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EUTR - ビューローベリタス

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EUTR - ビューローベリタス
システム認証事業本部
きたるEU木材規制(EUTR)に対するビューローベリタスのソリューション
1. イントロダクション
今世紀当初から森は貧困、気候変動、資源不足、食料安全性、エネルギー供給や生物多様性喪失などの複数
の世界的な課題の重要な解決策の一部であるとの認識が高まっています。三つの国際環境コンベンション(気候
変動枠組条約、UNCBD及び砂漠化対処条約)におき森林資源保護と促進は正式に優先事項であると確認され、
2006年には国連総会におき、2011年を国際森林年にすると宣言されました。このことは森林のグローバルな
戦略的重要性とその持続可能な管理は、ミレニアム開発目標を含む国際的に同意を得た持続可能な発展目標
及び貧困根絶を成し遂げる上で重要な役割を担うことを示しています。
最初に取り組まなければならない課題で過去10年間の間に優先事項として浮上してきたものとして、“木材製品
は合法的に伐採されたもののみを使用する“ということがあります。
(表1)
全世界における木材・木製品
全世界における推定違法木材・木製品
市場規模
市場規模
市場流通量
2.7億㎥
0.25億㎥
市場価値
US$ 489億
US$ 45億
木材製品とその関連取引においての法令順守は持続可能な森林管理を促す主な戦略の一つになりました。
これは国及び国際的なレベルにおいて、幅広い利害関係者グループや政府によるイニシアチブの数が急激に
伸びるという結果を生みました。2008年にアメリカでレイシー法が改訂され、同年12月15日以降は輸入申告なし
の木製品を含む特定の植物及び植物性製品の輸入は違法となりました。違法伐採木材・木製品取引の対応策
として、2010年には欧州議会はEU条例995/2010(違法木材規制条例、EU Timber Regulation=EUTR)を採択
し、欧州市場で木材や木製品を扱う業者に遵守義務を課しました。2011年末にオーストラリアではドラフトの
違法伐採禁止法案を公示し、近々正式に採択される見込みです。
2. EU木材規制(EUTR)
2.1 EUTR法的枠組み
EUは違法伐採と違法木製品関連取引の問題にフォーカスした法律を作成し実施してきました。最初の公式の
ステップは2003年のFLEGT(Forest Law Enforcement, Governance and Trade)アクションプランです。この
アクションプランは2005年のEU評議会法としてフォローされ、2008年及び2010年に実施されました。2011年10
月20日に承認されたEUTR条例995/2010の目的は市場に木材や木製品を仕入れる業者及び取引業者に義務
を課す事でした。同目的は以下の事項により達成されます。
1) 違法伐採木材又は違法伐採木製品をEU市場に輸入する事の禁止
2) 木材又は木製品をEU市場に輸入するEU取引業者にはデューデリジェンス(以下DD)を義務付け
3) EU市場内のEU業者は供給者と顧客の記録の保持義務付け
EU内に仕入れられた合法的な木材及び木製品は最終顧客に達する前に販売・加工が許されます。条例は
附属書(EU税関品目コード:4401、03、06~16、18、9403及び9406)に記載されている幅広い木製品をカバー
します。主な除外項目はリサイクル木材・木製品及び竹ベース
と回収材料製品によるパルプ・紙となっています。この条例は
EUが採択した合法木材・木製品の定義を確認するものでも
あり、国内と輸入木材・木製品両方に適用されます。
2.2 業者に対するEUTR要求事項
木材・木製品をEU市場に供給する業者に対する要求事項の
一つは業者が製品の出所に関してDDプロセスを必ず実行しな
ければならないことです。EUはDD実施の定義として「非合法木材を含む木材もしくは木製品をEU市場に仕入
れるリスクの最小化に関するリスク管理実施」としています。EUのDDシステムの3大要素は下表のとおりです。
(表2)
1
情報
2
リスク評価
3
リスク回避
業者は木材・木製品、産地、種、数量、供給者と該当国の法令順守の詳細の
情報にアクセス可能でなければならない。
業者はサプライチェーン内の違法木材のリスクを上記の情報と法令で定められ
たクライテリアを加味して評価する。
リスク評価の結果、違法木材のリスクがサプライチェーン内に存在し、リスクは
供給者に更なる情報と検証を課すことで回避できる場合。
業者は個別のDDプロセスを実施するかEUから認可されたモニタリングオーガニゼーション(以下MO)を起用
する選択権があります。ビューローベリタスはEU基準に適合するDDシステムを開発中であり、世界に先がけて
EU認可のMOの申請を欧州委員会に正式に行いました。
2.3
規制と罰則
同条例発効は2013年3月3日からです。同条例は全ての業者に対して法令順守義務を課し、EU加盟27ヶ国
全てで実施され、それらの国々は有効的で適切に行動を阻止する責任が生じます。条例はMOが欧州委員会に
認知される事を意味します。それらの民間組織はEUの業者にDDシステムを供給します。業者は自社システム
を開発する、もしくはEUから認可されたMOのシステムを起用する選択権があります。EU加盟国の任命された
適性を管理する当局(competent authority)は業者及びEU認可MOの法令順守の監視責任があります。
これらの「実施手段」はEU全体の統一された条例の実施を確実にします。EUTR条例の実施のマイルストーンと
期限は以下のとおりです。
(表3)
2010年10月20日
EUTRが欧州議会と理事会で採択。
2011年6月3日
加盟国は条例規制責任を負う適性を管理する当局を任命。
2012年3月3日
欧州委員会がMO認可に関するルールの発行。
2012年6月3日
欧州委員会により加盟国の条例取り締まりの詳細ルールの発行。
EUTR正式に発効。同日以後、木材・木材製品のサプライチェーンに関わる
2013年3月3日
業者はEU要求事項に適合したDDシステムの実施が義務付けられる。適性
を管理する当局は同日以後、法的に条例取り締まりの義務付け。
3. ビューローベリタスのソリューション

ビューローベリタスのDDシステム
ビューローベリタスはEU市場用のDDシステムとして機能する統合的プラットフォームの構築中です。ビューロー
ベリタスとGTS(ドイツのトレーサビリティー専門家)はEU小売大手業界のニーズのサポート及びEU要求事項
適合を示す為、EU小売大手企業と協働しています。EUTRの完全遵守と許容レベルの保証の為にビューロー
ベリタス/GTSプラットフォームは以下の活動の際に基準と手順を用います(表4参照)。
(表4)
1
情報の検証
提供情報の完全性と正確性を確実にする為に、ビューローベリタスはEU認定
手順を基に独立した文書レビューを実施。
効率的なDDシステムにする為、ビューローベリタスはサプライチェーンの違法
木材混入リスク評価手順を開発・運用します。この独立したリスク評価の結果は
2
リスク評価
適切なレベルの保証提供の為の必要な監視レベルの定義とリスク回避手法提
供に生かされます。ビューローベリタス手順ではリスクを5段階で定義をします
(軽微、低、中、高、重大)。
リスク評価がサプライチェーン内に違法木材存在の可能性がある場合、ビュー
3
リスク回避
ローベリタスは低リスクの場合の事務所での簡単な文書レビューから高リスク
の場合の現場監視審査など様々な必要な回避手段を提案します。
ビューローベリタスのITプラットフォーム及び適切な基準と手順を含むDDは現在最終調整中であり、正式に欧州
委員会に2012年前半に提出される予定です。
ビューローベリタス ハーバート・デボナフォス(川手洋明編集・訳)
*以下のサイトでEUTRに関する更に詳しい情報がご覧になれます。
http://ec.europa.eu/environment/forests/home_en.htm
http://ec.europa.eu/environment/forests/timber_regulation.htm
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