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JLFニューズ 2008 年
(平成 20 年)
7月15日発行
No.38
評価と試験
財団が目指す法曹養成
http://www.jlf.or.jp/
CONTENTS
●
Hot Topic!
2008 年「法科大学院統一適性試
験」を実施
●
Hot Topic!
第 11期(2008 年度)理事会・評議
員会報告
●シンポジウム「会社法下の内部統制 AtoZ」報告
●研究シリーズ❷ フランス・トゥールーズ市及び
パリ市を訪問して
(前編)
●認証評価事業部 07 年度下期活動報告
●財団新刊書籍のご案内
Hot Topic!:2008 年「法科大学院統一適性試験」を実施
Hot Topic!
2008 年「法科大学院統一適性試験」を実施
適性試験委員会事務局
2008 年「法科大学院統一適性試験」が 6 月 8日(日)に実施された。当試験は当財団と商事法務研究会が
共同で組織する適性試験委員会が主催しているものである(以下「JLF 主催」という)。
「法科大学院統一適性試験」が実施される
2008 年「法科大学院統一適性試験」が 6月8日(日)に
実施された。当試験は当財団と商事法務研究会が共同で
試験」のほか、独立行政法人大学入試センターの主催する
「法科大学院適性試験」がある。
適性試験は、法律学の知識ではなく、法科大学院にお
N
れた問題が出題される。
り、一昨年より東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学
などの関東の大規模校で採用され、昨年からは金沢大学、
同志社大学、信州大学、甲南大学の関東以外の各法科
大学院でも新たに採用されている。日本全国にある法科
「法科大学院統一適性試験」の試験問題は、「論理的
大学院 74 校のうち69 校が(93%)本試験を入試選抜の
判断力を測る問題」
「分析的判断力を測る問題」
「長文読
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攻や専門性により、有利・不利にはならないように配慮さ
成績を利用する法科大学院は回を重ねるごとに増加してお
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年で第 6 回目となる。入学者選抜試験の資料としてその
N
力、表現力等の資質を試すものである。学部における専
U
法科大学院統一適性試験は2003 年からはじまり、本
O
ける履修の前提として要求される判断力、思考力、分析
I
組織する適性試験委員会が主催しているものである。
わが国には、当財団の主催する「法科大学院統一適性
資料として採用していることとなった 。
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注)
注)
受験者は、
「法科大学院統一適性試験」(JLF 主催)
、
「法科大学院適
性試験」(DNC 主催)のうち、いずれか一方の試験の成績表を提出する
ことになる
(選択提出方式)
。69 校という数字は「法科大学院統一適性
試験」のスコアを「考慮」する神戸大学、広島大学、法政大学の3 校を
も含む。
本年度の実施状況
試験は沖縄から北海道地区まであわせて全国 26 会場で
試験内容
解力を測る問題」
「表現力を測る問題」の4 部構成となって
いる。
各部の内容は右頁の通りである。
試験結果の公表について
本年度の試験結果の平均点・標準偏差、受験者の平
均年齢、属性等の分析については当財団のホームページ
等で公表されている。
実施され、志願者総数は9,930 名であった。実際の受験
者総数は8,940 名であり、うち法科大学院への入学資格
を有する者は8,920 名となった。
なお、昨年の志願者総数は11,945 名であり、約 16.
9%の減少となる。DNCが主催する
「法科大学院適性試験」
についても本年の志願者総数は13,138 名と発表されてお
り、昨年の15,937 人名とくらべて約 17.6%減少している。
適性試験とは
適性試験とは、法科大学院への入学希望者を対象とし
た試験である。各法科大学院はすべての法科大学院受験
者に対して、出願の際「適性試験」の成績証明書
(スコア)
の提出を義務づけている。
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
お問い合わせ
適性試験委員会事務局
TEL 03(5614)6286
FAX 03(5643)7186
[email protected]
Hot Topic!:2008 年「法科大学院統一適性試験」を実施
【論理的判断力を測る問題】(下記問題例参照)
【長文読解力を測る問題】
=与えられた文章に含まれる論理構造を認識し、論
=論旨・論理構造を把握し、推論・論理を組み立て
理的な推論を行って、正しい結論を導く能力を測る
る能力を測る
→実務法曹にとって不可欠な争点の発見・抽出、
→実務法曹にとって不可欠な文章読解力、すなわち
論理の構築、具体的事実認定の前提となる法理論
判決文、準備書面等各種文章の論理構造や論理を
の把握等の資質・能力を測ることを目的とする。
把握・抽出する能力を測ることを目的とする。
【分析的判断力を測る問題】
【表現力を測る問題】
=与えられた条件から、必ず成り立つ事実を正確に
=与えられた資料等を使いながら、自己の主張を説
導く能力を測る
得的に提示できる力
→実務法曹にとって不可欠な分析・解析能力の資
→実務法曹にとって不可欠な、与えられた素材を的
質・能力を測ることを目的とする。
確に分析把握し論理的に文章が表現できるか等の資
質・能力を測ることを目的とする。
問題 5
1 ~ 5 のうち、つぎの文章の説明として、適切でないものを1 つ選びなさい。
ある会社が営業部員を対象に性格検査を実施したところ、性格的に外向的であるほど営業成績が高いという相関
関係があることが明らかになった。一方、全員を対象とする商品知識を高めるための特別研修プログラムの実施に
よって、各自の営業成績が高まり、全体の売り上げが大きく向上した。その後、同じ性格検査を再度実施したが、
性格的な外向性と営業成績との相関の程度はほとんど変わらなかった。
1.商品知識の量と外交的性格は、相乗効果なしに、独立して加算的に営業成績に影響した。
2.研修プログラムの受講は全員の営業成績に同程度の好影響を与えたが、内向的な性格を外向的に変化させる
ことはなかった。
3.研修によって全員の商品知識量が一律に増加したため、個人の営業成績の間に存在する差はほとんど変わらな
かった。
4.研修プログラムの受講が内向的な性格の人ほど大きな効果をあらわしたため、全体の売り上げが向上した。
5.研修プログラムの実施によっても、全員営業成績が上限に達して性格の異なる人間間の営業成績の差がほとん
どなくなるということはなかった。
JLFNEWS No.38 July 2008
問題例(「論理的判断力を測る問題」2008 年)
正解=4
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
Hot Topic!:第 11 期(2008 年度)理事会・評議員会報告
Hot Topic!
第11期
(2008 年度)
理事会・評議員会報告
財団法人日弁連法務研究財団常務理事・事務局長 弁護士 久保
英幸
2008 年 5 月 21日、東京都千代田区霞が関の弁護士会館 2 階講堂クレオA で、第 11 期通常理事会・評議
員会を開催しました(同時開催)。寄附行為の定めに基づき、理事会の議長を新堂幸司理事長が、また評議員
会の議長を互選により佐藤裕評議員が務めました。
1
第 10 期(2007 年度)の事業報告・収支決算を
受け、承認しました。
収支決算のうち、主なものとして、一般会計では入会金
したが、運営を機動的に行うため、企画運営委員会のもと
に、理事長、専務理事、常務理事、その他の理事若干名
及び事務局長からなる常務運営委員会を置き、大学教員、
あり、一方、事業費 6,592 万円、管理費 1,328 万円等合
せた組織構成とするために、企画運営委員会規則を廃止す
計 7,920 万円の支出がありました。第三者評価機関特別
るとともに、常務運営部会を委員会に格上げし、組織を再
会計では、法科大学院 11 校からの評価手数料 3,875 万円、
編しました。
D
N
補助金 4,000 万円、文部科学省からの研究委託費 2,888
万円等の合計 1 億 776 万円の収入があり、事業費 3,769
4
法務研究基金を設置し、そのための規程を制定
しました。
これまで調査、研究事業は原則的に年度単位で扱い、
万円、管理費 4,375 万円など合計 8,414 万円の支出があ
必要に応じて次年度に継続する扱いをしてきましたが、一
りました
(1 万円未満は四捨五入)
。
定のテーマについては当初より数年を予定する息の長い研
究が必要であることから、使途を特定し、数年度にわたって
第 11 期(2008 年度)の事業計画・収支予算を
承認しました。
支出するための基金を創設し、民事実務研究費 3,000 万
収支予算のうち、主なものとして、一般会計では入会金
円、公法・刑事法研究費 2,000 万円、法曹養成研究費
収入 190 万円、会費収入 3,806 万円、事業収入 2,433
2,000 万円、合計 7,000 万円の法務研究基金を設置しま
万円ほか、教材作成費などの受託金 2,063 万円、法検レ
した。
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日本弁護士連合会(以下「日弁連」
といいます)からの事業
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会議を開いて運営しています。そこで、運営の実情に合わ
万円、寄付金収入 700 万円等、計 7,055 万円の収入が
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税理士、司法書士、弁理士等の事務局員からなる事務局
I
収入 103 万円、会費収入 3,734 万円、事業収入 2,455
ビュー収入 200 万円など、合計 7,378 万円の収入を予定
しており、事業費 9,724 万円、管理費 1,797 万円の合計
諮問会議を設置することを決めました。
1 億 1,521 万円の支出を予定しています。設立 10周年の
これまで当財団の研究活動や各種事業について、公的
記念行事としてシンポジウムや講演会、研修をはじめとする
立場から意見を述べ、また諮問を受ける機関がありません
各種行事や記念誌の発行のため、従来の予算額を大幅に
でしたが、公益法人として、広く法社会全般にわたる活動
増やすことといたしました。第三者評価機関特別会計では、
を行う組織としての活動を俯瞰するために、理事・評議員
評価手数料 14 校分 4,900 万円、日弁連より事業補助金
以外の識者の意見交換の場として諮問会議を設置しました。
2,000 万円を見込み、本評価実施費 2,800 万円、委員謝
諮問会議は、当財団が行う研究に対する評価や助言・協
金及び旅費 750 万円、弁護士嘱託及び派遣職員等の人
力をするほか、理事長の諮問に対する答申をし、また、当
件費 3,700 万円等事業費合計 8,495 万円と管理費 2,050
財団の活動及び組織など運営全般について意見を述べる
万円の支出を予定しています
(1 万円未満は四捨五入)
。
等の役割を担います。
また、これらにあわせて、第 12 期(2009 年度)4・5月分、
次回通常理事会開催予定月までを今期(2008 年度)の予
算の12 分の2とする暫定予算を承認しました。
3
常務運営委員会規則を制定しました。
当財団の運営は企画運営委員会が行うこととされていま
5
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
6
研究事業に関する通則を改正しました。
研究事業の拡大につれ様々な研究の態様に対応するた
め、財団研究、受託研究、研究委託、研究助成、共同
研究の5つのカテゴリーを設け、規則を整備しました。
Hot Topic!:第 11 期(2008 年度)理事会・評議員会報告
日本弁護士連合会からの受託研究に関する取扱
規程を改正しました。
日弁連から受託した研究についての成果物の著作権に
関する規定を整備しました。
8
任期が満了した評議員全員を再任しました(6
ページ名簿参照)。また、 任期が満了した法科大
学院認証評価評議会評議員のうち 7 名を再任し、
新たに3 名を選任しました。
新たに選任した認証評価評議員は高橋宏志東京大学理
事・副学長、永井和之中央大学総長・学長及び平山正
剛前日弁連会長です。
12
〈特別報告〉設立 10 周年記念行事実行委員会から、
これまでの活動と今後の活動予定について報告を
受けました。
(1)記念講演会及びシンポジウム
これまでに開催した行事は次の通りです。
●2008 年 1 月 12 日金沢市 記念講演会
「財団研究「民事訴訟における証人尋問の研究」から」
(高橋宏志 東京大学理事・副学長)
「不正競争防止法について」(伊藤真 日弁連知的財産
政策推進本部委員・弁護士)
●2008 年 2 月 9 日大阪市、3 月 15 日東京都 記念シ
ンポジウム
法科大学院認証評価事業基本規則の一部を改正
しました。
「会社法下の内部統制 AtoZ ―システム構築を実のあ
従来、評価委員の数を20 名としていましたが、事業拡
るものにするために―」(上村達男 早稲田大学法学学
大にともない、30 名に増員しました。これにより、法科大学
術院長・法学部長/渡辺徹 弁護士/生沼寿彦 弁護
院の専任教員、法曹、一般有識者のそれぞれの分野から
士/郷原信郎 桐蔭横浜大学法科大学院教授・同大
9
の委員数が増えました。
10
新規入会申込会員の入会承認をしました。
2007 年 5月以降 2008 年 4月末までに入会を申し込ん
だ65 名及び 2 法人について、入会を承認しました。
11
〈特別報告〉公益法人制度改革ワーキンググループ
から、検討の進捗状況の報告を受けました。
本年12月から施行される公益法人制度改革関連 3 法の
学コンプライアンス研究センター長・弁護士/末村篤
日本経済新聞社特別編集委員兼論説委員/苗村博子
弁護士)
●2008 年 4 月 22 日名古屋市 記念講演会
「利用者からみた民事訴訟と依頼者からみた弁護士像」
(菅原郁夫 名古屋大学教授)
また、今後予定しているシンポジウムは次の通りです
(※
制定を踏まえ、公益認定基準の中から事業の公益目的該
理事会・評議員会報告時:本号発行時には既に終了)
。
当性、公益目的事業比率、内部留保の取扱いや、公益認
●2008 年 7 月 17 日東京都 記念シンポジウム(終了
定申請を内閣総理大臣とするか都知事とするかに関連して
後、記念式典と懇親会)
支部のあり方を検討したこと等の報告を受け、今後公益認
「
「法曹の質」の検証 ─ アンケート調査に見る
「法曹の
定ガイドラインに基づき、公益目的事業のチェックポイントの
質」
とは─ 」
(太田勝造 東京大学教授/菅原郁夫 名
事業区分に従って、公益法人会計基準の運用指針を踏ま
古屋大学教授/ダニエル・H・フット 東京大学教授)
JLFNEWS No.38 July 2008
7
えた会計処理を点検し、寄附行為の見直しを行い、定款
の変更案を作成・検討する予定であるとのことです。
さらに、年度中、大阪・中国・九州の支部管内で研
修・シンポジウムを企画する旨および年度内に記念誌を発
刊する旨の報告を受けました。
(2)研究会
下記の記念研究を開始した報告についてもあわせて受
けました。
「継続的法曹倫理教育の開発」(主任:後藤昭 一橋
大学教授)
「弁護士自治の研究」(主任:矢吹公敏 弁護士)
以上が報告となります。
当財団は本年設立 10周年を迎え、今後もますます活躍
の場が増えていくことと思われますが、引き続き会員の皆様
理事会・評議員会での審議
のご支援・ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
Hot Topic!:第 11 期(2008 年度)理事会・評議員会報告
新堂 幸司
東京大学名誉教授・弁護士
理事
米澤 健一郎
学校法人ソニー学園理事長
専務理事
星 德行 弁護士
監事
鈴木 誠
弁護士
常務理事
柏木 昇
中央大学教授
監事
前川 三喜男
公認会計士・愛知淑徳大学准教授
常務理事
久保 英幸
弁護士(財団事務局長)
評議員
赤木 文生
弁護士
常務理事
高橋 宏志
東京大学理事・副学長
評議員
浅古 弘
早稲田大学教授
常務理事
馬橋 隆紀
弁護士
評議員
池田 辰夫
大阪大学教授
特別顧問
阿部 三郎
元日本弁護士連合会会長
評議員
井田 良
慶應義塾大学教授
特別顧問
鬼追 明夫
元日本弁護士連合会会長
評議員
市川 正人
立命館大学大学院法務研究科研究科長
特別顧問
前田 宏
弁護士・元検事総長・元法務事務次官
評議員
岩村 正彦
東京大学教授
理事
飯田 隆
弁護士
評議員
大渕 哲也
東京大学教授
理事
池田 眞朗
慶應義塾大学教授
評議員
小川 宏嗣
弁護士
理事
井上 順夫
弁護士
評議員
京藤 哲久
明治学院大学大学院法務職研究科研究科長
理事
太田 勝造
東京大学教授
評議員
倉田 卓次
弁護士
I
理事
大谷 實
学校法人同志社総長
評議員
幸田 全弘
元日本弁理士会会長
A T
理事
奥島 孝康
早稲田大学学事顧問
評議員
小島 武司
桐蔭横浜大学学長
理事
小幡 純子
上智大学教授
評議員
小寺 一矢
弁護士
N
理事
梶谷 剛
元日本弁護士連合会会長
評議員
佐藤 裕
弁護士
U
理事
鎌田 薫
早稲田大学大学院法務研究科科長・弁護士
評議員
白石 喜徳
弁護士
O
理事
菊地 裕太郎
弁護士
評議員
須須木 永一
弁護士
F
理事
久保井 一匡
元日本弁護士連合会会長
評議員
高田 裕成
東京大学教授
A W
理事
児玉 憲夫
弁護士
評議員
道垣内 正人
早稲田大学教授・弁護士
理事
小堀 樹
元日本弁護士連合会会長
評議員
中里 実
東京大学教授
理事
小山 稔
弁護士・立教大学教授
評議員
中村 紀伊
財団法人主婦会館名誉理事長
理事
笹森 清
労働者福祉中央協議会会長・前日本労働組合総連合会会長
評議員
中村 邦夫
日本司法書士会連合会名誉会長
理事
菅原 郁夫
名古屋大学教授
評議員
奈良 道博
弁護士
理事
高橋 善一郎
日本公認会計士協会相談役
評議員
二國 則昭
弁護士
理事
土屋 美明
社団法人共同通信社論説委員
評議員
野田 愛子
弁護士・元札幌高等裁判所長官
理事
冨島 照男
弁護士
評議員
野村 修也
中央大学教授
理事
永井 和之
中央大学総長・学長
評議員
長谷部 由起子 学習院大学教授
理事
西川 元啓
新日本製鐵株式会社顧問・日本司法支援センター理事
評議員
町村 泰貴
北海道大学教授
理事
葉山 水樹
弁護士
評議員
松尾 浩也
法務省特別顧問・東京大学名誉教授
理事
平山 正剛
前日本弁護士連合会会長
評議員
丸山 秀平
中央大学教授・弁護士
理事
日和佐 信子
雪印乳業株式会社社外取締役
評議員
三木 浩一
慶應義塾大学教授
理事
松尾 龍彦
司法評論家・元日本放送協会(NHK )
解説委員
評議員
森 金次郎
日本税理士会連合会顧問
理事
松澤 三男
社団法人商事法務研究会専務理事
評議員
森川 敏雄
株式会社三井住友銀行名誉顧問
理事
松本 恒雄
一橋大学教授
評議員
弥永 真生
筑波大学教授
理事
宮㟢 誠
日本弁護士連合会会長
評議員
山田 勝利
弁護士
理事
本林 徹
元日本弁護士連合会会長
評議員
山中 善夫
弁護士
理事
山下 友信
東京大学教授
評議員
吉岡 桂輔
弁護士
理事
山田 延葊
弁護士
評議員
吉村 安
弁護士
理事
山本 昌平
弁護士
理事
由岐 和広
弁護士
J
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理事長
L
財団法人日弁連法務研究財団 特別顧問・理事・監事・評議員・特別顧問名簿 (2008 年度)
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
(敬称略)
報告:設立 10 周年記念シンポジウム「会社法下の内部統制 AtoZ」を開催
報告
設立10 周年記念シンポジウム
「会社法下の内部統制 AtoZ」を開催
財団法人日弁連法務研究財団 会社法下の内部統制研究会 研究員 弁護士 藤田
増夫
当財団の設立 10 周年記念シンポジウム「会社法下の内部統制 AtoZ~システム構築を実のあるものにする
ために~」が、本年 2 月 9日(土)に大阪会場(グランキューブ[大阪国際会議場]、天満研修センター)、同
年 3 月 15日(土)に東京会場(クレオ[弁護士会館講堂])において、それぞれ開催されました。
はじめに
盤ともなり、この充実により経営者の責任を限定すること
につながり、一方、いわゆる不祥事が発生した場合にも、
大阪会場・東京会場ともに、多くの企業関係者、一般
迅速・適切な対応により、企業価値の毀損を最小化する
の方、弁護士のご参加を得、大盛況なシンポジウムとなり
ことも可能となります。このような視点から、今回のシンポ
ました。大阪会場の当日は大阪には珍しく大雪の日で足
ジウムでは、各界でご活躍されているゲストスピーカーを
元が悪いにもかかわらず多くの方にご参加いただきました。
お迎えし、また研究員から各社への内部統制システムの
また、ご参加いただいた方々におかれては、大阪会場・
構築・運用状況のアンケート調査結果のご報告等を行い
東京会場ともに、講演・報告を聴講しながら熱心にメモ
ました。
を取られる方や深く頷かれている方が多く、途中退席され
る方も殆どありませんでした。
現在、金融商品取引法が要求する財務報告に係る内
部統制システムの構築(いわゆるJ - SOX)が注目されて
2
ゲストスピーカーの基調講演・報告
運用を充実させることが極めて重要です。かかるシステム
(1)上村達男早稲田大学法学学術院長・法学部長の基
調講演
が構築できれば、第 4の機関として企業の拠って立つ基
上村教授には、
「内部統制システムに関する資本市場
いますが、会社法が求めている内部統制システムの構築・
JLFNEWS No.38 July 2008
1
東京会場
(弁護士会館クレオBC)
にも多数の参加者が
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
報告:設立 10 周年記念シンポジウム「会社法下の内部統制 AtoZ」を開催
の理論と会社法の論理」と題して、内部統制の法的評価
在り方、マスメディアの対応等に関して、多くのヒントをい
軸、証券市場の要請に適う内部統制、取締役の法的責
ただき、大変有意義なご報告でした。
任の評価軸等について、現行会社法の課題等にも触れな
がら、ご講演いただきました。上村教授の講演内容はい
ずれも興味深いものばかりでしたが、中でも
「1000 年以
上の歴史を持つ会社もある我が国がアメリカ型とヨーロッ
パ型のどちらの観点から内部統制を見るべきか」
という旨の
問い掛けは、改めてわが国の内部統制について根本から
深く考えさせられました。
研究員の報告
(1)渡辺徹弁護士の報告
渡辺弁護士は、
「リスク管理体制について-企業不祥
事に関する判例を読み解く-」
と題して、日頃の会社法実
(2)郷原信郎桐蔭横浜大学教授(コンプライアンス研究
センター長)/弁護士の報告
郷原弁護士には、
「法令遵守の内部統制がもたらす企
業社会への影響」
と題して、耐震強度偽装問題や食品偽
装問題等の具体例を挙げて、我が国における法令遵守の
務を踏まえ、企業不祥事に関する主要な判例のエッセンス
をまとめるとともに、アンケートの結果にも触れながら、リス
ク管理体制の現状及びその構築・運用の重要性について
報告しました。
(2)生沼寿彦弁護士の報告
O
制の現状と海外子会社への統制」
と題して、アンケートの
I
結果から、わが国の企業の内部統制の現状を解説すると
あるのに対し、日本の違法行為の多くがカビ型(組織の利
ともに、海外案件も多く取り扱っていることから、海外子
益のために組織の中の一定のポストにつくと違法行為に手
会社への統制という多くの企業が抱えていると思われる問
を染めざるを得ない)であるとの話は非常に印象的で、こ
題について報告しました。
のようなお話を聞く中で、同弁護士が提唱されている環境
F
O
A T
て分かり易くご報告いただきました。アメリカの違法行為が
ムシ型(個人の利益のために個人の意思で行っている)で
D
生沼弁護士は、
「アンケート結果にみるわが国の内部統
N
内部統制に関する課題等について、パワーポイントを用い
U
N
3
整備という要素を含めた「フルセット・コンプライアンス」の
N
(3)末村篤日本経済新聞社特別編集委員兼論説委員の
報告
末村論説委員には、
「マスメディアの企業の内部統制シ
ステム構築に対する評価と不正行為公開に対する報道」
と
J
苗村弁護士は、
「よりよい内部統制システムを支えるた
めの司法のあり方」と題して、わが国における刑事司法
A P A
L
A W
意義がこれまで以上に理解できたように思います。
(3)苗村博子弁護士の報告
における内部統制システム構築への評価の現状を踏まえ、
米国の量刑ガイドラインを翻訳したうえで、その要点を解
説しながら、日本での量刑ガイドライン導入の可能性に言
及しました。
題して、企業不祥事が生じた場合のマスメディアの対応
等について、マスメディアの生々しい現場の状況も交えて、
非常に興味深いご報告をいただきました。企業が不祥事
4
本研究会の活動等
を起こした時、当該企業の内部統制システムが構築され
ていればマスメディアは多少の情状酌量をするかという問
(1)本研究会の発足の経緯等
いについて「一切考慮しません。
」というお答えには少々困
今回のシンポジウムを企画した会社法下の内部統制研究
惑しましたが、その後のお話の中で、企業の内部統制の
会(以下「本研究会」
といいます)は、苗村博子弁護士(39
上村達男 教授
末村篤 論説委員
郷原信郎 教授
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
報告:設立 10 周年記念シンポジウム「会社法下の内部統制 AtoZ」を開催
期)
、渡辺徹弁護士(45 期)
、生沼寿彦弁護士(46 期)
、
今回のアンケート結果について、今後、各企業におけ
貞嘉徳弁護士(59 期)
、私の5 名の大阪弁護士会所属の
る内部統制システムの構築・運用に役立てていただければ
弁護士で組織しています。本研究会については、サーベン
と考えております。
ス・オックスレー法に関する研究会に所属し内部統制に関
する研究を進めていた苗村弁護士と生沼弁護士が立ち上
(3)企業不祥事に関する判例研究
げ、これに大阪弁護士会の会社法実務研究会で世話役を
本研究会では、アンケート調査のほか、企業不祥事に
務めるなど、会社法実務に長けた渡辺弁護士と苗村弁護
関する主要な判例について、各研究員が分担して発表し、
士の事務所に所属する貞弁護士が加わり、その後大阪弁
議論を重ね、リスク管理体制や損害論等の問題点につい
護士会会社法実務研究会に所属する私が渡辺弁護士に
て整理しました。
誘っていただきメンバーに加えていただいた次第です。
(4)ゲストスピーカーの招聘
(2)内部統制システムの構築・運用に関するアンケート
調査
るに際しては、各方面の方々に多大なご協力いただきまし
本研究会では、会社法の内部統制システムの初年度
た。またゲストスピーカーにおかれては、遠路大阪までお
が終了した時期において、内部統制システムの重要な一
出向きいただき、関西に向けても直接言葉で語りかけてく
部をなすリスクマネジメントとコンプライアンスに焦点をあて、
ださいました。参加者の皆さんも大いに刺激を受けられた
その構築・運用状況についてアンケート調査を行うことによ
ことと感謝しております。
これだけ各界の著名なゲストスピーカーの方々を招聘す
り、各企業の創意・工夫のあり方など、様々な対応状況
ずや役立つものと考えました。
そこで、本研究会は、2007(平成 19)年 8月から11
(5)一研究員から見た本研究会
本研究会は、アンケートの実施からシンポジウム開催まで、
研究員全員が一丸となって走り切ったという印象です。今
月にかけて、主な証券取引所に上場している企業のうち
回の研究を通じて、会社法下の内部統制システムについて、
1,989 社を無作為に抽出し、アンケートを送付し、協力を
より深い知識・理解を得ることができただけでなく、企業法
呼びかけました。その結果、全体で316 社(回答率約 15.
務の第一線で活躍する弁護士に必要な姿勢等を感じ取るこ
9%)
の回答を得ることができました。
とができたことは、私にとって最高の財産となりました。
アンケートの集計については、主に貞弁護士と私が担当
しましたが、その正確性を期するため本研究会メンバー全
員で繰り返し何重にもチェックを行ったうえで、渡辺弁護
士を中心にして各アンケート結果の傾向等についてコメン
5
最後に
本研究会では、今回のシンポジウムの講演・報告により、
トを付していきました。アンケートの集計等の会議は、平
今後の企業における、よりよい内部統制システムの構築に
日だけでなく休日に朝から晩にまで及ぶこともあり、クリス
繋がればと祈念しております。
マスや年末年始の休みも関係なしの大変な作業でしたが、
JLFNEWS No.38 July 2008
を把握すれば、今後の内部統制システム構築・運用に必
最後になりましたが、アンケート集計等に多大なご協力
アンケートの集計等を行っていくにつれ、企業の内部統制
いただいたウエストロー・ジャパン株式会社、またアンケー
システムの構築・運用の現状が明らかとなっていく様には、
トの実施から今回のシンポジウム開催に至るまでご支援い
大きな興味をそそられ、アンケート調査報告書を完成させ
ただいた皆様には、この場をお借りして改めて御礼を申し
た時には、何とも言えない達成感を感じました。
上げます。
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
研究シリーズ❷:フランス・トゥールーズ市及びパリ市を訪問して
研究シリーズ
❷
フランス・トゥールーズ市及びパリ市を訪問して(前編)
財団法人日弁連法務研究財団 子どもの親権及び監護に関する法制度の比較法的研究 研究員 弁護士
山田 攝子・中村 多美子
本研究の締め括りとして、婚姻法と親子法を切離しての法改正を遂げたフランスを訪問し、離婚後の監護権
の在り方・離婚時の監護権の内容を決する手続き等を現地の研究者及び実務担当者等から聴取し、あわせて
関係機関を訪問し、実情を調査した。
今後の在り方を、比較法的に検討してきた。研究者研究
員より各国の法制度・法改正の経過等を学びつつ、実
D
2006 年 9月にドイツ・デュッセルドルフ市にて現地調査を
行い(「JLF NEWS」第 33 号 5 頁 以 下 )
、2007 年 11月
F
O
意見交換する研究会を重ね、問題意識を共有した上で、
N
務家研究員が実務の現場で抱え、感じている問題点等を
U
A T
O
本研究会は、2005 年 1月から、我が国の親権制度の
I
N
はじめに
には、共同研究の成果を、
「子どもの福祉と共同親権(別
A W
L
2008 年 3月、研究員・松川正毅大阪大学教授のご尽
法)
・Claudine Larrieu 弁護士(弁護士会副会長・家
力により、予て現地調査の対象として検討していたフラン
族問題専門)ご夫妻に、近郊のカルカッソンヌとアルビを
N
カルカッソンヌ
加除出版刊)
として活字発表した。
ス訪問が実現した。ここに、松川団長以下 9 名の研究員
ご案内いただいた。
A P A
居・離婚に伴う親権・監護法制の比較法研究)
」(日本
のフランスにおける活動と調査の概要を記し、報告させて
ユネスコの世界遺産に登録されている。3、4 世紀ごろか
いただく。
J
ら要塞化が進み、5、6 世紀に第 1の城塞が、13 世紀に
Ⅰ トゥールーズ市
1
トゥールーズ市及びその近郊について
トゥールーズ市は、パリから航 空 機で1 時 間 10 分、
その外側に第 2の城壁が建設され、2 重城壁の巨大な城
塞都市ができあがった。17 世紀後半に廃墟となったもの
を、19 世紀に修復。現在も、城壁内に民家やホテルが
あり人々が生活している。長い年月をかけて建造されたサ
ン・ナゼール寺院は、ロマネスク様式部分とゴシック様式
TGVで約 5 時間の地にあるフランス南西部の中心都市で
部分が混在しており、見事なステンドグラスの円形ばら窓
あり、航空産業が盛んな(エアバスの生産基地)地域であ
や、今でも昔の音を奏でるという16 世紀のオルガンなどに、
る。13 世紀初めには、国内でいち早く大学が創設され、
私たちは時間を忘れて見入った。
パリに次ぐ大学都市でもある。中世には、交易の町として
アルビは、ロートレック生誕の地。ロートレック美術館
発展した。ジャコバン修道院や、オーギュスタン美術館
の展示品は100 点を超える。同美術館前の聖セシル大聖
等々、見どころも多い。街は、赤みを帯びた色の煉瓦造り
堂は、カトリック教会から異端とされたカタリ派を受け入
の建物が多く、「Ville Rose(バラ色の町)
」
と呼ばれてい
れたアルビ弾圧の歴史を物語っている。カトリック教会は、
る。空き時間には、参加者それぞれに、徒歩やレンタサイ
見せしめの意味を含めて、13 世紀にこの大聖堂を建造し
クルで散策・見学し、「バラ色の町」を堪能した。
た。煉瓦造りの建物としてはフランス最大とのこと。内陣
また、週末を利用して、Jacques Larrieu 教授(家族
10
カルカッソンヌは、ヨーロッパ最大の城塞都市であり、
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
の壁画「最後の審判」も巨大で、圧倒される。
研究シリーズ❷:フランス・トゥールーズ市及びパリ市を訪問して
研究者と実務家のカップルであるラリューご夫妻に、上
記の見学・会食等、多くの時間お付き合いいただき、そ
のお人柄とお仕事ぶりに触れ、フランスにあっても、家族
の悩ましい問題は我が国のそれと共通であることを実感で
きたことは、有意義であった。
2
トゥールーズ大学において
(1)研究会(3 月 18 日午後 於 学内ホール)
参加者 裁判官(家族問題担当)
弁護士(家族法専門)
研究者 2 名(トゥールーズ大学助教授・家族法専門)
社会調査士
研究員 9 名(松川教授・弁護士 7 名・大学院生 1 名)
トゥールーズ大学会議室における研究会
非監護親の同意があることが推定されるとして監護親が親
権行使できる。
大学院留学生 2 名(家族法研究者 1 名・外務省 1 名)
通訳 1 名
②裁判所の関与と実情(家庭裁判所裁判官)
優先されていたところ、2002 年の法改正により、子ども
参加者が、それぞれの専門分野を分担して説明される形
の利益が最優先される修正が行われた。2007 年には で進行し、適宜、私ども研究員から質問をはさませていた
子どもが自分の意思を裁判官に表明できるシステムができ
だいた。
た。7、8 歳以上の子どもであれば、意思表明が可能であ
る。裁判官が直接、子どもと会い、その意思を尋ねるが、
①親権に関する概念等(助教授)
1970 年代から親権の共同行使の制度は存在していた
その際、両親の不仲は、子どものせいではないことを伝え
るなどの配慮を行っている。
が、両親の利益が優先されていた。2002 年の親権に関
2002 年に導入された交替監護は、子どもの意思が優
する法改正は、子どもの利益を優先することを目的としたも
先されていないという問題があった。裁判所にくる40%の
のである。2007 年、子どもの成熟度に応じて子どもをそ
家族の問題が、交替監護を選択したが失敗したケースで
の選択の決定に参加させるように法の修正が行われた。
ある。
親権は、両親が別居していても、結婚していなくても、
年間に1,300 件ほどの監護交替権の請求があるが、請
共同で行使することができ、両親が一度も一緒に生活した
求の理由に、残念ながら、節税目的や養育費を払わな
ことがなくても、同様である。
くてすむとの誤解を挙げる親がいる。実際には、子どもに
両親が離婚した場合、子どもがどこに住むかを決めるこ
とって、交替監護は、負担が大きく、ストレスになっている。
とが一番難しい問題であり、2002 年の法律改正によって、
交替監護権を主張する当事者は、長期的な視野にたって、
交替居所(たとえば、子が、1 週間ごとに母の住所と父の
将来について子どもにどんな問題が発生するのかを十分に
住所を交替で居所とする)が導入された。両親の合意ある
考え、子どもの利益を考えていかなければならない。
場合は、両親が協定し裁判官がこれを認可する。両親の
現在、弁護士と裁判官の関与で行っている子どもに関
合意が形成できない場合は、裁判官が、
「交替居所・父
する事柄を、公証人に移行しようとする法改正が検討さ
親の家に住む・母親の家に住む・第三者の家に委託する
れているが、反対である。現行法では両親が協定したす
(両親に威厳がない場合)
」のいずれかを提案・決定する。
一時的な提案もできる。
共同親権という考え方には、必ず双方の親が話し合い
べての合意の内容を裁判官が吟味することになっているが、
それを公証人が十分行えるか疑問だからである。
親権の行使について両親が不一致の場合、裁判官は
をもって決定することが大事であるとの前提があり、日常
付調停を提案することができる。鑑定も行える。心理カウ
的でない重大な行為(継続してきたことを変更する場合。
ンセラーによるカウンセリング、社会調査士による社会調
転校など)は、両親の一致が必要で、不一致の場合は、
査報告などから情報を得ることもある。
家庭裁判所の裁判官が子供の利益について検討し決定
する。日常的な行為(継続してきたことを継続する場合)は、
JLFNEWS No.38 July 2008
1970 年代からの共同親権は、実際には両親の利益が
私どもから事前に連絡した質問事項を踏まえて、現地
一時的、例えば半年程度の暫定的な監護の決定を行っ
て、その後に両親・子どもの意思を尋ね、最終的な決定
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
11
研究シリーズ❷:フランス・トゥールーズ市及びパリ市を訪問して
を行うこともできる。
裁判所では、両親の葛藤が高く、相手に対する恨みを
晴らすための養育費不払いや面会交流の不履行など、報
復目的の監護協定違反等、困難なケースを扱っているの
が実態である。協定違反に対しては、罰金刑が科され、
収監もありうる。
DVや児童虐待は、検察官が介入し、起訴するが、ま
ずは、子どもを安全な場所に導くことが肝要。2004 年の
DV 法により、子どもに対して危険な親は、親権を剥奪さ
れ、接近を禁止される。
面会交流については、非営利団体が場を提供している
トゥールーズ大学学長室にて
(学長、ラルー教授、松川教授とともに)
が、満杯な状況にある。
④小括
③社会調査について(社会調査士)
N
親がどのような関係であっても、「子どもの利益を最優先」
O
がおかれている状況を明確にすることが基本であり、愛情、
に、子ども自身のその成熟度に応じた意思を尊重しつつ、
I
教育、物的環境等々を調査するため、それぞれの自宅を
教育(進学)
・宗教・医療・養子縁組・結婚の同意等の
訪問する。弁護士に調査協力を求め、保護者、親族等
重要事項には二親が協議を持ち、不一致の場合は裁判
からの資料を提供してもらう。多くの場合、弁護士は協力
所が専門家を活用して関与する「共同親権」制度を、積
的である。
極的にとらえていることが感じられた。
F
O
U
A T
を作成し、裁判所に提出する。この社会調査は、子ども
D
に把握できたかは定かでないが、研究者も実務家も、両
N
裁判官からの調査命令を受け、調査を行い、報告書
限られた時間での通訳を介しての研究会であり、正確
まず、それぞれの住居を訪問して各 3 時間程度の面談
を持つ。
研究会の後、領事館に設定していただいた懇親会の席
で、ワイン片手にそこここで、意見交換が続いた。
トゥールーズ大学では、この他、学長室での懇談、国際
で別居に至ったのか、細かいことまで質問する。過去の幸
交流室や高齢者対象の授業の見学、教授サロンでの「法
福な場面を思い出すことは大事である。この長時間の面談
学博士が講義の際に着用するガウンの試着」等々、得難い
の中で、どういう理由で子どもを持つことの合意に至ったか
体験をさせていただき、学長主催の夕食会にお招きいただく
ということなどを振り返ることにより、紛争を軽減するという
など、学長以下大学関係者の皆様に大変お世話になった。
J
N
面談では、カップルの出会いから、愛情、どういう過程
A P A
L
A W
住居訪問の際、すべての部屋を見る。子どもがどういう
環境におかれているのか、家は、状況をよく語ってくれる。
(2)その他
ことも目的としている。
父母との面談の後、子どもと子ども部屋で面談する。こ
の際、心理テスト、絵を描かせる等を行う。
次に、子どもと父、子どもと母という組み合わせで面談
トゥールーズ市弁護士会訪問
3月19日、弁護士会を訪問した。会館内会議室で、
し、子どもがどういう反応を起こすか観察する。全員が参
会長・副会長から、同市弁護士会の陣容、フランスの法
加した家族会議のようなことを行う場合もある。子どもが、
曹養成制度、弁護士研修制度の内容等をうかがった。そ
親の前で話しをすることができるかということもチェックす
の中で、特筆すべきは、
「勝訴金プールのシステム」である。
る。子どもに対しては、聞いたことを父・母の前で言って
フランスでは、勝訴した場合、勝訴金は代理人が受領
もいいか必ず尋ねる。そして、子どもが話したことのリスト
せず、弁護士会会計担当者に入金するシステムになって
を作って署名を貰う。調査対象は、子どもにとっての義理
いる。ミスやお金の悪用を回避する目的である。小切手で
の家族や親の恋人、学校や警察、親が精神科医にかかっ
決済される弁護士会の預かり金は、21日間銀行にプール
ている場合には
(本人の了解をとって)
主治医に及ぶ。
された後、依頼者に支払われるため、この間の金利を人
調査結果を分析し、提案と結論を裁判官に提出し、裁
判官が判決を下す。社会調査士の本務は、子どもがおか
れている状況を明確にし、紛争を少しでも穏やかにし、子
どもの利益を論争の中心に持っていくようにすることである。
12
3
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
件費や若手弁護士の研修費にあてている。このシステムは、
他の国の弁護士会からも注目されているとのことである。
懇談の後、会館内を見学し、明るく活気あるロースクー
ルの教室も覗かせていただいた。
報告:認証評価事業部 07 年度下期活動報告
4
トゥールーズ控訴院において
の美術館のよう。旧い庁舎に増築された新庁舎は21 世
紀仕様で翌 4月から稼動するという。地下 3 階建の駐車
控訴院内で、子ども裁判所について、担当裁判官の説
場を設けようと裁判所の地下を掘ったところ、ローマ時代
明を受けた。子ども裁判所は、家庭裁判所とは別組織で
の遺跡が出てきて、駐車場を断念し「遺跡保存」を選択し
あり、子どもが危険にさらされていないか、子どもが違法
たとのこと、発掘現場にあっては工事現場監督と見間違え
に生活していないかという問題を担当する司法省に属する
る控訴院長の先導で、その遺跡を見学し、ローマ時代に
機関であって、
「若者の司法的保護」を担当している。
タイムスリップ。控訴院の地下は、「ばら色=赤土」の遺
少年事件は、罰則も大事だが、教育の継続・職業訓
跡が構えている。
練・精神療法などによる手当てが肝要であり、以前は慈
善団体に頼っていたが、時代がかわって、国や県が子ど
もたちの保護制度を進化させてきているとのことである。
裁判官 2 名から説明を受けた後、控訴院院長が庁舎を
案内してくださった。大法廷の天井に描かれた絵画はパリ
─ 後編へ ─
トゥールーズ市での活動を終えて、パリ市へ移動した。
「後編」として次号にパリでの活動を報告させていただく。
認証評価事業部 07 年度下期活動報告
財団法人日弁連法務研究財団 認証評価事業部事務局員 弁護士 江森
史麻子
2007 年度下期は、これまでで最多の 7 校の法科大学院の認証評価を行いました。また、他の法科大学院
認証評価2機関もそれぞれ評価結果を発表し、法科大学院の認証評価はこれまでにない議論を呼んでいます。
現在の、当財団認証評価事業の現状や課題についてご報告します。
1
2007 年度下期の法科大学院認証評価事業概要
2007 年度下期は、西南学院大学大学院法務研究科、
福岡大学大学院法曹実務研究科、獨協大学大学院法務
確定しました。
JLFNEWS No.38 July 2008
報告
この評価報告書は、3月26日に、各法科大学院へ送
達するとともに、文部科学大臣へ通知し、一般に公表を
いたしました。
研究科、明治学院大学大学院法務職研究科、創価大学
また、3月29日には、「2007 年度認証評価結果報告
大学院法務研究科、立命館大学大学院法務研究科、愛
及び弁護士に必要なマインドとスキルの養成方法」をテー
知大学大学院法務研究科の7 校について、認証評価を
マに、シンポジウムを開催しました。
行いました。
いずれも、原則 5 名、法科大学院の規模によっては6
ないし7 名の、法科大学院研究者教員または実務家に
よって構成される評価チームにより、3日間にわたる現地
2
2007 年度下期の認証評価結果
当財団は、当財団の法科大学院評価基準に規定する
調査を行いました。7 校合計で、ご参加いただいた評価員
全 47 項目について評価を行い、その結果を踏まえて、9
の総数は、38 名に上りました。
つの評価分野(1運営と自己改革、2入学者選抜、3教
評価チームによる評価チーム報告書を受けて、2008 年
育体制、4 FD 活動、5 カリキュラム、6 授業、7 法曹
1月31日と2月1日に行われた評価委員会において、各
養成教育、8 学習環境、9 成績評価・修了認定)で多
法科大学院の評価報告書原案を作成し、2月7日及び 8
段階評価を行うとともに、全体として評価基準に適合して
日の両日に分けて、各法科大学院へこの原案を提示いた
いるか否かの認定を行います。分野別多段階評価は、法
しました。各法科大学院からは、原案提示後 30日の期
科大学院に改善の指針を提供し、社会に法科大学院の
間内に、この原案への意見申述がなされ、これを受けて、
現状をわかりやすく開示することを目指すもので、その目安
3月19日の評価委員会で各法科大学院の評価報告書を
は、以下のとおりです。
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
13
認証評価シンポジウムでのパネルディスカッション
A T
I
O
N
報告:認証評価事業部 07 年度下期活動報告
D
N
A
非常によく実施できている
U
B
よく実施できている
O
でに、評価基準第 3 分野(教育体制)について、再度当
C
実施できている
(最低限必要な水準に到達している)
D
実施できていない
(最低限必要な水準に達していない)
財団の評価を受けることを求めるという、再評価要請付き
ただし、獨協大学については、2009(平成 21)年度ま
の適合認定となりました。これは、2007 年 4月から半年間、
3月26日に公 表した7 校の認 証 評 価 結 果は、当 財
たこと、また、一部法律基本科目については、2007 年 4
団ホームページで見ることができます(http://www.jlf.
月から評価時まで専任教員不在の状態であったことなどに
or.jp/work/dai3sha_find.shtml)
。
よります。ただし、欠員に至った経緯や、不在期間中もそ
J
A P A
L
専任教員数が必要専任教員数に1 名足りない状況にあっ
N
A W
卓越している
F
項目や分野はありませんでした。
A+
結果の概要としては、愛知大学大学院法務研究科が
れまで当該科目担当の専任教員であった者が非常勤講師
当財団の定める法科大学院評価基準に適合しているとは
として授業を担当していたこと、また、2008 年 4月1日に
認められず、その余の6 校は、適合していると認められま
は、適格性及び科目適合性に問題のない当該科目担当
した。
専任教員が就任することが確実であることから、ただちに
愛知大学では、
(1)先端・展開科目として開講されて
いる科目のうち実質が法律基本科目と認められるものがあ
況を確認するために再評価の要請をすることとしたものです。
るため、カリキュラムにおける科目バランスを欠き(評価基
なお、7 校全体の傾向として、愛知大学の第 5 分野を
準 5 - 1 - 1)、また、(2)3 年次の必修科目4 科目(合計
除き、すべての分野の分野別評価が BまたはCであったこ
10 単位)において、原則として毎回、出題範囲の予告な
と、すなわち、A +(卓越している)及び A(非常によく実施
く答案を書かせて解説講評を行うというように、全体とし
できている)
と評価できる評価分野が全く見られなかったこ
て、司法試験のための技術的指導に科目内容が偏ってい
とは、残念な結果と言えます。今後は、各分野で、より
るため、カリキュラムにおける科目の適切性を欠き(評価基
充実し、あるいは個性の発揮された、積極的な取り組み
準 5 - 1 - 2)、さらに、
(3)1 年次において修了単位に含
が期待されるところです。
まない科目を設けているため、認められている履修単位の
なお、当財団の法科大学院認証評価は、2006 年度
上限を実質的に超えるものとなっていました
(評価基準 5 -
下期 2 校(駒澤大学、早稲田大学)
、2007 年度上期 4 校
2 - 2)。そして、これらを含む第 5 分野(カリキュラム)の
(大東文化大学、立教大学、久留米大学、國學院大
分野別評価は、Dとなりました。
他の6 校については、このように、評価基準に達しない
14
評価基準不適合とはせず、適合と認定した上で、改善状
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
學)に続いて行われ、これまで当財団の認証評価を受けた
法科大学院は、合計 13 校となりました。
報告:認証評価事業部 07 年度下期活動報告
シンポジウム報告
前述のように、3月26日には、弁護士会館 2 階クレオ
学大学院法学研究科法律実務専攻、千葉大学大学院専
門法務研究科法務専攻、一橋大学大学院法学研究科法
務専攻、新潟大学大学院実務法学研究科実務法学専攻、
において、「法科大学院認証評価シンポジウム― 2007 年
金沢大学大学院法務研究科法務専攻、香川大学大学院
度認証評価結果報告及び弁護士に必要なマインドとスキ
香川大学・愛媛大学連合法務研究科法務専攻、熊本大
ルの養成方法」
と題したシンポジウムを開催しました。
学大学院法曹養成研究科法曹養成専攻、上智大学大学
午後 1 時に開会し、第 1 部は、
「2007 年度認証評価
院法学研究科法曹養成専攻、専修大学大学院法務研究
結果報告」として、まず、呰真希弁護士(当財団認証評
科法務専攻)
、それぞれ初めての法科大学院認証評価結
価事務局員)から、評価結果の概要と、評価の過程で問
果を公表し、ここに、法科大学院認証評価 3 機関の評価
題となった論点について、簡単な報告がありました。これ
報告書が出揃うことになりました。
に続いて、
「司法試験対策をどう考えるか」というタイトル
これを受けて、評価機関ごとに評価基準が異なることや、
でパネル・ディスカッションを行い、柏木昇中央大学教授
同じ事象について評価機関によって評価結果が異なること
(当財団評価委員会委員長)
、京藤哲久明治学院大学
を問題視する意見が、鳩山邦夫法務大臣をはじめとして
教授
(当財団評価委員会副委員長)
、馬橋隆紀弁護士(当
多方面から出されていることが報道されました。
財団評価委員会委員)の3 人をパネリストとして、評価の
もともと法科大学院の認証評価の制度設計は、複数の
過程で把握した司法試験対策の現状やその有効性、そし
機関がそれぞれの基準を持って行うこと、各法科大学院
て、そのような受験対策的指導について、認証評価にあ
は認証された評価機関のうちの1つを自由に選択できるこ
たってはいかに考えるべきかについて、会場からの発言や
と、その選択の前提となるよう各認証評価機関は評価基
質問を含めて、活発な議論がなされました。
準や評価手続概要などを公表していること、などが柱となっ
午後 3 時からの第 2 部では、
「弁護士に必要なマインド
ており、したがって、評価機関による評価結果のばらつ
とスキルの養成方法―弁護士全国アンケートの中間集計
きは、ある程度、予定されていたものと言えます。ただし、
結果の報告を中心に―」
というタイトルで、当財団が弁護
今回のように評価機関による評価結果のばらつきが顕在化
士を対象に行ったアンケート調査に関する中間報告と、こ
したとき、これに疑問の声が出ることもまた、予想され得
れをもとにした討論などが行われました。まず、
「評価基
たことであり、今後、これをどう考えるかが課題と言えるで
準第 7 分野「マインドとスキル」の目的・策定過程と実際
しょう。
の認証評価における適用」
として、山本崇晶弁護士(当財
団認証評価事務局長)が、当財団認証評価における評
価基準第 7 分野を巡る議論状況を報告しました。続いて、
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現在の課題
上述のアンケート調査に関し、宮澤節生青山学院大学教
2007 年度下期に当財団が認証評価を行った7 校の法
授、藤本亮静岡大学教授、武士俣敦福岡大学教授、神
科大学院のうち、愛知大学から異議が出されました。こ
長百合子専修大学教授によって、さまざまな角度からの
れを受けて、現在、異議審査委員会を開いて審議を行っ
報告がなされました。これらを受けて、小原健弁護士と須
ています。今後は、異議審査委員会からの答申を受けて
網隆夫早稲田大学教授(弁護士)から、それぞれ所感コメ
認証評価評議会で異議の当否及び評価結果変更の要否
ントが発表され、続いて会場との質疑応答となり、盛会の
などについて最終的な判断が行われることになります。
うちに午後 5 時に終了いたしました。
参加者総数は、法科大学院関係者を中心に112 名あり、
当財団の認証評価に対する関心の高さが伺われました。
JLFNEWS No.38 July 2008
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また、2004 年度に開校した法科大学院にとっては、
2008 年度は、5 年に1 回の認証評価が義務づけられてい
る中で最後の年度になりますので、上期に7 校、下期に
7 校という、かなり多くの法科大学院の認証評価を行うこ
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他の認証評価機関の評価結果
法科大学院の認証評価機関には、当財団のほか、独
立行政法人大学評価・学位授与機構と、財団法人大学
基準協会の2つがあります。
当財団と相前後する形で、3月24日に大学基準協会が
とになります。本稿を書いている現在、1 校の現地調査が
終了したところで、今後、毎週のように現地調査が続くこ
とになります。
また、前述の、3 評価機関による評価結果のばらつきに
ついては、文部科学省の呼びかけのもとに、連絡協議会
を組織する準備が始まっています。当財団としても、必要
2 校(慶應義塾大学法科大学院、法政大学法科大学院)
、
な協力や理由があると認められる範囲での協調を行ってい
3月27日に大学評価・学位授与機構が 9 校(北海道大
くことになるでしょう。
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
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No.38
(財)日弁連法務研究財団ニューズレター 第 38 号
2008 年 7 月15 日発行
編集発行人
久保 英幸(財団事務局長)
発行所
東京都千代田区霞が関 1-1-3 弁護士会館内
tel.03-3500-3656 fax.03-3580-9381
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NEW
商事法務『JLF 叢書 VOL.14』(2008 年 7 月刊行)
『「法曹の質」の検証 ─弁護士に求められるもの─ 』
「法曹の質」研究会 編
近時、
「法曹の質」が問われることが多いが、
「法曹の質」とは何なのか。法科大学院における法
曹養成や法曹人口の適正化が議論される中で、
「法曹の質」の解明という難問に挑戦。弁護士と
相談者の双方に対する質問票調査に基づき検証した画期的な書。
定価 3,990 円
(税込)
※当財団会員の皆様には定価の1割引・送料無料にて販売いたします。
お詫びと訂正
当財団紀要『法と実務』第7号235頁掲載の「ドメスティック・バイオレンス対応に関する弁護士向け研修
プログラムの作成」の共同研究者名に次のような誤りがありました。関係者の皆様にお詫び申し上げます
とともに訂正いたします。
誤 木全克己
正 木全和巳
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