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教授例
平成 17 年度 文部科学省委託 専 修 学 校 教 育 重 点 支 援 プラン 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションの e ラーニング 教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト はじめに リハビリテーション分野に限らず、e ラーニング活用のニーズは社会的に高まっている。本 委員会では、リハビリテーション分野における養成教育や卒後教育に e ラーニングを活用 して、より効率的な教育活動ができるよう、現在教育界で注目されているインストラクシ ョナルデザイン手法を用いて、教材開発・教授法・実施法に関する研究を行い、その効果 について検討を行なった。本報告書は委員会で検討および実施した内容を網羅している。 リハビリテーション分野以外の方々でも、これから e ラーニングを導入する学校は是非、 本プログラムを役立てていただきたい。 このプログラムを作成するにあたり、インストラクショナルデザインを導入している株式 会社国際電気セミコンダクターサービス様、e ラーニング導入校の星城大学様、アットマー ク国際高等学校様を視察し参考とさせていただいた。また、プログラムやコンテンツ開発 には防衛庁海上幕僚監部人事教育部の君島浩様および NEC テレネットワークス株式会社 の原田典昭様、両名のインストラクショナルデザイナーのアドバイスをいただいた。ご協 力をいただいたことに心より感謝したい。 最後に、本プログラムの作成にかかわった各委員の皆様、アドバイスをいただいた各企業 の皆様に謝意を表する。 平成 18 年 3 月 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の 教育プログラム開発」プロジェクト事務局 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 iii 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 平成 17 年度 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのe ラーニング教材開発 および教授法の教育プログラム開発」のプロジェクト委員 委員長 徳重 稔 学校法人麻生塾 副委員長 松崎 英明 学校法人福田学園 木村 孝 麻生リハビリテーション専門学校 青山 克実 麻生リハビリテーション専門学校 西村 敦 大阪リハビリテーション専門学校 高橋 泰子 大阪リハビリテーション専門学校 君島 浩 防衛庁海上幕監部人事教育部 原田 典昭 NEC テレネットワークス株式会社 藤嶋 徳善 TAC 株式会社 佐藤 信也 株式会社イー・コミュニケーションズ 柴田 健二 麻生教育サービス株式会社 浦山 昌志 株式会社 IP イノベーションズ 栗原 良太 株式会社 IP イノベーションズ 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 iv 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 目次 はじめに ................................................................................................................................ iii 第 1 章.................................................................................................................................. 1-1 学校法人福田学園における実施レポート ........................................................................... 1-1 1.1 CRI 技法セミナー実施と受講者意識.................................................................... 1-2 1.2 「面接で必要な情報を収集する」コースの開発................................................ 1-10 1.3 「医療面接」のコンテンツ開発の検証 ―指導者からの評価― ...................... 1-65 第 2 章.................................................................................................................................. 2-1 学校法人麻生塾における実施レポート ............................................................................... 2-1 2.1 目的 ....................................................................................................................... 2-2 2.2 概要 ....................................................................................................................... 2-3 2.3 作成したコンテンツについて ............................................................................... 2-7 2.4 アンケート .......................................................................................................... 2-43 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 v 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 vi 第1章 学校法人福田学園における実施レポート 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.1 1.1.1 CRI 技法セミナー実施と受講者意識 CRI 技法セミナー実施 平成 17 年 9 月 20 日に NEC テレネットワークス株式会社の原田典昭氏による CRI セミナ ーが学校法人福田学園の大阪リハビリテーション専門学校で行われた。本 CRI セミナーは、 インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションの e ラーニング教材開発 および教授法の教育プログラム開発を行うにあたって、インストラクショナルデザイン手 法の 1 つである CRI 技法をよりよく理解して、その手法を本教育プログラム開発に導入す ることを目的とした。 本 CRI セミナーの対象者は、本プロジェクトの教育プログラムに関わる福田学園の大阪リ ハビリテーション専門学校の教員である。 CRI セミナーの内容は次に示すとおりである。 <CRIセミナー> 1. CRI 技法とは 1.1 CRI 技法誕生の背景/経緯 1.2 CRI 技法のコンセプト 1.3 北米での適用事例 1.4 国内での適用事例 2. CRI 型研修の特徴 2.1 研修にまつわる課題 (セミナー受講前に「課題抽出」作業をお願いし ますが、その結果に基づき議論を展開します) 2.2 専修学校にとっての理想の研修 2.3 CRI 技法における理想の研修 (理想と現実とのバランスも議論します) 3. CRI 技法による研修開発方法(サンプルコースを参照しながら解説します) 3.1 全体の流れ 3.2 分析フェーズ 3.3 設計フェーズ 3.4 開発フェーズ 3.5 実施・評価フェーズ 4. まとめ/質疑応答/今後の展開について 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-2 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.1.2 CRI 技法セミナーアンケート 上述のセミナー実施後に CRI 技法とセミナに関するアンケートを実施した。ここに CRI セ ミナーに関して実施したアンケート内容を報告する。アンケートは、CRI セミナーを受講 して、今後の活用について質問した。個々の質問に対して、その答えとしてリッカートス ケールの 5 段階の評価が与えられる形式のものと、自由に自分のコメントを記述できる形 式のものがある。以下にアンケートから得られた内容を報告する。 (1) 受講者情報 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-3 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (2) CRI 技法が活用できると思いますか 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-4 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3) ① CRI 技法の授業への活用 CRI技法はこれからのあなたの授業等に活用できると思いますか。 できる:5: 4: 3: 2: できない:1: ② 3 10 8 どのように活用できると思いますか。 すぐに全部はできないと思いますが、少しずつ活用していきたいと思います。 特に、言語技能から知識技能の応用部分や実技の部分にできるのではと考え ます。積極的に活用していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 現在持っている授業の構成の見直し。全体のデザイン構成。分析し、利用で きるところはあると思います。基礎科目の知識。専門基礎科目の知識。 PT の仕事の中において、対象者がどちらであれ必ず base に行う技能(検査 等の技術)の基本についてはこの方法が活用できるのではないか。 現場で動けるための要素を考え、伝える。その因子を整理しながら伝えると いう点ではわかりやすく伝えられる。 スキル階層図の利用は、学生がどこで理解できていないのか、つまずいてい るのかの把握ができるかなと思います。 教員になって、まだ日が浅いのでよくわかりません。 評価などのスキルや机上の学習の知識。 よくわかりません。 授業の構造化を考えるときに役立つ。 授業における行動目標の明確化と段階づけ。 私自身がやるべきこと、伝えるべきことを明らかに具体的にすることに活用 できると思います。 学習目標の明確化やそれに向けた課題の設定。 CRI 技法そのものを学ぶことが OT 教育に生かせるように思えました。活用 できるとは思いますが、まだ具体的にはわかりません。 OT の学内実習の課題を明確にできると思った。評価の技術に関しては活用で きるのではないか?自分の中で授業内容を整理できると思った。 小テストを系統的に行うことにより、学習レベルを確認すること。 具体的に学生に伝える方法。 タスク分析により伝えるべき内容の把握。 3 年、4 年生の学生には、モチベーションを上げながら進めていくこと。また、 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-5 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ハイパフォーマーの分析をいっしょにしていくことで、課題(各々の)に気 付ける環境になるのかなと感じました。これらの教材の目標の定め方も活用 してみたいと思いました。 実技の入った科目は目標が明確で、絶対評価しやすい。そのような科目には 活用できそうだ。 知識の面においては、理解できていない所を把握できるかと思いますが、実 際パフォーマンスでチェックしていくことは実習でないと評価できない部分 があるのではと感じています。 ③ どのような点が活用できないと思いますか。 理解している範囲では、できないとは思いません。 時間的配分の問題。全体カリキュラムでの柔軟な実施。臨床実習での学び。 私的意見としては、マニュアル人間を作りたくないと思っています。自分(学 生自身)が「考える力を付ける学習の獲得」をこのようなフローチャートを 使って応用力が付けられるのか?応用力を付けられるコースマップを作れる のか? 対象者の問題(障害)をどう PT 的思考の中で捉えるのか?という能力につい ては、この技法でどこまで可能か。まだイメージがつきにくい。しかし、何 か思考のきっかけ、ひとつの考えを提示しながら、学ぶことは可能ではない か。 多数の学生の学習レベルや気付きのレベルに合わせて進めるという点では、 むずかしく感じる。個人レベルで指導する点では、活用可能であると思うし、 ある一定のレベルで到達するという目的は達成できるのかもしれない。 反面、スキル階層図、コースマップの作製(考え)を分析して行くおろかし さを感じます。大事だと思うのですが。 教員になってまだ日が浅いのでよくわかりません。 対人関係。 タッチとか感触などは、伝えにくいのかと感じました。 4 年間という教育期間の中で、学生主体の学習がどのくらいもつのか疑問。 スキル分析をどのレベルまで分解するか。ケースバイケースと思いますが。 学生自身の生活態度への介入や、学生の主観に対しては使い方が難しそう。 対人交流スキルに関しては、やはり実践が必要ではないかと思います。e ラー ニング中心では、個々の学生の取り組む姿勢などが評価しにくいと感じまし た。 (できた) (できなかった)、良い、悪いがはっきりすることかもしれません。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-6 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教員が”コーチ”という役割をすると、学生何人にたいして何人の教員が必 要なのか?実務としてマンパワーが足りないのではないか?学生一人一人に 課題があり、その改善の仕方も 1 人 1 人違うので達成目標の設定も難しいと 感じた。 患者を目の前にした、現場での指導。知識と知識の結合を促すこと。 臨床の知。センス。 学年が浅い、専門職のイメージや興味も浅い学生にとって、自ら学びたいも のを選んで学習することが難しいと思いました。彼らのモジュールの理解に も時間がかかると思いました。 個別の対応にマンパワーが必要な気がし ました。 カン、コツ、ケイケンのあるハイパフォーマーを分析するのは、難しいと思 いますが・・・。 自信ができてからのスキルチェックについては、他の科目も併用して学んで いるため、時間的に難しいのかなと思います。(ですが、不安なままのチェッ クは効果ないとも思いました。 ) 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-7 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (4) その他 CRI セミナーに関するご意見 大変勉強になりました。一度にはできませんが、時間を掛けて取り組みたい と思います。教員、学生とも意識改革になると思います。 実際グループワーク~運用までのロールプレイなど、時間を取って経験した いです。 学生が目標をたて、行っていくうえで現在どのように取り組んで行こうかと 考えている中で、参考としていきたいと思います。目標を達成できたらステ ップしていくとのことですが、学生が過度に不安になっており、できていて も、できていないと思った場合どの様に進めていかれるのか。 基本的には ISO の手法に似ていると思います。また、公文式にも似ているよ うな気がしました。目的、目標を定め、P-D-C-A で回すという所が。分析・ 設計・開発(P)~実施(D)~評価(C) ISO では初期調査で時間がかかりま したので、CRI でも最初の分析・設計・開発に最も時間がかかると思います。 長時間ありがとうございました。私なりに今後 CRI 技法をまとめ、使えるよ うにしていきたいと考えます。 理学療法をタスクに分析して、整理しなければならない部分があるのかと思 いました。 ゴール分析については、要素還元的に分析するのは限界があると思います。 勉強になりました。ありがとうございました。話はとてもわかりやすかった です。 研修内容については理解できましたが、実際実施するとなると、準備に多大 な時間を要すると感じました。自分の授業を振り返るには活用できると思い ます。 この研修を CRI 技法でして下さればと思いました。 大変興味深い話でした。CRI 技法だけではなく、先ずは、カリキュラム自体 や学校や学科の方針が、明確でないと、と思いました。しかし、生きて行く には、あいまいさもあってもいいと揺れながらも、何か自分も動き出さなけ ればと思いました。 医学教育で取り入れられている PBL(problem based learning:問題基盤 型学習)をパソコン等で使用して系統的に行う・・・と言感じなので、科目 によっては導入することで効果が得やすいと思います。 教育では、すべてを明らかにすることの、メリット、デメリットがあると感 じました。 教育原理、方法と類似している点が多く感じられた。 CRI 技法を取り入れるならば、モデル的に行う教科などを決めて、やってい かないと実現しないと思う。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-8 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト e ラーニングにはどうする。つなげるのか不明のままです。 日時を要するセミナー。ワークショップのほうがよい。具体的な OCR の作業 のスーパーバイザーになっていただく。 あいまいな目標における基準について考え、具体的なパフォーマンスの表現 を図れるように、部分的に活用して活用して意向かなと思いました。 対人援助職の場合、百人百様なので、予測してコースマップを作るのが難し いですね。 とても参考になりました。私自身がもっと分析して行かなければと感じまし た。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例報告書 1-9 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.2 「面接で必要な情報を収集する」コースの開発 学校法人福田学園の大阪リハビリテーション専門学校では、セラピストとして必要な患者 とのコミュニケーション技術と知識の習得を目指すための e ラーニングコンテンツ開発を 行った。セラピストの養成においては、対面でなければ教えられないこととそうでなくて も教えられることがある。後者の内容を整理して e ラーニング化したのがここで紹介する e ラーニングコンテンツ開発内容である。患者とのコミュニケーションは実際には対面で行 われるものであるが、その知識や技術に関しては、e ラーニングという擬似的な環境を使っ ても十分修得できるはずである。 患者とのコミュニケーション技術と知識の習得を達成するために必要な技術と知識の分析 とそれらの習得プロセスについては、CRI 技法を使って分析/設計/開発/実施/評価を行った。 CRI 技法の詳細については、第一部 第 3 章の「3.1.2.3 CRI 技法」を参照されたい。 「面接で必要な情報を収集する」コースの開発において、CRI 技法の各フェーズを適用し た内容を以下に紹介する。 (1) コース目的記述書 (2) スキル抽出(スキル階層図の作成) (3) コースマップの作成 (4) 目標記述とシナリオの作成 (5) プロトタイプコースの作成 1教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-10 1.2.1 コース目的記述書 セラピストの養成における現場からのニーズを基に本コースで目的とする内容の記述を行った。記述内容には、受講者によって解決すべき問 題点や研修期間などの内容が含まれている。 コース名 面接で必要な情報を収集する 作成者 所属 依頼元 所属 OCR エクステンションセンター 氏名 髙橋泰子 No. 1 作成日 コメント 受講対象者(受講者数、所属職位、担当業務) 受講者:OCR ST 学科 1年 39 名程度 受講者は学校から貸与されている PC を操作できる 2 関係者(依頼元、SME、コース開発者、人事部門、研修部門など) 3 研修によって解決しようとしている問題点 受講生は、1 月から 2 月にかけて約 5 週間の実習に行く。実習の主たる目標は、患者様 の行動を観察したり、検査等でより評価・診断ができることである。その中で、患者様や ご家族から現症や発症までの経緯を聞き取ることは、適切な検査を選択するヒントとなり、 さらには本当のニーズを理解することができ、とても重要なことである。しかし、学生は 精神的なゆとりがないため、患者様やご家族から情報を収集することに必死になり、患者 様やご家族の不安や緊張を冗長してしまいがちである。そこで、この研修を修了すること により、限られた時間の中で、患者様やご家族が緊張や不安を感じることなく、必要な情 報を収集することができるようになる。 2005 年 10 月 31 日 4 解決すべき時期(いつまで、どれくらいの期間でかいけつすべきなのか) 1 月の実習前に半日間 5 学習伝達手段(WBT,セミナー、ワークショップ、実習、アクションラーニングなど) WBT 6 学習環境(LAN 環境、職場環境、教室、その他) ネットワークの環境は OCR のどの教室でも整備されているが、通常使用している教室は 予約が不要なので、こちらを使用したい。 7 コース目標(行動、条件、基準) 行動:医療面接を行う 条件:病院リハビリテーション科内、ベッドサイド、カルテ 基準:患者様や家族が面接結果に納得する 患者様が面接により癒しが得られていること(表情、声、視線などから察する) 患者様や家族が症状、治療法、予後を正しく理解している 8 表 1-1 その他 コース目的記述書 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.2.2 スキル抽出(スキル階層図の作成) 上述の目標達成を行うのに必要なスキルを抽出し、それらを階層化した。階層化すること により論理的な学習順序を明示することができる。ここでは、医療面接を行うために必要 なスキルの階層を紹介する。 図 1-1 スキル階層図 1 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-13 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 図 1-2 スキル階層図 2 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-14 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.2.3 コースマップの作成 上述した医療面接を行うために必要なスキルを階層化したスキル階層図を基に、実際に学 習コースを運営する学習の手順を記述した学習マップを以下に示す。学習マップの個々の 楕円であるモジュールは学習単位であり、学習単位の学習順序が矢印で表示されている。 患者様の真の ニーズを読み取 る 困難なケースに 対応する 演習 患者様の症状、 状態を正確に把 握する eラーニング 話題の焦点を絞 る 面接のまとめを する 患者様の不安と 緊張を緩和する 患者様の話に 共感する 患者様に質問 する 面接の導入を行 う 面接で聴き出す べきことを準備 する わかりやすい言 葉を使う 図 1-3 コースマップ 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-15 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.2.4 目標記述とシナリオの作成 コースマップで作成した各モジュールには、学習内容が記述されているわけではなく、学 習内容のタイトルのみの記述である。そこで CRI 技法に基づいた「目標記述」と「シナリ オ」の作成により、e ラーニング化するための学習内容を詳細に記述した。 (1) モジュール名:わかりやすい言葉を使う 行動: 患者様に専門用語を使わずわかりやすい言葉に置き換える。 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: 1. 日常の言葉(やまとことば)に置き換えられていること 例)他に症状はありませんか→他に具合の悪いところはありま せんか 2. 対象となる専門用語は国家試験出題基準の範囲内とする イン テークで使用頻度の高い用語 20 の専門用語についてすべて言 い換えることができる。 3. 「漢語」は使わない 例)経過→その後どうなりましたか、不 快感→いなや感じはありませんか 4. 表 1-2 丁寧な言葉で置き換えること わかりやすい言葉を使う スキルチェック 1.以下 Q1~10 に相当する動作を、イラストA~K から選択しなさい。また、Q1~ 10 は患者様に判る平易な言葉に変換しなさい。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-16 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 図 1-4 動作のイラスト 2.次の専門用語をインテーク(初回面接)の時に患者様やご家族にわかり易い言葉に 変換してみましょう。 (問題を提示後、5秒後に模範例を示す。自己確認) ①鼻咽腔閉鎖(機能)不全はありますか →(口から鼻にかけての通路が閉じていますか) ②食物を認知する過程に問題はありますか →(食物を目の前にして、それが硬いか柔らかいか、スプーンの角度に気をつける なと、頭の中で食べようとする準備ができていますか) ③咳嗽反射がありますか →(気管に入りかけたとき、むせや咳が生じますか) 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-17 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ④嗄声ですね →(ガラガラした声ですね) ⑤AAC は使用されていますか →(文字盤やサインなどを使ってコミュニケーションをとっておられますか) ⑥喃語の出現はいつでしたか →(バブバブ、マンマンなどの言葉がいつぐらいに聞かれましたか) ⑦ステレオタイプの言語はみられますか →(いつも、きまりきった、変化のない文を固執して言ってますか) ⑧ホワイトノイズが聞こえてきます →(シャーッという音が聞こえてきます) ⑨器質的な問題はありますか → ⑩咳嗽反射がでますか →食べ物が気管に入ったときに咳で吐き出そうとすることができますか 3.テスト対象の専門用語一覧(自己チェック)50 音順 □AAC □構音 □瘻孔/瘢痕 □口腔内圧 □陰圧 □硬口蓋・軟口蓋 □咽頭・喉頭 □高次脳機能障害 □咽頭反射 □声の翻転 □嚥下 □誤嚥 □オーラル ディアドコキネシス □語用論 □オトガイ部 □錯語(音韻錯語・語性錯誤) □音韻・音韻変化 □嗄声・粗糙性 □音素・音節・モーラ □残語 □咳嗽反射・嘔吐反射 □再帰性発話 □カニューレ □視空間機能の優位性 □喚語 □失行 □喚語困難 □失認 □吃音 □失認(相貌失認) □吸啜(反射) ・咬反射 □失文法・錯文法 □仰臥位・背臥位/腹臥位・伏臥位/側 □ジャーゴン(ジャルゴン) 臥位 □食塊 □筋緊張(トーヌス) 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 □食塊形成 1-18 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □食塊保持(カップリング) □パラグラフ音読 □叙述文 □反響言語 常同文 □スクリーニングテスト □鼻咽腔閉鎖機能 □接近行為 □非可逆的事態・可逆的関係 □舌尖 □復唱障害 □咀嚼 □浮動性/被刺激性 □ソフトブローイング・ハードブロー □phrasing(指折り、タッピング) □プロソディ イング □常同的 □保続 □流涎 □麻痺性・失制御性 □喃語 □明瞭度 □ニューロパチー □流暢性 (2) モジュール名:面接の導入を行う 行動: 面接の導入方法を説明する。 与件: 面接の場(ベッドサイド、面接室:向き合った状態)、患者さん (成人かつ自分で説明できる) 、記録票(カルテ) 基準: 1.定められた導入の手順を漏れなく説明されていること。 2.個々の場面における適切な対応が説明できること。適切な対 応の項目とは、①あいさつ(基本的な挨拶) ②患者様へ視線を 向ける ③笑顔の対応 ⑤適切な位置への誘導 ⑦自己紹介 始の同意 表 1-3 ④明瞭かつ適切な大きさで呼び入れる ⑥患者様の名前をフルネームで確認 ⑧これから面接を行うことを知らせる ⑨面接開 ⑩患者様の体位等に無理がないこと 面接の導入を行う モジュールの導入 セラピストと患者様はもともと知らないもの同士です。そういった二人が始めて出会う ときは、お互い不安と緊張があるのは自然なことです。しかし、患者様はセラピスト以 上に自分の疾患や、この病院ではちゃんと診てもらえるだろうか、いやなリハビリの先 生にあたったらどうしよう、自分の苦しさが理解してもらえるだろうか、などの不安を 感じ、緊張しながら医療機関に訪れてきます。実は、不安や緊張はセラピストもありま す。訪れてくる患者様は一人一人異なりますから、 「私はこの患者様と一緒にリハビリが 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-19 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト できるだろうか」 「リハビリの効果が上がらなかったらどうしよう」などとベテランのセ ラピストが不安を感じることも自然なことです。「セラピストは不安を感じるべきでな い」という信念が強すぎると、自身の不安を意識化することが難しくなり、例えば、患 者様を受け入れないという行動を無意識のうちに自分の不安を解消するために生じてい ることがあります。 医療面接の開始にあたって、最初に行われるべきことは、患者様とセラピスト双方が感 じている不安や緊張をできる限り取り除き、リラックスした雰囲気を作る出すことです。 そのためには、面接の導入には1~4の項目を含みましょう。 学習内容 1-1.一般的なあいさつ 「はじめまして」 「お待たせしました」 「こんにちは」 など 1-2.世間話を加えたあいさつ 「今日は暑いですね」 「どちらからいらっしゃいましたか」 2.名前の確認-初歩的なミスの防止(患者の取り違え) 患者様の苗字だけでなく、フルネームで呼ぶ。 Th.: ナカヤ Cl.: いいえ、私はナカタニ Th.: ああ、それは失礼しました ダイさんですね? ヒロシです 3.自己紹介 私(セラピスト)とあなた(患者様)の関係は、上下関係ではなく人間として対等の関係 であるというメッセージを準言語的に伝えていることになる。 「学生の○○です」 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-20 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 4.これから何が行われるかの説明 病歴聴取の場合 「これからお話をきかせていただきます」 予診面接の場合(例) 「ここであらかじめお話を伺わせていただいたあと、○○番の言語療法室で言語聴覚士 が改めて検査をいたします」 その他(診察、検査、説明など)の医療行為の導入 5.かかわり行動ー受容的な雰囲気を作り出す態度 ①場所、時間 ・清潔で明るい部屋 ・壁や家具等の配色 ・椅子、机の配置 ・騒がしさ ・しきりの有無(プライバシーが守られているか) ・ベッドサイドに訪れるときはカーテンを閉める ・ベッドサイドに訪れたときは椅子を患者様の枕元近くにもって行く ・外来診察室やカンファレンスルームを使用する場合は、 「面談中」を表示する ・食事の時間帯や消灯時間前は避ける ・深刻な場合は、面接後に家族と過ごせる時間帯を設定する ②服装、身だしなみ ・白衣が汚れていたり、ボタンが取れていない ・標準的、常識的な服装、身だしなみ ③姿勢、位置 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-21 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ・少し斜めか横に座る。 ・背筋を伸ばした姿勢 ・できるだけ左右対称の所作 ④視線 ・患者様の目を見て話すのが基本 ・患者様の額から肩が視線の範囲 ⑤言葉遣い、声の調子 ・丁寧なことばづかいをする ・話し方が患者様のペースとあまりにも解離していない ・自分の話し方のクセを出さない 医療面接への導入例 言語療法室(外来)初診の例 良い例 Th.:松崎さんお入りください。こんにちは。どうもお待たせしました。どうぞおかけく ださい。 (椅子をすすめる) Cl.:はい。 Th.:松崎ヒデアキさんですね。 Cl.:はい。 Th.:私は、言語のリハビリを担当します高橋と申します。よろしくお願いします。 Cl.:こちらこそよろしくお願いします。 Th.:最初に少しお話を聞かせていただき、それから簡単な検査をしたいと思います。よ ろしいですか? Cl.:はい。 Th.:現在、どういうことがお困りですか? 入院(ベッドサイド)での例 悪い例ーことばは問題ないが態度が悪い例 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-22 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト Th.:こんにちは。松崎ヒデアキさんですね。言語訓練を担当する高橋です。はじめまし て。 Cl.:よろしくお願いします。 Th.:今までの経過を少し詳しくお伺いしたいのですが、その前に、今現在は苦しくあり ませんか? Cl.:いいえ大丈夫です Th.:それでは、今回入院されるに至ったいきさつについて話していただけますか? スキルチェック 1.以下のようなときはどのような挨拶が適切か。 絵を見て、面接の導入として適切なことばを選び適切な手順に並び換えなさい。 □おはようございます □入りますよー。 □こんにちは □お名前を教えて下さい □名まえは言えますかー。 □お名前は吉○俊○さんですね。 □名前は吉○俊○ですね。 □今日は暑いですね。 □昨日の雨はすごかったですね。だけど今日はすっかりお天気が良くなって、気分がい いですね。 □暑かったり、寒かったりしたら言うてねー。 □ご気分はどうですか。 □今、しんどいでしょうが、頑張りましょうね。 □今日は寒いですね □私は大△△子です。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-23 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □私は大阪リハビリテーション専門学校言語聴覚学科 1 年生の大△△子です。 □私は、リハビリ科の実習生で大△△子です。 □私は、吉○さんの支援をするためにここに来ました。 □これから言葉の訓練をする前に、これまでにかかられた病気のことや治療のこと、吉 ○さんのご希望などを伺いたいと思いますが、今、よろしいですか。 □訓練前に、聞いておくようにと医師から指示があったので、今日はここへ来ました。 □これから質問しますから、答えてくださいね。 □これから質問しますが、よろしいですか。 □体調や姿勢に不具合はありませんか。 □頑張って、答えてくださいね! □私に包み隠さず何でも話をしてくださいね! 図 1-5 ベッドサイド 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-24 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3) モジュール名:患者様に質問をする 行動: 病歴聴取のための質問技法を説明する。 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: OQ と CQ の特徴を、 長所3つ、 短所を2つあげて説明する。 2. 患者様の症状から考えられる鑑別診断を頭に浮かべつつ適切な 質問が選択できていること。 表 1-4 患者様に質問をする 学習内容 1. 「開かれた質問(Open ended Questions) 」の特徴を理解する ①病歴聴取の最初―最も代表的な質問の例 「どうしましたか?」 「どんな具合ですか?」 「どういうことで病院に来られたのですか?」 「そういうことでこちらへ入院されたんですか?」 (ある程度聞いた後で) 「他には何かありませんか」 「今、一番困っていることは何ですか」-主訴を明確にする効果がある ②質問の特徴(長所) ・患者様の答えの内容を限定しない ・患者様が自分にとって大切と思うこと(内容)なら何でも、答えることができる。 ・患者様自身の表現(形式)で自由に答えることができる。 ・多くの場合、患者様が一番困っていること、一番訴えたいことが最初に出てくる。よ って、患者さんの主訴を確実に知ることができる。 ・患者様は自分で話す言葉を考え、選び、話を作り出さなければならない。 ・患者様に満足感を与えられる。 ③質問の特徴(短所) ・セラピストが欲しい情報を確実に手に入れることができない場合がある。 ・患者様によっては、話がまとまらず冗長になり、時間がもったいないと感じられるこ とがある。 ④少し話を限定した「開かれた質問」 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-25 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 例 Th.:どうされましたか? Cl.:頭が痛い Th.:どんな痛みですか? (もう少し詳しく話してください) (具体的に話してください) ・話を明確にしつつ話の内容を膨らませるための効果的な質問 ・ 「焦点をあてる質問」でもある 2. 「閉ざされた質問(Closed Questions)」の特徴を理解する ①最も代表的な質問 「食欲はありますか?」など 質問に対する答えの可能性が限定されている ほとんど「はい」 「いいえ」でしか答えられない 例 患者様の「のどが痛い」という訴えに対して、セラピストは、 「食欲はありますか?」 「声は出しにくいですか?」 「痰は出しにくいですか?」 「大声を出しませんでしたか?」 などの質問を矢継ぎ早にする場合は、 「閉ざされた質問」 ②質問の特徴(長所) ・面接のテンポが早くなる ・患者様は質問されたことだけ答えればよいので、ある意味では楽。 ・セラピストの欲しいと思う情報は確実に得られる。能率がよい。 ③質問の特徴(短所) ・全体の流れは、何かせきたてられたような感じになる。 ・言いたいことがあっても質問されない限り話すチャンスがない。 ・自由に話させてもらっていないという不満足感につながりやすい。 ・セラピストは次々適切な質問を考え出さなければならない。 ・途中で質問が尽きてしまうと立ち往生してしまいがち。 ④セラピストに求められるもの ・適確な鑑別診断を頭に浮かべて、いかに適切な質問を数多く発することができるか。 ・セラピストの経験、知識が多ければ多いほど有利 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-26 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 3.質問の使い分け ・ 「開かれた質問」は患者様の枠組みに沿った情報をえるための質問。セラピストはその 物語をじゃましないように付き添って聴いていくという態度をとる ・ 「閉ざされた質問」はセラピストの枠組みから見た情報を得るための質問 ・ 「閉ざされた質問」は文章穴埋め問題、アンケート調査に相応する ・一般的には、まず「開かれた質問」を用いてできるだけ患者様の話を引き出し、ある 程度ストーリが明らかになったところで鑑別診断のための必要な情報を「閉ざされた質 問」で補足するという戦略が効果的である 4.その他の質問 ①「中立的な質問」の特徴を理解する ・患者様の心の動揺を起させない。 ・導入期に用いて、関係性を作るのに役立つ。 ・答えが短く限定されているので、閉ざされた質問の一種ともいえる。 例 「どこにお住まいですか」 「お名前は?」 「ご職業は?」など ②「選択肢型の質問」の特徴を理解する ・質問の中に選択肢を予め入れておき、選ばせる質問 ・患者様は選択肢が与えられているので答えやすい。 ・鑑別診断の情報を得るためには有効な質問 ・選択肢の的がはずれていると会話がかみ合わなくなる。 ・開かれた質問になかなかうまく答えられない患者様に対して、それに引き続いての質 問として用いられると有効 例 「めまいがすると言う事ですが、それはぐるぐる回る感じですか、それともふわふ わと揺れる感じですか?」 「喉の痛みは、朝と夜ではどちらがひどいですか?」 「どんな痛みですか?例えば、グーッと来る痛みとか、キリキリと来る痛みとか」 ③「焦点をあてる質問」の特徴を理解する *別モジュール「話題の焦点を絞る」を参照のこと。 例 時間の流れに焦点を当てる場合 「はじめて具合が悪くなったときはどんな様子だったのですか?」 「2 回目の入院のときは意識はありましたか?」 「退院してから今回 の入院までの間はどう過ごしておられましたか?」 「今、現在は苦しくはありませんか?」 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-27 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ロールプレイ(1) Th.:ことばのどのようなことにお困りですか?<OQ> Cl.:どことなく声が出しにくく、のどが痛いんです。 Th.:いつから出にくいのですか?<CQ> Cl.:3 日前からです Th.:痛みはありますか? Cl.:.はい。 Th.:ひどい痛みですか? Cl.:いいえ、そういうわけでもありません。 Th.:食欲はありますか。 Cl.:ふつうです。 Th.:吐き気はありませんか? Cl.:時々ありますが、吐いたことはないです。 Th.:お仕事のとき、よく声を使いますか。 Cl.:パソコンに向っていることが多いので、電話の対応ぐらいです。 Th.:お仕事以外で大きな声を出すことはありませんか。 Cl.:それもありません。 Th.: (うん。どうやらこの人は声帯の使いすぎによる嗄声でも、声帯結節でもなく、逆流 性食道炎のようだな)ところで、その他にはどこか具合の悪いところはありません か? スキルチェック(1) 上記の面接は、どうであったか。チェックしてみよう。 □鑑別診断までたどりついた □鑑別診断までたどりつかなかった □面接の雰囲気はかなり早いテンポのやりとりであった 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-28 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □面接の雰囲気はゆっくりしたやりとりであった □セラピストはゆとりをもった話し方であった □セラピストの緊張感がとれていない □患者様の緊張感がとれていない □患者様はセラピストに安心感を抱いた □セラピストが質問を考えるのが大変そうである。 □セラピストはスムーズに質問ができていた。 ロールプレイ(2) Th.:ことばのどのようなことにお困りですか?<OQ> Cl.:どことなく声が出しにくく、のどが痛いんです。 Th.:声が出しにくく、痛みもあるのですね。もう少し詳しく話してくださいませんか。 Cl.:3 日前くらいから、ときどきのどの下のあたりが痛むんです。特に空腹時になると痛 みが強くなります。 Th.:具体的に言うと、どんな痛みなんでしょうか? Cl.:そうですねぇ。まるで締め付けられているような感じです。最近、仕事が忙しくて ストレスも溜まっているので、胃が痛んでいるのかと思ってもいるのですが、胃ほ ど下でもないし。最近、職場の同僚が胃潰瘍で入院したもんだから、つい心配にな りましてねぇ。 Th.:そうなんですか。少し確認させてください。痛いときは吐き気はありますか。 Cl.:痛いときは少し吐き気はありますね。でももどしてしまうことはありませんね。 スキルチェック(2) 上記の面接は、どうであったか。チェックしてみよう。 □開かれた質問を重ねている。 □閉じた質問をよく使っている。 □患者様の話がふくらんでいる □患者様は話を沢山しなければならないので、疲れている。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-29 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □患者様は事実関係のみでなく、患者様の気持ちや何を心配しているかということにつ いての情報も得ることができた。 □患者様はセラピストに不安を感じている。 □この後、鑑別診断の情報を補足するための前の例(ロールプレイ)のような閉ざされ た質問を用いれば、情報はより完全なものになる。 スキルチェック(3) 以下の面接で不適切な箇所を指摘しなさい。 ①セラピストが時計をちらりちらり見ながら、 「時間がかかってもいいですから、好きな だけ話してください」という場面。 ②新人 ST が検査の結果を患者様に説明するとき、 いかにも自信のなさそうな態度で、 「検 査には異常がありませんから、大丈夫です」と述べるという場面。 ③カルテを書きながら、 「あなたの頭痛はそれほど重要とは思われません。少し様子を見 てよいと思います」という場面。 ④セラピストが患者様が苦しみの表現をしたときは「それは大変ですね」と共感を表現 するという技法を実習で学んだので、共感を伴わないまま機械的に実行する場面。 (4) モジュール名:患者様の話に共感する 行動: 話を共感する技法を説明する。 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: 以下の技法が、正しい使い方ができているかどうかを指摘でき る。 1.患者様の話の邪魔をしない 2.うなずき、あいづち、 うながしができる 3.患者様の話を繰り返すことができる 4.患者様の話を明確化・言い換えることができる 5.患者様 の感情を受け止めて言語化できる 表 1-5 患者様の話に共感する 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-30 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学習内容 患者様から単に情報を聞き出すだけが面接ではありません。患者様が自由に自分を表 現することを促進するような、言語的、非言語的なメッセージを送りながら聴く姿勢が 必要です。 このモジュールでは、大きく分けて、傾聴技法と支持・共感の技法を学びます。しか し、技法を知るだけでなく、患者様への肯定的な関心を基本に、その技法を磨きつづけ ることによって獲得できるものです。 1.傾聴 ①沈黙ーじゃましないこと 相手に関心を持ち続けていることを態度で示しながら、沈黙を守っていくことは、相 手の発言を促す効果がある。一般に、患者様が自分で話す言葉を探していると思われる 沈黙の間は、セラピストから声を掛けずじっと待っているのがよい。 ②うなずき、あいづち、うながし うなずき、あいづち 「ええ、ええ」 「ほぉー」 「そうですか」「なるほど」など うながし(促進) 「それで?」 「それからどうなりました?」 「続けてはなしてくれませ んか?」など 傾聴技法のもっとも重要な機能のひとつは、新たな質問をせずに相手に話し続けてもら うための「うながし」である。 ③くり返しー山彦式応答法 相手の言葉のうち大切な言葉を1,2語そのまま繰り返すのがくり返しの技法である。 Cl.: (略)それで、近くのお医者さんですぐ診てもらったんです。 Th.:ああ、すぐ診てもらったんですね。 Cl.:そうです。それから、大きな病院へ行けと言われたんで慌ててこちらへ来たという わけです。 Th.:それでこちらへ来たんですね。 *機械的なくり返しはオウム返しとなり、話し手に不快感を与えることになる。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-31 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ④明確化・言い換えー積極的傾聴 相手の話した内容を、違う言葉で、または相手が表現したがっていると思われる内容 を、より明確にした形で表現して返す技法である。 <良い例> Cl.:痛くて痛くてたまらないのに、どこでもはっきりしたことを言ってくれないんです Th.:今度こときちんと診て欲しいというわけですね Cl.:そうです。そのとおりです。 <悪い例> Th.:何が一番困っているのかな? Cl.:おなかが痛い Th.:ふーん、お腹が痛いの。どんなふうに痛いのかな? Cl.:いつも痛い Th.:そう、いつも痛いんだね。学校は行ってるの? Cl.:・・・・・・。 Th.:痛くて休んでしまうこともあるの? Cl.:うん。 Th.:君、結局は学校へ行きたくないんだね。 Cl.:・・・・・・。 <模範例> Th.:そう。君、学校へ行かなきゃならないのに、お腹が痛くなるので行けない。それで 毎日とても辛いんだね。 Cl.:うん! 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-32 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 明確化の技法は適切に用いられると、強力な心理療法的効果を発揮するが、的をはず すと独善的な間違った理解となってしまう危険性がある。 2.支持と共感 ①傾聴技法による共感表現 良好なセラピスト-患者関係を進展させるためには、患者様が表現する主観的な感情 (苦しい、辛い、希望がない、不安である、ほっとしたなど)に共感的理解を示しなが ら聴くことは効果が大きい。あいづち、くり返し、明確化などの技法を用いて共感を表 現することができる。 Cl. :こんなに具合が悪いので、もうほとほといやになっているのです。 Th.:うーん、なるほど。<あいづち> もうほとほといやになっているのですね。<くり返し> もういやだ。いっそすべて終わりにしてしまいたい。そんな気持ちなんですね。 <明確化> ②支持と共感の技法 Cohen-Cole 提唱の5つ (1)反映 患者様からみてとった感覚あるいは感情を、セラピストが言葉にして述べること。 Th.:お困りのようですね。 Th.:なにかイライラしておられるように見えますが。 (2)正当化 患者様の感情面での体験を承諾し、妥当であると認めることを伝えること。 Th.:それは誰から見ても辛い状況ですね。 Th.:これだけひどい目にあったら、気分が滅入るのは当たり前だと思います。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-33 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3)個人的支援 セラピストとして、また一人の個人として患者様を支援したいという意志を伝えるこ と。 Th.:できるだけのことをしたいと思っています。 Th.:私にしてほしいことを教えて下さい。 (4)協力関係 患者様は、セラピストと協力関係にあると感じたときリハビリへの欲が高まる。 Th.:この問題について、一緒に考えていきましょう。 (5)尊重 患者様の問題への取り組みに敬意を払う。特に患者様自身の問題解決への自助努力を 評価し尊重することは、リハビリを行うにあたりたいへん有効である。 Th.:たいへんな症状を抱えながら、よくがんばってこられましたね。 Th.:思い切って病院に来られたのは、たいへんよかったと思います。 スキルチェック 次のセラピストは正当化の技法を使っていますが、どこが悪いですか。 Cl.:前にかかっていた医者はひどいやつだ。あいつは許せない。 Th.:確かにひどい医者ですね。 答え:正当化は、患者様の意見に無制限に賛成するということではない。この区別は重 要である。 (5) モジュール名:患者様の不安と緊張を緩和する 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-34 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 行動: 緊張・緩和の技法を説明できる。 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: 患者様との面接において関係を悪くする行動を指摘することが できる。 表 1-6 患者様の不安と緊張を緩和する 学習内容 疾患を英語で、disease と ilness という概念で分けたとき、医学的検査などにより客観 的に測定されうる器官の構造異常や機能異常は disease であり、患者様が自覚する不都合 や主観的な苦しみの感情は ilness である。適切な医療面接は、的確に disease の情報を得 ると同時に、ilness を癒しうるものでなければなりません。 一般にセラピストが期待される役割としては、 ・患者様の苦悩(苦痛)を軽減するために真摯に努力すべきこと ・患者様の不安を取り除き、安心感を与えること ・患者様の抱えている問題に関して情報を集め、分析し、セラピストとしての診断をし、 訓練方針を決めること ・患者様に診断・治療方針(リハビリ方針)、予後の見通しなどについて適切な説明を与 えること ・リハビリ(治療)行為を実際に執り行うこと ・患者様からの質問に答え、患者様の抱く疑問を解決すること などが挙げられるが、時代や社会環境の変化に応じて変化する。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-35 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ロールプレイ<悪い例> Cl.:喉の痛みはたいしたことないと思うのですが、実は母方の祖父が、手遅れで胃がん で死んだものですから・・・ Th.:おじいさまとは言え、別の人格ですから、○○さんの身体のこととは別ですよ。心 配しすぎですよ。 ロールプレイ<良い例> Cl.:喉の痛みはたいしたことないと思うのですが、実は母方の祖父が、手遅れで胃がん で死んだものですから・・・ Th.:それはご心配でしょうね。もう少し詳しく話していただけませんか。 セラピストー患者関係において、悪循環を増強させる要因を列記する ①突き放し 検査で器質的な疾患が認められなかったので、「あたなは本当は病気でない」「異常が ないのだからどうしようもない」という態度を取ると、患者様は「患者として受容され ていない」という不満、怒り、抑うつ気分が増強する。 ②症状の過小評価 患者様自身にしかわからない主観的な苦しみに、「そんなに痛むはずはない」「たんな る気のせいです」という対応をされると、患者様は痛い上にわかってもらえないという 二重の辛さを味わうことになる。 ③悲観的な予後の説明 時に、 「なかなか治らない」「ほっておくとだんだんひどくなる」というような説明を されると、患者様は不安を増強させる。 ④見落としに対する不安 例え、検査の結果に異常がなくても症状が持続すると、患者様は不安は持続する。 「検 査してみないと分りません」というような対応も。不安を掻き立てる。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-36 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ⑤厳しすぎる生活指導 特に根拠のないのに、 「あれもダメ、これもダメ」と過剰な制限をされると患者様のQ OLは低下する。また、 「あなたの不摂生のせいで症状がよくならないのだ」などと言わ れると、患者様は益々落ち込むことになる。 ⑥実行不可能なアドバイス 症状が良くならない、「気にしてはいけません」「もっとリラックスしなさい」などの アドバイスをしがちである。しかし、人間は意識的に注意を集中することはできても、 気にしないようにすることは意志の力でどうにかなるものではありません。アドバイス をするより、患者様の訴えを共感的に忍耐強く傾聴することが有効な対応です。 スキルチェック 1.次の患者様とセラピストの会話で、セラピストは対応はどうだったでしょうか。 Th.:おはようございます。具合はいかがでですか。 Cl.:先生、どうも調子が良くないんです。ご飯もあまり食べられないんです。だんだん 身体が弱くなってくるような気がします。 Th.:そんな弱気なことを言ってはいけませんよ。病は気からというでしょ。頑張ってたく さん食べないと、治るものもなおりませんよ。 Cl.:・・・・・。 □セラピストは患者様を適切な態度で励ましている。 □セラピストは患者様の話を聴いて適切なアドバイスをしている。 □セラピストは患者様の話から言語的追跡をすべきであった。 □セラピストのコメントは批判的である □患者様は勇気が湧いてきている。 2.次の患者様とセラピストの会話で、セラピストの対応はどうだったでしょうか。 Th.:おはようございます。具合はいかがですか。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-37 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト Cl.:先生、どうも調子が良くないんです。ご飯もあまり食べられないんです。 Th.:大丈夫ですよ。一時的に食べられなくとも、点滴をしていますから、そう簡単に身 体は弱りませんよ。もう少したつと食欲も出ますから。 Cl.:そうですか・・・・。 □セラピストは患者様を適切な態度で励ましている。 □患者様の話しを聞きつづけていない。 □セラピストは適切なコメントを用いている。 □セラピストは支持的なコメントを用いている。 □セラピストは患者様の気持ちに共感している □セラピストは患者様の気持ちを否定している <模範例> Th.:おはようございます。具合はいかがですか。 Cl.:先生、どうも調子が良くないんです。ご飯もあまり食べられないんです。 Th.:そうですか。あまり食べられないんですね。 Cl.:なんだか、だんだんこのまま体が弱っていってしまうんじゃないかと・・・ Th.:だんだん弱っていくような、そんな気がするんですね。 Cl.:そうなんですよ。もうこのまま良くならないんじゃないかなんて思ったりするんで すよね。 Th.:なるほど・・・ Cl.:そう考えると、いやーになりますね。 Th.:気持ちがすごく落ち込んでしまう・・・ Cl.:そうなんですよ。 Th.: (沈黙)・・・・。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-38 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト Cl.:先生、実は来月、娘の結納なんですよね。 Th.:ああ、そうなんですか。 Cl.:一人娘なんでね。なんとかそれまでには、少しは良くなりたいと思います。 Th.:そうですね。それまでに良くなるといいですね。 Cl.:はい。結局は気持ちの持ちようかなぁとも思うんですよ。時々は気分のいいときも ありますしね。 Th.:頑張ってみようという気にもなると・・・。 Cl.:そうなんです。もう少し頑張ってみようと思います。 (6) モジュール名:話題の焦点を絞る 行動: 患者様の話したことを要約、確認する。 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: 患者様の話したことを要約、確認する。 表 1-6 話題の焦点を絞る 学習内容 1.要約と確認 質問、傾聴による病歴聴取がひとつの区切りが来たとき、患者様がそれまでに話した 内容を簡単に要約し、セラピストの理解が正しいかどうかを患者様に確認してもらう。 主訴、現病歴、既往歴、家族歴の各々において小要約を行い、病歴聴取の最後に最終 要約と確認を行うとより確実である。 要約のコツはまとめる範囲が広くなればなるほど、簡潔に短く行うことである。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-39 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト Th.:そうしますと、松崎様の喉の痛みは3日前に始まって、朝起きたときが一番ひどく、 しめつめられるような、そんな痛みなんですね。<要約> Cl.:そのとおり Th.:それでは喉の痛みのほかに、なにか問題があったら聞かせてください。 Cl.:そういえば、口内炎がなかなか治りません。 Th.:どんな具合なんでしょうか?もうすこし詳しく話してください。 2.要約技法の効果 ①聴き取る能力を養う 要約技法は、簡単に身につきにくいものです。ですから、患者様がある程度話された ところで要約を繰り返す習慣をつけることは、訓練となり、患者様の話を真剣に聴取す る能力を向上させることができるでしょう。 ②理解を共有する セラピストの要約の内容が、患者様自身の伝えたかったことにぴったり合った場合、 患者様は分ってもらえたという安心感と大きな喜びを感じます。この安心感は、セラピ ストに対する信頼感に繋がっていきます。 ③要約内容の訂正 自分の理解を要約してあえて言語化し、患者様の前に正直にさらして点検してもらう ことが誠実な態度です。 もし要約したことが患者様から違うと言われた場合、 「それは申し訳ありませんでした。 もう一度そこのとこのところを確認させてください」と言い、もう一度丁寧に聴きなお した上で、正しい理解をもう一度伝える作業を丁寧に行うことが大切です。患者様は自 分の伝えたいことが誤解されたままになっていたり、訂正できる機会が与えられないこ とに不安を抱きます。セラピストは自分の間違いを率直に認め、こちらの話の内容を正 確に理解しようと努力してくれると患者様が感じられると、セラピストへの信頼感は、 低下するどころか、高められるでしょう。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-40 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ④リハビリはセラピストと患者様の共同作業であるという実感 要約と確認、再確認の作業を丁寧に行うことで、患者様は、 「医療における単なる受身 の客体ではなく、主体的な参加者である」という充実感を与えます。その結果、患者様 の自助努力、リハビリへの自主的な参加意欲が著しく高められます。 2.焦点づけ 患者様の抱えている問題が多数ある場合や、患者様自身の問題が整理されていないと きは、話が散漫、冗長しやすいので、セラピストが問題点を手際よく整理して、ひとつ ずつ順番に話してもらうようにすることによって、セラピストも患者様も問題を明確に することができます。また、1 つの問題を多方面から焦点をあてる態度は、患者様を全 人的に把握する態度を養うことに役立ちます。 ①時間に焦点をあてる 長い病歴を有している患者様の場合、時間の経過ごとに区切って焦点をあてると、病 歴の流れが明確になります。 Th.:初めて具合が悪くなったときの様子を説明してください Th.:2回目の入院はどんな具合でしたか? Th.:退院してから、今回の入院までの間はどう過ごしておられましたか? Th.:今、現在の状態はどうですか。具体的に話してください。 ②多数ある問題の一つ一つに、順番に焦点をあてる Th.:あなたの今の問題を整理すると、喉が痛いということと、胃の調子が良くないとい うことと、そのために続けることが難しいというお仕事の問題。それとご家族に理 解がないということ。これくらいに整理できるようですね。それでは、最初に喉の 痛みについてもう少し具体的に説明していただけませんか? Th.:それでは次に胃の具合について教えてください。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-41 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト Th.:そんなに具合が悪くては、お仕事にも差し支えがあるでしょうね。そのへんについ て、もう少し教えて下さい Th.:ご家族の理解がないのも辛いですね。そのあたりはどんな状況なのですか? ③ある問題について、いろいろの観点から焦点をあてる ・患者様自身の気持ち(不安、心配、希望など)に焦点をあてる Th.:今までのお話では、あなたは色々と具合が悪いようですが、自分ではお体の状態に ついてどう感じていますか? Th.:今、何が一番不安ですか? Th.:こうしてもらえたらいいなぁという希望はありませんか? ・患者様の症状に焦点をあてる Th.:最初に喉が痛いという問題からもう少し詳しく伺います。具体的にいうとどんな感 じなのですか? ・症状以外の問題に焦点をあてる Th.:具体的に悪くなったきっかけとしてなにか思い当たりませんか? Th.:何でもいいですから、他に気になっていることや、困っていることがあれば教えて ください。 ・他者(家族)に焦点をあてる Th.:ご家族の方はどう感じておられるんでしょうか? Th.:職場の方との間で困っていることはありませんか? ・セラピストと患者様との関係に焦点をあてる Th.:私の説明が、○○様には今ひとつすっきり納得できないように見受けられるのです 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-42 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト が、よかったらそのへんのことをざっくばらんにはなしていただけませんか? (7) モジュール名:面接のまとめをする 行動: 面接の終了を宣言する 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: 面接の終了には、以下の内容が含まれている。 1.面接の要約 2.次回の予定 表 1-7 面接のまとめをする 学習内容 1.病歴の最終要約 今までに述べられたことの一番大切なポイントだけを要約し言語化する。 Th.:今回、病院に来られた一番の目的は、○○ということでよろしいですね。 2.確認および再確認 他に言い残していることがないかどうかを尋ねる。 Th.:何か言い残していることはありませんか? Th.:何でもよいのですが、つけ加えておきたいことはありませんか? 面接の最後の最後に、今まで話されなかった大切なことが出てくることは珍しくないの で、もう一度気を引き締めてしかり話を聴きなおすよう心がけましょう。 再確認の質問をして、患者様が十分考えたあと、 「いいえ、ありません」とはっきり答え れたなら、面接は良い方向に進んだといえるでしょう。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-43 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 3.質問するチャンスを与える Th.:何か質問はありませんか。 要所要所で患者様が質問できる機会を与えることは、患者様を尊重しているという態 度を示していることになります。 4.次に何が行われるかの説明 Th.:この後、採血します。リハビリ室を出て、廊下をまっすぐ言ったところに採血室が ありますので、そちらへ行ってください。その後会計に寄って、処方箋を貰い、今 日はお帰りください。 Th.:次回は肺活量などの測定をしたあと、発声の仕方を練習しましょう。 5.関係を強化するメッセージ セラピストと患者様の関係は、別れた瞬間から薄まっていきます。少しでも今回の面 接によって構築されたセラピスト-患者関係を、次回までのあいだ患者様の心の中に保ち 続けていただくためのメッセージが必要です。 Th.:この次、また具合を聞かせてください。 Th.:ご家族にも説明が必要でしたら、遠慮なく言ってください。 Th.:困ったことがあったら、予約外でもいいですからリハビリ室においでください。 不安が極端に強く、依存的な患者様の場合は、頻回な電話攻撃をしてくることもあるが、 多くの患者様は不安感を減少させるので、不安のために電話をしてくるという行為は減 少するのが一般的です。 6.終結宣言 Th.:ではこれで終ります。ありがとうございました。 Th.:ご苦労様でした。お大事に。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-44 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト スキルチェック 次の患者様とセラピストとの対応は、どこに問題があると思われますか。 (自己チェック) Th.:それでは次に、ご家族のことについて伺いたいんですが。 Cl.:なんで先生方はいつも家族のことを聞くのかね?なんで家族のことまで話さなきゃ いかんのか? Th.:○○さんは、家族のことを聴かれるのがおいやなんですね。 Cl.:そうなんだよ。先生方はいつでも家族家族というが、いやになるよ。いつでも同じ ことばっかり答えさせられて・・・・。 Th.:そうでしょうねぇ。何度も同じことを聴かれてはおいやでしょうねぇ。 Cl.:ああ、あんまり話したくないねぇ。 Th.:それじゃあ、ご家族のことについては、またこの次よろしかったらということでい かがでしょうか? Cl.:ああ、そうしてもらおうか。 (8) モジュール名:面接で聞き出すべきことを準備する 行動: 面接で聞き出すべき項目を準備する。 与件: 面接の場を想定。何も参照せずに。 基準: 準備された項目には、以下 12 項目が入っていること。 ①いつ から・どのような経過をたどったのか。 ②主訴の部位 ③主訴 の性状 ④主訴の期間 に起こるか ⑤症状の程度 ⑥主訴がどういうとき ⑦影響する因子 ⑧随伴症状 ⑨他院への受診、服 薬状況、禁忌事項 ⑩患者様が感じている心配事・解釈モデル ⑪患者様の希望 ⑫患者様のプロフィール 表 1-8 面接で聞き出すべきことを準備する 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-45 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学習内容 医療面接の主要な目的は、①情報を聴取すること、 ②良好なセラピスト-患者関係を作 り出すことです。必要十分な情報を聞き出し、それを正確に理解し、さらに明確化や要 約により言語科することによって患者様と理解を共有する作業を通じて、セラピスト患者間の信頼関係が構築されていくのです。このモジュールでは、主訴・現病歴を例に とり、聞き出すべき必要な情報についてまとめておきたいと思います。 1.主訴に関する情報 Th.今日はどうされましたか? Cl.:喉が痛いんです。 この喉の痛みを例にとって、聞き出すべき情報としては、どのようなものがあるか、 またその引き出し方を整理してみましょう。基本的には、 「焦点づけ」の技法を応用して いるということになります。 ①いつから・どのような経過で? Th. :それはいつからですか?CQ いつ頃から始まって、その後どうなったのか、詳しく教えて下さい。OQ ②どこが?(部位) Th.:どのへんが痛みますか?OQ 痛いのは喉の入り口あたりですか、それとも奥のほうですか? MCQ ③どんなふうに?(性状) Th.:どんな痛みなんでしょうか?できるだけ具体的に教えて下さい。OQ イガイガする痛みですか?それともキリキリする痛みですか? MCQ ④どの位の時間(期間)?(持続) 一度いたくなるとどれくらい続きますか?OQ どれくらい我慢するとおさまりますか?OQ 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-46 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ⑤どの程度?(症状の強さ) どの程度の痛みですか?OQ 我慢できないほどの痛みですか?CQ ⑥どういう時に? どういう時に痛みますか? ご飯を食べる前と後とではどちらが痛いですか? MCQ ⑦影響する因子は? これをすると具合が悪くなるようなことは何かありますか? ⑧随伴症状は? 痛むときに、他の具合の悪いことはないですか?OQ 痛むときに吐き気がありますか? むせてしまうことはありませんか? 2.聞き落としやすい大切な情報 主訴以外の情報は、患者様とのこれからのリハビリにおいておおいに役立つことがあ るが、注意しないと聞かないまま終ってしまいやすいものです。 ①他院への受診、服薬状況、禁忌事項 Th.:話しにくさについて、どこか病院にかかっていたら教えてください。OQ Th.:何か飲んでいる薬はありませんか?CQ ②心配・解釈モデル Th.:一番不安なことはなんですか?OQ Th.:今の状態について、ご自分ではどう思っておられますか。OQ 患者様自身の気持ちや心配に焦点をあてて聴くことは大変重要です。 また、患者様 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-47 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト は自分の状態について、自分なりの仮説・説明のパターンを持っているので、これを聴 くことによって患者様と話し合え、今後の方針を相談するためにも役立ちます。 もし、患者様が誤った解釈モデルを示したとしても、頭から否定せず、まずは十分患者 様に話していただき、その後どうしてもセラピストとしてコメントが必要な場合は、最 後にコメントするのが望ましいでしょう。 Th.:のどの痛みについて、ご自分ではどう思っておられますか?OQ Cl.:煙草の吸いすぎじゃないかと思っていたんですがね・・・ Th.:はぁ、なるほど。煙草を吸い過ぎたせいだと・・・ 言い換え Cl.:ええ。まあそう思ってたんですが、ただ、いつもより声の回復が悪いので、もしや 悪い病気の始まりじゃないかなんて、気にもなりましてね。 Th.:悪い病気じゃないかということも、気になるんですね 明確化 Cl.:ええ、そうなんです。ちょっと心配しすぎかもしれませんが・・・ Th.:心配になるのも無理はないと思います 正当化 ③希望 Th.:何か希望があれば教えて下さい OQ Th.:どんなふうになったらいいなと思いますか? OQ 患者様は自分の希望を聞いてもらえるのは、嬉しいものです。またセラピストにとっ ても患者様自身が考えている問題解決の可能性について話してもらうことは、大変役立 ちます。 患者様がなんらかのアイディアを提示した場合、できるだけ患者様の自己治癒的努力 を評価し、促進を心がけることが望ましいでしょう。 Th.:今日のところはどういうご希望ですか? OQ Cl.:何とか声は出ますし、仕事も休めないので、何とか痛みが治まる薬が欲しいです Th.:などほど、とりあえず痛みを何とかしたいというわけですね。明確化 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-48 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト Cl.:ええ、そのとおりです。少し時間に余裕ができて、その頃までに治らないようでし たら、検査を受けたいと思います。 Th.:そうですか。ちょっと確認しますと、とりあえずお薬を出してもらって、もし具合 がよくならない場合は、必ず受診していただく、ということでよろしいですね。 要 約、確認 ④患者様のプロフィール Th.:お仕事について話してもらえますか? OQ Th.:ご家族は何人で住んでおられますか? CQ Th.:普段はどのような生活をしていますか? Th.:お酒は飲みますか? OQ 煙草は吸いますか? CQ 個人的なことをどの程度聞いてよいかという問題は一概に答えられませんが、プロフィ ールを聴くことは患者様の心理・社会的な情報を知る上で重要です。ひとつの目安とし ては、患者様に自由に話してもらっている途中で、心理・社会的な内容にご自分から触 れてきたような場合に、話を膨らませるような形で聴いていくのが一番安全でしょう。 これを「患者様が入場券をくれる」と表現します。 Th.:どんな時にのどが痛むのでしょうか? OQ Cl.:いやぁ、特に決まった時にというわけではないんですが、やっぱりちょっと仕事で 無理したときなんかでしょうかねぇ Th.:なるほど、仕事で無理したときですか。差し支えなかったら、お仕事のことについ て、もう少し具体的に聴かせてもらっていいですか? 繰り返し OQ Th.:最近、何か楽しいことはないですか? Cl.:え?楽しいことですか?そうですね。たまに釣りに行くことくらいですかねぇ。今 の時期だったアイナメなんかが釣れますね。50cm ほどのが釣れたら、嫌なことや、 体調が悪いことを忘れちゃいますよ。だから、むしゃくしゃする時は仕事を早く切 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-49 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト り上げて、釣りに出かけちゃうんです。 Th.:それは素晴らしい。気分転換もうまくされていますね。 尊重 病気の話ばかりしていると、暗く、辛い話になりがちですが、趣味や熱中していること を聞くと、楽しく話してくださいます。その中に患者さん自身の自己治療法的な方策の アイディアが含まれていることがあります。 楽しいことに焦点を合わせ、セラピストも興味を示し、一緒に楽しみながら話を聴いて いくという作業は、良好な関係を構築することに思いのほか役立ちます。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-50 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.2.5 ストーリーボードの作成 コンテンツを意識しながら、シナリオ構成をページわけしていく。その中で、レイアウト なども詰めていく。 画面レイアウト 音声など 効果音 平成17年度 専修学校教育重点支援プラン事業 面接で必要な情報を収集する 大阪リハビリテーション専門学校 1 (音声のみ) モジュール名 イントロダクション この教材は、実習前のみなさんに医療面接におけるコミュ ニケーション技法を学ぶために作られています。臨床実習や 目 的 評価実習では、 対象者の行動を 観察し たり 、 検査等で評価・ 診断がで き る こ と が主たる 目標で ある 。 その中で 、 対象者の現症や発症ま で の経緯を 対象者から 聞き 取る こ と は、 適切な検査を 選択する ヒ ン ト と な り 、 さ ら には本当のニーズを 理解する こ と ができ 、 と て も 重要な こ と で ある 。 そう いっ たこ と を はじ めて体験する 学生の皆さ んは、 精神的なゆと り がな いため、 対象者やそのご 家族か ら 学生自身が必要と 思う 情報を 収集する こ と に必死と なり 、 対象者の不安や緊張を 冗長し て し ま いがち で あ る 。 そこ で、 こ の教材を 学ぶこ と によ り 、 対象者が緊張や不安を 感じ る こ と な く 、 必要な情報を 収集する こ と がで き る よ う にな る こ と を 目的と する 。 評価実習において、必要な情報を患者様、ご家族、保護者の 方から収集するために、しっかり学んでいきましょう。 受講対象者 大阪リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 1年 受講条件 受講者は学校から貸与されているPCの基本的な操作ができる。 規定の履修科目を既習済みである。 大阪リハビリテーション専門学校 2 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-51 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (音声のみ) モジュール名 コースマップ 医療面接におけるすべての技法を学ぶためには、ここに挙 げている以外の学習が必要です。この教材では、医療面接の コースマップ 患者様の症状、状態を 患者様の症状、状態を 把握する 把握する 中でも必要な情報を収集することに焦点を絞っていますの で、このコースマップにあげられている項目のみを学びます。 学ぶ順序は「わかりやすい言葉を使う」ことを一番初めに行 面接のまとめをする 面接のまとめをする い、その後矢印に沿って好みの順に学んで結構です。 話題の焦点を絞る 話題の焦点を絞る 患者様の不安と 患者様の不安と 緊張を緩和する 緊張を緩和する 患者様の話に 患者様の話に 共感する 共感する 患者様に質問する 患者様に質問する 面接で最低限 面接で最低限 聞き出すべき事を 聞き出すべき事を 確認する 確認する 面接の導入を 面接の導入を 行なう 行なう わかりやすい わかりやすい 言葉を使う 言葉を使う 大阪リハビリテーション専門学校 3 わかりやすい言葉を使う 大阪リハビリテーション専門学校 4 (音声のみ) モジュール名 わかりやすい言葉を使う 医療関係の学生は医学用語に慣れてくるとつい知らず知らず のうちに医学用語を使ってしまいます。医学専門用語を使う わかりやすい言葉を使う と患者様は理解しにくいので、できる限り一般的な言葉を用 学習内容 いましょう。原則として、「漢語」はできるだけ使わず、「や 患者様とご家族に専門用語を使わずわかりやすい言葉を使う。 学習条件 まとことば」を使うように心がけると良いでしょう。 面接の場を想定。何も参照せずに。 学習目標(学習者が到達するべきこと) 最近では、患者様も勉強しているためか、 「下咽頭の痛みが続 1.日常の言葉(やまとことば)を使っていること 例)他に症状はありませんか→他に具合の悪いところはありませんか いています」などの医学用語を使う方もいます。しかし、そ 2.対象となる専門用語は国家試験出題基準の範囲内、かつ、インテークで使用頻度の高い用語 20の専門用語 についてすべて言い換えることができる。 の医学用語が正しいイメージを伝えているかどうかわかりま せん。あえて、 「のどの下の方が痛むのですね。もう少し具体 3.「漢語」は使わない 例)経過→その後どうなりましたか、不快感→いなや感じはありませんか 的に教えてください」と、こちらから一般用語の表現に戻し 4.丁寧な言葉を使っていること て確認しておくのが良いでしょう。 大阪リハビリテーション専門学校 5 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-52 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト *出題するときは、「ギョウガイ」で提示してください。 モジュール名 わかりやすい言葉を使う 次の言葉に合う動作をA~Dから選択しなさい。また、患者様に判り やすい言葉に変換しなさい。 *解答する時に、設問部分も漢字に変換してください。 *解答の記号と模範解答は提示する。 *例を出してから設問に入った方がよいか?(検討する) 設問1 ギョウガイになってください ↓ (問題は、学生のペースで勉強できるようにするために、音 仰臥位になってください 声は入れないことにしました) (音声のみ・表示しない) それでは早速、以下の設問1~10に相当する動作を、イ ラストA~Kから選択してみましょう。 また、設問1~10を患者様に判りやすい平易な言葉に 変換してみましょう。 それでは早速、以下の設問に出てくることばに見合う動作を イラストの中から選択しましょう。また、患者様に判りやす 答えはDです。 また平易な言葉に変換 すると、 「仰向けに寝てくださ い」となります。 大阪リハビリテーション専門学校 い平易な言葉に変換してみましょう。 6 ビデオ モジュール名 わかりやすい言葉を使う 設問4 ゼッセンで上下左右のキュウシを触って ください 設問4 舌尖で上下左右の臼歯を触ってく ださい。 : 答えはGです。また「舌尖で上下左右の臼 歯シを触ってください」を平易な言葉に変 換すると、「ベロの先で、上、下、右、左の 奥歯を触ってください」となります。 大阪リハビリテーション専門学校 9 *ひとつひとつ確認させるために、□のところに自己チェッ モジュール名 わかりやすい言葉を使う 3.テスト対象の専門用語一覧 □AAC □瘻孔/瘢痕 □陰圧 □咽頭・喉頭 □咽頭反射 □嚥下 □オーラル ディアドコキネシス □オトガイ部 □音韻・音韻変化 □音素・音節・モーラ □咳嗽反射・嘔吐反射 □カニューレ □喚語 □喚語困難 □吃音 □吸啜(反射)・咬反射 □仰臥位・背臥位/腹臥位・伏臥位/ 側臥位 □筋緊張(トーヌス) □構音 □口腔内圧 □硬口蓋・軟口蓋 □高次脳機能障害 大阪リハビリテーション専門学校 □声の翻転 □誤嚥 □語用論 □錯語(音韻錯語・語性錯誤) □嗄声・粗? 性 □残語 □残語・再帰性発話 □視空間機能の優位性 □失行 □失認 □失認(相貌失認) □失文法・錯文法 □ジャーゴン(ジャルゴン) □食塊 □食塊形成 □食塊保持(カップリング) □叙述文 常同文 □スクリーニングテスト □接近行為 □舌尖 □咀嚼 □ソフトブローイング・ハードブローイン グ クできるようにしてください。 □常同的 □流涎 □喃語 □ニューロパチー □パラグラフ音読 □反響言語 □鼻咽腔閉鎖機能 □非可逆的事態・可逆的関係 □復唱障害 □浮動性/被刺激性 □phrasing(指折り、タッピング) □プロソディ □保続 □麻痺性・失制御性 □明瞭度 □流暢性 (50音順) 27 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-53 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 面接の導入を行なう 大阪リハビリテーション専門学校 28 モジュール名 面接の導入を行なう 面接の導入を行なう 学習内容 面接の導入方法を説明する。 想定場面 面接の場:ベッドサイド、面接室(向き合った状態) 患者様:成人(自分で説明できる) 持ち物:記録票(カルテ)、筆記用具 学習目標(学習者が到達するべきこと) 1.定められた導入の手順を身につける。 2.個々の場面における適切な対応を身につける。適切な対応の項目とは、 ①あいさつ(基本的な挨拶) ②患者様へ視線を向ける ③笑顔の対応 ④明瞭かつ適切な大きさで呼び入れる ⑤適切な位置への誘導 ⑥患者様の名前をフルネームで確認 ⑦自己紹介 ⑧これから面接を行うことを知らせる ⑨面接開始の同意 ⑩患者様の体位等に無理がないこと 大阪リハビリテーション専門学校 29 (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう セラピストと患者様はもともと知らないもの同士です。そ ういった二人が始めて出会うときは、お互い不安と緊張があ 1.あいさつ 1.あいさつ るのは自然なことです。しかし、患者様はセラピスト以上に 自分の疾患や、この病院ではちゃんと診てもらえるだろうか、 いやなリハビリの先生にあたったらどうしよう、自分の苦し 2.名前の確認 2.名前の確認 さが理解してもらえるだろうか、などの不安を感じ、緊張し ながら医療機関に訪れてきます。実は、不安や緊張はセラピ 3.自己紹介 3.自己紹介 ストもあります。訪れてくる患者様は一人一人異なりますか ら、 「私はこの患者様と一緒にリハビリができるだろうか」 「リ 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 ハビリの効果が上がらなかったらどうしよう」などとベテラ ンのセラピストが不安を感じることも自然なことです。 「セラ ピストは不安を感じるべきでない」という信念が強すぎると、 5.かかわり行動 5.かかわり行動 自身の不安を意識化することが難しくなり、例えば、患者様 を受け入れないという行動を無意識のうちに自分の不安を解 大阪リハビリテーション専門学校 消するために生じていることがあります。 30 医療面接の開始にあたって、最初に行われるべきことは、 患者様とセラピスト双方が感じている不安や緊張をできる限 り取り除き、リラックスした雰囲気を作る出すことです。そ のためには、面接の導入には1~4の項目を含みましょう。 そして、5つめにある「かかわり行動」は、これから行わ 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-54 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト れる言語的な面接技法を支える、受容的な雰囲気を作り出す 態度であり、重要なものとなります。 (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう 1.あいさつ 1.あいさつ 「こんにちは」 「はじめまして」などが一般的です。 状況に応じて、「今日は暑いですね」「どちらからいらっしゃ 1.あいさつ いましたか」 「お待たせしました」のような、いわゆる世間 話的な会話を加えてもかまいません。 2.名前の確認 2.名前の確認 1-1.一般的なあいさつ 「こんにちは」 「はじめまして」 など 1-2.世間話を加えたあいさつ 3.自己紹介 3.自己紹介 「今日は暑いですね」 「どちらからいらっしゃいましたか」 「お待たせしました」 など 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 5.かかわり行動 5.かかわり行動 大阪リハビリテーション専門学校 31 (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう 1.あいさつ 1.あいさつ 2.名前の確認-初歩的なミスの防止 患者様の苗字だけでなく、フルネームで呼ぶのがいいでしょ う。 例えば、 セラピスト:ナカヤ 2.名前の確認 2.名前の確認 3.自己紹介 3.自己紹介 患者様の苗字だけでなく、フルネームで呼ぶ。 ≪例≫ セラピスト: ナカヤ ダイ(中谷大)さんですね? 患者様.: いいえ、ナカタニ ヒロシです。 セラピスト .: ああ、ナカタニ ヒロシさんですね のがよいでしょう。名前を確認することは、患者様の取り違 えなどの初歩的なミスを防止する効果もあります。 (音声のみ) 面接の導入を行なう 2.名前の確認 2.名前の確認 このように、フルネームで名前を呼ばれることは、 「一人のか 32 モジュール名 1.あいさつ 1.あいさつ ヒロシです。 ヒロシさんですね きます。また、誤った名前の読み方をした場合は、復唱する 初歩的なミスの防止―患者様の取り違えを 防止 5.かかわり行動 5.かかわり行動 大阪リハビリテーション専門学校 セラピスト.:ああ、ナカタニ けがえのない存在として理解されている」と感じることがで 名前の復唱 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 ダイ(中谷大)さんですね? 患者様.:いいえ、ナカタニ セラピストが患者様に自己紹介をするという態度は、 「私とあな たの関係は上下関係ではなく、人間として対等の関係です」 3.自己紹介 というメッセージを伝えていることになります。 私(セラピスト)とあなた(患者様)の関係は、 上下関係ではなく人間として対等の関係であ るというメッセージを準言語的に伝えているこ とになる。 実習生が実習中に患者様と面接するとき、「学生の○○で す」と自己紹介をすることにためらいを感じることがありま す。一般に、患者様は医療従事者に対して非常に気を使って いるので、 「医師のようにも見えるし、そうでもないようにも 3.自己紹介 3.自己紹介 ≪例≫ 「学生の○○です」 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 見える」という者がいると落ち着きません。最初から「私は 学生です」とはっきり自己紹介されれば、患者様は必要以上 に気を使うことなく、リラックスできます。嫌なときは「イ ヤだ」とも言えますが、逆に、気を使う必要がないという気 安さから、医師やセラピストに言えないようなざっくばらんな気 5.かかわり行動 5.かかわり行動 持ちを患者様が学生に話してくれることもしばしば起こりま す。 大阪リハビリテーション専門学校 33 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-55 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう 1.あいさつ 1.あいさつ 2.名前の確認 2.名前の確認 今までに経験したことのない状況の中で、これから何をさ れるか分らないという状態は、誰しも不安と緊張を強いられ 4.これから何が行われるかの説明 ます。相手が誰かがわかり、これから何をするのかが分ると、 ≪例≫ 病歴聴取の場合 かなりリラックスすることができます。 病歴を聴き取る場合は,「これからお話を聴かせてくださ 「これからお話をきかせていただきます」 い」といった短い言葉ですみます。 予診面接の場合(例) 3.自己紹介 3.自己紹介 「ここであらかじめお話を伺わせていただいたあと、○○番の 言語療法室で言語聴覚士が改めて検査をいたします」 その他(診察、検査、説明など)の医療行為の 導入 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 予診面接などでは、 「ここであらかじめお話を聴いた後、言語 療法室での検査に移ります」などと説明しておくと、患者様 の不安が減少するでしょう。 導入の原則は、病歴聴取に限ったことでなく、検査や説明 などの行為においても同じように導入を行い、それから実施 するという習慣をつけておくことは、患者様との良好な関係 5.かかわり行動 5.かかわり行動 大阪リハビリテーション専門学校 を作るのにたいへん役立ちます。 34 (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう 「かかわり行動」とは、セラピストと患者様の間とのコミ ュニケーションを確立し、有効な医療面接を行うための基本 5.かかわり行動-受容的な雰囲気を作り出す態度 1.あいさつ 1.あいさつ となる態度のことです。その多くは、言葉によらない情報「非 言語的な面接技法を支えるコンテクスト(背景・文 脈)を作り出す態度や行動のこと 2.名前の確認 2.名前の確認 3.自己紹介 3.自己紹介 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 5.かかわり行動 5.かかわり行動 大阪リハビリテーション専門学校 言語的メッセージ」がセラピストと患者様との間に取り交わ されます。 ①場所、時間 ・清潔で明るい部屋 ・壁や家具等の配色 ・椅子、机の配置 ・騒がしさ ・しきりの有無(プライバシーが守られているか) ・ベッドサイドに訪れるときはカーテンを閉める ・ベッドサイドに訪れたときは椅子を患者様の枕元近 くにもって行く ・外来診察室やカンファレンスルームを使用する場 合は、「面談中」を表示する ・食事の時間帯や消灯時間前は避ける ・深刻な場合は、面接後に家族と過ごせる時間帯を 設定する 患者様に「受容されている」 「尊重されている」と感じても らうために、言語的な面接技法を支える背景や文脈を作り出 す態度・行動が重要なものとなります。 1 つ目に、医療機関の建物、待合室、診察室といった場所 そのものが、コンテクストを作り出す重要な要素となります。 清潔で明るい建物の方が、心地よさを感じ、待合室や面接室 の配色や椅子・机の配置、騒がしさ、しきりの有無なども患 者様の気分や面接の雰囲気に影響を与えます。 原則として、面接を行う部屋は、静かで、プライバシーが 35 保て、誰かが急に入ってくることで会話が妨げられたりする 事のないところが望ましいです。 複数の患者様のベッドが並んでいる大部屋は、安心できる 雰囲気ではありませんが、どうしても仕方のないときは、ベ ッド周囲のカーテンを閉めたり、椅子を患者様の枕元近くに 持っていくなどの工夫が必要です。 患者様と会う時間帯も、微妙に面接の雰囲気に影響します。 食事の時間帯や、消灯の時間が迫っているような時間帯で は、落ち着いて話はできません。深刻な面接の場合、患者様 が一番気分が良さそうな時間帯を選んだり、面接後に家族と 時間をすごせるような時間帯を設定したりするなどの配慮が 必要です。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-56 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう 1.あいさつ 1.あいさつ 2.名前の確認 2.名前の確認 3.自己紹介 3.自己紹介 ②服装、身だしなみ ・白衣が汚れていたり、ボタンが取れていない ・標準的、常識的な服装、身だしなみ 2つめの、服装や身だしなみもコミュニケーションのコン テクストとして重要な役割を果たします。白衣は、役割関係 を作るものであり、シンボルの働きがあります。ですから、 白衣が汚れていたり、ボタンが取れていたりすれば、その象 徴性は失われてしまいます。 ③姿勢、位置 ・少し斜めか横に座る。 ・背筋を伸ばした姿勢 ・できるだけ左右対称の所作 患者様は医療従事者には清潔 で信頼できる存在であって欲しいという一定の期待を抱いて います。この期待を甚だしく裏切るような服装や身だしなみ は、その面接の最初から大きなハンディを負うことになるで しょう。 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 5.かかわり行動 5.かかわり行動 実習生や初心者のうちは、標準的、常識的な服装、身だしな セ セ 机 患 みで患者様に臨むことが無難でしょう。 机 患 大阪リハビリテーション専門学校 3 つ目の姿勢、位置について、初対面の場合は、圧迫感を 避けようとするならば、少し斜めに座るか横に座るのが良い でしょう。物理的な距離は心理的な距離を表わすので、話が 36 熱中し出すと自然に距離は縮まるでしょう。 (音声のみ) モジュール名 面接の導入を行なう 4つ目の視線は、日本の文化では、100%視線を合わせて話 すと相手が圧迫感を感じることもあり、文化や性別などによ 1.あいさつ 1.あいさつ 2.名前の確認 2.名前の確認 3.自己紹介 3.自己紹介 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 ④視線 ・患者様の目を見て話すのが基本 ・患者様の額から肩が視線の範囲 ⑤言葉遣い、声の調子 ・丁寧なことばづかいをする ・話し方が患者様のペースとあまりにも解離し ていない ・自分の話し方のクセを出さない って多少異なります。しかし、一般には、できるだけ相手の 目を見て聴き、話すように心がけることが妥当です。記録を 書くことに熱中して、患者様の方をほとんど向かないといっ た態度でいると、患者様は「話を真剣に聞いてもらった」と いう感覚は得られません。また、患者様のちょっとした表情 やしぐさなどを観察したり、それに反応することもできませ ん。 どうしてもメモを取ることが必要な場合は、メモに向ける 視線を最低限にして、できるだけ患者様に視線を向ける努力 が必要です。 5.かかわり行動 5.かかわり行動 5つめの言葉遣い、声の調子は、発せられることばに伴っ 大阪リハビリテーション専門学校 37 て伝わる、重要な「準言語的メッセージ」です。 一般に、初対面の人に対して丁寧な言葉使いをすることは、 日本人の社会習慣としてはごく普通のことです。 また、専門用語を使うと患者様は理解しにくいので、でき る限り一般的なことばを用いましょう。 声の調子は、大きな声ではきはき話すのが良いか、落ち着 いた静かな声で話すのが良いのかという問題は簡単に言えま せん。誰でも個性があるので、無理に変える必要はありませ んが、自分自身の持ち味をさらに洗練するように心がける方 が実際的でしょう。ただし、話し方が患者様のペースとあま りにも解離している場合、良いコミュニケーションにはなり ません。 時と場合に応じて、声の大きさや調子を患者様に合わせて、 自然に使い分けられるようになればベストです。 その他、話すときの身体的なクセや耳障りな話し方のクセ は患者様が不快に感じやすいので、出さないように心がけま しょう。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-57 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 医療面接への導入例 モジュール名 面接の導入を行なう 言語療法室(外来)初診の例 医療面接への導入例(良い例) 言語療法室(外来)初回面接の例 1.あいさつ 1.あいさつ 良い例 (ビデオ) Th.:松崎さんお入りください。こんにちは。どうぞお掛けく ださい。(椅子をすすめる) Cl.:はい。 2.名前の確認 2.名前の確認 Th.:松崎ヒデアキさんですね。 Cl.:はい。 3.自己紹介 3.自己紹介 Th.:私は、言語の治療(or リハビリ)を担当する高橋です。 よろしくお願いします。 言語療法室(外来)初診の例 良い例 4.これから何が 4.これから何が 行なわれるかの説明 5.かかわり行動 5.かかわり行動 大阪リハビリテーション専門学校 Th.:松崎さんお入りください。こんにちは。どうもお待たせしました。 どうぞおかけください。(椅子をすすめる) Cl.:はい。 Th.:松崎ヒデアキさんですね。 Cl.:はい。 Th.:私は、言語のリハビリを担当します高橋と申します。よろしくお願いしま す。 Cl.:こちらこそよろしくお願いします。 Th.:最初に少しお話を聞かせていただき、それから簡単な検査をしたいと思 います。よろしいですか? Cl.:はい。 Th.:現在、どういうことがお困りですか? Th.:これから検査をしますが、その前に少しお話を聞かせて ください。 Cl.:はい。 Th.:現在、どういうことがお困りですか? 38 *分割をする モジュール名 面接の導入を行なう □ おはようございます □ 入りますよー。 □ こんにちは □ お名前を教えて下さい □ 名まえは言えますかー。 □ お名前は吉○俊○さんですね。 □ 名前は吉○俊○ですね。 □ 今日は暑いですね。 □ 昨日の雨はすごかったですね。だけど今日はすっかりお天 気が良くなって、気分がいいですね。 □ 暑かったり、寒かったりしたら言うてねー。 □ ご気分はどうですか。 □ 今、しんどいでしょうが、頑張りましょうね。 □ 今日は寒いですね □ 私は大△△子です。 □ 私は大阪リハビリテーション専門学校言語聴覚学科 1年生 の大△△子です。 □ 私は、リハビリ科の実習生で大△△子です。 □ 私は、吉○さんの支援をするためにここに来ました。 □ これから言葉の訓練をする前に、これまでにかかられた病 気のことや治療のこと、吉○さんのご希望などを伺いたいと 思いますが、今、よろしいですか。 □ 訓練前に、聞いておくようにと医師から指示があったので、 今日はここへ来ました。 □ これから質問しますから、答えてくださいね。 □少しお話を聞かせてください。 □ これから質問しますが、よろしいですか。 □ 今の体調や姿勢は苦しくないですか。 □ 頑張って、答えてくださいね! □ 私に包み隠さず何でも話をしてくださいね! ◆以下のようなときはどのような挨拶が 適切か。 絵を見て、面接の導入として適切な ことばを選び適切な手順に並び換え なさい。 解答例: □こんにちは □お名前は吉○俊○さんですね。 □私はリハビリ科の実習生で大△△子です。 □少しお話を聞かせてください。 □今の体調や姿勢は苦しくないですか。 大阪リハビリテーション専門学校 Cl.:こちらこそよろしくお願いします。 40 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-58 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.2.6 プロトタイプコースの作成 ストーリーボードに基づき、画像や映像などの素材を準備し、オーサリングツールでコン テンツとして仕上げていく。今回は ToolBook2004 というツールにてコンテンツをオーサリ ングした。以下に作成した e ラーニングコンテンツの画面のキャプチャを紹介する。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-59 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-60 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-61 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-62 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-63 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-64 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.3 1.3.1 「医療面接」のコンテンツ開発の検証 ―指導者からの評価― はじめに PT・OT・ST(以下、セラピスト)養成校では、臨床実習は必須科目である。在校期間に 数回の実習を体験するが、それぞれの実習で目的や内容が異なる。そして最終的には、対 象者(児)に対して、初回面接から指導・援助にいたる一連の臨床活動(評価→支援プログラ ムの立案→実施→結果の評価と報告)を行い、臨床能力を習得することが目標となる。こ の一連の臨床活動のスタートは対象者に関する情報収集をすることである。情報は、対象 者を取り巻く人々(ご家族、専門職種など)から収集しなければならないが、一番多量の 情報を持っているのは対象者本人であることは言うまでもない。その対象者本人と面接を して情報収集する際、セラピストと患者という役割を持った人間同士の関係や信頼関係が 構築できないとその後の指導・訓練がスムーズに遂行できない。これは医師でも同様であ り、医師―患者関係が構築できないと治療効果は低下する。近年、医学部では医療面接技 法の習得は医師・医学生にとっても必須の課題と考え、医療知識の評価だけでなく、医療 面接における技術・態度を客観的に測定できる客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination: OSCE,オスキーと略称される)を実施することにより、習得でき るように努めているのが現状である。 1.3.2 目 的 本校学生が実習生として、患者と初回面接において「セラピスト―患者」関係を構築する ための知識と技術を効率よく習得できる教育方法を検討する。また、開発したコンテンツ の「セラピスト―患者」関係を構築する知識・技術の習得及び情報収集をする技法の習得 における有効性を検討する。 1.3.3 方 法 開発したコンテンツを、教員が麻生塾の LMS にアクセスして視聴した上で、別添(資料1) のアンケートに回答する。 事前に、各教員には、ユーザーID とパスワード、パソコンの環境設定の説明を配布(資料 2) 。約 1 週間の期間(2006 年 2 月 7 日(火)~14 日(火))の都合の良い時間に視聴する。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-65 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.3.4 結 果 回答者数 19 名。回収率 52.8% (1) コースの目的の明確性 このコンテンツの一番初めに「面接で必要な情報を収集する」という画面が表示される ため、コースの目的は、図1-5 が示すように、明確であると評価されている割合が高い。 しかし、「面接で情報を収集するのは、何を目的にしているのかが明確でない」という 意見もあった。 学生にはコースの目的が明確であると 14 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-5 (2) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない コースの目的の明確性 内容の理解しやすさ 患者との面接で情報を収集することは、臨床の一部であるが、PT・OT・ST のための面 接そのものを取り上げたテキストはこれまでなかった。そのため、面接技法の意味など を系統だって説明されている当コンテンツは、図 1-6 が示すように「理解しやすい」と 評価されている割合が高い。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-66 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学生には内容が理解しやすいと 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 非常に思う 図 1-6 (3) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 内容の理解しやすさ 文字・図・表・動画の有効性 スキルチェックの場面で、体位を描画で示していたが、これは「できるだけ写真の使用」 が求められた。また、動画は素人の演技であるため、「どこを理解させたいのかが明確 でない。極端に演じることが必要」という指摘あった。 文字があることで、視覚的に印象に残りやすいことはあるが、「要点を絞り込んだ説明 が、ピンポイントにわかるように」文字の出し方の工夫が求められた。 (人) 学生には使用されている文字等が理解しやすいと 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-7 かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 文字・図・表・動画の有効性 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-67 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (4) 音声による解説の有効性 当コンテンツは、音声による解説を入れた。視覚と聴覚と両方の入力で記憶を促すこと を狙っている。教員による評価も、図 1-8 が示すとおり、「理解しやすい」と評価して いる割合が高い。 学生には音声による解説が理解しやすいと (人) 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 非常に思う 図 1-8 (5) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 音声による解説の有効性 学習意欲の促進性 当コンテンツを見て、学習意欲が湧くか否かの評価は、図 1-9 の示すとおり、「学習意 欲が湧く」と評価されている割合は高いものの、度合いは高いとは言い難い。 当コンテンツは、コースマップで示されているように、モジュール(学習単位)は下位 層から上位層へ学習を進めていくのが一般的であるが、学習者の判断により、どこから はじめても構わない。それを音声で説明しているが、明示していないため、学習者は「学 習の順位付けが明らかでない」と感じるため、学習意欲の促進を阻害している理由があ げられている。 また、「学習者が PC の操作に慣れればよいが、現在はわかり辛く、すぐに学習に入れ ない」ことや、「スキルチェックで正答しないと終了できないのは辛い」ことも学習意 欲を阻害している要因となっている。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-68 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学生には学習意欲がわくと (人) 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-9 (6) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 学習意欲の促進性 面接場面のイメージ 教員によって面接場面の典型例は異なるが、当コンテンツはごく一般的な面接場面を想 定した。 臨床現場での体験が少ない学生にとっては、図 1-10 のとおり、「イメージしやすい」と 高い割合で評価を受けた。しかし、このコンテンツを作成するにあたって、参考にした のは医師・医学生のための医療面接のテキストであったため、「医師の病歴聴取の流れ ではなく、セラピスト用の障害歴聴取の内容であれば、学生には参考になる」との指摘 や、「基本的な場面を想定されているが、実際の臨床現場で悩みやすい場面設定があれ ばより理解しやすい」との意見も出された。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-69 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学生にはこれを学べば面接場面がイメージがしやすいと (人) 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-10 (7) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 学習意欲の促進性 用語の理解しやすさ 当コンテンツのねらいは、専門用語をその場で学習させることではないが、知らない用 語が画面に頻繁に出てくることは学習意欲を阻害する。図 1-11 示すように、「用語は理 解しやすい」と比較的高い割合で評価されているが、「初学者には難しい用語も少なく ない」との指摘もあった。 学生によって用語が理解しやすいと (人) 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-11 かなり思う 少し思う 少し思わない 用語の理解しやすさ 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-70 かなり思わない 非常に思わない 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (8) 実習前の学習の有効性 当コンテンツは、言語聴覚学科 1 年生の評価実習前に学習することを想定しているため、 図 1-12 示すように「実習前の学習に有効」という評価が高い割合で出た。しかし、少数 ではあるが、 「思わない」と評価する教員もおり、「臨床現場の臨場感がない」ことを指 摘していた。 実習前の学生が学習するのに有効だと (人) 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-12 (9) ① かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 実習前の学習の有効性 コミュニケーション構築法の知識の習得 知識の習得 面接技法については、養成校の臨床心理学の講義の中で学ぶことはあるが、しかし、そ れはあくまでも臨床心理士の技法であり、PT・OT・ST の面接とは異なる。そのため、 当コンテンツのように系統だって学習する機会は少ないので、図 1-13 とおり、 「コミュ ニケーション構築法の知識の習得ができる」と高い割合で評価されている。 ② 技法の習得 図 1-13、図 1-14 を比較してみると、コミュニケーション構築技法の「知識」は習得でき ると高い割合で評価されているが、「技法」は、そうとは言い難い。ここにeラーニン グにおける「知識」と「技術」の乖離が垣間見られる。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-71 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学生は患者様とのコミュニケーション構築法の知識が習得できると (人) 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-13 かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 知識の習得 学生は患者様とのコミュニケーション構築の技法が習得できると (人) 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-14 (10) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 技法の習得 eラーニングの自主学習(予習・復習)の有効性 本来、eラーニングは学生の独学を支援するものである。それについては、教員の認識 も高く、図 1-15 が示すように、「自主学習に有効だと思う」と高い割合で評価されてい る。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-72 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト eラーニングは学生の自主学習に有効だと (人) 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-15 (11) かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない eラーニングの自主学習(予習・復習)の有効性 今後のeラーニングの活用 図 1-16 が示すように、eラーニングの活用には関心は高いが、かなり積極的に活用した いという思いは決して高いとは言い難い。その要因には、 「コンテンツ作成にあたって、 人員等のかなりの労力を要するのではないか」と、通常業務の多忙さにプラスされるこ とを危惧している感があり、それが活用意欲を阻害している。 今後、eラーニングを活用していきたいと (人) 12 10 8 6 4 2 0 非常に思う 図 1-16 かなり思う 少し思う 少し思わない かなり思わない 非常に思わない 今後のeラーニングの活用 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-73 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (12) 必要なモジュール(章)・不要なモジュール(章) 当コンテンツは 8 つのモジュールで構成されている。図 1-17 が示すように、より学習さ せたいと思うモジュールは拡散しており、教員の価値観が異なることがわかる。また、 不要と思うモジュールをあげる教員は少ないものの、専門用語を平易なことばで言える ように学習させるモジュール(わかりやすいことばを使う)は、深く学ばせたいモジュ ールとして一番多く支持されているが、一方で不要と思われるモジュールとしても指摘 されている。 さらに深く学習させたい章 (人) 7 6 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 1 わかりやすいことばを使う 2 面接で聞き出すことを確認する 3 面接の導入を行う 4 患者様に質問をする 5 患者様の話に共感する 6 患者様の不安と緊張を緩和する 7 話題の焦点を絞る 8 面接のまとめをする 図 1-17 (13) 必要なモジュール(章)・不要なモジュール(章) 学習に適した学科・学年等 図 1-18 に示されているように、当コンテンツは言語聴覚学科学生を対象に作成されてい るので、3学科の中では最も高い割合で適していると評価されている。また、実習前に 学習することが効果的と考えられるため、学年が低いほど適していると評価されている。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-74 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学習に適した学科・学年 (人) 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 PT 図 1-18 (14) OT ST 1年 2年 3年 4年 実習前 実習後 学習に適した学科・学年等 コンテンツの改善点 コンテンツの容量が大きくなればなるほど、PC やサーバーの稼動は遅くなりやすい。そ のため、 「ロードしている時間が長く、早く次を見たいと時々感じた」という感想があっ た。そういったハード面の改善に関連するものと同時に、ソフト面への改善を求める感 想もあった。例えば、 「面接の具体的なイメージができていない段階の学生には、面接場 面を想定したスキルチェックは難しい」、「全問正答しないと次に進めない設定は、考え ることには繋がるが、何度かトライすれば正答がでるような設定でもよい」というよう に、学習提示についてやスキルチェックの設定の仕方への見直しが求められた。いずれ にしても、学習意欲に繋がることである。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-75 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (15) ① eラーニングに適切な学習内容 知識習得用 「実技を伴わないもの」 「対象者が必要な内容はeラーニングには向かない」 「正答が1つでない面接技法は、eラーニング向かない」 「国家試験」 「解剖学」 「画像診断学」 「○×が明確なもの」 「臨機応変な対応が要求されるものは不向き」 以上のような回答が得られた。確かに、eラーニングの代表のように思われる CBT (Computer Based Testing)がイメージしやすいようで、知識注入に用いるのが適して いると思われている。また、柔軟性を求められる対人援助のスキルにはeラーニングは 不向きであると思われている。 ② 演習の事前・事後学習用 「トランスファー」 「技術を習得させ、その後手順を確認する」 「操作手順」 「評価法実技」 「歩行分析(異常歩行)」 「動作分析」 以上のような回答が得られた。これらは、具体的なスキルや観察ポイントを列挙するこ とができる事項であり、現在、演習を行っているものである。教員と対面する時間には、 実際のスキルを身につけることに専念し、それまでに必要な基礎的な事項を事前に学習 するのに、eラーニングを活用するのである。また、場合によっては、自己チェックの ためや、講義で指導を受けてから時間が空いてしまった場合の自己フィードバックのた 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-76 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト めに活用する案である。 ③ 臨床現場 「観察」 「医療技術職には臨床現場が実感できるもの」 「実習と組み合わせたもの」 「目的・適応・技術(コツ)を確認させるもの」 「リスクを確認させる」 「PT・OT・STの専門性からも面接内容、焦点のあて方が変わるので、各設定が必要」 以上のような回答は、①、②のようなスキルを習得させるためにeラーニングを活用す るのではなく、仕事や活動がイメージできるために活用することを提案している。 ④ 学習方法 「面接場面で得た内容がバラバラで、得た情報が生かせない学生がいる。情報を整理して いけるような学習内容があればよい」 この提案は、学生の理解の特性を分析することが前提である。そして、学生が学習した ことが「分化」していても「統合」していない実態を克服させようとする学習テクニッ クをeラーニングに提案している。 (16) 当コンテンツの有効性 実際、面接技法を指導している教員からは、一斉指導をしている経験から、 「教員でも面 接の技法を言語して指導することは難しい。行動や声かけの意味をわかりやすく視覚的、 聴覚的に説明されていて、よく理解できる内容であると感じた」との評価があった。 また、 「必要な要素に分けて、その意味や必要性を理解する部分では有効」、 「わかりやす いことばを使うはわかりやすい」との良好な意見が得られた。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-77 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 1.3.5 考察 当コンテンツの総合的な評価は高い割合で良好であったと言える。今回のコースは、 「面接 で必要な情報を収集する」ことであるが、そこには、各モジュールに上げられている学習 のねらいがある。それら 1 つ 1 つの提示の仕方には、まだまだ検討する余地がある。特に、 スキルチェックの内容と操作設定は、学習意欲に繋がりやすいからである。今後、eラー ニングを展開させていくときには、以下のことが課題となろう。 知識を問うもの、回答が明確なものがeラーニングに適しているという誤解を解いていく。 コースマップどおりにすれば何でもできるという印象を与えてしまわないように、演習とのブ レンディングによる指導。 環境因子に影響される活動は、コンテンツを作成するときに配慮が必要。 以上のようなことが、あげられる。 また、今回は共同研究校の麻生塾の LMS にアクセスして、コンテンツを視聴する方法をと ったが、本校の教員に配布されているパソコンの性能が低いため、スムーズに作動しない ことが度々起こった。このような初歩的な問題は、今回の研究の根幹ではないが、本来の 目的や学習意欲を阻害するので、eラーニングを導入するにあたっては Web 環境の整備は 必要不可欠である。 医療の進歩に伴い、PT・OT・ST の知識や技術が益々増大しいている。養成校の学生のみ ならず現代人は多忙であるため、今後は独学を支援する必要性は高まっている。よって、 コンテンツへの研究に教員は積極的に取り組まなければならない。しかし、独学での習得 には限界がある。養成校へ通学することのメリット(教員と直接話が出来ることなど)を 十分に生かすためのコンテンツ開発が今後は望まれる。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 1-78 <資料1> 大阪リハビリテーション専門学校 教 員 各 位 eラーニング・コンテンツに関するアンケート この度、文部科学省委託事業「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテー ションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」において、コンテン ツ(教材)を作成いたしました。学生が医療機関の臨床実習において、患者様と面接(情 報聴取)する際、良好な関係を構築する方法を理解しておくことが必要です。そのための 演習講義と伴に、自習教材として使用できることをねらって作成いたしました。 平素ご指導されている先生方がご覧になられて、どのようなご感想を持たれましたか。以 下のアンケート項目にお答えくださいますようご協力お願いします。 平成 18 年 2 月 1 日 麻生塾IT教育推進室室長・委託事業実施委員長 徳重 稔 大阪工業技術専門学校エクステンションセンター・委託事業実施副委員長 松﨑英明 大阪リハビリテーション専門学校教育局長・委託事業プログラム・コンテンツ開発委員 西村 敦 Ⅰ 学生にとってこのコンテンツはいかがでしたか。該当の数字に○印をご記入ください。 [6:非常に思う 5:かなり思う 4:少し思う 3:少し思わない 2:かなり思わない1: 非常に思わない] [ 6-5-4-3-2-1 ] [ 6-5-4-3-2-1 ] 3.学生には使用されている文字・図・表・動画が理解 [ 6-5-4-3-2-1 ] 1.学生にはコースの目的が明確であると・・・ *コース名は「患者様からは情報を聴き出す」 2.学生には内容が理解しやすいと・・・ しやすいと・・・ 4.学生には音声による解説が理解しやすいと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 5.学生は学習意欲がわくと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 6.学生はこれを学べば面接場面がイメージがしやすい [ 6-5-4-3-2-1 ] と・・・ 7.学生にとって用語が理解しやすいと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 8.実習前の学生が学習するのに有効だと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 9.学生は患者様とのコミュニケーション構築法の知識 [ 6-5-4-3-2-1 ] が習得できると・・・ 10.学生は患者様とのコミュニケーション構築の技法が [ 6-5-4-3-2-1 ] 習得できると・・・ 11.eラーニングは学生の自主学習(予習・復習)に [ 6-5-4-3-2-1 ] [ 6-5-4-3-2-1 ] 有効だと・・・ 12.今後、eラーニングを活用していきたいと・・・ Ⅱ このコンテンツについて意見をお聞かせください。該当の□にレを記入してください。 13.さらに深く学習させたい章はありましたか。該当の章に を記入してください。(複数選択可) □わかりやすいことばを使おう □面接で聞き出すべきことを準備しよう □面接の導入を知ろう □患者様から話を聴き出そう □患者様の話に 共感する □患者様の不安と緊張を緩和するために □話題の焦点を絞ろう □面接のまとめ をする 14.不要な章はありましたか。該当の章に を記入してください。(複数選択可) □わかりやすいことばを使おう □面接で聞き出すべきことを準備しよう □面接の導入を知ろう □患者様から話を聴き出そう □患者様の話に 共感する □患者様の不安と緊張を緩和するために □話題の焦点を絞ろう □面接のまとめ をする 15.このコンテンツを使用するならば、どのような学生が適切だと思われますか。該当の 章に を記入してください。(複数選択可) □ PT学科 □OT学科 □ST学科 □ 1年生 □2年生 □3年生 □ 実習前 □実習後 □4年生 □ その他 ( ) 16. このコンテンツの改善点がありましたら、お教えください。 17.今後、コンテンツを作成する場合、どのような学習内容が適切ですか。 18.その他お気づきの点がございましたら、お聞かせください。 で き ま し た ら 、 ご 氏 名 を ご 記 入 く だ さ い 。 ( ご 氏 名 ) * *********アンケートは以上です。ありがとうございました。******* *** <資料2> 2006 年 2 月 6 日 大阪リハビリテーション専門学校 ○○学科 ○○○○先生 福田学園 理事長 福田益和 大阪リハビリテーション専門学校 学校長 小野啓郎 文部科学省委託事業 コンテンツ検証のご依頼 今年度、麻生塾との文部科学省委託事業で共同開発しているコンテンツをご覧いただき、 別紙のアンケートにご回答下さいますようご協力お願いします。 コンテンツは、すべてご覧いただくと 90 分程度を要します。必要に応じて短縮していた だいても結構ですが、可能な限りすべてご覧下さいますようお願いします。 つきましては、コンテンツを見ていただくには麻生塾の LMS をお借りしている都合上、 そちらへアクセスする必要があります。各先生方のデスクに設置されているパソコン、も しくはご自宅のパソコンでご覧いただく場合、アクセス方法は添付の資料をご参考くださ い。 なお、パソコンの機能によっては、アクセスができないものがございます。そのような 場合やパソコンの環境設定が不明な場合は、教務室のエクステンションセンターのパソコ ン(hp製、岩橋さんのデスクの後ろに設置)でご覧下さい。 記 1.検証内容: コンテンツの評価 2.検証方法: アンケート 3.検証期間: 平成 18 年 2 月 7 日(火)~14 日(火) 4.アンケート回収期間: 同上 5. 提 出 先: 教務室内エクステンションセンターのデスク上に回収ボックスを設置しています。 *ご不明な点がありましたら、高橋(ext.454)もしくは松﨑(ext.601)までお問い合 わせください。 URL: https://lms.asojuku.ac.jp/hiplus/ ユーザーID: ***** パスワード: ***** コンテンツの受講環境について 文部科学省委託事業における、今回のコンテンツの受講環境について説明致します。 下記以外の受講環境では、コンテンツを見ることができない可能性が非常に高いので、事 前に環境をチェックしてください。 環境が伴わない場合、下記アドレスにアクセスし、ダウンロードしてください。 ① OS:Windows2000 以上推奨 ※ XP SP2 などのポップアップブロックは解除されているものとする。 ② ブラウザ:Internet Explorer5.5 以上 http://update.microsoft.com/windowsupdate/v6/default.aspx?ln=ja ③ プラグイン:Windows Media Player 9 以上 http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/download/default.aspx ④ プラグイン:Java Runtime: Microsoft JavaVM(推奨) http://www.java.com/ja/download/index.jsp <手 順> 1.パソコンのインターネットエクスプローラーのアドレスに https://lms.asojuku.ac.jp/hiplus/ と入力してください。 (もし、セキュリティの警告が出たら、OKを押す) 2.ユーザーID、パスワードの欄に所定の入力を行う。 3.履修科目:福田学園をクリックする。 4.開始をクリックし、学習を開始する。 ★学習中は、インターネットエクスプローラーの「戻る」ボタンや右上の×をクリックしな いでください。あくまでもコンテンツの中の指示に従ってください。 ★ 学習終了時は、 「HOME」をクリック、次に「ログアウト」をクリックして終了して ください。 ★ご不明な点がありましたら、松﨑(内線 601)までご連絡ください。 第2章 学校法人麻生塾における 実施レポ ート 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.1 目的 今回の目的は、ゴールベースシナリオを利用することによって臨床実習において求められ る要素の一つである「得られた情報を分析し、抽出した問題を解決していく能力」(以下問 題解決能力とする)を体験・学習していくということである。 現状における臨床実習での問題点は、学内教育で獲得した個々の知識・スキルを臨床実習 で現場の状況に応じて活用できないということである。知識不足については学内教育にお いも臨床実習に必要にレベル到達までは対応できるが、状況に対応した問題解決能力のス キルに関しては学内教育では不十分な点があり、学生が学ぶ方法としては臨床実習で実際 に患者様(以下、対象者と表す)に関わっていくというところで初めて学んでいくということ が現状である。 また学内教育で獲得する知識・スキルは個々の具体的な条件設定がおこなわれた状況にて 学習されたものであり、学生自身の中で画一的なリハビリテーションのアプローチとして 定着化されている傾向である。そのため臨床実習の評価項目の選択や問題点の抽出、リハ ビリテーションのアプローチは対象者にあわせた個別的なものではなく、疾患から考えら れる定型的な項目が一覧となって羅列されることが多い状態である。 例えば評価の選択においても対象者に合わせた選択というわけではなく教科書の定型的な 選択項目を羅列的に並べて行うということがよくみられる。 その原因としては対象者との関係構築の中で得られる情報の段階で何が必要であるかとい う具体化される前段階、抽象化された状況での知識・スキルの活用が困難であるというこ とが考えられる。 今回ゴールベースシナリオを利用することによって対象者とのコミュニケーション疑似体 験の中で情報から問題点を抽出し、必要な評価項目を考えていくということを一つの例を とうして体験し、どのような視点が必要か、どのように問いかけていくことが必要なのか という実技的なスキルが事前に学ぶことができるのではないかと考える。その結果現在問 題となっている受け身的な姿勢から能動的な行動ができる一つのきっかけになるのではと 考える。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-2 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.2 2.2.1 概要 ゴールベースシナリオとは ゴールベースシナリオ(GBS=Goal-based scenario、以下 GBS と略す)は、目標指向を中 心に考え状況学習の環境を実現化したもののひとつである。ここでいう目標指向というの は、現実にある問題を解決していくということである。その原則は次のようにまとめられ ている(Collins, 1994) 。 (1) 真正性(authenticity)原則:知識、スキル、態度が、現実のなかでそれらを使うことを反映 しているような課題と設定に埋め込まれていること。 (2) 織り込み(interweaving)原則:課題をやり遂げることと、特定のコンピテンシーを獲得す るという2つの焦点を行ったり来たりすること(スポーツでいえば、試合とトレーニング)。 (3) 関節化(articulation)原則:学んだことを考えに接合すること。特定の文脈での学習を抽 象化すること。 (4) 内省(reflection)原則:定期的に自分のやってきたことを内省し、パフォーマンスを他人 と比較することにより、効果的な方法を見いだす。 (5) 学習サイクル(learning-cycle)原則:「プラン-実行-内省」のサイクルを繰り返すことで学 習していく。 (6) マルチメディア(multimedia)原則:さまざまなメディアの中から一番うまく働くメディアを 選択する。 GBS では、単元や獲得すべきスキルは明示されなく具体的な事例と到達すべき目標が明示 されるなかで、個々の知識やスキルは、その目標を達成するために必要なものとして位置 づけられる。リアリティのあるシナリオに各種の下位スキルを暗示的に埋め込んでいくこ とによって学習者は、抽象的な知識とスキルを中心に持ち、それを現実のさまざまな状況 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-3 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト に適応できることができるとしている。 2.2.2 分析・設計について リハビリテーションにおいて対象者との面接は一つの評価である。リハビリテーションに おける評価とは①機能障害や能力障害を客観化するための評価②治療の標的や戦略を決め るための評価③効果判定のための評価④治療経過の記録としての評価などさまざまな側面 があると考えられている。 またリハビリテーションの流れは、 「情報収集」一「情報の分析・統合・解釈」一「リハビ リテーションの標的を決定」一「目標設定」一「リハビリテーションプログラムの立案」 一「理学療法実施」一「目標達成度の判定」という過程を進む。このような流れで「情報 収集」はリハビリテーション過程の入り口であり、その情報収集によっては以後の過程に 大きく影響を与えてくることが考えられる。 ここでいう情報とは、身体的情報だけでなくリハビリテーションを行ううえで必要な患者 のプライバシーに関する個人情報や全身状態に関する医学情報、そして家族・職業・経済 状態などに関する社会環境情報などが含まれる。 これらの情報は、大きく2つに分類することができ、対象者から直接得られる場合と家族、 他部門など本人以外から得る場合がある。今回のコンテンツは対象者から直接得られる情 報である面接を中心にコンテンツを作成した。 面接での対象者がもつ訴えや会話の中から、どのように症状や障害、言葉に含まれている 背景を把握し、それらの情報を分析し考えられる問題点およびその問題点に対応した評価 の選択までの一連の流れを体験できるようゴールドベースシナリオにのっとってコンテン ツ設計を行った。 2.2.3 評価について 今回コンテンツ評価に関しては、実習前・後の学生に対して 6 段階の質問表及び記述式ア ンケートをおこなった。アンケートは SD 法に類似したリッカートスケール法とした。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-4 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 学生用アンケート Ⅰ あなたにとってこのコンテンツはいかがでしたか。該当の数字に○印をご記入くださ い。 [6:非常に思う 5:かなり思う 4:少し思う 3:少し思わない 2:かなり思わない 1:非常に 思わない] [ 6-5-4-3-2-1 1.コースの目的が明確であると・・・ ] *コース名は「患者様からの会話の中から必要な情報を収集し分析・評価項目を考えることができる」 [ 6-5-4-3-2-1 2.コンテンツ内容が理解しやすいと・・・ ] 3.使用されている文字・図・表・動画が理解しやすいと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 4.あなたは音声による解説が理解しやすいと・・・(対象外)[ 6-5-4-3-2-1 ] 5.これを利用することで学習意欲につながると・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 6.これを体験することによって面接場面がイメージしやすいと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 7.用語が理解しやすいと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 8.実習前に学習するのに有効だと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 9.患者様とのコミュニケーション構築法の知識が習得できると・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 10.患者様とのコミュニケーション構築の技法が習得できると・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 11.eラーニングは自主学習(予習・復習)に有効だと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] 12.今後、eラーニングを活用していきたいと・・・ [ 6-5-4-3-2-1 ] Ⅱ このコンテンツについて意見をお聞かせください。該当の□にレを記入してください。 13.さらに深く学習したい内容はありましたか。(複数選択可) □ わかりやすいことばを使う □面接で聞き出すことを確認する □ 面接の導入を行う □患者様に質問をする □患者様の話に共 感する □ 患者様の不安と緊張を緩和する □話題の焦点を絞る □面接のまとめを する 14.不要な章はありましたか。該当の□にレを記入してください。(複数選択可) 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-5 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □わかりやすいことばを使う □面接で聞き出すことを確認する □面接の導入を行う □患者様に質問をする □患者様の話に □話題の焦点を絞る □面接のまとめ 共感する □患者様の不安と緊張を緩和する をする 15.このコンテンツを使用するならば、どのような時期が適切だと思われますか。 □ PT学科 □ 1年生 □ 実習前 □OT学科 □2年生 □ST学科 □3年生 □4年生 □実習後 □ その他 ( ) 16. このコンテンツの改善点がありましたら、お教えください。 17.今後、コンテンツを作成する場合、どのような学習内容が適切ですか。 18.その他お気付きの点がございましたら、お聞かせください。 **********アンケートは以上です。ありがとうございました。******* *** 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-6 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.3 2.3.1 作成したコンテンツについて 達成目標について 必要な情報を得るための質問方法の視点ができる。 対象者の面接から得られる情報の分析ができる。 情報の分析から問題点を抽出することができる。 抽出した問題点を評価する項目を選択することができる。 2.3.2 コース内容について コース内容は、①面接による情報収集②得られた情報の分析・問題点の抽出③評価項目の 選択である。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-7 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト モジュール名:基本的情報収集(1) 目的 「患者」という代名詞ではなく氏名・年齢等基本的な情報を得ることによって個人として 尊重し一般的関係づくりの構築方法を学ぶ 付与条件 □顔色や表情の確認 □名前の確認 □年齢の確認 □デマンド・ニーズの確認 □生活の状況を確認 □終了し考察する 基準 ・個人として尊重するためにはまず「氏名の確認」が必要であるということを理解できて いる。 モジュール名:基本的情報収集(2)顔色や表情の確認 目的 顔色や表情の確認によって対象者の現状の体調・心理的不安感の把握、また最近の状況を 理解することができる 付与条件 □最近の血圧について確認 □今朝の血圧について確認 □最近の熱について確認 □最近の睡眠について確認 □家族関係について確認 □検査を勧めてみる □元に戻る 基準 ・血圧については状況によって変動しやすいものであり最近の確認だけではなく、直近の 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-8 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 血圧についても確認する必要を理解できている。 ・顔色や表情はさまざまな要因に影響されることを理解できている。 ・この段階では充分な信頼関係が取れていないこともあるためプライバシーの要素が強い 「家族関係について確認」の選択は注意する必要があることを理解できている。 ・顔色や表情の原因となる事項の確認をせずに「検査を勧めてみる」をはじめに選択しな いことを理解できている。 医師 青山さん、顔色が少し悪そうですけど、具合は大丈夫ですか 患者 はい。大丈夫です。 医師 確認ですが、最近血圧が高いや低いといわれたことがありましたか 患者 いいえ。少し風邪は引いていましたけど。もう良くなりました。 医師 そうですか。特に問題はないようですね。 医師 青山さん、今朝の血圧はどうでしたか?何もなかったですか。 患者 あっ。そうでした。今朝は看護師さんから血圧が低いねっていわれました。確か 106/68 でした。 医師 先ほど風邪は良くなったと言われていましたけど、熱のほうは大丈夫ですか 患者 はい、熱のほうは大丈夫です。今朝、看護師さんは平熱と言っていました。他には 何も言われなかったです 医師 そうですか。ありがとうございます。風邪はすぐに治ってよかったですね 医師 最近、夜はどうですか?すぐに目が覚めてしまうとか。覚めてしまったらなかなか寝 つけないなどありますか? 患者 目覚めやすいですが、すぐにまた寝ることはできます。でも寝たと感じる時間が短 いので、ぐっすり寝たという感じはしないです。 医師 そうですか。ぐっすり寝ていないという感じがあるのですね。だいたい何時から寝 て朝は何時ごろに起きていますか 患者 だいたい夜は10時ぐらいから寝て朝は6時ぐらいに目が覚めてしまいます。 医師 先ほどよく目覚めてしまうということでしたけどどのくらいですか? 患者 夜は 5.6 回目が覚めてしまうことがあります。ちょっとした音でも目が覚めてしまい ます 医師 なぜよく目が覚めてしまうのでしょうね? 患者 病気する前はよく体を動かしていたので、よく寝むれていたように感じます。病気 になってからあまり体を動かすこともなくなってしまったからではないかと思いま す。 医師 もし具合があまりよくないようでしたら検査を受けてみませんか 患者 いいえ。入院して検査ばっかりなのであまり受けたくないです 医師 そうですか。でも具合が悪くなってからでは遅いので何かあったら職員のほうに 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-9 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 知らせてください。話をしている途中でも遠慮なく言ってください 患者 はい。わかりました。今のところは大丈夫です。 モジュール名:基本的情報収集(3)名前の確認 目的 名前を確認することによって個人として尊重し対等な関係作りをする。 付与条件 なし 基準 ・個人として尊重することが関係作りの始まりということを理解できる。 ・苗字だけではなく名前まで確認することが個人を尊重していくことにつながることを理 解できる。 医師 こんにちは。お名前を教えて頂きますか? 患者 青山です 医師 青山さんですね。よろしければ下の名前を教えていただきたいのですか 患者 青山よね子です 医師 ありがとうございます モジュール名:基本的情報収集(4)年齢の確認 目的 単なる年齢確認ということだけでなく、短期・長期記憶障害の確認など認知症の把握につ なげていくという質問方法、視点につなげていく。 付与条件 □月を確認 □日にちを確認 □時間帯を確認 □以前入院していた病院について確認 □最近の出来事・身の回りの出来事について確認 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-10 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 基準 ・年齢だけでなく生年月日を確認する。 ・生まれた時間帯を確認するということは特に意味がなく、不必要なことが対象者の気分 害することもあることを理解できている。 ・ 「年齢の確認」という情報の位置づけは記憶障害の評価につながっており最近の出来事等 の確認、過去の入院などとの関連性について理解できている。 医師 青山さん、おいくつになりますか 患者 えっと。ちょっとまってください。今年で72歳になります。 医師 72 歳ですね。では生年月日は何時ですか 患者 昭和 9 年に生まれました。 医師 何月生まれになりますか 患者 5 月生まれです 医師 5 月ですね。生まれた日にちは憶えていますか 患者 えっと 5 月の 28 日、いえ 29 日に生まれました。 医師 29 日ですね。昭和 9 年 5 月 29 日で間違いないですね。 患者 はい、そうです。 医師 ありがとうございます。 医師 ところでこちらの病院に入院される前に他の病院に入院されていたことはないです か? 患者 入院ですか?今回が初めてだと思いますけど。ちょっとまってください。そういわれ ると以前も入院したことがあるような・・ 患者 入院していたような気もしますが、はっきりしないです。 医師 そうですか。ありがとうございます。 医師 以前家の近くの病院に入院されていたのではないですか? 患者 家の近くの病院ですか。そうですね、入院していたようなしていなかったような。 やっぱりちょっとわからないですね。 医師 そうですか。麻生病院に入院していたのではないですか? 患者 麻生病院?あっそういえば入院していたような気がします。 医師 そこではどんなことをしていましたか 患者 えっ。そこってどこですか? 医師 麻生病院ですよ 患者 ああ、麻生病院ですね。あそこでは何していたかな・・ 医師 リハビリとかはしていなかったですか? 患者 いいえしていなかったですよ。今回がはじめてです。 医師 ところで青山さん、今は入院中ですが、入院前はどちらに住まわれていましたか? 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-11 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 私ですか?福岡県の飯塚が自宅です。 医師 飯塚のどのあたりですか? 患者 飯塚の・・・詳しい番地までは忘れてしまいました。思い出せないです。 医師 ありがとうございます。 医師 飯塚付近が自宅ということですね。今入院している住所はわかりますか? 患者 ここですか。病院ということはわかっていますが、名前や住所は何度も聞いてもす ぐに忘れてしまってわからないです。 医師 わかりました。 医師 ここの病院の電話番号はわかりますか? 患者 病院の電話番号ですか・・ちょっとわからないです 医師 病院の電話番号は 092-123-987 ですよ。せっかくなので憶えてみましょう 患者 はい。えっと 092-123 の・・なんでしたっけ? 医師 123-987 ですよ 患者 そうでした。092-123-987 ですね。123-987、092-123-987、092-123-987 よし、憶 えました。 医師 では、この病院の電話番号をおしえていただいていいですか? 患者 いいですよ。簡単ですよ。さっき覚えたばかりですので。092-123-987 です。 医師 ありがとうございます。 医師 そういえばこちらに入院してどのくらいですか? 患者 えっと今年の 5 月に入院したので今が 12 月だから 7 ヶ月ですね。だいたい。 医師 ありがとうございます 医師 入院期間も長いので、いろいろ連絡も大変でしょう。 患者 そうです。病院の電話番号を沢山の人に教えなければならないので大変です。 医師 そういえば先ほど病院の電話番号を覚えましたね。せっかく覚えた番号なのでもう 一度私に教えてください。 患者 いいですよ。えっと 092-123 の・・なんでしたっけ?092-132 だったかな。さっき覚 えていたのにもう忘れてしまいました 医師 思い出しませんか? 患者 うーん、092 までは思い出すけど後は思い出せません。 医師 さっき覚えた電話番号は 092-123-987 です。 患者 うーん、やっぱりすぐ忘れてしまっていますね。 医師 病院内に売店がありますが、車椅子で行かれますか? 患者 はい。時々行っています。 医師 結構遠く、エレベーターなどを使わなければならないようですが大丈夫ですか? 患者 初めは迷っていましたけど、行き方をおぼえたら特に迷うこともなくなりました。 医師 そうですか。どんなものを買われていますか? 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-12 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 大体 500 円から 1000 円までの物を買うのが多いですね。 医師 計算は大変ではないですか? 患者 いえ。そんなことはないですよ。以前から得意だったので。あっ先生もしかして 計算間違いをしていると思っているのでしょう 医師 そんなことはないですよ。私が良く間違えるので。それでは青山さん、簡単ですけ ど少し計算お願いします 患者 いいですよ。どんな問題ですか? 医師 簡単ですよ。100-7 は? 患者 93 です。 医師 それから 7 を引くと 患者 86 です。 医師 簡単すぎて申し訳なかったですね。ありがとうございました。 モジュール名:基本的情報収集(5)デマンド・ニーズの確認 目的 本人のデマンド・ニーズを確認することによってリハビリテーションに何を求めているの かを理解する。 付与条件 なし 基準 ・ニーズ・デマンドの違いが理解できている。 ・対象者の状態、生活状況とニーズ・デマンドの関連性を理解できている。 医師 自宅の生活で一番困っていたことは何ですか? 患者 立ったり座ったり、上手く歩けなくなって困っています 患者 トイレも着替えも家族に手伝ってもらうことが増えてきて、怒られることも多くな っています。 医師 どんなことで怒られるのですか? 患者 一人で行ったら危ないとか、トイレのあとズボンが汚れていたり、パンツがみえて いたり・・・、ほんとによく怒られます。何も出来なくなってしまって・・・ 医師 他に何かありますか? 患者 危ないからと、何も一人ではさせてもらえなくなった、迷惑かけたらいけないと思 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-13 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト って一人でしようとするけど、逆にいつもそれで怒られてしまっています モジュール名:生活状況の把握(1) 目的 対象者の在宅・病院内での日常生活を確認することによって生活リズム、活動レベル、生 活障害が何かを把握する。 付与条件 □病院での生活を確認 □入院前の在宅での生活を確認 基準 ・対象者の生活状況を理解できている。 ・対象者の生活場面での障害が何かということを理解できている。 ・対象者の生活障害によってどのような参加制約が発生するかを理解できている。 ・在宅生活と病院内での生活の環境の違いからくる上記 3 点の差異を理解できている。 モジュール名:生活状況の把握(2)病院での生活を確認(1) 目的 対象者の病院内での生活状況を把握し生活リズム、活動レベル、生活障害が何かを把握す る。 付与条件 □病院内での移動について確認 □病院内での移乗について確認 □病院内での食事について確認 □病院内での入浴について確認 □病院内でのトイレについて確認 基準 ・基本的日常生活動作が何かということが理解できている。 ・基本的日常生活動作の正常な動作方法が理解できている。 ・車椅子移動における必要な能力が理解できている。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-14 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト モジュール名:生活状況の把握(2)病院での生活を確認(2) 目的 病院内での生活場面での移動手段の方法とその移動手段に必要な身体的側面と認知能力に ついて把握する。 付与条件 □病院内での移動について確認 □車椅子での直進性の確認 □車椅子での曲がりの状況を確認 □車椅子をとめることができるかを確認 □車椅子をいくらで購入したのか確認 □病院内での移乗について確認 □病院内での食事について確認 □病院内での入浴について確認 □病院内でのトイレについて確認 基準 ・移動手段の方法について理解ができている。 ・移動を行うにおいて必要な能力が理解できている。 ・移動能力を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・移動能力障害と生活障害の関連性が理解できている。 ・車椅子の費用の確認は情報収集する必要性のないものであるため選択はしない。 医師 病院内は車椅子で移動していますか?それとも歩いてですか? 患者 車椅子で移動しています。歩いての移動はまだリハビリ中です 医師 そうですか。車椅子での移動は自分でされていますか?それとも誰かに押してもら っていますか? 患者 廊下は、自分で車椅子を動かしています。大変ですけど。食堂や間が狭くなったり する所は看護師さんに押してもらうことが多いです。 医師 狭くなったら看護師さんに押してもらうことが多いのですね。ぶつかったりしてし まうからですか? 患者 そうですね。狭くなったからといって別に自分で出来ないというわけではないので すが。真っ直ぐ進まないのでぶつかってしまうんですよね。 医師 そうですか。狭くなると難しくなってきますからね。 患者 はい。そうです。でも廊下でも難しいです。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-15 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 自分では真っ直ぐ進んでいるつもりなのですが、段々右側に寄っていってしまいま す 患者 看護師さんからも廊下ですれ違う時に「右によっているよ」って言われます。 患者 それと、時々突然左側に人が立っているのがわからなくて、ぶつかってしまうこと があります 医師 それはまったく気がつかないのですか 患者 気がつかないというよりわからないです。自分としては左側を見落としているつも りはないのですけど。 医師 なるほど。大変ですね。怪我をしないよう・させないようにお互い気をつけないと いけないですね。 医師 車椅子で曲がる時はどうですか 患者 そうですね。広いところだと特に問題ないです。 患者 でも大きく曲がってしまうことが多いです。特に左方向に曲がる時が難しいです。 医師 左に曲がる時にぶつかったりはしないですか? 患者 します。時々人が立っているのに気付かなくて、ぶつかりそうになってしまって、 びっくりしたことがあります。 医師 それはまったく気がつかないですか 患者 気がつかないというよりわからないです。自分としては左側を見落としているつも りはないのですが 医師 右方向はどうですか? 患者 右方向は人や物にぶつかることはないです。 医師 なるほど。大変ですね。怪我をしないよう・させないようにお互い気をつけないと いけないですね。 モジュール名:生活状況の把握(2)病院での生活を確認(3) 目的 病院内での生活場面での移乗手段の方法とその移動手段に必要な身体的側面と認知能力に ついて把握する。 付与条件 □病院内での移動について確認 □病院内での移乗について確認 □車椅子での姿勢を確認 □右手について確認 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-16 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □左手について確認 □右足について確認 □左足について確認 □病院内での食事について確認 □病院内での入浴について確認 □病院内でのトイレについて確認 基準 ・移乗手段の方法について理解ができている。 ・移乗を行うにおいて必要な能力が理解できている。 ・移乗能力を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・移乗と生活障害の関連性が理解できている。 ・移乗前後の全身状況を理解できている。 医師 青山さん、話していたら少し顔色が良くなってきましたね。だいぶん話しましたが 具合はどうですか? 患者 はい。いろいろ話して、なんだか少し元気になってきました 医師 せっかく元気になったのでどうですか、車椅子に移ってみましょう。 患者 はい。あまり寝ていてもと思うので、車椅子に移ってみます。 医師 うまく乗り移り出来ましたね。怖くなかったですか。 患者 はい。いつも立ち上がるとき何度も失敗してしまうのですけど今日は手伝っていた だいたので一回で出来ました 医師 いつもはどういう時が難しいですか 患者 そうですね。いつも立ち上がる時何度も失敗してしまいます。お尻を持ち上げるの が大変です 患者 あと、立ち上がった後です。悪いほうの足がぴんと伸びたままになってしまうので、 支えきれずに、倒れそうになります 医師 わかりました。ありがとうございます。どうですか、車椅子に座ってみて。気分が 悪いとかないですか? 患者 いえ。大丈夫です 医師 青山さん、少し姿勢が悪いようなので車椅子に座りなおしましょう。 患者 そうですね。少し姿勢が悪いようですね。座りなおしてみます。 医師 どうですか。姿勢は良くなりましたか。 患者 はい。良くなったと思います。 医師 お疲れ様です。 医師 車椅子で移動するとき、右手は使いますか。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-17 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 はい。右手はいつも使うので結構疲れます。右肩のこりがひどいです。 医師 それは大変ですね。 患者 はい。もう少し足と手のタイミングがあうともう少し早くなると思うのですが。 患者 でも特に問題ないです。なんとか車椅子で移動できています。 医師 ありがとうございます 医師 車椅子で移動する時左手は使いますか 患者 左手は動かないので使わないです。 医師 そうですか。ところで青山さん、左手が車椅子のアームレストから落ちていますよ 患者 左手?左手ですか?えっ?あっ落ちていますね。まったく気がつかなかったです。 医師 いつも気がつかないですか 患者 はい。感覚が鈍いので左手は気付かないです。 医師 車椅子で移動する時、右足は使いますか 患者 一生懸命動かしていますが、つま先しか届かないのでなかなか進みません。あまり 力もないので右手に頼ってしまうことが多いです。 医師 わかりました 医師 青山さん、左手に気付いて姿勢も良くなりましたが、他にも何か忘れていないです か 患者 そうですか?わからないです。 医師 左足はどうですか 患者 えっ。そうでした。足をフットプレートにのせるのを忘れていました。よく忘れて しまいます。 患者 看護師さんからもよく注意されてしまいます。言われれば気がつくのですが。 モジュール名:生活状況の把握(2)病院での生活を確認(4) 目的 病院内での生活場面での食事の状況とそれに必要な身体的側面と認知能力について把握す る。 付与条件 なし 基準 ・生活における食事が単なる栄養摂取という側面だけでなく楽しみとしての位置づけが理 解できている。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-18 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ・食事動作の方法について理解ができている。 ・食事を行うにおいて必要な能力が理解できている。 ・食事動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・食事が与える心身への関連性が理解できている。 医師 食事のことを聞かせてもらえますか? 患者 はい 医師 食事はどうですか?何か困ったこととかありませんか? 患者 おいしく食べることができています 患者 自宅にいる時と違って時間も決まっているので、間食もしなくなり少しやせたかも しれないです 患者 あとは・・そうですね、家と違ってよく同じ側ばかり食べて、反対側が残ってしま うことが多くなってしまいました。 医師 それは右側ですか、左側ですか? 患者 左側です 医師 お箸やスプーンはどうですか? 患者 特に困りませんでした 医師 食べにくかった食べ物はありますか? 患者 汁物が食べにくかったですね、左手で持てないので 医師 今はどうですか? 患者 今も同じような感じです。時々看護師さんから「左側が残っていますよ」と言われ ます 医師 自宅では左側に残すことは少なかったですか? 患者 はい。食事をする時で家族がいるときはいつも声かけしてくれたので。 医師 一人で食事をするときはどうでしたか? 患者 病院での食事の時と同じような感じです。言われないと気づかないですね。 モジュール名:生活状況の把握(2)病院での生活を確認(5) 目的 病院内での生活場面での入浴の状況とそれに必要な身体的側面と認知能力について把握す る。 付与条件 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-19 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □病院内での移動について確認 □病院内での移乗について確認 □病院内での食事について確認 □病院内での入浴について確認 □入浴時の服の着替えについて確認 □体を洗うことについて確認 □入浴での疲労について確認する □入浴時間について確認 □病院内でのトイレについて確認 基準 ・生活における入浴が単なる衛生維持という側面だけでなく楽しみとしての位置づけが理 解できている。 ・入浴動作の方法について理解ができている。 ・入浴を行うにおいて必要な能力が理解できている。 ・入浴動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・入浴が与える心身への関連性が理解できている。 医師 お風呂のことを聞かせてもらえますか? 患者 はい 医師 病院のお風呂はどのようにはいっていますか? 患者 そうですねー毎日は入れないです。お風呂は週に 2 回です 患者 週 2 回のお風呂ですけど結構疲れます。服をきたりや体を洗ったりするのが大変で す 医師 疲れるとは? 患者 家の時もあまり入っていなかったこともあるのですが、もともと湯あたりしやすい です。 医師 お風呂でお湯につかる時間はどれぐらいですか? 患者 本当はゆっくりつかりたいのですけど疲れるから 10 分ぐらいでしょうか。 医師 わかりました。ありがとうございました。 医師 服を脱いだりするのが大変と言っていましたが 患者 大変です。何度も失敗してしまって脱いだり着たりが大変です。だから看護師さん に手伝ってもらっています。 医師 どんなところに手伝いを必要としますか? 患者 そうですね。前後ろは間違えないですが、動かないほうの手を袖に通したりする時 ですね。後、ボタンの掛け間違いもあります。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-20 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 医師 ズボンとかはどうですか? 患者 ズボンは足をとおすことはできますが、お尻の部分が難しいです。立ち上がりも難 しいです。 医師 靴下とか靴はどうですか? 患者 靴下は手伝ってもらいます。でも靴は自分で何とかはいています。 医師 体を洗うのはどうですか? 患者 体を洗うことは何とか自分で出来ています。良い方の手が届く範囲ですけど。 患者 でもよく動かない方の手を洗うのを忘れてしまって、看護師さんに注意されていま す。 患者 家と違うところは、病院は浴槽につかることが出来るので良いです。 患者 手すりを持って浴槽につかっていますが、足が浮きそうになっておぼれそうになる ことが最近ありました。 医師 それはびっくりしたでしょう。大丈夫でしたか 患者 はい。看護師さんがいたので。 医師 何もなくてよかったですね。でもこれからは少し気をつけないといけないですね。 患者 はい。そうですね。 モジュール名:生活状況の把握(2)病院での生活を確認(6) 目的 病院内での生活場面でのトイレの状況とそれに必要な身体的側面と認知能力について把握 する。 付与条件 なし 基準 ・生活における排泄が単なる排泄行為という側面だけでなく人間としての尊厳に関わるこ とを理解できている。 ・トイレ動作の方法について理解ができている。 ・トイレを行うにおいて必要な能力が理解できている。 ・トイレ動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・排泄行為の障害が与える心身への関連性が理解できている。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-21 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 医師 トイレのことを聞かせてもらえますか? 患者 はい 医師 今はどのように行っていますか? 患者 今はベッドの横にトイレを置いてもらって、看護師さんに手伝ってもらっています 医師 そうですか。わかりました。 医師 ズボンを降ろす時は、どうしていますか? 患者 手すりを持って立って、右手で降ろしています。でもそれでも倒れそうになってし まうことがあるので看護師さんに見守ってもらっています。お尻の部分は手伝って もらっています。 医師 終わった後も同じようにあげることができていますか 患者 はい、でも時々左側があがってないと言われることがあります 医師 他に、何か困ることはありますか? 患者 病院では看護師さんがいつもいるので困ったことはないです 医師 わかりました。ありがとうございます。 モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(1) 目的 対象者の入院前の生活状況を把握し、生活リズム、活動レベル、生活障害が何かを把握す る。 付与条件 □在宅での ADL の方法や様子を確認 □自宅での日中の過ごし方について確認する 基準 ・ 在宅での生活状況や活動レベル、生活障害を理解できている。 ・ 在宅での生活状況や活動レベル、生活障害その要因となる機能障害との関連性を理 解できている。 ・ 在宅での生活状況や活動レベル、生活障害その要因となる機能障害や参加制約との 関連性を理解できている。 ・ 上記 3 点を把握するために必要な聞き取り内容を選択できる。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-22 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(2) 目的 対象者の入院前の生活状況、生活リズム、活動レベル、生活障害を各 ADL の様子や実行状 況に関する情報収集から把握する。 付与条件 □食事について確認 □排泄について確認 □入浴について確認 □更衣について確認 □整容について確認 基準 ・ 基本的日常生活動作が何かということを理解できている。 ・ 基本的日常生活動作の正常な動作方法が理解できている。 ・ 基本的日常生活動作の正常な動作に必要な心身機能について理解できている。 ・ 対象者の活動制限及び参加制約、心身機能の障害を把握するための、聞き取り容の 選択ができる。 ・ 対象者の活動制限及び参加制約、心身機能の障害を把握するために、順序よく効率 的に聞き取り内容の選択ができる。 モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(3) 目的 在宅における食事についての生活障害を、食事の様子や実行状況に関する情報収集から把 握する。 □食事について確認 □食事場所の確認 □自立度や介助の度合いについて確認 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-23 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □食べ方、方法について確認 □食事にかかる時間の確認 □排泄について確認 □入浴について確認 □更衣について確認 □整容について確認 基準 ・ 食事に関する一連の動作の方法について理解できている。 ・ 食事に関する一連の動作に必要な能力が理解できている。 ・ 食事に関する一連の動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・ 食事に関する一連の動作を阻害する心身機能を把握する為に必要な聞き取り内容を 選択し、情報収集することができる。 ・ 食事が与える心身への影響について理解できている。 医師 食事のことを聞かせていただけますか? 患者 はい。 医師 食事はどこで食べていましたか? 患者 テーブルで食べていました。 医師 どなたと食べることが多かったですか? 患者 朝も、夜も時間はバラバラだから、だいたい娘と一緒に食べていました。 医師 食事は誰かに手伝ってもらっていましたか? 患者 いいえ、一人で食べました。 医師 何か困ることはなかったですか? 患者 そうですね、でも、よく同じ物ばかり食べんで、こっちのものも食べなさいと言わ れることが多かったです。 医師 それは右側にあるものでした、それとも左側ですか? 患者 左側でしたね 医師 食事は主に何を使って食べていましたか? 患者 箸で使って食べていました。 医師 何か困ることはなかったですか? 患者 そうですね、特に困りませんでしたが、食器を持てないので、不自由なことはあり ました。 医師 しっかり食べることができてえいましたか? 患者 はい。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-24 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 医師 時間はどのくらいかかっていましたか? 患者 だいたい 30 分近くかかっていました。 モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(4) 目的 在宅における排泄についての生活障害を、排泄の様子や実行状況に関する情報収集から把 握する。 付与条件 □食事について確認 □排泄について確認 □トイレまでの移動手段について確認 □トイレの出入りについて確認 □更衣(下衣)の上げ下げついて確認 □後始末について確認 □更衣について確認 □入浴について確認 □整容について確認 基準 ・ トイレについての一連の動作と方法について、それぞれ理解できている。 ・ トイレを行う為の必要な一連の動作と心身機能が理解できている。 ・ トイレに関する一連の動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・ トイレに関する一連の動作を阻害する心身機能を把握する為に必要な聞き取り内容 を選択し、情報収集することができる。 ・ トイレが与える心身への影響について理解できている。 医師 トイレのことを聞かせていただけますか? 患者 はい。 医師 自宅では、トイレまではどのようにして行っていましたか? 患者 はい、車椅子です。でも入院の前はトイレに座るまで家族に手伝ってもらっていま 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-25 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト した。 医師 車椅子ですか? 患者 そうですけど、手すりと家族に手伝って歩いて行くこともありました 医師 車椅子は一人で動かしますか? 患者 家族が手伝ってくれます。出来るのは出来るけどいろんな所にぶつけるから・・・ 医師 トイレに入る時はどうしていましたか? 患者 トイレに座るまで家族に手伝ってもらっていました。 医師 ズボンを降ろす時はどのようにしていましたか? 患者 手すりを持って立って、右手で降ろしていました。でも、立っていられなくてトイ レの壁に倒れてぶつかったことがありました。 医師 終わった後も同じようにあげますか? 患者 はい、でも時々こっち側(左側)があがってないと言われることもあります。 医師 後始末で何か困ったことはありましたか? 患者 トイレットペーパーがどこにあるのかわからないことがありました。 医師 そんな時はどうしますか? 患者 家族を呼びます 患者 左のほうです 医師 わかりました。 医師 今はどうですか? 患者 今はベッドの横にトイレを置いてもらって、看護婦さんが手伝ってくれるので大丈 夫です。 医師 他に、何か困ることはありますか? 患者 いえ、特には・・・ モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(5) 目的 在宅における更衣についての生活障害を、更衣の様子や実行状況に関する情報収集から把 握する。 付与条件 □食事について確認 □排泄について確認 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-26 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □更衣について確認 □方法について確認 □自立度や介助量について確認 □着替える頻度について確認< □衣類の選択について確認 □入浴について確認 □整容について確認 基準 ・ 更衣についての一連の動作と方法について、それぞれ理解できている。 ・ 更衣を行う為の必要な一連の動作と心身機能が理解できている。 ・ 更衣に関する一連の動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・ 更衣に関する一連の動作を阻害する心身機能を把握する為に必要な聞き取り内容を 選択し、情報収集することができる。 ・ 更衣が与える心身への影響について理解できている。 医師 洋服の着替えについて聞かせて頂けますか? 患者 はい。 医師 洋服はどうやって着替えていましたか? 患者 ベッドに腰掛けて着替えていました。 医師 誰かに手伝ってもらうことはありましたか? 患者 いいえ、大体一人でやっていました。 医師 上着とズボンとどちらがむずかしかったですか? 患者 やっぱりズボンが難しかったです。よく挙げられずにパンツが見えていることもあ って、よく、家族から言われていました。 医師 ズボンはどうやってはいていましたか? 患者 最初はベッドに座ってあげる時に立ってしていましたけど、倒れそうになるので、 横になってはいたり、座ったままズリ挙げたりどうにかしていました。どうしても できない時は時々家族に手伝ってもらっていました。 医師 上着はどうですか? 患者 上着はボタンつきのやつは出来ないけど、それ以外ならなんとかできます。 医師 どれくらいおきに着替えていますか? 患者 大体お風呂のたびに着替えます。 医師 寝る時はどうしていますか? 患者 そのまま寝ちゃいますね。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-27 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 医師 着替える時は、自分で洋服は準備しているのですか? 患者 いいえ、風呂に内っている間に家族が準備してくれるか、ヘルパーさんが準備して くれます。 モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(6) 目的 在宅における入浴についての生活障害を、入浴の様子や実行状況に関する情報収集から把 握する。 付与条件 □食事について確認 □排泄について確認 □更衣について確認 □入浴について確認 □入浴方法について確認 □自立度や介助量について確認 □入浴頻度について確認 □整容について確認 基準 ・ 入浴についての一連の動作と方法について、それぞれ理解できている。 ・ 入浴を行う為の必要な一連の動作と心身機能が理解できている。 ・ 入浴に関する一連の動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・ 入浴に関する一連の動作を阻害する心身機能を把握する為に必要な聞き取り内容を 選択し、情報収集することができる。 ・ 入浴が与える心身への影響について理解できている。 医師 お風呂について聞かせて頂けますか? 患者 はい。 医師 お風呂は自宅で入っていましたか? 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-28 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 はい。 医師 入浴は浴槽までしっかりつかっていましたか? 患者 はい、少しの時間ですが・・・ 医師 どのくらいですか? 患者 10 分ぐらいですね。 医師 誰かに手伝ってもらうことはありますか? 患者 はい、ヘルパーさんが手伝ってくれます。 医師 どんなことを手伝ってもらいますか? 患者 洋服を脱ぐのと、シャワー椅子に座るまでは手伝ってもらっいました。体も背中や 右側は洗ってもらいます 医師 他には何か困ることはないですか? 患者 はい、特には・・・ 医師 週にどのくらい入っていましたか? 患者 週に 2 回ぐらいヘルパーさんがきてくれる時に入っていました。 患者 前は、1 日おきぐらいに一人で入っていましたけど、一度着替える時に転んでからは、 ヘルパーさんに来てもらう時だけ入っています。 モジュール名:生活状況の把握(3)入院前の在宅での生活を確認(7) 目的 在宅における整容についての生活障害を、整容の様子や実行状況に関する情報収集から把 握する。 付与条件 □食事について確認 □排泄について確認 □更衣について確認 □入浴について確認 □整容について確認 □歯磨きについて確認 □洗面について確認 □整髪について確認 □爪切りについて確認 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-29 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □耳かきについて確認 基準 ・ 整容に関する一連の動作と方法について、それぞれ理解できている。 ・ 整容を行う為の必要な一連の動作と心身機能が理解できている。 ・ 整容に関する一連の動作を阻害する要因の関連性が理解できている。 ・ 整容に関する一連の動作を阻害する心身機能を把握する為に必要な聞き取り内容を 選択し、情報収集することができる。 ・ 整容が与える心身への影響について理解できている。 医師 身支度や身だしなみについて聞かせて頂きますか? 患者 はい。 医師 歯磨きはどのようにしていましたか? 患者 歯は入れ歯なので自分で寝る前は水で流していました。 医師 どうやって洗うのですか? 患者 外して水で流しながら右手で持ってこすって洗っていました。 医師 うがいはしどうですか? 患者 一応何度かはやります。 医師 洗面はどうしていましたか? 患者 外に行くこともないし、うまく洗えないので毎日はしていませんでした。 医師 どうやって洗っていましたか? 患者 右手で水をすくってそのまま洗います。・ 医師 ぬれタオルで拭いたりはしませんか? 患者 そうですね、ヘルパーさんがお風呂の後に拭いてくれることはあるけど・・・ 医師 髪も少し乱れていますが、自宅ではどうしていましたか? 患者 家にいることがほとんどなのでなでる程度しかしませんね。 医師 ブラシ当てたりもしませんか? 患者 そうですね・・ 医師 爪切りはどうしていますか? 患者 頼めば家族がしてくれます。 医師 どのくらいおきに切りますか? 患者 伸びたら頼むので、よくわかりません。 医師 耳かきはどうしていましたか? 患者 綿棒を使って時々しています。 医師 どのようにしていましたか? 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-30 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 綿棒使って、右手でします。 医師 特に困りませんか? 患者 左側は少しやりづらいけど特には・・・ モジュール名:生活状況の把握(3)日中の自宅での過ごし方を確認(8) 目的 在宅での日中の過ごし方を情報収集し、活動レベルや参加制約や家族や主たる介護者など との関係についても大まかに把握する。また、リハビリテーションにおけるニーズや今後 の生活スタイルや目標設定のヒントを得る。 付与条件 □日中の過ごし方について確認 □趣味について確認 □家での役割について確認 □何か日課はあるのか確認 □余暇時間について確認 基準 ・ 対象者の生活スタイルやリズム・日中の過ごし方を理解できている。 ・ 対象者の生活スタイルやリズム・日中の過ごし方から、どのような活動制限や参加 制約が考えられるか理解できる。 ・ 対象者の生活スタイルやリズム・日中の過ごし方から、心身機能の障害やその要因 について理解することができる。 ・ 対象者の生活スタイルやニーズ・デマンドとの関連を理解できている ・ 対象者と家族・主たる介護者との関係を理解できている。 ・ 在宅復帰にあたっての目標設定として、在宅での生活スタイルや日中の過ごし方を 大まかに予測・設定することができる。 医師 入院前は、自宅でどのように生活していたのか少し伺わせて頂けますか? 患者 はい 医師 自宅にいるとき、日中どんなことをして過ごしていたか聞かせて頂けますか? 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-31 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 患者 ん~、特に何もしていませんでした。体もいうことを聞いてくれないし、迷惑かけ てもいけないので・・・ 医師 何か趣味とかはなかったのですか? 患者 家族がいろいろうるさいので、特にしていませんでした。したいことはあるけど・・・ 目も見えなくなってきたし・・・ 医師 何かしたいことはありますか? 患者 そうですね、前はお花を植えたり庭いじりしたりすることが好きでしたけど、庭に 今は思ったようにできないのでしなくなりました。買物もなかなかいけないので・・・ 医師 家では何か手伝いや、役割はありましたか? 患者 いいえ、特にありません。とにかく転ぶと危ないから何もさせてくれません。 医師 何か日課にしていたことはありますか? 患者 散歩や買物は時々していましたけど、少しずつしなくなりました。カラダがやっぱ りきついし、家族も一人で行って欲しくないみたいだし・・・ 医師 そうですか・・・ 医師 昼間、一人の時間はどのように過ごしていましたか? 患者 特になんもせんと、テレビをみたりぐらいかな・・・、たいていゴロゴロしていま した・・・。 モジュール名:機能障害のスクリーニング・推察 目的 対象者との面接を通して得られた過去及び現在の生活状況、活動制限、参加制約に関する 情報から、在宅生活を困難にしている心身機能の障害を推察することができる。 付与条件 □体幹や下肢の筋力の不十分さ □筋緊張の異常 □感覚障害 □上肢機能障害 □短期記憶障害(知的機能障害) □長期記憶障害(知的機能障害) □左半側空間無視 □右半側空間無視 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-32 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □身体失認 □着衣失行 □失見当識 □注意機能障害 □情動及び感情の障害 基準 ・ 在宅での生活状況や活動レベル、生活障害を理解できている。 ・ 在宅での生活状況や活動レベル、生活障害その要因となる機能障害との関連性を理 解できている。 ・ 在宅での生活状況や活動レベル、生活障害その要因となる機能障害や参加制約との 関連性を理解できている。 ・ 各心身機能の障害を解説でき、生活上の特徴を理解できている。 □体幹や下肢の筋力の不十分さ 立ち上がり時の臀部の持ち上げ困難及びそれによる下衣(ズボン)更衣の臀部 困難、屋内歩行・トイレ及び浴室・浴槽への移動・移乗・立ち上がり・立位保持 困難、立位・座位時の重心移動・動的バランスの保持ができない、ふらつきなど 体幹や下肢の筋力の不十分さが推測できる。 □筋緊張の異常 立ち上がり時、 「悪い方の足はピーンと伸びたままなってしまうことが多い」と いうことから下肢の伸筋痙性(下肢の伸筋共同運動パターン)が立ち上がり時の 大きな機能障害の一つとなっていることが推測できる。 □感覚障害 ベッドから W/C 移乗時に麻痺側(左)上肢は W/C から垂れ、足部はフット プレートからずれている状態で、気付きを促してようやく気づき、「感覚が鈍く左 手には気づかない」といった事から麻痺側の表在感覚の感覚鈍麻が考えられる。 ベッドから W/C 移乗時に麻痺側(左)上肢は W/C から垂れ、足部はふっとプ レートからずれている状態で、気付きを促してようやく気付く事から麻痺側の位 置覚及び運動覚の障害が考えられる。 □上肢機能障害 上肢に関しては排泄及び立ち上がり、食事や洗体、入れ歯の洗浄、洗顔、更衣 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-33 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト の様子をうかがう中では補助手又は実用手としての機能は不十分であり、麻痺側 上肢の機能上の不十分さが推測できる。 □短期記憶障害(知的機能障害) 電話番号程度は覚えその場では想起できるが、その遅延再生は不十分である。 ADL 等の指導等においての理解力や習慣化においては障害になることが予測され る。 □長期記憶障害(知的機能障害) 以前入院していた病院やリハ経験の有無など想起出来ない状態。自宅住所に関 しては番地までは不正確である。生年月日については想起できるも、年齢は 1 歳 ずれている。年齢のズレ 1 歳程度は正常範囲内と捉えてよい。しかし、以前(1 年 半前に)入院していた経験や病院名、リハビリテーションの経験などのエピソー ド記憶の不十分さが残るのであれば、遅延再生と同様に ADL 指導おいて、動作習 得や習慣化に対する障害となることが予測できる。ただし、以前入院していた病 院やリハにおける意識レベル・覚醒レベルの状態に左右されることは留意してお くべきである。 □左半側空間無視 食事時の左側の食べ残し(頭を左へ向けるとようやく食べ残しに気付く) 、左の ものや人にぶつかりそうになったり、ぶつかったりする。左側のペーパーを見落 とす、W/C 時の姿勢、洗体時の左上肢を忘れてしまう、髭剃り時の左側の剃り残 しなどから左半側空間無視が推測出来る。 □右半側空間無視 W/C 駆動時左曲がりがちで、直進が上手く出来ないが、W/C 駆動時右側に注 意を向け人や物にぶつかるなどの問題はないので、右半側空間無視よりも、健側 上肢及び下肢の協調性の問題の方が優先される障害である。また損傷部位による 画像診断からも考えにくい。 □身体失認 W/C 座位時の麻痺側上肢・下肢の位置関係は気付きを促して初めて気づくが、 左手のみに注意を集中させた場合は左下肢には気付くことができないいくつかの 要因が推察できるが、身体失認も考えられる。 □着衣失行 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-34 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト ボタンの掛け違いはあるが、ボタンをかける行為自体とズボンやシャツなどの 更衣自体は可能で、着衣失行は考えられない。 □失見当識 院内の買物・売店まで迷うこともなく、現在入院している病院や自宅の見当識 も保たれており、周辺環境における見当識は保たれていると考えてよい。また、 食事や入浴回数など 1 日・1 週間のスケジュールも把握出来ているようなので、特 に問題はない。 □注意機能障害 気付きを促して初めて気づく、W/C 座位時の麻痺側上肢・下肢の位置関係や食 べ残し、排泄時の汚れやペーパーの見落とし、下位更衣時の不十分さへの気付き が不十分さやボタンの掛け違いなど、左半側空間無視や感覚障害だけでなく、注 意機能障害も推測できる。 □情動及び感情の障害 家族関係になると感情的になるも、すぐに冷静に他所でき、はじめから家族関 係などプライベートな部分にまで踏み込み過ぎてしまったセラピストの面接の問 題のほうが大きい。在宅での生活において日中ゴロゴロしており日課も役割も持 たないが、家族の制止も大きく、してみたいことも明確に返答できる。また、面 接をとおして一定した丁寧な受け答えも出来ており、抑うつや無関心、人格変化 といった情動及び感情の障害は推測できない。 モジュール名:評価の選択 目的 面接から考えられた問題点の把握のため提示している項目一覧から必要な評価を選択する ことができる 付与条件 □包括的評価(NlHSS) □包括的評価(SIAS) □痙性の評価(Ashworth) □痙性の評価(Bohannon) 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-35 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □深部腱反射 □病的反射 □回復段階からの運動機能評価(Brunnstrom) □回復段階からの運動機能評価(上田) □Ashbun による運動機能評価 □Carr と Shepherd による運動機能評価法(MAS) □関節可動域の測定 □GMT □MMT □感覚の評価 □ADL 評価(Barthel Index) □ADL 評価(Functional Independence Measure) □座位・立位姿勢でのバランスの評価 □高次脳機能障害の評価(肢節運動失行) □高次脳機能障害の評価(着衣失行) □高次脳機能障害の評価(半側空間無視) □運動失調に対する評価 □精神機能の評価(Mini-Mental State Examination,MMSE) □精神機能の評価(改訂長谷川式簡易知能評価スケール、DHS-R) 条件 ・評価の意義・目的が理解できている。 ・評価の方法、必要なものが理解できている。 ・問題点に対する評価の必要性を理解できている。 ・評価の結果が意味するものが理解できている。 □包括的評価(NlHSS) Goldstein らが紹介した NIH の脳血管障害の評価法です。意識、運動、感覚、協調性、高 次脳機能などに 3~4 段階の点数を配して観察することによって、急性期から病巣の範 囲と重症度を判断し、その経過を観察できるようにしたものである。急性期から活用で きる簡便な方法として注目できるものとされている。今回は発症後3年経過しており また今回の入院が再発作等の急変したものでないことよりこの評価を使用することに ついては妥当性は低いといえます。 □包括的評価(SIAS) 才藤らが考案した SIAS は上肢、下肢合計 5 項目の運動機能、腱反射、筋緊張、触覚、位置 覚・関節可動域・疼痛・座位・腹直筋筋力、高次脳機能、言語、健側大腿四頭筋筋力、握 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-36 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 力について、4~6 段階で評価しています。項目を多くしている代わりに、1 項目 1 課題 評価にすることによって、簡便性を求めています。脳血管障害のリハビリテーションで はその全体像を理解することが重要であり、その基本となる機能障害と能力障害は共 に詳細に検討されなければならないという観点に立った評価法であり今回の入院目的 から考えると生活障害の要因となる機能・能力障害の関連性を把握するためには妥当 な評価のひとつと考えられます。 □痙性の評価(Ashworth) 今回の面接の中では痙性についての情報は得られていませんが痙性は運動器系のみな らず、反射・抑制、姿勢・心理状態さまざまな要因に影響されるものであり、機能レベ ルで反射、動作との関連性について評価するためにも必要な評価です。また評価によ って痙性が速さ依存性伸張反射の充進であることから、それぞれの筋緊張と全身にお ける筋緊張異常の分布を知ることにつながります。筋緊張の状態は静的姿勢の安定性 だけでなく動作時にも影響を与える要因であるため評価が必要といえます。Ashworth の評価は5段階であり1段階の評価が多い傾向となりやすく評価の偏りがみられやす く現在は Bohannon の改変尺度が主流となっています。 □痙性の評価(Bohannon) 今回の面接の中では痙性についての情報は得られていないが痙性は運動器系のみなら ず、反射・抑制、姿勢・心理状態さまざまな要因に影響されるものであり、機能レベル で反射、動作との関連性について評価するためにも必要な評価です。また評価によっ て痙性が速さ依存性伸張反射の充進であることから、それぞれの筋緊張と全身におけ る筋緊張異常の分布を知ることにつながり反射とともに診断学的評価につながります。 Bohannon の評価は6段階でありよりその信頼性と有用性が唱えられています。 □深部腱反射 今回の面接の中では深部腱反射についての情報は得られていませんが深部腱反射の状 況を細かく、広く観察することによってそれぞれの筋緊張と全身における筋緊張異常 の分布を知ることができ、深部腱反射・病的反射、痙性と活動レベルの関係性を判断 材料となります。臨床的には診断学的な意義が強く、筋の他動的伸張時の抵抗感や姿勢、 運動パターン、その他の反射結果などと合わせて解釈していく必要があります。 □病的反射 病的反射も錐体路障害の有無を診断学的に判断できる側面を持つ評価です。また表在 刺激や伸張刺激に対して敏感であるか否かという情報も提供し抑制反射と運動制御の 関係性を理解することができ、動作制限に機能レベルとしてどのように関係性がある か評価する必要があります。 □回復段階からの運動機能評価(Brunnstrom) 上肢、手指および下肢の運動機能の回復を 6 段階に分けた評価法である。臨床的によく 観察された結果として結実したものであり、運動機能の回復段階の状況を把握するこ 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-37 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト とに有用です。また運動療法によって Stage が異なるくらいの変化をみせることもあ るので、その変化に十分注目すべきであり、最大限の運動遂行ができる条件を見出して いくことが大切です。今回の場合は維持期での回復段階の判断であり、6段階の回復 評価では変化を捉えることが困難な場合も考えられます。よってわずかな回復段階が どのように動作レベルと関係してくるのかを判断する必要があるといえるので、この ケースでは上田による 12 段階の回復段階の運動機能評価のほうがより妥当性が高いと いえます。 □回復段階からの運動機能評価(上田) Brunnstrom の評価尺度を基礎にして上肢および下肢、手指の詳細な回復段階を示した評 価尺度である。今回の場合においては維持期での回復段階の判断が必要であり上田の方 法による運動機能回復段階の評価の方が変化を捉えやすく回復段階の機能的能力と動作 レベルとの関係を捉えることができるということが考えられより妥当性の高い選択とい えます。 □Ashbun による運動機能評価 下肢および上肢の運動 10 項目を挙げ、側臥位、背臥位または腹臥位、座位、立位で 0,1,2 点配点評価を、さらに寝返りから階段昇降まで全 18 項目の動作の O~3 点評価を行う運 動機能評価法(Motor Assessment Form)としている。この評価は単にできるかできない かの判断が強くどのように行っているのかという方法についてはあまり考慮されてい ません。維持期では生活場面でどのようにできているのか、できないのかを判断する 必要もあるので不十分な点があると考えられます。 □Carr と Shepherd による運動機能評価法(MAS) 運動機能障害と能力障害および筋緊張をみる計 9 項目を 7 段階、6 点満点で評宿する運 動機能評価法(MAS;Motor Assessment Sca1e)です。この評価はできるかできないかの みではなくどのような方法で行っているかについても評価することができます。中枢 性障害ゆえの質の評価と抗重力的な動作である生活場面での障害、問題分析に有効で 必要な評価といえます。 □関節可動域の測定 今回日常生活での行動制限がみられています。関節可動域の制限は関節の動く範囲の 制限だけでなく筋出力の低下等筋機能自体の低下、また動作自体の制限の要因として 機能レベルで関係してくるため必要な評価といえます。 □GMT 今回日常生活での行動制限の一つに機能レベルでの筋機能低下が考えられます。中枢 系の障害の患側では個別筋の随意性はないため一つの動作時の筋群として評価し動作 自体の制限に関節可動域制限、他の要因等とどのように機能レベルで関係しているの かを MMT とあわせて評価することが必要といえます。 □MMT 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-38 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 今回日常生活での行動制限がみられています。MMT によって筋力のみならず筋機能を 評価することによって動作自体の制限に関節可動域制限、他の要因等とどのように機 能レベルで関係してくるため評価することが必要といえます。ただし MMT は個別筋 の随意性が必要であるため中枢系の障害では健側の評価として使用します。 □感覚の評価 入浴時での温度感覚の違い等の訴えが確認できています。やけどなどだけでなく自分 の手の位置がわからないことによってぶつけてしまうなど生活上でのリスクだけでな く感覚入力の障害によって運動が困難になり動作自体の制限の一つとして他の要因等 とどのように機能レベルで関係してくるのかを評価することが必要といえます。表在 感覚だけでなく特に深部感覚、複合感覚などあわせて評価し動作にどのように影響し ているかを考えることが大切です。 □ADL 評価(Barthel Index) 簡便であるが、尺度があらくできる ADL を評価する傾向であるため実際の生活での ADL をあらわすには不十分な側面があるとされています。また尺度が荒いことより変 化を捉えにくい傾向もあり介助の度合いが分かりにくい点もあります。今回のケース では生活上での問題、介護の度合いの進行による在宅生活の継続困難が考えられるた め FIM の方が妥当と考えられます。 □ADL 評価(Functional Independence Measure) FIM はコミュニケーションと社会認知に関する項目が追加され、尺度を細かくして変 化が捉えやすい評価となっています。また実際している ADL を表し介護度を明らかに することができるとされています。今回の入院は在宅での介護負担増によるものも考 えられ、している ADL の把握も必要であり FIM の選択は妥当なものということがで きるといえます。 □座位・立位姿勢でのバランスの評価 今回の面接において、車椅子からの移乗、立位姿勢での不安定さがあるということが 訴えとしてみられています。片麻痺においてのバランス障害は、麻痺側にみとめられ るバランス障害と視床又は脳幹の障害を原因とする活動に伴う非麻痺側にみとめられ るバランス障害、二つのことが考えられます。それらの要因の中で特に何に起因した バランス障害であるかということを評価することによって理学療法の方向性を考える ことができます。また生活動作は静的ではなく動的バランス能力がさらに問題される ことがあるためにその観点からの評価も必要であるため選択は妥当ということができ ます。 □高次脳機能障害の評価(肢節運動失行) 肢節運動失行とは運動麻痺や感覚障害がないにもかかわらず、また指示に関係なく習 熟された巧緻運動が稚拙になっていくものです。今回のケースでは運動麻痺や感覚障 害が認められているので評価の選択としては不適切だと考えられます。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-39 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト □高次脳機能障害の評価(着衣失行) 着衣失行とは着衣動作が困難になり、上下、左右、表裏をうまく適合できなく、袖を 通すことができなくなることとされています。また行為そのものは異常でなくても、 動作自体がスムーズに行えないことも多くみられます。もう一つの要因として知覚と 動作の連鎖が障害されたことによってみられる着衣障害も考えられます。今回の面接 の中で入浴時に服を着替えることが難しいという訴えがあり、どちらかを判別するに は必要な評価であるということができます。 □高次脳機能障害の評価(半側空間無視) 今回の面接の中で車いすでの移動時は真直ぐに進むことができずしだいに右方向によ ってしまうということや左側に人がいることに気付かない、食事では左側を残すこと が多いなど半側空間無視が疑われます。しかしながら半側空間の無視の要因として同 名半盲も考えることができます。このような空間無視は日常生活において大きな制限 となるため、どちらかを判別し理学療法の方向性を決めていくためにも必要な評価と いうことができます。 □運動失調に対する評価 中枢系疾患で椎骨動脈系の小脳や脳幹に起こると、典型的な運動失調を伴います。ま た視床を中心とした大脳の障害でも見られます。運動失調は体幹・四肢の失調、歩行、 構音、眼球運動などが秩序性を失い症状として表れます。今回のケースでは梗塞部位 が両基底核(尾状核、被殻)と右前頭葉領域であるため運動失調は考えられにくいの で評価として選択する必要性は低いということがいえます。 □精神機能の評価(Mini-Mental State Examination,MMSE) 認知症のスクリーニングテストとして代表的なものです。動作性検査項目を組み 30 点 満点で評価しています。日本人に合うように修正が加えられて、23 点以下で痴呆を疑 います。今回の面接の中で病院名、電話番号が思い出すことができないことや本人の 訴えとして物忘れがあって困るということがあるため、年相応の物忘れなのかまたは 病的な物忘れなのかもしくは記憶障害ということを判別するために必要な評価といえ ます。このような障害が日常生活においてどのように影響しているのかを考えること が入院、在宅生活での生活指導、理学療法の方向性を決めることになり妥当な選択だ といえます。 □精神機能の評価(改訂長谷川式簡易知能評価スケール、DHS-R) もともとは高齢者に対して考えられた認知症のスクリーニングですが、脳血管障害な どの脳に障害を持つ成年者全般を対象に行うことができています。30点満点で20 点以下が認知症、16点以下で中等度、12点以下でやや高度、8点以下で高度の認 知症と判断されています。今回の面接の中で病院名、電話番号が思い出すことができ ないことや本人の訴えとして物忘れがあって困るということがあるため、年相応の物 忘れなのかまたは病的な物忘れなのかもしくは記憶障害ということを判別するために 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-40 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 必要な評価といえます。このような障害が日常生活においてどのように影響している のかを考えることが入院、在宅生活での生活指導、理学療法の方向性を決めることに なり妥当な選択だといえます。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-41 担当の決定 初期面接シナリオ図 基本情報の提供 Fm 関係者からの聞き取り Dr. Ns PT ST OT 患者からの聞き取り (聞き取り内容の選択) 顔色や表情の確認 血圧 熱 睡眠 家族関係 年齢の確認 名前の確認 検査を勧める 生活状況の確認 ディマンド・ニーズの確認 生年月日の確認 自宅での ADL の確認 自宅での過ごし方の確認 今朝の血圧 食事 排泄 入浴 更衣 整容 趣味 役割 日課 余暇 場所 場所 歯磨き 自立度 自立度 洗面 方法 方法 髭剃り 時間 時間 整髪 困っている 直進性の確認 再度電話 曲がりの確認 爪切り 番号確認 耳かき 停車の確認 購入額の確認 移動 頻度 出入り 自立度 下衣の上下 方法 後始末 選択 終了して考察する 機能障害のスクリーニング 評価項目・手技の選択 ことの確認 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.4 アンケート 今回、麻生リハビリテーション専門学校 理学療法学科127名(内訳 昼間部 2 年(42 名)、 3 年(25 名)、夜間課程 3 年(35 名)、4 年(24 名))、作業療法学科101名(内訳 昼間部 2 年 (35 名)、3 年(35 名) 、夜間部 3 年(31 名))に対してコンテンツ実施後アンケートを行 った。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-43 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.4.1 全体(理学療法学科・作業療法学科) (1) アンケート項目:問 1 コースの目的が明確であると・・・ 全体 PT OT 非常に思う 33 12 21 かなり思う 104 61 43 82 48 34 少し思わない 9 6 3 かなり思わない 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 未選択 0 0 0 228 127 101 少し思う 合計 120 100 80 全体 PT OT 60 40 20 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-44 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (2) アンケート項目:問2 コンテンツ内容が理解しやすいと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 11 3 8 かなり思う 77 39 38 少し思う 97 56 41 少し思わない 30 20 10 かなり思わない 11 8 3 非常に思わない 1 1 0 未選択 1 0 1 228 127 101 合計 120 100 80 全体 PT OT 60 40 20 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-45 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3) アンケート項目:問3 使用されている文字・図・表・動画が理解しやすいと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 13 9 4 かなり思う 70 38 32 少し思う 90 49 41 少し思わない 47 26 21 かなり思わない 7 5 2 非常に思わない 1 0 1 未選択 0 0 0 228 127 101 合計 100 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-46 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (4) アンケート項目:問5これを利用することで学習意欲につながると・・・ 全体 PT OT 非常に思う 43 18 25 かなり思う 86 47 39 少し思う 84 51 33 少し思わない 12 8 4 かなり思わない 3 3 0 非常に思わない 0 0 0 未選択 0 0 0 228 127 101 合計 100 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-47 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (5) アンケート項目:問6 これを体験することによって面接場面がイメージしやすいと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 44 21 23 かなり思う 81 41 40 少し思う 80 49 31 少し思わない 18 12 6 かなり思わない 4 4 0 非常に思わない 1 0 1 未選択 0 0 0 228 127 101 合計 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-48 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (6) アンケート項目:問7 用語が理解しやすいと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 28 12 16 かなり思う 93 50 43 少し思う 81 47 34 少し思わない 23 18 5 かなり思わない 2 0 2 非常に思わない 0 0 0 未選択 1 0 1 228 127 101 合計 100 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-49 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (7) アンケート項目:問8 実習前に学習するのに有効だと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 69 33 36 かなり思う 89 47 42 少し思う 62 39 23 少し思わない 7 7 0 かなり思わない 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 未選択 1 1 0 228 127 101 合計 100 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-50 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (8) アンケート項目:問9 患者様とのコミュニケーション構築法の知識が習得できると・・・ 全体 PT OT 非常に思う 23 11 12 かなり思う 73 42 31 103 52 51 23 17 6 かなり思わない 6 5 1 非常に思わない 0 0 0 未選択 0 0 0 228 127 101 少し思う 少し思わない 合計 120 100 80 全体 PT OT 60 40 20 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-51 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (9) アンケート項目:問10 患者様とのコミュニケーション構築の技法が習得できると・・・ 全体 PT OT 非常に思う 15 7 8 かなり思う 57 29 28 106 58 48 40 26 14 かなり思わない 8 6 2 非常に思わない 2 1 1 未選択 0 0 0 228 127 101 少し思う 少し思わない 合計 120 100 80 全体 PT OT 60 40 20 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-52 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (10) アンケート項目:問11 eラーニングは自主学習(予習・復習)に有効だと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 53 26 27 かなり思う 91 55 36 少し思う 63 34 29 少し思わない 19 11 8 かなり思わない 2 1 1 非常に思わない 0 0 0 未選択 0 0 0 228 42 26 合計 100 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-53 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (11) アンケート項目:問12 今後、eラーニングを活用していきたいと・・・ 全体 PT OT 非常に思う 50 22 28 かなり思う 76 48 28 少し思う 78 43 35 少し思わない 21 12 9 かなり思わない 2 2 0 非常に思わない 1 0 1 未選択 0 0 0 228 127 101 合計 90 80 70 60 全体 PT OT 50 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-54 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (12) アンケート項目:問13 さらに深く学習したい内容はありましたか。(複数選択可) 全体 わかりやすいことばを使う PT OT 69 45 24 149 80 69 69 28 41 121 64 57 93 52 41 138 80 58 話題の焦点を絞る 93 51 42 面接のまとめをする 122 64 58 2 0 2 856 464 392 面接で聞き出すことを確認する 面接の導入を行う 患者様に質問をする 患者様の話に共感する 患者様の不安と緊張を緩和する 未選択 合計 160 140 120 100 全体 PT OT 80 60 40 20 未選択 面接のまとめをする 話題の焦点を絞る 患者様の不安と緊張を緩和する 患者様の話に共感する 患者様に質問をする 面接の導入を行う 面接で聞き出すことを確認する わかりやすいことばを使う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-55 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (13) アンケート項目:問15 このコンテンツを使用するならば、どのような時期が適切だと思 われますか 全体 PT OT PT 学科 119 91 28 OT 学科 106 43 63 ST 学科 65 40 25 1 年生 47 38 9 2 年生 104 53 51 3 年生 99 56 43 4 年生 43 28 15 実習前 197 108 89 実習後 32 17 15 その他 6 4 2 未選択 0 0 0 818 478 340 合計 学科 140 120 100 80 全体 PT OT 60 40 20 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 ST学科 OT学科 PT学科 0 2-56 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト <学年> 120 100 80 全体 PT OT 60 40 20 4年生 3年生 2年生 1年生 0 <時期> 250 200 150 全体 PT OT 100 50 実習後 実習前 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-57 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.4.2 (1) 理学療法学科 アンケート項目:問 1 コースの目的が明確であると・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 12 4 3 5 0 かなり思う 61 19 9 19 14 少し思う 48 17 11 11 9 少し思わない 6 2 3 0 1 かなり思わない 0 0 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 70 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-58 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (2) アンケート項目:問2 コンテンツ内容が理解しやすいと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 3 1 1 1 0 39 12 5 12 10 56 18 12 14 12 20 6 7 5 2 8 5 1 2 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-59 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3) アンケート項目:問3 使用されている文字・図・表・動画が理解しやすいと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 9 4 1 1 3 かなり思う 38 12 3 14 9 少し思う 49 14 11 15 9 少し思わない 26 8 10 5 3 かなり思わない 5 4 1 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-60 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (4) アンケート項目:問5これを利用することで学習意欲につながると・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 18 4 1 9 4 かなり思う 47 18 8 13 8 少し思う 51 15 13 12 11 少し思わない 8 4 3 0 1 かなり思わない 3 1 1 1 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-61 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (5) アンケート項目:問6 これを体験することによって面接場面がイメージしやすいと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 21 8 4 6 3 かなり思う 41 12 9 16 4 少し思う 49 16 9 12 12 少し思わない 12 4 3 1 4 かなり思わない 4 2 1 0 1 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-62 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (6) アンケート項目:問7 用語が理解しやすいと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 12 3 3 2 4 かなり思う 50 20 7 13 10 少し思う 47 10 11 18 8 少し思わない 18 9 5 2 2 かなり思わない 0 0 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-63 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (7) アンケート項目:問8 実習前に学習するのに有効だと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 33 10 6 11 6 かなり思う 47 18 12 12 5 少し思う 39 8 7 11 13 少し思わない 7 6 1 0 0 かなり思わない 0 0 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 1 0 0 1 0 127 42 26 35 24 合計 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-64 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (8) アンケート項目:問9 患者様とのコミュニケーション構築法の知識が習得できると・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 11 6 0 5 0 かなり思う 42 10 10 14 8 少し思う 52 20 9 12 11 少し思わない 17 6 6 2 3 かなり思わない 5 0 1 2 2 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-65 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (9) アンケート項目:問10 全体 患者様とのコミュニケーション構築の技法が習得できると・・・ 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 7 2 0 5 0 かなり思う 29 11 3 11 4 少し思う 58 19 13 13 13 少し思わない 26 8 9 5 4 かなり思わない 6 2 1 1 2 非常に思わない 1 0 0 0 1 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 70 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-66 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (10) アンケート項目:問11 eラーニングは自主学習(予習・復習)に有効だと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 26 11 1 12 2 かなり思う 55 20 8 15 12 少し思う 34 4 14 7 9 少し思わない 11 7 2 1 1 かなり思わない 1 0 1 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-67 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (11) アンケート項目:問12 今後、eラーニングを活用していきたいと・・・ 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 非常に思う 22 11 2 7 2 かなり思う 48 16 7 15 10 少し思う 43 12 11 11 9 少し思わない 12 3 4 2 3 かなり思わない 2 0 2 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 0 127 42 26 35 24 合計 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-68 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (12) アンケート項目:問13 さらに深く学習したい内容はありましたか。(複数選択可) 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 わかりやすいことばを使う 45 16 10 13 6 面接で聞き出すことを確認する 80 29 17 28 6 面接の導入を行う 28 12 2 9 5 患者様に質問をする 64 20 10 22 12 患者様の話に共感する 52 17 13 13 9 80 33 13 22 12 話題の焦点を絞る 51 14 11 15 11 面接のまとめをする 64 21 10 19 14 0 0 0 0 0 464 162 86 141 75 患者様の不安と緊張を緩和す る 未選択 合計 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 未選択 面接のまとめをする 話題の焦点を絞る 患者様の不安と緊張を緩和 する 患者様の話に共感する 患者様に質問をする 面接の導入を行う 面接で聞き出すことを確認す る わかりやすいことばを使う 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-69 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (13) アンケート項目:問15 このコンテンツを使用するならば、どのような時期が適切だと思 われますか 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 PT 学科 91 32 20 23 16 OT 学科 43 19 7 7 10 ST 学科 40 18 6 7 9 1 年生 38 19 11 5 3 2 年生 53 26 9 14 4 3 年生 56 14 7 26 9 4 年生 28 5 2 14 7 実習前 108 36 23 28 21 実習後 17 4 1 5 7 その他 4 1 0 0 3 未選択 0 0 0 0 0 478 174 86 129 89 合計 <学科> 100 90 80 70 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 60 50 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 ST学科 OT学科 PT学科 0 2-70 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト <学年> 60 50 40 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 30 20 10 4年生 3年生 2年生 1年生 0 <時期> 120 100 80 全体 昼2年 昼3年 夜3年 夜4年 60 40 20 実習後 実習前 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-71 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.4.3 (1) 作業療法学科 結果 アンケート項目:問 1 コースの目的が明確であると・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 21 4 2 15 かなり思う 43 18 15 10 少し思う 34 12 16 6 少し思わない 3 1 2 0 かなり思わない 0 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 50 45 40 35 全体 昼2年 昼3年 夜3年 30 25 20 15 10 5 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-72 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (2) アンケート項目:問2 コンテンツ内容が理解しやすいと・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 8 2 0 6 かなり思う 38 10 12 16 少し思う 41 17 16 8 少し思わない 10 4 6 0 かなり思わない 3 2 1 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 1 0 0 1 101 35 35 31 合計 45 40 35 30 全体 昼2年 昼3年 夜3年 25 20 15 10 5 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-73 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3) アンケート項目:問3 使用されている文字・図・表・動画が理解しやすいと・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 4 1 0 3 かなり思う 32 12 6 14 少し思う 41 14 17 10 少し思わない 21 7 11 3 かなり思わない 2 1 0 1 非常に思わない 1 0 1 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 45 40 35 30 全体 昼2年 昼3年 夜3年 25 20 15 10 5 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-74 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (4) アンケート項目:問4 これを利用することで学習意欲につながると・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 25 7 3 15 かなり思う 39 10 16 13 少し思う 33 14 16 3 少し思わない 4 4 0 0 かなり思わない 0 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 45 40 35 30 全体 昼2年 昼3年 夜3年 25 20 15 10 5 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-75 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (5) アンケート項目:問5 これを体験することによって面接場面がイメージしやすい・・・ 昼2年 全体 3 年昼 夜3年 非常に思う 23 7 5 11 かなり思う 40 12 16 12 少し思う 31 13 13 5 少し思わない 6 3 0 3 かなり思わない 0 0 0 0 非常に思わない 1 0 1 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 45 40 35 30 全体 昼2年 3年昼 夜3年 25 20 15 10 5 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-76 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (6) アンケート項目:問6 用語が理解しやすいと・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 16 6 1 9 かなり思う 43 10 18 15 少し思う 34 14 13 7 少し思わない 5 4 1 0 かなり思わない 2 0 2 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 1 1 0 0 101 35 35 31 合計 50 45 40 35 30 全体 昼2年 昼3年 夜3年 25 20 15 10 5 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-77 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (7) アンケート項目:問7 実習前に学習するのに有効だと・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 36 9 10 17 かなり思う 42 17 14 11 少し思う 23 9 11 3 少し思わない 0 0 0 0 かなり思わない 0 0 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 45 40 35 30 全体 昼2年 昼3年 夜3年 25 20 15 10 5 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-78 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (8) アンケート項目:問8 患者様とのコミュニケーション構築法の知識が習得できると・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 12 2 0 10 かなり思う 31 10 8 13 少し思う 51 19 24 8 少し思わない 6 4 2 0 かなり思わない 1 0 1 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 40 35 30 25 全体 昼2年 昼3年 夜3年 20 15 10 5 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-79 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (9) アンケート項目:問9 患者様とのコミュニケーション構築の技法が習得できると・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 8 1 0 7 かなり思う 28 10 6 12 少し思う 48 17 20 11 少し思わない 14 6 7 1 かなり思わない 2 1 1 0 非常に思わない 1 0 1 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 60 50 40 全体 昼2年 昼3年 夜3年 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-80 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (10) アンケート項目:問10 eラーニングは自主学習(予習・復習)に有効だと・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 27 8 2 17 かなり思う 36 12 12 12 少し思う 29 11 16 2 少し思わない 8 3 5 0 かなり思わない 1 1 0 0 非常に思わない 0 0 0 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 40 35 30 25 全体 昼2年 昼3年 夜3年 20 15 10 5 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-81 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (11) アンケート項目:問11 今後、eラーニングを活用していきたいと・・・ 昼2年 全体 昼3年 夜3年 非常に思う 28 6 0 22 かなり思う 28 12 10 6 少し思う 35 12 20 3 少し思わない 9 4 5 0 かなり思わない 0 0 0 0 非常に思わない 1 1 0 0 未選択 0 0 0 0 101 35 35 31 合計 40 35 30 25 全体 昼2年 昼3年 夜3年 20 15 10 5 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-82 未選択 非常に思わない かなり思わない 少し思わない 少し思う かなり思う 非常に思う 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (12) アンケート項目:問12 さらに深く学習したい内容はありましたか。(複数選択可) 昼2年 全体 昼3年 夜3年 わかりやすいことばを使う 24 12 4 8 面接で聞き出すことを確認する 69 26 18 25 面接の導入を行う 41 14 14 13 患者様に質問をする 57 23 15 19 患者様の話に共感する 41 14 13 14 患者様の不安と緊張を緩和する 58 23 22 13 話題の焦点を絞る 42 13 12 17 面接のまとめをする 58 21 15 22 2 0 2 0 392 146 115 131 未選択 合計 80 70 60 全体 昼2年 昼3年 夜3年 50 40 30 20 未選択 面接のまとめをする 話題の焦点を絞る 患者様の不安と緊張を緩和する 患者様の話に共感する 患者様に質問をする 面接の導入を行う 面接で聞き出すことを確認する 0 わかりやすいことばを使う 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-83 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (13) アンケート項目:問13 不要な章はありましたか。(複数選択可) 昼2年 全体 わかりやすいことばを使う 昼3年 夜3年 11 8 1 2 面接で聞き出すことを確認する 9 1 4 4 面接の導入を行う 6 0 3 3 患者様に質問をする 9 2 2 5 患者様の話に共感する 9 1 3 5 患者様の不安と緊張を緩和する 9 1 3 5 話題の焦点を絞る 13 4 6 3 面接のまとめをする 8 0 4 4 69 22 23 24 143 39 49 55 未選択 合計 80 70 60 全体 昼2年 昼3年 夜3年 50 40 30 20 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-84 未選択 面接のまとめをする 話題の焦点を絞る 患者様の不安と緊張を緩和する 患者様の話に共感する 患者様に質問をする 面接の導入を行う 面接で聞き出すことを確認する 0 わかりやすいことばを使う 10 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (14) アンケート項目:問14 このコンテンツを使用するならば、どのような時期が適切だと 思われますか。 昼2年 全体 昼3年 夜3年 PT 学科 28 15 7 6 OT 学科 63 28 15 20 ST 学科 25 13 6 6 1 年生 9 5 3 1 2 年生 51 26 18 7 3 年生 43 10 11 22 4 年生 15 4 4 7 実習前 89 31 31 27 実習後 15 4 6 5 その他 2 0 1 1 未選択 0 0 0 0 340 136 102 102 合計 70 60 50 全体 昼2年 昼3年 夜3年 40 30 20 10 ST学科 OT学科 PT学科 0 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-85 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 60 50 40 全体 昼2年 昼3年 夜3年 30 20 10 4年生 3年生 2年生 1年生 0 100 90 80 70 全体 昼2年 昼3年 夜3年 60 50 40 30 20 10 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-86 未選択 その他 実習後 実習前 0 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.4.4 (1) 学生(コンテンツ利用者)の意見(自由記述:学生の記述のまま記載) <コンテンツの内容について・・・> コンテンツ終了後のフィードバックがほしいと思いました。患者様とのコミュニ ケーションの中で、どのようなことに注意して話を聞かなければならないのか、 選んだ評価項目がなぜ必要であったのかなど、大まかであってもよいので、フィ ードバックできる内容があればよいと考えます。 問題点に関して、どの評価法を用いるのか、そしてその評価法はどのような内容 なのかの解説は分かりやすいけれども、患者さんとの会話からどのキーワードを 基に評価法を選択すべきなのかのポイント等も解説に含んでもらえると良いと 思います。また、この問題の最後に全体的なフィードバックなどがあると更に助 かります。 自分の答えた内容に限らず解説がついているのは良かったのですが、解説の字が 小さくつめて書いてあるので、もう少し読みやすいと思えるような書き方だった ら良かったと思います。 行動の選択だけでなく、言葉の選択(話し方とか)もあったら楽しく学習できる かと思われます。 現実はこのように長く話をするには初対面では無理かと思わ れます。患者様が質問に対してすぐに答えてくれるが、実際には認知症などがあ るとそのようにうまく事が運ぶとは思えないので、患者様の質問に対する対応に も変化があるといいのではないかと感じました。実際では時間が限られている場 合が多かったので、時間設定をして行なえるような選択枝があればいいと思いま した。 評価項目選択の際、必要最小限の評価項目を選択するのか、それとも、理想的な 評価項目すべてを選択するべきなのかがわかりませんでした。実習中は評価時間 があまりもらえないことが多々ありましたので、どの評価項目を最優先するかを 考える機会があったほうがよいかと思いました。 評価項目を選択した結果において評価項目の概要説明だけではなくどのような 問題点に対する評価項目なのかの照らし合わせがあると分かりやすいと思う。 問題点選択の結果で、どの項目が正解で不正解なのか、どの項目が必要だったの か否かが分かりにくかった。 患者の表情が変わればいいと思います。例えば、失礼な質問をしたら怒るような 表情をしてくれたらもっと実践につながると思います。 レントゲンが見られた ら分かりやすいと思います。 普段の動きなど見られたらいいと思います。 効率の良い聞き方、初回から踏み込んではいけない質問のときなど患者さんが機 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-87 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 嫌をそこねたり、怒ったりするなど感情の表現があればもっと面白いのでは、と 感じました。 文章による構成が多く、患者様の障害像が若干イメージしにくいと感じたため、 動画などが多く取り入れられればいいと感じました。できれば、しゃべるように して、文字を表示しないようにした方がより実戦的なシミュレーションになると 思いました。今の質問項目がどの階層にあるのか分かりにくかった。 実際の面接とは異なるものだと思います 評価の解説の意味がわかりにくかったです。 選択した検査の項目についた○と×の記号の意味がわからなかったです。 最後の結果の点数とそのことについての解説もあるとよいと思いました。 患者様への情報収集時、何度も”戻る”を押さなければならなかったので、項目 ごとに提示しておけば手間が省けると思います。 どこが不適だったのかがよくわからなかった。もっとどこがどのようにすればよ いのかをわかりやすくしてほしい。 面接時のポイントなどをまとめてあると勉強になると思います 問題点の抽出、焦点化があったほうがゴール設定しやすい。 患者様に不快な質問をした際には、なぜその質問をしてはいけなかったのかとい う解答はほしい。 限られた時間で質問できるようにしたらいいと思います。 他職種に情報収集する際に、質問項目を選択できたらいいなと考える。 検査を行う順番と、一週間の評価予定などもたてられたらよいと思う。 面接の目的、コンテンツの目的をはじめにもっと明確に提示したほうがいいので はと思います。 大項目、中項目、小項目などもっと系統的に質問内容を分類したらいいのでは 間違いや対策をフィードバックできるようにするかが課題ではないかと思いま す。 やりとり内容の吟味をもっとすべきではないかと思います。 点数化の意味を明確にすべき 画面の色やコントラストが目に疲れる 患者様の動きを見ることの出来る部分 実際の評価を実施するとなると ADL 場面を観察するなどの場面も必要であると 思います。 短時間でできたほうが、多くの症例について検討できると思う 患者様の自宅が見たい 患者様のパターンが何通りかあると良いと思います 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-88 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト どこまで面接するのが適切か分からなかったです。質問内容の種類が大過ぎてち ょっと戸惑いました。 点数の理由や自分の間違っている点・足りない点が不明確でわからなかった (2) <コンテンツの操作性に関して・・・> 質問の仕方なども選択枝などを増やして、同じ質問でも質問の言い方を変えたり 具体的な声掛けの内容などから選べると イメージが湧きやすいとも思いました。 自分で質問項目を入力したい。 質問している項目が、一覧になっていると分かりやすい 面接開始前に,自分が聞こうとしている質問内容をまとめたい. 意図していない会話の流れ(食事の質問中に、トイレの内容を返答するなど)を する部分がありました。 問題文が途中で切れていたりした所があったり、所々方言が使われていたりして、 話し言葉を統一してほしいと思いました。 選択枝を間違ったときなどに前に戻ることができなかったのが少し不便でした。 自分が選択したどの質問が、良かったのか悪かったのかが理解できないまま終わ ってしまいました。 プログラムのシミュレーションがあれば参考になると思う 情報収集のときに、どの医療スタッフに聞いているのかがわからなかったので、 文字で『医師』といった説明が必要であると思いました。 質問を進めていく操作を理解するのに時間がかかった クリックが多すぎて分からなくなってくる。 メモを取る時間がかかるので、画面上にメモを取る場所があると便利だと思いま す チェック用・メモ用のフローチャートのようなものがあれば・・・ 会話の確認ボタンが治療者側と患者側が離れていて面倒なので、ボタンをひとつ にしてほしかったです 質問する項目を一覧表にまとめておきそこから自分で選べるような質問の仕方 がやり易いと思う。 まずやり方がよく分かりませんでした。やりかたを理解するのと進めるのに時間 がかかりました。聞く内容を最初に並べていてほしいです。その中から必要と思 うものを選択して、さらに詳しくしていくようにした方が分かりやすいのではな いかと思います。 質問を選択する際に、操作が多少わかりにくいところがありました。選択肢を→ で選ぶのではなく自分でチェックさせるなどしてほしいと思いました。 また、 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-89 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 最後の解答の見方がよくわからないので、表にしていただいた方が分かりやすい かと思いました。 ・患者様に対する質問の項目をもう少し分かりやすく、一覧に したら良いと思った。 途中でどの質問項目を行ったかわからなくなってしまっ たため。 あと、評価項目の答えについては分かりづらかったので、問題点と同 じように○、×が出るようにしたほうがよいのではないかと思った。 一番初めにもう少し説明を入れてほしいと感じました。まだ、慣れていないとい う事もあって、患者様に失礼な事を聞いてはいけないというような事をわかって いませんでした。患者様に失礼な質問をすることなく、より多くの事を聞けるよ うに質問していって下さい。上記のような説明書きが私はほしいと感じました。 質問項目などの一覧表があって、1 つ 1 つ戻らないでいいようになっているとよ り分かりやすいと思います。見たい画面がすぐに選択できると考えやすいのでは ないかと思います。 聞きたい事があっても、どこにその項目が分からなかったりたどり着かなかった りするので、もう少し分かり易く、聞き易いようになれば良いと思いました。 項 目などを一覧にしていただけるともっと分かり易いと思います。 一度間違えたらまた最初からになってしまうので、段々何を聞いて何を聞いてい ないのかが解らなくなってしまった。 選択肢の一番初めに「元に戻る」などが 出てくるので、最初はどうしたらいいのかが良く理解できなかった。 使用方法がわからなかったりして、次に何をどうしたらいいかを明確に示して欲 しかった。同じ所を行ったりきたりしてしまって、途中でどうなっているか、そ こまで進んだのかわからなくなってしまった。 質問中に元に戻ることが出来なかったため、時間が余分にかかりました。 画面選択等が少し操作しにくいと感じました。選択ボタンの位置がもう少し近い ほうが、マウスをあまり動かさず、スムーズに行えるのではないでしょうか。 次へ進むキーが一定の場所にあったらいいと思います。上下に何回も動かすこと がとても大変でした。 セーブ機能があると便利であると思う。 患者様の表情などをもう少し分かるよ うしてもらいたい。 もう少し会話の中にも面白さを入れた文章となっていたらもっと学習意欲がわ いてよいのではないかと思いました。 臨床経験 1~2 年目の方。臨床に出てからも必要ではないかと思います。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-90 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (3) <その他の意見> シミュレーションの構成自体は大変面白く、実習前に取り組むと効果的ではない かと感じました。 実習の前にやると役に立つと思います。評価の意味を考えるのに改めて良いきっ かけになりました。 家でもできるようにして頂きたいです。 他の疾患の患者様のバージョンもあっ たらいいかと思います。 理学療法を行う上で、面談だけでも問題点をおおよそ発見することができる重要 である患者様との面談に関しての技術の習得にとても役立つと思います。 選択枝の項目が多かったですが、面白かったです。実習に行く前に行うとかなり 効果あると思います。夜間部は 4 年にいきなり実習(評価実習)が始まるので。 楽しく自分の問題点や観察力を養えるいいシステムだと感じました。 患者さん のパターンを増やすことでもっと勉強になりそうだと思いました。 実際の面接はこのように患者様やスタッフから必要な情報が積極的に提供され るとは 思えませんでしたが、実習前に練習するには役立つと感じました。 シミュレーションでは、尋ねたことに対して、患者様が多くの情報を話してくれ ることがあるので、実際より情報収集がしやすいと思いました。 分かりやすく、現在普及が進んでいるパソコンを使用して臨床での経験ができる ので良いと思います。 実習前などの予行練習としても取り入れることが出来るのでいいともいます これに捉われすぎて患者様の訴えをきちんと受け止めることが出来なくなる可 能性も出てくるので、その辺を注意していけばいいのではないかと思います。 画期的だと思います。 いろいろな分野ができたらいいと思います。 実習で患者様の面接を行うととても緊張するので、事前に練習できるとイメージ は掴みやすいと思います。 シミュレーションが体験でき、楽しかったです。 実習前のよい勉強になりました。 とても集中することができ、勉強になりました。また、実際の面接場面を想定し ながらすると実際の現場で役に立つと考えられます。 実習前などに活用できると良いと思いました。 いくつか異なる症例さんがいるとさらにいいと思います。 初めての評価実習や臨床実習に行く前にすると少し余裕が持てると思います。 患者様との会話の方法を学ぶことができる(「こんな聞き方があるんだなぁ」と 思った) 収集する情報項目の学習にはなるが聞き出す会話や関係作りが難しいので、この 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-91 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト シミュレーションの点数が良いことと、患者様とのラポールができることは区別 して行うことが良いと思う。 私も実習前にしたかった・・・・・・ 面接についての知識があまりなかったので、これを行うことで印象がつき、どの ような感じで行うのかを知る事ができると感じました。 実習前の方が勉強になりやすい。 実習前に集中的に行なったほうが頭に残るし、力になりやすいと思いました。 評価の授業が終わった後の方が、内容を理解しやすいので2年生が終わった時期 が一番いいと思った。 実習前に事前学習が出来、意識を高めることが出来るから。 ヒントを活用すれば一年生であっても良いと思う、ただしその場合は評価表や問 題点がどういうことなのかの解説をつけるべきであろう。ヒントを無しにすれば 全学年で使えると思う。 実習前に実際の面接の練習になると思うので有効であると思います。 面接を行う際に、対象者に対し絞って質問ができると考えられるからです。また、 疲労度なども考え、短い時間で行う方が良いと考えるからです。経験も何もした ことのない状態から時間だけ使うようなことをしたら、対象者は疲労感をもつ結 果になると考えるからです。 実習前に学習してきたことの再確認を行うのも効果的だと思いますが、精神障害 リハの授業の中で活用することができれば尚インテーク面接というものの理解が 十分にできるのではと思います。特に見学・評価実習のない夜間部の学生にとっ ては効果が期待できると思います。 体験実習前に面接の概要を知ることは有意義だと思います。 実習前にかなり想像しやすく、実習への不安を緩和出来ると思います。実際、自 分も実習前に行いたかったと思いました。 実習前は、漠然とした不安や緊張を非常に強く感じるので、そのような時に、e ラーニングをすることで、初回面接のイメージがわくと思います。やはり、患者 様とのコミュニケーションの取り方が非常に難しく、始めは何を話せばよいのか 分からないことも多いと思うので、質問内容が知ることができ、有効に活用でき るのではないかと思います。 実習前にこれを行うと、どんな事を聞き取ればいいのかが少し見えてくるので、 実習に対する不安が軽減されると思います。 実習前だけでなく実習後もすることで、より身につくと思われる。 実習前だけではなく、一年次から定期的にこの教材を使って練習をしておくと、 効果的だと思う。そうすることで、実習前に焦ることなく、実習中も面接をする ことへの不安の軽減につながると思う。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-92 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト (4) <今後利用したい、作成してほしいコンテンツは・・・?> 現在は一症例のみですが、多くの症例を作成し、様々な疾患を体験できるものが できればとても素晴らしいものになると考えます。また、評価・問題点抽出だけ でなく目標設定や治療アプローチなどもシュミレーションできればもっと良い と考えます。 整形(上肢・下肢)、中枢(CVA、パーキンなど) 、難病(ALS など)などの項 目を作って症例を選択させるような形式がいいと思います。 評価概論や評価学演習の講義に各疾患毎に設定してグループワークのロールプ レイに取り入れて行えばより実戦的な対策や勉強が行えるのではないかと思い ます。 整形やリウマチなどの疾患の症例をしてみたい。また、CVAでもいろんなパタ ーン(急性期、回復期など)がほしい。今後、ICF に基づいた問題点抽出なども 行えると勉強になると思いました。 実習をひかえて一番不安に思う事間は、限られた時間の中で、いかに焦点を絞っ た適切な問診ができるかということです。コンテンツ使ってこのようなことが学 習できたらいいなと思いました。今回のコンテンツでは評価項目の選択で終了で したが、次は実際に評価して考察をするものがあったらいいなあと思いました。 シミュレーションは大変良かったと思う。特に実習前の準備として行い、実習後 にもう一度行うことで自分がどれだけ成長できたか理解できると思う。また、卒 業後に現場に出てもできれば利用したい。 検査の進め方 検査(MMT や ROM,感覚検査など)を実際に リスク管理、疾患、個別対応での禁忌事項など確認できるもの…。 精神や老人、発達科、高次脳機能障害、認知症での評価について ADL 場面などを動画でみて自分で問題点 退院後の指導について リハビリテーションゴールを設定する際の専門職種との情報交換の仕方 リハビリのシミュレーション 運動学や生理学の問題をゲーム感覚で 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-93 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 2.4.5 考察 今回、患者様(以下、対象者と表現)との面接の中の会話から必要な情報を収集・分析し、問 題点の抽出、問題点を把握するための評価の選択という臨床実習の場面で必要とされる具 体的知識の統合をゴールベースシナリオを利用してコンテンツを開発した。 コンテンツに関して学生の評価は、肯定的な評価が多く、e ラーニングが従来持つ学習意 欲・自己学習の支援としてだけでなく、患者様に対する面接(以下、情報収集と表現)の技法 など抽象的なスキルの学習支援にも一定の効果があり活用できると判断できる内容であっ た。これは今回採用したゴールベースシナリオが目的指向を中心に考える状況学習環境を 現実化したものであるということと、リハビリテーションでの問題解決の過程が類似して いたものと考えられる。よってコンテンツ利用者が情報収集のイメージができたという評 価にもつながったものと考えられる。 また学生自身がより深く学習したい内容として「面接で聞き出すことを確認する」という学 習内容が両学科ともに一位であり、漠然とした情報収集ではなく目的をもった情報収集の 必要性をコンテンツの体験によって実感したことが伺える。 しかし情報収集の基盤となるコミュニケーション構築の知識・技法の習得という点では学 生の意見にもあったようにコンテンツ利用者が直接入力という質問項目の選択性が低く対 象者との会話が限定されていたためにやや低い結果となったことが考えられる。これは情 報を収集する過程については個別性が強いということがあげられるのではないかと考えら れる。 コンテンツについては、目的理解比較して内容理解については「少し思う」が中心となる 評価であった。これはアンケート結果にもあったように質問項目の一覧や何をしたのかな どを学生自身が理解できなかったこと、コンテンツの操作性の影響が考えられる。 コンテンツの適応性については、各学科の学生自身がいずれも自分の学科に適応があると の判断を示しており、これは情報収集のスキルは職種に関係なく必要不可欠なものである ということからではないかと考えられる。特に今回コンテンツ作成において ST 学科の学生 に対して考慮したものではないにもかかわらず、PT、OT 両学科の学生が ST 学科の学生に も適応できるという評価があったことは興味深いものである。 コンテンツ内容については、臨床実習前の学生に比較して臨床実習体験後の学生の方がよ り臨床的な内容を求める結果であった。これは臨床実習の体験によるものが考えられ、今 回作成したコンテンツ内容自体が「臨床実習としての面接」という点では不充分な点があ ったということが推測できる。しかし実習前のコンテンツ利用の有効性について、臨床実 習体験後の学生の大多数が肯定しており、一定の効果が期待できると判断できる。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-94 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 実施時期についても両学科ともいずれも臨床実習年度の前年度の利用があげられている。 これは臨床実習において具体的な個々の知識の学習ではなく、これまで学習した具体的な 知識を統合させるスキルを学習したいという臨床実習前の学生のニードと今回のコンテン ツ内容が合致したためではないかと考えられる。 実証検証後、学生から様々な積極的な意見が寄せられたが、実習前の知識・技術の統合や その知識を踏まえての実習への準備として有用であることが窺えた。今回のコンテンツ開 発及び実証検証を通して、学生の実習に対してのニーズも明確化され、「今後利用したい、 作成してほしいコンテンツ内容」に関してもより、実践的・臨床的内容なものが多く、今 後の専門学校における教育内容への重要な手がかりとなる情報が得られたものと考える。 今回はゴールベースドシナリオ及び CRI 技法を参考にした、単一の症例に対してのコンテ ンツ(インテーク面接シミュレーション)であったが、今後作成にあたりタスク分析し作 成したフローチャートに様々な症例・疾患を重ねることが可能であり、発展性のあるコン テンツが作成できたと考えられる。 2.4.5 まとめ 今回、ゴールベースシナリオによって面接の中で「情報収集・分析、問題点の抽出、評 価を選択する」という目標指向中心の状況学習環境をコンテンツ化した。 コンテンツに関して学生の評価は、肯定的な評価であり「面接」という抽象的スキルに 対して e ラーニングが一定の効果があると判断できた。 コンテンツ内容に関しては、質問項目を学生自身が入力・選択できる、時間制限の設定、 動画の導入などより臨床に近いものを求める結果であった。 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-95 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションのeラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発および教授例 2-96 平成17年度 文部科学省委託 専修学校教育重点支援プラン 教育プログラムに基づいたコンテンツ開発及び教授例 平成 18 年 3 月 1 日 発 行 初版第 1 刷発行 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションの eラーニング教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト 「インストラクショナルデザイン手法を用いたリハビリテーションの e ラーニング 教材開発および教授法の教育プログラム開発」プロジェクト事務局 (学校法人麻生塾 〒812-0016 麻生情報ビジネス専門学校内) 福岡市博多区博多駅南 2-12-32 TEL:092-415-2290 FAX:092-415-2295 http://www.asojuku.ac.jp