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詩における句の考察-アイルランド語の 4 強勢詩行

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詩における句の考察-アイルランド語の 4 強勢詩行
Kobe University Repository : Kernel
Title
詩における句の考察-アイルランド語の4強勢詩行-
Author(s)
菱川, 英一
Citation
今を生きるケルト-アイルランドの言語と文学-,:81106
Issue date
2007-03
Resource Type
Book / 図書
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/90001010
Create Date: 2017-03-29
Ⅰ 詩 における句 の考察
- アイルラン ド語の 4強勢詩行
菱
川
英
一
1
. 理論的前提
1
.
1
. 書 の役割
コ ミュニケー シ ョンは 7割が音調 、3割が意味 による とされる。
音は、意味 に奉仕する限 りにおいて役立つ との詩の捉 え方 もあろ う。 しか
し、伝 え られるメ ッセージの7
割 は音 な どが支 え、意味 は残 り 3割 に過 ぎな
い。
この ことは、聞取 られ、口承 される詩の場合 、 きわめて重要である。読 む
ことを専 ら想定 した詩 とは事情 が違 う。
1
.
2. 韻 律
日本語では 「
韻律 」と謂 い、韻が先 に来 るけれ ども、 アイルラン ド語詩人
の場合 、 まず律 を基 に詩行 を組立 て、そ こに韻 を鎮 め てゆ くように思 われ
る。つ ま り、基本的 には、 リズムが詩の型 を決定 し、韻はその上 に載 る、あ
るいは韻は リズムを補 強す る役割 を果 たす と言 える。
その リズムは強勢詩の場合、強勢が作 り出すが、 これはアイルラン ド語 そ
の ものが強勢に よる リズム を備 える言語であることに由来す る。 この ような
言語 を強勢拍律言語 (
強勢拍 リズム言語)とい う。 英語 では s
t
r
e
s
s
t
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a
n
-
g
u
a
g
eと称す る 英語 も強勢拍 リズム を有す る言語である
。
。
アイルラン ド語強勢詩において リズムは、小 さいほ うか らは、 まず、詩脚
t
r
i
p
l
er
h
yt
h
m)と 2
内 リズムに現 れる。それ には、一般 に 3拍 子 の リズム (
拍子の リズム (
d
u
p
l
er
h
y
t
h
m)とがあ り、 アイルラン ド語詩人は圧倒 的に前者
を好 む。それは、前者のほ うが変奏の種類が遥 か に多 く、作 っていて面 白い
か らだ と考 え られる。
- 8L-
今 を生 きるケ ル ト
3拍子 の リズムの基本 型 は (1
)タタタと (
2)タ一 夕である。 仮 に楽句 に喰
えるな らば (
I
)四分音符 3つの型 と、(
2)二分音符 1つ +四分音符 1つの型
になる。
3拍子系の リズムの基本型は様 々の変奏 を生 む。楽句 の喰 えを続 ければ、
四分音符が八分音符 に分割 されることもあれば、附点音符す ら使用 されるこ
ともある。附点 の場合 には、通常の ビー ト感 とは異 なるグルーヴが発生 し、
ジ ャズや ラグ タイム等 でい うシンコペ ー シ ョン的 な 「ノ リ」になる 即 ち、
。
アクセ ン トが柏の表で な く、裏 に来 る。
詩脚が 2つ以上集 ま り句 を成す とき、句は明 らか な リズムの まとま りと聞
c
a
e
s
u
r
a
)を含 む様 々な技巧 によ り区切
こえる (
後述)。句 と句 とは行 内休止 (
られる (
後述)
。 さらに句が集 ま り行 を成す とき、 よ り大 きな リズムの まとま
りとなる。行が複数集 まって連 あるいは節 となる とき、 さらに大 きな リズム
を成す。 これが次 の連 に続 き、 1番、2番 、3番 となる とき、詩歌で一番大
きな リズムの うね りが発生す る。
韻の中で、最 も重要 な役割 を果 たすのは母音韻であ り、ほか に頭韻な ども
用い られ る。母音韻 は句末 を画す重要 な役割 を果 たす (
後述)
0
1
.
3. 考察対象
ここでは 1
65
0年以降の行 当 り 4強勢 (
以上 )の アイル ラ ン ド語の強勢詩
にお ける句 を考察 の対象 とす る。行 当 り 3強勢 までの短い詩行 と異 な り、4
強勢以上 となる と、 l行 に必ず 2つ以上の句が存す る。
聞 く側 に立 てば、4強勢以上の諸行 を聞 く際 には、行 を一塊 として聞 くま
r
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y
t
h
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cg
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o
u
p
s
)を一塊 として聞 き
えに、 (
行 よ り小 さい)リズム上の集合 (
が ちであ る。 これは脳 における グルー ピングの傾 向 に よる もの と考 え られ
る。 そ して、 この リズム上の集合 がほぼ句 に合致 する。
即 ち、聞 こえて くる ものは まず リズムの まとまりとして提示 され、 リズム
な くしては聞 き手 は強勢 詩の メ ッセ ージ を きちん と受取 れない。 この こと
は、 目で読 まれるため に書 かれた詩 とは決定的 な違 いである。
-8
2-
詩 におけ る句 の考察
1
.
4. 旬 強 勢
句であるな らば、句強勢が発生す るはずである。 即 ち、句構造 において前
の語 よ りも後の語 のほ うが強 くなる、中核 強勢規則 (
NSR:Nucl
ea
rSt
r
es
s
Rul
e)による現象である。1
4強勢詩行の場合、行当 り2つの句が存在する。 各句 の内部で、句 の前半
要素 よ りも後半要素のほ うが強 く発音 される。 さらに、各要素が備える リズ
ムは 3拍子 リズムの場合が多 く、 もちろん 1拍 日が強 く発音 される。歌 な
らそ こが小節の開始の強柏 に当たる。
1
.
5. アイル ラン ド語 強勢詩の リズム
アイルラン ド語強勢詩において リズム を決定 するの は強勢であ り、 さらに
詩脚内部の リズムには苦節数 および母音の長短 が関与す る。強勢のある音節
が詩脚の始 まり、即 ち楽句で言えば小節 の始 ま りになる。
音節数は音節詩 (
後述)におけるほ ど固定 されてはいない。母音の長短は、
楽句 で言 えば音符の長 さになる。
非強勢音節 における長母音は韻律分析上は長の扱 いになるが、聴覚上は強
勢音節 における長母音 よ りは短 く聞 こえる場合が多い。それで も、 リズムを
画す る始点 についてはい ささかの揺 る ぎもな い
。
1
.
6
.句 境 界
4強勢詩行 において、2つの句の境 界 (
phr
a
s
ebounda
r
y)は第 2詩脚 と第
3詩脚 の間 (しば しば第 2詩脚 の真 ん中)に来 る。
2句の境界 を画 し、かつ 2句 を結 びつける詩的技巧 の一つ に紐帯母音韻 と
も呼ぶべ きものがある。 これは、 アキル (
ai
c
i
l
l
)の名で呼 ばれる。 アキルは
元々 8世紀以降のアイルラン ド語詩について、 中期 アイルラン ド語 の韻律学
2 -股 には音節詩 における韻の一種 として知 られる。
者が用いた名称である0
2世紀末か ら 1
7世紀初 め頃のアイルラン ド語 の詩 に見 られ
音節詩 とは 1
る、音節数 を組織化 の原理 と し、文学的雅語 (
l
i
t
e
r
a
r
ydi
a
l
e
c
t
)を用 いて作 ら
れた詩のことである。
3 音節詩におけるアキルはある行末の語 と次行の冒頭 ま
たは中ほ どの語 との韻 (
母音が一致 し、子音が同質かつ同 クラスであること)
- 83-
今 を生 きるケル ト
を指す。次行の行末の語 とではない。4
これはあ くまで音節詩での話であ り、強勢詩行 を構成する句 に関わる技巧
とは分 けて考 えるべ きである。
音節詩 においてリズムを決するのは行末単語の音節数である。5 また、音節
詩 において、決 まった位置 の強勢 は句末のみである。
強勢詩 においてアキルの機能 を補強す る詩的技巧 に、頭韻や (
水平的)母
音韻 などがある。 これ らの技巧 は行 の内部で横 方向 に働 く。
頭韻 は必ず連続 す る強勢音節 どうLで起 きる。
I
.
7
. 句 と母音韻
強勢詩 においてアキルの ような紐帯 (
c
e
a
nga
l
)を成す母音韻が存在す るの
は興味深 い。6 その背景 には、句 にまつわる一つの現象が経験的に知 られてい
る。 それは、句 があれば、必ず その句の最後 に母音韻があることである。 そ
の母音が次の句の頭の強勢母音 と一致する場合はアキルである(
例 えば、後述
の 4強勢詩行 AB:
BR 型の B)。
これに対 し、句 の最後の強勢母音が次の句 の頭の強勢母音 とは違 う場令 も
ある。 その場 合 には、句 と句 との境 界は、いかに画 されるか。
ある場合 には、強勢母音の違いによる(
例 えば、後述の 4強勢詩行 AA:
BR
型 の A と B)
。
別の場合 には、重 アキル (
a
i
ci
l
ldh山)
ha
l
t
a)に よる。 例 えば 6強勢諸行 に
おいて、2詩脚 にまたが る母音韻の組合せが句境界の両側 に配 される ことが
ある (
後述)07
行内休止 も、 もちろんその役 目を果たすが、句境界 と行内休止 とを比較す
れば、強勢詩 においては、行 内休止 は必ず句境界である と言 えるが、句境界
は必 ず しも行 内休止ではない。8
1
.
S
.行
本論 は句 を論 じるのが 目的だが、行 について も一言する。 強勢詩 における
脚韻 は行末の強勢音節 の母音韻 (
的特徴)である。9 脚 韻は韻律的に完結 した
-8
4-
詩 におけ る句の考察
まとま りどうLを区切 る機能 を果 たす。無論 、脚韻のある行 どうLは結 びつ
く。
強勢詩 において行 と行 とを結 びつける詩的技巧 には、 (
垂直的)母音韻 もあ
る。 垂直的 とは、ある行 の第 1詩脚 と次行 の第 1詩脚 とが同 じ強勢母音 を
有する ような、縦 の関係 を言 う。
1
.
9
.図 式 化
以上、概略 を述べた 4強勢詩行の構成について図式化するならば、AB:
BR
または AA:
BR の二種類の構成法がある (
後述 )
.A と B とは母音韻の種類
脚)韻 、 コロンは句境界 を示す。AB:
BR 型 における B はア
であ り、R は (
キルである。
(
後述のロスクを除 き)アイルラン ド語強勢詩 において行の組織化 を担 う基
本単位 は句である。 句 は 2または 3強勢か ら成 る韻律 上の単位 であ り、句
と句 とは種 々の技巧 (
母音韻、頭韻、子音韻 な ど)に よ り結 びつ け られる。
行は句が組合 され脚韻 に よって終わる。川 前述 のアキル等 を考 え併せ る と、
句境界お よび行末 に、ほぼ必ず何 らかの技巧 (
母音韻 と脚韻)
が施 されている
ことになるが、その母音 の強い響 きが強勢諸行 の骨格 をが っち り支 えてい
る。11 行内の各句末 に母音韻があ り、行 の最後の句末 は行末 に一致す る。
まとめて言 うと、強勢詩行では句末の母音韻 が音調上の装飾的技巧の中心
である。ただ し、句境界その ものは基本的 には強勢 を基 に した リズムの組立
てによ り画 される。母音韻等 はそれを補強す るのが本来の役割である。 もっ
とも、句 をめ ぐる諸行 の組立ては、韻律の型によって リズムや韻の役割が変
わって くることに注意が必 要である。
以下、本論では限 られた例 について、主に句境界 に留意 しつつ、句の実態
を幅広 く考察する。 理論的 な面 については適宜、上述 を参照 していただ きた
い。強勢詩の全体像 を傭暇す る目的 もあ り、2強勢詩行 か ら 8強勢諸行 まで
を実例 として取上 げる。
1
2
なお、行当 りの詩脚 の数は 2か ら 1
5までの幅がある。詩脚数が 5や 6く
らい までは 1行で、それ より多 くなれば折返 して表記 される ことが多い。連
当 りの行数で強勢詩 を分類する試み
ノ
(
Ta
d
h
gODo
n
n
c
h
a
d
h
aな ど)もあるが、
- 85-
今 を生 きるケル ト
書 かれ た形 だけ を見 て詩型 を判 断す る愚 は厳 に避 けなけれ ばな らない0
2. 2強勢詩行
1行 に 2つ または 3つ の強勢 を含 む タイプは、 ア イル ラ ン ド語 の強勢請
r
os
c)と称 す る。13
の 中で最古 の型 と言 われ る。 この韻律 は ロス ク (
現代 ア イル ラ ン ド語 (
約 1
65
0-)にその例 を求めるな らば、 アイ リー ン ・
Ei
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l
'
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'Chona
iH)作 の rアル ト ・オ リー レの哀
ドゥヴ ・ニ ホナル (
Caol
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ne
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〝UL
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Lao
ghai
r
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8世紀 後半)に見出 される。14 詩脚 を縦
歌 」(
線 で 区切 り文法 的切 れ 目を斜線 で示 して引用 す る。
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1
6
愛 す るかた、大事 なかた、
あ なたの穀物 の山は立 ってい ます し、
あ なたの黄褐色の牝 牛 は乳搾 りの最 中です。
わた しの心 を覆 うあ なたの悲 しみ は
仝 マ ンス ター を もって して も
アイル ラ ン ド中の妖精 医師で も癒 す ことは叶 い ませ ん。
非業 の最期 を遂 げた夫 の埋 葬 に際 し妻 アイ リー ンが発 した とされる嘆 きの
言葉 であ る。 連頑 を想 わせ る短 く力強い ロス クは、 この ような死者 に対す る
哀歌 や祈 りや諺 な どに向 く韻律 とされ、 アイル ラ ン ド語 の詩型の 中で最 も奥
-8
6-
詩 におけ る旬の考察
深い伝統 を人々に感 じさせ る特別の ものである。17
各行 には 2つの強勢がある。 第 1詩脚 の前の弱音節 は行首余剰音 (
r
ut
ha
g)
である。18 第 2詩脚 の母音 は殆 ど /
u:
/である。
これ らの 2 つの強勢 の まわ りにはそれぞ れ小 さな文法 的 まと ま りが あ
る。19 それは殆 ど 「
句 」と呼 びた くなるほ どであるが、強勢詩の句 は 2ない
2
0
し 3の詩脚か ら成 る と定義 されるか ら、句 とまでは言 えない。
しか し、 ロスク以外のすべての強勢詩 にお ける句 と句 との関係 の原型の よ
うな ものを見出す ことはで きる。 ロスク以外の詩では各行 は 2つ以上の句 か
ら成 り、句 と句 との境界は何 らかの仕組み によ り明示 される。 ここに引用 し
たロス ク詩 において も、小 さな境界が第 1詩脚 の真ん中にあ り、その直前 に
は (
垂直的)母音韻が ほほ認 め られる。
21 ロスク以外 で句 の終 わ りに必ず母
音韻が存す る とい う現象 に似 ている。
3
.3強勢詩行
l行 に 3つの強勢 を含む例 は rアル ト ・オリー レの哀歌」に も見 られるが、
ここでは受難のキ リス トを諾 える伝統の祈 りを引 く。
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dg
e・
十字架 にのぼ りて
我 らのために血 を流 し給 い し神 の御子 よ、
あれぞ我 らの時
その我 らの時 を危 うか ら しめ給 わざれ。
-8
7-
今 を生 きるケル ト
l行 に 3詩脚 あるが、 (
2 ない し 3の詩脚 か ら成 る と定義 される)句 は最
ac
huai
ghs
achr
ann'
'は関係
大で も 1つ しか取れ ない。例 えば、第 1行 の =
AMhi
cMは 1詩脚分 しか
節 (
の前半部)で 2詩脚あ るけれ ども、その前の "
ない。結 局、 この行 は小 さな文法 的 ま とま り 3 つ か ら成 る と言 える (
"
A
Mhi
c"と り
ac
huai
gh…と H
s
achr
a
nnM)
。他 の行 も文法的に細 か く区切 ること
は可能である。いずれにせ よ、各行末 に完全韻 (
c
omha
r
da
dhs
l
i
n)が配 され、
文法的に まとまりのある行 を結 びつけている。
ロス ク韻律が使 われる他 の例 として短い諺 を引く。
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on.
腹のふ くれた者にはひもじい者のことが判 らぬ。
これ も 1行 に 3つ の強勢がある。 文法的 に 3つの部分 に分 けることが可
能である。 第 2詩脚か ら第 3詩脚 にかけての Sの頭韻は意味の対照 を際立
たせ、境遇の全 く違 う者 どうLは相互理解が困難 とい う意が よく出る。 ただ
し、第 2詩脚 と第 3詩脚 とは音 の面で対等ではない。通常、アイルラン ド
語強勢詩 において書の面 では行末詩脚の強勢 が最 も重要であ り、従 って ここ
eang'の語 にある。
では音のハ イライ トは第 3詩脚の s̀
4.4強勢詩行
4.
1
.4強勢詩行 (
3拍子)
4強勢詩行が本論 の主 たる考察対象である。24
4強勢詩行 では 2強勢か ら成 る句が l行 に 2つ存 し、その 2句の境界は
oma
ment
a
t
i
on)または両者の組合せ によ り示
通常、行 内休止 または装飾韻 (
される。
装飾韻の主 なものは母音韻 と頭韻 と脚韻である。行末詩脚の母音韻は必須
であ り、行 中の句境 界 は (
行 内休止が ない場合で も)通常 アキルによ り画
される。行頭の強勢音節 は、行 中の句境界や行末 に比べる と、それほ ど装飾
- 88-
詩 における句の考察
韻が用い られな い
。
4 強勢詩行 の装飾韻 の基本型 と して、 アキル を用 いた
AB:
BR と、用 いない AA:
BR の二つが挙 げ られ るが、行頭 の装飾韻 を欠い
a:
BR や A:
BR の型や、脚韻だけの -R の型 も多い。 ここで、A や B
た-
は連の中で不変の母音韻の種類 を、R は脚韻 を表す。
詩脚内 リズムには 3拍子 と 2拍子 とがある。 まず、3拍子 の もので、基
本型の一つ AB:
BR 型の例 を引 く。 以下、 コロンは句境界 を表す。原詩の後
に母音韻の基本の型 を示す (
無強勢音節 はハ イフンで、行 内休止 は コロ ン二
つで表す)。
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of
私 の心 は晴 れ るだ ろ う、 グ レー ネ湖 を見 た ら、
大地 や 田園や地 平線 を見 た ら、
山並 は喜 ば し く清 々 しい眺 め だ ろ う
競 うように頭 を聾 や かす 山 々は。
ブ リ-ア ン ・メ リーマ ン (
ブライア ン ・メ リマ ン)(
Br
ianMem'
man)の長
8世紀後半)の冒頭部である。
詩r
真夜中の法廷」(1
この 4行の詩脚 内 リズムは、大略、第 1詩脚が 3音節で 3拍子 を確立 し、
第 2、第 3詩脚 は長音節 と短音節 の 2音節 でゆ った り響 かせ、行 末詩脚 も
長音節 と短音節 の 2音節 で締 める。楽旬 に喰 えるな ら、第 1詩脚 は四分音
符 3つの ような リズムで、長音節 と短音節 の 2音節 か ら成 る詩脚 は二分音
符 と四分音符の組合せ の ような リズムになる。
-8
9-
今 を生 きるケル ト
ところが、引用 1行 目の第 2詩脚 はやや特殊 な リズムである。 まず、そ
nua
i
r
'の よう
この anは前の語 とエ リジ ョンを成 し、 また後 の語 と合わせて `
に発音 されるはずで、実際そ う書かれているテ クス トも多い。だ とす る と、
r
'が二重母音で韻律上は長音節 と同等
この詩脚 は面 白い リズムになる。 ǹuai
の資格 を有す ることか ら、詩脚全体 は附点四分音符 2つか ら成る ようなリズ
nuai
r
'の語頭 は 2相 目の裏 に当た り、 さなが らシンコペ ーシ ョ
ム になる。 `
ンの リズムである。ただ し、 ǹuai
r
'は強勢が ないので、強勢がある chr
ol
'と
比べ る と聞 き手 には少 し短 く聞 こえるだろ う。
句境 界 は この第 2詩脚 の真 ん中にあ る。 ただ し、引用 3行 目だけは一語
か ら成 るので、句 の切 れ 目は第 2詩脚 と第 3詩脚の間にある。 句境界の両
側 には /
i
:
/が配 されてアキルを成 している。 それに加 え、引用 1行 目では頭
韻 もある。 この句境界は行内休止で もある。ただ し、引用 4行 目は文法的結
びつ きが他 の 3行 よ りはやや緊密 なので休止 は少 ない。第 1詩脚は垂直的
母音韻 を成 しているが、それ よ りも、行末で /
e:
/を響 かせ る脚韻が よ く効い
てい る。
r
真夜 中の法廷 Jには、二重装飾韻 (
doubl
eomament
a
t
i
on)が脚韻に使 われ
95
-96行)では、行末詩
ている興味深い箇所 もある。 次 に原詩のみ引 く例 (
脚 の強勢のない音節 に も母音韻がある。 その ような無強勢音節の脚韻 を小文
字の rで表せ ば、 この型 は AB;
BRrとなる。
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行末詩脚 の強勢母音 /
e:
/の脚韻に続 き、無強勢音節の /
i
:
/も母音韻 を成 し
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sの第 2音節 はいわゆる `
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wa
r
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r
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s
'の一種 である.
てい る。 f
B・
.
BR 型の例 を引 く。韻 を成 さぬ強勢母音は小文
行頭 の装飾韻 を欠いた ・
字 の xで表す。
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- 90-
詩 における句の考察
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「
あなたへの愛 あふれる僕 の心 は傷つ き、
その下の黒胆汁は リンボ クの ように真 っ黒 です。
」
「もし、あなたに何事かあ り死が迫 ったな ら
私 はあなたの前 に野風 となって現れ ましょう。
」
恋人が葬 られている墓-男性 が訪れ対話 をす る歌である。チ ャイル ド ・バ
ラ ッ ド78番 目
TheUnqui
etGr
aveHの類型 に属す る、 アイル ラ ン ド語 では珍
しいバ ラ ッ ド。引用箇所 は前半 が男性 、後半が女性 の語 り。
この 4行 の詩脚 内 リズムは、第 1
-3詩脚 にわた り 3音節が続 き、行末詩
脚が長音節 と短音節 の 2音節 で重 々 しく締 め られる。
句境界は第 2詩脚 の真 ん中にあ り、両側 に /
i
:
/を配 してアキルを成 してい
る。 第 1詩脚 は引用 1行 目で頭 韻が ある他 は、3-1行 目で垂直的母音韻が
丘,
hAi
me,
bAs
,
bint
a
ある程度である. 脚韻 は非常 に効果的 に使われてお り、gr
の 4語が浮かび上が る。 リンボ クの ご とき黒い悲 しみ を抱 える男性 の愛 の深
さの告 白に対 し、女性 は先 に死 を迎 えた者 として男性 の死 に際 しては野 にま
で旋風 となって迎 えに行 くと応ずる。愛 と死のテーマが抽象的 にな らず に具
体的な形象 を伴 って語 られ、黒 々 と した荒涼のバ ラ ッ ド空 間が見事 に表 出 さ
i
:
/音 は、心 (
c
r
oi
)の溢れる (
l
l
'
ont
a)
れている。 それ を背後で支えるアキルの /
思いの底 (
t
hl
'
os
)への ヴェク トル をひそか に示 し、やが て、圧倒 す る (
cl
ol
'
gh)
力 とな り、地下 (
t
hl
'
os
)か らの風 (
ga
oi
t
he)となって、男性 を死 に引 きず りこ
む. この僅 か 4行 の アキルの 中に 2回 も t
hl
'
os(
下へ )の語が使 われ、墓 の
下に眠る女性 の もとへ行 きたい とい う男性 の究極 の願望が強 く暗示 される。
- 91-
今 を生 きるケル ト
ここに引いたのは第 2連であるが、第 1連では男性が 「あなたの手に触
れ られれば推 しは しない」と言 うと、口づ けの願望 を悟 った女性 は 「
私の息
は冷 たい土 の匂 いがす る」 と応 じ、死 に急 ごうとす る男性 を碧める。つ ま
り、引用 4行 目の風 は死の息 である ことが判 る。 この間の消息 は本家のバ
ラ ッ ドの HI
fyouhaveoneki
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ong了'(も しも、私の土の ように冷たい唇 に口づ けすれば、あなたの命はあ
27
りません。)のほ うが明瞭 に出ている。
AB:
BR 型 と基本的 には同 じだが、母音韻が l行 または数行 ごとに不規則
に変化す る タイプ もある。 その ような可変の母音韻の種類 を X や Yで表す
YR の型 を 「
真夜 中の法廷」
7
2ト26行か ら引 く。
として、XY:
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仮 にその淑女がそれ を求めて出かけ
この罪が な された として も、私は彼女の屑 を持つ。
山の狐 や海の魚
狩 る鷲や坊裡 う鹿が
一年 もの長 きにわた り
獲物 を前 に指 を街 えて見 ているな どとい うことがあろうか。
- 92-
詩 における旬の考察
この 6行の詩脚内 リズムは、大略、第 1詩脚が 3音節 で 3拍子 を確立 し、
第
2
-3詩脚 が二重母音 と短母音 とか ら成 る 2音節 で、行末詩脚 は長母音 の
1音節である。行末以外 は長母音が現 れぬ、やや珍 しい箇所。
引用 2行 目を除 き、句境界 は第 2詩脚 の真 ん中にあ り、両側 にアキルが
配 される。 この アキルの母音韻 は最初 の 2行 が /
a
u
/で、後 の 4行 が /
i
a
ノで
ある。 ところが、第 1詩脚 の垂直的母音韻 は これ とは違 うパ タンで、最初の
4行が /
i
/で後 の 2行 が /
a
/であ る。一方 、脚 韻 はすべ て同 じ /
a:
/の長母
音である。29 アキル を補 強す る頭 韻 は引用 4,
6行 目に現 れる。
基本型の一つ AA:
BR 型の例 を引 くo この タイプは句境界 をアキルが挟 む
タイプと違 い、行前半 と違 う母音韻が 第 3詩 脚 に現 れる。
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s
・
そ うい う輩がいつであれ市へ行 けば
道化 よろ しく鼻 の天辺 に ビーバ ー帽 をかぶ り
普段 の彼 には似合 わぬ派手 な恰好でいることだろ う、
細 い ぴか ぴかの拍 車 を着 けた トップブー ツを履 いて。
テ クス トを見 た瞬 間に、aonachの強勢母音が /
e
:
/の母音韻 を成 してい る
ことか ら、マ ンス ター方言の詩であることが判 る。 その通 り、 これはクレア
AodhBul
'MacCr
ui
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l
'
n,C.1
670県の詩人エー ・ブ イ一 ・マ ククリチ ー ン (
1
755)が、当時 目立 ちだ した無教養 な田舎者 を風刺 した詩 である。 その /
e:
/
の母音韻は第 1
,
2詩脚 に聞かれ、第 2詩脚真 ん中の句境界 の後 は /
u〟 の垂
- 93-
今 を生 きるケ ル ト
直的母音韻が現 れ、最後 は /
o:
/の脚韻が締 める。
行 の前半で母音韻が確 立 す る こ とは、詩脚 内 リズム に よ り補 強 されてい
る。 あるいは逆 か も しれ ない。 第 1詩脚 に続 き第 2詩脚 も 3音節 であ り、
両詩脚の強勢母音が同 じであることか ら、行前半 は昔の面でパ タンが揃 って
いる印象 を与 える。 第 3詩脚 は二重母音 と短母音 とか ら成 る 2音節 、行末
詩脚 は長母音 ひ とつの 1音節であ り、前半 と後半 とは音の面で印象がが らり
と変 わる。 (
水平的)母音韻 を補 強す る頭韻 は引用 2行 目に現 れる。
4.
2. 4強勢詩行 (
2拍子)
詩脚 内 リズムが 2拍子 の もので、基 本型の変形 で行頭 の装飾 韻 を欠いた
B:
BR型の例 を引 く
。
ハ ロウ ィー ンの蛮行 を描 く歌である。
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g.
11月の前の晩、主人の泥炭を引 く道すがら
鍛冶屋のナンシーと若者 らは白髪まじりの老婆から略奪 した。
第 1
- 第 3詩脚 はすべ て 4音節 である。 行末詩脚 は二重母音 と短母音か
ら成 る 2音節である。 この型が人気 を博 した一因は、バ ラ ッ ド韻律か ら底 る
3
2 いず れにせ よ、
バ ラ ッ ド曲に合 わせ やすい ことがあ った とす る説がある。
この型の多 くは コナハ ト起源 とされる。
第 1詩脚 には何 も装飾韻が ないが、第 2詩脚 の真 ん中の旬境界 をは さむ
第 2、第 3詩脚 には母音韻 (アキル)が配 され、行末 には脚韻があ る。
頭韻 については普通 に考 えれば引用 l行 目の第 3
、第 4詩脚 間にあるが、
この詩歌 にはそれ以外 に頭韻的 な響 きが配 されている。2行 目の第 1詩脚の
第 3音節 と第 2詩脚 の第 1音節 の間の g、第 3詩脚 の第 1お よび第 3音節
- 94-
詩 における句の考察
間の C がそれである。 これ らの第 3音節 には副強勢がある。
一般 に 2拍子 リズムの詩脚 は 4音節 か ら成 るが、第 3音節 に も副次的強
勢が置かれる こ とが多 く、詩脚全体が第 1、第 2 と第 3、第 4 とに二分 さ
れる
。
これは 3音節 か ら成 る ような 3拍子 リズムの詩脚 との違 いである。
2拍子 リズムの詩脚 を有す る詩行 は 3拍子 のそれに比べ て例が少 ないが、
AA:
BR 型の歌 を引 く。
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強靭 な ア イル ラ ン ド人 の か の言葉 にお い て勇敢 な男 -
羊皮紙 に満足 な視線 をや り、あ なたのペ ンを解放 ちた まえ。
迷 うことな くまっす ぐに私 に語 りた まえ、
私 が外 国 人の支 配 下 にい る苦境 は長 い こ と続 くの か 。
第 1、第 2詩脚 は 4音節 で 2拍子 を確立す るが、第 3詩脚 は長母音 と短
母音 とか ら成る 2音節 でやや変わってお り、行 末詩脚 は l音節 であ る。
ここで第 1
、第 2詩脚 を 4音節 と数 える うえで、補助 母音 (
epent
het
i
c
3
4 例 えば、c
ha
l
ma,mea
r
bha
l
l
vowel
)が用い られている箇所がい くつかある.
な どは、いずれ も 3音節 と数 える。
第 3音節 )
句境界 は第 2詩脚の第 3音節 と第 4音節 の間にある。副 強勢 (
はその前 にある。第 1
、第 2詩脚 間に母音韻が成立 し、第 3詩脚 は (
垂直
的)母音韻であ り、行末詩 脚 には脚韻がある。
-9
5-
今 を生 きるケル ト
この第 3詩脚 の母音韻 は /
e:
/であるが、引用 3行 目の cl
aonが /
kl
e:
∩/と
3
5 ここ
発音 され てい る とす る と、 この詩 はマ ンス ター起源 か も しれない。
に引いた第 1連以外 の他 の連で も、母音韻の箇所 ではすべ て綴 り字 aO-が
/
e:
/の発音 と考 え られる。
5.5強勢詩行
どの 5強勢詩行 に もほほ当ては まる特徴が ある。 即 ち、(1
)詩脚内 リズム
は 3拍子 、(
2)行末詩脚 は 1音節 、(
3)4行連 、(
4)第 2詩脚 と第 3詩脚 間に
句境界 をは さむアキルがある、(
5)行末詩脚の母音韻は必須、の五つである。
第 1詩脚 と第 4詩脚 によ く母音韻が あるが、境 界 を示す役 目を負 っていな
いので必ず ある とは限 らない。最 も多いのは AB:
BCR 型 と AB:
BAR型であ
る。
3
6 ここでは AB:
BAR 型の例 を引 く。
Al
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g.
心 の友 、愉 快 な親 友 シェ-マ ス よ
ギ リシアの フ イツツジ ェ ラル ドの血 を引 く剛勇豪腕 の士 よ
私 の鋤 の ため に きれいで滑 らか な柄 を用意 した まえ
そ して見栄 えの仕 上 げ に椀 を見 事 に添 えた まえ。
第 1詩脚の 3音節 で始 まる詩脚 内 リズムは 3拍子、行末詩脚 は 1音節、4
行連 、第 2詩脚 の真 ん中 (
引用 2行 目は末尾 )の句境界 をは さむ /
e:
/のアキ
ル、/
a:
/の脚韻 と、上記の 5強勢詩行 の特徴 をすべ て満 たす。第 2、第 3詩
- 96-
詩 におけ る句の考察
脚 は長母音 と短母音 とか ら成 る 2音節 であ り、第 4詩脚 は 3音節 であ る。
第 1詩脚 と第 4詩脚 とは短 い /
a
/の母音韻 を成す 。母音韻 だけで な く、詩
脚内 リズムの点で も、第 1
- 第 2詩脚 と第 3
-第 4詩脚 とは鏡像 の ようになっ
ている。いわゆるキア ズモ (
交差配列法 )であ る。 引用 1
-2行 目は さらに、
頭韻 の うえで第 1
- 第 2詩脚 と第 4- 第 5詩脚 とが対照 を成 してお り、句境
界 をは さむ両側 の違 い を際立 たせ てい る。
6
.6強勢詩行
6.
1
. 6強勢詩行 (ロー カー ン)
6強勢詩行 には二つの タイプがあ る。即 ち、 ローカー ン (
r
6cin)とクロサ ー
ンタハ ト(
cr
os
int
a
cht
)の二つで あ るO
ロー カー ンは行 内休止 をは さむ、 3詩脚 か ら成 る句 二つで 1行 を成す。 ク
ロサ ー ンタハ トは 2詩脚 か ら成 る句 三つ で 1行 を成 し、 3句 の境 界 は行 内
休止 (と反復 型の装飾 韻)に よ り画 され る。
句 境 界 をは さむ詩 脚 の 数 、即 ち強 勢 の 数 を比 で 表 せ ば 、 ロ ー カー ンは
3:
3で、 クロサ ー ンタハ トは 2:
2:
2であ る。 なお、4強勢詩行 は 2:
2であ り、
5強勢詩行 は 2:
3で あ った。
ロー カー ンにおいて、2句 のそれぞれの終 わ りの休 止 は必須 であ る。 行 内
休止 のあ との弱音節 は後句 の 「
行 首余剰 音」の よ うに機 能す る0
3
8 脚韻 と、2
句 をは さむアキル とは、必 須 の構造的特徴 である。 アキルは しば しば重 アキ
ル となる。詩脚 内 リズムはほぼ 3拍子 と考 えて よい。
重 アキル を用 い る AAB:
ABR 型 の例 を引 く (
AB が重 アキ ル)0
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- 97-
今 を生 きるケル ト
つ ないで いた羊が私 に向か って鳴 き、
アイル ラ ン ドが現況 を座視 す るこ とな きよう切 々 と訴 えた。
詩脚 内 リズムは、 3音節 か ら成 る第 1
、第 2詩脚 で 3拍子が確立す る。
後句 の最初 の詩脚 も 3音節 だが、二つ 目の詩脚 は長母音 と短母音 の 2音節
か ら成 る。行 内休止 の後 の弱音節 (
引用 l行 目の agus、2行 目の na
ch)は
後句 の 「
行首余剰音」の ように機能 してい る。
句境 界 をは さむ重 アキ ルの一つ 目の母音 は /
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、即 ち非 円唇短母音 (
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4
0 重 アキルの二つ 目
e:
/である。
の母音 は長い /
6.
2. 6強勢詩行 (クロサー ンタハ ト)
クロサー ンタハ トの詩行 は 2詩脚の旬三つか ら成るが、三つ 目の句はそこ
までの句 と対照 的な装飾韻 を有す るこ とが多い。その ことは、オ ドノハが指
摘 す る通 り、 オホ トオ クラハ (
後述)と類似 している。41 オホ トオ クラハ詩
行 は 4句 か ら成 るが、四つ 目の句 はそ こまでの句 と対照的な装飾韻 を備 える
ことが多 い。図式化すれば、 クロサ ー ンタハ トは 2
A+Bで、 オホ トオクラ
A+Bであ る。
ハは 3
クロサー ンタハ トは、複数句 か ら成 る詩行 の型で唯一、行の真 ん中 (
の句
境界)が存在 しない。 これが例 の少 ない理 由だ とすれば、アイルラン ド語の
詩 人は二部構成 の行構造 のほ うを好 む と言 える。42
装飾韻 は厳密 には句境界 と行境界 に しか必 要 とされない。 クロサー ンタハ
トはその よ うな韻律 であ り、装飾韻 はそれ ら境 界の直前 にのみ置かれる。
従 って、基本型 は B:
B:
R であるが、 ときに、空いた ところを装飾韻で埋
AB:
AR型の例 を引 く。
めた型 もある。 AB:
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詩 における句の考察
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波立つ湾 に程近い合流点の小高い所で
私は人っ子一人いない美 しい場所 に居 合わせ た。
白い急流が峡谷 を海め ざして下 り、
川瀬が奔流の抱 を追いかけていた。
行末 を含 め、ほほすべ ての詩脚が長母音 と短母音 とか ら成 る 2音節 であ
る。引用 1行 目と 2行 目と 4行 目の最初 の句境界 は第 2詩脚 の終 わ りにあ
る。 句境 界 中に行 内休止 はな く詩行 の リズムは流 れる ように連 なる。
7. 7強勢詩行
7強勢詩行 には オホ トオ クラハ と非 オホ トオ クラハ の二つ の タイプがあ
る。 大部分 の例 は前者 であ り、後者 の例 は略 す。
7強勢 オホ トオ クラハ (
ocht
nl
OCl
ach)詩行 で は最初 の 2句 (しば しば 3
句)は、強勢 リズム上、かつ装飾韻上、同一のパ タンA であ り、行末 に強勢
リズムの点で も装飾韻の点で も対照的なパ タン Bが来 る。詩行 の後半 (
第5
詩脚以降)は、同パ タン A の句 と、対照 的 な行末詩脚 B とが来 る場合 (
3A
+B)と、3詩脚で 1句 B を成す場合 (
2A+B)とある。 2A+ B の場合 は、行
末詩脚直前 に行 内休止 はない。紛 らわ しい ことに、句 B の最初 の 2詩脚が
パ タンA と同 じ場 合 は、パ タン上 は 3
A+B になるが、第 5- 第 6詩脚 の A
は句境界の役 目を負 わない。句境界 を明示 した うえで図式化す る と、3句 と
行末詩脚 の 3
A+B は A:
A:
A:
B で、2句 と行末句 の 3A+B は A:
A:
AB であ
る(
第 3旬が AB)
。一般 にはオホ トオクラハ は 3
A+B の母音韻パ タンを指
す。詩脚 内 リズム は大方 3拍 子で連 は概 ね 4行 連 で あ る。 3句 か ら成 る
AB:
AB:
ABR型の 4行連 を引 く。 行 は折返 して示す。
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ある寂 しい 日、城姓 の森のそばで、
輝 か しい木 々の枝 は見 目麗 しかった。
私 はアイル ラン ド中の湾の捻 り声 と、
空高 く鳴 る昔 を聞いた。
自然 は弱 々 しくば らば らで、
太陽の顔 は沈み、
鳥たちは唄 っていた
貴族 たちが去 った とい う悲 しい話 を。
詩 人 (アル ト ・マ ククー イー、Ar
tMacCumhai
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738
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773)が 「前 の
城」
(
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)の居城 と し
て名高 か った ア-マ 一県 の グ ラス ドルマ ン城 (
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こ とで、詩人 は同城 の崩壊 を他 の詩で も嘆 いてい る。 オホ トオクラハ は この
ような嘆 き歌 に も用い られる。 各行 の第 4詩脚 の真 ん中は句境界 になってい
る (
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eannな ど)。各行 の第 6詩脚 と第 7詩脚 の間 には明瞭 な行 内休止
はない。
0-
-1
詩 におけ る句の考察
8
.8強勢詩行
行 当 り 8以上の強勢 を含 む諸行 は、7強勢諸行 と同 じく、 オホ トオ クラハ
と非 オホ トオクラハ とに別れ、前者の型が圧倒 的 に多い。後者の例 は略す。
オホ トオクラハの場合 、詩行 は 4句 に分かれ、通常 、行 内休止がそれ らを画
す。つ まり、通常、行 内休止 は三つある。 最初 の 3句 は リズム上 も装飾韻上
も同一である。 つ ま り、句境界のマー カー と しての装飾韻は必ず ある。何度
A+Bで表す ことが多い。
も述べている通 り、オホ トオクラハは図式化 して 3
これに対 し、非 オホ トオクラハの場合、行 内休止 は行 中央 に一つあるのが普
通であるが、中には もうーっ行 内休止が前後 どち らか にあ る型 もある0
8強勢 オホ トオクラハの行末詩脚 は l音節が圧倒的 に多い。詩脚 内 リズム
は 3拍子が普通 だが、2拍子 もあ る。4行連が多いが 2行連 もある。 1行 は
2強勢ずつの句 四つか ら成 る。B:
B:
B:
R 型の 2行連 の例 を引 く
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か わい い娘 を私 は追 い か け て い る、
あ あ悲 しい か な、 会 え な い
パ ブや ダ ンスや娯 楽 に行 って も、
で も、夜 中で も彼 女 を道 で追 い か け よ う。
各句 の最初の詩脚 は 3音節 で、行末詩脚 は 1音節 である。句 はすべ て行
内休止で区切 られる。
- 1
01-
今 を生 きるケ ル ト
行 を折返 しているため、一見すると交互韻 (
cr
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ime)の ように見えるが、
実は /
o:
/の母音韻 3つ に行末 の 〃 /が続 く 3
A+Bパ タンの行である。
9
.総 括
アイルラン ド語の強勢拍 リズムの中に詩行 の リズムや音 の まとまりは聞取
-4句 を含
られる。 1行 で 1句 となるロス クの ような韻律 を除 き、行 当 り 2
む詩行 については、句 ごとにまず音の まとま りが聞取 られる。句末には母音
韻が置かれ、句 と句 の区切 りを際立たせ る。行末 も句末であ り、行の中で最
も重要 な強勢が置かれ、行 としての まとま りが附与 される。複数行が集 まっ
て連や節 を成 し、 よ り大 きな リズムが形成 される。
意味 の まとま りは句単位 に表示 されることが多 く、詩歌 の メッセージを全
体 と して受止めるため には、句 の働 きを まず意識する ことが肝要である。
注
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3.なお、強勢詩 にお いて行末詩脚 の音節 数 は型 の分類上重要。
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おける繰返 しと対照 とを構成原理 とす る詩の組立ては、音節詩 における b
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詩 における句の考察
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9 音節 詩 の脚 韻 は母音 の一致 に加 え、子音 が 同
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0 この ような句 の捉 えかたは、 カーニ ー論文
クラス 同音 質で あ る。
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)を基礎 とす る。
11句境 界お よび行 末 の強勢母音 は、 と もに句 強 勢 を とって い る。
1
2以下の分析 で、音 節詩
と重 なる領域 の枠 組 はマ ー フ ィーの前掲 書 を、強勢 詩 の枠
組 は オ ドノハ の前掲書 とカーニ ーの前掲 論 文 とブ ラ ンケ ンホー ンの博 士論 文 を基
礎 とす るが 、煩瑞 にな るので普 通 は一 々注 記 しない。
くは r
os
gと も綴 る。 なお、2強勢 詩行 には、行 末詩 脚 の音 節 数が 1つの型 、2
つ の型 、3つの型の計 3タイプあ る。以 下 の ロス クの議論 にお いては、行 末詩 脚
1
3古
の音 節 数 に よる この下位 区分 の議論 は省略 す る 。
1
41
8世紀後半 と書 いたが 、実際 には口承 の詩 が後 に書留 め られた もの。 なお、 ロス
waul
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ong,労働 歌
ク詩型 は現 代 ス コ ッ トラ ン ド ・ゲ -ル語詩 、特 に縮 充歌 (
の一種 )に幅広 く認 め られ る。
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)45.原詩の後 に逐 語的英訳 と日本語 に よる大意 とを添 える。英訳 と和訳 とは
特 記 なければ筆 者 に よる (
以 下、 同 じ)0
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)と解 す る. Ga
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77)は 「鍛 冶屋 」
(
複 数 )の意 だが 、 ここで は t̀
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は ア イル ラ ン ドを指 す。
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7必 ず
しもロス ク詩 は ここに述べ た よ うな厳 粛 なテ ーマ に限 らない。 ただ し、別種
のテーマ、例 えば喜劇 的 な内容 に用 い られた場 合 は 3音節 詩脚が連続 す るな ど、
祈 りや哀歌 とは違 う詩脚 内 リズムが現 れ る。
1
8dDo
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ha
dhaの用語。行 内休 止
と次 の句 の 間の弱音 節 も指 し得 る。
1
9各行 の文 法 的切 れ 目の直 後 にあ るの は、接 続 詞
(
agus
)
、前 置 詞 (
ar
,d
o)
、関係小
辞(
a
)
、(
動 詞 に対 す る)主語 、 (
名詞 の)属格 であ るo 畠=dh
丘=do+a(
3
75)
.前 置
詞 と所有形容 詞 とが 合 わ さった形。
20この よ うに、句 の よ うな ま とま りを有
しなが ら 1強勢 しか ない場 合 は他 に もあ
る 。 例 えば、通例 8強勢 詩行 の oc
ht
f
h
oc
l
a
ch(
後 述 )の変 種 の 7強勢 タイ プの行
末 な どが それ に当 る。 韻律上 この種 の もの を句 とみ なす か どうか は意 見が分 か れ
る。直前 に行 内休止があれば、母音 韻等が句境界 を示す か どうか に関 わ らず 、 1強
勢句 で も認 め る立場 もあ る。
212行 ずつ /
a
:
/
,
ノ
(
a
)
i
:
/
,
ノ
a
(
i
)
/の強勢 母音 が 第
1詩 脚 にあ る。
22p
丘
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200 )23.1行
目の c
r
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nnnap点
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eない し a
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nnc
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a
s
t
aの意 .4行 目の inge
a
l
lは (
い った ん与 え
られた救 済 の時 を)抵 当 と して取 られ る、つ ま り再 び罪 を犯 してせ っか くの救 い
-1
03-
今 を生 きるケル ト
が取 上 げ られ る こ とと解す る。
23A.
J
.Hughes
,Robe
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I
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998)11
0.
2
4行末詩脚が 2音節の 3強勢詩行 中、マ ンス ターの詩で、行末詩脚の
f̀
or
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ds
t
re
s
s
'
(
第 1音節 以 降の長 母音等 に発 生す る強勢 )に強勢 を配 した結果 4強勢詩行 とも
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ndcul
'
V,…
Me
t
r
i
csan
dl
r
i
s
h
判 断 され得 る詩 は、本考 察 の対象 か ら省 く。c
Phonol
ogy,
MOc
c
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90,92.
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9;l
l
.
5-8.英訳 は Br
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971
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i
e
rP,1
999)を参照 した.c
hl
'
nn(
5)は動詞 c
l
'
on
n
(
見 る)の習慣 過去 】人称単 数形。Ta
i
t
ne
a
mha
c
ht(
7)は前 に ba(
i
sの条件法)を
補 って解す る。実際 に Baが書 いてあ るテ クス トも多い。
2
6
6TuamaandKinsel
L
a31
2.引用元では 8行 で書 かれている 引用 4行 目 be
a
ds
aは
存 在動詞 bl
'の未来 1人称単 数形 に強調語尾 s
aが附いた もの。「
黒胆汁 」は中世
医学 の四体液説で憂皆 の気 の原 因 を成す と考 え られた。
。
2
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Nor
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002)287
(
no.
78A)
.
2
BdMurchd38.引用 1行 目 modhamhai
](
= mo
dhdi
]
)は 「
淑女 」の意の女性 名詞の
a
i
l
と綴 られてい るかの ように発音 され る (
/
ma
ul
'
/
)
。同、bhI
'は前 に関係
時 、modh
nagh
孟(
=i
ni
t
sn
e
e
d)「
その必要」の 「それ」は H
s
丘
s
a
mh
小辞 aを補 って解す る。同、'
c
ol
l
al
'
=(
肉体 の快 楽)の こ と (
dMur
chd60)
。引用 2行 目 de
i
ne
a
dh(
動詞 de
a
nの
過去 自立形非独立形)は次行 との母音韻の関係 で、本当は詩人が意図 したのは di
n
の形 で あろ う (
dMur
chd60)
0
29 二重 母音 の発音 の歴 史的変化 については dcu
l
'
v11
5
-1
6,11
9
-20を参照。
3
0
6TuamaandKi
ns
e
l
l
a1
68.引用 2行 目 s
r
6n'は s
r
6nの属格 s
r
6naが脚韻の影響で
1音節 に された ものO同 4行 目 ca
ol
s
p
or
a
i
bhの s
p
or
ai
bhは s
porの複 数形 と解す
る。
(
(
うBa
oi
L
l
,
r
e
v
.
e
d.
r
s
e
a
l(
うMa
r
ca
i
gh,1
98
4)87.引 用元では4行 で書 かれている
(
Ba
il
eAt
haCl
i
a
t
h:Sd
i
の で、元 の第 2、第 4行 の行頭 を小 文字 に直 して引用 した。
32Bl
a
nke
nhom 1
62.
31Lo
r
c
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dr
a
i
g うMui
r
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dh
a
i
gh,
Amhr
a
'
i
nChu
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dMui
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DhdChe
'
addeChe
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Ba
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l
l
s
e
a
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i
nRi
lt
a
a
i
s
,1
93
4)3
44.引用 1行 目 na
c
hf
a
nnは Ga
e
dh
e
a
lにかけて解す
na
c
hr
丘
dhは不詳 だが、 ここでは a
na
cr
a(
難局)と解す るO
る。4行 目の a
33貞
nn
- 1
04-
詩における句の考察
3
4補助母音 は有声歯音 と p,
C以外 の非歯音 との間で挿入 され る0
350'
Rah
i
Hych・
41
36B)
a
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ke
nh
or
n1
82.
(
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l
l
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82.cf
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ni
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lCor
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l
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Dubl
i
n:M.H.
m は ba
汀a
dhの意 に解す る。
Gi
l
la
n
dSon,1
956)1
05,220.引用 4行 目の ba
(
s
i
l
e
nts
t
r
e
s
s
)か らの詩脚 とな り、その詩脚の
弱音節が後句 の行首余剰昔 となると考 え られるが、 ここでは簡略化 して (
一つの
詩脚で)表す。
38行内休止で詩脚が切 れ次 に黙昔強勢
'
dMui
r
ghe
a
s
a31
6.引用元では 4行で書かれている
3
0
1
I
Nu
aDhu
a
naL
'
r
eI
-I
I
I(
1
971
-1
978)の編者たちが初めて用いた表記。 それ以前 は、
U が用い られていた。cf
.
dDonnc
ha
dha23,
オ ドノハの /
416
Donn
c
ha
dha90.
4
42Bl
a
nke
nh
or
n208.例 は少 ないが著名な
ǸaConne
r
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'もこの韻律である0
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976)26.
4
dBuachal
l
a39.折返 し箇所の句境界は表示 していない。
4
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cht
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990)86.
引用文献
Bea
nMhi
cChoi
s
de
al
bha,Ei
bhl
l
'
n.
Amhr
a
'
L
nMhuL
'
gheSe
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6
990.
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