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(素案)第2部 デザインガイドライン(手引き)

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(素案)第2部 デザインガイドライン(手引き)
4.デザインの手引き
規制誘導項目ごとに、創意工夫を促すための参考となる資料を提供するものです。
眺望点
・写真 1-1:中層部の屋上を眺望を楽しめるようにした事例。誰でも自由に
利用することが出来き、梅田スカイビルや大阪駅北地区の開発、淀川な
どを望むことが出来ます。(大阪ステーションシティ、大阪市)
(上)桜・松等の樹木を取り入れ、日本伝統の美の手法を和モダンの「庭」
として取り入れた「和らぎの庭」(10 階)
(下)水のせせらぎの音や風のモニュメント・風のパラソルで、休息を愉し
める憩いの空間とした「風の広場」(11 階)
【実現手法の例】
・屋上を緑化するとともに広場としてデザインし、誰でも自由に入れるよ
うにする。
・ベンチと共に樹木や水、モニュメント等を配置し、憩える空間となるよ
うにする。
写真 1-1
・写真 1-2:階段室を眺望を楽しめるようにした事例。複数のフロアにまた
がる展示室間の移動に利用する階段室が大阪城に向け設置されてお
り、普段とは異なる視点から大阪城公園の景観を楽しむことができます。
(大阪歴史博物館、大阪市)
写真 1-2
【実現手法の例】
・階段やエレベーター室の外装に透過性があるものを使用するととも
に、熊本城が見えるような場所に配置し、移動時に眺望を楽しめるよう
にする。
69
・写真 1-3:建物内の共用空間を眺望を楽しめるようにした事例。階高を高
くする、光を取り入れ明るい内装にする、椅子を置く、樹木を植えるなど、
開放的で居心地がよくなるよう工夫しています。(梅田阪急ビル、大阪)
【実現手法の例】
・建物内の熊本城を眺められる場所に共用空間を設け、椅子等を配置
し誰もが休めるようにする。
写真 1-3
・上記の空間は階高を高くする、光が入りやすくする、樹木を植えるな
ど、居心地がよくなるようにする。
・写真 1-4:中層部の屋上に飲食店のテラス席を設けた事例。飲食店利
用者のみが入ることができます。(NU 茶屋町、大阪市)
【実現手法の例】
・高層部の壁面後退により生じる中層部の屋上を、休憩スペースや飲
食店等の屋外席として利用できるようにする。
写真 1-4
・写真 1-5:ランドスケープで軸性を演出した事例。夜間はレーザー光線
を照射し、夜影をヴァーチャルな軸性が貫きます。(セルジポントワー
ズ、フランス)
【実現手法の例】
・シンボルプロムナード上の舗装等のデザインを工夫し、熊本城との関
係を感じられるようにする。
・樹木やその他施設などが眺望を遮ることがないよう、それらの配置を
工夫する。
70
写真 1-5
みどり
<緑化による資産価値の維持向上・外部経済の創出>
・写真 2-1:荒廃した公園がリニューアル及び NPO による管理とイベント
の実施等の長年の取り組みにより、荒廃から憩いと賑わいの場に再生し
ました。近隣エリアのオフィス賃料を他の周辺地区より高めることに寄与
しています。(1990~2002 年間で周辺地区が平均 41~73%増であっ
たのに対し、近隣エリアは 115~225%上昇。調査報告 How Smart
写真 2-1
Parks Investment Pays Its Way、2003)
(ブライアントパーク、ニューヨーク、アメリカ)
・図表 2-1:質の高い緑化空間は周辺の地区を含めたオフィスワーカーの
作業効率や創造性の向上に寄与します。(調査結果出典:緑化とオフィ
スワーカーの創造性等について~住信基礎研究所レポート:日経アーキテ
クチャ 2010.10.11)
図表 2-1
・写真 2-2:質の高い緑化空間は来訪者数や売上高の増化に寄与しま
す。アンケートにより緑化が来訪動機に占める割合を調べ、回答者の消
費金額等から効果を試算した結果、年間約 92 億円と推計。(調査結果
出典:なんばパークス緑化による売上げ効果試算~第 12 回日中韓ランド
スケープ専門家会議:日経アーキテクチャ 2010.10.11)
写真 2-2
(なんばパークス、大阪)。
・写真 2-3:隣接する公園と連続して都心に緑の丘(山)の景観をつくりだ
している例。(アクロス福岡)
写真 2-3
71
<低層部の緑化>
・写真 2-4:建物前面の民地内に設けられた、季節感があり手入れの行き
届いた緑化。道路と低層部のカフェの柔らかなバッファとなっています。
(御堂筋、大阪市)
写真 2-4
・写真 2-5:建物低層部を段状のテラスとし、店舗などを導入することで、
一般の人が出られるようにしている例(2013.03 竣工)。都市再生特別地
区の指定による容積緩和の条件として整備が位置付けられています。
((仮称)京橋 3-1 プロジェクト、東京都。図版出典:東京建物ホームページ)
写真 2-5
<オープンスペースの緑化>
・写真 2-6:一般に開放され来訪者が絶えない民間開発敷地内のオープ
ンスペース。全面的に芝生が張られ都心の憩いの場となっています。広
場では無線 LAN が利用できるほか、イベント等への貸し出しも行なわれ
ています。
(東京ミッドタウン、東京都)
写真 2-6
<壁面緑化>
・写真 2-7:庇部分を利用して低~中木を植えている壁面緑化。全ての階
において室内から屋外に豊かな緑を望むことができます。
(山陽新聞社本社、岡山市)
写真 2-7
72
・写真 2-8:大規模な壁面緑化。市松状に緑化をすることで実際の面積よ
り目に入る緑化面積を増やしています。採用されている植物は大気汚染
物質 NOX を吸収分解する効果もあるとされています。
(キャナルシティ博多イーストビル、福岡市)
写真 2-8
・写真 2-9:駐輪場の外周を緑化し、景観に与えるインパクトをやわらかく
している例。
(ブリーゼタワー、大阪市)
写真 2-9
・写真 2-10:庭園の空間の一部として、円柱のような局面部材にも積極的
に壁面緑化を施している例。独自の技術でこれまで難しかった多品種の
植生を実現しています。
(丸の内パークビルディング・ブリックススクエア、東京都)
写真 2-10
<屋上緑化>
・写真 2-11:屋上を単なる緑化ではなく農園として活用し、市民の楽しみ
や食育に活用しています。(米、野菜、果物を栽培してビル内のレストラ
ンに提供するほか一部は市民に有料で貸し出し)
(大阪ステーションシティ、大阪市)
写真 2-11
・写真 2-12:屋上から近隣の緑を眺めながら食事等ができるスペース。
(Derry and Toms Roof Garden、ロンドン)
【実現手法の例】
・周辺も含め地域の価値を高めるような、見られることを考えた緑化、来
訪者・利用者の居心地や使い勝手を考えた緑化、維持管理が行き届
いた質の高い緑化などを行う。
73
写真 2-12
<植え方>
・写真 2-13:福岡市天神地区のメインストリートである渡辺通の街路樹。
「都心にローカリティ豊かな緑と季節感を取り戻す」「自然の植生を活か
した緑化を図る」という整備当初のコンセプトにより、自然林に近いランダ
ム植栽と混植、沿道建物のボリュームに負けない密度感を目指し整備さ
れています。
(渡辺通、福岡市)
写真 2-13
・写真 2-14:城への眺望を著しく遮ることのないよう、検証の上整備された
並木と道路付属物。
(大手モール地区、富山市)
写真 2-14
・写真 2-15:肥後六花(肥後菊、肥後椿、肥後山茶花(ひごさざんか)、肥
後花菖蒲(ひごはなしょうぶ)、肥後朝顔、 肥後芍薬(ひごしゃくやく))。細
川家 8 代重賢のときに、武士のたしなみとして始められたもので、各々に
花連と呼ぶ保存団体があり、門外不出として現在に伝えられています。
※熊本城公式サイトより引用
【実現手法の例】
・植え方を等間隔とすることや樹種を統一することにこだわらない。熊
本城とのつながりを感じさせるような樹種、密度感に配慮する。
・熊本城への眺望をできるだけ遮らないよう植樹場所は十分な検討を
行う。
・楠や銀杏など周辺で見られる種類、肥後椿やリンドウなど地域性のあ
る種類を推奨する。
74
写真 2-15
外部通路
・写真 3-1:広場を取り囲むように配置され、階高が高く開放感のある外部
通路。庇により半屋内的な空間となっています。広場ではイベントが行
われることもあり、その際は外部通路から観覧することもできます。外部
通路へは最寄駅から地上に降りることなく、また雨に濡れず直接アプロ
ーチすることができ、主要な動線を兼ねています。
(兵庫県立芸術文化センター、西宮市)
写真 3-1
・写真 3-2:歩道の機能を兼ねた※2 階レベルの外部通路。地下道も並行
して整備されているため、地下~2 階レベルの立体的な回遊が促されて
おり、バリアフリー対応のエレベーターも整備されています。
(西梅田、大阪市)
※道路に歩道空間はなく、地区計画により歩道状空地の位置づけがさ
れた民地部分がその役割を兼ねている。
写真 3-2
・写真 3-3:商業・オフィス・ホテル等が複合する大規模施設の中心部に
設けられた屋外イベントスペースと、その空間を上層からも眺められるよ
うに設けられた各階の半屋外空間。通常時は通路であるが、イベントが
開始されると途端に巨大な劇場空間へと変貌します。
(キャナルシティ博多、福岡市)
写真 3-3
75
・写真 3-4:古い石造りの平凡な建物に増築されたガラスとスティールのエレ
ベーターが、景観上のアクセントとなり建物の顔づくりに寄与している例。
(ソフィア王妃芸術センター、マドリッド、スペイン)
【実現手法の例】
・通路は2階もしくは3階レベルに設ける。
・シンボルプロムナードや(仮称)花畑広場への見通しに配慮する。
・通路は、シンボルプロムナードや(仮称)花畑広場の観覧の場として、
十分な幅員を持たせる。
・「賑わいの場」に面しては、複数階に地上部を眺められるような場を設
ける。
・適宜上下動線を設け、シンボルプロムナードから直接出入りできるよう
にする。
・上下動線は景観上のアクセントとなるようデザインに配慮する。
76
写真 3-4
低層部用途
・写真 4-1:「06 低層部に賑わい用途を導入する」の賑わい用途とは、以下のような用途を想定しています。
<集客・交流>
●飲食
・カフェ、レストラン等①
●物販
・ファッション、デザイン雑貨、書店等②
①
②
③
④
⑤
⑥
●その他
・ホールホワイエ③
・ホテルロビー④
・フィットネスクラブ⑤
・サテライトキャンパス⑥
等
<観光・情報発信>
・観光インフォメーション⑦
・アンテナショップ⑧
・ギャラリー/ショールーム⑨
【実現手法の例】
⑨
⑧
⑦
・1階・2階(外部通路に面する部分)
写真 4-1
には、上記のような賑わい用途を場
所に応じて導入する。
・写真 4-2:低層部の賑わい用途に外部から直接出入りできるようにした
事例。
(淀屋橋 odona、大阪市)
【実現手法の例】
・1階・2階(外部通路に面する部分)の賑わい用途には外部から直
接出入りできるようにする。
写真 4-2
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素材
・「07 壁面や地表面は多様で風合いのある素材・色彩を用いる」の素材は、以下のようなものを想定していま
す。特に、地元で確保できる素材については積極的に使用することを推奨します。
<地表面に用いる素材の例>
写真 5-2:木
写真 5-1:石
(左は熊本駅前で使用されている阿蘇溶岩石)
写真 5-3:芝・土
<壁面に用いる素材の例>
写真 5-5:石
写真 5-4:木
(左は熊本空港に使用されている県産材。杉を使ったルー
バー天井や造作天井、檜集成材の方立など内外装に熊
本の木を使い、木の香りのする熊本らしい「顔」づくりを意
図しています)
写真 5-6:煉瓦・テラコッタ
<壁面に用いる素材の用い方の例>
・写真 5-7:必ずしも外気に面する部分でなくても、ガラス等
透過性の高い部材の内側に使用することで、奥行きのあ
る表情をつくることもできます。
写真 5-7
78
色彩
・図表 6-1:熊本市景観計画により、色彩について「地域で推奨する色彩」及び「使用できない色彩」を定めてい
ます。
・「地域で推奨する色彩」及び「使用できない色彩」は、下のとおりです。
・樹木との関係に配慮し、地域の雰囲気を損なわない「地域で推奨する色彩」を使用するように努めます。ただ
し、「地域で推奨する色彩」以外を使用する場合は景観シミュレーションを行い、デザイン調整会議にて協議す
ることとします。
・対比効果の大きい色彩(色相・明度・彩度)の組合せは避けるように努めます。
(熊本市景観計画 熊本城周辺の景観形成基準より)
図表 6-1
79
壁面のデザイン
<壁面位置の統一、軸性(ビスタ)の演出>
・写真 8-1:個々の建物の高さは違っても、壁面の位置を揃え、1 階と 2 階
の間の庇は高さが揃えられていることで、まちなみとしてのまとまりを感じ
させます。(唐人町、熊本市)
写真 8-1
・写真 8-2:2 階と 3 階の間で壁面のデザインを切り替え、それが連なるこ
とで、水平方向に敷地単位を超えた連続性が生み出されています。
(上:銀座、東京都/下:御堂筋、大阪市)
【実現手法の例】
<壁面位置の統一>
・規制誘導項目 03(p22)に示す通り、壁面の位置を後退させる。
<軸性(ビスタ)の演出>
・2階または3階レベルに外部通路を設ける。
・低層部と中層部の間(例.2階と3階の間)でデザインの切り替えを行う。
・低~中層部に庇を設ける。
・高層部の壁面を後退させることで、一定の範囲内に軒線を揃える。
写真 8-2
<壁面の分節>
・写真 8-3:一続きの壁面の単調な印象やスケールアウトの印象を軽減す
るため、デザイン上の工夫がなされています。(途中にスリットを入れる、
テナントの区画を分け複数の店舗が街路に面するようにするなど)
(上:淀屋橋 odona、大阪市/下:赤坂サカス、東京都)
【実現手法の例】
・長大な壁面はスリットを入れる、またはシンボルプロムナードに面するテ
ナントの区画を小さくするなどして、適度なスケール感が出るようにす
る。
写真 8-3
80
<アクティビティのにじみ出し、あかりの演出>
・写真 8-4:壁面の透過性を高め、外部からでも内部の人の気配や動きを
感じることができます。
写真 8-4
・写真 8-5:外部に閉じがちな商業施設の中層に開口とテラスを設け、内
部の人が外気に触れリフレッシュできるようにするとともに、その様子を外
部からも見ることができるようにしています。(ラシック、名古屋市)
写真 8-5
・写真 8-6:外壁側を棚や物置にするのではなく、透過性の高い素材を用
いてディスプレイ等として積極的に利用するとともに、店舗内の柔らかい
光で沿道の賑わいを演出しています。
【実現手法の例】
・外壁にはできるだけ透過性の高い素材を用いるとともに、それに面して
休憩スペースや飲食店、上下動線等を設ける。
写真 8-6
・適宜外気に触れられる場所などを設ける。
<まちかどの顔づくり>
・写真 8-7:大きな庇をもうけ、特色あるまちかどの景観をつくっている例。
庇の下の空間では小規模なイベントなども行われています。透過性が高
い壁面越しに内部の様子も垣間見ることができます。(丸の内、東京都)
写真 8-7
・写真 8-8:角地に面する部分のデザインに曲線を用い、また足元には広
場を設け、共調して通りの入り口を演出しています。また、角部の建物内
にはそれぞれ外部が眺められる休憩等のスペースを設け、特色ある使
い方をしています。(きらめき通り、福岡市)
写真 8-8
81
・写真 8-9:上:銀座のランドマークになっている時計塔のあるまちかどの
デザイン。(銀座和光、東京都)。下:(参考)無表情で印象に残らないま
ちかどのデザイン。(都内某所)
【実現手法の例】
・角部はデザインや素材に変化をあたえる。
・角部の使い方は眺望や休憩など特色がでるように工夫する。
・できるだけ両側の建物で協調したデザイン要素を取り入れる。(例.大
きな庇を設置する、建物高さを高くする、曲線を用いる、ルーバー状の
デザインを採用するなど)
写真 8-9
82
たまり空間
・写真 9-1:イベントの場としても活用可能な広がりのある空間。
(兵庫県立芸術文化センター、西宮市)
写真 9-1
・写真 9-2:一般に開放された民地内のオープンスペース。店舗が面し、
椅子とテーブルも置かれているため外部での飲食もできます。店舗用に
限らないベンチも用意されており待ち合わせ等に利用されています。
(東京ミッドタウン、東京都)
写真 9-2
・写真 9-3:上通に面して設けられた広場空間。人通りが多いまちかどに
あり視認性も高く、多くのイベント等が開催されています。
(びぷれす熊日会館、熊本市)
写真 9-3
・写真 9-4:歩道状の空地と建物の凹部を利用して路上コンサートを開催
する様子。電源等も利用できるようになっています。
(淀屋橋 odona、大阪市)
【実現手法の例】
・多様なアクティビティを受け入れられるよう、様々な規模のたまり空間を
創出する。
写真 9-4
・公共用地と民地の路面のしつらえは一体性があるものとする。
・周辺から広場(たまり空間)への見通しがよくなるよう、柱や工作物の位
置に配慮する。
・店舗等が面するように工夫する。
・適宜椅子やテーブル等を設置する。
・雨や日射しを遮ることができるよう、庇や屋根を設ける、ピロティ空間と
する等の工夫を行う。
・イベント利用時に電機等のインフラが利用できるよう考慮する。
83
水
・写真 10-1:まちの中心の広場に薄く張られた水盤(水鏡)。世界遺産の
街並みを象徴的に映し込むことを意図したものであり、観光名所になっ
ています。ミストを噴出したり水を抜いたりすることができ、水を体感でき
るほか風景に変化を与えています。
(ウォーターミラー、ボルドー、フランス)
写真 10-1
・写真 10-2:民間開発敷地内に暑さ対策として設けられたミスト散布設
備。季節限定で足水用のせせらぎなども用意されています。(東京ミッド
タウン、東京都)
写真 10-2
・写真 10-3:ショッピングモールの屋上に憩える場として設けられた空間。
噴水はオルゴールの音色にあわせ飛び出たり、夜にはライトアップもさ
れます。また夏はドライミストにより涼やかな空間をつくっています。(阪
急西宮ガーデンズ、西宮市)
写真 10-3
・写真 10-4:六甲道駅前南側、震災で再開発された地区の街角に、従前
のまちの記憶としてまた実際に汲み上げることができる実用的な機能と
して設置されている井戸ポンプ。(六甲道地区、神戸市)
写真 10-4
84
・写真 10-5:豊かな木陰に囲まれたせせらぎ。水は夏場の視覚的な涼し
さだけでなく、実際のヒートアイランド抑制効果もあります。
写真 10-5
・写真 10-6:駅前の整備にあわせて、地域を象徴する豊かな「地下水」を
イメージさせる仕掛けとして水飲みと親水空間を設けた例。
(熊本駅新幹口(西口)駅前広場、熊本市(写真出典:熊本市上下水道
局公式サイトより))
【実現手法の例】
・おいしい地下水が飲める水飲み場を設ける。
写真 10-6
・足水に利用するなど触れられる水のせせらぎを設ける。
・地下水を汲み上げるポンプを設け、利用者が自ら楽しみながら汲み上
げられるようにする。
・熊本城を映し込む水盤を設ける。
・地下水が沸き出るイメージを表すものとして、噴水やミスト散布の設備を
設ける。
・雨水・中水利用設備を設ける。
・透水性のある舗装材を採用する。
85
ひかげ
・写真 11-1:「樹木」がつくるひかげ。
名称の由来ともなっている埼玉県の県の木「けやき」が 220 本植えられ、
居心地の良い木陰をつくっています。隣接するさいたまスーパーアリー
ナのイベントと一体で活用されることもあります。
(さいたま新都心けやき広場、さいたま市)
写真 11-1
・写真 11-2:「建物」がつくるひかげ。
大屋根を設けたり、1 階部分をピロティにしたりすることで、大きなひかげ
が生み出され、視線の抜けや動線も確保されています。
ピロティの場合、明るさを確保するための工夫として、階高を高くし側面
から多くの光を取り入れている例(上)や、天井面にキラキラと輝く反射を
する金属を用い、光を奥まで導いている例(下)などがあります。
(上:山陽新聞社、岡山市)
(下:フォーラムビル 2004、バルセロナ、スペイン)
写真 11-2
・写真 11-3:「建物」がつくるひかげ。
庇やすだれなどをデザインに取り込むことでファサードに陰影をつけ表
情を豊かにするとともに、足元にもひかげを生み出しています。日射を
遮蔽することによる建物の省エネルギー化も期待できます。
(京都府医師会館、京都市)
写真 11-3
86
・写真 11-4:「仮設物」がつくるひかげ。
パラソル、天蓋、暖簾を季節や天候、イベントに応じて活用している例。
柔軟に設置・撤去や場所の移動ができる特性を活かし、空間の印象に
変化を与え、季節感や賑わいを演出する効果が期待できます。
また、日射を遮る日中の利用以外にも、照明器具と一体的にデザインす
ることで、夜間の空間演出に活用することも考えられます。
(上:ブライアントパーク、ニューヨーク、アメリカ)
(中 2 枚:ベルシー地区、パリ、フランス)
(下 1 枚:函館市、北海道)
【実現手法の例】
・樹木は木陰を生み出す枝張りの大きなものを休憩スペースなど人が集
う場に配置する。
・特に人通りが多い桜町再開発建物のコンコース付近やバスターミナル
の出入口部分、あるいはバスターミナルと電停・アーケードを結ぶ動線
上は、屋根のある大空間の設置や一部をピロティ状にするなど、建物と
一体となったひかげ空間を設ける。
・建物のファサードは庇やルーバー、すだれなどをデザインに取り込むな
どして、表情に変化を与える工夫や空調エネルギーを低減させる工夫
を行う。
・日射遮蔽のほか、季節感の演出や夜間を含めた賑わいの演出を考慮
したパラソルや天蓋、暖簾などを設置できるようにし、それらを季節や天
候、イベントに応じて活用する。
写真 11-4
87
サイン・広告物
・写真 7-1:【民地への公共サインの設置】道路等の公共空間上の広告物用
の構造物を減らし、すっきりとした空間をつくることを意図し、地権者と協定
を結んで公共的な案内地図・サインを民地内に設置している例。
(喜多方市)
写真 7-1
・写真 7-2:【公共用地への民間広告の設置】
広告物を集約して公共空間などに設置し、まちの賑わいを演出している例。
(左:パリ、右:西宮市)
写真 7-2
・写真 7-3:【公共用地・民地のサイン・広告デザインの調整】
公共空間と民地のバナー広告に色彩・掲出方法等で一体感がある例。
(オスロ、ノルウェー)
写真 7-3
・写真 7-4:【サイン等の集約設置】
案内地図・サインを集約させるとともにデザイン性を高めた例。
(丸の内仲通り、東京都)
写真 7-4
・写真 7-5:【広告・サインの掲出方法のルール化】
建物壁面に出す広告の大きさや位置に共通性を持たせた例。
(好ましくないイメージの例)
・大きさ、位置等に統一感がないもの
・同一のテナントの広告が色違いなどで複数個所に出されており、調整され
ていないもの など
88
写真 7-5
・写真 7-6:【広告・サインの掲出方法のルール化】
テナントバナーの出し方に共通性を持たせた例。
(好ましくないイメージの例)
・建物のバナーフラッグとテナントのバナーフラッグが二重で設置されている
もの
写真 7-6
・窓面シール広告、置き看板、袖看板など多様な媒体が煩雑に併存し、煩
雑な印象を受けているもの
など
【実現手法の例】
<出し方の工夫>
・サイン等の設置については、敷地等の管理者によらず、動線に配慮した
場所への設置とするため、一定のルールの下、官民協働で取り組む。
・広告物は配置やバランス等を調整し、一体性と多様性を演出する。
・写真 7-7:【ファサードと一体となった広告デザイン】
ファサードデザインを活かした広告の例。季節や催事に応じて様々な演出
が施されています。
(松屋銀座、東京都)
写真 7-7
・写真 7-8:【デザインへの配慮】
切り文字やバックライトを用いることにより、スマートで表情のある広告の例。
(各所)
写真 7-8
・写真 7-9:【デザインへの配慮】
アートとしての広告デザインへ取り組んでいる例。
(ポートラム停留所、富山市)
写真 7-9
89
・写真 7-10:【デザインへの配慮】
全国一律のコンビニのサインをビルの意匠に合わせてデザインした例。
写真 7-10
・写真 7-11:【デザインへの配慮】
透過性を損なわずにデザインされたガラス面の広告の例(東京国際フォー
ラムほか)
(好ましくないイメージの例)
・ガラス面に室内側から外部に向け広告を貼りつけて煩雑な印象を高めた
り、内部の人の様子が垣間見られなくなっているもの
写真 7-11
など
・写真 7-12:【デザインへの配慮】
のぼりや置き看板を暖簾風のデザインとして統一感を持たせた例。
(好ましくないイメージの例)
・デザインに配慮していないのぼりや置き看板などにより歩行空間を狭め、
ビル本体まで安っぽくみせているもの
など
【実現手法の例】
<デザインの工夫>
・固定的なもの(ビル・テナント名称など)は長期的な視野で揃えることを検
討する。
・短期的なもの(バナー、はり紙など)はデザイン性を競い、高める。
90
写真 7-12
91
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