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まなびの広場 - 和歌山大学

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まなびの広場 - 和歌山大学
まなびの広場
受験においても人生においても
大切なのは “ 自分を信じる ” こと!
以上に周りが
伊藤めぐみ
を懐かしそう
(教育学部学校教育教員養成課程 1 年)
驚いていまし
た」と、当時
に振り返りま
す。
奥様は女子大生! しかもベテランの主婦でもありま
現在は、学
す。伊藤めぐみさん
(36 歳)
。本学の「教育学部学校教
業と主婦業の
育教員養成課程」に通う花の 1 年生。子どもが大好きで、
二足のわらじ。夢を語り合える仲間と一緒に勉学に励ん
現在、
小学校の先生になることを目標に頑張っています。
でいます。「学校では若いパワーをもらっている感じ
伊藤さんも小学校 3 年生と、幼稚園のお子さんを持つ
(笑)。学業との両立で大変なことと言えば、テスト期間
2 児の母。お伺いすると 1 年前までは専業主婦だったの
でしょうか。家事にお休みはないので…ね」と。普通の
だとか。
「生活をしている中でふと、私自身に子ども 2
学生が 1 週間前に追い込むなら、2 週間前に…と計画的
人を育てていける力があるのか疑問に思ったのですよ。
に勉強するのがポイント。「目標を持つこと! そして
自分に “ 生きる力 ” を…と考えた時、教員免許の資格を
自分を信じること! それが受験でも人生でも一番大
取ることを決意しました」と。本学に決めた理由は「近
切」と、人生の決め手になるお言葉をいただきました。
くてお金がかからない国公立」
。しかし教育学部には社
会人入試枠はなく、一般の受験生と同じ大学入試セン
ター試験からのチャレンジ。
「実はセンター試験が去年
の 1 月末で、勉強にとりかかったのがその前年の 6 月…。
準備期間がたったの半年で、主人からも止められました
よ(笑)
」と伊藤さんは話します。26 歳の時に結婚して
からは家事と育児に追われる毎日。
「さぁ勉強だ!」と
張り切って開き始めた参考書は、知り合いのお子さんか
らいただいた中学校の教科書だったと言います。
「もち
ろん主婦業をしながらのことだったので、最初のうちは
1 日 3 時間程度の勉強が限界。主人も教師だったことと、
子どもたちの協力もあり、徐々に時間を増やせても 8 時
間程度が最大でしたね」
。
予備校では 10 代の高校生に交ざって勉強する日々。
周囲からは無謀だとの声もあったのだとか。ご自身も壁
にぶつかり、スランプになる時期も…。伊藤さんは「そ
んな時、主人が “1 個 1 個、石を積み上げていけばいい ”
と励ましてくれて。目の前だけを見て、1 つ 1 つを着実
に身に付けていくことに専念しました」と。半年間の猛
勉強の末、大学入試センター試験を経て、いざ大学入試。
今までの模試では一度も合格圏域の判定を出せずじまい
だったので、ドキドキだったと言います。
「本番に強い
教師の不足や学校問題が取りざたされる昨今。実際、伊藤さんも教員である
ご主人を見ていて「大変だ…」と思うこともしばしば。でもそれ以上に、教師
という生き方に魅力を感じ、ご自身も教員の道に
タイプだったのかしら
(笑)
。私が合格したことに、本人
avenir vol.16
「ECO CAR FESTA 2007」で頂点に
彼らが優勝した、その秘密とは?
和歌山大学ソーラーカープロジェクトチーム
のターンがあるな
どバラエティに富
ん だ 形 態。 当 然、
ドライブテクニッ
クも要求されま
す。レースは 2 回
「このチームで初優勝。これからも結果を残したい」。
走行して、良い記
和歌山大学ソーラーカープロジェクトチームの代表・
録が出たタイムで
小佐田くんは、静かに、でも芯の強さを感じさせる声で
競うルールで、彼
そう話してくれました。
らのタイムは 52 秒 827。2 位との差は 1 秒 662、接戦
大阪府泉大津市で昨年の 9 月 30 日に行われた『ECO
の末、勝利をつかんだのです。
CAR FESTA 2007 in 泉大津フェニックス』の EV ジム
「もともとこのチームを創設した先輩が 4 年間かけて
カーナチャレンジ部門で、チームが優勝を果たして半年
やって来た、みんなで築き上げて来たチームなんです。
あまり。改めてお話を聞きました。
だから結果が残せたことに対して安心しました。走り始
全国から参加者が集結したこの大会は、ソーラーカー
めた時点で責任は僕のものになるので…とにかく、安心
とエコノムーブ、それにジムカーナの 3 部門が行われ、
しました」と振り返ってくれたのは、レースでドライバー
彼らが優勝したのはジムカーナ部門でした。ジムカーナ
だった田嶋くん。
とは、スラロームなどのテクニカルなコースで 1 台ごと
「1 人ではできないし、2 人でもできない。みんなで
のタイムを競うモータースポーツのこと。
力を合わせないとレースに臨めないし、ドライバーが
「当日はずっと雨だったんです。特に大変だったのが、
乗ったとしても、ピットで支えるメンバーがいないと完
ピット作業。屋根もない所で横風も強い。トラックの中
走できないんです」とは、メンバーの山路くん。
でしか作業ができなかったんです」と小佐田くん。
とにかくみんな口を揃えるのが、フォア・ザ・チーム。
コースは、S 字のコーナーやシケイン、果ては 360 度
メンバーは喧嘩もせず、仲が良いのだとか。意見をぶつ
昨年の 8 月に鈴鹿サーキットで行われた
「Dream Cup」のスタート直前。
余裕
(?)
のピース
け合ったりなど、ほとんどないのだと言います。
「マシンの設計は僕が担当するんですが、とりあえず
たたき台を作って、みんなで検討する。その中で『ちゃ
うやろ、ここ!』と言われたら、『はい、そうです』み
たいな(笑) そんなノリです」と小佐田くん。彼の真面
目で朴訥とした雰囲気が、チームを 1 つにまとめている
のかもしれません。
今 後 は、 今 年 の 8 月 に 鈴 鹿 サ ー キ ッ ト で 行 わ れ る
「Dream Cup」と呼ばれる世界大会に向けて、ソーラー
カーで 3 回連続出場するべく準備しています。
「鈴鹿でのレースは、世界大会。学生の立場で、頑張っ
て世界を目指していることに、誇りを感じています。み
んなでまとまって、良い結果を残したいです」。
学業との両立は簡単ではありませんが、彼らのチーム
「ECO CAR FESTA 2007」のレース後。優勝トロフィーを手にすると
疲れも吹き飛びます
ワークが世界に挑む今年の夏。今から待ち遠しいですね。
2008.03[アヴニール]
気になる先生にインタビュー。
和田俊和
解し、さらに心の動きを判断する “ 認識 ” に着目。人が
教授
(システム工学部・情報通信システム学科)
持つこの最も根本的な機能をコンピューターや画像、迷
惑メール処理などに応用する研究を進めているのです。
「パターン認識は “ 人工知能の一部 ” と言えば、わかり
やすいでしょうか。日本は認識について、古くから研究
「誰にも負けない唯一の
“価値”
を…」
を進めており世界からも注目されています」と和田教授。
“なぜ”
に込められた探求者としての思い
今では当たり前のようになっている郵便番号の読み取り
装置や、道路で車のスピードを測定する N システム、ゴ
学生からの声を受けて今回登場したのは、システム工
ミ処理場でのゴミ分類装置なども、その認識の研究が成
学部・情報通信システム学科の和田俊和教授。
「話が面白
果となった実例。和田教授自身も、認識に興味を持ち始
くってわかりやすい!」
「大きい体のせいか人柄か
(笑)、
めたのは小学生の時だとかで、「なぜ人は自我を持って
あったかくって親しみやすい!」などの声がちらほら。
いるのか」などを日々考える子ども時代だったと言いま
学生から熱い信頼を寄せる、面白くってあったかい、和
す。「“ なぜなぜ ” と聞くのが好きな子どもでね。あまり
田教授にスポットを当てました。
にも頻繁だったので、最後は百科事典を渡されて自分で
そもそも和田教授が本学の教授として着任されたのは
調べなさいって言われましたよ(笑)」。
平成 14 年 9 月。研究へのさらなる邁進と、未来のシス
和田教授を印象づける特徴的な質問が「なぜ」という
テムエンジニアに求められる創造性を育てるため。目ま
言葉。
「花咲か爺さんに出てくる犬は “ なぜ ” ポチなのか」
ぐるしく進化する高度情報化社会の一端を担う、IT スペ
「りんくうゲートタワービルは “ なぜ ” ゲートと名前が付
シャリストを育成しています。そんな和田教授のキー
いているのか」など、雑学を交えながら学生に問いかけ
ワードとなるのが「パタ-ン認識」
。人はなぜ、目の前
ます。「実はこの “ なぜ ” の中に、世の中の仕組みや面白
に置かれたペンを「これはペンです」と判断するのか…。
さが隠れているのです。それを自身で調べ上げ、答えを
和田教授は、ある物事を知り、その本質・意義などを理
見つけることの喜びを実感して欲しい」と。“ なぜ ” を
通して教える探求者としての本分と喜び。「人生をかけ
られるだけの面白いものを見つけることが今、学生諸君
に与えられた役 割。
考えることをやめな
いで、常に自分自身
を刺激し、誰にも負
けない唯一の“価値”
を探し出 し て 欲 し
い」と、学生たちに
アドバイス。“ なぜ ”
という問いかけが、
さまざまな分野で活
躍する未来の探求者
を生み出すのです。
本学の “ なぜなぜ ” 先生として知られる和田教授。「最近は学生に問われ
ることを先回りして答えを用意していますよ(笑)」と
avenir vol.16
教授の思いを知ってか知らずか“なぜなぜ ”と
主張し合い、
「パターン認識」の研究を進める
学生たち
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