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1.中小部品製造業の厳しい現実 2.下請け中小企業の課題

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1.中小部品製造業の厳しい現実 2.下請け中小企業の課題
1.中小部品製造業の厳しい現実
企業の海外進出
今後国内市場の拡大は期待できず、大手企業が成長を目指す場合、あとは海外市場しか
ありません。しかし新興国の海外市場は価格競争が厳しく、人件費の高い日本製は苦戦し
ています。そこで、大手企業は、海外製造・海外販売に転換しています。
下請け中小企業の選択
下請け中小企業は、「国内で縮小する市場に合わせて規模を縮小するか」、「取引先につい
て海外に進出するか」、大きな選択を迫られています。しかし会社の規模や体力、経営方針
から国内に留まる会社もあります。そういった企業が生き残る手段が、「脱・下請け」
で
す。
「脱・下請け」とは
・特定の 1 社に依存することなく、複数の取引先と対等の取引関係を構築すること。
・自社の価値を PR し、新規顧客開拓ができること。
自社で最終製品を作る(メーカーになる)という意味ではありません。
2.下請け中小企業の課題
単価下落の問題
いまや国内の同業他社だけでなく、中国など海外の企業も競合相手となっています。そ
の結果、大手企業は、海外企業での部品価格を基準に単価引き下げを要求しています。
新規顧客開拓の課題
新規顧客開拓のため展示会、異業種交流会などに参加しても、競合が多くなかなか受注
につながりません。(ブースへの集客もままならないこともあります。)
技術開発の課題
産学官連携などを活用し技術で差別化しようとしても、「将来仕事につながるようなニー
ズがわからない。」、「ニーズがあっても、研究開発できる人材がいない。」という問題があ
ります。
営業能力の課題
新規顧客開拓は、高い営業能力が必要ですが、今まで必要がなかったため、そういった
スキルを持った人材がいません。さらに部品加工の仕事は、飛び込みで営業をかけてもな
かなか取れず、どうやって営業をかけていいのかわかりません。
人材育成の課題
中小企業が他社と差別化できる可能性が最も高いものが、『人』です。しかし先輩社員
のやることを見て学ぶやり方だったため、人材育成の仕組みがありません。また今の社員
は、自分から学ぼうとせず手取り足取り教えないと覚えてくれません。かといって昔のよ
うに厳しく指導すると辞めてしまい、人材育成がなかなか進まないという問題があります。
自社製品の課題
部品加工の利益率の低さから、異業種交流会などをヒントに自社製品に取り組み、収益
改善を図る会社もあります。しかし営業ノウハウ、販路開拓の問題に加え、クレーム対策、
保守部品管理などを新たに行う必要があります。そして製品が事故を起こせば大変なこと
になります。
ISOの課題
取引先の要請や、改善を期待してISOを取得したものの効果が感じられず、毎年の審
査にお金がかかり、維持も大変です。同業者では、認証を取り消しした会社もありますが、
今までに使ったお金や、取引先との関係を考えると中止に踏み切れません。
3.もの造りコンサルティングが考える、課題の解決
弊社では、国内に留まらざるを得ない下請け企業の解決策として、『脱・下請け』を提唱
します。
ゴール=「脱・下請け」
・特定の 1 社に依存することなく、複数の取引先と対等の取引関係を構築すること。
・自社の価値を PR し、営業と顧客開拓ができること。
「脱・下請け」に到達するための過程
中小企業は、企業文化、人材、組織が非常にバラエティに富んでいて、同じ改善手法が
違う会社には通じないことがあります。優先すべき内容も異なります。
これは、ゴールを富士山の頂上とすると、裾野が非常に広く、ゴールに至る道が全部違
うということです。スタート地点が全然違うのに無理に同じ道を通ろうとすれば、ひどく
遠回りになってしまいます。つまり早く楽に頂上に着くためには、まずスタート地点(自
社の立ち位置)を確認し、ゴールまでの最適な道を探すことが重要です。
そこで弊社では、「脱・下請け」にいたる手法は固定せず、個々の会社に合わせて最適な
方法を選択します。
しかし、どんな道を通っても、どの段階まで来たかは確認できます。つまり富士山であ
れば、何合目まで上ったかということです。これが、工程表です。
4.「脱・下請け」への工程表
「脱・下請け」に至るまでには、以下の5つの段階があります。
1.差別化
価格競争を避けるためには最も重要なのは、「差別化」です。そこで現在のお客様のニー
ズに向き合い、それを満たす努力をします。(お客が100%満足していることは、まず
ありません。何らかの不満がある、ということは、そこにニーズがあります。)そのニー
ズを満たす工夫=『自社独自の技術、差別化』を目指します。
【具体例】
金属(鉄)の機械加工で、薄くて長い上に平面度公差が厳しく、精度を確保するのに大変苦労して
いる部品があります。これを精度良く、安く作る技術を追求します。その技術が高くなれば、そ
れをお客様に話すと同様な加工依頼が増えてきます。
2.差別化により高収益化
差別化した技術が、お客様にメリットを提供できれば、そのメリットをお客様に訴えて、
価値を認めてもらいます。これにより今までの取引先でも収益の向上を図ります。
【具体例】
『薄くて長い上に平面度公差が厳しい金属加工』の技術が高まり、同業では出来ないものができ
るようになれば、それなりの価格をお願いします。(簡単には認めてもらえないとは思いますが
努力はします。)
3.新規顧客開拓
差別化した技術を、展示会、ホームページ、新聞などでアピールし、新規顧客開拓につ
なげます。新規顧客はいままでのしがらみがない分、思い切った収益の改善を図ります。
【具体例】
展示会、ホームページ、新聞などでも、『薄くて長い上に平面度公差が厳しい金属加工』の技術
をアピールします。そういう部品で困っている業者から、問い合わせが来るようになります。
新規のお客様には、希望の価格が通りやすくなります。さらにレベルの高い依頼が来れば、その
依頼をこなすように努力し、自社の技術を高めます。
4.差別化を進め、一点が「とがった会社」になる
新規顧客からも課題を頂き、こなすことで独自の技術を磨き上げ、差別化を徹底し、そ
の一点では、一番と言い切れるぐらい「とがった会社」になります。
【具体例】
いろいろなお客様の要望を解決できれば、
『薄くて長い上に平面度公差が厳しい金属加工』では、
地域で一番とPRします。これにより他社と差別化し、新規顧客を開拓します。
5.ゴール=「脱・下請け」
独自の技術(差別化)により、取引先が増え、特定の一社に頼らずにやっていけるよう
になります。独自の技術に相応の対価を支払って頂き、経営を安定させます。
5.もの造りコンサルティングが提供するサービス
中小企業の場合、ゴール=「脱・下請け」は同じでも、ゴールに至る最短の道が異なりま
す。また、最初にやるべき課題、重点課題もばらばらです。
そこで弊社では、手法を固定して提供するのではなく、現状をヒアリングし、経営者様
と協議した上で、「何から始めるか」、「どうやって始めるか」、を決めていきます。そ
の結果、自分の専門分野を超えている場合は、弊社のネットワークを活用し、専門化の協
力を要請します。
提供するサービスは、コンサルティングではありません
コンサルティング=専門知識を持ったコンサルタントの指導、と定義するならば、弊社
の提供するサービスは、コンサルティングではありません。
弊社の提供するサービス=改革プロジェクトマネージャーのアウトソース
活動の主体は、「脱・下請け」を目指す企業のメンバーの方です。弊社では、そこに至る
道のりや、大まかな方法論は示しますが、具体的なやり方はメンバーの方に考えて頂きま
す。
メンバーが立ち止まったりした時は、叱咤激励し、精神的に支えて改革の進行を支援し
ます。最終的には、企業のメンバーが大きく成長し、弊社なしで改革活動が推進できるよ
うにします。
料金体系
基本的には、企業での活動時間をベースに、移動時間などを考慮して算出しております。
頻度が高いほど割安に設定してあります。なお中途解約は、随時可能です。
定期コンサルティング
月1回訪問(現地活動時間1回2時間程度) 6~12万円
月2回訪問(現地活動時間1回2時間程度) 10~18万円
月4回訪問(現地活動時間1回2時間程度) 18~25万円
セミナー、研修
2時間 15万円、6時間 25万円
(交通費は、上記金額をベースに加算させて頂きます。)
「もの造り」
遙か昔、まだ子供だった頃、
粘土をこねて、形を作る。手の中から自動車が、船が生まれた。
やがて、はさみや小刀が使えるようになり、紙を切ったり、木片を削って作る。
それを組み合わせてできたおもちゃの自動車。
自分の手で、ただの木片から形ができる喜び。
それが組み合わさり、おもちゃの自動車ができあがるときのわくわく感。
大人になり、小刀やはさみは、ボール盤、旋盤になり、鉄も削れるようになった。
今「もの造り」の会社では、多くの人が日々機械と向き合い、鉄を削り、部品を作る。
あるいは、部品を組み立て、検査をしている。
日々、時間に追われ、問題が出たり、納入先から叱られたり、「もの造り」は大変だけれど、
でも、日々の中に、数パーセントでも子供の頃感じたわくわく感は、あると思う。
だから、儲からなくても、みんな歯を食いしばってがんばっている。
やっぱり「造ること」が好きだから。
ある展示会で、年配の男性たちが手の中の2個の部品を見て議論している。
素人から見たら、ほとんどわからないわずかな違い。
でも、その違いを克服するのがどんなに大変なことか。
彼らは、それがわかる。プロだから。
こんなプロによって、日本の「もの造り」は支えられている。
その源は、子供の頃のあのわくわく感。
いま、2歳の息子は、目を輝かせて炊飯器のスイッチを押して遊んでいる。
いつか、木を削り、おもちゃの自動車を作るかもしれない。
そんな子供が日本中にいっぱいいる。
この子が大きくなったとき、日本中に一生懸命ものを作っている会社がいっぱいある。
そんな日本にしたい。ほんのわずかな力でも、役に立つなら。
この子たちに、存分に活躍できる場所を残す、これが私の使命です。
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