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CAAD設計教育におけるDADの展開 - SAWADA LAB

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CAAD設計教育におけるDADの展開 - SAWADA LAB
「CAAD設計教育におけるDADの展開」
○衣袋洋一*1
1.はじめに
上島進*2
小林文悟*3
を利用したデータベース、DADによるVDS( Virtual
近年のパソコンやワークステーション及びCAD・C
Design Studio)、ネットワーク・コラボレーション(N
Gアプリケーションやデジタル・ツールの急速な発達は、
C)をも可能にする設計環境、といったシステム構築と
UNIXなどの専門的知識を要せずとも、ブラウザの利
その実験的運用である。
用によりネットワーク上で、データ提供者側とユーザー
側との間にインタラクティブな関係をつくりあげられ、
3.1
思考支援システム
文字・静止/動画像・音などを組み合わせた情報処理を
思考支援システムは、「発想」を促すということに重点
可能とし、スタンドアローン型からネットワークを中心
を置き、より恣意的・概念的な部分からのアプローチを
とした新たな展開が可能となった。
許容できるCAAD設計システムとして構築したもので
WWW(World Wide Web)はその典型であり、WWW
ある。具体的には、建築理念、哲学、そしてデザイン論
の技術にデータベース、コミュニケーションツールを導
が構築されていると認められる建築家、建築作品をテク
入することにより、任意のグループ内で情報共有システ
ストとして、分析から得られたデータをもとに、建築家、
ム=「イントラネット」の構築をうながし、ネットワー
建築概念・哲学、建築作品、建築生成過程などを参照さ
クの新たな利用形態を生み出した。
せ、ユーザーが抽象的内容から具象的内容へと移行しな
これらの発展が、経済的効率、デジタル化によるデー
タ管理の容易さ、それに伴う高速検索、プレゼンテーシ
がら思考できる階層構造、リンク構造によって構成して
いる。
ョンの優位等々、という枠組みのなかで語られてきた従
昨年度の研究ではシステムを利用するユーザーの支援
来のシステムに対し、新たな視点による新たな展開、構
する領域として、<建築的プログラム>、<デザインプ
築を迫ったことは言うまでもない。
ログラム>、<機能配置プログラム>の三つを位置づけ
た。また、システムを利用するユーザーがプログラムを
2.研究目的
−CAAD設計方法論の確立−
容易に見出せるよう、〈プログラムの様態〉、〈与条件〉、
本研究は、システム思考を基本的概念とするCAAD
〈建築手法〉、〈建物種別〉、〈構成手法〉、〈操作項目〉の
設計方法論及びその具現化としてのCAAD設計システ
項目により作成したデータを分類し、全体で12種類の
ムの構築をはかり、CAAD設計教育の現場に供するこ
ページと新たに作成した<新建築データベース>を含む
とを目的する。さらに、新しい概念であるDAD(Digital
11種類のデータベースにより構成した。
Architectural Design)とCAAD設計方法論・システ
ムとの関連性を導出し、CAAD設計システムの運用と
CAAD設計思考・特徴(オブジェクト思考、3次元思
考、システム思考、プログラム思考、情報思考など)を
取り込んで実施したCAAD設計教育におけるDADの
展開に関する研究である。
3.CAAD設計システムの構築及び運用
CAAD設計システムは、イントラネットの情報共有
システム及びプロセス重視の設計・シミュレーション行
為に対応するシステムとして、建築設計全般、特に設計
の初期(上流)設計段階である企画・エスキスの際、ユ
ーザー(学生)に「発想」を支援することに重点を置い
ている。
思考支援システム、CAAD設計環境、CAAD設計
教育の三つの事柄を念頭に、WWWのブラウジング機能
【図1:思考支援システム構成図】
[検索機能及び新建築データベースの導入]
今回、新たな試みとして実施した利用状況アンケート
な効果が得られた。
・シミュレーションの広範囲な展開がなされ、継続的な
内容の一項目「CAAD設計システム使用過程」のフロ
過程が保持される。
ーを見てみると、「建築作品一覧→建築作品解説→建築
・今後のデータ追加・拡充に容易に対応する。
生成過程→建築家の知識」という流れが最も多かった。
・データ検索という行為がユーザーに発想と同時に新た
しかし一方、シミュレーションとしてこのフローを様々
な情報をもたらす。
な設計段階で繰り返す行為は見られず、初期段階のみに
・検索したキーワードはWWWサーバー内に蓄積され、
終わっていた。この結果を踏まえ、データ入力、蓄積、
システムのバージョンアップを導き出す。
目的に合わせて情報をコンピュータで検索、出力、追加、
・検索領域範囲を過去提出されたれた課題の参照用ペー
修正が可能な体系的で構成されている現システムのデー
ジであるインターネットギャラリーまで広げることが可
タベースに対して、インターネット、WWWで一般的に
能となる。
使用されている検索機能を導入することとする。
※インターネットギャラリー(Internet Gallery):建築
さらに、無作為なデータではあるが、検索、参照する
設計、エスキス時にCAAD設計システムを利用して作
際、より具体的な部分での検証を保持するため、インタ
成された課題の還元方法は、CAAD設計システムとは
ーネット上でデジタルデータとして公開されている「新
別に「イントラネット」の概念、WWWのブラウジング
建築」掲載の建築作品、建築家、所在地、主要用途、諸
機能を用いた課題参照用のページをインターネットギャ
面積、構造、掲載書籍などをリストとして<新建築デー
ラリーとして構成し、記載する。過去数年の課題内容、
タベース>を作成した。各データは既存の建築家及び建
作品データを参照させることによって、教育目的、内容
築作品のページにリンクするとともに、その他の建築作
と意図を理解させる役割を果たす。
品に関しては画像データを添付することによってデザイ
ン的部分を補い、発想を促す。
3.2
CAAD設計環境
検索機能は、WWWを特徴づける基本的な技術のハイ
CAAD設計環境では、WWWのブラウジング機能、
パーテキスト(ハイパーリンク)により可能とされるも
コミュニケーションツール、データベースを用いた思考
のであり、参照ページの階層構造・リンク構造及びタグ
支援と、WWWサーバー、コミュニケーションツールに
によるドキュメントに対する情報の改善とともに、思考
よるコラボレーションを目的とした設計環境との2つの
支援システムにおける検索エンジンの導入(CAAD設
内容を満たすシステムを展開する。
計システムが提供する全てのページに対する索引付けと
コラボレーションを目的とした建築設計・計画環境。
全文検索機能)にあたって、以下の点を留意した。
つまり、グループウェアのための設計環境を構築するに
a)情報を多角的に利用するため、断片的な情報間の関
あたり、先の発想支援システム同様、WWWを利用した
連性や類似性に基づいた情報を相互に結び付けること。
際に扱うメディア、コミュニケーションツールを考慮す
b)誘導性の強い階層であることを避けるため、ユーザ
る。建築設計・計画のコミュニケーションはテキストデ
ーに自由度を持たせた、ある程度普遍的な体系化を作り
ータのみではなく、静止/動画像というメディアに大き
出すこと。
く依存する。このことは情報発信者側と受信側との間に
c)設計プロセスを把握するため、情報のフローのシス
インタラクティブな関係が発生することを意味している。
テム化が重要であり、ある体系化された情報領域を設定
また、エスキス時に有用な設計環境として様々な問題、
し、領域間は相互審判的に移行可能とすること。
それに対する提案などをデータとして蓄積していくシス
テムが望まれる。設計環境において、「イントラネット」
という視点で捉えた場合、エスキスの履歴として記述し
たデータがそのままデータベースとなり得る点は、「発
想」を促すことに重点を置いた思考支援システムとデー
タベースの位置づけが異なるといえる。グループウェア
においては、お互いのコンセンサスを得ることが第一の
課題であり、エスキス内容・共通の情報を明確に表して
おくことが、グループウェアにおける意思決定を進める
上で最も有意義なことであると言える。
【図2:メインページ、検索フォーム&リストページ】
実際の利用法としては、まずWWWサーバーに任意の
システムにおける検索機能の運用によって、次のよう
個人またはグループ領域を設定し、各領域ごとにホーム
ページを作成することから始める。その後、個人または
講義は、「CAAD設計方法論」の獲得と展開に向け、
グループ内での場合、
「情報処理演習Ⅰ」、「建築史」、「CAD設計論」、「CA
①データベースとして共通の情報を収集・分析し、ペー
D設計演習」、「居住環境デザイン演習」、「都市環境デザ
ジ上に掲載、
イン演習究」、「総合研究(卒業研究)」が一連の流れとし
②コンセプト、基本計画案の提示、
て位置づけられ、実施されている。
③コラボレーションにより得られた設計初期段階、エス
キス等々の設計・計画の履歴をデータ(2・3次元DX
『CAD設計論』
F/VRMLデータ、画像データ、テキストデータ)と
○授業方針
して掲載、
a)CAAD設計教育のイントロ:デジタル・ツール利用
④プレゼンテーションされた最終案の提示、
の入門段階及び建築設計の基礎知識の習得。
というフローでコラボレーションを行う。
b)CAD&システム思考を基礎としたDADへの展開。
一方、グループ外のユーザーとの関係では(一種のコ
−
2年次前期
c)コンピュータ・CADリテラシーとシステム思考(分
ラボレーション=エスキス)の場合は、
析、統合思考)によるCAAD設計理論及びCAAD設
①ホームページに掲載された設計・計画案をブラウジン
計方法の基礎知識の習得。
グする、
○授業内容
②必要に応じてページ上からデータをダウンロードする、
1)デジタル・ツール利用
③エスキスを行う。そして、コミュニケーションツール
アナログ&デジタル・スケッチ→アナログ的な情報処
を通してエスキスを行ったデータを情報発信者に還元す
理というプロセスを経て、デジタル情報処理へのプロセ
る、
スを経験させる。
というフローで行う。特に、コミュニケーションツール
2)CAAD製図
を通して還元されたデータは、一方通行的な意見交換を
防ぐために各グループのページ上に記載する。
オブジェクト(部位的)思考の展開→線の情報として
の意味を中心にアナログ製図との違いを学び、データ+
属性としてCAAD製図を習得する。
3)かたちから
3次元(立体的)思考の
展開→機能からではなく、
3次元立体としての「かた
ち」から建築形態・空間を
考える。
【図3:ネットワーク概念図】
4)作品分析
プログラム(構築・構成)
[コミュニケーションツールの検討]
の展開→著名な建築家の作
コラボレーション型コミュニケーションツールを使用
品分析をとおして建築空間
することにより、インターネットやイントラネットを利
・形態における「要素」と
用して電子会議の開催、共有したアプリ ケーションによ
「統合知識」を学ぶ。
る共同作業、などを行うことが可能である。アプリケー
5)建築プログラム作成
ションの共有は3次元データなどの共有を可能とし、ス
システム(工学)思考の
タディの実施がなされ得る。そして、CAAD設計がイ
展開→建築プログラムをと
ンターネットやイントラネット上で展開されることによ
おしてデータ収集・分析、
り、グループ内のみではない刺激を受けることでより継
問題点抽出、モデル作成を
続的、即時的な展開がされ、コミュニケーションツール
学ぶ。
はその受け皿にもなり得る。
6)DADによる住宅設計
3.3
Web思考の展開→デジ
情報(ネットワーク)・
CAAD設計教育
芝浦工業大学システム工学部環境システム学科におけ
る「製図板のない(いらない)設計教育」は、CAAD
タル・ツール利用による
DADの実践。
設計思考・特徴を反映させながら、「CAAD設計システ
ム」及び「システム思考」の両輪のもとに行っている。
【図4:「CAD設計論」課題3∼6作品例】
『CAD設計演習』
−
2年次後期
[CAAD設計教育におけるVDSの展開]
○授業内容
『CAD設計論』で学んだ内容の演習講義で、設計への
『居住環境デザイン演習』
応用とDADの実践。
○基本方針
1)発想とCADの訓練「イメージを建築へ
−ポケッ
−
3年次前期
a)建築設計の基礎、建築的思考と「もの」を創るここ
トパーク+カフェテラス−」
ろ、「建築する」ということの学習。
・立体構成:建築・都市機能の空間構成要素「直方体、
b)「建築設計」から地域設計・地域計画、「まちづくり」
立方体」等、直線的、箱的な要素と「直線」及び「曲面」
を考える。
の面的要素。ポイントとして「他の構成要素」を使用し、
c)単体及び群としての居住環境構成「要素」の抽出と
以上の要素による構成で「形態」、「空間」の構築を図る。
「要素関係=統合知識」の理解。
2)機能と平面を考える「−小住宅の設計−」
d)住環境設計シミュレーションを通じて、「住居」「住」
・設計をする際、空間の質、種類、似通った機能等々を
「すむ」「すまう」等々、人間の基本的な環境を再確認す
グループとして考える「 ゾーニング」、空間の機能と人間
る。
の動きについて考える「導線」という基本的事項により、
e)CAAD設計方法&システム構築の理解と獲得。D
「平面・空間・形態」を設計するための基本的手法を学
ADを通してVDSの体験をする。
ぶ。
f)CAAD設計におけるシームレス(継続的)、シーク
3)構造と空間を考える
その1「壁構造 −バススト
エンス(継起的)思考としてのシステム思考の学習。
ップ+アルファの施設−」
g)ソフト・ハードウェア&ネットワークの特徴を学ぶ。
・壁構造が持っている空間的特徴を生かし、さらに現実
h)システム工学の建築設計への応用。
としての構造を顧慮した設計をする。
○授業内容
4)構造と空間を考える
その2「架構構造
−公共空
課題は「住宅設計」(個人)と「まちづくり」(グループ
間と商い空間を持った複合建築−」
ウェア)の設計を実施。Web上でのデジタル・エスキ
・架構式(柱・梁構造:ラーメン構造)の Negative-Space
スと正規授業における「face to face」のアナログ・エ
「空間」の性格、質は、構成する Positive-Space(壁、
ス キ ス を 併 用 し 、 V D S お よ び N C ( Network
柱等視覚を通して確認できるもの=具象的な要素)、特に
Collaboration)を行う。
「構造」が大きく影響する。つまり構法の特徴を十分に
「住宅設計」では、CAAD設計システムから興味あ
把握した上で、設計をする。
る建築家の作品及び建築を選択し、データのダウンロー
5)総合「風景・まちづくり」
ド、分析を通じて得られた作品・建築家が持っている「建
・課題1、3、4で作成したデータを、提供された街区
築方法論」を学び、それらの「模倣と創造」から各自の
に配置し、多機多種の建物を一つのまとまりある景観・
設計論を展開、作品を生成することを目的とした。
風景として「まちづくり」をする。つまり、都市の景観
等々を秩序たてる「手法」を学ぶ。
「まちづくり」では「建築設計」から「地域・居住環
境設計」を考える。「住宅設計」で提出した各個人のCA
D・CGデータを対象地域の全敷地において再構成し、
それを元に「地域施設」、「外部空間」、「地域環境の整備
と街路設計」を行なう。地域環境を構成する要素として
の「施設」及び外部空間に重点をおいて設計する。
【図5:「CAD設計演習」
課題1∼5作品例】
【図6:「住宅設計」デジタル・エスキス例】
CAAD設計システムの利用のされ方は、学生各自の
「システム思考」(目的設定→データ収集/分析→シミ
建築形態・空間を創造・統合する際、掲載されている建
ュレーション→プレゼンテーション)のながれのなかで
築家の建築概念などの情報から「ことば」を、テーマ・
コンピュータのデジタルな領域(CAD、WWW)、デー
目的として導き出したり、シミュレーションの段階にお
タ、情報を用いてアクソメ思考、3次元思考などの展開
いて、システム内の任意に選択された建築作品の2次元、
がはかられ、建築設計を客観的かつ継続的(シームレス)
3次元モデルを参照しながら、あるいはデータをダウン
なシミュレーション(モデルの作成→評価→最適化)と
ロードした後にプリミティブな形態に分解し、そのデー
して展開されている。つまり、DADとして、あらゆる
タを各自のテーマに沿って削除・残す・変形などの操作
時、あらゆる場所、あらゆるデジタルデータによる展開
行為、等々として使用している。
がなされ、建築CAD設計概念を網羅し、「CAAD設計
グループウェアではシステム上に、コミュニケーショ
方法論=DAD」という関係性を垣間見ることができる。
ンツールを用いてコラボレーションを行った議事録やエ
スキス内容、他のグループやページアクセス者からの意
5.CAAD設計システムの有用性
見のページなどを記載。結果のみではなく計画のプロセ
CAAD設計システムにおける思考支援システムは、
ス、それに関わる事柄を提示することで、グループ内外
ユーザーに様々な要素と知識の関係性について考慮する
を問わずインタラクティブな関係をCAAD設計システ
ことを促し、設計・計画の細部から全体にまで至る継 続
ムを介して築いている。
的・統合的思考を、システム思考として昇華させること
を促した。これは個人設計のみではなく、グループウェ
アに対しても同様な展開がはかられた。さらに、グルー
プウェアでは時間・場所を問わず共通の情報をもとにコ
ラボレーションが行え(NC)、グループ外のユーザーと
のインタラクティブな関係を構築することで、リアルタ
イムなレスポンスを行うことが出来るという利点を導き
出した。
CAAD設計方法論とDADとの関係、インターネッ
ト・イントラネット、強いてはCAAD設計システムと
【図7:「まちづくり」作品例】
の関係もまたCAAD設計方法論を具現化する上で必 然
的なものである。コンピュータによるデータの蓄積性、
応用性、即時性、性能などを考慮したCAAD設計シス
4.DAD(Digital Architectural Design)の展開
テムの発展が、CAAD設計方法論の新たなる可能性と
CAAD設計教育のバージョンアップを導き出すといえ
る。
参考文献
「CAAD設計方法論(1)
(1995年度
その1∼3」衣袋洋一他
日本建築学会
「CAAD設計方法論(2)
関東支部研究報告集)
(1996年度
日本建築学会
その1∼2」衣袋洋一他
関東支部研究報告集)
「CAAD設計方法論(3)
【図8:DAD概念図】
(1997年度
日本建築学会
その1∼2」衣袋洋一他
関東支部研究報告集)
「イントラネットと建築CAD設計教育」
CAAD設計思考・特徴を教育理念・方針に取り込ん
で実施したCAAD設計教育においてCAAD設計シス
第20回情報システム利用技術シンポジウム論文集)
テムを活用することにより、ヴィジュアルに分析の意図
と思考過程を提示し、かつそれらを3次元的に展開して
*1
芝浦工業大学助教授
いる。さらに、建築・都市における要素及びその集合と
*2
有限会社MDS
して環境を認識し、情報として処理するシステム思考及
*3
芝浦工業大学大学院生
びリテラシーを早期に獲得しているといえる。同時に、
衣袋洋一他
(日本建築学会・情報システム技術委員会
Development of DAD in CAAD Design Education
Youichi Itai *1
Susumu Kamishima *2
Bungo Kobayashi *3
The Establishment of CAAD Design Methodology
This research aims at the embodiment of the CAAD design methodology based on the concept of the system
thinking . It is to construct the CAAD design system and to offer the CAAD design system to the scene of
the CAAD design education.
In addition, we derive the relation between DAD “Digital Architectural Design ” which is a new concept
and the CAAD design methodology and the system. It is a research concerning the development of DAD in
the CAAD design education by which the CAAD design system is operated and to which the CAAD design thinking
and the characteristic are taken.
Composition and Operation of CAAD Design System
The CAAD design system is constructed as a system which shares information in Intranet, and used in the
design and the simulation paying attention to process. The system is composed of three matters of " Thinking
support system, CAAD design education, and CAAD design environment".
We investigated the use etc. of the system this time. In the item of " Use process of CAAD design system ",
there were a lot of flows "Architect List Page → Architect Page → Design Process Page → Knowledge Page ".
As for the database of this system, info rmation can be searched, be output, be added , and be correct ed
with the computer according to the data input, accumulation, and the purpose.
Therefore, it is examined to introduce the Search Engine generally used with the Internet and WWW.
Introducing Search Engine into the system had the following effects.
The simulation is developed repeatedly and continually.
Query brings the users a conception and new information.
The searched key word is accumulated in the Web server and improves the system. Etc.
Digital Architectural Design
Due to the use for the CAAD design system, the intention of the analysis and a thinking process are
presented in visual, and they are developed three-dimensionally.
In addition, the e nvironment is regarded as an element and the group of architecture or city. The system
thinking and literacy which processes it as information are acquired at the early stage. An architectural
design is developed as an objective, continuous simulation in t he flow of the system thinking with a digital
tool “ CAD, WWW, etc.” anytime and anyplace. That is, DAD covers the CA AD design concept. We considered
the relation of "CAAD design methodology = DAD".
Utility of CAAD Design System
The development of the CAA D design system for which accumulation, application, immedia cy, performance,
etc. of the digital data are used derives a new possibility of the CAAD design methodology and improves
the CAAD design education.
*1 Assoc. Prof., Department of Architecture and Environmental Systems, Faculty of Systems Engineering,
Shibaura Institute of Technology
*2 Corporation MDS
*3 Graduate Student, Graduate School of Engineering, Shibaura Institute of Technology
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