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スライド 1 - Produits d`érable du Québec

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スライド 1 - Produits d`érable du Québec
Food Labeling Regulations in Japan
Analysis of Possibilities and Implications
for Maple Syrup from Canada
日本における食品の表示
カナダ産メープルシロップのための考察
Prepared for
the Federation of Quebec Maple Syrup Producers
and the Canadian Maple Industry
はじめに
本書は、株式会社つきプランニングが、カナダのメープル産業のためにケベック・メープル製品
生産者協会に代わって作成したもので、2010年11月に発効した日本の食品ラベル表示規
則にもとづいて作成されました。これはカナダのメープル産業のために作成されたものであり、こ
こに含まれる情報は情報提供のみを目的としています。本書は実用ガイドであり、本件に関
する法的根拠とは見なされません。日本のラベル表示規則に関する法的根拠を得るには、
日本の代理人に相談すること、あるいは所管の保健所または都道府県等の衛生主管部に
相談することをお勧めします。
本書に含まれる情報は信頼できる情報源から得たものですが、その正確性と完全性は保証
の限りではなく、意図的に要約した一般的な書式で提示されています。ケベック・メープル製
品生産者協会は、本書の正確性、完全性、または有用性について、明示的、黙示的にい
かなる保証または表明を行っていません。さらに同協会は、本書または本書に含まれる情報
の使用によって生じるいかなる責任も負うことはありません。いかなる方法であっても本書を使
用して、これを信頼する、あるいはその内容に基づいて決定を下す選択をした者が、その選
択についての全責任を負います。
本書の複写は、本書全体を複写しいかなる変更も加えないという明確な条件の下であれば
認められます。それ以外の、抜粋の使用、修正を加えた一部の使用、あるいは商業的な使
用を含む使用は、初めにケベック・メープル製品生産者協会からの書面による承諾を得なけ
ればなりません。本書はいかなる場合においても、対価と引換に販売または配布してはなりま
せん。
日本における食品表示:一覧
項目
概要
1.日本における
食品表示制度
概観
 食品表示の管轄象徴、関連する法律
 管轄官庁は「消費者庁食品表示課」
 主な関連法制度は、食品衛生法・JAS法・健康増進法。その他、景品
表示法、不正競争防止法、計量法なども食品表示に関係する
2.輸入加工食
品のパッケージに
必要な表示
 必要な表示項目は7項目
1.名称、2.原材料名、3.内容量、4.賞味期限、5.保存方法、
6.原産国名、7.輸入者(社名・所在地住所・問い合せ電話番号)
 輸入加工食品の事例を掲載
4-5
3.栄養表示基
準制度
栄養表示の強調
表示・相対表示
 栄養成分の表示義務
 栄養成分表示は義務ではない。ただし、日本語で、栄養に関する何らか
の情報を記載する場合は、必ず栄養成分表示欄を設けなければならな
い
 熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウムの5項目は、この順番で成
分量とともに表示しなければならない
 ミネラル類・ビタミン類については、表示する場合は、ナトリウムの後に続け
て、成分量とともに表示しなければならない
6-7
 強調表示・相対表示
 特定の栄養成分について、強調表示(特定の栄養成分を補給できる、
逆に特定の栄養成分の摂取を控えられる旨の表示)や相対表示(他の
食品との比較での強調表示)をする場合は、「栄養表示基準制度」で定
められた基準値を満たしていなければならず、また表示のしかたにも注意
が必要である
 メープルシロップの栄養表示の留意点を掲載
8 - 10
 アレルギー物質表示
 食品衛生法に基づき、特定のアレルギー物質を含む原材料の表示が義
務づけられている。ただし、メープル(サトウカエデ樹液)は、アレルギー物質
に指定されていないので、サトウカエデ樹液のみを原料とする製品へのアレ
ルギー物質表示は不要
11
 有機食品表示
 日本において有機食品であることを示すのは、「有機JASマーク」で、この
マークを付けなければ、食品に「有機」や「オーガニック」と表示することがで
きない
 カナダの有機食品が、日本国内外の登録認定機関に認定を受けて、有
機JASマークを貼付することも可能
11 - 12
 法律に基づく誇大広告の禁止
 健康増進法よって禁止されている表現や、景品表示法によって不当表
記と見なされる表現を避けるよう、注意が必要
 輸入加工食品のパッケージ上での訴求ポイント表示例を掲載
13 - 15
4.アレルギー物
質表示・有機食
品表示
5.訴求ポイント
表示の際の留意
点
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ページ
3
2
1.日本における食品表示制度概観
管轄官庁は「消費者庁食品表示課」
 食品表示に関しては、日本では以前は厚生労働省と農林水産省が管轄していましたが、2009年9月
に消費者保護行政を主業務とする省庁として消費者庁が創設され、現在は、消費者庁食品表示課
が厚生労働省、農林水産省と連携しつつ管轄しています。
消費者庁・食品表示関連ウェブサイト英語ページ
http://www.caa.go.jp/en/index.html
農林水産省・食品表示関連ウェブサイト英語ページ http://www.maff.go.jp/e/jas/index.html
食品表示の関連法制度は主に3つ
 主に以下3つの法制度に基づいて、食品表示に関する方針が立てられています。
1. 食品衛生法
・飲食に起因する衛生上の危害発生を防止すること
2. JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)
・原材料や原産地など品質に関する適正な表示により消費者の選択に資すること
3.健康増進法
・栄養の改善その他の国民の健康の増進を図ること
食品衛生法
JAS法
原材料名
名称
賞味期限
アレルギー
物質
原産地
保存方法
添加物
etc.
製造者・販
売者名
etc.
etc.
栄養成分
特別用途
etc.
健康増進法
 そのほか、景品表示法、不正競争防止法、計量法なども食品表示に関係します。
 食品表示については、国際規格としてコーデックス規格が設置されており、日本を含めて加盟各国の表
示制度はこれに準拠しています。
※コーデックスとは:FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)により、消費者の健康保護と公
正な食品貿易の確保を目的として1962年に設立。 182の国+EUが参加。
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3
2.輸入加工食品に必要な表示 1/2
一覧表示が必要な項目
 輸入加工食品のパッケージには、基本的に以下の項目を一覧で表示する必要があります。
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
名称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
原産国名
輸入者
メープルシロップ、メープルシュガー、など
メープルシロップ、サトウカエデの樹液100%、など
xxxg
20xx年xx月xx日 「欄外に表示」の場合はそのように記載
冷暗所で保存、開栓後は冷蔵庫に保存、など
カナダ、またはカナダケベック州
輸入会社名・所在地住所・問い合せ電話番号
 賞味期限は、欄外に表示されるケースが多い
 原産国名は、そのまま販売可能な形態で輸入される商品のほか、国内で包装
し直して販売される商品にも記載する必要がある
 製品輸入後国内でパッケージングした商品は、包装した事業者を「加工者」と
して記載する
輸入加工食品の事例
Example 1. イタリア産のジャム
品名:
イチゴジャム
原材料名:イチゴ
さとうきび
レモン、ペクチン
内容量: 335g
原産国名:イタリア
賞味期限:2012年11月25日
使用上の注意:開封後10度以下で保存
輸入者: 会社名
(住所・電話番号)
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2.輸入加工食品に必要な表示 2/2
輸入加工食品の事例(続き)
Example 2. インド産の紅茶
・インドの紅茶をスリランカで包装したため、包装国の国名も記載されている
名称: 紅茶(ティーバッグ)
原材料名:茶(紅茶)
内容量: 25袋(50g)
原産国名:インド
賞味期限:欄外に表示
保存方法:直射日光、高温多湿のところを避け、
常温で保存してください。開封後は密
封容器に移して保存してください
使用上の注意:熱湯の取扱いには十分注意くだ
さい
輸入者: 会社名 (住所)
包装国: スリランカ
欄外に賞味期限表示
Example 3. イタリア産のはちみつ
名称: はちみつ
原材料名:イタリア産アカシア蜂蜜
内容量: 250g
賞味期限:欄外下部に記載
保存方法:直射日光を避け常温で保存してくだ
さい
原産国名:イタリア
輸入者: 会社名
(住所)(お客様相談室電話番号)
欄外に賞味期限表示
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5
3.栄養表示基準制度 1/5
栄養成分表示欄を設ける場合のきまり
 日本では、販売する食品の容器包装及び添付する文書に、日本語で、栄養成分及び熱量を表
示する(栄養成分表示欄を設ける)場合には、健康増進法に基づく「栄養表示基準制度」に従わな
ければなりません。
 栄養成分及び熱量の表示(栄養成分表示欄)は、現時点では義務ではなく任意です。
 2010年末より、義務化に向けて、消費者庁が検討を始めました。ちなみに、2010年11月現
在、市販食品の82%が栄養成分表示 欄を設けています。
 ただし、容器包装及び添付する文書に、日本語で、栄養に関する何らかの情報を記載する場合に
は( “ 低カロリー”、“カルシウム含有”等)、必ず栄養成分表示欄を設けなければなりません。(詳細
後述)
栄養成分表示欄の表示方法
Example 1.
Example 2.
栄養成分表示100g当たり
熱量
たんぱく質
脂質
炭水化物
ナトリウム
カルシウム
ビタミンC
DHA
EHA
(1)
417kcal
10g
5g
75g
35mg
200mg
18mg
15mg
20mg
(2)
(3)
(4)
栄養成分表示 100g当たり
熱量
タンパク質
脂質
糖質
食物繊維
ナトリウム
(1)
270kcal
0.1g
0
1.9g
1.7g
0
(2)
(4)
ポリフェノール
(1) 可食部分の100g、100ml、1食分または1包装等の1食品単位当たりの含有量について表示しなければ
ならない。食品単位を1食分と表示する場合は、その量(g、mlまたは個数等)を併せて記載する。
(2) 熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物(*)、ナトリウムの5項目は「一般表示事項」と呼ばれ、基
本的項目として、この順番で、必ず成分量とともに表示しなければならない。(含有量ゼロの場合もその旨
表示)
*炭水化物については、例2のように、糖質と食物繊維に分けて表示してもよい。
(3) 5つの一般表示事項以外の、下記の栄養成分については、表示の有無は任意だが、表示する場合は、
ナトリウムの後に続けて、成分量とともに表示しなければならない。(ナトリウムの後の表示の順番は任意)
ミネラル
ビタミン
亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、マグネシウム、
マンガン、ヨウ素、リン
ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、
ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸
(次ページに続く)
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3.栄養表示基準制度 2/5
(前ページより続き)
(4) 上記の栄養成分以外の成分については、科学的根拠に基づいたものであれば、表示の有無は任意で、
成分量の表示も任意(*)である。ただし、表示する場合には、(2)(3)の栄養成分と区別するために、表の
欄外(Example 1)、または線を引くなど(Example 2)しなければならない。
*ただし、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類及びショ糖、β-カロテンについては、表示する場合は成分
量も表示しなければならない。
〈参考〉各栄養成分の表示単位、分析方法、誤差範囲、ゼロと表示できる基準も定められています。 情報が必要な場
合はお問い合せください。
特定の栄養成分について記載する場合のきまり
 日本では、販売する食品の容器包装及び添付する文書に、日本語で、下記にあげる栄養に関する
情報を記載する場合は、「栄養表示基準制度」に従い、必ず栄養成分表示欄を設けなければなり
ません。
・具体的な栄養成分名
・ビタミン、ミネラル等の総称
・プロテイン、ファットなどの別称
・脂質における不飽和脂肪酸、炭水化物における食物繊維等、その種類である栄養成分
・たんぱく質におけるアミノ酸等、その構成成分
・ビタミンAにおけるβ -カロテン等の前駆体
・その他、上記各項目を示唆する一切の表現(果実繊維、カルシウムイオン、シュガーレス、ノン
オイル、DHA、コレステロール、オリゴ糖、糖アルコール、低塩、食塩無添加等)等の表示
 ポリフェノール、イソフラボン、クルクミン等々の機能性成分については該当しないので、栄養成分表示
の義務はありません。
Example 1.
製品ラベルに「ビタミンC配合」 と記載した場合
Example 2.
製品ラベルに「アミノ酸バランス食品」 と記載した場合
栄養成分表示100g当たり
栄養成分表示100g当たり
熱量
54kcal
たんぱく質 5.3g
脂質
19.2g
炭水化物 12.5g
ナトリウム
44mg
ビタミンC
18mg
熱量
たんぱく質
脂質
炭水化物
ナトリウム
417kcal
10g
5g
75g
35mg
必須
ロイシン
イソロイシン
バリン
メチオニン
500mg
392mg
314mg
45mg
任意
必須
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3.栄養表示基準制度 3/5
特定の栄養成分について、強調する場合・他食品との比較を記載する場合
 特定の栄養成分について、特に補給できる旨または特に適切な摂取ができる(摂取を控えられる)
旨を記載する場合には、「強調表示」として、「栄養表示基準制度」で定められた基準値を満たし
ていなければなりません。
 強調表示となる表現とは、以下のように、xxが多い、 xxが豊富、あるいは逆に、xxが少ない、 xxが
ゼロ、といった表現です。
補給ができる旨の強調表示の基準値が定められている栄養成分
たんぱく質、食物繊維、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ナイアシン、パントテン酸、
ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、
ビタミンE、葉酸
〈参考〉資料1:補給ができる旨の表示・基準値一覧表(東京都福祉保健局「食品に栄養表示するときは・・・」p.8(表2)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_016/hoei_16b.html
強調表示となる表現
高い旨の表示(高い・多い・豊富など)
含む旨の表示(~源・供給・含有・入り・使用・添加など)
強化された旨の表示=相対表示(強化・増・アップ・プラスなど)
適切な摂取ができる(摂取を控えられる)旨の強調表示の基準値が定められている栄養成分
熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウム
〈参考〉資料2:適切な摂取ができる旨の表示・基準値一覧表(東京都福祉保健局「食品に栄養表示するときは・・・」p.9(表3)
強調表示となる表現
含まない旨の表示(無・ゼロ・ノン・レスなど)
低い旨の表示(低・ひかえめ・少・ライト・ダイエット・オフなど)
低減された旨の表示=相対表示(減・オフ・カットなど)
 強調表示の基準値が定められていない栄養成分については、強調表示を行うことはできるが、誇
大な表示とならないよう十分な注意が必要である。
 他の食品との比較で強調表示されるもの-##より強化した・##より多い・高い、あるいは##
よりカットした・ ##より少ない・低いなどの表現-を「相対表示」と呼び、その場合は、 定められた
基準値*を満たし、かつ下記の2点を相対表示の表現の近くに記載しなければなりません。
1.比較対象品名(「自社従来品○○」「五訂増補日本食品標準成表○○」等)
2.増加または低減の、量または割合の具体的な数値(「○○g増」、「○○%カット」等)
*相対表示基準値→ 資料1、および資料2の<第2欄>
東京都福祉保健局「食品に栄養表示するときは・・・」p.8(表2)およびp.9(表3)の<第2欄>
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8
3.栄養表示基準制度 4/5
メープルシロップの栄養表示の際の留意点
<1> 栄養成分表示欄について
栄養成分表の例
メープルシロップ
(可食部100g当たり)
蜂蜜
砂糖
(1)
エネルギー(mg)
270
×
294
×
384
○
(2)
たんぱく質(g)
0.1
×
0.2
×
0
×
(3)
脂質
0
○
0
×
0
×
炭水化物(g)
66.9
(4)
ナトリウム(g)
0
○
7
×
1
×
(5)
カルシウム(mg)
108.9
△
2
○
1
○
カリウム(mg)
224.8
マグネシウム(mg)
21
マンガン(mg)
2.3
(6)
亜鉛(mg)
0.7
×
0.3
×
0
×
(6)
ビタミンB1(チアミン)(mg)
0.07
×
0.01
×
0
×
(7)
ビタミンB2(リボフラボン) (mg)
1.3
○
0.01
○
0
○
(6)
ナイアシン(mg)
0.08
×
0.2
×
0
×
(6)
79.7
99.2
13
×
2
×
1
微量
―
×
―
<各栄養成分の数値の出典>
メープルシロップの成分値:The Canadian Nutrient File / Health Canada
蜂蜜・砂糖の成分値:五訂増補日本食品標準成分表
補給ができる旨の強調表示の基準値が定められている栄養成分
適切な摂取ができる(控えられる)旨の強調表示の基準値が定められてい
る栄養成分
○ 強調表示または相対表示ができる
△ 含有量が多い旨は強調表示できないが、含む旨の強調表示はできる
× 強調表示または相対表示はできない
(1) エネルギー
 強調表示(適切な摂取)の基準値は、「含まない」という表現→5kcal未満、「低い」 とい
う表現→40kcalである。したがって、製品の容器包装及び添付する文書で、エネルギー
が低い等の強調表示はできない。
 また相対表示の基準値は、対象となる食品との差が40kcal以上である。したがって差が
114kcalの砂糖については相対表示できる(「メープルシロップは、砂糖に比べるとエネルギ
ーが低い」とうたうことは可能)が、差が24kcalの蜂蜜については相対表示はできない。
(次ページに続く)
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3.栄養表示基準制度 5/5
(2) たんぱく質
 強調表示(補給ができる旨の表示)、相対表示とも基準値をクリアしていないので、特に
強調して表示することはできない。
(3) 脂質
 基準値をクリアしているので、強調表示(控えられる旨の表示)ができる。
(4) ナトリウム
 ゼロなので、「ナトリウムを含まない」と強調表示することができる。蜂蜜、砂糖との比較に
おいては、基準値(差が120mg以上)をクリアしていないので相対表示はできない。
(5) カルシウム
 強調表示(補給ができる旨の表示)の基準値は、「高い」という表現→210mg以上、「含
む」という表現→105mg以上である。したがって、カルシウムを含む等の表現はできるが、
カルシウムの含有量が多い等、強調した表現はできない。
(6) マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1、ナイアシ
 基準値をクリアしていないので、強調表示、相対表示はできない。
(7) ビタミンB2
 強調表示(補給ができる旨の表示)の基準値は、「高い」という表現→0.33mg以上、「
含む」という表現→0.17mg以上である。したがって強調表示はできる。また蜂蜜、砂糖と
の相対表示(基準値0.17mg以上)もできる。
<2> 栄養に関する情報を記載する場合の留意点
〈記載例 1〉 カルシウムやカリウムなど日本人に足りないミネラル成分を含んでいます
 カルシウム、カリウムについて記載した場合には、栄養成分表示欄を設けて、一般表示事
項の5項目に加えて、この2点についても成分量とともに表示しなければならない。
〈記載例 2〉 ポリフェノール化合物が含まれている/坑酸化作用のあるポリフェノールを含んだ
 ポリフェノールは栄養表示基準制度に該当しない成分なので、誇大広告にならない限り
で、自由に記載でき、表示欄も任意である。
〈記載例 3〉 ビタミン、ミネラル豊富な天然甘味料
 「豊富な」という表現は強調表示に当たり、すべてのビタミン、ミネラルが基準値をクリアして
いるわけではないので、このような記載は望ましくない。
 強調表示につながる表現がなくても、「ビタミン、ミネラル」と記載した場合には、栄養表示
欄を設けて、一般表示事項の5項目に加えて栄養表示基準制度に定められているビタミ
ン、ミネラルについても成分量とともに表示しなければならない。
食品表示方法や栄養に関する表示・表現が適切かどうかについては、当該機関(所管の保健所や都道府県等
自治体の保健衛生主管部など)が相談を受け付けています。表示に関する不明点の確認や相談は、これらの
機関へ問い合わせてください。(上記表現は都内保健所で確認したものです)
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4.アレルギー物質表示・有機食品表示 1/2
アレルギー物質表示
 日本では、食品衛生法に基づき、特定のアレルギー物質を含む原材料の表示が義務づけられてい
ます。
 メープル(サトウカエデ樹液)は、アレルギー物質に指定されていないので、サトウカエデ樹液のみを原
料とする製品へのアレルギー物質表示は不要です。
表示すべきアレルギー物質(2010年11月時点)
必ず表示すべき
7品目
えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生
表示が勧められ
ている18品目
あわび、いか、いくら、さけ、さば、牛肉、鶏肉、豚肉、くるみ、大豆、バナナ、もも、
りんご、オレンジ、キウイフルーツ、まつたけ、やまいも、ゼラチン、
• 上記の食品が原材料中に含まれる場合は、微量であっても(加工食品1kgに対して数mg以上であれば)、
「原材料名」の欄に表示が必要
Example
名称:洋菓子
原材料名:小麦粉、砂糖、植物油脂(大豆油含む)、鶏卵、
アーモンド、バター、脱脂粉乳、洋酒、香料(乳成分・卵を含
む)、乳化剤(大豆由来)、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)
• 「xx由来原材料が含まれる」という表現で表示
する
• 添加物にもアレルギー物質があれば表示する
有機食品表示
 日本において有機食品であることを示すのは、「有機JASマーク」です。農林
水産省が認めた登録認定機関によって認定を受け、このマークを付けなけ
れば、食品に「有機」や「オーガニック」と表示することができません。
(有機JASマーク)
 輸入加工食品が認定を受けて有機JASマークを貼付することも可能です。(詳細は次ページ)
有機加工食品とは(JAS規格の概略)
•原材料には、主として有機農産物・有機畜産物・有機加工食品を使用。(食塩・水・加工助剤の重量を除
いた原材料のうち、非有機食品の占める割合が5%以下であること。)
•加工には、主として物理的・生物的方法を用い、食品炭化物や薬剤の使用は避ける。
•薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造。
詳細は右記を参照(英語ページ) http://www.maff.go.jp/e/jas/specific/organic.html
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11
4.アレルギー物質表示・有機食品表示 2/2
有機食品表示(つづき)
海外からの有機食品に「有機JASマーク」を貼付・流通させるには
以下二つの方法があるが、現状では、カナダの場合は1)の方法のみ可能
1)原産国の生産者または製造業者が有機JASの認定を受ける
日本国内の登録認定機関、または登録外国認定機関から認定を受けた、外国の生産者または製造業
者が生産・製造した有機食品に有機JASマークの貼付を行い、流通させる方法。
2)輸入業者が有機JASの格付表示をする方法
日本の登録認定機関から認定を受けた輸入業者が、輸入した有機食品に有機JASマークの貼付を行い、
流通させる方法。
2)の場合は、原産国が、日本農林規格(JAS規格)による格付制度と同等の各付制度を有していると確
認され農林水産省によって指定された国である場合に限る。2011年3月現在、指定されているのは以下
の各国である。
U.S.A., EU27か国、Argentina, Australia, New Zealand, Switzerland
登録認定機関とは、農林水産大臣に登録された第三者機関で、JASマーク製品の製造業者等の認
定を行う機関。日本国外にも存在する(登録外国認定機関)。
有機農産物、有機加工食品については、2011年2月3日現在、80機関(国内62機関、外国18機関)
が登録されている。そのうち、カナダに事業所があるのは、以下の2機関だが、カナダ以外の機関でも、カナダ
で生産・製造された有機食品の認定を行う事業所はある
• Canadian Seed Institute (Ottawa, Ontario)
• Pro-Cert Organic Systems Ltd. (Saskatoon , Saskatchewan / Cambray, Ontario)
<参考>有機農産物、有機加工食品の全登録認定機関のリストは以下URLを参照(日本語)
http://www.jasnet.or.jp/HP%282009%29/6-ninteikikan/6.1.3.html
<参考・「有機JASマーク」を添付した輸入加工食品の事例>
フランス産ハーブティー
(商品説明文)
柑橘類の味覚で、そして、有機菩提
樹の花、有機レモンバームの葉、有機
ビターオレンジの葉、有機マヨナラの葉
のオリジナルミックスで、このハーブティー
は、くつろぎの時をもたらすでしょう。
有機JASマーク
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12
5.訴求ポイント表示の際の留意点 1/3
 日本では、販売する食品の容器包装及び添付する文書、さらに広告などにおいて、製品の利点を
訴求する場合にも、消費者が製品についてより正しく理解することができるように、次のように法律に
よって規制されています。
健康増進法に基づく誇大広告の禁止
 健康増進法によって、「何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、
健康の保持増進の効果その他厚生労働省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示を
し、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない」と決められています。
禁止されている表現
•治療、予防を目的とする表現
(内臓を強くする/視力を回復させる/血管の老化防止効果がある等々)
•特定の保健の用途に適する旨や栄養成分の効果等に関する表現
(便通の改善/減塩効果を高める等々)
•最高級の表現
(世界初スーパーダイエット/もっともヘルシー等々)
•行政機関等が認めたと誤認するような表現
(厚生労働省承認済み/ ○○国政府許可等々)
•伝聞調の表現
(・・・に効果があるといわれている/ ・・・に効果があると発表された等々)
•健康保持増進効果等に係るものではない認証等の表現
(・・に効く××茶〈特許番号○○号〉等々)
•起源、由来の表現
(・・・を治すと昔から言い伝えられてきた等々)
•好転反応に関する表現
(・・・は一過性のもので心配ない等々)
•体外排出によるダイエットをうたう表現
(からだにたまった脂肪を溶かす/糖分や脂肪分を吸着・排出等々)
※
※これらの表現については、薬事法でも、医薬品と区別するためにさまざまな禁止事項が設けられている
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づく規制
 販売される食品について、実際のものよりも著しく優良である、または事実に相違して類似の他の製
品よりも優良であると表示することは禁止されています。また、合理的な根拠がない効果・性能表示
は不当表示とみなされます。
〈不当表記の例〉
・実際は果汁60%のジュースを果汁100%と表示
・実際は機械打ちの麺を 手打ちと表示
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5.訴求ポイント表示の際の留意点 2/3
<参考 1・輸入加工食品における訴求ポイントの表示例>
Example 1. インド産の紅茶
ダージリンティーバッグ
インド、ダージリン地区はヒマラヤ山
麓に位置した風光明媚な茶園地
区です。
その茶園で栽培された紅茶は世
界の三大銘茶のひとつに数えられ
ます。ダージリン茶の最も香り立ち
のよい時期を「セカンドフラッシュ」と
言われその茶葉をブレンドした逸
品です。
Example 2. イタリア産のジャム
日本では、“修道院”というだけでもプラスイメージが強い。また下線部は、「有
機栽培」の用語が使えないので、表現に工夫がなされていると思われる。
【修道院の自家製ジャム】
モナチ ディ ラヌーヴィオ
イタリア・ローマにあるラヌーヴィオの街
ここの修道院でつくられた食材が今注
目を集めています。自家農園で丹念に
栽培された、自然の味わいが感じられ
る体にやさしい品々です。
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5.訴求ポイント表示の際の留意点 3/3
Example 3. イタリア産のはちみつ
【純粋アカシア蜜】
自然環境に恵まれた場所に配置した巣箱
からとれた蜂蜜です。加熱殺菌せずにフィル
ターろ過をして熟成させました。
イタリア北西部・ピエンモンテ州のアカシアの
森でとれたあっさりとして上品な味の蜂蜜で
す。
クセがなく使いやすく、ヨーグルトやコーヒー、
フルーツをはじめ様々なお料理にご利用いた
だけます。
果糖が多く、結晶しにくい蜂蜜です。
<参考 2・日本市場におけるメープルシロップ製品の訴求ポイント表示例>
おいしいだけでなく安心でからだに優しい甘味料
 「安心」、「からだに優しい」のイメージワードで、安全、からだによい(栄養的に優れている)と
いうメリットを訴求している。
 ORAC値が高い
 健康意識の高い日本では、「活性酸素」(除去)への関心も高く、インパクトの強い魅力点
といえる。*ORAC=活性酸素吸収能力を示す国際指標。
 100%天然。100%ピュア
 蜂蜜のように刺す甘みではなく砂糖のようにくどくもない、まろやかで上品な甘み
 ミネラルが刺激になって甘さを強く感じるのが特徴
 カロリーオーバーを気にする人が多い日本では、少量で甘さに満足できカロリーを控えられる
のは大きな魅力。
 ただし、栄養表示基準制度に定められているミネラル成分を含む栄養表示欄
の記載は必須。
 (料理に使う場合)焦げにくく、すぐ溶けるなど使い勝手がよい。コクと風味があるので、味に深み
が出る
食品表示方法や栄養に関する表示・表現が適切かどうかについては、当該機関(所管の保健所や都道府県等
自治体の保健衛生主管部など)が相談を受け付けています。表示に関する不明点の確認や相談は、これらの
機関へ問い合わせてください。(上記表現は都内保健所で確認したものです)
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6. 資料1
補給ができる旨の表示について守るべき基準値一覧表
〈第1 欄〉
〈第2 欄〉
高い旨の表示をする場合は、次のいずれかの基準値以上 含む旨の表示をする場合は、次のいずれかの基準値以上
であること
であること
他の食品と比べて栄養成分の量や割合が「多い」ことを表
示する場合、強化された旨の表示のある栄養成分の「増
加量」が、次のいずれかの基準値以上であること
栄養成分
食品100g 当たり
( )内は、一般に飲用に供する液状で
の食品100ml 当たりの場合
たんぱく質
食物繊維
亜鉛
カルシウム
鉄
銅
マグネシウム
ナイアシン
パントテン酸
ビオチン
ビタミンA
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンB12
ビタミンC
ビタミンD
ビタミンE
葉酸
15g
6g
2.10mg
210mg
2.25mg
0.18mg
75mg
3.3mg
1.65mg
14μ g
135μ g
0.30mg
0.33mg
0.30mg
0.60μ g
24mg
1.50μ g
2.4mg
60μ g
(7.5g)
(3g)
(1.05mg)
(105mg)
(1.13mg)
(0.09mg)
(38mg)
(1.7mg)
(0.83mg)
(6.8μ g)
(68μ g)
(0.15mg)
(0.17mg)
(0.15mg)
(0.30μ g)
(12mg)
(0.75μ g)
(1.2mg)
(30μ g)
100kcal
当たり
7.5g
3g
0.70mg
70mg
0.75mg
0.06mg
25mg
1.1mg
0.55mg
4.5μ g
45μ g
0.10mg
0.11mg
0.10mg
0.20μ g
8mg
0.50μ g
0.8mg
20μ g
食品100g 当たり
( )内は、一般に飲用に供する液状で
の食品100ml 当たりの場合
7.5g
3g
1.05mg
105mg
1.13mg
0.09mg
38mg
1.7mg
0.83mg
6.8μ g
68μ g
0.15mg
0.17mg
0.15mg
0.30μ g
12mg
0.75μ g
1.2mg
30μ g
(3.8g)
(1.5g)
(0.53mg)
(53mg)
(0.56mg)
(0.05mg)
(19mg)
(0.8mg)
(0.41mg)
(3.4μ g)
(34μ g)
(0.08mg)
(0.08mg)
(0.08mg)
(0.15μ g)
(6mg)
(0.38μ g)
(0.6mg)
(15μ g)
100kcal
当たり
3.8g
1.5g
0.35mg
35mg
0.38mg
0.03mg
13mg
0.6mg
0.28mg
2.3μ g
23μ g
0.05mg
0.06mg
0.05mg
0.10μ g
4mg
0.25μ g
0.4mg
10μ g
6. 資料2
適切な摂取ができる旨の表示について守るべき基準値一覧表
〈第1 欄〉
〈第2 欄〉
含まない旨の表示をする場合は、次の基準値に満たない 低い旨の表示をする場合は、次の基準値以下であること
こと
他の食品と比べて栄養成分の量や割合が「少ない」ことを
表示する場合、低減された旨の表示のある栄養成分等の
「低減量」が、次の基準値以上であること
栄養成分
食品100g 当たり
食品100g 当たり
( )内は、一般に飲用に供する液状での食品100ml 当た ( )内は、一般に飲用に供する液状での食品100ml 当た
りの場合
りの場合
熱量
脂質
飽和脂肪酸
5kcal
0.5g
(5kcal)
(0.5g)
0.1g
(0.1g)
5mg
(5mg)
かつ飽和脂肪酸の含有量
1.5g
40kcal
3g
1.5g
(20kcal)
(1.5g)
(0.75g)
かつ飽和脂肪酸由来エネルギーが全エネルギーの10 %
20mg
(10mg)
かつ飽和脂肪酸の含有量
(0.75g)
かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10 %
1.5g
(0.75g)
かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10 %
コレステロール
(注)1 食分の量を15g 以下と表示するものであって当該 (注)1 食分の量を15g 以下と表示するものであって当該
食品中の脂肪酸の量のうち飽和脂肪酸の含有割合が 食品中の脂肪酸の量のうち飽和脂肪酸の含有割合が
15 %以下で構成されているものを除く
15 %以下で構成されているものを除く
糖類
ナトリウム
0.5g
5mg
(0.5g)
(5mg)
5g
120mg
(2.5g)
(120mg)
この資料は、カナダのメープル産業を代表してケベック・メープル製品生産者協会と、
カナダ農務・農産食品省からの資金提供により作成されています。
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