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広告等法規・行政情報 - 公益社団法人 東京広告協会

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広告等法規・行政情報 - 公益社団法人 東京広告協会
広告等法規・行政情報
№281
平成26年9、10月度
【国の行政機関等の動き】
Ⅰ.消費者庁関係
⑴
危険ドラッグ通販サイトの集中取り締まりで特商法違反のおそれがある77
サイトの運営業者に表示是正を要請(9月8日)………………………………
⑵
1
根拠なく食品の摂取だけで痩せるとうたっていた健康食品販売事業者に景
表法違反(優良誤認)で措置命令(9月19日)…………………………………
⑶
1
ネット上の健康食品等表示監視業務の結果、健康増進法違反となるおそれが
ある16事業者に改善要請(9月26日)……………………………………………
⑷
2
松阪牛の不当な表示により飲食店事業者に景表法違反(優良誤認)で措置命
令(10月15日)………………………………………………………………………
⑸
3
旅行情報ウェブサイトにおける宿泊プラン等の不当表示で旅館事業者に景
表法違反(優良誤認)で措置命令(10月23日)…………………………………
3
Ⅱ.経済産業省関係
⑴
会員勧誘目的であることを隠して温泉などに誘い連鎖販売契約の勧誘を行
っていた事業者に特商法違反で指示処分(9月11日)…………………………
⑵
4
大臣官房調査統計グループ、
「平成25年特定サービス産業実態調査」結果(確
報)まとめる(10月31日)…………………………………………………………
⑶
4
大臣官房調査統計グループ、「特定サービス産業動態統計調査」広告業平成
26年7、8月の結果まとめる ……………………………………………………
6
Ⅲ.農林水産省関係
たまねぎ加工製品の原料原産地不適正表示により農作物生産加工販売事業
者にJAS法違反で是正指示(10月22日)…………………………………………
6
【国の行政機関等の動き】
Ⅰ.消費者庁関係
⑴
危険ドラッグの通信販売サイトについて調査を実施し、特定商取引法の表示義務
に違反しているおそれがある77サイトの運営業者に対し表示の是正を要請したこと
を9月8日に公表した。
調査の対象としたのは消費者庁が選定した危険ドラッグの通販サイト146サイト
の表示で、平成26年8月から特定商取引法の規定に基づく集中的な取り締まりを実
施した結果、
「事業者名の欠落」
、
「住所の欠落」、
「電話番号の欠落」、
「返品特約の欠
落(消費者都合の返品を受けるか否かを表示していない)
」、
「意に反する申込み(ボ
タンをクリックするなどの行為が申込みにつながることを容易に認識できない)」、
「引渡し時期の欠落(申込みから商品の発送までどのくらいかかるか表示していな
い)」など、同法の表示義務に違反しているおそれがあると認められた77サイトの運
営業者にその部分を是正すること、及び消費者庁からの要請後1カ月を経過しても
是正が確認できない場合は通販サイトのURLや運営業者名などを公表する可能性
があることを通知した。
また、これら通販サイトでインターネット接続サービスを提供する13業者に対し、
上記の通知内容を通販サイト運営業者に行ったこと、及び消費者トラブルを防止す
るためインターネット接続サービスの提供停止(サイトの削除)などの措置を講ず
る旨の協力要請を行った。
消費者庁は、今回の調査でもその多くは事業者名や住所、電話番号などの連絡先
が欠落しており、自らを特定する情報を極力隠して通信販売というツールを利用す
る傾向が続いていることがうかがえる、としている。
⑵
合理的な根拠がないにもかかわらず、ダイエット食品を飲むだけで簡単に痩せる
ことができるかのように表示をしていた健康食品販売事業者に対し9月19日、景品
表示法に違反するものとして措置命令を行った。
優良誤認により措置命令を受けたのは、ハーブ健康本舗(福岡県福岡市)。同社は、
ダイエット食品「カロピタスリム
オールクリア」を通信販売するにあたり、平成
24年11月~平成26年1月8日の間、自社のウェブサイトに「食べたこと、なかった
1
コトに!?」
、
「3大パワーでオールクリア!『あまい』も『こってり』も『どっしり』
もまとめてカロピタ!」、「これらの自然植物が、糖分・脂質・炭水化物のカロリー
をサポート。」、「ダイエット中の“食べたい”気持ちをちから強く応援します。」な
どと記載することで、あたかも本食品を飲むだけで特段の運動や食事制限をするこ
となく、簡単に著しいダイエット効果を得ることができるかのような表示を行って
いた。同社にはその裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたが、提出
された資料は表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものだ
った。
⑶
インターネットにおける健康食品などの虚偽・誇大表示の監視を実施し、健康増
進法に違反するおそれのある表示をしていた16事業者に対し表示の改善を要請した
ことを9月26日に公表した。
同監視業務は、平成25年10月~12月(平成25年度第3四半期)にロボット型全文
検索システムを使用し、インターネット上の健康食品などの表示をキーワードによ
り無作為検索したうえ、検索されたサイトを目視により確認したもので、検索キー
ワードは「被ばく予防(治療)
」、
「放射性物質の体外排出」
、
「免疫力向上(アップ)
」、
「白血病の発症リスクの低減」
、
「甲状腺機能低下を防ぐ」
、
「体内の放射性物質を吸着
(排せつ)する」などの放射能(放射線)による疾病に効果があるかのような表現。
監視の結果、生鮮食品、加工食品、飲料等及びいわゆる健康食品の17商品に健康
増進法に違反するおそれがある健康保持増進効果の表示がなされていたため(下表
参照)
、表示を行っていた16事業者に対し改善を要請するとともにショッピングモー
ル運営事業者へも協力を要請した。
<平成25年10月~12月に表示されていた健康保持増進効果等の一部>
商品区分
表示されていた健康保持増進効果等
生鮮食品【2商品】
(農・水産物)
・食物繊維には体内に入った放射性セシウムを除去する効果を有する
こと等を標ぼうする表示
加工食品【1商品】
(農産加工品、水産加工品)
・ヨードが甲状腺機能を活性化して体内の新陳代謝を高める効果を有
すること等を標ぼうする表示
飲料等【3商品】
(茶、コーヒー及びココア調
製品、飲料、酒類)
・デトックス効果で、カニのハサミのように有害物質を挟み込み体外
へ排出します。 等
いわゆる健康食品【11商品】 ・カリウムとヨウ素は、正常な甲状腺機能に必要な成分を含む化合物
(カプセル、錠剤、顆粒状等)
です。ヨウ素は甲状腺ホルモンに不可欠である一部です。 等
2
⑷
メニューや看板などに、松阪牛を使用していないにもかかわらず「松阪牛」と記
載していた飲食店事業者に対し10月15日、景品表示法に違反するものとして措置命
令を行った。
優良誤認により措置命令を受けたのは、木曽路(愛知県名古屋市)
。同社は平成24
年8月~平成26年8月15日までの間、飲食店「木曽路北新地店」、
「木曽路神戸ハー
バーランド店」で提供する料理について、メニュー、店頭看板及び自社のウェブサ
イトに「松阪牛しゃぶしゃぶコース」
、
「松阪牛
入荷いたしました 木曽路が目利きした、最高
級の松阪牛を お楽しみ下さい。
」
、
「しゃぶしゃ
ぶ日本料理木曽路北新地店のこだわり こだわ
り1 松阪牛 限定入荷の特選松阪牛しゃぶし
ゃぶ」
、
「松阪牛すきやきコース」
、
「松茸としゃ
ぶしゃぶコース 松阪華(松阪牛)」
、
「季節のし
ゃぶしゃぶコース 高野槙(松阪牛)」などと記
載し、あたかもこれらの料理に松阪牛を使用し
ているかのような表示を行っていた。ところが
実際には、松阪牛ではない和牛の肉が使用され
ていた。
⑸
旅行情報ウェブサイトに事実とは異なる記載をするなど不当な表示を行っていた
旅館事業者に対し10月23日、景品表示法に違反するものとして措置命令を行った。
優良誤認により措置命令を受けたのは豆千待月(愛知県知多郡)
。同社は自らが運
営する旅館「いち豆」、「豆千待月」及び「豆千本館」の宿泊プランを旅行情報ウェ
ブサイトなどに掲載していたが、このうち「いち豆」に設置した貸切浴場である「彩
の湯」
、
「匠の湯」及び「幸の湯」について、
「当館の貸切露天風呂は1300mの地下よ
り湧き出る良質な温泉。とろりとした肌ざわりのお湯は日頃の疲れを癒すのにはも
ってこいです。」
、
「3種の貸切露天風呂はすべて天然温泉」などと記載し、あたかも
温泉であるかのように表示していたが、実際には温泉法に規定されている温泉では
なく、水道水を加温したものだった。
3
また、「豆千待月」の宿泊プラン「貸切露天風呂無料『知多の味覚の王様!』DX
とらふぐ会席」について、
「とらふぐ会席大好評!!」
、
「トラフグ会席(通常料理)[10
月1日~3月31日] 内容・特色 地元天然とらふぐを使った料理」などと記載し、あ
たかも天然のトラフグ料理を提供するプランであるかのように表示していたが、実
際には養殖のトラフグまたは安価なゴマフグを使用していた。
さらに、「豆千本館」の宿泊プラン「【一番人気】肉食系集合!知多牛・あわび会
席」について「柔らかくてジューシーな地元和牛の知多牛のステーキ」と記載し、
あたかも和牛料理を提供するプランであるかのように表示していたが、実際には「和
牛等特色ある食肉の表示に関するガイドラインについて」における和牛の定義には
あてはまらない牛肉を使用していた。
Ⅱ.経済産業省関係
⑴
四国経済産業局は、会員勧誘が目的であるにもかかわらず、それを明らかにしな
いまま友人・知人を温泉ホテルなどへ行くことを誘い、健康関連商品販売の会員契
約を結ぶための勧誘を行っていた連鎖販売取引事業者に対し9月11日、特定商取引
法に違反するものとして指示を行った。
勧誘目的不明示、公衆の出入りしない場所においての勧誘で指示処分を受けたの
は高陽社(岐阜県羽島市)
。同社は、取扱商品である海洋深層水、薬用入浴剤、栄養
補助食品などの健康関連商品を勧誘販売する“協力店”、“代理店”、
“特約販社”と
称する会員契約を友人や知人に結ばせることが目的であるのに、その目的は明かさ
ないまま「温泉ホテルに行きませんか。」、「説明会がありますから参加してくださ
い。」、「足湯に行きませんか。」とだけ言って友人や知人を誘い、同社経営のホテル
や公共施設の会議室などに連れて行って「“協力店”になると商品が安く買え、
“代
理店”になるとさらに安く買える。また、他に販売すれば配当金が入る。
」
、
「あなた
がこの水を人に紹介したら、あなたにマージンが入りますよ。」などと言ったり、
「協
力店をご紹介していただいた場合、販売紹介料を受けることができます。
」などと書
かれた書面を渡したりして会員契約の勧誘を行っていた。
⑵
大臣官房調査統計グループは10月31日、平成25年7月1日現在で実施した「平成
25年特定サービス産業実態調査」の結果(確報)をまとめた。
4
同調査は、サービス産業の実態を明らかにし、サービス産業に関する施策の基礎
資料を得ることを目的に、平成21年経済センサス基礎調査において日本標準産業分
類の小分類に格付けされた全国の事業所(一部業種は企業)を対象としている。
今回の調査における「広告業」の調査対象は、①広告代理業など依頼人のために
広告に係る企画立案、マーケティング、コンテンツの作成、広告媒体の選択等、総
合的なサービスを提供する事業所、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット
その他の広告媒体のスペース又は時間を当該広告媒体企業と契約し、依頼人のため
に広告する業務、②看板、広告塔など屋外において広告物の表示を行う業務、③フ
リーペーパー、ミニコミ紙など自ら広告媒体を発行し広告収入を得る業務、④折込
み広告、ダイレクトメールなどの業務。ただし、広告制作業、テレビジョン番組制
作業、音声情報制作業、看板・標識機製造業、看板書き業、自企業の広告のみを取
り扱っている事業所(企業の広告宣伝部)などは調査の対象としていない。
平成25年の広告業の事業所数は1万1090事業所、従業者数は13万4140人。年間売
上高は9兆1131億円で、このうち主業である広告業務の年間売上高は8兆9289億円
(構成比98.0%)だった。主業の年間売上高を業務種類別にみると、「テレビ広告」
が最も高く2兆1817億円(構成比24.4%)、以下、
「折込み・ダイレクトメール」が
1兆4449億円(同16.2%)
、
「SP・PR・催事企画」が1兆3952億円(同15.6%)と続
いている(下表参照)。
広告業務の業務種類別年間売上高
平成25年
業務種類別
(百万円)
計
構成比(%)
8,928,878
-
新聞広告
880,035
9.9
雑誌広告
423,226
4.7
テレビ広告
2,181,747
24.4
ラジオ広告
127,021
1.4
交通広告
506,668
5.7
インターネット広告
668,072
7.5
屋外広告
218,725
2.4
折込み・ダイレクトメール
1,444,858
16.2
SP・PR・催事企画
1,395,226
15.6
その他
1,083,298
12.1
5
⑶
大臣官房調査統計グループは、
「特定サービス産業動態統計調査」広告業平成26年
7月、8月分の調査結果をまとめ、公表した。
平成26年7月の売上高は、前年同月比5.8%の増加。媒体別に見ると、4媒体広告
は同1.7%の増加。
「テレビ」は同3.9%、
「ラジオ」は同0.9%のそれぞれ増加。一方、
「新聞」は同5.6%、
「雑誌」は同3.8%のそれぞれ減少だった。4媒体広告以外では、
「交通広告」は同0.2%、「インターネット広告」は同14.5%、「その他」は同25.0%
のそれぞれ増加。一方、
「屋外広告」は同11.1%、「折込み・ダイレクトメール」は
同2.1%、
「海外広告」は同13.1%、
「SP・PR・催事企画」は同6.0%のそれぞれ減少
だった。
平成26年8月の売上高は、前年同月比0.8%の増加。媒体別に見ると、4媒体広告
は同0.4%の増加。
「テレビ」は同1.9%、
「ラジオ」は同1.3%のそれぞれ増加。一方、
「新聞」は同3.9%、
「雑誌」は同8.2%のそれぞれ減少だった。4媒体広告以外では、
「インターネット広告」は同20.4%、
「その他」は同7.5%のそれぞれ増加。一方、
「屋
外広告」は同13.2%、
「交通広告」は同0.6%、
「折込み・ダイレクトメール」は同0.7%、
「海外広告」は同67.2%、
「SP・PR・催事企画」は同7.1%のそれぞれ減少だった。
Ⅲ.農林水産省関係
乾燥たまねぎ粉末調製品に、事実と異なる原料原産地名や原材料名を表示して販
売していた農作物生産加工販売事業者に対し10月22日、JAS法の規定に基づき適正
な表示に是正するよう指示を行った。
JAS法による加工食品品質表示基準に違反するものとして指示を受けたのは、マ
ノ(兵庫県南あわじ市)。同社は、乾燥たまねぎ粉末調製品(たまねぎをスライスし
乾燥させたフレークを粉砕して粉末状にし、デキストリン、ぶどう糖などと混合し
たもの)である「トーストオニオンMA」、「オニオンパウダーMADX」など4商品
の容器包装や規格書に、原料たまねぎの原産地名を「淡路産」、「国産(兵庫県淡路
産)
」、
「日本(兵庫県淡路島 他)」などと表示していたが、実際には淡路島産と中国
産の乾燥たまねぎフレークを混合して使用していた。
また、これら商品においては、使用していた「ぶどう糖」を原材料名に表示せず
販売していた。
6
広告等法規・行政情報
広告等法規・行政情報/第281号(平成26年12月発行)
編集・発行 公益社団法人 東京広告協会
法務政策委員会
〒104-0061 東京都中央区銀座7-4-17 電通銀座ビル7階
TEL. 03(3569)3566
FAX 03(3572)5733
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