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免疫療法から樹状細胞療法へ このクリニックを開設し4年経ちました
免疫療法から樹状細胞療法へ このクリニックを開設し4年経ちました。この間30年以上続けて来たBCG-CWSを 用いる単独免疫療法も、名実共に発展し、 “BCG-CWSを用いる樹状細胞療法”と名乗 る方が正しいということになりました。メカニズムが解明され、より根拠の明らかな樹状 細胞療法(英語で、dendritic cell-based immunotherapy)というのが正しいと思います。 さて、この樹状細胞療法とは何でしょうか? 細菌やウイルスを含む大気の中で生きてい る我々の体を守る皮膚には、本来これら異物の侵入を防ぐ働きが備わっていますが、BC G-CWSを用いる樹状細胞療法はこの皮膚の働きをより強くして、外から侵入する外敵 だけでなく、我々の体の中で出来るがんのような異物間までも追い出そうとするものです。 すでに、我が国だけでなく世界中でこの樹状細胞療法が、がんだけではなく広く感染症の 治療、予防の本命として研究されてきましたが、実用的に使用できる方法は、現在のとこ ろまだありません。ところが、私が30年前からがん多発家系の一員である妻ががんにな ったときによろうと思って恩師山村先生から許可をいただて研究してきたBCG-CWS 単独免疫療法が、この数年前からどうやら樹状細胞療法そのものらしいことが明らかにな り、1作年カナダのモントリオールで開かれた国際免疫学会で認められました。 ここで、私が開発し、完全に生まれ変わった BCG-CWS を用いる実用化樹状細胞療法第一 号 30 年の記録をまとめてみましょう。 1.治療対象:がんだけでなく、感染症から、さらにアレルギーにも幅広く効果のある多 目的治療法です。がんでは、どんながんにも効きますが、とくに急性白血病、頭頸部がん、 子宮頸がんなど、感染症では、大部分の一般感染症、院内感染症、インフルエンザなど、 アレルギーでは気管支喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎、さらに尋常性乾癬など、思いが けない病気にも効くので驚いております。急性白血病には、骨髄移植の前に試みるべき治 療法です。つまり骨髄移植をやればすべて治るように思っている人が多いようですが、実 際に治るのは約半分、残りの半分は、移植前に白血病細胞を 0 にするために当てる強力な 放射線のため免疫力もなくなり、移植がうまくいかなければ必ず死にます。また、骨髄移 植の対象にならない 50 歳以上の方にもきわめて有効で、事実 66 歳の女性が完治して 5 年 以上健康に生きている方もおられます。従来の抗がん剤とちがってリンパ節転移にも効く ので、外科手術でのリンパ節の廓清が不要です。この問題ではいつも外科医ともめていま すが、外科手術の仕方が変わるのも時間の問題でしょう。 2.治療効果:現在の寿命を延ばすだけの抗癌剤・放射線治療から完治の可能な治療法へ と変わってきました。しかも、30 年以上生存する急性白血病患者や妻の例から見ても同年 令の健康人と比べてより健康なようです。さらに一部のがんでは外科手術も不要な治療法 にかわりつつあり、内科医として最も理想的な治療に近づきつつあります。 2006 年 5 月 林 昭 BCG-CWS を用いる樹状細胞療法の対象となる疾患群 この新しい免疫療法に用いる BCG-CWS は、結核菌の 1 種である BCG 菌の細胞脛骨格成 分で、がんなどの内在性異物だけでなく細菌、ウイルスなどの外来性異物、さらにアレル ギー性疾患にも対応できる多機能剤です。最初診断された時点でお出でいただき、この治 療を最も有効に活用するための方策をご相談させていただくのが最もいい様です。 最近では、ある種のがん(頭・頸部がんや子宮頸がん)では、手術する事なくこの治療だけ で治る例が増えているのでとくにお勧めしたいと思います。通常は、初回治療(主として外 科療法、疾患によっては化学、あるいは放射線療法)のより出来るだけがん細胞を減らして から BCG-CWS を単独で使用する事になります。これにより再発を効果的に防止し、現行 の治療とは異なり完全治癒も可能となります。 基本条件: “インターフェロン―γ”誘導能陽性で表現される免疫適格性を有する患者に有 効です。この免疫適格性は、感作期でのテストにより判定可能ですが、本人の体質や初回 治療、とくに抗がん剤使用により陽性度が低下している事もありますが通常は回復可能で す。 Ⅰ.内在性異物:悪性腫瘍 1. 臨床効果の特徴: イ.白血病や普通がんを問わずほとんどあらゆる種類のがんに有効です。 ロ.重要な事は、リンパ節転移にきわめて有効なことです。 ハ.また、がん細胞の種類(腺がん、扁平上皮がんなど)、分化度(高、低などの悪性度)とは 無関係に有効です。 ニ.とくに難治性の急性白血病(初回完全寛解例)では、骨髄移植せずに実施した6例すべ てが完治しており、うち2例は30年以上無病状態で生存し、また2例は50歳以上の高 齢者でありました。頭・頸部がんや子宮頸癌は手術せずにこの樹状細胞療法のみで治癒す る例が増えております。さらに、卵巣がんや大腸がんでは、リンパ節の無廓清手術(通常手 術不能例も含めて)が腹水や腹膜播種を伴う末期がんに対して際立った効果を見せる場合 もあります。 2.臨床効果の期待できない悪性腫瘍 イ.基本条件と直接関係がありますが、骨髄移植失敗例は免疫力0の状態にあり無効、ま た大量の抗がん剤、放射線照射例も、特殊な場合を除き効果は乏しい。 ロ.リンパ組織の存在しない脳、骨への遠隔転移には無効、スキルス型胃がんや肉腫の浸 潤にも特殊な場合を除き効果は乏しい様です。 Ⅱ.外来性異物:感染症 1. 臨床効果の特徴; イ.各種細菌、ウイルス感染症、などほとんどの感染症に有効で、とくに反復性の扁桃腺 桃腺炎、腎盂炎、膀胱炎、などにも効果があり、その効果は、抗生物質や抗ウイルス剤と は異なり我々自身の免疫学的な生体防御能に基づくものですから耐性がおこりません。 ロ.とくに、難治性の院内感染症(MRSA、緑膿菌など)、一般に COPD と呼ばれる難治性 の肺疾患(肺気腫、気管枝拡張症など)の感染予防にも有効です。 ハ.通常のインフルエンザには罹患せず、予防接種も必要ありません。 2.臨床効果の期待できない感染症; イ.これまでの経験から、ウイルス性疾患では C 型肝炎ウイルスには効果が見られません が、肝がんの発現は抑制する様です。 ロ.AIDS や成人型 T 細胞白血病に対する経験はありません。 Ⅲ.アレルギー性疾患 1.臨床効果の特徴;気管支喘息、花粉症に効果がありますが、がんや感染症のように完治 まではいかないようです。アトピー性皮膚炎には効果は弱い様です。 Ⅳ.副作用 1.その特徴;これまで30年以上にわたり、私ひとりで約1400人にも及ぶ患者に延べ 5万回以上接種を繰り返してきましたが事故はまったくありませんでした。 イ.接種後皮膚に出現する紅斑、硬結、潰瘍形成は、免疫力を持つ患者すべてに見られ免 疫力の目安になりますが、これの出ない患者は免疫力がなく、多くは3ヶ月位で亡くなれ ます。つまり免疫力がなければヒトは生きられません。 ロ.さらに免疫力が強くなると、接種後発熱する事があり、ときに肝機能異常を伴う事も あります。通常一過性で、2~3日で消失しますが、次回からは接種量を減量すればこの ような副作用を防ぐことが出来ます。このように免疫力の上昇とともに接種量を減らして いきますから、最終的には接種量が1回10-5μg という超微量になる事もあります。 Ⅴ.その他 1.この治療は、前述のごとく、約30年前から私、林 昭がほとんど一人でやってきた 治療ですので、がんはともかく感染症、アレルギー疾患については、実際に治療しながら 自分で気が付いたり、患者からの訴えがあったりして気付いたものばかりで、多分その大 部分は私の家内(肺がん、大細胞がん、手術が済んだ時点で予後1年以内と宣告されました が、現在16年間無病状態です)から教えられたものです。したがって、今後広く利用され るようになれば、どれだけ新しい対症疾患が見つかるか予測もつきません。 名称:CI 林免疫療法クリニック・同研究所 所長 林 昭 場所:大阪市北区曾根崎新地1丁目3番16〔京富ビル〕9F TEL&FAX:06‐6341‐6241 診療日 料 月曜日(面談日) :午前10時から 午後4時 火曜日(面談日) :午前10時から 午後4時 木曜日(面談日) :午前10時から 午後4時 金曜日(面談日) :午前10時から 午後4時 金(消費税込み) 面談料: 初回 10,500円、2回目以降 接種料: 感作期 週1回×4回、各 : 治療期 月1回、各 初診料: 3,150円 再診料: 2,100円 文書料: 実費 検査料: 実費 5,250円、各30分 5,250円 10,500円(間隔が延びても同額) 接種効果判定検査(インターフェロン―γ誘導能テスト):各10,500円 原則として第4回目、または5回目の接種前後に検査と共に実施します。 予 約 註 : :完全予約制です。あらかじめ06-6341-6241にご連絡ください。 当クリニックには入院設備はありません。