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特別講義(6月21日)
「日本経済論」 法政大学 エスカレートする金融政策 -政策反応関数の喪失と市場の迷い- 2016(平成28)年6月21日 岡三証券株式会社 グローバル金融調査部 チーフ・エコノミスト 愛宕 伸康 3 日本銀行の設立 明治維新後、金や銀といった裏付け資産を持たない「不換紙幣」の発行に依存する形で殖産 興業が図られる中、1877(明治10)年に西南戦争が勃発。それを機にハイパーインフレが発生。 当時の大蔵卿(現在の財務大臣)松方正義は、インフレを収束させるため、不換紙幣を整理し、 裏付け資産のある兌換銀行券を発行する中央銀行の設立と、それを中核とする銀行制度の 整備が必要と考え、1882(明治15)年3月、日本銀行創設を建議した。 フランス大蔵大臣レオン・セイ(「セイの法則」のジャン・バティスト・セイの孫)の助言に従い、 ベルギー国立銀行の制度を参考に日本銀行条例が1882(明治15)年6月に制定され、同年10 月10日から、行員55人で営業を開始した。 国名 設立(年) 人員(人) スウェーデン 1668 350 英国 1694 1,721 フランス 1800 12,828 オランダ 1814 1,513 ベルギー 1850 1,927 ドイツ 1876 9,743 日本 1882 ( 明治1 5 ) 4 ,8 0 4 (うち本店2 ,7 4 0 ) イタリア 1893 7,523 スイス 1905 650 米国 1913 17,398 カナダ 1934 1,200 中国 1948 134,481 韓国 1950 2,205 (注)人員は、日本2010年度、スウェーデン・英国・ベルギー・ドイツ・スイ 欧州中央銀行 1998 1,607 ス・欧州中央銀行2010年、オランダ・イタリア・米国・カナダ2009年、フ ランス2007年の数字。各国中銀資料より。 4 日本銀行の組織 5 日本銀行の豆知識(1) 【日本銀行の呼称】 「日本銀行」の読み方については、法律などで決められている訳ではありません。 ただ、お札の裏に「NIPPON GINKO」と印刷してあることもあって、日本銀行では 「ニッポンギンコウ」と呼ぶようにしています。 【ロゴ】 正面玄関入口に、咆える2頭の雄ライオンが6個の千両箱を踏ま えて後足で立ち、日本銀行のシンボルマーク「めだま」を抱えた 青銅製の紋章があります。日本銀行とライオンの関係ははっきり しませんが、欧米を視察した辰野金吾(旧館の設計者)が、欧州 の宮殿、寺院などに王者のシンボルであるライオンをあしらった 紋章飾りが多く使われていることを知り、これを取り入れたもので あろうと言われています。 【銀行券】 銀行券は、独立行政法人国立印刷局(以前は財務省印刷局、大蔵省印刷局)が 作っています。銀行券は、金融機関が日本銀行当座預金から引き出して、日本銀 行の窓口から受け取ることによって世の中に送り出されます。これを「銀行券の発 行」といいます。 6 日本銀行の豆知識(2) 【お札の量】 世の中に出回っている銀行券は2013(平成25)年末時点で90.1兆円です。 【お札の印鑑、「めだま」マーク】 銀行券に押されている印鑑は、表面(肖像が印刷されている面)に押されているもの が日本銀行総裁の印章で、裏面に押されているものが発券局長の印章です。また、 「めだま」のようなマークは、「日」という漢字の古代書体の一種で、日本銀行の行章 (マーク)です。 【日本銀行の収益】 日本銀行の利益の大部分は、銀行券(日本銀行にとっては無利子の負債)の発行と 引き換えに保有する有利子の資産(国債、貸出金等)から発生する利息収入で、こう した利益を「通貨発行益」(シニョリッジ)と呼びます。 経費や税金を支払った後の当期剰余金は、準備金や出資者への配当に充当される ものを除き、「国庫納付金」として国庫に納付されます。 ちなみに、2013(平成25)年度の経常利益は1兆2,805億円、税引前当期剰余金は 9,816億円で、法人税、住民税及び事業税を差し引いた後の当期剰余金は7,242億円 でした。このうち、法定準備金の積み立てと配当金支払いを除く5,793億円が、国庫納 付金として国庫に納付されました。 7 エコノミストとは 政府機関で国家の経済の舵取りに携わる実務家。シンクタンク・証券会社等で、経済 (主としてマクロ経済)に関する調査・分析・論評を担当する専門職。 ⇒証券会社のエコノミストは顧客である投資家のために経済の調査とレポートを担当する のに対し、シンクタンクのエコノミストは政府外郭団体などの委託で調査を行うこともある。 個別の業界分析や企業分析を担当する専門職であるアナリストとは区別される。 【例えば以下のような機関にエコノミストが勤務している】 政府機関(内閣府)、中央銀行(日本銀行)、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構 (OECD)、国際決済銀行(BIS)、世界銀行、アジア開発銀行(ADB) シンクタンク、銀行、証券会社、生命保険会社など 【目的や役割はそれぞれ違う】 官庁エコノミスト・・・適切な政策を遂行・説明するための情報提供 セルサイドのエコノミスト・・・顧客である投資家への情報提供 バイサイドのエコノミスト・・・投資を行うための調査・分析・予測 シンクタンク・・・委託調査・分析・予測、政策提言、広く一般への情報提供 13 Strong Yen and Deflation Yen Appreciation and deflation often happened at the same time in Japan Collapse of “dot-com bubble” in late 2000 Bankruptcy of Lehman Brothers in late 2008 Opinion supporting QE(“Inflation targeting”+ “Purchase of Japanese government bond”) became more popular 2.0 【JPY & CPI】 (YoY, %) (2010 FY=100) 30 CPI (All Items Less Fresh Food and Energy) 40 1.5 Bankruptcy of Lehman Brothers 1.0 Collapse of “dot-com bubble” 50 60 0.5 70 0.0 80 JPY deval. -0.5 90 -1.0 100 -1.5 110 Nominal Effective Exchange Rate (right scale) -2.0 120 94 95 96 97 98 99 00 01 (注)97年の消費税率引き上げを調整済み。 (資料)総務省、日本銀行 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 (FY) 14 リフレ派とは 「リフレーション」(リフレ)とは、デフレーション(デフレ)からは脱しているが、本格的なインフ レーション(インフレ)ではない状態のこと。「リフレーション」という言葉は、英エコノミスト誌の 「リフレーションか破綻か」という記事(1932年2月13日)が最初(岩田規久男)。アーヴィン グ・フィッシャーが提唱していた言葉(田中秀臣)。 「リフレーション政策」とは、マクロ経済政策を通じて総需要を拡大させ、リフレの状態にしよ うとする政策。具体的には「インフレターゲット+国債買い入れ」によって「デフレ脱却を目指し つつ、インフレも抑制しようとする政策」のこと(田中)。昭和恐慌(1930-31年)の際、石橋湛 山が「リフレーション政策」と称したことから、そうした政策を提唱する人々を「リフレ派」と呼 ぶようになった(松尾匡)。リフレ派とは、「日本経済の長期低迷からの脱出に関して、決定 的に重要なのは金融政策であるとする立場」(野口旭)。 フリードマンの格言「インフレはいつでもどこでも貨幣的現象である」(貨幣数量説) Friedman, Milton, “The Counter-Revolution in Monetary Theory: First Wincott Memorial Lecture, Delivered at Senate House, University of London, 16 September, 1970,” Institute of Economic Affairs Occasional Paper 33, 1970. 「簡単だ。日本銀行は長期国債を買うことができる。日本銀行はマネタリー・ベースの増加 が経済を拡大させ始めるまで長期国債を買い続ければよい」(フリードマン) - 2000年カナダ銀行のコンファランス基調講演後の質疑応答で、ゼロ金利制約に直面し ていた日本銀行の金融政策について何ができるのかと問われて(翁邦雄『日本銀行』ちく ま新書<2013年>より) ― 15 貨幣数量説の簡単な解釈 【数量方程式】 マネー ・・・日銀の仕事 M V <長期的な名目成長率> = P Y ⇒ (一定) インフレ率 潜在成長率 ・・・政府の仕事(成長戦略) 「インフレはいつでもどこでも貨幣的現象」・・・長期の概念 上の「数量方程式」のイメージ 日本で人々が持っている通貨の総額を考える。今、通貨の総額が100兆円だとすると、人々はその 通貨を使ってさまざまな経済取引の決済を行うので、通貨は何回転も循環する。例えば、ある一定 期間の取引総額が500兆円だったとすると、その期間中に通貨が5回回転したことになり、これを流 通速度と言う(上式のV)。取引総額を日本経済全体と考えると名目GDP、つまり、量の概念である 実質GDP(Y)と、価格の概念であるデフレーター(P)の掛け算であるから、それが通貨の総額 (M)とVの積と一致することになる。 16 Abenomics is “Giant Fiscal & Monetary Policy” 【”Former” 3 Arrows】 (1st Arrow) Bold Monetary Policy ⇒ QQE(April 2013), QQEⅡ(April 2014), QQEN(January 2016) (2nd Arrow) Flexible Fiscal Policy (3rd Arrow) Growth Strategy to encourage private investment 400 (Trillion Yen) (Trillion Yen) 「QE」 128 Abenomics 350 Reserve 300 Japanese Government Bonds held by BOJ 126 124 Public Demand (right scale) 250 130 122 200 120 150 118 116 100 114 50 「QQE」 112 0 110 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (FY) (出所)内閣府、日本銀行 17 Abe Trade-Buying Japanese stock + Selling yen- 【Abenomics】 【Abenomics】 130 Dissolution of QQE Ⅱ 125 the House of Representatives 120 Inflation target 115 110 QQE 105 100 95 QQE with Negative Interest Rate 90 85 80 75 12年1月 13年1月 14年1月 15年1月 16年1月 22000 【Previous QE】 18000 QQE Ⅱ Inflation target 16000 QQE 14000 12000 QQE with Negative Interest Rate 10000 8000 6000 12年1月 13年1月 14年1月 15年1月 16年1月 出所:トムソン・ロイター 【Previous QE】 Dollar-yen exchange rate 130 Dissolution of the House of Representatives 20000 出所:トムソン・ロイター (1$=Yen) Nikkei Average (Yen) Dollar-yen exchange rate (1$=Yen) Nikkei Average (Yen) 18000 G7 joint statement 125 16000 Finished QE (01/03-06/03) 120 14000 115 12000 110 Iraq War Fukui became Governor of BOJ G7 joint statement Iraq War Fukui became Governor of BOJ 10000 105 Finished QE (01/03-06/03) 8000 100 02年1月 03年1月 出所:トムソン・ロイター 04年1月 05年1月 06年1月 6000 02年1月 03年1月 出所:トムソン・ロイター 04年1月 05年1月 06年1月 18 景気は低迷したまま (2013Q2=100) 110 需要項目の推移 (2013Q2=100) 140 90 Export (RHS) (Cons. tax hike) 06 89 110 110 CAPEX 89 120 100 100 Resi. Investment (RHS) 90 90 Consumption 3 4 14/1 2 3 4 15/1 2 88 03 14 100 86 02 12 3 4 88 110 13 04 03 15 100 87 86年度=100 02年度=100 12年度=100 90 86 02 12 13 1 2 04 06 07 05 15 14 86年度=100 02年度=100 12年度=100 80 80 1 80 16/1 90 130 07 05 90 13/2Q (実質設備投資/実質GDP、基準時=100) 91 105 95 設備投資GDP比率の局面比較 設備投資キャッシュフロー比率の局面比較 120 120 (基準時=100) 2 3 4 (出所)財務省「法人企業統計」 5 6 7 8 (年度) 3 4 5 (出所)内閣府 6 7 8 (年度) (出所)内閣府 設備投資キャッシュフロー比率と期待成長率 実質輸出(季調値) (景気の谷=100) 4.0 -過去の景気拡大期との比較- 160 3.5 (倍) 今後5年間の実質経済成長率見通し 1.2 1.1 設備投資キャッシュフロー比率(右目盛) 86年11月~91年2月 150 (%) 3.0 1.0 2.5 0.9 130 2.0 0.8 120 1.5 0.7 1.0 0.6 0.5 0.5 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年度) 02年1月~08年2月 140 12年11月~足元(15年12月) 110 100 90 1 7 出所:財務省 13 19 25 31 37 43 49 55 61 67 73 (か月) (注1)設備投資キャッシュフロー比率=固定資産新設額/営業キャッシュフロー (注2)営業キャッシュフロー=営業利益×(1-法人実効税率)+減価償却費 (注3)金融・保険業除くベース、設備投資額はソフトウェア投資を除くベース、15年度は15/4Qまで (出所)財務省「法人企業統計」、内閣府「企業行動に関するアンケート調査」 19 物価もなかなか上昇せず-ポイントは賃金上昇なのだが- 【賃金と物価】 【賃金と失業率】 8.0 賃金率(前年比、%) 6.0 賃金率(前年比、%) 8.0 US 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 賃金調整 → デフレ Japan -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 US 6.0 4.0 2.0 0.0 -2.0 Japan -4.0 日本は賃金調整 -6.0 0.0 2.0 4.0 CPI(前年比、%) 【雇用者報酬と雇用形態別雇用者数】 1,400 名目雇用者報酬 賃金指数 105 8.0 10.0 【年齢階層別就業者数】 2010年=100 107 6.0 失業率(%) (万人) 1,200 正規雇用 正規+非正規 55-64歳 1,000 103 800 101 50-54歳 600 99 400 97 200 95 65歳以上 出所:内閣府、総務省 ※季節調整値を使用 直近地は2015年10-12月期分 25-29歳 20-24歳 0 68年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 73年 出所:総務省 78年 83年 88年 93年 直近値は2015年12月分 98年 03年 08年 13年 21 マイナス金利付き量的質的金融緩和を導入 ポイント 量的緩和とマイナス金利政策が両立できるか 金融機関からの批判をかわすことができるか 【当座預金残高を3階層に分割】 290兆円 280兆円 ≒10兆円 270兆円 ③ 政策金利残高 260兆円 10兆円 ▲0.1% ② マクロ加算残高 40兆円 20兆円 30兆円 (所要準備) (貸出支援基金) (被災地支援オペ) ≒30兆円 基準比率(掛目) 0.14とすると、 ①220×0.14 =30.8兆円 0.0% ① 基礎残高 210兆円 掛け目で調整 ≒70兆円 当座預金残高を3階層に分割。 ①プラス適用残高(0.1%) ・・・「基礎残高」 ②ゼロ金利適用残高 ・・・「マクロ加算残高」 ③マイナス金利適用残高(▲0.1%) ・・・「政策金利残高」 基準比率(掛目)を設定し、雪だ るま式に拡大していく③の大きさ を定期的に調整。 +0.1% 掛目の改定は、国債大量償還に より当座預金残高が膨らむ3、6、 9、12月の3ヵ月毎に調整し、③を 10~30兆円に収める方針。 2月積み期 3月積み期 4月積み期 5月積み期 22 信託銀行とゆうちょ銀行で膨らむマイナス金利適用残高 【3月積み期の業態別当座預金残高】 当座預金残高 (a) -単位,兆円 プラス金利適用残高 ゼロ金利適用残高 上限 (b) 余った枠 ((b)+(c))-(a) 都市銀行 98.0 81.3 81.3 14.6 19.4 2.1 2.7 地方銀行 19.7 15.1 15.3 3.9 7.6 0.6 3.2 第二地銀 4.3 3.9 4.0 0.4 1.4 0.0 1.1 外国銀行 23.7 21.0 21.1 0.1 0.1 2.7 -2.5 信託銀行 30.7 16.2 16.2 3.1 3.4 11.5 -11.1 その他準預先 69.3 53.6 54.3 4.3 6.5 11.4 -8.5 準備預金非適用先 補完当座預金制度適用先合計 プラス適用残高(「基礎 残高」)の上限と、ゼロ 金利適用残高(「マクロ 加算残高」)の上限の 合計を「枠」と呼ぶこと とする。 マイナス金利適用残高 上限 (c) 20.9 18.9 19.0 0.5 1.2 1.4 -0.7 266.7 210.0 211.3 26.9 39.2 29.7 -16.2 1 6 .2 (出所)日本銀行『業態別の日銀当座預金残高(2016年2月)』より岡三証券作成 全体の「枠」(b+c)で足 りない金額 14 (兆円) マイナス金利適用残高(政策金利残高) 4 12 2 10 0 完全にi裁定が働いた場合 のマイナス金利適用残高 余った「枠」 (兆円) 余剰 -2 8 不足 -4 6 -6 4 -8 2 -10 -12 0 都 市 銀 行 地 方 銀 行 第 二 地 銀 外 国 銀 行 信 託 銀 行 そ の 他 準 預 先 (出所)日本銀行「業態別の日銀当座預金残高」より岡三証券作成 準 備 預 金 非 適 用 先 都 市 銀 行 地 方 銀 行 第 二 地 銀 外 国 銀 行 信 託 銀 行 そ の 他 準 預 先 (注)余った「枠」とは(「基準残高」+「マクロ加算残高」)-「当座預金残高」のことで、 マイナス金利を適用されることなく当座預金を積める余裕額のこと。 準 備 預 金 非 適 用 先 23 資金運用難に陥る金融機関 【① イールドカーブ低下→運用難】 (%) 【② 対外証券投資が急増】 (兆円) 国債のイールドカーブ 1.4 1.2 1月28日 1.0 5月2日 45 40 35 0.8 30 0.6 25 0.4 20 0.2 15 0.0 10 -0.2 5 -0.4 0 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 15年 20年 30年 05年 【③ ドル調達コスト上昇=円調達コスト下落】 (bp) -120 07年 09年 11年 13年 15年 出所:財務省、直近は2016年3月 出所:トムソン・ロイター 【④ 短期金利低下】 短期金利の推移 (%) ベーシス・スワップの推移 0.20 5年 -100 2月積み期 0.15 1年 -80 0.10 -60 0.05 4月積み期 0.00 -40 -0.05 -20 0 20 08年 09年 10年 11年 12年 13年 出所:トムソン・ロイター、2008年6月11日~、2016年5月6日 14年 15年 16年 TIBOR3ヵ月物 -0.10 無担コール翌日物 -0.15 OIS3ヵ月物 -0.20 15年11月 レポレート翌日物(T+1) 16年1月 16年3月 出所:トムソン・ロイター、日本証券業協会、直近は2016年5月2日時点 16年5月 24 マイナス金利政策という劇薬により強い副作用が・・・ 【コール市場残高】 (兆円) 【長国先物のビッド・アスク・スプレッド】 コール市場残高の長期推移 長期国債先物のビッド・アスク・スプレッド (%) 45 0.07 コール市場残高(有担、月平均、左軸) 40 0.06 コール市場残高(無担、月平均、左軸) 35 5月2日時点 コール市場残高:6.37兆円 うち無担コール:4.45兆円 30 ビッド・アスク・スプレッド(左軸) (%) 0.005 7日移動平均(右軸)※ 0.004 ※0.01%以上スプレッドが拡大した日を除い て移動平均を算出した 0.05 25 0.04 0.003 20 0.03 0.002 15 0.02 10 0 90年 0.00 95年 00年 05年 10年 15年 【金融株と不動産株】 東証REIT指数 (2015年11月初=100) 115 マイナス金利政策 導入表明 出所:トムソン・ロイター、直近は2016年5月6日時点 岡三証券作成、直近は2016年5月2日時点 【J-RIET】 銀行株価と不動産株価 110 105 100 95 90 85 80 TOPIX・不動産 75 TOPIX・銀行 70 TOPIX 65 60 15年11月 16年1月 0.000 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 出所:日銀、日本証券業協会、短資協会、直近は2016年5月分(5月分は5月2日時点) (2015年11月初=100) 0.001 0.01 5 110 105 100 マイナス金利政策 導入表明 95 90 東証REIT指数 85 TOPIX 80 16年3月 16年5月 75 15年11月 16年1月 出所:トムソン・ロイター、直近は2016年5月6日時点 16年3月 16年5月 25 物価の伸びがマイナスに 【コアCPIの推移】 104 (2010=100) 4 【5月全国コアCPIシミュレーション】 (前年比、%) 4月 103 コアCPI全国 3 102 コアCPI東京 【ケース①】 ●の値・・・前年比▲12.0% ⇒5月コアCPI前年比▲0.4% 101 2 100 99 1 98 0 コアCPI東京 96 95 (月) 13年 (出所)総務省 (前年比、%) 14年 15年 -10 1.0 3月 0.9% 0.8 (前年比、%) 14年 15年 4月 0.9% 「エネルギー除くコア」全国 5月 0.8% -13 5月 0.6% -15 4月 ▲12.6% 3月 ▲13.3% -14 エネルギー全国 3月 ▲16.0% -17 10 (出所)総務省 11 12 16/ 1 2 3 4 5 -18 15/ 9月 ケース① ケース② 10 (出所)総務省 11 12 16/ 1 2 3 (指数横這い) 5月 ▲16.0% 4月 ▲16.4% 4 【ケース③】 ●の値・・・前年比▲13.0% ⇒5月コアCPI前年比▲0.5% ケース③ × エネルギー東京 -16 「エネルギー除くコア」東京 0.2 16年 「エネルギー」価格の推移 -12 4月 0.8% 0.6 13年 -11 3月 1.0% 0.4 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 (月) 「エネルギー」を除くコアCPIの推移 1.2 0.0 15/ 9月 16年 【ケース②】 ●の値・・・前年比▲12.5% ⇒5月コアCPI前年比▲0.5% 東京都区部 4月▲0.3% 5月▲0.5% -1 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 1.4 全国4月▲0.3% コアCPI全国 97 5 【ケース④】 ●の値・・・前年比▲13.5% ⇒5月コアCPI前年比▲0.6% 26 さて、どうする日銀-崩れる政策反応関数- 【大勢見通しの修正と政策変更】 ポイント 市場は何を拠り所にして政策変更を 予測すれば良いのか 展望レポートのトラックレコード (コアCPI前年比) 2.5 0.0 14年10月MPM ○ 「見通し期間の中盤頃」 「15年度を中心とする期間」 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 (%) 前回展望見通し 今回展望見通し 市場見通し 0.0 14年度 15年度 16年度 14年度 15年4月MPM × 13/4月 1.9% 13/4月 1.4% 14/4月 2.1% 15/4月 1.9% 16/4月 1.9% 16/4月1.7% 2.5 15/4月 0.8% 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 実績値 0.8% 実績値0.0% ? 16年度 「16年度後半頃」 (%) 0.0 14年度 15年度 16年度 15年度 16年1月MPM ○ 「17年度前半頃」 2.5 市場見通し0.2% 2.0 2.0 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 (%) 2.5 0.0 16年度 17年度 16年4月MPM × 16/4月0.5% 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 15年度 15年10月MPM × 「16年度前半頃」 (%) 0.0 1.0 0.5 (%) (%) 2.0 1.5 2.5 14年4月MPM × (%) 「17年度中」 0.0 15年度 16年度 17年度 15年度 16年度 17年度