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県営水道震災対策基本計画(案)

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県営水道震災対策基本計画(案)
県営水道震災対策基本計画(案)
末端給水事業編
諏訪形浄水場
四ツ屋浄水場
平成23年
月
長野県企業局
目
第Ⅰ章
次
基本事項 ····················································· 3
1
はじめに····························································· 3
2
想定する地震 ····················································· 3
第Ⅱ章
1
被害想定と目標の設定································ 4
水道施設の被害想定··········································· 4
1.1 構造物の耐震性診断 ........................................................... 4
1.1.1 施設の重要度区分........................................................ 4
1.1.2 施設の診断方法 ........................................................... 5
1.2 管路の耐震性診断............................................................... 5
1.2.2 管路の重要度区分........................................................ 5
1.2.3 管路の評価方法 ........................................................... 6
1.2.4 評価結果 ...................................................................... 6
1.3 水道システムの被害想定 .................................................... 7
2
耐震化の目標設定 ·············································· 7
2.1 断水期間及び対応措置........................................................ 7
2.1.1 断水期間 ...................................................................... 7
2.1.2 対応措置 ...................................................................... 7
2.2 復旧の目標.......................................................................... 8
2.2.1 応急復旧期間............................................................... 8
2.2.2 応急給水 ...................................................................... 8
(1)目標の設定............................................................................... 8
(2)現況備蓄水量の評価................................................................. 8
2.2.3 機能維持水準............................................................... 9
第Ⅲ章
施策··························································· 10
1
1
2
震災対策の施策体系········································· 10
1.1
目標期間.............................................................................. 10
1.2
施策体系.............................................................................. 10
施設耐震化対策················································ 11
2.1 被害発生の抑制 ................................................................... 11
2.1.1 構造物の耐震化対策 ....................................................... 11
2.1.2 管路の耐震化対策 ........................................................... 11
2.1.3 給水装置の耐震化対策.................................................... 12
2.2 影響の最小化....................................................................... 12
2.2.1 管路システムの耐震化.................................................... 12
(1)バックアップシステムの整備 ................................................ 12
(2)ブロック化の整備 .................................................................. 13
(3)ループシステム・バイパスシステムの整備 ........................... 13
2.2.2 水道システムの耐震化.................................................... 14
2.2.3 バルブの配置 .................................................................. 14
2.2.4 二次被害の防止 .............................................................. 15
3
応急対策··························································· 15
3.1 復旧の迅速化....................................................................... 15
3.1.1 応援協定等による復旧体制の整備 .................................. 15
3.1.2 マニュアルの整備 ........................................................... 16
3.1.3 資機材の確保 .................................................................. 17
3.2 応急給水の充実 ................................................................... 17
3.2.1 周辺事業体との応援協定による給水活動 ....................... 17
3.2.2 応急給水拠点の配置 ....................................................... 18
3.2.3 備蓄水量の確保 .............................................................. 18
3.2.4 マニュアルの整備 ........................................................... 19
第Ⅳ章
フォローアップ········································· 20
2
第Ⅰ章
1
基本事項
はじめに
水道は、生活や地域の社会活動を支える重要なライフラインであり、安定した水道水の供
給が水道事業者の責務となっております。
また、地震等の災害発生時においても、断減水による生活、経済活動への影響を未然に
防止あるいは軽減するため、水道システム全体の安全度・安定度を向上させるとともに、災
害時における応急給水、応急復旧体制の充実を図ることが必要です。
このような背景のもと、長野県営水道では、需要者の皆様からアンケートを行ったところ、
表 1-1 及び表 1-2 のとおりとなり、特に「災害に強い水道施設の整備」について、水道料金
の影響を抑えつつ実施する必要性を確認することができました。
このため、平成 31 年度までを目標期間とした「長野県営水道事業経営ビジョン」(以下「県
営水道ビジョン)という)において、耐震化対策を重点プロジェクトとして位置づけ平成 22 年2
月に策定しました。
本計画では、この耐震化対策(ハード対策)のほか、地震時の応急復旧や応急給水など
ソフト対策も踏まえ策定しました。
0%
10%
20%
40%
0%
10%
20%
30%
22%
13%
2.老朽化した施設の更新
40%
50%
60%
70%
4.環境負荷の低減に向けた取り組み
90%
100%
65%
3%
8%
2%
7%
5.お客様サービスの向上
1.水道料金が多少上がってでも、早急に取り組みを強化してほしい
2.水道料金への影響をできるだけ抑えるように、時期は多少遅れてもかまわない
4%
3.対策の必要はない
1%
4.わからない
(N=817)重複回答有り
(N=817)
無回答
表1-1 水道事業の優先度
2
80%
20%
3.災害に強い水道施設の整備
無回答
30%
20%
1.よりおいしい水の供給
表 1-2 災害に強い施設整備について望むこと
想定する地震
本計画において、想定する地震は下記の地震とし、その中から特に最大規模として
想定される糸魚川-静岡構造線(北部)を想定することとしました。
表 2 想定地震
想定地震
1
2
3
4
5
6
糸魚川−静岡構造線(北部)の地震
糸魚川−静岡構造線(中部)の地震
信濃川断層帯の地震
伊那谷断層帯の地震
東海地震
阿寺断層系の地震
3
想定される最大震度
長野∼上田 松本∼塩尻
7
7
6強
7
6強
5弱
6弱
6強
5弱
5強
5強
6弱
図 1 想定震源位置図
図 2 糸魚川静岡構造線(北部)の地震震度予測
出展「長野県地震対策基礎調査報告書(平成 14 年 3 月)」
第Ⅱ章
1
被害想定と目標の設定
水道施設の被害想定
1.1
構造物の耐震性診断
1.1.1
施設の重要度区分
対象となる施設は、取水施設、導水施設、浄水施設(浄水場、ポンプ場及び水管橋)、
配水施設(配水池)です。
これらの施設を重要度(表 3)に基づき区分すると、表 4 のとおりとなります。
表 3 水道施設の重要度区分
重要度区分
対象となる施設
ランクA1
重要な水道施設のうち、ランクA2の水道施設以外の水道施設
ランクA2
重要な水道施設のうち、代替施設がありかつ破損した場合に重大な二次災害
を生ずる恐れが低い水道施設
ランクB
ランクA1、ランクA2以外の施設
4
表4
取水場・導水施設・浄水場・配水池
重要度の区分
区分
取水施設
事務所
施設名
上田
1 取水口
川中島 2∼13 井戸(稼働中13井)
築造年度
導水施設
上田
1 導水トンネル
2 諏訪形沈砂池
S28、H9
S42
浄水施設
上田
川中島
1 諏訪形浄水場
1 四ツ屋浄水場
S39∼S42
H13
配水池
上田
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
坂城第1
原峠
中之条
上山田
林間工業団地
戸倉
リサーチパーク
諏訪形
網掛
更級第1
下之郷
岳ノ尾
葛尾
御所沢
更級第2
坂城第2
漆原第1
漆原第2
城腰
新山
新田
村上
東前山第1
東前山第2
奈良尾
南日名
入横尾
八木沢
八木沢第2
舞田
別所
野倉
H4
S50,S60
S62
S36
S60
S42
H3
S40
H11
S43,S54,H3
S53
S38
S54,H8
S56
S42
S45
S43,H2
S30
H5
H14
S51
S39
S38
S38
S38,H3
S33
S33,S55
S44
H5
S52
S38,S57
S38
川中島
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
小松原
篠ノ井調整池
更埴調整池
稲荷山
共和
更埴第1
犬石
更埴第2
長谷第1
柳沢
青池
茶臼山第2
茶臼山第1
森
倉科
新田
十二
四野宮
若林
長谷第2
S50
H21
H8
S58
S41
S43
H11
S42
S42
H4
S43
H2
H2
S42
S42
H11
S43
H10
S43
S41
H9
S48∼H9
ランクA1 ランクA2 ランクB
●
●
2
0
0
●
●
2
0
0
●
●
2
0
0
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
10
0
22
●
●
●
●
●
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
6
0
14
16
1.1.2
0
36
施設の診断方法
構造物の耐震診断は、各施設の重要性を考慮し、ランクA1の施設(「県営水道ビジ
ョン」では基幹施設として定めています)については、平成 24 年度までに診断を行い
ます。
1.2
管路の耐震性診断
1.2.2
管路の重要度区分
県営水道では、地震時の影響を最小限に抑えるため、導水管、送水管及び口径 200mm
以上の配水管を重要な管路(基幹管路)として位置づけています。
5
1.2.3
管路の評価方法
「基幹管路」を管路の耐震適合性について区分すると表 5 のとおりとなります。
表 5 「基幹管路」の耐震性評価基準
区
分
管
•
耐 震 管
耐震適合管
耐震不適合
管
•
•
種
備
考
ダクタイル鋳鉄管NS形等
(離脱防止継手を有するダクタイル鋳鉄管) 「水道事業ガイドライン」において耐震
管と定義される管
溶接鋼管
水道配水用ポリエチレン管
•
ダクタイル鋳鉄管(K形、T形)良い地盤布設さ
れたもの
•
•
•
石綿セメント管
「管路の耐震化に関する検討会報告書」
により、良い地盤において耐震適合性が
あると評価される管)
鋳鉄管
塩化ビニール管(TS、RR)
【耐震管】
ダクタイル鋳鉄管(NS形)
水道配水用ポリエチレン管
【耐震適合管】
(但し「良い地盤」に布設されているものに限る)
ダクタイル鋳鉄管(K形)
ダクタイル鋳鉄管(T形)
ここで耐震適合管については、「良い地盤」の位置づけとして液状化の危険度が低
いとして区分される地区に埋設したダクタイル鋳鉄管(K形及びT形)としました。
1.2.4
評価結果
平成 22 年度末の基幹管路の耐震性能を評価した結果は、表 6 のとおりであり、耐震
適合管を含んだ耐震適合性のある管の割合(耐震適合率)は、77.6%をなっています。
表 6 基幹管路の耐震性評価
耐震管
全延長
(m)
基幹
管路
延長
(m)
導・送水管 133,241 42,313.0
配水管
170,220 23,265.0
φ200以上
合計
303,461 65,578.0
K形等含
耐震化率
耐震化
延長
耐震管・耐震適合管
耐震適合
耐震化率 管含む延長
(m)
耐震化
耐震適 必要延長
(m)
合率
31.8% 128,465.8
96.4%
106,460.0
79.9% 26,781.0
13.7% 163,663.5
96.1%
128,880.0
75.7% 41,340.0
21.6% 292,129.3
96.3%
6
235,340.0 77.6%
68,121.0
1.3
水道システムの被害想定
地震を受けた際、水道以外のライフライン施設、例えば電気、ガス、下水道等でも被害
が予想されます。
特に停電に関しては、水道システムの機能低下に直接影響します。
このため、浄水場において、停電が生じた場合には、計測設備やポンプ設備、テレメー
タなどの電気通信施設がダウンし、適切な浄水機能を維持することが困難となります。
また諏訪形浄水場の諏訪形、原峠送水ポンプや四ツ屋浄水場内の送水ポンプがダウンす
るとその被害が甚大になるものと想定されます。
(表 7)
表 7 送水量の内訳(平成 21 年 3 月 31 日)
浄水場
送水量(m3/日)
率
33,840
−
諏訪形
うち原峠送水ポンプ使用
6,320
うち諏訪形送水ポンプ使用
うち送水ポンプ使用計
2,140
8,460
25,713
25,713
59,553
四ツ屋
うち送水ポンプ使用
総計
うち送水ポンプ使用
2
18.7%
特記事項
リサーチパーク、工業団地、
東前山、別所等
6.3%
25.0%
−
100.0% すべて送水ポンプを使用
−
34,173
57.4%
耐震化の目標設定
2.1
断水期間及び対応措置
2.1.1
断水期間
断水期間は被災者の不安感の軽減、生活の安定を考慮して4週間を目標とし、復
旧作業を完了させることとします。
表 8 地震発生からの日数における復旧内容及び断水率の目標
地震発生からの日数
期間内の復旧内容
復旧後の
断水率
発生直後
緊急遮断弁が作動し、一時的にダウン
80%
発生∼3日まで
無被害の箇所の通水作業
35%
4日∼10日まで
優先箇所(上流側)の復旧作業
20%
11日∼21日(3週間)まで
下流側の復旧作業
10%
15日∼28日(4週間)まで
末端部(給水管等)の復旧作業
2.1.2
対応措置
断水期間内における応急給水目標は、下記のとおりとします。
表 9 応急給水の目標設定
地震発生から
の日数
一人一日当り
目標水量
用 途
地震発生∼3日まで
3㍑/人・日
飲料等(生命維持に最小限必要)
4日∼10日まで
20㍑/人・日
11日∼
100㍑/人・日
飲料、水洗トイレ、洗面等
(日周期の生活に最小限必要)
飲料、水洗トイレ、洗面、風呂、シャワー等
(数日周期の生活に最小限必要)
7
0%
2.2
復旧の目標
2.2.1
応急復旧期間
応急復旧期間は、4 週間以内を目標とし、それぞれの復旧内容は図 3 のとおりとし
ます。
地震発生
復旧内容
配水目標
発生直後
緊急遮断弁作動
通常能力の20%配水
(断水率80%)
緊急遮断弁 復帰
発生から3日
通常能力の65%配水
(断水率35%)
優先箇所(上流側)復旧
発生から10日
通常能力の80%配水
(断水率20%)
発生から21日
通常能力の90%配水
下流側復旧
(断水率10%)
発生から
4週間
末端部(給水管等)
復旧
通常能力の100%配水
(断水率0%)
復旧作業完了
図 3 配水目標に対する復旧の内容
2.2.2
応急給水
(1)目標の設定
応急復旧期間内の応急給水量における運搬距離及び給水方法の目標は、表 10 のとお
りとします。
表 10 応急給水の目標設定
地震発生からの
日数
地震発生∼3 日まで
10 日まで
11 日以降
3 ㍑/人・日
住民が水を
運搬する距離
概ね 1km 以内
給水車
20 ㍑/人・日
概ね 250m 以内
配水幹線付近の仮設給水栓
100 ㍑/人・日
概ね 100m 以内
配水支線付近の仮設給水栓
目標水量
主な給水な方法
(2)現況備蓄水量の評価
1,000m3 以上の容量を持つ配水池及び浄水場並びに予備水源を応急給水拠点と位
8
置付け、これらの施設の耐震化及び緊急遮断弁の整備によって、応急給水目標の水量
を確保します。
現在の備蓄水量は表 11 のとおりです。
表 11 緊急時の備蓄水量
供給拠点
管内別
諏訪形浄水
池
四ツ屋浄水
池
上田
浄水場
川中島
上田
緊急遮断
弁を有す
る配水池
川中島
予備水源
2.2.3
上田
確保可能水量
(最大)
名称
3,110
m3
3,036
m3
場内1号井
3,200
m3/日
場内2号井
3,200
m3/日
原峠
林間工業団
地
リサーチパーク
網掛
坂城第一
中之条
上山田
戸倉
更埴第一
2,900
m3
1,638
m3
1,300
1,000
3,220
2,592
1,664
1,340
1,600
m3
m3
m3
m3
m3
m3
m3
更埴調整池
6,000
m3
稲荷山
犬石
篠ノ井調整
池
共和
小松原
高河原
1,742
800
m3
m3
8000
m3
1,340
8,700
576
m3
m3
m3/日
計
12,546m3
(うち6,400m3/
日)
43,836 m3
576 m3/日
機能維持水準
震災時水道施設における機能維持水準は図 4 のとおりとします。
目標
復 旧 手 段
取水施設
導水施設
被災直後の
維持水準
耐震化工事により
機能維持
浄水施設
耐震化工事により
機能維持
送水・ 配水施設( 基幹)
配水幹線( 基幹管路)
(重要給水ルート)
配水支線( その他管路)
給水管
図 4 機能維持水準の区分
9
復旧対策
復旧対策・
応急給水
応急給水
対策対策
第Ⅲ章
1
施策
震災対策の施策体系
1.1
目標期間
目標は「県営水道ビジョン」の耐震化目標期間である平成 31 年度末とします。
1.2
施策体系
県営水道では図 5 の体系により震災対策をすすめます。
構造物の耐震化
被
害
発
生
の
抑
制
施
設
耐
震
化
対
策
管路の耐震化
給水装置の耐震化
管路システムの耐震化
影
響
の
最
小
化
震
災
対
策
水道システムの耐震化
バルブの配置
二次被害の防止
応援協定等による復旧体制の整備
復
旧
の
迅
速
化
応
急
対
策
マニュアルの整備
資機材の確保
周辺事業体との応援協定による給水活動
応
急
給
水
の
充
実
応急給水拠点の配置
備蓄水量の確保
マニュアルの整備
図5
震災対策施策体系
10
2
施設耐震化対策
2.1
被害発生の抑制
構造物の耐震化
被害発生の抑制
管路の耐震化
給水装置の耐震化
2.1.1 構造物の耐震化対策
基幹施設については、平成 24 年度までに計画的に耐震診断を実施し、その結果に基
づき必要な対策を講じます。
なお、診断結果に基づき耐震補強が必要となる基幹施設は平成 31 年度末までに完了
させることとします。
また、平成 31 年度末までに以下のとおりを整備目標とします。
◆ 浄水施設耐震率(PI:2207)
(単位:%)
H22末
48.5
目標値(H26)
100.0
(単位:%)
◆ ポンプ所耐震施設率(PI:2208)
H22末
34.0
目標値(H31)
100.0
目標値(H26)
38.3
目標値(H31)
54.9※
※ 応急給水拠点へ送水しているポンプ所は全て耐震化を実施します。
◆ 配水池耐震施設率 (PI:2209)
H22末
42.8※1
(単位:%)
目標値(H26)
29.7
目標値(H31)
81.6※2
※1 耐震診断の結果により、「県水道ビジョン」の H26 目標値を既に上回っています。
※2 応急給水拠点となる容量 1,000 ㎥以上の配水池は全て耐震化を実施します。
2.1.2 管路の耐震化対策
基幹管路として位置づけました重要度の高い管路については、平成 31 年度末まで
に耐震適合率 100%を目指して整備します。
また、基幹管路以外の管路については、災害時の拠点医療施設への給水ルート、防
災拠点、避難所、応急給水箇所などへの給水ルートなどを総合的に評価して整備しま
す。
◆ 基幹管路の耐震化率
(単位:%)
H22 末
77.6※
目標値(H26)
89.7
目標値(H31)
100.0※
※ 地盤の状況(液状化の危険度)を判断した上で、耐震性を有するとされ
るダクタイル鋳鉄管 K 形及び T 形を含めた数値です。
11
2.1.3 給水装置の耐震化対策
給水管については、平成3年からステン
レス波状管を採用し、耐震化を図っていま
す。
今後も、給水管の新設および配水管の布
設替に伴う給水管の布設替の際、ステンレ
ス波状管により耐震化を進めます。
ステンレス波状管(サドル付分水栓と接続)
◆
2.2
給水管のステンレス化継続実施
給水管について、耐震性に優れるステンレス波状管の採用を引き続き進め
ます。
影響の最小化
管路システムの耐震化
水道システムの耐震化
影響の最少化
バルブの配置
二次被害の防止
2.2.1 管路システムの耐震化
長野大橋接続
長野市長野大橋南側
φ500
(1)バックアップシステムの整備
広域的なバックアップ機能の強化を図る
ため、隣接事業体間の緊急連絡管(相互連
絡管)の整備が重要です。
現在整備済である8つの連絡管について、
適切な維持管理を図るとともに、隣接事業
体間とも連携して定期的に訓練を実施して
いきます。
また、平成 31 年度までに、新たな連絡管
の整備を含めた検討を行います。
事業体
上田市水道
千曲市水道
長野市水道
1
2
3
4
5
6
7
8
箇所名
神畑
倉升
福田
小泉
仁古田
丸子
稲荷山
長野大橋
千曲市営水道への分水
千曲市稲荷山西中学校横
DCIPφ300
倉升接続
上田市上田原長池公園 1365
倉升配水池 DCIPφ200
小泉接続
上田市大字小泉 622
武田健次郎宅付近
送水管 DCIPφ200
福田接続
上田市大字福田 1325-12
中沢工業所付近
倉升配水池 DCIPφ200
仁古田(岡橋)接続
上田市仁古田岡橋 340-1
岡配水池 DCIPφ75
丸子接続
上田市生田 4276 番地 28
林間工業団地配水池付近
送水管 DCIPφ100
神畑接続
上田市大字神畑 189-1
ミヤジマ技研(株)付近
倉升配水池 DCIPφ100
図 6 緊急連絡管一覧
12
緊急連絡管(長野大橋)における通水訓練
なお、送水幹線については、遠隔操作によりバルブを閉止することができるよう
遮断弁(電動弁)を設置し緊急時に備えておりますので、引き続き適切な維持管理
をはかります。
◆ 新たな緊急連絡管の整備に向けた検討
新たな緊急連絡管の整備を検討します。
◆ 緊急連絡管を利用した防災訓練の実施
現在ある緊急連絡管を利用して、隣接事業体間と連携した防災訓練を定期的に実
施します。
◆ 緊急連絡管や遮断弁(電動弁)の適切な維持管理
現在ある緊急連絡管や遮断弁(電動弁)を適切に維持管理していくため、定期的
な点検・補修等を実施します。
(2)ブロック化の整備
管網解析システム等を利用し、配水池系統のブロック化を進め、バックアップ給水
を検討し、断水区域の局所化を図ります。
◆ 配水池系のブロック化に伴うバックアップ給水の検討
配水池系の閉止弁(永久弁)の位置を把握し、管網解析システムを利用して、隣
接配水池からのバックアップ給水について検討します。
◆ 配水池系のブロック化
小松原・共和・篠ノ井調整池系及び送水管直送系について、管網解析システムを
利用して、ブロック化を検討、整備します。
(3)ループシステム・バイパスシステムの整備
送水管など被災した際に影響が大きい管路では、一部でバイパス化を図っています。
他の箇所においても、管路が被災し、断水時の影響を最小限にとどめるためバック
アップ対策として、管路のループ化やバイパス化の検討を行います。
◆ 管路のループ化・バイパス化の検討
管路の布設替などにあたっては、ループ化やバイパス化を含めた効果的、効率的
な対策の実施を検討します。
13
2.2.2 水道システムの耐震化
他のライフラインの一つである電気が停電となった場合に備え、電源のバックアッ
プ機能の整備を行います。
現在、諏訪形浄水場では、2回線による受電となっています。(表 12)
一方、四ツ屋浄水場は、電源のバックアップ機能の充実化を図るため非常用電源設
備の整備を行います。
また、基幹施設へ送水しているポンプ場についても、同様設備の検討及び整備を行
います。
表 12 浄水場における電源バックアップ化の状況
浄水場
電源バックアップ状況
形態
諏訪形
整備済
二回線受電
四ツ屋
未
未検討
特記事項
停電時には別の変電所から受電
通常電源(場内揚水ポンプ2台を含む)
に利用する自家発電設備は所有済
◆ 浄水場の電源バックアップ機能の強化
地震による停電対策として、特に被害が甚大と予想される浄水場について、電源
二重化または非常用電源設備の整備を行います。
◆ ポンプ場の電源バックアップ機能の強化
地震による停電対策として、応急給水拠点(基地)として位置づけられた配水池
へ送水しているポンプ場について、非常用電源設備の検討及び整備を行います。
2.2.3 バルブの配置
配水管が被害を受けた際に、その影響を局所的にとどめ、断水被害の拡大を抑制で
きることが予想される箇所のバルブを確認するとともに、必要なバルブの設置を検討
します。
バルブの確認作業
◆ バルブの確認及び設置
管網解析システムを利用して、断水被害の拡大を抑制できる箇所を検討し、必要
な箇所にバルブを設置します。
14
2.2.4 二次被害の防止
水道施設の被災に伴い、貯留水の流出による被害や、有毒物質(薬品、油など)の
漏洩による被害など2次被害の発生の恐れのある箇所には防液堤や転倒防止装置など
の予防措置を引き続き講じるとともに、各配管には伸縮可とう管など耐震性の高い継
手を用いて整備します。
◆ 二次災害防止のための措置
薬品貯蔵庫や水質検査室などにおいて、転倒防止装置や伸縮可とう管の設置など
二次災害防止のための措置を講じます。
3
3.1
応急対策
復旧の迅速化
応援協定等による復旧体制の整備
復旧の迅速化
マニュアルの整備
資機材の確保
3.1.1 応援協定等による復旧体制の整備
県営水道では、
「水道施設災害時等応急措置に関する協定」を 63 業者と締結しており、
この協定に基づき、有事の際には、管路などの漏水事故の復旧にあたります。
また、給水装置などの漏水については、指定給水装置工事事業者へ「県営水道指定給水
装置工事事業者の指定及び給水装置工事の施工に関する要綱第 5 条」に記載のとおり、水
道施設が災害を受けた場合には、その復旧について協力を依頼することとしています。
「水道施設災害時等応急措置に関する協定」に基づく応急復旧訓練
さらに、県営水道では、県内の水道事業体組織で構成する「長野県水道協議会」に加入
しており、この「長野県水道協議会水道施設災害等相互応援要綱」に基づき、被災時には
応急給水活動のほか、応急復旧作業及び応急復旧用の機械器具及び資材の供出について他
事業体の応援を要請します。
また、県内で甚大な被害を受けたときなど他県事業体からの応援が必要な場合には、日
本水道協会長野県支部長(現在、長野県水道協議会長が兼務)から、日本水道協会中部地
方支部長へ「日本水道協会中部地方支部災害時相互応援に関する協定」に基づき応援要請
することとなっています。
15
日本水道協会中部地方支部合同訓練
ほか県営水道では、災害時等における復旧要員の確保を図ることを目的として「災害時
等支援協力者制度」を平成 21 年度から導入しており、既に水道事業を経験した退職職員
の方が応急給水活動を支援することとなっています。
これら締結済の制度を活用した復旧訓練について、引き続き定期的に実施します。
災害時等支援協力者制度登録者とのバルブ類確認訓練
○
現在締結済の協定等
「水道施設災害時応急措置に関する協定」
(工事施工業者との復旧工事協定)
「長野県水道協議会水道施設災害等相互応援要綱」
(県内の水道事業体相互における応援要綱)
「災害時等支援協力者制度」
(水道事業を経験した退職職員をボランティア登録する制度)
◆ 復旧訓練の実施
災害時の協定を想定した実践的な復旧訓練を定期的に実施し、常に的確な対応が
できる体制整備を図ります。
3.1.2 マニュアルの整備
地震等において迅速で的確な対応が図られるように、現在ある「大規模地震時の初動マ
ニュアル」等危機管理マニュアルを定期的に見直すとともに、再整備に当たっては、他事
業体からの応援受入れ態勢の構築も考慮して整備します。
○ 現在策定済のマニュアル
「大規模地震時の初動マニュアル」
大規模地震時における初動体制確保
「県営水道応急給水マニュアル」
大規模地震時等における応急給水体制確保
16
◆ マニュアルの整備
現在ある「大規模地震時の初動マニュアル」等危機管理マニュアルを定期的に見
直すとともに、再整備に当たっては、他事業体からの応援受入れ態勢の構築も考慮
して整備します。
3.1.3 資機材の確保
地震等において、漏水事故が起きた場合には、作業労力を確保するとともに、資機材の
早期調達が必要です。
前述しました「長野県水道協議会水道施設災害等相互応援要綱」に基づいて、復旧資材
を応援事業体から調達するとともに、特に、汎用性の少ない特殊継手等に関しては、引き
続き自ら備蓄し復旧作業を迅速なものとします。
備蓄資材(カバージョイントΦ400)
◆ 資機材の確保
災害に備え、長野県水道協議会会員相互における資機材の備蓄内容に関して、定
期的に把握するとともに、汎用性の少ない資機材に関しては引き続き自ら備蓄を行
います。
3.2
応急給水の充実
周辺事業体との応援協定による給水活動
応急給水拠点の配置
応急給水の充実
備蓄水量の確保
マニュアルの整備
3.2.1 周辺事業体との応援協定による給水活動
県営水道では、隣接する3事業体(長野市、上田市、千曲市)と「給水援助協定書」を
締結しており、断水事故等による非常災害時において、受水地点から緊急連絡管等を介し
て、給水の援助を受けることとしています。
今後も給水援助協定による緊急連絡管等を利用した、より実践的な訓練を定期的に実施
します。
○ 現在締結済の協定書
「給水援助協定書」
・長野市(長野大橋緊急連絡管)
・上田市(神畑、倉升、福田、小泉、仁古田、丸子)
・千曲市(稲荷山)
17
長野大橋接続
長野市長野大橋南側
φ500
千曲市営水道への分水
千曲市稲荷山西中学校横
DCIPφ300
倉升接続
上田市上田原長池公園 1365
倉升配水池 DCIPφ200
隣接事業体との応急給水訓練
小泉接続
上田市大字小泉 622
武田健次郎宅付近
送水管 DCIPφ200
福田接続
上田市大字福田 1325-12
中沢工業所付近
倉升配水池 DCIPφ200
仁古田(岡橋)接続
上田市仁古田岡橋 340-1
岡配水池 DCIPφ75
丸子接続
上田市生田 4276 番地 28
林間工業団地配水池付近
送水管 DCIPφ100
神畑接続
上田市大字神畑 189-1
ミヤジマ技研(株)付近
倉升配水池 DCIPφ100
図 7 緊急連絡管位置図
地域における応急給水訓練
◆ 応急給水訓練の実施
緊急連絡管や予備水源、応急給水拠点(基地)となる配水池を利用した実践的な
訓練を定期的に実施し、常に的確な対応ができる体制整備を図ります。
3.2.2 応急給水拠点の配置
既に策定済みである「応急給水マニュアル」にて定めた応急給水拠点(給水基地)
において、水道水の供給活動を行います。
さらに、現況の耐震化状況や給水作業スペース等を踏まえ、市町村地域防災計画に
て定める避難施設(所)や災害対策用耐震貯水槽など市町村関係部局とも調整の上、
応急給水拠点となる給水基地の追加を検討します。
◆ 応急給水拠点(給水基地)の検討
市町村地域防災計画にて定める避難施設(所)や給水規模等を考慮し、応急給水
拠点となる給水基地の追加について検討します。
3.2.3 備蓄水量の確保
現況備蓄水量にて目標水量は確保していますが、非常時には予備水源の水質の悪
化も否定できないため、さらに非常用水源の調査を行います。
また、配水池において非常用水量を備蓄するための緊急遮断弁について、適切に
維持管理するとともに、備蓄した非常用水の運搬が的確に行えるよう給水資機材の
確保を図ります。
18
緊急遮断弁
給水袋
給水車
非常用水源(高河原)における
給水袋を利用した応急給水訓練
◆ 緊急用水源の確保
非常時における水質の悪化等に備えて、新たな緊急時用水源の確保に向けた調査
検討を行います。
◆ 給水資機材の確保
給水車や給水袋をはじめとする給水資機材の確保を、引き続き図ります。
◆ 緊急遮断弁の適切な維持管理
非常時の水量の備蓄として配水池に整備された緊急遮断弁について、引き続き適
切な維持管理を行います。
3.2.4 マニュアルの整備
地震等において迅速で的確な対応が図られるように危機管理マニュアルを定期的
に見直するとともに、様々な状況を想定した職員訓練を定期的に実施します。
◆ マニュアルの整備【再掲】
「大規模地震時の初動マニュアル」等危機管理マニュアルを定期的に見直すとと
もに、再整備に当たっては、他事業体からの応援受入れ態勢の構築も考慮して整備
します。
19
第Ⅳ章
フォローアップ
本計画の推進にあたっては、定期的に進捗状況を確認することが必要ですあり計画と実績と
で乖離が生じている場合には、その原因を把握して計画を再度見直します。
<長野県企業局水道事業係>
郵便番号 380-8570 長野市南長野字幅下692-2
TEL 026-235-7381
FAX 026-235-7388
メール [email protected]
<長野県上田水道管理事務所(諏訪形浄水場)>
郵便番号 386-0032 上田市諏訪形613
TEL 0268-22-2110
FAX 0268-22-2994
メール [email protected]
<長野県川中島水道管理事務所(四ツ屋浄水場)>
郵便番号 381-2231 長野市川中島町四ツ屋100
TEL 026-284-1700
FAX 026-284-1702
メール [email protected]
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