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戸建住宅のイ ンテリアを考える

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戸建住宅のイ ンテリアを考える
戸建住宅のインテリアを考える
て、台所にはどんな型で調理器具を並べる
リビングと和室をどう組合せるかに始まっ
杯だった。
や街が作られていった。
向う三軒両隣りがそれぞれ協調しあって集落
て建てられていたからお互に奇をてらわず、
観だけで無く、生活そのものまで︶を意識し
置きを買ってつつ込んでおく。
る。家の中に盗れたものは安手の既製品の物
ければ良いだけの観点から干し揚が考えられ
濯物がひらめき、お座敷から手のとどく場所
正面にゴミが⋮散乱し、食堂のすぐ目の前に洗
結果として他人様の家のリビングルームの
か、壁の仕上げは何を使うか、照明器具はど
今日私達が知っている良き時代の良き日本
んなコードペンにするか、床材はと無数に近
に物置きが目ざわりに据えられる。
ては向う三軒両隣りといったコミュニティの
宅地はみにくく、混乱する一方である。ひい
家が多いからコト住まいの外部に関しては住
向うがそうならこちらもと負けてはいない
の家や住宅は全てこうした型で作られて来て
その伝統は消え去ろうとしている。
い撰択要素が列挙されるのだが、それらは全
精々居間の窓先に見える庭をどうするかで
デベロッパーは住まいの内部など考えよう
いた。
精一杯という所だろう。窓から見える隣りの
ともせず、ただただ均質な売り易い土地を如
て家の内部で留まる。
家や、道路のことまでは頭が廻らなかったと
とであり、インテリア、エクステリアの意識
造では、外を作ることイコール内部を作るこ
ど無く、わずかに柱だけで空間を切り取る構
内外の断絶は無か、つた。壁らしい壁がほとん
である。というのは日本の伝統的な住宅には
日本の住宅の歴史でこれは全く新しい現象
に完結した世界になってしまった。
結果としてインテリアは外部と無縁な独自
壁紙のパターンや、照明器具の型や、床材の色
いきおい選択のポイントはマクロになって
それ以上の事を考えようともしない。
具と台所にレイアウトする器具を選ぶだけで
ールクロスとカーペットと長尺床材と照明器
施主達は決められたサンプル帳の中からビニ
どの住宅メーカーの打ち合せ室に行っても
実だけを売り物にして家を作る昨今。.
り出し、住宅メーカーは家の外観と内部の充
考え方を試みて来た。やっと始まった新しい
がった住宅の内部、内に侵透する外部という
とだろう。
開放し外に連なった世界として認識させるこ
のはインテリアを自閉症的に閉じた世界から
大していく状況の中で、今老えねばならない
たらそれは悲劇以外の何物でも無い。増々拡
そんな環境の中に住まわねばならないとし
何に有効に生み出すかだけを考えて宅地を作
など無かった。
といった部分だけにしか関心が行かない。
中間領域だから理解は薄く、抵抗は大きいけ
一言って良い。
数寄屋が透き家であり、内部と外部がどれ
間様とは没交渉の私達家族だけが幸せを創
インテリアは外界と無縁な世界であり、世
外は内と無縁なのだから厨芥やビールの空
てみようと思う。
してインテリアを考える手法をしばらく続け
ンテリアを意識して外部を老え、環境を意識
での住まいは存在し得ないと信ずるから、イ
ほんの十数例の住宅地の設計で私は外に拡
る。
だけ透けていて、連続し合うかがテーマであ
れど、内外が関連を持たないかぎり真の意味
意識も薄れ、人間関係までがギクシャクす
るという。そんな作り方だから部屋から縁、
り出せる甘い糖衣に包まれた空間であれば良
土庇そして庭、はてはその庭の向うに見える
きビンなど家の目ざわりなものはどんどん外
い。
在する位本来の日本の住宅のインテリアは外
部に放り出される。洗濯物は室内から見えな
風景までを意識した“借景”という手法が存
部と一貫した存在であった。
だから家も外部から人に見られること︵外
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