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全契約回線の課金・決済システムのトラヒック情報を扱う
株式会社 NTTドコモ 全契約回線の課金・決済システムのトラヒック情報を扱うトラヒック DWH の更改に、SQL Server 2014 を採用 新たなビジネス創造と付加価値提供に向けた情報処理基盤を構築 わが国最大手の移動体通信キャリアとして、 「新しいコミュニケーション文化の世界の創造」をス ソリューション概要 ○プロファイル 1991 年、エヌ・ティ・ティ・移動通信企画株式 会社が設立され、2013 年に株式会社 NTT ドコモ へ商号変更。わが国最大級の移動体通信会社と 「新しいコミュニケーション文化の世界の して、 創造」に向け、よりパーソナルなコミュニケーショ ンの確立をめざしています。2015 年 3 月からは、 「中期目標に向けた新たな取り組み」として、通 信事業における競争力の強化と、スマート ライ フ領域におけるパートナーとの協創をスローガン に、多様化するお客様のニーズにお応えする新た な付加価値創造の取り組みを進めています。 ○導入製品とサービス ・Microsoft® SQL Server® 2014 ○導入メリット ・カラム ストア インデックスによる超高速デー タ検索やイン メモリ データベース機能による OLAP が、大量データのダイレクト & リアル タイム処理を可能に ・ETL、分析、レポーティングなどデータ ウェア ハウスに必要なツールがすべてデータベース エ ンジン本体のライセンスに含まれており、別途 購入のためのコストが不要 ・従量制など柔軟なサポート契約が選べるため、 毎月のサポート料金などの固定費用が大幅に削 減 ○ユーザー コメント 「お客様へのより大きな価値の提供を実現するう えで、回線利用者の動向をリアルタイムで把握し 分析できる新たなトラヒック データ ウェアハウ スの構築は急務でした。SQL Server 2014 はそう した要件を満たすと同時に、従来のシステムで課 題となっていた開発および保守コストを大幅に圧 縮できると判断して採用に踏み切ったのです」 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 担当部長 嶌村 友希 氏 ローガンに、携帯電話を始めとしたモバイル通信サービスの提供を進めてきた株式会社 NTT ドコ モ。同社では 2015 年、課金および決済システムのトラヒック情報を扱う「トラヒック データ ウェ アハウス 」を Microsoft SQL Server 2014 によって刷新しました。この結果、お客様サービス向上 に向けた 6,600 万件を超える契約回線の課金データの迅速な分析と活用が実現。さらにコスト構 造の改革や、刻々と変化する経営ニーズに応える柔軟な情報基盤の整備が進んでいます。 導入の背景とねらい 省コストとユーザビリティ向上に向けて DWH 処理 の抜本的な改革を決意 携帯電話からスマートフォン、タブレットといった端末の多様化や、次々に新しいサービスが生ま れる中で、モバイル キャリアにも新たなサービスや顧客ニーズへの対応、それを支える適正かつ 迅速なインフラの展開が必須課題となっています。その実現には、刻々と変化するユーザー ニーズ をリアルタイムで把握し反映する、データ分析と活用のためのシステムが不可欠です。 そうした中、回線利用者の課金および決済を担う料金システム「MoBills ( モービルス ) 」のバック エンドにあって、全契約回線の利用情報を集約する「トラヒック データ ウェアハウス ( 以下、トラ ヒック DWH) 」を SQL Server 2014 によって更改。万全のセキュリティ対策を実施し、セキュアか つ柔軟で迅速なトラヒック データの分析基盤の構築と、システム コストの大幅な削減を実現した のが株式会社 NTT ドコモ ( 以下、NTT ドコモ ) です。 「当社では昨年度から、より大きな価値を提供する変革への取り組みが始まっています。その 1 つ に、ドコモ アカウントの決済基盤の情報を活用して、商流を加速していくという方針が挙げられ ます。今回のトラヒック DWH の更改も、そうした決済情報を活用した新たなサービスおよび価 値の創造に向けた試みの 1 つと位置付けられます」と語るのは、株式会社 NTT ドコモ 情報システ ム部 料金システム担当 担当部長 嶌村 友希 氏です。 MoBills は 6,600 万件 を超 える NTT ドコモの 契約回 線すべての課 金および決 済基 盤であり、 MoBills のデータ分析基盤を担うトラヒック DWH に、今回 SQL Server 2014 が導入されました。 このトラヒック DWH は、更改以前は異なる会社のデータベースとビジ ネス インテリジェンス (BI) 製品の組み合わせで、その上に業務アプリ ケーションを構築、運用していました。しかし近年は、年を経るごとに さまざまな問題が浮上してきていたと株式会社 NTT ドコモ 情報システ ム部 料金システム担当 主査 島本 進一 氏は明かします。 「まずユーザー部門からは、検索やダウンロードが遅いといった利便性 の面での指摘が挙がっていました。システムの能力が、既に現在のビジ ネスのスピードに追いついていなかったのです。それ以上に問題だった のは、開発を定期的に行っていくうえでの効率やコストの問題でした。 例えば 1 つの帳票データの出力フォームに変更が生じた場合、見た目の 変更箇所自体は小さくても、アプリケーション全体にわたる改修が必要 で、開発と改修コストの高止まりが続いていました 」。 株式会社 NTTドコモ 株式会社 NTTドコモ 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 担当部長 嶌村 友希 氏 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 担当課長 井上 晶記 氏 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 担当課長 森田 正範 氏 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 主査 島本 進一 氏 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 川口 紀生 氏 株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 北山 健士郎 氏 旧トラヒック DWH では構築当時の IT 技術仕様や制約のため、MoBills 「従来の一般的な行テーブルと比べて飛躍的なクエリ パフォーマンスを の膨大なトラヒック データから必要なデータを切り出す際に、複数の 実現し、SQL Server 2014 で更新処理も可能となった、カラム ストア イ サマリー処理を介する必要がありました。このため最終の出力帳票に変 ンデックスに期待しました。この機能は実用上の制約も少なく、当社の 更が加えられると、中間処理を行うアプリケーションに変更が及び、そ 要件に応じた自由度の高い、高速なデータ検索が可能になると評価した れらの開発工数やテスト時間などのコストが大きく膨らんでいたのです。 のです」。 「こうしたアプリケーションの多段構成が存在する限り、経営課題であ もう 1 つの決め手は、優れたコスト パフォーマンスです。SQL Server るコスト改革を実現するのは困難であるのが明白でした。そこでトラヒッ 2014 ではデータベース エンジン本体のライセンスに、ETL ツールであ ク DWH の処理方式そのものを抜本的に改革して、コスト削減とユー る Integration Services や分析ツールの Analysis Services、Reporting ザーの利便性を一気に向上させようというのが、今回のプロジェクトの Services などがすべて含まれています。 ねらいでした 」( 島本 氏 ) 。 導入の経緯 強力な検索機能とコスト パフォーマンスで SQL Server 2014 の採用を決定 新しいトラヒック DWH の更改プロジェクトが始まったのは、2014 年 「これらのツールが無償で同梱されていることが、バッチ処理を含む DWH 系の処理に適していると考えました。とりわけインメモリ データ ベース機能を使用できる OLAP ツールは、分析系や検索系の処理に非 常に大きなコスト パフォーマンスをもたらす期待がありました。さらに、 ツールがすべて製品本体に含まれていることで、データベースとツール の親和性という点でも優れていると判断したのです」( 北山 氏 ) 。 1 月。プロジェクト開始当初のグランド デザインの取りまとめにあたっ た株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 担当課長 井 加えて、保守料金メニューが金額固定でなく従量制も選択できるという、 上 晶記 氏は、プロジェクトの開始に際して、従来からの課金情報の管 日本マイクロソフトならではのサポート契約の柔軟さも高く評価されま 理だけにとどまらず、今後の事業環境の変化に柔軟に対応し、よりビジ した。 ネスの成長や拡大に貢献できるシステムへの変革を目指す、またとない チャンスだと考えたと明かします。 採用決定後は急ピッチで設計、開発、試験などを進め、2014 年 12 月 には旧システムと新システムとの突合テストを実施。品質が確実に担保 「もちろん既存のシステムをそのままアップデートすれば、安全ですし作 されていることを確認して、翌 2015 年 2 月に運用が開始されました。 業も楽にできることでしょう。しかし、つねに事業の将来を見据えなが 全契約回線のトラヒックを扱う巨大な DWH が、高品質と安定稼働を担 ら、システム自体が柔軟に変化していかなくては、新しい価値も得られ 保しながらこれだけの短期間で移行完了した理由を、アプリケーション ません。中期目標の達成という意味でも、経営層や現場からの多彩な 移行にあたった株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 データ分析需要に即応できる柔軟なシステムの構築という新たなチャレ 担当課長 森田 正範 氏は、入念な検証によるものと語ります。 ンジが、私たちシステム担当者に求められていました 」。 「構築過程では、品質をいかに担保するかを最重要テーマに据えました。 そこで新たな情報分析および活用基盤となる製品の比較検討を進め、 具体的には、旧システムと新システムとの間で処理結果に対する突合を SQL Server 2014 の採用を決定したのは 2014 年 4 月のことでした。株 行い、帳票レベルで完全に一致するか 2 か月を費やして検証したのです。 式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 北山 健士郎 氏は、 短期間の開発でありながら、あえて十分な検証時間を確保したことが、 採用の決め手の 1 つにパワフルな検索機能を挙げます。 非常に高い品質の実現につながったと考えています」。 株式会社 NTTドコモ 携帯電話利用 通話 通信 ALADIN (顧客管理システム) MoBills (料金システム) 交換機 ALADIN-DWH (顧客系DWH) 通話・ 通信情報 サービス オーダー ドコモショップ 等端末 契約者情報 トラヒック情報 検索 TDWH ドコモ社内 ユーザー OA端末 SQL Server 2014 MoBills におけるトラヒック DWH の位置付けのイメージ図 これに加えて井上 氏も、 「限られた時間の中でこれだけの品質でプロ 今回の更改でもたらされたメリットの中でも筆頭に挙げられるのは、定 ジェクトを完遂できたのは、プロジェクトメンバー全員が前向きな新し 期開発のコスト削減でした。SQL Server 2014 のカラム ストア インデッ いチャレンジという意識を共有しあい、最後まで高い士気と共感の下に クスによる検索は、旧トラヒック DWH では不可能だった大量のデータ 進んでいったことが最大の理由です。また、日本マイクロソフトと密に を高い性能で検索できるため、これまでのような多段処理が不要にな 連携を取りながらプロジェクトを進められたことも大きいと思います」 り、それらの中間テーブル作成に必要だったアプリケーションの大部分 と振り返ります。 が不要になったのです。 導入効果 定期開発コストの大幅な抑制に加え ソフトウェア保守費用は 75% の大幅な削減 「この結果、中間テーブルとアプリケーション資材の数が、従来と比べ て 3 ~ 4 割まで削減できました 」( 井上 氏 ) 。 テーブルの数が減った結果、それらのメンテナンス コストも従来比約 今回、SQL Server 2014 によって更改された新しいトラヒック DWH は、 20% の削減効果が生まれています。さらに全体の開発規模が縮小し、 規模の点でもミッション クリティカル度においても、SQL Server を導 構成するテーブル数も減少したため、そこに存在するバグや設定ミスに 入するシステムとしては国内有数の DWH と言えます。その規模感につ よる故障など、数字に表れにくい部分の維持コストが減少していること いて、株式会社 NTT ドコモ 情報システム部 料金システム担当 川口 紀生 が、2015 年 5 月の更改後最初の定期資材リリースでも確認されていま 氏は主要な数値を挙げて紹介します。 す。 「NTT ドコモ社内の全国約 20 部門が、トラヒック DWH のユーザーです。 またソフトウェア保守費用は、従来比約 75% という大幅な削減が実現 トラヒック DWH の規模を表す指標としては、1 日あたりに扱うトラヒッ しました。旧 DWH のデータベースと分析ツールの組み合わせを SQL ク情報は十数億件に上ります。帳票データへのアクセスは、ユーザーご Server 2014 に一本化した結果、分析ツールなどの別途費用が不要になっ とに必要最低限で権限設定しており、月間最大 2,000 件程度。また多 たこと。従量課金制のプレミア サポート契約を利用して、本当に必要な 彩な分析軸を提供しており、ユーザーが利用する画面は約 160 種類に上 部分に絞ってのサポート利用が可能になったことなどで、固定費の大部 ります。すべてのトラヒック データを網羅しているため、多いものでは 分が不要になったのです。 1 つの帳票を構成するレコード数が数千件に達するものもあります」。 株式会社 NTTドコモ 「コスト以外では、開発の過程で日本マイクロソフトのサポートを通じて タをリアルタイム分析して、即座にお客様ごとに最適な付加価値やサー スキル トランスファーを得られたことで、今後の開発やトラブル シュー ビスを提案していくことが、お客様の満足度を向上させ、当社のビジネ ティングを、プロジェクト体制内で対応できる基礎固めができたのも今 スの拡大につながると考えています。そのためにも、トラヒック DWH 回の収穫でした 」( 島本 氏 ) 。 などのデータ分析基盤をより高度化させ、膨大なデータをリアルタイム に分析・活用できる基盤に育てていきたいと考えています」。 さらに今後時間がたつにつれて、さらにシステムの安定度が増していけ ば、従量制の保守費用がさらに減っていくため、当初の目的であったコ 一方で、川口 氏は社内のユーザーの利便性向上にも可能性を感じている スト削減というテーマの実現に大きく貢献できると情報システム部では と語ります。現在トラヒック DWH ではユーザー向けのフロント画面に 期待しています。 Microsoft® SharePoint® を利用しているため、Microsoft® Excel® ベー スの UI が容易に開発可能です。 もちろんこうした一方では、ユーザーの利便性向上にもめざましい効果 が現れてきていると、森田 氏は指摘します。 「当社内でも Microsoft® Office が多く導入されているため、今回のシス テム更改後もフロント部分に関しては、ユーザーからの問い合わせがほ 「トラヒック DWH では交換機や MoBills から 1 時間に 1 回データを受 とんどありませんでした。今回 SQL Server 2014 を評価したポイントに 信して蓄積し、毎日午前 0 時からそれらのデータの処理を開始。翌朝 8 はこうした Office との親和性もあり、今後もセキュアでありながらエン 時までに、すべての帳票を最新のものに更新しています。一日十数億件 ド ユーザーにとって使いやすく、なおかつ高度な機能を提供できるもの のトラヒックを処理するために、もともと十分な余裕をみたサイジング にしていきたいと願っています」。 を行っていますが、SQL Server 2014 でデータ処理の効率が向上した結 果、この翌朝 8 時までに間に合わせる処理サイクルにも、さらなる余裕 嶌村 氏は、同社のビジネスの今後の展開について、 「中期目標では、多 が与えられたと感じています」。 様化する顧客ニーズに応えるため、あらゆる業態のパートナー企業との コラボレーションを進めていくことがうたわれています。言うなれば、 今後の展望 新たな付加価値の提供に向けて リアルタイム分析基盤への高度化を目指す 井上 氏は SQL Server 2014 によって更改された新しいトラヒック DWH これまでの " 競争 " から " 協力と創造 " 、 つまり " 協創 " へのステップアッ プです。そのための情報基盤を下支えする任務を担っているのが、私た ち情報システム部と MoBills であり、そこでユーザーのダイレクトな利 用動向を収集および分析を担う基盤となるのがトラヒック DWH なので す」と、改めて MoBills とトラヒック DWH の重要性を力強く語ります。 の経験を活かし、今後は MoBills をリアルタイムにデータを分析・活用 する基盤として、さらに成長させていきたいと展望を語ります。 「通信事業における競争力の強化と、スマート ライフ領域におけるパー トナーとの協創」を中期目標に掲げる同社では、現在 MoBills に続い 「IoT 市場拡大の潮流がますます大きくなってゆく中、これまでデータ活 て顧客管理システム「ALADIN 」のデータ ウェアハウスにおいても SQL 用のための分析系システムと言えばバッチ処理が一般的でしたが、今後 Server 2014 による更改を進めており、さらなる顧客データの活用へ向 はモノの動きにあわせて、データが発生する都度データを分析し、アク けた基盤整備が期待されます。これら未来に向けた NTT ドコモの多彩 ションすることが重要になってきます。例えば、お客様の課金・決済デー なチャレンジを、これからも SQL Server 2014 は支えていきます。 導入についてのお問い合わせ 本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ 本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2015 年 8 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。 製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。 ■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/ ■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755 (9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く ) ※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。 * Microsoft、Excel、SharePoint、SQL Server、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。 *その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。 *製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。 〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー 5856-SE1