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水資源に関する世界の現状
資料ー4 水資源に関する 世界の現状、日本の現状 地球上の水 l地球上の水の大半は海水として存在 l淡水の多くは氷河や地下水であり、人間が比較的利用しやすい河川・湖沼水はわずか 地球上の水 海水等 97.5% 淡水 2.5% 氷河等 1.76% 地下水 0.76% 河川、湖沼など 0.01% 地球上の水の量 約 14億 km3 資料:国土交通省「平成15年版 日本の水資源」 1 世界の水問題の現状(飲料水) l世界では12億人が安全な水を利用することができない 安全な水を手に入れられる人の割合 各国の状況 地域別の状況 割合( %) 0 アフリカ アジア ラテンアメリカ 及びカリブ海 0% - 25% 26% - 50% 51% - 75% 76% - 90% 91% - 100% データなし オセアニア ヨーロッパ 20 40 60 80 100 62 81 85 88 96 北アメリカ 100 日 本 100 資料:世界保健機関、国連児童基金「Global Water Supply and Sanitation Assessment 2000 Report」 2 世界の水問題の現状(衛生設備) l24億人が適切な衛生施設を利用することができない 適切な衛生施設を利用できる人の割合 各国の状況 地域別の状況 %) 割合( 0 20 40 60 アフリカ アジア ラテンアメリカ 及びカリブ海 0% - 25% 26% - 50% 51% - 75% 76% - 90% 91% - 100% データなし 80 100 60 48 78 オセアニア 93 ヨーロッパ 92 北アメリカ 100 日 本 100 資料:世界保健機関、国連児童基金「Global Water Supply and Sanitation Assessment 2000 Report」 3 世界の水問題の基礎的データ l世界の水問題に関してさまざまな状況が報告され、将来についての予測も行われている 世界人口60億人のうち、 世界の水問題の基礎的データ •12億人が安全な飲料水を得ることができない。 •24億人が下水道等の衛生施設を持っていない。 •年間約200万人の子供が水に由来する病気で死亡している。 •2000年に60億人を突破した世界の人口は2025年には80億人に達すると予測される。 •これに伴って世界の水需要も大幅に増加する。伸び率を37%とする予測もある。 ・国際社会では河川は複数の国家間を流れていることから、水の問題は国家間の 紛争の原因となることもある。 ・「20世紀は石油紛争の時代だったが、21世紀は水紛争の時代になる」 (セラゲルディン;元世界銀行副総裁) 資料:世界保健機関、国連児童基金など 4 世界の降水量、水資源量 l我が国の降水量は世界平均の約2倍 l人口一人あたりにすると世界平均の1/4程度、水資源量では1/2程度 世界各国の降水量等 mm/ /年降水総量( m3/年・人) 降水量( 年) 人口一人あたり水資源量 mm/ 年) 降水量( 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 537 00 50,000 94,353 カナダ カナダ 1,732 ニュージーランド ニュージーランド 534 100,000 100,000 150,000 150,000 200,000 200,000 250,000 250,000 86,554 79,664 37,433 86,554/123,987 オ オ ー ー ス ス ト ト ラ ラ リ リ ア ア25,708 2,702 94,353/174,016 190,454 25,708/216,162 13,381 10,885 13,381/24,266 インドネシア インドネシア 10,837 14,185 10,837/25,022 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 736 7,462 1,3897,462/8,851 スイス スイス 1,537 973 7,044 14,7527,044/21,796 世 世 界 界 1,622 6,527 6,7276,527/13,254 タ タ イ イ 6,332 2,979 6,332/9,310 フ フ ィ ィ リ リ ピ ピ ン ン 2,348 867 3,439 4,630 3,439/8,069 フランス フランス 1,668 3,383 1,575 3,383/4,958 日 日 本 本 832 3,325 1,034 3,325/4,360 イ イ タ タ リ リ ア ア 1,220 2,465 2,5042,465/4,969 イギリス イギリス 627 2,259 2,4342,259/4,693 中 中 国 国 1,083 1,880 1,647 1,880/3,527 インド インド 1,154 12,7901,154/13,945 南アフリカ 南アフリカ 495 59 6,114 118 118/6,232 サウジアラビア サウジアラビア ここで水資源量とは 、降水量から蒸発散量が引かれ表流水・地下水となった量(国際河川の影響も考慮)。 資料:国連食糧農業機関ウェブサイト「 AQUASTAT」、国土交通省水資源部「平成15年版 日本の水資源」 (世界全体の降水量は1977年開催の国連水会議における資料) 5 世界の一人あたり水資源量 l156ヶ国のうち、日本の一人あたり水資源量は第91位 l日本の10地域を加えた166ヶ国及び地域では、関東が第147位、近畿が第138位 世界各国及び日本の10地域の一人あたり水資源量 3 各国の年間一人あたりの水資源量(m /人/年) 0 Iceland Guyana Suriname Congo, Republic of Papua New Guinea Gabon Canada New Zealand Norway Belize Liberia Bolivia Peru Laos Paraguay Chile Equatorial Guinea Panama Venezuela Colombia Brazil Bhutan Uruguay Central African Republic Nicaragua Cambodia Sierra Leone Fiji Islands Ecuador Russian Federation Costa Rica Guinea Malaysia Guinea-Bissau Australia Congo, Dem Republic of Argentina Myanmar Finland Madagascar Sweden Cameroon Honduras Latvia Angola Mongolia Ireland Indonesia Albania Georgia Mozambique Viet Nam United States of America Hungary Namibia Hokkaido Zambia Guatemala Austria Romania Botswana Estonia Nepal Mali Bangladesh Switzerland Greece Tohoku Portugal Kazakhstan Hokuriku Lithuania Thailand Shikoku Philippines Gambia Netherlands Belarus Chad Turkmenistan Cote d'Ivoire Swaziland Mexico Kyushu Chugoku Mauritania Senegal Kyrgyzstan El Salvador Benin Tokai Azerbaijan Jamaica Korea, Dem People's Rep Turkey France Cuba Japan Italy Iraq Togo Niger Afghanistan Trinidad and Tobago Uganda Ukraine Spain Armenia Ghana Moldova, Republic of Bulgaria Sri Lanka Tajikistan Tanzania Nigeria Dominican Republic United Kingdom China Sudan Uzbekistan Belgium - Luxembourg Okinawa Iran, Islamic Rep of Mauritius India Germany Ethiopia Haiti Eritrea Syrian Arab Republic Poland Zimbabwe Pakistan Somalia Malawi Korea, Republic of Lesotho Kinki Czech Rep Lebanon South Africa Denmark Burkina Faso Cyprus Kenya Morocco Kanto Egypt Cape Verde Rwanda Burundi Tunisia Djibouti Algeria Oman Barbados Israel Yemen Bahrain Jordan Malta Saudi Arabia Libyan Arab Jamahiriya Qatar United Arab Emirates Kuwait 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 3 各国の年間一人あたりの水資源量( m /人/年) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 北海道 東 北 北 陸 四 国 九 州 中 国 東 海 日 本 沖 縄 近 畿 関 東 ジャマイカ 3,651 北朝鮮 3,464 トルコ 3,439 フランス 3,439 キューバ 3,404 日 本 3,383 イタリア 3,325 イラク 3,287 トーゴ 3,247 ニジェール アフガニスタン 3,107 2,986 資料:国連食糧農業機関ウェブサイト「AQUASTAT」、日本各地の水資源量については「平成15年版 日本の水資源」での地域別水資源賦存量を用いた。 6 世界の水資源利用率 l156ヶ国のうち、日本の水資源利用率は第49位 l日本の10地域を加えた166ヶ国及び地域では、関東が第27位、近畿が第38位 世界各国及び日本の10地域の水資源利用率(使用量/水資源量) 各国の水資源利用率(%) 0 Kuwait United Arab Emirates Libyan ArabSaudi Jamahiriya Arabia Qatar Bahrain Yemen Oman Israel Egypt Uzbekistan Jordan Malta Barbados Turkmenistan Pakistan Syrian ArabTajikistan Republic Tunisia Sudan Azerbaijan Iraq Iran, IslamicBulgaria Rep of Kyrgyzstan Morocco Kanto Algeria Belgium - Luxembourg Afghanistan India Spain Kazakhstan Cyprus Lebanon South Africa Germany Kinki Armenia Mauritius Ukraine Korea, Republic of Poland SriSomalia Lanka Italy Tohoku China Cuba Chugoku Thailand Denmark Japan Moldova, Republic of France Czech Rep Hokuriku Swaziland Mexico Kyushu Portugal Turkey Dominican Republic Tokai United States of America Mauritania Shikoku Okinawa Zimbabwe Korea, Dem People's Rep Hokkaido Romania CapeGreece Verde Netherlands Viet Nam Trinidad andHungary Tobago Haiti Mali Bangladesh Niger Burundi United Kingdom Burkina Faso Philippines Malawi Georgia Kenya El Salvador Australia Nepal Eritrea Belarus Switzerland Madagascar Jamaica Albania Senegal Ecuador Argentina Myanmar Indonesia Nigeria Austria Djibouti Ethiopia Costa Rica Uruguay Finland Tanzania Ireland Guatemala Lesotho Sweden Russian Federation Zambia Canada Malaysia Namibia Rwanda Chile Mongolia Estonia Cote d'Ivoire Togo Lithuania Peru Benin Ghana Botswana Laos Honduras Cambodia Latvia Brazil Guyana Venezuela Guinea Belize Nicaragua New Zealand Norway Panama Suriname Chad Colombia Uganda EquatorialBhutan Guinea Gambia Guinea-Bissau Cameroon Mozambique Fiji Islands Sierra Leone Bolivia Angola Paraguay Iceland Gabon Liberia Congo, Dem Republic of Central African Republic Papua New Guinea Congo, Republic of 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 各国の水資源使用率( %) 関 東 近 畿 東 北 中 国 日 本 北 陸 九 州 東 海 四 国 沖 縄 北海道 16 17 18 中 国 19 21.5 中国地方 21.4 タ イ 21.2 デンマーク 21.1 日 本 22 23 20.6 モルドバ 19.8 フランス 19.6 チェコ 19.5 スワジランド 21 21.8 キューバ 北陸地方 20 19.0 18.4 資料:国連食糧農業機関ウェブサイト「AQUASTAT」、日本各地の水資源量については「平成15年版 日本の水資源」での地域別水資源賦存量を用いた。 7 日本及び世界における水利用 l水利用状況は、農業用水、工業用水、生活用水という用途別に把握されている 日本における現状 (単位:億m3/年) 農業用水 工業 用水 生活 用水 表流水 760 539 94 127 〈87%〉 地下水 110 33 40 37 572 〈66%〉 134 〈15%〉 164 〈19%〉 〈13%〉 資料:国土交通省水資源部「平成15年版 日本の水資源」 世界における現状 (単位:億m3/年) 農業用水 19,400 生活 用水 工業 用水 6,700 4,800 24,200 〈70%〉 1,600 1,600 300 7,000 3,200 〈20%〉 〈10%〉 資料:I.A. Shiklomanov「Assessment of Water Resources and Water Availability in the World」WMO、1996 表流水 27,700 〈80%〉 地下水 6,700 〈20%〉 8 世界の地域別・用途別水利用の現状 l用途別の水利用の割合は地域ごとにバラツキがみられる 世界各地域、世界全体及び日本の用途別水利用の割合 ヨーロッパ 北 米 生活用水 11% 生活用水 14% 農業用水 40% オーストラリア・オセアニア 生活用水 12% 農業用水 48% 工業用水 41% 工業用水 46% アジア 農業用水 83% 生活用水 11% 農業用水 83% 資料:国土交通省水資源部「平成15年版 日本の水資源」 生活用水 10% 工業用水 20% 工業用水 27% 農業用水 61% アフリカ 生活用水 工業用水 8% 9% 世 界 農業用水 70% 南 米 工業用水 6% 日 本 生活用水 19% 生活用水 22% 農業用水 65% 工業用水 13% 農業用水 66% 工業用水 15% 9 日本の生活用水(水道用水)使用量の変遷 l水道用水使用量は人口増加と生活水準の向上とが相まって最近35年間で約3倍に増加 l一人一日あたりの平均使用量も家庭用風呂、水洗トイレの普及などに伴い増加 l一人一日あたりの平均使用量は近年ほぼ横ばい傾向 l家庭では、風呂、トイレ、炊事、洗濯での利用が大半 水道用水使用量の推移 利用の内訳(東京都) 180 900 水道用水使用量 800 140 洗濯 20% 700 年間取水量(水道統計)から推定 120 600 100 一人一日平均使用量 (日本の水資源) 80 500 400 年間給水量(上水道統計) 60 40 300 一人一日平均使用量 年間給水量(内閣統計局) 20 1910 炊事 22% トイレ 24% 200 100 0 一人一日平均使用量 (リットル / 人・日) 水道用水使用量(億 m 3/年) 160 洗面等 8% 風呂 26% 0 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 資料:国土交通省水資源部「平成15年版 日本の水資源」、「国勢調査」及び「人口推計年報」 厚生労働省「水道統計」、「上水道統計」及びウェブサイト、内閣統計局資料 資料:東京都水道局ウェブサイト 10 水をとりまく生活形態の変化 l生活用水使用量は浴室保有率や水洗化率の上昇等により増加 l生活用水使用量は世帯人員の減少、単身世帯の増加によっても増加する 水をとりまく生活形態の変化(全国) 100% 世帯人員別一人あたり使用水量(東京都) 5 使用水量(m3/月) 90% 0 世帯平均人員 2 4 6 8 10 浴室保有率 80% 4 1人 8.4 2人 8.4 70% 率 60% 3 50% 40% 電気洗濯機 普及率 2 平均人員(人) 水洗化率 30% 20% 世 帯 平 均 人 員 3人 4人 7.7 6.9 1 一人世帯比率 10% 0% 1950 1960 1970 1980 1990 5人 6.4 6 人以上 6.3 0 2000 年 世帯平均人員、一人世帯比率は、一般世帯を対象として算定したもの 資料:国勢調査、総務省統計局「住宅統計調査報告」及び「住宅・ 土地統計調査報告」等、家電製品協会「家電産業ハンドブック」 資料:東京都水道局「生活用水実態調査」(2000年11月)11 ミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の消費量の推移 lいわゆるミネラルウォーターの消費量は近年急増 ミネラルウォーター類の国内生産量と輸入量の推移 1,600 生活用水使用量との比較 1,375 1,400 輸入量 1,247 国内生産量 1,132 生産量及び輸入量(千キロリットル) 1,200 一人一日あたり生活用水使用量( 322(リットル/人/日))※ →117,530(リットル/人/年) →14,103,600(千キロリットル /1.2億人/年) 1,090 生産量+輸入量(1,375千キロリットル)は生活用水 1,000 874 795 使用水量の約0.01% ※ 国土交通省水資源部「日本の水資源」 800 651 600 一人一日あたり飲料水必要量( 3(リットル/人/日))※※ →1,095(リットル/人/年) 415 →131,400(千キロリットル /1.2億人/年) 346 400 飲料水必要量との比較 631 559 279 生産量+輸入量(1,375千キロリットル) は飲料水 175 200 82 90 104 117 必要量の約1% ※※ 市町村等で防災上必要な備蓄量の目安とされる値 0 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 年 145円 /1,000 2000年度における全国平均) 水道水は リリ ッッ トト ル( 水道水は 145 円 /1,000 ル(2000 年度における全国平均) 資料:ミネラルウォーター協会ウェブサイト 12 河川水の繰り返し利用 l河川水の繰り返し利用を示すデータがある 東京付近の主な取水地点でのフレッシュ度の現況 利根川利根大堰 フレッシュ度 84.9% 利根川木下地点 フレッシュ度 70.6% その他の地域 利根川小見川地点 フレッシュ度 67.8% 荒川秋ヶ瀬地点 フレッシュ度 75.0% 江戸川三郷地点 フレッシュ度 78.2% 江戸川金町地点 フレッシュ度 78.5% 江戸川下矢切地点 フレッシュ度 78.5% 多摩川小作取水堰 フレッシュ度 99.4% 多摩川羽村地点 フレッシュ度 99.4% 凡 例 多摩川田園調布地点※ フレッシュ度 27.0% ※多摩川田園調布地点ではかつて取水を 行っていたが、1970年より取水を停止 浄水場 取水堰、取水点 金町系 朝霞系 小作系 三園系 東村山系 東村山・三園・朝霞系 砧・砧下系 長沢系 <北海道> 豊平川 98.7% <東 北> 名取川 98.5% <北 陸> 阿賀野川 99.1% <中 部> 木曽川 96.4% 天竜川 97.5% <近 畿> 淀 川 58.7% <中 国> 芦田川 93.3% <四 国> 重信川 74.5% <九 州> 大淀川 97.2% 筑後川 93.5% 遠賀川 71.6% いずれも流域の代表的な取水地点で評価 フレッシュ度=( 1−上流での既使用水量/河川流量)×100% ※既使用水量とは、生活排水、下水処理場等排水、工場排水及び畜産排水の量とした。 農業用水に由来する排水については、河川に対する負荷の程度が現段階では不明であるため、今回は算入していない。 ※「フレッシュ度」の算出方法、活用方法等について、名称も含めて更なる検討を行う予定。 資料:国土交通省河川局ウェブサイト 13 日本の工業用水使用量の変遷 l工業用水の使用水量は経済活動の拡大により35年間で約3倍に増加 l河川水、地下水からの取水量(淡水補給量)は1973年をピークに漸減 l工場で一度利用した水を回収して再利用する仕組みを導入 l使用量の中で、回収水量が占める割合(回収率)は約79% 工業用水使用量等の推移 600 73.6% 74.6% 75.9% 77.2% 78.6% 67.0% 80% 70% 500 400 回収率 3 使用水量(億 m /年) 60% 51.7% 50% 407 373 36.3% 300 200 297 374 417 436 40% 回収水量 161 25.0% 30% 20.7% 20% 65 100 18 25 69 75 淡水補給量 150 114 147 134 127 129 124 119 0 10% 0% 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 従業者30人以上の事業所についての数値 資料:経済産業省「工業統計表」 年 14 一人あたり国内総生産(GDP)と水使用量の関係 l経済規模と都市用水(工業用水・生活用水)使用量は正の相関関係にある 一人あたり国内総生産(GDP)と水使用量の関係 一人あたり国内総生産( US$/年 /人、1999 年) 100,000 米国 オーストラリア ドイツ 日本 イスラエル フランス ニュージーランド 韓国 アルゼンチン 10,000 マレーシア タイ イラン メキシコ チリ コロンビア ペルー フィリピン モロッコ エジプト インドネシア インド パキスタン ケニア 1,000 10 100 1,000 一人あたり年間工業用水・生活用水の使用量(m3/年/人) 資料:国連食糧農業機関ウェブサイト「 AQUASTAT」、世界銀行「Human Development Report 2001」 15 水利用の歴史 l古くから稲作が発達し、河川水をかんがいに利用 l過去100年間に人口が3倍に増加 l生活用水、工業用水の急増に対処するため、大規模な水資源開発を推進 l近年、人口の伸びが鈍化、耕地面積は減少傾向 日本の耕地面積、人口等の推移 1000 14 都市用水の台頭 900 耕地面積(万ha) 推計人口(千万人) 12 大河川利用 800 大規模水資源開発、 利水システムの整備 10 700 治水・利水の一本化、 大規模土木事業 中河川利用 6 工事困難であった土地の開墾、 戦国大名による治水事業 小河川利用 4 500 推計面積︵万 ︶ 推計人口︵千万人︶ 600 8 400 ha 天水、ため池 による水田 農業 荘園制における比較的小規模な水利用 300 200 2 100 900 1000 1100 1300 1400 1500 1600 1700 1800 1900 2000 0 平成 昭和 大正 明治 江戸 戦国 室町 資料:国土交通省水資源部「わが国の水資源」、2002年 1200 鎌倉 弥生 800 平安 時代区分 600 律令 0 古墳 0 西暦年 16 法制度の整備と開発水量の推移 l増加する水需要量をまかなうため水資源開発を推進してきた l近年は水質保全、環境保全等のニーズがみられる 水道用水のための供給(取水)量と水資源開発施設による開発水量の推移 16,000 年間給水量(総数)※1 14,000 年間給水量(上水道事業)※2 3 水道用水供給量・開発水量(百万 m /年) 18,000 年間給水量(取水量ベース総数)※3 12,000 年間開発水量※4 10,000 8,000 6,000 4,000 ダム等による総合的な水資源の開発 •国土総合開発法(1950) •愛知用水公団法(1955) •特定多目的ダム法(1957) •水資源開発促進法(1961) •水資源開発公団法(1961) 2,000 0 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 年 •河川法(1896) 資料: ※1内閣統計局「日本帝国統計年鑑」 ※2厚生省「上水道業務統計調査」 ※3厚生労働省「水道統計」 ※4日本ダム協会「ダム年鑑2004」 水利用・地盤沈下防止 •土地改良法(1949) •電源開発促進法(1952) •工業用水法(1956) •水道法(1957) •工業用水道事業法(1958) •河川法改正(1964) 水源地域の整備 •琵琶湖総合開発特別措置法(1972) •水源地域対策特別措置法(1973) 水質保全 •下水道法改正(1970) •水質汚濁防止法(1970) •湖沼水質保全法(1973) 環境保全 •環境基本法(1993) •水道原水法(1994) •水道水源法(1994) •河川法改正(1997) •環境影響評価法(1997) 17 降水量の変動 l近年、降水量は減少傾向にあるほか、年間降水量のバラツキが大きい 日本の年降水量の経年変化 2,100 年降水量 2,000 平均 (=1,637mm) 1,900 トレンド 年降水量(mm) 1,800 1,700 1,600 ⑤ 1,500 ② ① 1,400 ④ ③ 1,300 ② ① 1,200 開発当時(20年) 近年(20年) 1,100 1897年 1903年 1909年 1915年 1921年 1927年 1933年 1939年 1945年 1951年 1957年 1963年 (明治30年) (明治36年) (明治42年) (大正4年) (大正10年) (昭和2年) (昭和8年) (昭和14年) (昭和20年) (昭和26年) (昭和32年) (昭和38年) 1975年 1981年 (昭和50年) (昭和56年) 1987年 1993年 1999年 (昭和62年) (平成5年) (平成11年) 1994 (平6) 列島渇水 首都圏冬渇水 西日本冬渇水 1984 1986 1987 (昭59) (昭61) (昭62) 全国冬渇水 1978 (昭53) 福岡渇水 1973 (昭48) 高松砂漠 資料:気象庁資料に基づいて国土交通省水資源部で試算 1969年 (昭和44年) 1967 (昭42) 長崎渇水 東京五輪渇水 1964 (昭39) 18 年降水量の減少 l増加傾向にあるのは北海道及び山陰のみ l関東、中部、近畿臨海では100年で年降水量が150∼200mmも減少 年降水量の地域別トレンド 100年間での増減 0∼50mm増加 0∼50mm減少 50∼100mm減少 100∼150mm減少 150∼200mm減少 注)1900∼2002年の年降水量について、トレンド(回帰直線による)の傾きにより、100年間あたりの増減を算出し、地域別に示す 資料:気象庁資料に基づいて国土交通省水資源部で試算 19 水資源開発施設の実力の低下 lダム等が計画された当時の開発水量を安定して供給できないなど水供給の実力が低下 (m3/s) 100 気象変化による水資源開発水量の実力低下(木曽川水系の例) 計画当時(1/10渇水相当) 近年1/10渇水時 50 1994年渇水時 (約6割) (約3割) 0 昭和20年代前半∼昭和40年代前半の気象 データを基にして1/10渇水で計画しダム建設 が行われた、その施設の開発水量) 近年20年間における気象データを基にした 1/10渇水時における供給可能水量 資料:国土交通省水資源部「平成15年版 日本の水資源」 1994年渇水時における 供給可能水量 20 地盤沈下の状況 l高度経済成長期に地盤沈下が進行したが、現在はおおむね沈静化 代表的地域の地盤沈下の経年変化 る る ま れ 始 さ 掘 認 戸 井 下確 深 沈 で 盤 地 各 地 累積地盤沈下量(cm) 定 策 綱 要 策 定 対 制 等 定 法 水 野 綱策 防止 用 平 下 要 ル ビ 制定 濃尾 策 盤沈 定 正、 法 野、 等対 地 制 改 本 平 止 部 法 基 水 水法 策 佐賀 下防 野北 用 用 対 ・ 沈 平 業 後 工 工業 公害 筑 地盤 関東 0 南魚沼(新潟県六日町余川) -50 -100 -150 筑後・佐賀平野(佐賀県白石町横手) 関東平野(埼玉県鷲宮町東大輪) 濃尾平野(三重県長島町白鶏) -200 新潟平野(新潟県新潟市坂井) -250 大阪平野(大阪市西淀川区百島) -300 -350 -400 関東平野(東京都江東区亀戸) 資料:全国地盤沈下地域の概況(環境省、1999年) 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1900 1910 -500 1890 -450 21 渇水時に顕在化する地盤沈下 l地盤沈下はおおむね沈静化しているものの、渇水年には顕在化する傾向 全国の地盤沈下の状況 福岡渇水( 1978) 40 全国冬渇水(1984) 列島渇水(1994) 2,000 35 30 1,500 20 1,000 面積(km 2) 地域数 25 15 10 500 5 0 0 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 ( 年) 年間2cm以上沈下した地域数 年間4cm以上沈下した地域数 年間2cm以上沈下した面積 年間4cm以上沈下した面積 資料:1978年∼2000年:環境省水環境部地下水・地盤環境室「 2000年度 全国の地盤沈下地域の概況」 2001年:環境省水環境部地下水・地盤環境室「2001年度 全国の地盤沈下地域の概況」 22