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農業系バイオマスによる 国産バイオ燃料生産に関する課題

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農業系バイオマスによる 国産バイオ燃料生産に関する課題
2007.12.16 第1回つくば3Eフォーラム
農業系バイオマスによる
国産バイオ燃料生産に関する課題
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
総合企画調整部 研究調査チーム
上田 達己
バイオマス研究センターの組織
(バイオマス研究統括監)
中央農業総合研究センター (4)
作物研究所 (3)
野菜茶業研究所 (1)
畜産草地研究所 (11)
農村工学研究所 (5)
澱粉・糖質系作物開発・生産(寒地)担当
食品総合研究所 (12)
澱粉・糖質系作物開発・生産(暖地)担当
北海道農業研究センター (7)
セルロース系作物開発・生産担当
東北農業研究センター (5)
油糧作物開発・生産担当
近畿中国四国農業研究センター (6)
畜産廃棄物・食品残渣担当
発酵・微生物系変換技術担当
工学系変換技術担当
カスケード利用担当
バイオマス地域循環モデル担当
九州沖縄農業研究センター (11)
生物系特定産業技術研究支援センター (5)
¾2006年12月設立
¾センターの構成員数:
216名(2007年4月現在)
(カッコ内は担当研究単位数)
http://www.naro.affrc.go.jp/biomass/index.html
農研機構のバイオマス研究の3つの柱
1.
2.
3.
資源作物の
栽培技術・
育種研究
エネルギー・
マテリアル
変換技術研
究
地域におけ
るシステム
化技術研究
1. 栽培技術・育種研究
™ 大量・低コストにバイオエネルギー・マテリアルの原
材料を供給するために、資源作物の栽培技術体系
の確立や品種改良に取り組む
™ 農水省委託研究プロジェクト『地域活性化のための
バイオマス利用技術の開発』(略称『バイオマス』プ
ロ)では、テンサイ、バレイショ、ソルガム、カンショ、
サトウキビを重点化
™ また、稲わら等の作物の未利用部分を低コストで収
集・貯蔵する技術を開発
2. エネルギー・マテリアル変換技術研究
„ 各種バイオマスから、エタノール、メタノー
ル、バイオディーゼルなどの輸送用燃料や
食品素材などの高付加価値マテリアルを
作り出すための技術開発を行う
„ 『バイオマス』プロでは、リグノセルロース系
材料からのエタノール変換を重点的に研究
開発する
3. 地域におけるシステム化技術研究
z 地域の自然条件によって、利用可能なバイ
オマスは異なる
z そこで、各地域にとって最適なエネルギー・
マテリアル変換技術の組み合わせ(システ
ム化)により、効率的な資源循環システムの
構築を目指す
z 『バイオマス』プロでは、北海道から沖縄まで、
全国6箇所にモデル地域を設定し、実証研
究を行う
将来へ向けての研究課題
−特にシステム化の観点から−
国産バイオ燃料生産における課題
™ 既に低い食料自給率を、最低限維持しつつバイオ燃料の生産を目指さなけ
™
™
™
™
ればならない
小規模で散在する農地・林地からバイオマスを収集しなければならない
それにもかかわらず、代替物である化石燃料の水準までコストを低減しな
ければならない
エネルギー収支(正味の生産エネルギー量)がマイナスでは意味が無い
個別の技術開発に加え、地域におけるシステム化を見通した議論も必要
コスト
(背後にはシステム効率)
<バイオ燃料生産シス
テムの規模と効率性
(概念図)>
燃料変換コスト
=工場の中
原料調達コスト
=工場の外
変換プラントの規模(原料収集の地理的範囲)
小 市町村レベル ∼ 都府県レベル ∼ 広域レベル 大
バイオ燃料生産コスト低減の検討方向(1)
1. 単位農地面積あたり生産費(肥料・農薬・
労働などの投入)の削減
2. 単位収量の増加(品種改良)
3. 食用作物生産部門との投入財の共用
4. バイオ燃料の規格の検討(例:含水エタ
ノール(E100) or 無水エタノール(ガソリ
ン直接混合) or ETBE?)
バイオ燃料生産コスト低減の検討方向(2)
5. 残渣からの高付加価値マテリアルの抽出
資
源
作
物
資
源
作
物
主
産
物
燃
料
変
換
収
穫
エ
ネ
ル
ギ
ー
利
用
加
工
残
渣
有
用
物
質
抽
出
収
穫
残
渣
主
産
物
収
穫
収
穫
残
渣
マ
テ
リ
ア
ル
利
用
7. Whole cropの燃料変換
利
用
済
材
料
資
源
作
物
マ
テ
リ
ア
ル
利
用
回
収
燃
料
変
換
損
失
分
6. カスケード利用(廃食用油の利用など)
エ
ネ
ル
ギ
ー
利
用
資
源
作
物
主
産
物
収
穫
収
穫
残
渣
燃
料
変
換
マ
テ
(
食リ
ア
用ル
)利
用
主
産
物
収
穫
収
穫
残
渣
エ
ネ
ル
ギ
ー
利
用
燃
料
変
換
8. 作物残渣の燃料変換
エ
ネ
ル
ギ
ー
利
用
バイオ燃料生産には化石燃料が必要
資源作物
投入エネルギー・資材
(化石燃料など)
産出エネルギー
(BDF、エタノール等)
エネルギー効率:
バイオ燃料のエネルギー生産量/
製造過程の化石燃料投入量
エネルギー効率=1∼2程度
農業・工業両プロセスを
うまくリンクすることによ
り効率の向上が図れる
バガスのボイ
ラー燃料利用
副産物/損失
エネルギー
サトウキビ
(化石燃料
低投入) (ブラジルのサトウキビ
酵母など
エタノール生産の例)
発酵→ 蒸留
エタノール
発酵廃液の
農地還元
エネルギー効率=5∼10程度
絞りかす
(バガス)
エタノール
発酵廃液
まとめ
™ バイオ燃料変換プラントの規模は、原料を
収集すべき範囲と直接に関係する→具体
的な地域における実現(原料供給)可能性
を常に意識すべき
™ 燃料変換工程にかかる熱エネルギーを作
物残渣・ごみ焼却場の廃熱等の非化石エ
ネルギーで代替すれば、エネルギー効率・
CO2削減効果は飛躍的に向上する
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