 68.2 佐賀関 117 32 96.9 84.4 有 田 4 9 32 96.9 75.0 佐賀関 118 32 93.8 65.6 太良 122 22 100.0 63.6 佐賀関 126 32 96.9 81.3 国 見 5 3 31 100.0 90.3 佐賀関 132 25 100.0 72.0 熊 本 1 6 31 96.8 80.6 佐賀関 162 12 100.0 83.3 高 松 明 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 家系 接種本数(本) 生存率(%) 健全率(%) 対照区(精英樹アカマツ混合) 29 82.8 51.7 26 表-2 抵抗性アカマツ生存率及び健全率(島原個体群) 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 接種本数 生存率 健全率 家系 接種本数 生存率 健全率 (本) (%) (%) 家系 (本) (%) (%) 由 岐 2 5 30 90.0 90.0 松 島 7 0 28 100.0 92.9 岡 山 8 2 27 100.0 92.6 有 7 28 96.4 96.4 真 備 5 8 24 100.0 95.8 大分 142 26 100.0 96.2 田 辺 5 2 27 100.0 100.0 大分 166 26 96.2 88.5 須 崎 3 2 24 95.8 70.8 大分 167 27 100.0 88.9 1 25 100.0 96.0 大分 203 24 100.0 95.8 宇和島 50 19 100.0 73.7 佐賀関 84 26 100.0 100.0 大 宰 府 4 17 100.0 100.0 佐賀関 90 26 92.3 88.5 久留米 78 29 100.0 93.1 佐賀関 108 24 100.0 95.8 久留米 79 25 92.0 64.0 佐賀関 113 5 100.0 100.0 久 留 米 14 2 23 100.0 87.0 佐賀関 117 27 100.0 85.2 有 田 4 9 28 96.4 82.1 佐賀関 118 27 88.9 63.0 太良 122 24 100.0 87.5 佐賀関 126 27 100.0 96.3 国 見 5 3 24 100.0 87.5 佐賀関 132 24 100.0 91.7 熊 本 1 6 27 100.0 92.6 佐賀関 162 10 100.0 100.0 高 松 明 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 家系 接種本数(本) 生存率(%) 健全率(%) 対照区(精英樹アカマツ混合) 27 100.0 88.9 27 表-3 家系 三 崎 抵抗性クロマツ生存率及び健全率(Ka-4 個体群) 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 接種本数 生存率 健全率 (本) (%) (%) 家系 接種本数 生存率 健全率 (本) (%) (%) 9 0 19 100.0 36.8 波 方 3 7 22 72.7 27.3 津屋崎 50 18 100.0 55.6 波 方 7 3 20 85.0 65.0 小 浜 3 0 17 100.0 41.2 志 摩 6 4 20 80.0 60.0 精三豊 103 20 95.0 50.0 夜 須 3 7 20 50.0 30.0 吉 2 19 68.4 63.2 大瀬戸 12 20 65.0 40.0 5 4 12 66.7 41.7 川内 290 20 75.0 40.0 土佐清水 63 19 84.2 21.1 大 20 65.0 40.0 田 田 辺 分 8 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 家系 接種本数(本) 生存率(%) 健全率(%) 対照区(精英樹クロマツ混合) 26 88.5 34.6 表-4 家系 三 崎 抵抗性クロマツ生存率及び健全率(島原個体群) 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 接種本数 生存率 健全率 (本) (%) (%) 家系 接種本数 生存率 健全率 (本) (%) (%) 9 0 13 100.0 92.3 波 方 3 7 22 100.0 81.8 津屋崎 50 19 100.0 94.7 波 方 7 3 20 95.0 85.0 小 浜 3 0 17 100.0 88.2 志 摩 6 4 20 95.0 95.0 精三豊 103 18 100.0 94.4 夜 須 3 7 20 65.0 65.0 吉 2 18 94.4 88.9 大瀬戸 12 20 75.0 65.0 5 4 18 94.4 88.9 川内 290 20 90.0 60.0 土佐清水 63 19 100.0 94.7 大 20 40.0 40.0 田 田 辺 分 8 接種日 平成 21 年 8 月 5 日 確認日 平成 21 年 11 月 18 日 家系 接種本数(本) 生存率(%) 健全率(%) 対照区(精英樹クロマツ混合) 26 92.3 84.6 28 優良種苗確保事業(抵抗性マツ採種園の種子生産量と発芽率) 内原 伸司 横山 桂一郎 神原 照生 白川 満男 1.目的 採種園を構成する家系ごとに種子生産量を調査して、抵抗性マツの安定供給および採種 園改良のためのデータとする。また、発芽試験をおこない、育種種子による優良種苗供 給のための資料を得る。 2.方法 (1)種子生産量調査 平成21年度に抵抗性クロマツ・アカマツ採種園で採取した球果と種子の重量を 測定した。 (2)発芽試験 抵抗性クロマツ(志摩64)及び抵抗性アカマツ(宇和島50)について、発芽試 験を100粒4組の直接発芽試験法により実施した。 3.結果 (1)種子生産量調査 結果を表-1に示す。 表-1(1) 家系名 三 崎 抵抗性クロマツ種子生産量(森林センター採種園) 母樹本数 球果数 球果重量 1 個当球果 精選種子 1 本当精選種子 (本) (個) (kg) 重量(g) 重量(g) 重量(g/本) 9 0 8 230 6.30 27.4 163 20.4 津屋崎 50 12 115 3.00 26.1 131 10.9 小 浜 3 0 12 252 7.25 28.8 203 16.9 精三豊 103 8 160 4.44 27.8 148 18.5 2 11 263 3.60 13.7 124 11.3 5 4 7 566 10.90 19.3 310 44.3 土佐清水 63 8 58 1.46 25.2 43 5.4 波 方 3 7 6 263 5.40 20.5 132 22.0 波 方 7 3 11 244 3.20 13.1 74 6.7 志 摩 6 4 13 325 8.20 25.2 209 16.1 小 浜 2 4 7 74 1.42 19.2 3 0.4 夜 須 3 7 7 631 9.63 15.3 147 21.0 大瀬戸 12 7 89 1.94 21.8 42 6.0 川内 290 7 77 2.34 30.4 74 10.6 大 9 233 4.90 21.0 170 18.9 133 3,580 73.98 吉 田 田 辺 分 8 合 計 平 均 1,973 20.7 29 14.8 表-1(2) 家系名 抵抗性アカマツ種子生産量(森林センター採種園) 母樹本数 球果数 球果重量 1 個当球果 精選種子 1 本当精選種子 (本) (個) (kg) 重量(g) 重量(g) 重量(g/本) 由岐 25 9 631 6.40 10.1 120 13.3 岡山 82 12 1,504 8.80 5.9 229 19.1 真備 58 10 147 0.84 5.7 10 1.0 田辺 52 8 387 2.27 5.9 17 2.1 須崎 32 8 183 1.80 9.8 48 6.0 高松 1 10 711 7.80 11.0 273 27.3 宇和島 50 10 1,679 23.00 13.7 691 69.1 大宰府 4 10 448 5.10 11.4 116 11.6 久留米 78 8 144 1.50 10.4 22 2.8 久留米 79 12 864 8.00 9.3 261 21.8 久留米 142 3 435 3.30 7.6 30 10.0 有田 49 7 1,292 13.60 10.5 391 55.9 太良 122 10 640 6.40 10.0 226 22.6 国見 53 5 154 0.83 5.4 40 8.0 熊本 16 4 275 1.45 5.3 34 8.5 松島 70 10 820 7.60 9.3 53 5.3 有明 7 3 175 0.88 5.0 45 15.0 大分 142 1 274 3.10 11.3 95 95.0 大分 166 9 593 6.64 11.2 164 18.2 大分 167 4 731 5.80 7.9 126 31.5 大分 203 8 576 5.74 10.0 193 24.1 佐賀関 84 8 109 1.05 9.6 16 2.0 佐賀関 90 10 565 5.35 9.5 143 14.3 佐賀関 108 8 609 3.90 6.4 69 8.6 佐賀関 113 10 545 6.20 11.4 68 6.8 佐賀関 117 7 811 7.80 9.6 200 28.6 佐賀関 118 7 226 1.55 6.9 39 5.6 佐賀関 126 7 144 1.15 8.0 19 2.7 佐賀関 132 11 951 5.50 5.8 77 7.0 佐賀関 162 7 221 1.10 5.0 25 3.6 236 16,844 154.45 合計 3,840 9.2 平均 30 16.3 (2)発芽試験 結果を表-2に示す。 表-2 発芽試験結果 樹種・家系 抵抗性クロマツ( 志摩 64 発芽率(%) ) 90.75% 抵抗性アカマツ( 宇和島 50 ) 93.75% 31 Ⅲ 普及指導・研修 森林センターにおける普及啓発活動の取り組み 1.はじめに 森林センターは、森林・林業の新しい技術等についての調査・研究、普及指導、情報 発信の拠点としての役割を担っている。 これまで、来訪者に対して、技術講習会、体験実習などを開催し、技術向上等のため の情報提供をしてきたが、より一層多くの人々に普及啓発や情報発信をおこなうため、 平成20年度から「みどりとのふれあい」をスローガンに設定し、施設内だけにとどま らず、施設外からも、広く情報の発信と交流の促進に努めているが、さらに、平成21 年度からは「移動森林センター開設事業」を実施するなど、より一層、積極的な普及啓 発活動に努めている。 2.取り組みの概要 様々なイベント等を開催し、森林・林業の普及啓発活動の取り組みをおこなった。 (1) 森林林業情報の収集・発信 ① 業務報告の作成 ② ホームページへ掲載等 講習・研修・体験の実施 (2) (3) ① 穂先タケノコ生産技術講習会の開催。 ② 県立学校10年経験者研修等の実施。 ③ 穂先タケノコ採取体験等の実施。 普及啓発活動 香川県立文書館での写真展や、丸亀おしろまつり等でのみどりとのふれあい行 事など、移動森林センター開設事業の実施。 (4) 森林環境教育 小学生、中学生等を対象に、森林のしくみや働きについての知識等を身につけ るための森林・林業体験の実施。 (5) 平成21年度香川県林業普及指導事業発表会 満濃池森林公園学習展示館に於いて、林業普及指導員による平成21年度香川 県林業普及指導事業発表会を開催した。発表課題は次のとおりである。 ① 搬出間伐と県産材利用の推進による香川型の森林整備を目指して ② 間伐の推進について ③ 拡大する放置竹林への対策について ④ ハンディGPSを活用した森林管理の手法 ⑤ ヒノキ人工林における風害、病害の事例について ⑥ 小豆島のヒノキ人工林におけるニホンジカの林業被害調査について 講習会、研修会、森林・林業体験イベントは参加者に大変講評であり、また、イベン ト等が新聞に掲載されたことで、その後の反響も大きかった。さらには、移動森林セン ター開設事業により、施設外からも積極的な普及啓発活動に努めた結果、多くの県民に 32 対して森林のはたらき、森からのめぐみなどを PR することができた。 平成21年度に実施したみどりとのふれあい行事や展示等については、今後も効果的 かつ効率的に継続して実施することとしたい。 穂先タケノコ生産技術講習会 移動森林センター開設事業 (丸亀おしろまつり) 環境キャラバン隊 森林環境教育 教職員研修(間伐) 林業普及指導事業発表会 33 平成21年度普及啓発活動実績 名 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 称 期 日 宇多津歩行者天国(移動森林センター開設事業) 4月 5日 穂先タケノコ生産技術講習会 4月23日 かがわの森アンテナショップオープン記念行事 4月29日 丸亀おしろまつり(移動森林センター開設事業) 5月 穂先タケノコ採取体験 5月13日 まんのう町立満濃南幼稚園環境学習 6月19日 森の工作教室(サンポート高松) 6月21日 まんのう町立仲南北幼稚園環境学習 7月10日 かぶと虫の森で遊ぼう! 7月31日 森林の理科室(サンポート高松) 8月18日~20日 県立学校教職10年経験者研修 8月24日~26日 県立文書館展示 9月15日~11月15日 ウッディフェスティバル(移動森林センター開設事業) 10月 三豊市立下高瀬小学校環境学習 10月14日 丸亀市立城西小学校環境キャラバン隊 10月20日 まんのう町立仲南小学校環境学習 11月 高松市立紫雲中学校環境学習 11月10日 高松市立川添小学校環境学習 11月20日 4日~5日 3日~4日 6日 2月 まんのう町立仲南小学校環境学習(満濃池森林公園学習展示館) 2月 8日 3月 平成21年度香川県林業普及指導事業発表会 3月19日 (満濃池森林公園学習展示館) 善通寺市立筆岡小学校環境学習(満濃池森林公園学習展示館) 3月23日 三豊市詫間町浦島 kid's 環境学習 3月29日 34 Ⅳ 森林センターの施設利用状況等 1.施設利用状況 (1)来訪者数 区 林 業 そ 分 関 係 の 件 人 数 員 者 223 361 他 826 1,437 1,049 1,798 計 備 考 (学生・児童を含む) (2)研修等の開催件数 区 林 業 そ 分 関 係 の 件 人 数 員 者 9 78 他 18 473 27 551 計 備 考 備 考 (3)来訪・電話による相談件数 区 林 そ 業 分 関 の 係 件 人 数 員 者 39 47 他 36 43 75 90 庶 務 計 2.組織および職員の配置 所長 1 2(うち兼務1) 調査・研究、普及指導 2 管 2 35 理 3.施設状況 土 (1) 地 県有地 所在地 面 積 現 況 建物敷地、見本園、樹木園、苗畑、ため池、 仲多度郡まんのう町新目 500,428.46 ㎡ 823-171 球果乾燥場兼駐車場、道路敷地、採種園、採 外26筆 穂園、展示林、試験林、その他 (2) 建 物 名 称 本館 構 造 延面積(㎡) 木造・鉄筋コンクリート 用 途 事務室、研究室 429.29 金属板葺平屋根 管理棟 木造平屋建 燃料倉庫 鉄筋ブロック造平屋建 倉庫 使用開始年月日 H 3. 3.30 展示室、実習室等 239.64 雨天作業場、倉庫等 S45.10. 1 9.44 S45. 9. 8 木造平屋建 13.53 S45. 9. 8 作業小屋 木造腰ブロック二階建 65.43 ガラス温室 鉄骨ガラス張平屋建 33.39 温室 鉄骨ブロック造平屋建 50.00 休憩所 木造平屋建 18.90 計 倉庫 S46.12.23 S49. 6.27 きのこ発生試験用 S51. 2.29 H 4. 3.23 859.42 4.沿革 昭和29年6月に林業指導所として設立以来、林業振興のため実用技術の開発と普及指 導に努めてきましたが、多様化しつつある森林・林業に対する社会的要請に迅速かつ効率 的に対処するため、平成3年4月、新庁舎落成を機会に名称を「森林センター」と改め、 本県に適した森林・林業の新しい技術等について調査・研究を行うほか、林業関係者の 技術向上のための普及指導に努めるとともに、広く県民の皆さんへの、森林・林業に関 する知識の普及啓発や、情報発信の拠点としての役割を担っています。 36 香 川 県 森 林 センター 〒769-0317 仲多 度 郡 まんのう町 新目 823 TEL■0877-77-2515 FAX■0877-78-3945 ホームページ■http://www.pref.kagawa.jp/midoriseibi/s-center/index.htm E メール■[email protected]