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現地調査資料(PDF:1.6MB)

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現地調査資料(PDF:1.6MB)
現地調査資料
別添-1
別添-2
1.訪問工場リスト
企業名
工場名
所在地
生産規模
Sime Darby(運営)
PUSAT TEKNOLOGI
NEGERI
MPOB(研究開発)
KILANG SAWIT(POMTEC)
SEMBILAN
K.K.S. GOLCONDA
SELANGOR
30t-FFB/h
SERI ULU LANGAT PALM
SERI ULU LANGAT PALM OIL
SELANGOR
45t-FFB/h
OIL S/B.
MILL
KULIM(Malaysia) Berhad
KILANG
JOHOR
40t-FFB/h
Southern
Edible
Oil
30t-FFB/h
Industries (M) Sdn. Bhd
KELAPA
SAWIT
SINDORA
LKPP Corporation S/B
DOMINION SQUARE SDN.BHD.
PAHANG
40t-FFB/h
FELDA PALM INDUSTRY
KILANG SAWIT JENGKA 21
PAHANG
40t-FFB/h
SDN BHD
別添-3
2.打合せ議事録(概要抜粋)
(1)マレーシアパームオイル委員会(第 1 回調査)
日次
:2013 年 10 月 28 日 10 時~、2013 年 10 月 31 日 14 時 30 分~
於
:MPOB
出席者 :
(MPOB)/ Milling and Processing Unit, Engineering and Processing Research Division
Head Dr. Hj. Zulkifli Ab. Rahman、
Research Officer Yahaya Hawari
(仲介役)/ O’REC IND SDN BHD. Director Zahari Mohamad
(調査団)/ 川島、尊田(阪神動力機械)、斉藤(斉藤遠心機)、物部(関西産業)
、坪内、
山内(東洋スクリーン)
、古崎(大阪工業大学)、南(大阪府)
、弓場、井上(MURC)
【マレーシアの BOD 基準の概要について Zulkifi 氏(MPOB)より】

サバ州ではパームオイル工場が水源地に近いため、BOD20(mg/l)が先行して適用さ
れた。3 つの川の流域に対してサバ州が先行して適用されたのには川沿いにサルやオラ
ンウータンの生息地やリハビリテーションセンターがあるため、欧米からのネガティ
ブキャンペーンを受けており、政府としての対応を迫られたという側面もある

マレーシア全土を対象に BOD20 の適用を数年前から検討している

しかし、技術・コスト両面の課題から足踏み状態
【MPOB の概要】

MPOB はパームオイルに関する技術研究だけでなく、操業免許の交付を行う権限を持
つ

パームオイルはマレーシアにとって石油に次ぐ産業である

現在、BOD20(mg/l)の導入などチャレンジングな活動を行っているが、国内第 2 位
の規模を持つ産業を司る機関として相応の責任を課されている(基準の遵守に対する
責任を含めて)

技術のアレンジとサービスの向上を通じ、パームオイル産業の地位向上を担っている

その面から、今回の提案はありがたいと感じている
【今回が初回紹介となる各社技術紹介・MPOB からの質疑応答】
(スクリーン)

繊維質のものにも対応できるのか

対応可能である
別添-4

水分を含むものであればスクリーンは役立つが、通常パームオイル工場では脱水した
状態で廃棄を行う

当社の製品は含水率 90%程度を想定した仕様になっている。より乾燥した条件で
は、方法を検討する必要がある

日本ではスクリーンを用いない場合、数年で曝気槽に汚れが溜まり、槽の清浄能
力が無くなる。今回は複数のパターンを持ち込み、訪問した工場でテストを行う
予定。0.15mm、0.3、3 のスクリーンを準備している


日本の水産物加工工場の例では、SS40%、BOD11%でも対応した
メンテナンス等のコスト面を含め、信頼できる製品を求めている
(遠心分離機)


どのような設備を準備できるのか

BOD2,000~3000ppm、SS70~80%でも対応可能

当社技術でバクテリア(程度の微細なもの)の再生回収も可能

三相(個体、水、油)分離装置も持っている

Felda にも納入している。ピューリファイヤー(オイルセパレータ)等

マレーシアの代理店は PMT 社

機器自体は安くないが、メンテが少なくても安定稼働することが特長
遠心分離機のデメリットは電力を必要とすることだが、残渣バイオマスによる自家発
があれば問題はないのではないか

デカンターだけではなく、オイルセパレータについても検討したい
(関西産業)

凝集タンク、蒸気乾燥機、炭化設備を組み合わせたシステムの設計が可能。凝集タン
クはハイポリマーによる凝集を想定。それらにより、ブリケット形状の燃料製造がで
きる

EFB に対応できるのか

対応可能

ただし、原型のままでは無理で、ハンマーミルなどで細かく裁断(2cm 程度に)
することが必要

製造に使うエネルギーと、余剰エネルギーのバランスはどうか。含水率も高いが

製造に伴いエネルギーは使用するが、余剰エネルギーを使うことで対応できるの
ではないか

パームオイル工場では製造過程で常に余剰スチームがあるため、その 10%でも回
してもらえれば、乾燥には利用できる
別添-5
【日本側からの質疑応答】


これらの技術の適用可能性についてどう考えるか?

BOD20 に対応するためには導入の必要性があると感じている

但し、メンブレン(膜)処理も必要になるのではないかと考えている
マレーシアにある 400 程度のパームオイル工場では、工場間で処理技術など状況に差
があると認識しているが、どのような状況か

大半の工場が持つラグーンシステムは 100PPM 程度(の浄化機能)を目安にして
いる

工場(の立地)によって規制値は異なる。水源地の側では 20PPM、それ以外であ
れば 100PPM、サバ州では方式に関係なく BOD20 が適用される。適用は 40 工場
程度

最終的には国内すべての工場に BOD20 を適用したい

サバ州では実験的に排水処理設備を導入した工場があるが BOD20 の近辺で上下
しており、数値は一定でない

MPOB の方針として、従来は既存の工場設備に追加する形で小規模なプラントを
作り、排水処理のテストを行ってきたが、現在は工場全体に適応する方針を採っ
ている

小規模プラントで成功した試験設備を工場全体に展開すると数値がぶれるため、
当初から工場全体で行うことが有用と考えている

メンブレン(膜処理)システムについては、どのように考えているか

現状のデータの中でもっとも安定しているのはメンブレン(膜処理)システムと
認識している

日本ではコスト抑制のために砂ろ過を使うケースが多い

日本ではメンブレンシステムはコストが高いと認識している。彼らが提案してい
る工程の前段階での分離を重視することで BOD は下がるのではないか

現状、どの程度の規模の工場にまで BOD20 を適用する方針なのか。小規模の工場では
BOD20 には対応不可能と認識しているが

マレーシアでは工場や投資金額の大小は問題ではなく、農園の周囲の環境によっ
て必要性が決定される

ただし、現状は信頼できる技術が確立されていないため、適用自体が延期されて
いる
【工場訪問後の日本側からの質疑応答】

ステアライザーから、スチームへの過程で油を含んだ排水が出るが、簡単なピットし
かおかれていない。積極的に油をとることは検討しているか

色々な取り組みを行っている。例えばイタリア製の分離システム(30M~40M 円
別添-6
程度)など。ただし、含まれる油は 4%程度であるため、費用対効果を検討する必
要がある。


技術普及スキーム(TOT)の活用について、その可能性はあるか

TOT を行うにしても 12 月の報告内容を聞いて判断したい

12 月の報告をして、来年度に新しい取り組みを提案してもらえるのか

日本の都合になるが、採択結果が出るのが来年の 8~9 月くらいになる予定
来年度以降、実証を進める場合にはどのような形になるか


MPOB として進めるのは、一つの工場を選択し、モデル工場とする方法だ
12 月のプレゼンの時には目的は BOD20 だが、それぞれの企業で興味を持つポイント
が異なる。個社ごとに興味のある部分を紹介することは可能だ。スクリーンフィルタ
ーなどは排水処理以外にも用途がある

12 月のセミナーは各社の技術を紹介する場と位置づけている。来年度に採択され
れば適当な工場を選定してもらうのが良い(ラグーンから排水しているので川に
面した工場がよい)

モデル工場はサバ州などもありえる。BOD の基準は州ごとにコントロールしてい
る。用途を伝えてもらえば適当な工場を選定できる

今回の調査内容を一度持ち帰り、12 月にはこちらから複数の提案をさせてもらえれば
と思っている


12 月のセミナーはアレンジする。できるだけ多くの企業を集めたいと思う

12 月から、5、6 月までの間に MPOB がのぞむ工場を選定いただきたい

MPOB が選定するよりも、工場と意見交換しながら決めていきたいと思う
省庁訪問は MURC と通訳で行う。訪問先を決めてもらえればよい。また、MPOB と
も政策面の確認を行いたい。関連省庁に対しても、今回の取り組みの紹介と関連する
法案についての聞き取りを行いたい。

ヒアリングを行うにしても上位省庁は何も知らないケースも多い。部長級では話
ができないので、担当者級の方がよいのではないか。MPOB と別に概ね 3 箇所程
度。調整に少し時間が必要
別添-7
(2)環境局(第 2 回調査)
日次
:2013 年 11 月 12 日 10 時~
於
:DOE オフィス, Putrajaya
出席者 :
(DOE)/ Principal Assistant Director,
Salahudin Sidik
Environmental Control Officer
Grace Puyang Emang
(MPOB)/ Milling and Processing Unit, Engineering and Processing Research Division
Research Officer Yahaya Hawari
(調査団)/ 弓場、喜多、呉原(MURC)
【本プロジェクト、打ち合わせの目的、各社紹介】

来年 6 月に公募される民間提案型の ODA スキームに応募しようと考えている

マレーシアは非常に発展した国であり、ODA を真に必要としているわけではないが、
日本の中小企業の海外進出もサポートしようという狙いがある

ODA スキームに応募するにあたって、BOD に関してどのような規制があるか、遵守
状況等について把握する必要があり、その点を本日お伺いしたい

本プロジェクトで提案するシステム・技術については、大変先進的なもの、というよ
りは日本で実績のある低コストで安定した実績のある技術である

一番ポイントとなるのがエアレーター。従来の表面曝気式に対して処理エネルギーを
削減でき、メンテナンスが非常にしやすく、導入も設置するだけなので非常に容易
【マレーシアにおける排水処理の状況】

パームオイル工場からの排水による、水質汚濁のインパクトをどうみているか

パームオイル工場内の BOD 値は非常に高いが、河川に放流されるのはそれよりも
低くなっている

河川放流以外にも、燃料化などの再利用も実施している

マレー半島では BOD 基準値を 100 に設定しているがサバ州やサラワク州では 20。
マレー半島の 20 弱の工場が 20mg 以下でライセンスを取得している

パームオイル工場では2種類の方法で処理している。一つは河川放流、もう一つは土
壌散布。どの位の割合であるのか?

手元にデータがない。上司に情報をだしていいか、確認してOKであれば、提示
する
別添-8

河川放流をするミルは、DOE の規制下にあり、放流しないミルは MPOB の管理下に
あると理解しているが、正しいか

すべてのミルからの排水管理は DOE の管理下にあり、MPOB は生産関連の
調査・認可などを管轄している。DOE のルールの元に、MPOB が指導を実施
する

DOE は工場排水の処理状況、リサイクル状況によってライセンスを付与して
いる

どうして半島にある 20 の工場は 100 でなく、20mg以下でライセンスをとっているの
か


ミルの位置が生活用水の貯水池近くにあり、地域住民の生活に影響を及ぼすため
ライセンスは何種類があるのか

ライセンスの種類は1つ。場所に応じて 20 か 100 かで規制している(サバ、サラ
ワクは必ず 20 以下でなければならない)

工場排水ライセンスの許可方法は、100、20、農場に撒く(ランドアプリケーショ
ン)3種類。土地に使う分では 1000 を超えることもある

100mg あるいは 20mg の規制値に対して、ライセンスを与える時の値、またライセン
スを維持させるための値のモニタリングはどのように実施しているか

ライセンスがミルに提供される時、及び定期的に、モニタリングをしている。全
てのミルについて、最低年4回は DOE の調査員が立ち入り検査を実施し、水質(及
び排ガス)のサンプル調査を実施し、調査報告書を作成する

ミル側は、4半期ごとに排水のサンプルをとって、成分をレポートにまとめ、DOE
に提出する

モニタリングは DOE サイド、ミルサイドの両者が実施し、それらを統合して判断
している

10 万RMの罰金の実施状況

10 万 RM 罰金は、製造業が適用される「Environmental Quality (Industrial
Effluent) Regulations 2009」であり、パームオイルは適用されない。パームオイ
ル工場には「Environmental Quality (Prescribed premises)(Crude Palm-Oil)
Regulation 1977」が適用される

ミルが基準を超えた場合は、罰則規定がある。ライセンス上の規約を破った場合
は RM25,000 あるいは、2年以下の禁固刑。Inland water (河口、河、水路)汚
染の場合は RM100,000 あるいは、5年以下の禁固刑

実際は規定を破るミルは多い。web サイトのアニュアルレポートに、年間罰金額
の合計を記載している(工場名は記載なし)。2011 年度までのレポートが公開され
ている
別添-9

罰金を払うような規制から外れる工場に偏りはあるか


違反は定期的な調査でみつけるのか、あるいは住民の苦情か


規制外れを起こす傾向のある企業はこれまでに 2~3 回は違反している
ほとんどは、サンプル調査の過程で発見する
パームオイル生産企業からの報告書を書くのは誰か?

一定の用紙があるので、水質会社が調査し、工場長が署名して DOE に提出。報告
書の責任は工場長にある

DOE の調査員はどのくらいいるのか

各州に調査員(オフィサー)がおり、合計で 100 人以上。拠点は基本的には州に
1つだが、大きい州は3、4拠点ある。マラッカ等小さい州には無い
【インセンティブや支援制度について】

グリーンファンドなどのような BOD 削減のためのサポートがあるか

環境局での財政的支援は全く無い

MPOB によるリサーチ支援は実施

技術支援はプロバイダーの育成を実施。サーティファイドオペレーター、エンジ
ニアリングの資格の取得を奨励している。資格取得のための有料トレーニングコ
ース(1週間で RM5,000)はある。ミルエンジニアリングやミルマレージャーの
受講が多い

企業の排水処理をランキング、表彰制度などは? 逆にいうと悪いところは公表するな
どの制度はあるか

表彰制度、一般公表等は実施していない。問題があって困っている、と相談して
きたところに、他の工場の処理方法等を紹介する程度

設備提供企業を DOE が紹介することはあるか

特定の会社や技術やシステムを紹介することはないが、新しい技術等については、
そのプロバイダーに対して、ミル組合に言って、話してみてはどうかと提案する
ことはある

設備導入については、各ミルの工場長が技術コンサルのアドバイスの元、導入す
る設備を検討、DOE に導入予定の設備資料を提出し、DOE の承認を得た後に導
入する
【その他】

現在 DOE が重要視している環境課題は何があるか。数ある課題の中でパームオイル排
水問題がどのくらいの位置にあるか

パームオイル産業は、中には新技術にお金を出そうとしない企業もある(数は少
別添-10
ないが)が、1970 年代からよく管理された産業であると認識している

大気汚染については深刻だと思っている。だが具体的に何か問題があるか?と聞
かれると、具体的には思い浮かばない

パームオイル工場関連では、EFB の焼却は、バグフィルターのついている焼却炉
で燃やす分にはOKだが、オープンエアーで焼却するのは既に違法

パームオイル工場排水に関連する規制については、来年 DOE にて規制強化原案を
策定し、MPOB もメンバーとなっている環境会議でのレビューにかかっている最
中

今後、DOE からのレコメンデーションに従い、省、政府と案が上がっていき、修
正を加えられた上で、2014 年第 3 四半期には交付される予定。BOD100mg/l より
も低い値となるのではないか。修正が多く加わると考えられるため、現段階では
何とも言えない
別添-11
(3)パームオイル企業/FELDA 社(第 2 回調査)
日次
:2013 年 11 月 12 日 14 時 30 分~
於
:FELDA 本社, KL
出席者 :
(FELDA)/ P Abu Seman Ramli/ Manager (Head, Plantation Quality & Environment Unit)
Zuhalmy Johari/ Chemical Engineer (Chemical & Process Engineering)
Mond Shahrull/ Mechanical Engineer
(MPOB)/ Milling and Processing Unit, Engineering and Processing Research Division
Research Officer Yahaya Hawari
(調査団)/ 弓場、喜多、呉原(MURC)
【技術紹介と所感】

恐らく色々なシステムがフェルダに紹介されていると思うが、この技術は新技術でな
く、日本で長期間にわたる実績があり、低コストで安定した技術である

技術については 12 月の訪問の際にセミナー形式で紹介することを計画している

エアレーターについて

エアレーションと撹拌を同時に実施することにより、従来の曝気処理に比べエネ
ルギーコストを削減できるのが特徴


MPOB主導でテストをするといことで話が進んでいる
固液分離について

スクリーンについては、FELDA では現在は 30~40 ミクロンのメッシュのものを
使用

デカンタシステム、オイルセパレータを合わせて導入することで効率をあげるこ
とを考えている

斉藤遠心機のセパレーターは既に FELDA の工場に導入済み

斉藤遠心機の製品の品質は良い。但し、現地でのアフターサービスについては改
善の余地がある。色々なメーカーの競合があるが、総合的にはアルファラバル(ス
ウェーエデン)が良い

スラッジの再利用について

日本技術ではどういうものをコンポスト化しているのか

タイのタピオカ工場でのスラッジのコンポスト化に導入実績がある

どう乾燥させるかが論点になるが、関西産業では余剰蒸気で乾燥させることを計
画している

10 月の視察段階では、30t のミルからの余剰蒸気で乾燥させられることを確認し
別添-12
ている
【排水処理に関する課題とニーズ】

BODの削減が問題(20 以下にしたい)

安定して 20 以下を達成できない。大きいミルではギアを使って、33 か所で活性汚
泥処理方式にて処理しているが、成績が安定しない

中国製、デンマーク製、ノルウェー製のメンブレムを使うこともあるが、使用に
よってメンテナンスコストがかかり、また、目詰まりしてしまうことも多く、メ
ンテナンスが難しい。1~2 年経過すると取り換えてしまう必要がある

BOD20 以下はメンテナンスをマメにしないと難しい

池を掃除するために、
毎年 1 工場あたり RM50,000~100,000 使っている。
嫌気性、
好気性のどちらの処理でも通常は 2 年で池が使えなくなってしまう。パームオイ
ル生産を 50 年以上行っているが、いまだに昔ながらのやりかたをしている

農場が周りにある工場と独立型の工場の2パターンある

ポンドの作り直しは、独立型の工場であっても、周辺に農場がある工場であって
も、周囲に土地があっても所有者が別にいるので、結局は土地を購入しないとい
けない

スラッジの再利用に興味がある

FELDA は直接放流、土壌散布、もしくはコンポストの3種類の処理を実施してい
る。どうやってポンドを綺麗にするかが課題であり、スラッジの有効活用に興味
がある

コンポスト化して、日本が買ってくれたらもっと嬉しい。現在はスラッジをブリ
ケットやペレットにする設備を持っているが、固定的に買ってくれるお客さんは
いない

PKS については余剰もある。東日本大震災前であれば日本の電力会社が買ってく
れていた。震災後は韓国企業に売ることが多い

ミルの排水処理工程では、平均して 80,000~120,000 ㎥のポンド容量があるが、
毎年の池の半分がスラッジで埋まる


30t~60t/時の FFB を投入する規模

参考までに、サバ州サンダカンにあるパームオイル農場は 90t/時で最大級。
今のソリッド(分離したあとの汚泥)は販売しているが、少量。ソリッド処理の
ために、RM80,000~RM100,000/ミル・年(RM2~3/㎥)かかっている


池からすくって、近くのため池に移す
デカンタケーキはあちこちに捨てている。FELDA に関しては、もう捨てる土地が
ない状態
別添-13

活性炭の利用にも興味がある

排水の色も薄い色(透明に近い)にしたい。いずれ色も規制されるようになる可
能性があり、DOE からの技術面での事前相談も来ている。5年先を目途とした法
制化ではないか

現在は3~6ヶ月で活性炭を交換しなければならず、コストがかかることが課題

低コストで、メンテナンスが簡単な設備が良い

活性炭をマレーシアでつくることができれば国内でも広まっていくと思う。DOE
が色の規定を出してから検討したい
【FELDA について】

フェルダの工場は 70 工場

フェルダとしては先進的な技術を取り組むことがミッションだと考えている。新技術
には積極的にとりくみたい。規模は小さくて良いので、現場で実証してもらう方が実
用化に近くなる。目で見てわかるような成果が欲しい

排水処理にかける設備、その他生産設備については固定的な予算があるわけではなく、
問題がおこると都度対応している。問題の大きさによって予算も変わってくる

排水処理㎥あたりのランニングコストは、RM2~4/㎥

うちケミカルコストは 10 セン程度、月に RM1,800~2,000 かかる

クリーニングだけで RM300
別添-14
(4)パームオイル企業 / Sime Darby 社(第 2 回調査)
日次
:2013 年 11 月 14 日 15 時~
於
:Sime Darby リサーチオフィス, ケリー島
出席者 :
(Sime Darby)/Ahmad Jaril Asis / Vice President I R&D – Processing & Engineering
Yosri Mohd Siran/Principal Chemist Ⅱ(In-charge)
Nik Mohd Farid Mat Yasin / Senior Engneer P&E, Processing Technology
(調査団)/ 弓場、喜多、呉原(MURC)
【排水処理の状況について】

通常は<従来型の処理工程>のように処理している。サイムダービーは3種類の組織が
合併したものであり、それぞれの旧社の処理方針が多少異なる。ガッドリー、サイム
ダービー、ゴールデンホープ

2007/11/27 に合併して、今のサイムダービー社になった

ゴールデンホープは嫌気性および好気性タンクでしていたが、新しい組織になっ
て池を使うようになっている

5000、1000、100、50、20 などミルによって BOD 管理値が変わる

ケリーアイランド、ジョホールは BOD5000⇒農場散布(ランドアプリケーション)


水源地帯ではないので 5000 でもOK

ケリーアイランドは 1000 だったり、5000 だったり。ミルによって違う
100 以下のところは必ず好気性ポンド処理が必要。20 以下の規制は通常の処理の他に
ポリッシングトリートメントの工程を追加する

ポリッシングトリートメントはバクテリア、追加エアレーション、バブリングシステ
ムを用いておこなう

コンプレッサーで空気を入れて曝気させるか、バイオミディアをつかって微生物
を定着させる

アクティベイトスラッジ(活性汚泥法)とバイオミディアを使う方法の2種類が
あるが、Sime Darby はバイオメディア方式を採用

バイオメディアは、微生物の住処として利用

活性汚泥法は微生物を含む汚泥が底にたまってしまうので、難しい。また微生物
の定着も難しく、上手く定着しないことがある

バイオミディアによるアタッチプロセスは簡単だが、それでも目詰まりがおこってし
まって動かなくなることがある。詰まり以外の問題はない

バイオミディアのスリット幅は 10cm 直径のボール状で、中が空洞。外側は 1cm
径の穴がある
別添-15
【Sime Darby 社の工場について】

サバ・サラワクいれて 36、インドネシアにも 25 工場がある

その中に規制値が BOD20 以下はサバ 6、サラワク 4、BOD50 以下は半島 2(ペラ
州。ペナンに近いところとイポーに近いところ)
、100 以下は 8、ランドアプリケ
ーションは 15 工場

半分以上が河川放流

土壌散布の場合は、排水処理は不要。ラグーンで 30 日経過させたあと、農場内に
排水路が通っているので、そこに流してしまう


河川放流しているミルにおける課題

原水の総浮遊物質量(TSS 値)が 30000~50000 と高い

ポンドシステムで2年ごとに沈殿したスラッジを取り出す

ポンドシステムでも、連続分離するのであれば遠心分離機があった方が良い
サイムダービーにはラボシステムがあり、排水をサンプリングして、常にモニタリン
グシステムを置いている。数値が代わってきたときに、ミルの方に調整するよう連絡
が入る
【今回紹介した日本側企業の技術について】

エアレーターについては、ある日本企業からエアレーションシステムの提案を受け、
導入工事中。最近新規参入してきた企業。サバ2工場で予定している。サイムダービ
ーとしても新しい方式のポリッシングプラント。


いまはすべてアタッチシステム
スクリーンについては、パームオイルの排水はミル粘度が高く、スクリーンを通らな
いのではないか


希釈して緩くすると今度は量が増えてしまう

日本製ではないが、スクリーンでやってみて目詰まりをおこしてしまった

固形そのものがかなり細かくなっている。排水の中に浮遊している状態

凝集剤を使わないとこれ以上は取り除けない
遠心分離機については、斉藤遠心機はきいたことがある。

マレーシアにおいて遠心分離機でメジャーな企業はアルファラバル

トルコのデンカンタ企業とも商談予定

ウェストファリアもメジャーな企業

嫌気性処理のあとに、デカンターを使うとかなり汚濁負荷が下がる。ポリマー(凝
集剤)を入れながら使うと良いのでは。

スラッジの有効活用法は、肥料としての栄養価が高いので、土地に戻したい

フェルダは小規模契約農家からの調達が多いため、排水するしかない。サイムダ
ービーは自社農場なので、自社敷地内で処理できる。2年ほどでコンポスト化し
別添-16
て肥料にして散布。21 のコンポスティング工場を有している

排水処理コストは 2RM/m3 程度。電気はバイオマス自家発電のためコストなし。
別添-17
3.技術紹介セミナー資料(トータルソリューション)
2013/12/18_Technical Seminar_Malaysian Palm Oil Board (MPOB) [Malaysia/Kuala Lumpur]
Total Solution
for Improvement of
Wastewater Treatment
System and Cyclical
Use of Resources for
Palm Oil Mill in Malaysia
Japanese Combined Teams
(Representative: Hanshin Engineering Co., Ltd.)
Purpose
• Improve the wastewater treatment
system of palm oil mills and achieve
BOD20.
• Use the resources cyclically, and
carbonize or/and compost sludge for
fuel production, wastewater treatment
improvement or soil modification.
別添-18
Current Agenda
Total Solution Structure
Toyo
(Toyo Screen Kogyo Co., Ltd.)
Saito
(Saito Separator Limited)
Hanshin
(Hanshin Engineering Co., Ltd.)
Japanese
Technology
MURC
Kansai
(Mitsubishi UFJ
Research and Consulting Co., Ltd.)
(Kansai Corporation)
Osaka Pref.
(Osaka Prefectural Government)
Support Organization
別添-19
OIT
(Osaka Institute of Technology)
Existing System
Reference case: POMTEC
POME
(MPOB - Sime Darby Mill, MPOB Palm Oil Mill Technology Center)
Sludge pit
Cooling pond
Acidification pond
Anaerobic pond
Aerobic pond / Maturation pond
Discharge point
Comparison of Water Quality
Raw water
inlet
(mg/L)
Aerobic lagoon
inlet
(mg/L)
Treat water
outlet
(mg/L)
POMTEC
17,100
N/A
N/A
Mill A
56,925
1,572
507
Mill B
73,350
800
540
Mill C
24,450
1,164
661
Mill D
21,000
N/A
114
Mill E
36,500
739
340
BOD3
concentration
別添-20
Comparison of Proposed and Existing System
Proposed system
Decanter
POME
Screen
Lagoon
Aerator
BOD (inf):
25,000mg/L
BOD (eff):
20mg/L
BOD: 12,500mg/L
BOD: 500mg/L
Composter / Carbonizer
Existing system
POME
Lagoon
BOD (inf):
25,000mg/L
BOD (eff):
500mg/L
Issue of Exiting System
POME
BOD :
25,500mg/L
1. Sludge pit
2. Cooling pond
(3days)
3. Acidification pond
(5days)
4. Anaerobic pond
(12days)
5. Aerobic pond
(24days)
BOD :
500mg/L
6. Maturation pond
(6days)
Discharge
Big space for lagoon!
Long time to treat!
(normally 80-120days)
Many sludge to accumulate!
BOD is high and not stabilize!
別添-21
Proposed System
Raw water
inlet
Sludge pit
(existing facility)
Pattern 1
(solid-liquid separation)
Pattern 2
(solid-liquid separation)
Decanter
(Saito)
Screen
(Toyo)
Cooling pond
(existing facility)
Lagoon pond
(existing facility)
Reaction tank
(activated sludge process)
Settling tank
Aerator
(Hanshin)
Treat water
outlet
* Create a new screen to
remove trash.
Separator
(Saito)
* Change to a decanter and
a separator from a existing
sludge separator, and
separate solid and oil/water.
(solid-liquid separation)
* Create new aerators to
improve aeration/agitation
performance, and activate
water microorganisms and
Remove organic pollution
Substances.
Pattern 1
(sludge carbonizing)
Utilize for plantations
Dryer
(kansai)
Carbonizer
(kansai)
<Carbide>
- Sale to companies for fuel.
- Use in the mill for wastewater treatment.
* In case of flocculant
addition, BOD may
remove efficiently.
Pattern 2
(sludge composting)
<Advantage>
- It is “Established technology”.
- It is able to maintain “Stabile treatment” with
suitable management.
- It is able to achieve “BOD 20” with suitable management.
- It is able to reduce “Lagoon pond”.
- It is able to be easy “Maintenance”.
- It is able to produce “Carbide” in case of carbonizing
- It is able to produce “Compost” in case of composting.
Proposal 1
* Create a new composter
or/and carbonizer, and
utilize resources by free
steam.
Composter
(kansai)
<Compost>
- Sale to farm families.
- Use in the plantations.
Decanter (Saito) + Aquarator (Hanshin) + Carbonizer (Kansai)
SS :
27,000mg/L
POME
1. Sludge pit
(Less sludge)
Decanter
(Saito)
Sludge:
3,100kg/h
Separator
(Saito)
Oil:
200kg/h
Dryer
(Kansai)
(96% remove)
1. Sludge pit
2. Cooling pond
SS : 1001,000mg/L
Carbonizer
(Kansai)
(Sell to market)
2. Cooling pond
3. Acidification pond
(Sell to market)
*In case of 30t-FFB/h
4. Anaerobic pond
3. Acidification pond
5. Aerobic pond
Discharge
BOD :
1,000mg/L
(Less space) (Less time)
Reaction tank
(Aeration tank)
Abolish
6. Maturation pond
Fuel:
600kg/h
4. Anaerobic pond
BOD :
500mg/L
(more than 90% reduce)
BOD :
20mg/L
別添-22
Aerator
(Hanshin)
Settling tank
Proposal 2
Screen (Toyo) + Aquarator (Hanshin) + Carbonizer (Kansai)
TSS :
36,900mg/L
POME
(38% remove)
1. Sludge pit
(Less sludge)
1. Sludge pit
Dryer
(Kansai)
Carbonizer
(Kansai)
(No energy need)
TSS :
22,600mg/L
2. Cooling pond
Sludge:
1,200kg/h
Screen
(Toyo)
2. Cooling pond
3. Acidification pond
(Sell to market)
*In case of 30t-FFB/h
(Less space) (Less time)
4. Anaerobic pond
3. Acidification pond
5. Aerobic pond
Reaction tank
(Aeration tank)
Abolish
BOD :
1,000mg/L
6. Maturation pond
Discharge
4. Anaerobic pond
Aerator
(Hanshin)
BOD :
500mg/L
BOD :
20mg/L
(more than 90% reduce)
Proposal 3
Fuel:
200kg/h
Settling tank
Screen (Toyo) + Aquarator (Hanshin) + Composter (Kansai)
SS :
36,900mg/L
1. Sludge pit
EFB:
2,400kg
(Less sludge)
POME
(38% remove)
1. Sludge pit
2. Cooling pond
Screen
(Toyo)
SS : 10022,600mg/L
Sludge:
1,200kg/h
(No energy need)
2. Cooling pond
3. Acidification pond
(Sell to market)
3. Acidification pond
5. Aerobic pond
BOD :
1,000mg/L
(Less space) (Less time)
Reaction tank
(Aeration tank)
Abolish
Discharge
Compost:
1,300kg/h
*In case of 30t-FFB/h
4. Anaerobic pond
6. Maturation pond
Composter
(Kansai)
4. Anaerobic pond
BOD :
500mg/L
(more than 90% reduce)
BOD :
20mg/L
別添-23
Aerator
(Hanshin)
Settling tank
Agenda for Applying Proposed System
• The investigation is not enough for consideration of completed
solution.
• Japanese combined teams are planning to apply new ODA
project scheme next year.
• Malaysian opinion (managers, engineers and researchers etc.
of MPOB, DOE, the palm oil industry and company etc.) is
important.
• Consideration of technology and price through discussing with
Japanese group and Malaysian members.
• Consideration of design change and local production to suit
the local demand and to reduce the cost.
別添-24
4.現地調査 写真
パームオイル工場排水の処理前原水
高い汚濁負荷量であることが分かる
ポンドへの流入水
高い汚濁負荷量であることが分かる
某工場(河川放流)の放流点の状態
右側の濃い色の水が、処理後の放流水
スラッジピット
90℃前後の排水が集合する
既存の表面撹拌装置
表面のみの撹拌であり効果が薄い
某工場(農場散布)の放流点の状態
農場内の水路に放流されている
別添-25
パーム残渣ボイラー
大型ボイラーが導入されている
三次高度処理プラント
活性汚泥法処理だが成績が安定しない
別添-26
Fly UP