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研究科案内 - 大阪市立大学 大学院 生活科学研究科・生活科学部
Human Life Science Human Life Science Food an Human Hed alt Sciences h Faculty of Human Life Science 食品栄養科学科 居住環境学科 ryth ing is c onn ect ed. al Cliniclogy o Psych d th an eal od H ces Fo anien umSc 生 活 科 学 部 eve H an m e u H Lif nce ie c S H E ousi n v iro ng and Desnment ign al d anion od it Fo utr N d ng an Housi nmental o Envir esign D DevHuman and elopm We ent lfar e d an od ion Fo trit Nu l ia ces c i So rv Se 人間福祉学科 大学院生活科学研究科 Graduate School of Human Life Science 食・健康科学講座 居住環境学講座 総合福祉・心理臨床科学講座 2 0 1 6 01 生活科学を考える 研究科長より 03 生活科学部・生活科学研究科は 04 生活科学部棟 キャンパスマップ 生活科学部 07 概要・学びのステップ・入試情報 09 食品栄養科学科 11 居住環境学科 13 人間福祉学科 ●社会福祉コース/心理臨床コース 大学院生活科学研究科 01 生 活 科 学 を 考 え る contents 社会の基盤が整った現代こそ、 “生活を科学する”必然が生じています みなさんが、生活科学という言葉に、はじめて接したのは いつでしょう。高校生や新入生のみなさんなら、食品に興味 があったとか、住宅をデザインしてみたいとか、親族の介護 がキッカケで福祉に関心をもったとか、身近にあった課題に 直面したときだったかもしれませんね。 大阪市立大学 大学院生活科学研究科長/生活科学部長 永村 一雄 Kazuo Emura わたしたちの生活科学部は、3つの学科から構成されて います。学科ごとに特色を有しながら、生活科学というひと つの枠の中で学部・研究科を構成している理由は、なんで しょう。 すこしだけ歴史を振り返ると、わたしたちの学部は、1949 し、生活こそが重要になってきた、 という訳です。 年に発足した家政学部が源になっています。つまり、生活科 個々人の考えはさまざまです。 ですから、豊かさの捉え方 学の前身は家政学でした。現在でも家政学会という学術団 もいろいろです。単にお金があれば豊かかというと、それほ 体が存在しますので、学術分野でいうところの家政学は存 ど単純でもなさそうです。 お金よりも自由な時間がほしい、 そ 在しますが、わたしたちの先達たちは、 この家政学という殻 う願う人たちもでてきます。 こうした社会の大きな変化は、高 から脱皮して、あたらしく生活科学という分野を創設しまし 度に経済発展した国々で顕著に観察される現象です。そこ た。 それは、1975年のことです。 日本ではじめて、生活科学と では、社会のしわよせが、生活という個人の領域にまで及ん いう学術領域を名のった学部が誕生したのです。 でくることがしばしば問題になっています。 日本に新制大学がうまれたころは、社会の基盤そのもの 現在の日本でも、 たとえば少子高齢社会ゆえの課題が、い を構築することがもっとも重要なことだと認識されていまし たるところで見え隠れするようになってきました。社会の中 た。 この時代は、個々人の生活はさておいて、社会全体の底 で生活がおきざりにされつつある状況を、論理的に分析・解 上げを図ることが大事でした。その後、 よく知られる高度経 明し、合理的に処方していく手法が、必要とされているよう 15 概要・学びのステップ・入試情報 17 食・健康科学講座 ●食・健康科学コース 19 居住環境学講座 ●居住環境学コース 済成長期を経て社会のインフラが整うと、今度は視点が です。現代こそ、生活を科学する必然が生じている、そう言 21 総合福祉・心理臨床科学講座 ●総合福祉科学コース/臨床心理学コース 個々人の生活の質の向上に移行していきました。 い代えてもよいでしょう。先達たちが唱えた生活科学こそ、い 生活という概念は、 より広いカテゴリを意味する言葉、社 まの時代に必要な視点であるように思えます。 会の範疇に内在します。経済を豊かにするという合言葉は、 生活科学は、ほかの学部のように馴染みない言葉かもし 23 研究・活動紹介 25 卒業生VOICE 27 生活を科学する52人 教員研究テーマ一覧 先の基盤整備の頃の象徴です。時代とともに、社会基盤は整 れません。 しかし、時代の要請に応えた内容をこんなに包摂 29 DATA BOX 各種データ 備され、多くの人々が最低限度の社会生活を送ることがで する領域名もないでしょう。みなさん、 自信をもって生活を科 31 アドミッションポリシー ・ 組織図 ・ 主な就職先 ・ 取得可能な資格 きるようになったいま、社会のなかでも、 とくに個々人の暮ら 学し、 その成果を社会に生かしてみようではありませんか。 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 02 生活科学部棟 心理療法実習室 生 活 科 学 部・生 活 科 学 研 究 科 は カウンセリングや遊戯療法を 行える設備が整っています。 生活や社会に密接に結びついた実践的な教育・研究を通じて地域に貢献するとともに、それらを理論的 にも深く掘り下げることを特徴としています。 ソーシャルワーク 実習支援室 大阪市立大学 杉インテリア 本 キャン パ ス 食を通じた健康増進と疾病予防から回復促進、食品開発などを専門とする食品栄養科学科、 ソーシャルワーク実習の事前学習に から住宅設計、 まちづく りまで視野に入れている居住環境学科、生活支援や福祉・社会制度の仕組み作りな おけるミーティングやレポート作成に N 向けた資料閲覧等を行います。 どを広く対象とする人間福祉学科で構成されており、生活科学をベースとしつつ、それぞれの分野の個性 的で充実した学習ができます。 大学院では、それらをさらに発展させて研究展開するとともに専門的職業人と研究者を育成しています。 キャンパスを 守ってくれている ように並ぶ 木 立派なクスノキ並 生活科学部・生活科学研究科で扱っているテーマは身近でありながら奥深いものです。学科・コースは少 人数で、 フレンドリーな学習環境です。 またそれぞれに、管理栄養士や栄養教諭、建築士、社会福祉士など の資格や受験資格を得ることもできます。 2016年度学部新入生 新入生の 記念撮影が 行われる 時計のオブジェ N棟 every is thing cte e n n o c d! 居住環境学講座 ●居住環境学コース 中庭 総合福祉・ 心理臨床科学講座 ●臨床心理学コース 様々な種類の草木が植え られた中庭です。この中 庭のスペースを使って授 業を行うこともあります。 生活科学部 E棟 大学院生活科学研究科 けやき通り 木々の緑も清々しい憩い の場で、学生たちの沸き 総合福祉・ 心理臨床科学講座 立つ声が聞こえてきます。 食品栄養科学科 ●総合福祉科学コース 食・健康科学講座 ●食・健康科学コース 生 活 科 学 部 棟 キャン パス マップ 大阪市立大学・杉本キャンパスにある生活科学部棟。学 ぶ、話す、楽しむ、研究に打ち込む…、学生生活の多くの 居住環境学科 時間を過ごすことになるこのキャンパスには、最新の研 究機器や設備、様々な実習室、そして自然豊かな環境が あり、みなさんの学生生活をサポートします。 人間福祉学科 キャンパスのイラストはイメージです。細 部 は 実 際と異 なることがあります。 03 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 05 HHuumma annL Li fe i feS Sc ci ei ennc ece2 20 01 15 6 0 64 杉本門 生活科学部棟 JR杉本町駅と直結 心理療法実習室 しています。 カウンセリングや遊戯療法を 行える設備が整っています。 杉本門を出ると JR杉本町駅は スグとなりです ノーベル物理学賞を受賞した 南部陽一郎特別栄誉教授に ちなんで「南部ストリート」 と 名付けられたプロムナード ソーシャルワーク 実習支援室 大阪市立大学 杉 本 キャン パ ス ソーシャルワーク実習の事前学習に おけるミーティングやレポート作成に 心理臨床室 N 向けた資料閲覧等を行います。 心理臨床の実習を行う B棟 施設が整っています。 キャンパスを 守ってくれている ように並ぶ 木 立派なクスノキ並 食農教育を 体験できる 菜園です 新入生の 記念撮影が 行われる 時計のオブジェ C棟 屋上にも 先生の研究設備が あったりします 講義教室が 集まっている この辺りは いつもにぎやか 中庭 N棟 W棟 様々な種類の草木が植え 静かな中庭 部屋から 眺めていると 和みます られた中庭です。この中 庭のスペースを使って授 業を行うこともあります。 A棟 中庭 E棟 調理実習が 行われると おいしそうな 匂いが… 木々の緑も清々しい憩い の場で、学生たちの沸き S棟 第二製図室 立つ声が聞こえてきます。 校舎の南側には ツツジが 咲いています 図面を描いたり、模型をつくったりする製 図室です。にぎやかに作業しています。 けやき通り 生 活 科 学 部 棟 キャン パス マップ 共通実験室 大阪市立大学・杉本キャンパスにある生活科学部棟。学 食品の成分や機能を調べるため ぶ、話す、楽しむ、研究に打ち込む…、学生生活の多くの の様々な機器がそろっています。 時間を過ごすことになるこのキャンパスには、最新の研 給食実習室 ここでは3回生が100人分の給 食を作る実習を行います。 究機器や設備、様々な実習室、そして自然豊かな環境が 玄関脇の休憩スペース あり、みなさんの学生生活をサポートします。 お昼を食べたり帰り際に友達と キャンパスのイラストはイメージです。細 部 は 実 際と異 なることがあります。 話したりする自由な空間です。 04 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 05 生 活 を 科 学 する3 つ の 学 科 、基 礎 から応 用 生活科学って ? 理系? 文系 生活科学部 食 品 栄 養 科 学 科 居 住 環 境 学 科 ●社会福祉コース ●心理臨床コース 人 間 福 祉 学 科 もあります。 そのどちらで 科学 文科学、社会 自然科学、人 、 して生まれた ド ン レ ブ を 素 いろいろな要 する」という 「生活を科学 野です。 学問・研究分 る す 応 対 に 現在ニーズ 大阪市立大学生活科学部は、 生活科学の研究分野におけるフロントランナーです。 本学部は、人間の日常生活を研究対象とし、生活問題の解決や生活向上の目的を持って「生活」を 「健康」 「環境」 「福祉」を基盤コンセプトとして食品栄養科学科、居住環境学科、人間福祉学科の3 学科を置き、それぞれの分野における専門的教育と研究を通じた人材育成を行っています。 また、これらの生活問題の解決や生活向上には広い視野をもった人材が必要とされることから、 生活の質向上を担う総合的人材の育成を目指し、3学科共通の講義を行うなど、3学科の専門性に 基盤をおいた総合的な教育を行っています。 d an on od iti Fo utr N 科学的に究明し、総合的に教育・研究を行っています。 Faculty of cience Human Life S ■学びのステップ ■大学院生活科学研究科 人間福祉学科 総合福祉・心理臨床科学講座 2年次から コースに 分かれます ●社会福祉コース ●総合福祉科学コース ●心理臨床コース ●臨床心理学コース 学 部 1年 2年 大学院後期博士課程 大学院前期博士課程 3年 4年 1年 卒業論文 入学 学士 (生活科学) 2年 1年 修士論文 修士 (生活科学) ・ (学術) 2年 3年 博士論文 博士 (生活科学) ・ (学術) ■入試情報 出願時期 試験時期 入試種別 12月中旬 - 推薦入試 1月下旬 2月25日 生活科学部 推薦入学試験の 12月中旬 07 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 個別学力検査 (前期日程) 2月25・26日 私費外国人留学生入試 特徴 ●大学入試センター試験のみで受験できます*1 ●来校せずに郵送のみで受験ができます ●一つの高等学校等から複数人出願できます ●現役生及び卒業1年以内の方が出願できます ●前期・後期日程も出願できます *2 (ただし、本学部は前期日程のみ) *1 出願書類の志望理由書等も配点に含まれます。 *2 推薦入試に合格した場合、本学部の入学手続きをすることになります。 DevHuma and elopmn We ent lfar e an m e u H Lif ce n e i c S d th an eal od H es Fo an enc umSci 居 住 環 境 学 講 座 ●居住環境学コース H 居住環境学科 l 食・健 康 科 学 講 座 ●食・健康科学コース g and Housin mental n Enviroesign D 食品栄養科学科 and nta ■生活科学部 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 08 生活科学部 食品栄養科学科 食品栄養科学科では、食品と栄養に関する科学 的な知識と経験を有する食品栄養科学のプロ フェッショナルとなる人材の育成を目指していま せん。 ここからは教科書を履修してきた生徒として どん な 学 科? す。学生の皆さんには、食品や食事、栄養学を通じて ではなく、一人の研究者の卵として、教員とともに 新たな知見を探すことになります。苦労して答えを 見つけた時の喜びは何物にも代え難く、卒業研究で得 ヒトの健康、QOLの向上に寄与する人材となることが求めら た経験は、皆さんの将来に必ず役に立つでしょう。 れています。 卒業時には管理栄養士の国家試験を受験します。卒業後 食品栄養科学科は、栄養生命科学、食品機能科学、環境健 は、大学院に進学する、管理栄養士として病院などの実務に 康科学、 栄養医科学、 公衆栄養学、栄養教育学、臨床応用栄養 就く、公務員、食品系企業への就職、栄養教諭になる、など多 学という7つの教育・研究分野から構成されています。 それぞ 様な進路が開かれています。 れの分野は連携しながら教育・研究を進め、食・栄養に関す る生活上の諸問題に取り組んでいます。教育カリキュラムは 多彩で、生化学、分子生物学、微生物学、遺伝子科学など基礎 実験系の科目から、食品加工学、食品衛生学、給食経営管理 食品栄養科学科 主任 学などの応用系科目、ヒトを対象とした公衆栄養学、臨床栄 羽生 大記 教授 養学、栄養教育学など多岐にわたっています。何れも食品栄 養科学のプロとして活躍するために重要なものばかりです。 講義のみならず、実験、演習、学外実習など多様な教育手法 【研究テーマ】 慢性肝疾患、脂肪肝患者における 栄養学的評価と治療 を用いて、知識とスキルの習得を目指しています。 3回生では食品学、栄養科学など、多くの実験を通して 食品成分や栄養素の特性を理解することになります。 4年生になると、各研究室に配属が決まり卒業研究に取り 組みます。未知なる課題を探求するので、答えは誰も知りま 食品栄養科学科の学び 教育の特長 様々な実験で食品機能の 可能性を解き明かす 食品には栄養機能、嗜好性に関 わる機能、生体調節機能が備わっ ています。食品中に含まれる機能 成分の化学構造や含有量、機能 発現機構などを様々な実験方法 を通して解明しています。 現代の日本人をみると、外食、中食、サプリメントを利用して 食生活をイージーにすます人々がいる一方で、食生活に対 する飽くことのないこだわりを求めている人々がいます。 こ のような多様化、個別化する食へのニーズに対応し、人々の 健康に寄与する食品栄養科学への期待は高まるばかりで の栄養代謝システムを明らかにするとともに、食品のもつ 新たな生理機能を発見し、実用化することは、まさしく時代 大学の防災総合訓練に合わせ、野外に設置された防災 (かまど)ベンチで炊き出しを実施しました。保存性の高 い食品と限られた火力や器具のみで、国が定める栄養素 等の基準を満たす食事を提供します。解剖生理学、食品 衛生学、調理科学、給食経営管理学、公衆栄養学など3回 生までに学んだ科目の知識やスキルを総合的に結集す る機会となります。 づく栄養教育を手段とする臨床栄養学、公衆栄養学、給食 経営管理論は、日々くり返される食の営みに適用できる実 現代人の 食 と健康を 科 学 す る! 病院におけるチーム医療の重要性、栄養士の役割を学ぶ 医療の現場では、多くの職種の人たちが協同して診療にあたる“チーム 医療”の重要性が増しています。中でも病者の栄養管理にチームで取り 組む“Nutrition Support Team(NST)”は、その代表的存在です。NSTに おける管理栄養士は、栄養学の専門家としてチームの中心的担い手とな ることが求められています。病院でのNST実習への参加は、将来管理栄 養士として医療の前線へ出るための貴重なトレーニングとなるでしょう。 09 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 上回生で必要な知識を養う1回生は基礎科目 が中心。他学部・他学科の科目も学べます。入 学後には、学科の新入生歓迎会があり、先輩 や先生方とお話ができるのも楽しみです。 す。身体機能をつかさどる栄養科学を究め、遺伝子レベル をリードする研究といえるでしょう。行動科学や心理学に基 災害時を想定した炊き出し訓練(4回生:総合演習の一環) 学生生活 専門科目が増える2回生。今後の実験や実習、 学習にとって必要な知識を蓄える一年です。 まだ時間には余裕のある学年なので、アルバ イトやサークルに打ち込む人も多いです。 践栄養学として、人々の“Quality of Life”を高めます。 卒業後の主な進路 ●大学院進学 ●医療機関 ●行政機関 ●食・健康関連企業 ●教育機関 など 実験や実習がほぼ毎日ある3回生。授業やレ ポート作成に忙しい学年です。専門科目にも 幅があるほか、給食経営管理実習、学校給食 や病院給食の臨地実習があります。 取得可能な資格 ●栄養士(免許)●管理栄養士(受験資格) ●食品衛生管理者・食品衛生監視員 (任用資格) ●中学校・高等学校教諭1種免許状(家庭) ●栄養教諭1種免許状 4回生では就職活動あるいは大学院進学の 勉強、それに管理栄養士国家試験の受験勉 強の準備もたいへんですが、各研究室で1 年間にわたって卒論研究を行います。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 10 生活科学部 居住環境学科 現代社会は、科学技術の目覚ましい発展を遂げ 系、文科系という従来の学問の枠をこえ、生活科 どん な 学 科? る一方で、少子・高齢化が進み、その生活様式は大 きく変化しつつあります。そのため、生活空間をめ ぐる課題もますます増大し、生活機器から、インテリ 学という新しい分野での可能性が見つけられる 学科といえるでしょう。 なお、建築系の基礎科目にくわえ、本学科独自の基 ア、住宅、地域、都市まで、身近な生活環境への関心が高 礎科目の履修によって、工学部建築学科と同様、最短距離 まっています。快適で豊かな生活空間を創造することは大 で卒業と同時に2級建築士の受験資格が、卒業後実務経験2 きな社会的課題です。本学科は、 このような時代の流れを 年で1級建築士の受験資格が得られま ベースに、 これからの理想的な住環境づくりを目指しながら す。また、所定の単位を習得すれば、中 社会貢献するための知識や技術を総合的に学びます。 学校および高等学校の教員免許(家庭 本学科の最大の魅力は、文化・芸術から技術・設計まで幅 科) も取得できます。 広いジャンルを網羅した講義メニューにあります。住環境調 査や生活調査などのフィールドワーク、デザインのセンスを 磨く制作実習、新しい技術を研究・開発する実験、そしてオリ 居住環境学科 主任 ジナリティのあるユニークな空間を創造する演習・製図な 渡部 嗣道 教授 ど、豊富なメニューに加え、その密度の濃さも本学科の大き 【研究テーマ】 住宅の保全方法および 新構法の研究 な特長です。少人数制による講義・演習・ゼミ指導により、一 人ひとりの成長をしっかりと見つめていきます。 こうして、さ 課題作品の発表の場は学外にも広がっています。広 報、企画、搬入などを自分たちの手で用意し、作品展を つくりあげていく楽しさや達成感を味わいます。 まざまな方向から能力を開発し、自分に最も適した専門分 野を、自然な形で選択することができます。特に、理論や技 術だけでなく、デザインや創造性も重視しているので理科 居住環境学科の学び 教育の特長 住まいを取り巻く 建物・都市環境プランづくり 本学科では、快適で安心な居住環境の創造と提供をめ ざして、生活用品や生活機器、インテリアから住宅、居住 空間の温度・湿度・光・音などに、 人体が生理的・心理的に敏感に 反応するため、快適な生活空間 には、これらの総合的な調和が 必要です。室内空間から建物・都 市さらに地球全域に至る環境計 画・設計技術を学ぶことは居住 環境の必須のニーズです。今後、 一層重要となる居住環境のあり 方を話し合いましょう。 住空間と居 科学する! 住環境を 地、都市空間といった日常生活を取り巻く物的環境に関 するデザイン理論や計画、設計、管理に関する理論と技 畳1枚分(0.9m×1.8m)のダンボール板を2 枚つかって、人が座れるものをつくります。デ ザインってなんだろう?ということを考えなが ら、素材の特性や椅子の寸法を学び、デザイ ンすることの楽しさを感じとります。 11 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 居住環境学科では、長屋の再生に取り組んでい ます。先生、大家さん、大工さんと打ち合わせな がら、古い長屋を魅力的な空間に蘇らせる過程 は驚きの連続。自分が関わった空間に借り手がつ くのですから、打ち合わせにも熱がこもります。 術を習得し、 それを応用しうる人材を養成しています。 そ のため、一級建築士の受験資格取得に必要な技術的科 目をはじめ、社会科学や人文科学におよぶ幅広い分野 の科目を学習します。 卒業制作 4年間の集大成となる卒業制作では、学生自ら敷地を選び、 社会のニーズを調べ上げ、新しい居住空間を設計・提案しま す。模型や図面を使ったプレゼンテーションは真剣そのもの。 将来の設計士、空間デザイナーに向けた第一歩となります。 卒業後の主な進路 ●大学院進学 ●住宅メーカー ●生活機器・インテリア関連会社 ●設計事務所 ●不動産関連企業 ●行政機関 など 取得可能な資格 ダンボールを使ったイスづくり 学生生活 3回生製図室の製図台は、学生がデザインしたオリ ジナルの木製製図台です。木の学習のため、いろい ろな樹種を部材に使っています。先生からアドバイ スをいただき、仲間と議論しながら設計し、自分のア イデアを形にしていきます。 2回生からは住宅から公共施設まで様々な設計 課題に取り組みます。一般のコンペに応募して自 分たちの腕試しをすることも可能です。過去には、 現物製作まで行い、激戦の選考を突破して見事 入賞を果たしたことがあります。 ●1級建築士(実務経験2年受験資格) ●2級建築士(受験資格) ●インテリアプランナー (登録資格) (所定の試験に合格し、卒業後所定の実務経験2年以上又は建築士資格取得) ●中学校・高等学校教諭1種免許状(家庭) ●技術士補(建設部門) 4年次に配属される研究室では、各研究室 の専門に沿って研修旅行に行く事もありま す。どの研究室も先輩後輩の仲がよく、真面 目に楽しく活動に励んでいます。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 12 子どもたちと向き合い、社会の中での育ちを見守り、 地域活動として子育て相談も行っています。 生活科学部 人間福祉学科 人間福祉学科では、さまざまな領域の知識や 技術を総動員して、人や社会のウェルビーイング の向上に貢献することを目指しています。生活環 どん な 学 科? 境や価値観の変化が進む中、一人一人が幸せに生 ●社会福祉コース ●心理臨床コース 義科目に加えて、演習、実習など、より実践的な 場面で学ぶ機会も用意されています。また、こ れらについて、少人数のクラスで学ぶ点も大き な魅力です。そして、卒業後の進路の選択肢はたく きていくためには、多くの社会的な取り組みが行われなけ さんあります。近年は、福祉や心理の相談機関などの専門 ればなりません。 職だけでなく、行政機関や企業など、その活躍の場は広 本学科では、社会福祉コースと心理臨床コースの2つ がっています。 が設けられています。コースの選択は1年次末に行い、2年 次からは、より高度な専門科目を学びます。社会福祉コー スでは、子育てや介護などの課題、専門職による個別支 援、福祉制度・政策など、社会福祉をめぐるテーマを包括 的に学びます。所定の科目を履修することで、国家資格で ある「社会福祉士」の受験資格を得ることができます。心理 臨床コースは、人間の発達と成長過程でのこころの発達に 焦点をあて、社会や環境との関係とあわせて理解するとと もに、心理的な支援の基礎を学びます。本学大学院生活科 学研究科では、 「臨床心理士」の養成課程が設置されてお 人間福祉学科 主任 所 道彦 教授 【研究テーマ】 家族の多様化に対応した 社会保障の理論・政策研究 り、進学することで、その受験資格を得ることができます。 現代社会の生活課題が多様化する中で、その解決に必 要な知識や技術も増えています。本学科では、多彩な講 人間福祉学科の学び 教育の特長 福祉政策の現状と課題を学ぶ わが国では、子育て支援、高齢者や障 がい者のケア、年金、生活保護など、福 祉に関するたくさんの制度や政策が実 施されています。これらの「福祉の仕組 み」の現状や問題点についての理解を 深め、将来の制度設計を考えます。 思考し、 社会福祉を 探究する! 人の心理を 少人数のアットホームな雰囲気のなかでゼ ミが行われます。学生が主役となって、それ ぞれの研究テーマについて議論を交わし、 理解を深めていきます。 ように、 ソーシャルワークの知識・技術・価値を習得し、 また社会福祉の制度・ 政策的な視座から分析・解決していく力を高めます。実習等による実践的アプ 放課後や休日には、クラブ活動や サークル活動に打ち込んだり、ボラ ンティア活動をしている学生も多 いです。 ローチも重視しながら実社会に貢献できる専門職養成に取り組んでいます。 卒業後の主な進路 ●行政機関 ●医療機関 ●社会福祉法人 ●福祉関連企業 ●大学院進学 など 取得可能な資格 ●社会福祉士(受験資格) ●社会福祉主事(任用資格) 本コースでは、人間が子どもから大人へ、そして高齢者へと成長~発展して 演習等の少人数でのクラスでは、先 生との距離も近く、先生と直接やり とりをしながら学べます 授業時間外にも、グループ発 表の準備や自習をみんなで集 まって楽しくやっています。 いく過程で起こる変化や悩みについて、心と身体の発達や心の健康、 さらに 人の「心」を理解する 様々な技法を学ぶ 心理検査の技法を学ぶと同時に、検 査する者、検査される者の両者の気持 ちを体験的に学びます。人の「心」を理 解する技法を通して、人の「心」に寄り 添うことを学んでいます。 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 本コースでは、社会的関心が高まっているさまざまな福祉課題に対応できる 心 理 臨 床コ ース 学生が主役のゼミ 13 社 会 福 祉コ ース 学生生活 はそれらを取り巻く家族や社会の現状に視点をあてて理解するとともに、援 助する力を養います。理論と実践から、 さまざまな思考法や技法を身につけ、 カウンセリング等、心理的な支援のできる人材養成に取り組んでいます。 卒業後の主な進路 ゼミでは学内にとどまらず遠足や旅 行に出かけ、とても仲良くなれます。 ●大学院進学 ●医療機関 ●行政機関 ●福祉関連企業 など H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 14 食・健 康 科 学 講 座 ●食・健康科学コース 居 住 環 境 学 講 座 ●居住環境学コース 総合福祉・心理臨床科学講座 ol of Graduate Scho cience Human Life S ●総合福祉科学コース ●臨床心理学コース 生 活 科 学 論 研 究 室 大阪市立大学大学院生活科学研究科は、 生活科学の分野で、日本でもっとも歴史のある大学院です。 大阪市立大学大学院生活科学研究科は、 これまで常に生活科学研究で先駆的な役割を果たしてきました。 昭和28年、全国に先駆けて家政学研究科修士課程を、 また昭和50年に日本で最初の博士課程を有する 生活科学研究科を設置しました。現在では3つの講座と4つのコースを設置し、複雑な現代社会に対応する ための研究環境の構築を目指しています。 本研究科は、実学を重んじる大阪市立大学の精神と伝統を受け継ぎながら、新時代が必要とする先駆的 な専門的職業人と研究者の育成を図っています。 ■学びのステップ ■生活科学部 ■大学院生活科学研究科 食品栄養科学科 食・健 康 科 学 講 座 ●食・健康科学コース 居住環境学科 居 住 環 境 学 講 座 ●居住環境学コース 人間福祉学科 総合福祉・心理臨床科学講座 2年次から コースに 分かれます ●社会福祉コース ●総合福祉科学コース ●心理臨床コース ●臨床心理学コース 学 部 1年 2年 4年 1年 卒業論文 入学 学士 (生活科学) 2年 1年 2年 修士論文 3年 博士論文 修士 (生活科学) ・ (学術) 博士 (生活科学) ・ (学術) ■入試情報 大学院後期博士課程 大学院前期博士課程 15 出願時期 試験時期 入試種別 出願時期 試験時期 入試種別 7月下旬 8月下旬 一般選抜試験 1月初旬 2月中旬 一般選抜試験 7月下旬 8月下旬 外国人留学生特別選抜試験 1月初旬 2月中旬 外国人留学生特別選抜試験 7月下旬 8月下旬 社会人特別A・B選抜試験 1月初旬 2月中旬 社会人特別選抜試験 7月下旬 8月下旬 推薦入学特別選抜試験 1月初旬* 2月中旬 一般選抜試験(再募集) 1月初旬* 2月中旬 外国人留学生特別選抜試験(再募集) 1月初旬* 2月中旬 社会人特別A・B選抜試験(再募集) 1月初旬* 2月中旬 推薦入学特別選抜試験(再募集) H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 al y c i n Cli holog c Psy 大学院後期博士課程 大学院前期博士課程 3年 Se Soc rv ia ic l es Housin Enviro g and nm Designental 大学院生活科学研究科 H Fo u o m d S an a c ie H nd n c ea e s lth もっと深く、もっと広く。スペシャリティを 究 める Hu m Sc Life an ien ce ※詳細は必ず募集要項にてご確認ください。 学を さらに生活科 探究したい!! があります。 大学院への道 研究科は、 わたしたちの 野で 生活科学の分 す。 きた大学院で で に 初 最 に 日本 ます。 コースがあり 修 履 の つ 4 、 3 つの講座 *は実施しない場合があります。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 16 大学院 生活科学研究科 食・健 康 科 学 講 座 ●食・健康科学コース 本コースは、公衆栄養学、臨床・応用栄養学、栄養教育学、食 ています。前期博士課程修了後は、食品企業等の研究職、病 品機能科学、栄養医科学、環境健康科学、栄養生命科学の 院・行政機関の管理栄養士、学校の栄養教諭、大学・短大教 専門分野があり、 「食」を通じて「健康」を高めるための専門 員などの進路があります。後期博士課程では、 さらに高度な 教育と研究を行い、研究成果を社会に還元できる人材、ある 専門知識を必要とされる大学教員、企業等の研究者への道 いは生活の質の向上をサポートできる人材の育成を目指し があります。 研究に必要な感受性を養う 食と健康に関する研究には充実した 設備と最新機器が欠かせません。 し かしそれ以外に実験者の心得として 重要なことは、実験結果の小さなこと をも見逃さない感受性です。 講 座 紹 介 アイデアと成果と プレゼンテーション 西川 禎一 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 食・水系感染症の疫学と生体防御に及ぼす加齢と栄養の影響 研究室では、大学院生のアイ デアが積極的に取り入れられ、 ユニークな研究が進められて います。自由でのびのびした 雰囲気の中で、知的好奇心と 活気にあふれた学生生活を 送っています。 羽生 大記 教授 研 究 食と健康の研究分野は国際的 テ ー マ 食と健康に関する研究は国籍や文化の 違いを問いません。本コースは社会人や 外国人留学生も多く在籍し、食と健康に 関する共通の話題を通じて、相互理解を 深めています。 春木 敏 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金 東浩 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リポタンパク質代謝に関する分子栄養学的研究 行動科学に基づく栄養教育方法論の研究 上田 由喜子 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 学校給食マネジメントと食育に関する研究 由田 克士 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 健康増進と生活習慣病予防に関する公衆栄養学的研究 佐伯 茂 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 増田 俊哉 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 古澤 直人 准教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 小島 明子 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 生活習慣病の予防に関する病態栄養学および栄養生化学的研究 慢性肝疾患、脂肪肝患者における栄養学的評価と治療 安井 洋子 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ テーラーメード栄養指導に関する臨床栄養学的研究 コレステロール代謝に関する分子栄養学的研究 福村 智恵 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 生活習慣病予防と栄養・食生活支援に関する研究 ポリフェノールなど植物性フェノール成分の有機化学 早見 直美 助教 化学物質の食品残留に関する研究 中臺 枝里子 特任准教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 思春期・青年期の食行動と栄養教育法に関する研究 環境ストレスと生体防御に関する分子生物学的研究 市川 直樹 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ エネルギー代謝調節系に関する生化学・分子生物学的研究 研究紹介 行動変容を促す食環境の改善と行動経済学的アプローチの研究 17 食・健康科学講座 ● 上田 由喜子 准教授 骨芽細胞および脂肪細胞の分化バランスを制御する分子機構の解明 食・健康科学講座 ● 金 東浩 准教授 これまで、人々の行動変容を導くために「行動 人々に強制することなく自ら意思決定して (選択し させたいと考えています。また、半自動的に健康 肥満の人は、糖尿病や脂質異常症、高血圧など には間葉系幹細胞の分化バランスが重要であり、 私たちは、骨芽細胞および脂肪細胞の分化に関与 科学」のさまざまな理論が開発・応用されてきまし て)望ましい行動に誘導するような仕組みまたは 的な行動がとれるよう、 「食塩摂取量の減少」 とな の生活習慣病を合併しやすいことから、肥満の抑 このバランスを制御する分子機構の解明が望まれ する細胞内シグナル伝達経路のクロストークを最 た。 しかし、行動科学による行動変容介入では、期 シグナルのことをいいます。食生活を例にすると、 る食品の選択肢の一つとしてギャバ(GAVA)の塩 制は、生活習慣病の抑制に繋がると考えられます。 ています。 新の分子細胞生物学的、分子栄養学的な手法を用 待される効果を得られにくいという指摘もありま 社員食堂のメニューに野菜料理の選択肢を増や 味増強効果に着目し、減塩食品へとつながる研究 肥満とは、単に体重が重いというのではなく、脂肪 近年、間葉系幹細胞の分化機構に細胞内シグナ いて解明し、肥満や骨粗鬆症をはじめとする生活 す。なぜなら、人は必ずしも理性的な判断で行動 し前面に並べる、食品や外食にわかりやすい栄養 をすすめています。 細胞に過剰な脂肪が蓄積した状態をいいます。肥 ル伝達を担うWntという生体内タンパク質が関与 習慣病の予防に寄与したいと考えています。 するわけではなく、 しばしば直感的に行動したり 成分表示を行うなどにより、人々の行動 満の発症機構を脂肪細胞を通してとらえると、脂肪 することが知れれています。Wntタンパク質は、分 もするからです。そこで、低関心層も含めた集団 をより望ましい選択へ誘導する (ナッジす 細胞数の増加と脂肪細胞の肥大化の両者に起因 泌性糖タンパク質であり、 19 種類以上の複数のア しており、特に、脂肪細胞への分化を抑制すること イソフォームが存在します。Wntシグナルの活性化 により脂肪細胞数を減らすことは、肥満抑制に大 は、骨芽細胞への分化促進と脂肪細胞への分化抑 全体への普及と行動変容をめざしたポピュレー る) という手法です。 ションアプローチを行うには、ソーシャルマーケ そこで、当研究室では、 「介入のはし ティングや行動経済学の視点を積極的に取り込 ご」の枠組みから、一つは子どもへの食 むことが必要と考えられています。行動経済学は、 育を含めた健康教育・栄養教育的アプ 人間の行動を、従来の経済学に加えて感情や直感 ローチと評価を行っています。次に、食 など心の働きを考慮して説明しようとする学問で 物選択における価値観と食行動の関係 す。社会全体の動きを作る手法として、近年注目さ 性について解析しています。今後、食物 性差、年齢差、地域差 社会経済的状況など 動機・態度 健康観 等 知識 食物選択 食物嗜好 情動 生活価値観 きく寄与すると考えられます。骨髄に存在する間葉 制の両者に機能しており、間葉系幹細胞の分化バ 系幹細胞は、骨芽細胞や脂肪細胞、筋芽細胞など ランスを調節するマスターレギュレーターであり 多様な細胞種に分化することが知られています。 ますが、 その調節機構の詳細は不明な点が多いで 生体の骨と脂肪の量は、間葉系幹細胞の分化バラ す。 また、Wntシグナル伝達経路は、細胞の分裂や ンスによって保たれていますが、肥満になると、骨 アポトーシス、器官の大きさを制御するHippo経路 れているもの の 一 つ に、行 動 経 済 学 のナッジ へのアクセスと食物選択の各要素に着 芽細胞よりも脂肪細胞へより多く分化し、骨粗鬆症 や細胞の大きさ、分裂、生存などを制御するmTOR (Nudge) という考え方があります。ナッジとは、 目し、健康格差問題の構造解明へと発展 が引き起こされます。 即ち、肥満や骨粗鬆症の予防 経路とクロストークすることが示唆されています。 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 18 大学院 生活科学研究科 居住環境学講座 ●居住環境学コース 本コースには、8つの研究教育分野があり、人文社会科学的 より居住空間を総合化していきます。 これら実践的研究をふ アプローチによる居住文化学と自然科学的アプローチによ まえた教育を通して、総合科学としての生活科学の視点に る居住環境工学・居住環境材料学・居住安全人間工学が応 立った研究者及び建築士、 プランナー、行政担当者などの高 用基礎を担い、居住空間計画学・居住空間デザイン学により 度な実践的専門家、高等教育の教育者などの人材養成を 計画理論を構成して、居住空間設計学・居住福祉設計学に 行っています。 長屋の改修に取り組む 本講座では、現場を重視した 設計教育を行っています。こ の写真は大阪市立大学豊崎 プラザにおける木造長屋建物 の改修の様子です。 大学院の授業では、教員や建築家の先生の指導のもと、 実際の団地改修プロジェクトに取り組みました。 イメージし た空間が実際に出来上がる体験は格別です。写真の住 戸は建築の専門誌にも取り上げられました。 講 座 紹 介 ニュータウン再生プロジェクト NPO、地域住人、行政と大学との共同によるニュータ ウンのモデル再生プロジェクトに取り組んでいます。 地域の物的資源と人的資源を掘り起こし、つなぎ合わ せて活用することが特徴です。 多治見 左近 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 住宅需給構造に関する研究 研 究 修士設計の取り組み テ ー マ 本講座は修士設計を選択できる ことも特徴の一つです。ゼミで切 磋琢磨し、論文と設計を進めます。 居住空間について熟考し、密度の 高い設計を提案します。 上田 博之 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高齢者住居および住居人類学に関する研究 温熱環境と省エネルギーのための最適計画 福田 美穂 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 生活空間の史的研究 藤田 忍 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 住居・まちづくりにおける計画論、 職能論 酒井 英樹 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 環境材料に関する研究 岡田 明 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 生活機器・環境設計のための人間工学的研究 小池 志保子 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 住空間デザインの研究 森 一彦 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 居住福祉環境設計に関する研究 生田 英輔 講師 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 居住環境の防災・安全に関する研究 住宅の保全方法および新構法の研究 ファーナム クレイグ 講師 ・・・・・・・・・・・・・・・ 空調設備と熱的快適性に関する研究 子ども・家族の住生活に関する研究 西岡 基夫 助教 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 生活弱者を中心とした機器・環境に関する研究 永村 一雄 教授 渡部 嗣道 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 小伊藤 亜希子 教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 土井 正 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 総合機能性環境材料・木質環境の性能評価 研究紹介 拠点性を備えた放課後の居場所に関する研究 19 イエって何だ? - 研究を設計から考える居住環境 - 居住環境学講座 ● 小伊藤 亜希子 教授 居住環境学講座 ● 上田 博之 准教授 子どもは、遊び回ることで地域空間を認知し、 と、②遊ぶ時間・場所・相手に関して、子どもに と考えています。昨今増加する空き家活用と合 私の研究室は建築計画学の範疇にあります。 界観、死生観、男女観など)や宗教観(アニミズム 地域への愛着を育てていきます。しかし、犯罪 一定の裁量が与えられていること、③学童保育 わせ、拠点性のある放課後の居場所の優位性と 従って研究は、その時々に建築計画の問題と思わ 的な)を具体的に現した物で、居住者はその観念 や交通事故への不安により、近年では学校や施 所から外出した後も帰ってくることができるこ 実践的課題をさらに明らかにしていきたいと思 れるテーマについて行ってきました。その中でも に沿った生活をしている、 ということです。それを 設に囲い込むことで子どもの安全を確保する傾 と。大阪市の民家を活用した学童保育実践は、 います。 私が研究を始めてからずっと取り組んでいる研究 各地の民族住居を調査・研究することで解明して 向が強まっています。本研究は、地域の人や空 拠点性を備えた放課後の居場所づくりの方法と テーマが2つあります。一つは「イエって何?」 とい います。 間と豊かにかかわりながら子どもたちが育つこ 可能性を示唆するものでした。 う若干哲学的なテーマです。 もう一つは「高齢者・ 建築計画の研究は理論を研究するのですが、 とのできる拠点性を備えた放課後の居場所の 子どもの放課後対策は、世界各国でも現在大 障害者の居住環境」の研究です。 これでは建築学としては半分しかできていないと 可能性を探るものです。 きな課題となっています。 この間、欧米各国やア イエって何なのでしょうか。災害や悪意から居 思います。つまり工学は実際に作るということが 大阪市の空き家等民家を利用した学童保育 ジア諸国の放課後事業の調査をしてきました 住者の身を守るもの、やすらぎや憩い・休養をえ 重要です。そこで理論の実践として、実際の建築・ 所では、日々地域の公園に出かけて遊び、駄菓 が、子どもの生活体験における格差是正、放課 るところ、など色々な答えがあるでしょう。 しかしそ まち・サービスなどの設計をしています。それらは 子屋での100円買いおやつ、夏休みには商店街 後対策への需要拡大への対応が共通の課題に れらは、住宅の機能の一側面に過ぎません。もち 理論の実践と検証という意味で非常に重要だと で買い物をして昼食づくりに取り組むなど、学 なっていることが分かり、また子どもの放課後 ろん住宅とはこのような側面の総体である、 と考 思っています。 童保育を拠点にしながら活動が地域に広がっ のプログラム化が進んでいることを強く感じま ているのが特徴です。この調査を通じて拠点性 した。日本では、近年放課後対策の対象が高学 の条件を次の3つに整理しました。①子ども達 年にまで拡大されつつあるなか、囲い込み型か の遊び行動が地域へ空間的に広がっているこ ら拠点型への転換がますます重要になってくる H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 小学校 友だちの家 習いごと先 図書館・児童館 銭湯 庭先空間 学童保育所 1~2分 10分 公園 寺・神社 5分 自分の家 商店 河川敷 拠点性を備えた学童保育所の概念図 子どもの行動 えることもできます。でも、住宅がこのような機能 の総体であるなら、世界の様々な地域や民族の違 いによる住宅の違いは、なぜ生まれるのでしょう か。結論的に言えば、住宅は民族固有の観念(世 ベトナム・黒ターイ族の住居 何故か屋根が丸くなっている住宅に居住する。 地域密着型特別養護老人ホームK外観 研究室の実践。政令指定都市で、地域密着型という こともあり、 主要駅周辺にある。外部からは特養である と感じさせず、 内部の中庭に向かって開かれている。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 20 大学院 生活科学研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 ●総合福祉科学コース ●臨床心理学コース 本コースは、学際的なアプローチにより教育・研究を行い、超高 本コース前期博士課程は、 (財)日本臨床心理士資格認定協会 齢社会やグローバル化社会における多様な福祉課題につい の第1種指定校として臨床心理士養成の役割を資格設立当初 て、専門的援助および制度・政策的な視点からの分析・解決力 より果たしており、臨床心理学の理論教育と 「心理臨床室」での や、 フィールド等での多角的なアプローチによる実践力を高め 実践経験は、 「こころの健康」の専門家育成に役立っています。 ていくことを目指します。官公庁および福祉現場実践者等の社 また後期博士課程では、心理臨床の研究者育成に取り組んで 会人に対しては、働きながら学ぶことができるイブニング講義 います。 等を開講しています。 また、後期博士課程では、実社会に貢献で きる国際的で魅力ある教育・研究者の養成を行っています。 講 座 紹 介 本講座は、実践的な観点から福祉および 社会福祉の本質について ディスカッションをとおして 理解を深めます 理論的アプローチと実践的アプロ ーチを兼ね備えた専門家及び研究 者の育成に取り組んでいます。 国内外の論文、実践報告書等を素材 としながら、活発な議論を通して本 質に迫ります。 心理分野における総合的な教育・研究を 進めています。 また、国際的な観点からの 研究も積極的に推進しています。前期博 中井 孝章 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 教育臨床学、進化人間行動学、行動分析学 士課程においては、実践や臨床に関する 研究を中心として修士論文をまとめます。 箱庭療法 後期博士課程では、 これまでの先行研究 砂の入った木箱にさまざま なミニチュアを置き、自由に 世界を作っていきます。独自 の内的世界の表現により、や がて 「心」のダイナミズムは変 化していきます。 を踏まえ研究を深化させ、国内外の学会 で口頭発表を行うとともに、研究論文の 発表を行います。そして、最終的に博士論 文をまとめます。 三船 直子 教授 研 究 テ ー マ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 精神病理・発達障がいの研究、 心理療法の研究 篠田 美紀 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高齢期の心理臨床に関する研究、心理療法の研究 野村 恭代 准教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 居住福祉学・コミュニティにおけるコンフリクト・マネジメント手法に関する研究 岩間 伸之 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ソーシャルワーク理論の研究 松木 洋人 准教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 家族社会学・子育て支援に関する研究 岡田 進一 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先端的なケアに関する研究 長濵 輝代 准教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 母子心理臨床の研究、 心理療法の研究 所 道彦 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 家族の多様化に対応した社会保障の理論・政策研究 後藤 佳代子 講師 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 青年期の心理臨床実践および青年期心性についての研究 大西 次郎 教授・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高齢者施設におけるエンドオブライフケア・グリーフケア、精神科ソーシャルワーク実践の理論構築 鵜浦 直子 講師 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ソーシャルワークにおける権利擁護の研究 堀口 正 教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 社会開発学(地域活性化、まちづくり、貧困削減、開発援助、生活改善など) 清水 由香 助教 館 直彦 特任教授 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 精神分析学、児童青年期精神医学 中島 尚美 特任講師 ・・・・・・・・・・・・・・ 地域を基盤とした子ども家庭福祉に関する研究 服部 良子 准教授 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 精神障害者の地域生活支援サービスのあり方に関する研究 労働・生活と福祉の経済政策研究、ワークライフバランス政策学研究 研究紹介 「 子 育 て を 助 け 合 う 社 会 」を め ざ し て 21 総合福祉科学コース ● 松木 洋人 准教授 関係性の発達を探求する心理臨床研究 -こころの病から発達障がいまで- 臨床心理学コース ● 三船 直子 教授 1990年代以降、少子化を背景にして、 「子育 を明らかにすることです。 フの報酬は経済的自立を可能にするにはほど 「わたし」は関係性の中で生まれ、育まれる。あ てきました。人は人と語り合うこと(カウンセリン ては家族の責任」という考え方が問い直され、 たとえば、子育て支援に携わる保育者は、特 遠いものです。このため、子育てが一段落した なたがいない限り、私は存在しない。 グ)をとおしてどのように治癒していくのか、そこ 係形成のプロセスとの構造や対象の相違を越え 社会が子育てを支援することの重要性が理解 に子どもが保護者から離れている時間が長くな 女性が、地域で子育てを支援する側に回ろうと 人のこころ-「わたし」 という感覚、自己感や自 では何が生じているのかを考察してきました。 て共通した普遍的なものについて考察をすすめ されるようになりました。そして2015年度から ると、 「自 分 の 仕 事 は 本 当 に 子どもの た め に すると経済的自立から遠ざかることになるとい 我機能は、 「まなざされ」 「抱かれ」 「呼ばれ」 ること 現在、発達に偏りがある幼児とその養育者のグ ています。 子ども・子育て支援新制度が導入されたことに なっているのか」 という疑問を持つことがありま う構造がありますが、厳しい状況のなかでも、 によって結晶していき、周囲との交互作用が始 ループセラピーを近隣の区と提携して行っていま 象 徴 されるように 、現 在 、多 様 な 子 育 て 支 援 す。子どもと関わることが好きで始めた保育の 様々な工夫によって経済的自立に近づこうとし まっていきます。 このように育っていくこころの働 す。その中で、セラピーを行うと同時に、原初的な サービスが実際に提供されています。 仕事が、子どもを家庭から遠ざけているように ている事例に注目しています。 きやその発達を基盤として、カウンセリングは発 関係の形成のプロセスについて、関与しながらの とはいえ、家族が子育てに責任を持つことを 思われるのだとしたら皮肉なことです。 しかし、 このような研究を通じて、日本社会が「子育て 達途上での傷つきやその痛みを緩和し、発達の 研究を行っています。毎回の母子の相互交流、母 前提につくられてきた日本社会の仕組みや「子 経験を積むにつれて、そのような疑問を乗り越 を助け合う社会」になるためのアイデアを提案 阻害を内側から再活性化し、 また外界に働きかけ 子ユニット個々の担当者との相互交流を母親や 育ては家族の責任」 という考え方が簡単に変わ えて、保 育 者と保 護 者 が「 共 に 子 育 てを 担う していきたいと考えています。 て、環境の調整や修復の手助けをします。そして 担当者側からの働きかけや幼児側からの働きか るわけではありません。 このため、子育て支援が パートナー」として信頼関係を形成することが 成長を促進していく働きかけを行っていくもので け、相互交流について指標化し、関係性の深まり 実践される現場には、様々な問題や試行錯誤が 目標とされるようになります。 す。私は重篤な精神疾患のある青年期から成人 やその質の変化について考察しています。 この多 あります。私の研究の目的は、フィールドワーク また、日本の子育て支援の特徴は、女性の低 期を中心とした心理療法を行ってきました。その 面的な関係形成クループによる母子ユニットの にもとづいて、子育て支援に関わる人々がどの 賃金労働に依存していることです。特に親子の 過程における来談者とカウンセラーの間に生じ 関係形成促進の効果やグループに参加している ような問題を経験しているのか、どのような試 居場所づくりを目的とする子育てひろばの運営 ていくさまざまな関係性やそのプロセスを明らか 担当者への教育的効果についての分析を進めて 行錯誤によってその問題が乗り越えられるのか など、地域で子育て支援事業を担うNPOスタッ にし、心理療法におけるアプローチの検証を行っ います。さらに、重篤な状態にある成人との心理 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 療法における関係性形成過程と乳幼児の二者関 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 22 大 阪 市 立 大 学 大 学 院 生 活 科 学 研 究 科 の 研 究・活 動 生活科学シンポジウム 「超高齢社会における個人と地域の幸せとは何か」の開催 01 総合福祉・心理臨床科学講座 ● 所 道彦 教授 ( 土 )、大 阪 国 際 会 議 場(グランキューブ 大 療と介護の課題を説明し、 阪)にて、 「超高齢社会における個人と地域 国民の安心のための社会 の幸せとは何か」をテーマに、生活科学シン 保 障 が、現 在は世 代 間の ポジウムを開 催しました。 このシンポジウムは 対立の火種となりつつある 生 活 科 学の研 究 成 果や最 新の情 報を市 民 ことに懸念を示しつつ、 これ に広く発信するとともに、 これからの生活のあ から高齢者に対しては、治 り方を考える場を設けるものです。今回の参 す医療ではなく、生活を支 加者は169人でした。 える医 療の提 供 が 求めら シンポジウムの第1部では、哲学者の内山 れ 、保 健 、介 護 、福 祉 、雇 節氏、医療経済学者の島崎謙治氏(政策研 用、住まい、 コミュニティ、 ま 究大学院大学教授)のお二人による基調講 ちづくりの発想をつなげて 演を行いました。 まず、内山氏は、経済が暴走 いくことが重要になると論じ して社会が壊れ、幸福感が薄く、豊かさとは何 ました。 島崎氏による基調講演では、 日本の介護や医療の課題が議論されました。 総合福祉・心理臨床科学講座 ● 岡田 進一 教授 本研究は、平成25年度~平成27年度の3 いる世帯ほど、生活困窮状態が深刻になりつ 齢者領域であれば、地域包括支援センターが 年間にわたり行われ、その目的は、生活困窮 つあることを示している。 そして、生活困窮に陥 それに相当し、地域包括支援センターなどの既 ると、 「1週間に家族以外の人と話をすること」 存の資源を活用しながら、地域における生活 である。 「1週間に近隣の方と挨拶をすること」 「友人づ 困窮者支援の総合相談機能を高めていくこと 本研究で明らかになったことは、次のとおり きあいをすること」 「3か月間に家族以外の人と が望ましい。 である。生活困窮の状態が深刻な状況となっ 食事をすること」 「1年間に家族以外の人が家 また、そのような機関には、総合相談だけで ていることを示すできごととして、 「電気・ガス・水 に立ち寄ること」 といった地域社会との適度な なく、 アウトリーチ活動、相談内容の整理に基づ 道などをと止められたこと」 「国民健康保険料 関係も失われていく。 そのようなことを適切に予 く地域課題の分析等を行うことも求められる。 等の支払いが滞ったこと」 「家賃・住宅ローンの 防していくためには、各地域に総合相談機関を そして、本研究で明らかとなった内容等に基づ 支払いが滞ったこと」 「電話(固定・携帯)の通 設置していくことが望まれる。 いて、 コミュニティソーシャルワーカー等の福祉 信料の支払いが滞ったこと」 「消費者金融など 地域における総合相談機関は、重要な相談 専門職と地域福祉コーディネーターが協働して の借金があること」 「病院・医院にかかれなかっ 窓口であり、基本的には、 中学校区等の日常生 いくことができるシステムづくりを行うことが重要 たこと」などがあり、 それらのことを多く経験して 活圏域ごとに設置されることが求められる。高 となる。 04 生活科学研究科 研究助成 かがわからない時代となったが、 ようやく自然と 第2部では、新しいライフ の関係や人間同士の関係を見直す動きも見 スタイルの実践者・支援者をパネリストにお迎え 受け入れなどに関わっています。川人ゆかり氏 られるようになり、農山村地域に希望を見出す し、生活科学研究科の岩間伸之教授をコー (ローカルキャリアカフェ) は、都市部の若者と過 児の望ましい発育は、 単に当該家族だけの問 摂取状況)等を調査しました。 人も増えていると指摘し、伝統的な村を守るに ディネーターにディスカッションを行いました。太 疎地域とをつなぐ事業を展開し、移住のサポー 題に留まらず、将来的に国や地域の健康問題 この結果、 「果物を食べる」 「食 は、外部の人たちが協力してくれることが重要 田佳美氏(佳豊庵)は、岡山県の中山間地域 ト、地域での次の世代担い手の発掘や、都市 などにも密接に関連する可能性があります。 この 塩を控えている」 と回答した母親 で、村の外の人と結んでこそ、村の核の部分 に移住し、 ブドウを生産するとともに、6次産業 や地方でイベントを開催しています。西山進氏 ため、 わが国では、 母子保健法の規定により、 市 の児は、 そうではない児よりも身長 82 cm 町村において乳幼児に対する健康診査(健診) で高値かその傾向を示しました。 長) は、行政の立場から過疎集落総合支援対 が行われます。 そこで、大阪市内のある区役所 また、 「朝食の欠食習慣がない」 策事業を展開し、紙すき体験を通じた伝統文 と保護者の皆様の協力を得て、1歳6か月児健 「食物アレルギーがない」児も、欠 化の継承や耕作放棄地の花畑への転換など 診を受診した児と保護者を対象とした調査を実 食習慣や食物アレルギーがある児 の取り組み、先輩移住者や地域住民と協働で 施し、児の発育に関連する母親と児の生活習 に比べ、 身長が高値を示していま 82 移住をサポートする仕組みの整備と情報発信 慣および身体状況の関連を検討致しました。 した。その他、 「間食にスナック菓 cm や相談を行っています。 これらのパネルディス 2015年8月~11月に市内のある区が実施した 子を食べない」児は食べる児より、 80 n=287 p=0.014 80 78 (平均値±標準誤差) 母親の食塩摂取 82 n=288 p=0.050 cm 80 食べる 食べない 児の朝食欠食 n=287 p=0.047 78 82 控えている 控えていない 児の食物アレルギー n=268 p=0.030 cm 80 カッションからは、地域創生や活性化のための 1歳6か月児健診を受診した幼児と母親を対象 体重、出生時からの身長増加量 大事業という枠組みではなく、地に足をつけた としました。健診当日に測定した児の体重、身 および体重増加量は高値を示し 取り組みや、人を中心とした関係づくりが重要 長、 栄養状態を把握するとともに、 質問紙を用い ていました。 であることが再確認できました。 て母親自身の生活習慣、食物摂取状況などに これらのことから、1歳6か月までの望ましい児 否が児の望ましい発達に繋がることを理解して 関する質問と、児の身体状況(出生時と1歳6か の発育には、個々の児に対する身体発育・栄養 もらう必要であると考えられました。 これらの知見 月時、食物アレルギーの有無等)、生活習慣(起 状態の評価と指導だけでなく、児の食生活に強 は今後の母子保健対策や食育の推進に活か 床時刻、就寝時刻、離乳食の状況、朝食・間食 く影響を及ぼす母親に対しても自身の生活習慣 すことが求められます。 02 78 なし あり 78 なし あり にも目を向けるよう助言し、 自らの生活習慣の良 総合福祉・心理臨床科学講座 ● 所 道彦 教授 Q O Lとは、 クオリティ・オブ・ライフ( 生 活の として、 学内外での多彩な演習があげられます。 質)の略です。生活科学部は、食品栄養、居 例えば2015年度は、過疎地域での農作業体 住環境、人間福祉の3学科で構成されていま 験、食育活動、 トイレの改修プロジェクト、廃校に すが、 「人々の生活をより良いものにする」 とい なった学校跡地を利用した子どものためのプ うことが、 これら3学科の共通のミッションといえ レーパークづくり、災害時の炊き出しなどに利用 ます。長年、3つの学科では、それぞれの分野 できるベンチの設置などの演習を実施しました。 における専門職の養成に力を入れてきました また、 自分の所属する学科以外の学生と講義や が、 これに上乗せする形で、希望者に対し学 演習で共に学ぶ機会が得られる点も魅力となっ 部横断的にQOLを向上させるための知識と ています。 このプログラムの効果としては、生活 技術を修得させるためのプログラムを提供し、 問題について複眼的な思考を修得すること、演 その修了者に、QOLプロモーター(生活の質 習において地域住民や専門 を向上させる専門職) として、生活科学部独自 家と直接かかわる中で学ぶ の修了証を授与することとしています。 このプ ことで、実践的な生活科学の ログラムは、平成18年度、文部科学省「現代 技術や知識、 コミュニケーショ 的教育ニーズ取組支援プログラム」としてス ン力を身に付けること、 自身の タートし、今年で、 ちょうど10年を迎えることとな キャリア形成について幅広い りました。 ビジョンをもつことなどが期待 QOLプロモーターの養成カリキュラムの特徴 されています。 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 母親の果物摂取 ( ) (和歌山県企画部地域振興局過疎対策課 教育推進本部経費 QOLプロモーターの養成 1歳6か月児健診時の身長 ( ) パネリスト3人を加えてのディスカッション 食・健康科学講座 ● 由田 克士 教授 ※母親の身長、児の出生時の身長、児の性別を調整 ( ) 内山節氏による基調講演 1歳6か月児の発育に関連する母親と児の生活習慣および身体状況 ( ) 化の取り組みや、都市部からのホームステイの は維持できると論じました。島崎氏は、 データに 23 生活困窮者支援における総合相談を基盤とする 都市型予防ソーシャルネットモデルの構築 者に対する具体的な支援策の検討を行うこと 基づいて、将来の日本の医 生活科学研究科では、平成28年2月13日 03 日本学術振興会科学研究費(基盤研究(B)) 05 生活科学研究科 研究助成 食・健康科学講座 ● 安井 洋子 准教授 食・コミュニティー・ウェルビーイングの包括デザイン研究 -地域在住未病高齢者に対するサルコペニア・骨粗鬆症予防を目的とした栄養学的介入法の探索- 骨格筋減少症(サルコペニア)は、加齢によ る骨格筋量の減少及び、筋力、 身体機能の低 下として定義される。骨粗鬆症は、加齢にともな う骨塩量の減少に起因した病的骨折の主たる 原因として知られる。 これらの病態は、高齢者 における虚弱性を規定する主要な要因であり、 学内外で生活の質を考える演習を行っています。 後期高齢者のADL、 QOLに大きな影響を及ぼ す。 この両者は、食事や運動習慣の有無、生活 「MedCity 21」 における食事・運動教室。 活動強度と密接な関連をもつ生活習慣病とも 考えられ、超高齢社会におけるきわめて重要な が運営する予防医療指向型の新しい人間ドッ 進展抑制を期する取組みである。我々は、地域 病態である。 クであるMed City 21受診者を対象に、安全で の総幸福量の定量法の一つとして、住民の総 本研究は、 サルコペニア・骨粗鬆症の発症予 安価な栄養学的介入と運動指導を行い、健康 骨格筋量・総骨塩量の維持という指標を提案 防を目的に、健康の維持・増進に対するモチ 保険・介護保険などの公的資金に依拠しない、 したが、 その具体的な取り組みのひとつとして、 ベーションが高い集団であろう、当大学医学部 住民の自助努力を支援することで、両病態の 本課題に取り組んでいる。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 24 卒業生 私の仕事と生活科 私立大学講師 科学講座 修了 生活科学研究科 食・健康 科学講座 修了 生活科学研究科 食・健康 卒業してもお互いに助け合える関係ができる それは少人数だからこその強み 25 は生活科学部食品栄養科学科を経て、 大学で培った知識・技術・思考力を強みに 新しい製品を生み出し食生活に貢献したい 食 品栄養科学科を卒業後、生活科学研究科修 士課程へ進学、平成25年に修了しました。現 平成9年に生活科学研究科修士課程 在は食品メーカーの研究開発部門で冷凍食品の開 を修了し、現在は私立の大学で講師として働い 発をしています。私は幼い頃から料理が好きで、管理 ています。 栄養士に興味を持って市大の食品栄養科学科へ入 大学院を修了した直後は、管理栄養士という 学し、管理栄養士、家庭科教諭、栄養教諭の免許を 仕事に魅力を感じず、水質検査を行う企業で開 取得しました。大学院では “まだ答えが見つかっていな 発職に携わっていました。 その後、病院栄養士と い” テーマに取り組む研究の面白さを知り、 それがきっ して数年間働き、出産、育児を経て縁あって母 かけで、世に新しいものを生み出して人々の食生活に 校の助手として生活科学部に戻った後、現在の 貢献できる食品メーカーの研究開発職を選びました。 職場で働いています。家庭との両立を含め、紆 新製品開発は、 お客様からの要望や、 自らのアイデ 余曲折がありましたが、学生への授業、就職を アから始まります。それを形にするため、食に関する知 含めた指導をする上で、大学時代に学んだ基礎 識や調理技術を活かして試作検討を繰り返します。 的な知識、大学院での研究、企業に勤めた経験 改良を重ねた自信作が、製品として消費者の元へ届 や病院栄養士として働いた経験などを生かすこ くのはとても嬉しく、 やりがいのある仕事です。 とができています。 市大の管理栄養士養成課程のゴールは資格取得 市大の卒業生で、管理栄養士として病院や ではなく、 その先にある夢の実現だと思います。先生 保健所、大学等で働いている方はかなり多く、 そ 方は、資格取得のみにこだわることなく高度な知識を のつながりに随分助けられています。少人数の 習得できるよう指導してくださいます。そして研究を重 学部、学科だからこそ、学年内、上下の学年との 視した風土で、社会人に必要な論理的な思考力を養 つながりがあり、卒業してからも互いに助け合え える場があります。 る関係を築けているというのが市大を選んで良 管理栄養士という職業は、専門性を活かすことによ かったと思えるところです。今でも研究員として、 り目の前の人の健康に役に立つことができ、喜ぶ顔 母校にお邪魔していますが、 自力で学習して考 が見られる素敵な仕事です。一方、研究職のような資 えることのできる学生が多いということが市大の 格を必要としない職業でも大学で培った知識や技 特徴ではないかと感じています。 術、思考力を強みにして、多くの人々の食生活に貢献 どんな経験や失敗も無駄にはなりません。4年 することができます。 「食」のエキスパートを目指す学生 間の大学生活の中で、多くの経験をして将来に のみなさん、将来の道は広がっています。夢の実現に 役立ててほしいと思います。 向けて一生懸命勉学に励んでください。 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 建築に関する様々な知識・技術を学び 夢をカタチにしていく面白さを感じてほしい 私 は現在オフィス家具メーカーの空間設計 それぞれのまちの課題と向き合い、答えを導く 「まちづくりコンサルタント」という仕事 私 は生活科学部居住環境学科において、 大阪市内に数多く残存している伝統的 の部署で働いています。仕事内容として 木造家屋である 「長屋」の保全について論文を は、 お客様からの依頼で新しいオフィスを設計し 執筆、大学・大学院を卒業し、現在は 「まちづくり たり、現状のオフィスを改装したりする仕事です。 コンサルタント」 として職務にあたっています。 「リラックスできる空間にしたい!」 「元気に働 まちづくりコンサルタントは、 「まちのお医者さ ける空間にしたい!」など、お客様によって想い ん」 とも称されるように、様々なまちの課題に対 描く理想のオフィス像は様々です。そこで、図面 し、適切な対応策を提案することが求められま を描いたり家具を選んで提案したりしながら、 お す。商店街の衰退、公共住宅・施設や空き家の 客様が想像している 「理想のオフィス」 をどんど 適正管理、里山・農村環境の維持・管理、地域 ん具体化していきます。 しかし具体化する途中 固有の文化継承など…社会的背景や、論理的 では、多くの問題に突き当たります。例えば、お 整合性等踏まえた上で、 そのまちに合った 「唯一 客様が希望した広さのオフィスと、社員全員の 解」 を出さなければいけません。 デスクを並べて図面に描いてみると、デスクが また、私生活では、卒業論文のテーマとして取 全くオフィスに入りきらないという事はよく起こり 上げた 「長屋」 で暮らしています。長屋での生活 ます。そうした問題を、知識や経験でカバーして は、木造家屋の空間的な豊かさだけでなく、長屋 できる限りお客様の理想を実現化するのが設 が立地する昔ながらの地域におけるコミュニティ 計者の仕事です。そしてこうした「誰かの夢をし の豊かさなどにも触れることができ、大学で学ん っかりと形にできる事」が、設計の仕事の最大 できた 「より良い暮らしとは何か」 という命題につ の楽しみだと思います。 いて、考えを深めるきっかけとなりました。 居住環境学科では、住宅の設計、人間工学、 受験生の皆様へ。私は公私において常に、 町づくり、 など 「住む」 というキーワードを軸に様々 自分の「関心」に対して自分なりの解答を探り、 な科目を学びます。 その全ては、誰かの夢を形に 行動することを心がけています。大学生活とは、 するための手がかりとなります。建築に興味のあ 自分の「関心」に対してどのように応えられるの る方はもちろんですが、誰かの夢を形にしたい、 と かを、 ゆっくりと試行錯誤できる時期であると思 いう方にとっても居住環境学科は実りの多い学 います。大阪市立大学は、 そんなあなたの「試 科だと思います。ぜひこの学科で、夢を形にする 行錯誤」 を、的確にサポートしてくれる環境であ 事の面白さを学んで欲しいと思います。 そして、 い ると思います。 つか後輩として皆さんとお会いできる時を楽しみ 南後 仁香さん 和泉市職員 互いに励まし刺激しあえる仲間とともに 先生の指導を受け公務員を志した 私 は、大阪府庁に勤めており、親の病気、 虐待などの理由により、親のもとで暮らせ ない子どもが、健やかに育ち、 自立できる体制整 備に関する計画を作成しました。 どんな子どもで あっても、社会への公平なスタートを切り、 自立し た社会人として生活できるようにしていくことが、 大阪府の未来を作っていくことだと思います。 そ の中心となる計画を、企画立案し、 たくさんの議 論を経て形となったとき、本当にやりがいのある 職に就けたと感じた瞬間でした。 そんな職に就けたのは、大学時代、 日々、切磋 琢磨してともに公務員を志した友人や、 そして、 困ったとき、悩んだとき、相談することのできた先 生の存在が大きいです。 また、職場には、市大出 身者も多く、卒業後も市大出身者と連絡をとり、 その人脈は、 仕事を円滑に進めてくれます。 これから大学を志すみなさんは、大学に入っ て、 たくさんのことを学び、 たくさんのことを経験 し、夢や目標を掲げて頑張ってください。 講座 修了 臨床科学 生活科学研究科 総合福祉・心理 卒業 生活科学部 人間福祉学科 学講座 修了 生活科学研究科 居住環境 卒業 生活科学部 居住環境学科 児童福祉 × 生活科学 福祉計画 × 生活科学 大阪府職員 ト まちづくりコンサルタン 勤務 オフィス家具メーカー 6 出原 慎也さん 俣野 喬仁さん 森川 桃子さん 食品企業研究所 勤務 まちづくり × 生活科学 オフィス設計 × 生活科学 新製品開発 × 生活科学 鋳方 綾香さん 5 4 3 大学講師 × 生活科学 百木 和さん 私 学 2 1 食 、住 、福 祉 、心 理 … は を 卒 業し た 先 輩 たち 生活科学部/研究科 い ます 。 ナ ル とし て 活 躍 し て ョ シ ェッ フ ロ プ で 場 多 種 多 様 な 職 業・職 識や視点は い学問分野で得た知 広 幅 う い と 学 科 活 生 そし て 、 か さ れ て い ます 。 そ れ ぞ れ の 仕 事に活 様々な年齢・立場・国籍の研究室仲間と 学会発表に挑戦できたのは貴重な経験 私 は大学院で、障害者・高齢者福祉学分 野研究室に所属し、修士論文として、介 護支援専門員と医師との連携についての研究 に取り組みました。介護支援専門員の方々を対 象としたアンケート調査を通して、介護支援専 門員が医師と連携しやすくなる方策について研 究しました。 また、 グループ研究として、地域のネットワーク 構築のための実践のプロセスに関する研究に も携わっていました。先輩方と社会福祉協議会 のコミュニティワーカーの方々にインタビューを 行い、学会発表にも挑戦させていただけたこと は良い経験になりました。 研究室の学生は、社会人の方や留学生の 方も多く、進学の経緯や年齢もさまざまでした。 志の高い方々と出会い、刺激を受けながら過ご せた2年間はとても貴重な時間でした。 現在は市役所の児童福祉関係の部署で、主 に児童家庭相談と通園療育施設の開設に関 する仕事に携わっています。市民の方々への個 別支援と社会資源を創出する仕事の両方に携 わることができているところにやりがいを感じて います。 にしています。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 26 生活科学部/大学院生活科学研究科 教 員 紹 介 / 研 究 テ ー マ一覧 T e a c h i n g Yoshikazu Nishikawa 西川 禎一 S t a f f H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 羽生 大記 教授 Sakon Tajimi Toshi Haruki 春木 敏 教授 多治見 左近 教授 Kazuo Emura 永村 一雄 教授 藤田 忍 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研 究 食・水系感染症の疫学と生体防 テーマ 御に及ぼす加齢と栄養の影響 研 究 慢性肝疾患、 脂肪肝患者にお テーマ ける栄養学的評価と治療 研 究 行動科学に基づく栄養教育 テーマ 方法論の研究 研 究 テーマ 住宅需給構造に関する研究 研 究 温熱環境と省エネルギーの テーマ ための最適計画 Katsushi Yoshita 由田 克士 教授 Shigeru Saeki 佐伯 茂 Toshiya Masuda 増田 俊哉 教授 教授 Kazuhiko Mori Akira Okada 岡田 明 森 一彦 教授 教授 Naoko Mifune Shinobu Fujita 学 部 食品栄養科学科 三船 直子 教授 岡田 進一 教授 学 部 人間福祉学科 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 テーマ 精神病理・発達障がいの 研究、 心理療法の研究 研 究 教育臨床学、進化人間行動学、 テーマ 行動分析学 研 究 テーマ 研究科 居住環境学講座 研 究 テーマ 住居・まちづくりにおける 計画論、 職能論 Michihiko Tokoro 所 道彦 教授 教授 学 部 人間福祉学科 学 部 渡部 嗣道 中井 孝章 Shinichi Okada 人間福祉学科 居住環境学科 Tsugumichi Watanabe 教授 Takaaki Nakai 教授 先端的なケアに関する研究 Nobuyuki Iwama 岩間 伸之 教授 Jiro Onishi 大西 次郎 教授 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 人間福祉学科 学 部 人間福祉学科 学 部 人間福祉学科 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 健康増進と生活習慣病予防 テーマ に関する公衆栄養学的研究 研 究 コレステロール代謝に関する テーマ 分子栄養学的研究 研 究 ポリフェノールなど植物性 テーマ フェノール成分の有機化学 研 究 テーマ 生活機器・環境設計のための 人間工学的研究 研 究 居住福祉環境設計に テーマ 関する研究 研 究 テーマ 研 究 家族の多様化に対応した テーマ 社会保障の理論・政策研究 研 究 ソーシャルワーク理論の研究 テーマ 研 究 テーマ 高齢者施設におけるエンドオブライフケア・グリーフ ケア、精神科ソーシャルワーク実践の理論構築 Naoto Furusawa 古澤 直人 准教授 Naoki Ichikawa 市川 直樹 准教授 Akiko Kojima 小島 明子 准教授 Akiko Koito 小伊藤 亜希子 教授 Tadashi Doi 土井 正 准教授 住宅の保全方法および 新構法の研究 Hiroyuki Ueda 上田 博之 Tadashi Horiguchi 堀口 正 准教授 教授 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 人間福祉学科 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 化学物質の食品残留に テーマ 関する研究 研 究 エネルギー代謝調節系に関す テーマ る生化学・分子生物学的研究 研 究 生活習慣病の予防に関する病態 テーマ 栄養学および栄養生化学的研究 ・家族の住生活に 研 究 子ども テーマ 関する研究 研 究 総合機能性環境材料・ テーマ 木質環境の性能評価 研 究 高齢者住居および テーマ 住居人類学に関する研究 研 究 テーマ 社会開発学(地域活性化、 まちづくり、 貧困削減、開発援助、生活改善など) Dongho Kim 金 東浩 27 教授 Daiki Habu 准教授 Yukiko Ueda 上田 由喜子 准教授 Yoko Yasui 安井 洋子 准教授 Hideki Sakai Miho Fukuda 福田 美穂 准教授 酒井 英樹 准教授 Shihoko Koike 小池 志保子 准教授 Miki Shinoda 篠田 美紀 准教授 Ryoko Hattori Naohiko Tachi 館 直彦 特任教授 服部 良子 准教授 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 学 部 人間福祉学科 研 究 テーマ 精神分析学、 児童青年期精神医学 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 Teruyo Nagahama 長 輝代 准教授 研 究 労働・生活と福祉の経済政策研究、 テーマ ワークライフバランス政策学研究 Yasuyo Nomura 野村 恭代 准教授 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 居住環境学科 学 部 人間福祉学科 学 部 人間福祉学科 学 部 人間福祉学科 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 食・健康科学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 リポタンパク質代謝に関する テーマ 分子栄養学的研究 研 究 学校給食マネジメントと食育 テーマ に関する研究 研 究 テーラーメード栄養指導に テーマ 関する臨床栄養学的研究 研 究 生活空間の史的研究 テーマ 研 究 環境材料に関する研究 テーマ 研 究 住空間デザインの研究 テーマ 研 究 テーマ 研 究 テーマ 母子心理臨床の研究、 心理療法の研究 研 究 居住福祉学、コミュニティにおけるコン テーマ フリクト・マネジメント手法に関する研究 Tomoe Fukumura 福村 智恵 准教授 Eriko Nakadai 中臺 枝里子 特任准教授 Naomi Hayami 早見 直美 助教 特任助教 森本 佳子 特任助手 学 部 食品栄養科学科 ファーナム クレイグ 講師 松木 洋人 研究科 食・健康科学講座 研究科 居住環境学講座 研究科 居住環境学講座 研 究 思春期・青年期の食行動と テーマ 栄養教育法に関する研究 研 究 テーマ 居住環境の防災・安全に 関する研究 研 究 空調設備と熱的快適性に テーマ 関する研究 研 究 環境ストレスと生体防御に テーマ 関する分子生物学的研究 学 部 食品栄養科学科 講師 学 部 研究科 食・健康科学講座 小村 智美 生田 英輔 Hiroto Matsuki 学 部 居住環境学科 学 部 食品栄養科学科 Yoshiko Morimoto 特任助教 Craig Farnham 居住環境学科 研究科 食・健康科学講座 Tomomi Komura 出口 美輪子 Eisuke Ikuta 学 部 学 部 食品栄養科学科 研 究 生活習慣病予防と栄養・ テーマ 食生活支援に関する研究 Miwako Deguchi Naoko Nishida 西田 直子 特任助手 学 部 食品栄養科学科 学 部 食品栄養科学科 Kazumi Kameda 亀田 和美 特任助手 学 部 食品栄養科学科 Moto Nishioka 西岡 基夫 学 部 助教 居住環境学科 研究科 居住環境学講座 研 究 テーマ 生活弱者を中心とした機器・ 環境に関する研究 高齢期の心理臨床に関する 研究、 心理療法の研究 准教授 Kayoko Goto 後藤 佳代子 人間福祉学科 学 部 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 テーマ 家族社会学、子育て支援に 関する研究 Yuka Shimizu 清水 由香 助教 講師 Naoko Unoura 鵜浦 直子 講師 人間福祉学科 学 部 人間福祉学科 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 テーマ 青年期の心理臨床実践および 青年期心性についての研究 研 究 ソーシャルワークにおける テーマ 権利擁護の研究 Naomi Nakashima 中島 尚美 特任講師 学 部 人間福祉学科 学 部 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 研 究 精神障害者の地域生活支援 テーマ サービスのあり方に関する研究 研 究 テーマ 地域を基盤とした子ども家 庭福祉に関する研究 人間福祉学科 生活を 科学する 52人 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 28 【各種データ】 一 般 定数 大学院 入学状況 (2016年度) 留学生 社会人 入学合計 志願者 受験者 合格者 志願者 受験者 合格者 志願者 受験者 合格者 前 期 48 61 57 32 8 8 3 9 9 6 36 後 期 15 3 2 2 3 3 3 5 5 5 10 種別・機関 研究代表者 研究費 (千円) (研究分担者) 研究課題 厚生労働科学研究費 社会的要因を含む生活習慣病リスク要因の解明を目指した国民代表集団の大規模コホート研究 厚生労働科学研究費 食中毒調査における食品中からの病原微生物検査の開発に関する研究 公益財団法人伊藤記念財団 ポリフェノールの強力な還元性を利用した食肉新鮮色の保持研究 公益財団法人鴻池奨学財団 北魏を中心とする北朝の宮殿建築の歴史的変遷-中国宮廷空間史学構築の基礎として 前期日程 推薦入試 (全国枠) 合 計 入学者数 2 6 111 6 6 ̶ 5 1 1 35 266 37 37 居住環境学科 35 138 36 36 2 18 2 2 6 93 6 6 ̶ 3 0 0 43 252 44 44 人間福祉学科 33 127 34 33 2 19 2 2 10 63 10 10 ̶ 3 0 0 45 212 46 45 合 計 95 391 98 97 6 61 6 6 22 267 22 22 ̶ 11 1 1 123 730 127 126 数 合格者数 2 合 計 女 性 男 性 志願者数 入学者数 24 数 合格者数 2 定 志願者数 定 入学者数 28 教員構成 合格者数 志願者数 28 数 入学者数 定 合格者数 126 数 志願者数 定 入学者数 27 数 合格者数 食品栄養科学科 留学生 志願者数 定 学 部 入学状況 (2016年度) 推薦入試 (限定枠) 教 授 19 (2) 3 22 (2) 准教授 7 11 (1) 18 (1) 講 師 2 3 (1) 5 (1) 助 教 1 4 (2) 5 (2) 特任助手 0 3 3 合 計 29 (2) 24 (4) 53 (6) ※ () は特任教員で内数 (2016年7月1日現在) 種 別 大学内競争的 研究資金の 採択課題 (2015年度) 研究課題 福田 美穂 900 早見 直美 種 目 研究代表者 配分額 (千円) 研究課題 基盤研究 (A) 佐伯 茂 2,400 基盤研究 (B) 岡田 進一 700 生活困窮者支援における総合相談を基盤とする都市型予防ソーシャルネットモデルの構築 基盤研究 (B) 森 一彦 820 地域資源の利活用マネジメントにむけた福祉転用計画システムの構築に関する実証的研究 基盤研究 (B) 岩間 伸之 2,000 人口減少社会を想定した生活困窮者等への地域相互支援型自治体推進モデルの構築 基盤研究 (B) 増田 俊哉 4,300 調理加工という反応場で生成する高機能ポリフェノールの検出と抗生活習慣病への利用 環境シグナルに応答する生体センサーの生理人類学的メタボローム解析 基盤研究 (C) 上田 由喜子 700 食物選択行動の法則化とその成果を活用したフードチェーンにおける新たな食育戦略 基盤研究 (C) 酒井 英樹 700 年間を通して理想的な日射反射特性を示す指向性反射材による環境負荷軽減建材の開発 基盤研究 (C) 三浦 研 300 サービス付き高齢者向け住宅の都道府県等による独自登録基準の実態と課題 基盤研究 (C) 所 道彦 1,100 生活保護の給付水準に関する研究:国際比較の視点から 基盤研究 (C) 中島 尚美 1,100 母子生活支援施設における予防強化型ソーシャルワーク実践モデルの構築に関する研究 基盤研究 (C) 岡田 明 700 体性感覚と身体の一側優位性に基づく操作方向認知に関する研究 谷 直樹 1,200 博物館ネットワークによる近世大坂の建築史・都市史研究の構築と展示公開 基盤研究 (C) 金田 直子 1,118 園・家庭・地域を結ぶ包括的幼児食育プログラムの開発 基盤研究 (C) 由田 克士 1,000 低出生体重児の減少を推進するために必要な公衆栄養施策を立案するための基盤研究 挑戦的萌芽研究 加藤 久美子 1,000 患者QOLの向上を目的とした管理栄養士の職務満足度の日米比較 挑戦的萌芽研究 森 一彦 挑戦的萌芽研究 増田 俊哉 2,000 ポリフェノールが作る還元的環境で食肉の新鮮色が維持できるか 挑戦的萌芽研究 佐伯 茂 1,200 栄養素による時計遺伝子とメタボリック症候群の制御に関する研究 挑戦的萌芽研究 西川 禎一 1,300 線虫のパターン認識受容体とその標的分子の解明 若手研究 (B) 松木 洋人 600 子育て支援による 「親であること」の多元化の質的研究 若手研究 (B) 野村 恭代 600 施設コンフリクトとソーシャル・キャピタルとの相関に関する比較実証研究 若手研究 (B) 生田 英輔 1,300 災害時における高齢者の避難能力評価と避難計画に関する研究 1,000 住宅ストックの活用に向けた大阪長屋によるつながりを育む賃貸居住モデルの構築 1,500 由田 克士 若手研究 (平成27年度新規) 地域防災力向上のためのコミュニティ ・レジリエンス指標の開発 1,000 生田 英輔 教育推進本部経費 QOLプロモータ育成による地域活性化 960 所 道彦 教育推進本部経費 地域ケアを担うPh.D.臨床栄養師の養成 (病院と地域をつなぐ栄養管理のエキスパート養成大学院) 660 羽生 大記 教育推進本部経費 コミュニティ防災リーダー教育プログラム 540 生田 英輔 研究費 (千円) 600 1,200 研究代表者 安井 洋子 由田 克士 大学外競争的 研究資金の 採択課題 (2015年度) ※交付研究費金額は2015年度分 基盤研究 (C) (平成27年度新規) 低出生体重児の減少と新生児期からの望ましい食育を推進するために必 要な公衆栄養施策・健康増進施策を立案するための生活科学的基盤研究―大阪市住吉区・ 淀川区、福岡県飯塚市、奈良県天理市と連携した妊産婦と児を対象とするコホート研究― 生活科学研究科 戦略研究 400 認知症の予防効果を有する食品成分の総括的研究 基盤研究 低出生体重児の減少と新生児期からの望ましい食育を推進するために必要な公衆栄養施策 ・健康増進施策を立案するための生活科学を基盤とした研究―大阪市住吉区・淀川区、福岡 県飯塚市、奈良県天理市と連携した妊産婦と児を対象とするコホート研究― 増田 俊哉 1,900 森 一彦 食・コミュニティー・ウェルビーイングの包括デザイン研究- 地域在住未病高齢者に対するサルコペニア・骨粗鬆症予防を目的とした栄養学的介入法の探索- 1,000 小島 明子 8,000 生活科学研究科 戦略研究 工藤 由起子 (西川 禎一) 基盤研究 (C) ※交付研究費金額は2015年度分 研究科内競争的 研究資金の 採択課題 (2015年度) 1,800 研究代表者 (平成27年度継続) 災害知の社会実装にむけたコミュニティ防災学の構築 研究課題 子どもの学びを保護者へつなぐITツールを活用した栄養教育方法の検討 三浦 克之 (由田 克士) 研究費 (千円) 重点研究 種 別 公益信託仲谷鈴代 記念栄養改善 活動振興基金 350 600 若手研究 (B) 小池 志保子 科学研究費 補助金交付一覧 (2015年度) 周辺視を生かしたロービジョン者の「空間識力」の計測法に関する実験的研究 若手研究 (B) 鵜浦 直子 若手研究 (B) 林 史和 1,200 ウイルス排除後の肝硬変患者の健康寿命延長を目指した栄養学的治療の開発 研究活動スタート支援 小村 智美 1,000 ビフィズス菌の長寿効果に寄与する構造成分の探索 700 ソーシャルワーク実践におけるアウトリーチ型援助方法に関する基礎研究 ※交付研究費金額は2015年度分 社会貢献 社会貢献など ●重点研究:いのちを守る都市づくり コミュニティ防災フォーラム2016 ●防災活動の出張講義7件 ●第12回居住環境デザインフォーラム ●心理臨床室業務 ●客員研究員の受け入れ30件 地域貢献 ●生活科学シンポジウム ●長屋保全による大阪再生プロジェクト ●生活科学論ゼミナールにおける総合的地域研究 国際交流 ●海外出張17件 高大連携 ●出張講義9件 ●大学施設・研究室等見学4件 ●オープンキャンパス参加者人数3,149人 (2日間) ●進学ガイダンス夢ナビライブ参加1件 ※2015年4月から2016年3月までの実績 29 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 種 別 食品栄養科学科 居住環境学科 編著書 7 4 7 原著・論文・編著内論文 34 32 25 総説・解説 15 14 5 国際会議 27 6 2 学会発表 (口頭発表) 50 42 36 62 57 49 その他(報告書、講演、設計、作品、その他) 受 賞 人間福祉学科 研究業績 ●要田洋江 (第2回大阪市立大学女性研究者特別賞) ●後藤麻由 (日本栄養・食糧学会近畿支部若手奨励賞) ●坪田一平(JIA東海支部設計競技・第32回一般の部銀賞) ・ (公益社団法人商業施設技術団体連合会・第13回学生デザインコンペ入賞) ●長田壮介 (神戸市・空き家『活用コンペ』入賞) ※2015年4月から2016年3月までの実績 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 30 生活科学アドミッション・ポリシー 生活者・消費者の視点から、 人間生活の質的向上を目指して、 人間が人間らしく生きるた めに必要な条件を科学的に追究し、 実践する学問を目指す人を求めます。具体的には次 に掲げるとおりです。 ●生活者の立場に立って、 社会や環境などに関する生活課題に関心を持つとともに広い 視野からその解決を目指す人 ●修学や実務に基礎となる知識や能力、 コミュニケーション能力を持つ人 ●幅広く学習に取り組み、 向学心を持つ人 ●いろいろな立場の人と協力・協調しながらものごとを進めたり、 適切なプレゼンテーション ができる人 ●自ら目標を定め、 自律的に課題に取り組んだり、 創造性を追求する人 ●将来的には大学院に進み、 専門的職業人や研究者を目指す人 生 活 科 学 部 の 各 学 科 の 方 針( 3 つのポリシー) 食品栄養科学科 ■学位授与指針 (ディプロマ・ポリシー) 食品栄養科学科の教育目標は、食と栄養に関する課題について包括的に取り組むことがで きる研究者や高度専門職業人、指導的立場を担う科学的素養を有する管理栄養士を養成 することである。 この目標を達成するため、以下のようなディプロマ・ポリシーを設定している。 基礎的な学修能力と豊かな人間性を 1. 全学共通カリキュラムの多面的な履修を通して、 身につける。 および 2. 専門領域の体系的学習を通じて、食品や栄養と健康との関係に関する知識、 食資源の確保から衛生的な取り扱いと加工調理に至るまで、食生活を通じて生活の 質の向上に寄与する専門的実践力を養う。 専門領域を超えて問題を探求する姿勢を身に 3. 学科を横断する学際的学習を通じて、 つけ、個人から地域コミュニティー、更にはグローバルな観点から現代生活を捉え、問 題解決に向けて正確な情報を収集し, 実践応用する力を身につける。 ・ 「演習」 ・ 「実験・実習」 ・ 「卒業論文」 を通じて、 知識の活用能力、 論理的思考 4.「講義」 力、課題探求力、問題解決力、表現力、 プレゼンテーション力、国際的コミュニケーショ ン能力などの、 総合的な基盤を身につける。 ■入学者受入指針 (アドミッション・ポリシー) 上記の教育目標にしたがって、 以下のような学生を求める。 1. 数学、理科、英語などの基礎学力を有し、生命科学に関心が高く、探究心旺盛で、論 理的な思考力をもとに、 食と栄養の分野で活躍する熱意のある人 現代社会の食と栄養がヒトの健康に与える影響に関心があり、 2. 環境や社会の仕組み、 食生活に起因する諸問題を解決したいという意欲がある人 研究者や高度専門職業人に必要な基礎およ 3. 食品と栄養に関する研究に興味があり、 び専門的な知識と技能の学修に意欲的に取り組む人 4. 病院、行政、小中学校における栄養学の実践に興味があり、管理栄養士に必要な基 礎および専門的な知識と実践的な能力の学修に意欲的に取り組む人 さらに高度な専門的知識と能力を身につけ、 大学教員、 高度専門技 5. 大学院に進学し、 術者、 指導的立場を担う臨床栄養士を目指す人 H u m a n L i fe S c i e n c e 2 0 1 6 人口構造や社会構造の変化、 地域社会の変貌にともなって生起する現代の生活課題を 正確に把握する力を習得するとともに、 多様で深刻な個人及び地域の課題に対応できる 福祉学及び心理学を基礎とした高度専門職の育成を目標とする。所定の単位を取得す ることにより、 以下の能力を身につけた学生に、 学位(学士) を授与する。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 人間生活と社会、 文化、 環境に関する総合的理解と、 バランスのとれた判断力 住宅・環境・建築技術者に必要な自然科学や情報技術の知識・理解力 居住生活・居住空間に関する幅広くて深い理解と高度な計画能力 住宅、 建築、 地域環境の技術および関連分野の技術に関する知識と応用能力 快適で美的な空間を設計し、 デザインするための創造的能力 居住空間・環境における課題を発見し、 与条件のもとで企画・立案・実行を行う能力 共同作業や実務に役立つ論理的プレゼンテーション能力とコミュニケーション能力 ■入学者受入指針 (アドミッション・ポリシー) 本学科は、新たな居住環境の創造・管理に積極的に取り組む意欲にあふれた人を求め る。具体的には、 次のような目的意識や勉学意欲を備えた人を希望する。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 住む人、 使う人の立場に立って居住環境に対する諸要求を把握し、 その実現をめざす人 居住環境を取り巻く社会問題・環境問題に関心を抱き、 その解決をめざす人 図面を書き、 模型をつくるという創作活動に積極的に取り組む人 いろいろな立場や考え方の人と協力・協調しながら、 ものごとを進めようとする人 文科系科目以外の数学、 物理学、 化学などの学習に積極的に取り組む人 大学の授業以外にも、 積極的に自学自習に取り組む人 卒業後、 大学院修士課程に進学し、 さらに高度な「専門的職業人」 をめざす人 1. は、 居住環境学科の教育理念に基づく一番重要な点である。 2.~4.については、 必ずしも全部を入学時点で満たしている必要はなく、 入学後の自学 自習によって獲得できる。 7. については、 必ずしも全員が満たしている必要はない。 ■教育課程編成方針 (カリキュラム・ポリシー) 本学科では、4年間の学士課程によって、今日の技術者に求められる以下1.~5の基礎的素養か ら各種の専門的な知識・技術を学ぶと共に、 それらを総合して、6.総合的なデザイン力を習得し、主 体的に課題解決に向けて取り組む力、 またそのために不可欠となるプレゼンテーション及びコミュ ニケーション力を身につける。学ぶべき専門知識には、 身の回りの生活用具やインテリアから、住 宅、建築、都市に至る多様なレベルでの計画、設計、管理に関する理論と技術の学修が含まれる。 2に対応) 1. 基礎的素養(主としてディプロマ・ポリシー1、 人が居住することの意味を考え、 まず人間とは何かを考えるための基礎的素養を身に つける。人間とは何かを考える上での手がかりとなる哲学、倫理学、心理学、文学、社 会学、経済学、法学などの基礎的知識を学ぶ。 さらに美しい空間や物をつくるために 必要な美学・心理学などを学ぶと共に、 各種実習などを通して美的感性(センス) を磨 く。 これらの知識を学ぶために、 教養科目および基礎科目を配置する。 (主としてディプロマ・ポリシー3に対応) 2. 住む人・使う人の視点から考える 住む人、 使う人の立場に立ち、 人の生活、 住み方や行動、 動作、 心理・生理などの特性を 学ぶ。 その理解を基に、 居住環境に対する要求を把握し、 さらにその要求を居住環境の 設計・計画に反映させる技術を習得する。居住環境に対する要求を把握するには、 生 活実態への深い理解と調査研究の裏付けが必要であると共に、 居住環境の歴史、 文 化についての理解が必要である。 これらは現代人の諸要求を考える手がかりになり、 将 来を展望するのに役立つ。 これらの知識・技術を修得するための専門科目を配置する。 (主としてディプロマ・ポリシー3に対応) 3. 居住環境をめぐる社会の制度や仕組み 都市空間や居住地、 住居などの居住環境の計画や管理に関わる制度や仕組みにつ いて学ぶ。都市社会には、人々が共同で生活していくための種々の制度や仕組みが あり、 住宅・建物はそれらの存在を前提につくられ、 その影響を強く受けている。 良好な 住まいを確保できないなどの住宅問題に対し、 その問題の特質や発生するメカニズム を理解すると共に、 その改善に必要な制度や施策を立案できる計画技術を修得する。 これらの知識・技術を修得するために、 法規や制度に関わる専門科目を配置する。 4. 安全性・快適性のための知識・技術(主としてディプロマ・ポリシー4に対応) 住宅や建物における構造の安全性や快適性について学ぶ。 構造の安全性を確保する ための適切な構法・構造計画や、 その基礎にある構造力学や各種の構造学を学ぶ。 ま た居住環境の快適性を確保するには、 風通しをよくするために窓をどうとるかという問題 や、 窓が多すぎて冬に内部の熱が外へ逃げてしまうといった問題、 さらに冷暖房設備で 人工的に調節する方法など、 温熱環境・空気環境・光環境などに関する問題を総合的 に解決する必要があり、 それらの基礎となる環境工学と設備工学を学ぶ。 これらの知識・ 技術を修得するために、 建築構造・環境に関わる専門科目を配置する。 5. 環境・建築材料に関わる知識・技術(主としてディプロマ・ポリシー4に対応) 住宅・建物の構築に関わる環境・建築材料について学ぶ。建物の安全性と密接に関 係している材料強度などの物理的特性、 シックハウス症候群や室内環境の汚染に関 係する接着剤や塗料などの化学的特性を理解する。 さらに木質資源材料に代表され るような、 製造から廃棄に至るまでの二酸化炭素排出量が小さく、 持続的再生産が可 能なエコマテリアルに関する知識や、 建築材料がいかにして地球温暖化や廃棄物処 理などと関わっているかなどの地球環境問題に対する造詣を深める。 これらの知識・ 技術を修得するために、 建築材料、 施工に関わる専門科目を配置する。 (主としてディプロマ・ポリシー5、 6、 7に対応) 6. 総合的なデザイン力 空間や物づくりのための総合的なデザイン力を学ぶ。新たな居住環境を提案・創造す るためには、 今までにない発想を生み出す企画力・提案力・構想力・創造力が要求され ると共に、 自分独自で新たな計画・デザインをつくりあげるというチャレンジ精神が不可 欠である。 さらにその提案をどう図面化するかという表現能力も必要で、 見栄えのよい 図面だけでなく、図面表示のルールに則って正しく表記する精緻で細やかな表現技 術も要求される。 これらのデザイン力・技術を修得するために、設計製図、 デザイン演 習・フィールドワーク演習を配置する。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 社会生活を総合的・多面的にとらえる広範な視座と豊かな人間性 個人生活と社会との関係や生活構造についての知識と理解力 人とかかわるための基盤としてのコミュニケーション能力 対人援助に必要な技術および関連分野の知識と応用力 地域社会における生活課題を認識する力 課題解決に向けた方策の企画・立案・実行力 平成25~27年度 卒業・修了者 学 部/食品栄養科学科 大学院/食・健康科学講座 食・健康科学コース ●大塚製薬(株)●シオノギテクノアドバンスリサーチ(株)●花王(株)●キリン協和フーズ(株) ●(株)山田養蜂場 ●三栄源エフ・エフ・アイ(株)●ハウス食品(株)●森永乳業(株) ●(株)アサヒビール ●テーブルマーク(株)●敷島製パン(株)●アヲハタ(株) ●クラシエフーズ(株)●昭和産業(株)●パナソニック(株)●(一社)カケンテストセンター ●(一財)日本食品分析センター ●(独)国立病院機構近畿中央胸部疾患センター ●(地独)奈良県立病院機構 ●(地独)大阪市民病院機構 ●公務員 (大阪府、 兵庫県、 大阪市教育委員会、 兵庫県教育委員会) 学 部/居住環境学科 大学院/居住環境学講座 居住環境学コース ●(株) LIXIL ●パナホーム(株)●積水ハウス(株)●住友林業ホームテック(株) ●YKK AP (株)●パナソニック(株)●旭化成ホームズ(株)●大和ハウス工業(株) ●タカラスタンダード(株)●(株)大林組 ●野村不動産(株)●JR西日本不動産開発(株) ●新関西国際空港(株)●トヨタ自動車(株)●三菱電機(株) ●(株)三井住友銀行 ●(独)都市再生機構 ●公務員 (宮内庁、 法務省、 大阪市、 京都市、 法務省、 神戸市、 奈良市) ■入学者受入指針 (アドミッション・ポリシー) 人を支えることに関心のある人 1. 人とかかわり、 仲間と協力できる人 2. 他者への配慮ができ、 3. 社会福祉や臨床心理について体系的に学びたい人 幅広く社会貢献活動に関心のある人 4. ボランティア活動や市民活動等、 5. 社会福祉や臨床心理の領域で専門職として働きたい人 6. 国際機関やNGO等で働きたい人 ■教育課程編成方針 (カリキュラム・ポリシー) 人間福祉学科では、 現代の生活課題を理解し、 その分析や解決を担う人材育成を目的と する。 そのために必要とされる諸科学を網羅し、 かつ体系的に学習できるように、 以下の教 育課程を編成している。 1. 専門的な知識と方法を体系的に学ぶために、専門科目を設置する。人間の心身に関 する専門知識、家族や社会の構造や生活課題に関する専門知識、人間と社会との 関係に関する専門知識を体系的に習得する。 また、演習や配属実習を通じて実践的 な能力を習得できるように配慮する。 2. 人間福祉に関連した多様な基礎知識と基本的な学修能力を身に着けるため、全学 共通科目として、総合教育科目、基礎教育科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目 を置く。特に、 人権に関する科目の履修を推奨する。 3. 学際的な視点を養うため、初年次において、人間福祉に関連する諸科学を概観する 科目として人間福祉学概論を置く。 論理的思考力、 課題探求力、 問題解決力、 プレゼンテーション能力、 4. 知識の活用能力、 コミュニケーション能力等、社会生活において必須となる汎用的な能力を育成するた め、 人間福祉学演習を必修科目として置く。 その解決 5. 習得した知識や技術を統合し、人間福祉に関する現代の課題に接近し、 のための実践的・学術的能力を育成するため、卒業論文・卒論演習を必修科目とし て置く。 市民生活を支える社会福祉や臨床心理の高度専門職養成 6. 現代社会の要請に応え、 につながる教育課程を展開する。卒業後の進路を踏まえ、 「社会福祉コース」 「心理 臨床コース」の2つの教育コースを置く。 コース決定は、 初年次終了時に行う。 7. 国際的な人材育成を推進するために、外部試験、海外語学講習会および留学に基 づく単位認定を行う。 学 部/人間福祉学科 ●日立造船(株)●トヨタ自動車(株)●全日本空輸(株)●スズキ(株) ●(株)三菱東京UFJ銀行 ●(株) りそな銀行 ●日本生命保険(相) ●東京海上日動火災保険(株)●明治安田生命保険(相)●大同生命保険(株) ●(社福)恩賜財団済生会支部大阪府済生会千里病院 ●(地独)大阪府立病院機構 ●(独)労働者健康福祉機構 ●(社福)日本ライトハウス ●(医)生長会 ●国家公務員 (大阪家庭裁判所、 法務省、 近畿厚生局、 四国厚生支局、 大阪労働局、 大阪国税局)●公務員 (大阪府、 大阪市、 神戸市) 大学院/総合福祉・心理臨床科学講座 総合福祉科学コース・臨床心理学コース ●(学)藍野学院 ●(大)大阪市立大学 ●大阪市立弘済院附属病院 ●大阪市立大学医学部附属病院 ●関西電力(株)関西電力病院 ●(医)真美会 中野こども病院 ●(社福)堺市社会福祉協議会 ●(社福)ライフサポート協会 ●(社福)地球の園 こひつじ保育園 ●公務員 (大阪家庭裁判所、 大阪府警察本部、 大阪市、 大阪府) 取得できる資格・免許 学 部/食品栄養科学科 栄養士 (免許) /管理栄養士 (受験資格) /食品衛生管理者・食品衛生監視員 (任用資格) 中学校・高等学校教諭1種免許状 (家庭) /栄養教諭1種免許状 学 部/居住環境学科 1級建築士 (実務経験2年受験資格) /2級建築士 (受験資格) インテリアプランナー (登録資格) 〔所定の試験に合格し、 卒業後所定の実務経験2年以上又は建築 士資格取得〕 /中学校・高等学校教諭1種免許状 (家庭) /技術士補 (建設部門) 組織図 大学院生活科学研究科 生活科学専攻 31 本学科は、住居学・建築学分野の基礎的で広範な知識、能力を身につけ、住宅・建築産 業のなかで、 生活者、 人の視点をもって活躍する技術者の育成を目標とし、 所定の単位を 取得することにより、 以下のような要件を身につけた学生に、 学士学位を授与する。 生活科学研究院 1. 広範で多様な基礎的知識と基本的学修能力を身に着けるため、全学共通科目とし て、総合教育科目、基礎教育科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目とその他科目 を設置する。 カリキュラム 2. 専門的な知識と方法論を体系的に学ぶため、専門教育科目を設置する。 は、 人体の構造と機能に関する専門知識、 食品の開発や安全性に関する専門知識、 個人や集団に対する栄養管理・栄養療法・栄養教育に関する専門知識、 社会的な公 衆衛生・公衆栄養を立案実践するための専門知識が、 体系的に習得できる配慮がな されている。 さらに、 カリキュラムには、 動物の個体レベルから細胞や遺伝子のレベルに 至る基礎実験や、病院や保健所等における実習と演習も含まれ、実践的な能力も併 せて習得できる配慮がなされている。 専門教育科目を超えて幅広く関心ある科目を履修すること 3. 学際的な視点を養うため、 を奨励する。 4. 社会生活において必須となる汎用的な能力を養うため、知識の活用能力、論理的思 考力、 課題探求力、 問題解決力、 表現能力、 コミュニケーション能力などを習得する総 合演習を実施する。 5. 食生活に起因する現代社会の諸問題に対応し、市民生活の向上に寄与できる人材 を育成するため、 栄養士、 管理栄養士、 栄養教諭、 家庭科教諭、 食品衛生監視員、 食 品衛生管理者の資格を有する高度専門職業人の育成にふさわしい専門教育科目を 配置する。 6. 住みよい地域コミュニティーを実現するキーパーソンを育成するため、地域貢献活動 を積極的に展開し現代生活のあるべき姿を自ら考える機会を提供する。 問題の解決と新たな価値の創造につなげていく能 7. 身につけた知識やスキルを統合し、 力や、 様々な分野で中心的な役割を果たせる人材を育成するため、 卒業論文(必修) を通じて真摯に卒業研究を指導する。 主な就職先 人間福祉学科 ■学位授与指針 (ディプロマ・ポリシー) 生活科学部 ■教育課程編成方針 (カリキュラム・ポリシー) 学位授与指針で示した知識や技能を習得するため、 以下のようなカリキュラムを編成する。 居住環境学科 ■学位授与指針 (ディプロマ・ポリシー) 食品栄養科 学科 学 部/人間福祉学科 居住環境 学科 社会福祉士 (受験資格)/社会福祉主事 (任用資格) 人間福祉学科 社会福祉 コース 大学院 心理臨床 コース 中学校・高等学校教諭専修免許状 (家庭) /栄養教諭専修免許状 (財) 日本臨床心理士資格認定協会認定臨床心理士 (受験資格) 資格・免許を取得するにはそれぞれ条件があります。詳しくはお問い合わせください。 食・健康科学 居住環境学 講座 講座 食・健康科学 居住環境学 コース コース 附属施設 総合福祉・ 心理臨床科学講座 総合福祉科学 コース 生活科学共同研究センター 心理臨床室 臨床心理学 コース 生活科学論 研究室 生活科学論 ゼミナール 大阪市立大学 生活科学部/大学院生活科学研究科 2016 ◎発行人…永村 一雄 ◎発行/編集…大阪市立大学大学院生活科学研究科 ◎編集・デザイン協力…DESK ◎印刷・製本…竹田印刷株式会社 ◎発 行…2016年7月 本 誌 に関 するお 問 合せは ◎大阪市立大学大学院生活科学研究科 〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138 Tel : 06-6605-2803 本誌掲載の記事および写真の無断転用を禁じます。 本誌に記載の教員プロフィールは2016年7月時点のものです。 H u m a n L i fe S c i e n ce 2 0 1 6 32 A C C E S S Osaka City 至新神戸 新大阪 山陽新幹線 東海道新幹線 至京都 JR京都線 至神戸 大阪 JR神戸線 京橋 JR東西線 地下鉄 御堂筋線 JR大阪環状線 天王寺 鶴橋 JR阪和線 杉本町 (大阪市立大学前) あびこ 日根野 関西国際空港 JR阪和線 大阪市立大学 生活科 学 部 / 大 学 院 生 活 科 学 研 究 科 〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138 Tel : 06-6605-2803 http://www.life.osaka-cu.ac.jp/ Human Life Science d an od ion Fo trit u N Human Life Science 2 0 1 6 Food an Human Hed alt Sciences h