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平成22年度~平成26年度

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平成22年度~平成26年度
平成 27 年 8 月
「職場で取り組む子育て推進プログラム~第 2 期 仙台市特定事業主行動計画~」
(平成 22 年 4 月~平成 27 年 3 月)の実施状況について
1.報告の目的
急速に進行している少子化への対策として,平成 15 年 7 月に「次世代育成支援対策推進法」(以下
「次世代法」。
)が成立した。次世代法に基づき,国及び地方自治体の各機関は,職員に対する次世代
育成支援対策の内容等をまとめた特定事業主行動計画を策定することとされ,本市では平成 17 年 4 月
に「職場で取り組む子育て推進プログラム」
(第 1 期行動計画)を策定,平成 22 年 4 月には第 2 期行
動計画を策定した。
平成 27 年 4 月には,平成 26 年度までの時限法であった次世代法が法改正により 10 年延長となった
こと,また,第 2 期行動計画の計画期間が終了することに伴い,第 2 期行動計画を受け継ぐかたちで
第 3 期行動計画を策定した。
この報告は,第 2 期行動計画の実施状況を総括するとともに,第 3 期行動計画において取り組むべ
き課題を明確にし,取り組みの着実な実施に役立てることを目的とするものである。
2.具体的な取組内容
実施期間における具体的な取り組み内容は以下のとおりである。
項
目
22 年度
制度の利用促進策など
制度の新設・改正など
・育児休業中の職員に対するメール配信開始
・育児休業の拡充(6 月)
※育児休業中の希望する職員に対し,制度の改
①
正,セミナーや研修等の情報をEメールにて配
配偶者の産後休暇期間中に育児休業を取得
した男性職員にかかる再取得
信するもの。
※配偶者が子を出生した日から 57 日以内に,
男性職員が最初の育児休業を開始し,かつ,
・「復職前連絡票」の活用開始
終了した場合は,特別な事情がなくとも,そ
※復帰後の業務内容や業務分担等について,「復
職前連絡票」を用いて事前に所属長と相談する
の後の再取得を可能とした。
②
育児休業再取得要件の緩和
機会を設けるほか,職員の希望に応じて職場を
※最初の育児休業承認の際に育児休業計画書
訪問し,復帰にあたっての不安を解消してもら
を提出し,当該育児休業終了後 3 月以上経過
うもの。
した場合には,配偶者と交互に育児休業を取
得するかにかかわらず,育児休業の再取得を
・育休復帰応援座談会の開催開始
可能とした。
※育児休業からの円滑な職場復帰を支援するた
③
育児休業(部分休業含む)取得要件の緩和
め,育児休業復帰間近の職員が,育児休業経験
※配偶者が育児休業をしている場合や常態と
者へ自らが抱える不安等を相談できる場を提
して子を養育可能な場合も,育児休業の取得
供するもの。
を可能とした。
1
項
目
22 年度
制度の利用促進策など
制度の新設・改正など
・キャリアデザイン研修の実施
・子の看護休暇の拡充(6 月)
※職員研修所開催
①
取得事由に,「子の疾病の予防(予防接種や
健康診断)が必要な場合」を追加した。
②
取得日数が,一年度につき,対象となる子が
1 人の場合は 5 日(40 時間)
,対象となる子
が 2 人以上の場合は 10 日(80 時間)とした。
③
職員以外に看護可能な者の有無に関わらず,
現に子の看護を行う場合には認めることと
した。
・超過勤務の制限(6 月)
①
3 歳未満の子を養育する職員の超過勤務制限
の新設
※3 歳未満の子を養育する職員が請求した場
合,当該職員の業務を処理するための措置を
講ずることが著しく困難である場合を除き,
超過勤務を免除することとした。
②
小学校就学前の子を養育する職員の超過勤
務制限の要件の緩和
※配偶者が常態として子を養育可能な場合で
も,小学校就学前の子を養育する職員が請求
した場合,当該職員の業務を処理するための
措置を講ずることが著しく困難である場合
を除き,1 月 24 時間,1 年 150 時間を越える
超過勤務をさせないこととした。
23 年度
・特になし
・特になし
24 年度
・ワーク・ライフ・バランスセミナーの実施
・子の看護休暇の拡充(7 月)
※職員研修所開催
※取得対象を「小学校 3 年生までの子」から「小
学校 6 年生までの子」とした。
・期末手当に係る在職期間の計算変更(7 月)
※育児休業の期間の 1/2 を在職期間から除算して
いたが,承認された育児休業の期間が 1 月以下
である場合は,当該育児休業の期間は在職期間
から除算しないこととした。
25 年度
・《所属長向け》育児参加促進チェックシート
・特になし
の作成
2
項
目
26 年度
制度の利用促進策など
制度の新設・改正など
・「仕事と子育ての両立に関するアンケート調査」
実施
・育児時間の拡充(7 月)
①
取得対象を「生後 1 歳半に達しない子」から
「生後 2 歳に達しない子」とした。
・キャリア形成支援セミナーの実施
②
※職員研修所開催
配偶者が子を養育可能な場合でも,男性職員
の育児時間取得を可能とした。
3
3.数値目標の実績推移
(1)配偶者出産補助休暇又は男性職員の育児参加のための休暇の取得率:100%
①
計算方法
○出産件数:当該年度に出生のあった件数(県費負担教職員を除く)
○取得者数:当該年度の配偶者出産補助休暇又は男性職員の育児参加のための休暇取得者数
○取得率:取得者数/出産件数×100%
②
制度改正等
該当なし
③
実績推移
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
出産件数(件)
220
196
219
213
193
190
189
181
182
161
取得者数(人)
180
170
183
167
152
143
138
140
156
146
81.8%
86.7%
83.6%
78.4%
78.8%
75.3%
73.0%
77.3%
85.7%
90.7%
取得率
配偶者出産補助休暇又は男性職員の育児参加のための休暇の取得率
100.0%
95.0%
90.0%
取
得
率
85.0%
80.0%
75.0%
70.0%
17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
第 1 期行動計画
④
第 2 期行動計画
評価
取得率は,平成 18 年度の 86.7%をピークに減少してきていたが,平成 24 年度からは増加傾向に
あり,平成 26 年度には初めて 90%を超えた。
平成 26 年 6 月に実施した仕事と子育ての両立に関するアンケート(以下「職員アンケート」。)に
おける制度の認知度では,配偶者出産補助休暇が 72%,男性職員の育児参加のための休暇が 87.7%
となっており,制度の認知度がこれまでの調査時と比べ向上していない。目標値 100%の達成には,
基礎的な情報提供の充実に加え,該当職員への直接的な情報提供ができる仕組みづくりを行う等,
周知方法の見直しが課題である。
4
(2)育児休業又は部分休業の取得率:男性 5%
①
計算方法
○出産件数:当該年度に出生のあった件数
○取得者数:当該年度の育児休業又は部分休業開始者数
○取得率:取得者数/出産件数×100%
②
制度改正等
(H22)育児休業の拡充 ,
(H24)期末手当に係る在職期間の計算変更
③
実績推移
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
出産件数(件)
237
224
284
233
217
208
212
208
229
229
取得者数(人)
1
1
6
4
4
11
5
1
5
28
0.4%
0.4%
2.1%
1.7%
1.8%
5.3%
2.4%
0.5%
2.2%
12.2%
取得率
男性の育児休業又は部分休業の取得率
15.0%
12.5%
10.0%
取
得
率
7.5%
5.0%
2.5%
0.0%
17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
第 1 期行動計画
④
第 2 期行動計画
評価
男性職員の取得率は,平成 22 年度は取得要件の緩和などもあり,初めて目標値である 5%を上回
った。平成 26 年度は年度当初に市長からの呼びかけもあり,特に市長部局における取得者数が増加
し,目標値を上回った。
今後,恒常的に目標値を上回るには,男性職員の育児参加への気運の高まりを次年度以降にもつ
なげ,制度周知をはじめ,さらなる取得促進策を講じていかなければならない。さらに,職員アン
ケートの結果より,育児に対する考えにおいて,男女間及び年齢層で格差のある現状を,意識啓発
等により改善していく必要がある。
5
(3)職員 1 人当たりの年間超過勤務時間数:前年度未満
①
計算方法
○対象人数:全職員から管理職員など超過勤務手当の支給対象外の者を除いた数
○総時間:対象職員が当該年度に行った総超過勤務時間数(休日給及び選挙の応援勤務を除く)
○1 人当たり超過勤務時間数:総時間/対象人数
②
制度改正等
該当なし
③
実績推移
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
対象人数(人)
8,956
8,732
8,639
8,402
8,072
7,911
7,999
8,170
8,125
8,209
総時間(時間)
1,448,090
1,416,430
1,415,074
1,419,990
1,407,802
1,774,890
1,910,512
1,707,896
1,699,869
1,787,084
161.7
162.2
163.8
169.0
174.4
224.4
238.8
209.0
209.2
217.7
平均(時間)
年間超過勤務時間数
250
200
時 150
間
数 100
50
0
17年度
18年度
19年度
20年度
21年度
第 1 期行動計画
④
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
第 2 期行動計画
評価
1 人当たりの超過勤務時間数は,平成 17 年度から増加の一途をたどり,平成 22 年度,平成 23 年
度においては震災による復興関連業務などの影響もあり,さらに大きく増加した。平成 24 年度に前
年度より 30 時間ほど減少したものの,その後徐々に増加傾向にあり,前期計画策定当時と比較する
と未だ高い数値となっている。
行政需要の高度化・多様化や行財政改革による職員配置の見直しに伴い,職員一人ひとりに求め
られる業務の水準は質・量とも高まりつつあり,仕事の進め方の抜本的な見直し等,
「働き方の改革」
を進めていくことが重要である。
6
(4)年次有給休暇の 1 人当たりの平均取得日数:前年度以上
①
計算方法
○対象人数:全職員から短時間再任用と 1 年間全休者を除いた数
○総日数:対象職員が前年度に取得した総年次有給休暇日数
○1 人当たり年次有給休暇取得日数:総日数/対象人数
②
制度改正等
該当なし
③
実績推移
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
対象人数(人) 10,285
10,158
9,797
9,641
9,386
9,336
9,376
9,546
9,536
9,579
総取得日数(日) 140,647
138,940
134,068
128,205
124,286
119,877
116,424
117,240
121,106
119,396
13.7
13.7
13.7
13.3
13.2
12.8
12.4
12.3
12.7
12.5
平均(日)
年次有給休暇取得日数
14
12
10
日
数
8
6
4
2
0
17年度
18年度
19年度
20年度
21年度
第 1 期行動計画
④
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
第 2 期行動計画
評価
年次有給休暇取得日数は,平成 19 年から 5 年連続で減少した。平成 25 年度に前年度より増加と
なるが,第 2 期計画期間では一度も 13 日を上回っていない状況である。
職員アンケートでは,年次休暇を取得しやすいと感じない職員が 5 割を超えており,その理由と
して,他の職員に迷惑がかかる,後で多忙になる,業務の性質上カバーが難しい等が挙げられてい
る。今後はより一層の業務遂行体制の工夫・見直し,職場の意識改革が必要である。
7
4.第 2 期行動計画の課題及び第 3 期行動計画の策定について
(1)第 2 期行動計画の課題
第 2 期行動計画では,配偶者が常態として子を養育可能でも育児休業が取得可能になる取得要件緩
和などの制度的拡充と,育児休業中職員へのメール配信や育休復帰座談会の開催開始,キャリアデザ
イン研修,ワーク・ライフ・バランスセミナーの実施など,より子育てをしながら働きやすい職場環
境づくり,育児参加の意識啓発を目的とした取り組みを行ってきた。
男性職員の育児参加については,
「配偶者出産補助休暇又は男性職員の育児参加のための休暇の取得
率」は平成 24 年度から向上しているものの目標値の 100%には届かず,
「育児休業又は部分休業の取
得率」は平成 22 年度に初めて目標値の 5%を上回り,平成 26 年度には 12%を上回ったが,平成 24
年度には 1%を割り込むなど,恒常的に目標が達成されていたとは言い難い状況である。
また,超過勤務及び年休取得状況については,平成 22 年度の震災の影響が大きく,第 2 期行動計画
策定時に参考とした平成 20 年度実績に比べ,すべての期間で「年間超過勤務時間数」は増加,
「年次
有給休暇取得日数」は減少という結果になっている。
第 2 期行動計画で課題としている「子育て支援制度を利用しやすい環境づくり」や「職員のワーク・
ライフ・バランス」は引き続き解決すべき課題として捉え,課題解決に向けた取り組みのさらなる検
討・見直しを行う必要がある。
(2)第 3 期行動計画の策定
平成 27 年 4 月に策定した「職場で取り組む子育て推進プログラム~第 3 期仙台市特定事業主行動計
画~」
(第 3 期行動計画)では,第 2 期行動計画の数値目標の達成状況や,職員アンケートから明らか
となった課題の解決へ向け,以下の基本的方向から具体的な取り組み事項を設定し,実施していくこ
ととしている。
① 育児関連制度の拡充と情報提供の充実
職員の家庭環境や子育てに対する考え方などに応じて,柔軟に働き方を選択できるよう,育児関
連制度の充実を図る。また,これらの制度を安心と納得をもって積極的に利用できるよう,情報提
供や職場復帰のための支援を行う。
② 男性職員の育児参加の促進
子育ては男女が家族としての責任を分かち合い,協力して行うべきものとの基本認識に立ち,男
性職員の育児参加を促進するための取り組みを行う。
③ 仕事と子育ての両立を支える取り組みの推進
職員が育児休業等の子育て支援制度を利用する際に,業務に支障が生じないよう働き方や業務分
担の見直しなどを行うとともに,職場の実情に合わせて適切に代替職員の配置を行う。また,職員
が子育てをしながら仕事において能力を十分に発揮できるよう,職員の活躍を推進する取り組みを
行う。
④ ワーク・ライフ・バランスが実現できる環境づくり
ワーク・ライフ・バランスに関する理解を深めることを通じて,仕事と子育てを両立しやすい組
織風土の醸成を図るとともに,それを実現可能とするために必要な「働き方の改革」を進める。
8
⑤ 職員の意識改革と組織風土の醸成
行動計画の趣旨や内容等について,改めて情報提供や制度周知などにより職員の理解を促し,仕
事と子育ての両立に関する意識の向上を図るとともに,ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた
組織風土の醸成に取り組む。
(3)第 3 期行動計画における数値目標
第 3 期行動計画においては,ワーク・ライフ・バランス及び男性職員の育児参加の重要性を踏まえ,
その取り組みの成果を測るために以下の 4 つの数値目標を掲げている。
①
配偶者出産補助休暇又は男性職員の育児参加のための休暇の取得率:100%
②
男性職員の育児休業取得率:15%以上
③
職員 1 人当たりの年間超過勤務時間数:前年度未満
④
年次有給休暇の年間取得日数 10 日以上の職員の割合:80%以上
9
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