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国際博物館の日新聞2013年度版です。

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国際博物館の日新聞2013年度版です。
心にのこったわたしのミュージアム(韓国)
博物館と平和への想い
平成 25 年 5 月 18 日
vol.6
UMAKU☆(ペンネーム)
私が【博物館】
と言うキーワードを聞いて思い浮かべる場所。
その場所は日本のお隣の国【韓国】のソウルにある。高校二年の
夏休みに始めて韓国に行った時、初めてできた韓国人の友人に
連れられて行ったのが朝鮮半島の戦争の歴史が分かる「韓国戦
争記念館」。
3万5000坪の広大な敷地には、5000年の朝鮮半島の戦争
史を見ることができる展示室や、屋外大型展示、
カフェ、噴水な
どがある。
メインの室内記念展示室は三階建てで、展示は歴代韓国でお
きた戦争が時代順に展示されている。一階は戦争歴史室。旧石
器時代の争いの際に使用された武器や歴史の教科書等で写真
でしか見た事のないものが展示されている。その中でも特に、
亀甲船のレプリカは圧巻である。
友人達からのジェスチャー混
じりの英語と部活の顧問からの
解説を聞きつつ、1つ1つの展
示を見ていた私だが、ふと、
(このまま進むと日本との戦争の展示もあるのでは?)
と気がつ
いてしまった。
まだ韓国語も日本と韓国の歴史も全く知らなかった当時の私は結局、三階
の朝鮮戦争室には入る事が出来なかった。今思うと、韓国の友人達にとても失礼なことを
してしまったと、心が痛む思い出だ。
両国の歴史を少しだけ理解し、韓国の言葉でコミュニケーションもとれるようになった
今、
いつかまたあの博物館を訪れてみたいなと思っている。
また、最近のニュースを見て願う事は、
この記念館にもう二度と戦争の歴史が追加され
ないように毎日の平和を祈るばかりだ。
心にのこったわたしの一品
捕鯨図屏風 ∼のどかな鯨捕り∼
投稿者一覧
鳥巣京一(NPO 法人ミュージアム研究会 / 福岡市博物館)
江戸時代の鯨の捕り方は、江戸初期には鯨銛と鯨剣でがむしゃらに仕留める方法から、網船が張った鯨網に勢子船が
鯨を追い込んで仕留める方法に改良される。江戸中期以降には、
とくに西日本各地で、
より組織化がすすみ鯨の捕獲から
解体まで一貫した統制でおこなう一大産業となった。
この屏風には、左画面には勢子船に追われ鯨網の方向へ潮を吹きながら逃げる2頭の鯨が描かれる。
すでに鯨には一
本の鯨銛が命中、次の鯨銛が空中を飛翔する。ただ波は穏やかで、勢子船も遠巻きで、鯨銛を打つ羽指も見物気分で緊張
感がなく、空中の鯨銛も宙を流れ、鯨網も三重でなく一重で結局逃げられそうである。鯨の目もどことなく人間風で、潮吹
きの数も一頭に二本有る。
右画面には、仕留められた鯨が轆轤で浜に引き揚げられ、老若男女の人たちが駆けつけている。捕獲した鯨の解体とい
うというよりは、漂着した鯨の歓迎の雰囲気が漂う。漁村の家々や山頂の望楼風の山見(鯨発見する場)の建物も牧歌的
で、桃源郷風ですらある。
江戸時代後期、勇壮な捕鯨と、肉や骨の一片も余さず利用するた
めのシステマチックな解体の様子は、各地の実写風な絵巻物や刊行
本で知られ、一方洋学などの影響で生態学的な絵画も出現する。そ
れらにくらべると、
この屏風の鯨と鯨捕りは、むしろ掛網銛突法がは
じまって間もない江戸中期の、つまり、
まだ捕鯨の実態が広く知られ
ていない時期の、のんびりした捕鯨図のイメージを残す。
このようにこの作品は、実際の捕鯨とはかけ離れたもので、のどか
な海辺に、目出度く富をもたらすといった鯨への憧れなどがうかが
える屏風である。
すなわち、人にとって鯨が「生を超えたもの」あるい
は「未知なるもの」であり、
それへの接触を志向しているのである。
「捕鯨図屏風」19世紀初期(福岡市博物館蔵)
江藤信一
布谷知夫
清水麻記
UMAKU☆
村田彰三
鳥巣京一
キタムラアキラ
住田勉
並木美砂子
発行所
NPO 法人ミュージアム研究会
http://www.museum-lab.net/
心にのこったわたしのミュージアム(日本)
愛媛人物博物館 http://www.i-manabi.jp/museum/
住田勉(NPO 法人ミュージアム研究会 / 愛媛県松前中学校教員)
「八重の桜」の会津と同じく逆賊となった松山藩は抵抗
もすることなく土佐藩に占領され維新に乗り遅れまし
た。
この気候温暖なのんびりとした城下町には漱石に
馬鹿にされようが愛し続ける寛容さも持ち合わせてい
ます。司馬遼太郎の「坂の上の雲」にあるように政治の
世界では成功できない伊予人は軍人や文学の分野に活
躍の場を見出したのです。
この愛媛人物博物館にはこ
の明治期の正岡子規や高浜虚子をはじめとする俳句人
や秋山兄弟など愛媛にゆかりのある人物を展示した博
物館です。県単位でこれだけ多くの人物を展示している
施設は珍しいのではないでしょうか。
ご覧になればきっ
と展示人物から県民性やお国柄がわかっていただける
でしょう。愛媛に来られる機会があればぜひ一度立ち寄
っていただければ幸いです。
きっとみかんと道後温泉だ
けじゃない愛媛を発見できるはずです。
村田彰造(NPO 法人ミュージアム研究会顧問 / 沖縄リゾート代表)
私の子供は大阪で生まれました。周りは人口密集地で工場や車がひっきりなしに
行き来しています。2人共呼吸器疾患の為、病院巡りをしましたが、一向によくならず
思い余って主治医に相談したところ、薬も大事ですがまずは環境(空気でしょうね)
と
言われました。
私は始めた会社が軌道に乗り始めた時だったのですが、子供の健康には変えられ
ないと日本一空気の綺麗な座間味に引越ししたのです。周りは珊瑚礁に囲まれ、大自
然がいっぱい、空気も美味い。子供達は見る見る元気になりました。余命3ヶ月
(大阪
の病院で)宣告された父も今では94歳に。。。。。
!生活は民宿、
ダイビングサービス、
ホエールウオッチングをしていますが、
おりしも我々家族が移住した年に50年ぶり
にザトウクジラが帰ってきました、1ヶ月もした頃、赤ちゃんを産んだのです。島中の
人が見守る中、あくる年は16頭を連れて帰ってきました。
おかげで今では600頭
ものくじらが帰ってくる、奇跡の楽園になったのです。
座間味には交尾、出産、子育てに来ます、毎年12月から増えて2月には毎日30
頭ものクジラたちに逢えます。
ところが今年はクジラが居ないのです。。。。山からも見
えません。船を出して、
オスのソングを聴こうとマイクを入れると、例年どうり歌を歌っ
ています。そう、空気を吸いに浮かないんです。後で日記をみると、エアロゾルで視界
が悪く、偏西風の強い時だとわかりました、
クジラたちはこの人をも死に至らしめる
空気を吸いたくないんです。
このエアロゾルには車の排気ガス、化学物質、工場の煤
煙など毎年何十万人もの死者を出してる元凶なんです。それがジェット気流に乗っ
て、大気汚染を引き起こしていたんです。
くじらにとって最も神聖な出産の地が汚さ
れどんなに悔しかったことでしょうね。
経済最優先の人類がもたらすものは、地球の環境
破壊でしかありません。
この星に詫びるために、排ガ
ス規制、大量消費を無くし、放射能を出さない、節
電、節水、無害の洗剤、国や行政は勿論、企業や我々
個人が実行しないと、
くじらのオアシスは消えてしま
います。
実行するのは何時でしょう。。。
それは”今でしょう”
青森の2つのミュージアム
並木美砂子(NPO 法人ミュージアム研究会 / 帝京科学大学生命環境学部)
弘前に住んでいる高校時代からの親友と、
このGWに青森の「三内丸山遺跡」と
「青森県立美術館」を訪ねました。三内丸山は、
まだ発掘作
業が続けられ、遺物の出土する状況や発掘作業がわかるよう工夫された小さなドームが点在しています。復元された6本の大きな柱も目立
ちますが、心惹かれたのは、幼児や子どもたちのお墓でした。亡くなった子どもは膝を折りうずくまる形で「甕」の中に納められ、整然と並べら
れていました。大人のお墓が住居から離れたところに造られていたのに比べ、子どもたちのお墓は住居に隣接しています。
どんな思いで子ど
もたちを埋葬したのか、数千年前、遠い空と海を見ながら涙したであろう親たちの姿が目に浮かぶようでした。
すぐ近くには青森県立美術館
もあり、
なんと、
そこでは「大哺乳類展」が開催されていました。上野の国立科学博物館で開催した展示がきていたのです。美術館での開催に
少しびっくりしましたが、子どもたちの長蛇の列に、
またまたびっくり。美術館の常設展では、棟方志功の初期作品である油絵も見られます。
ゴッホに憧れていたことがよくわかりました。青森を訪れたらぜひ、足を運んでみてください。新青森駅からバスで10分のところにあります。
三重県に新しい県立博物館が誕生します
布谷 知夫(三重県立博物館)
三重県立博物館は今年(2013年)開館60周年です。過去には基本設計の終了まで終わっ
た新博物館計画が1998年に白紙になり、
その後2回の動きがありながら挫折という歴史が
ありましたが、今回4度目の正直で2007年に知事の指示で新計画が動き始めました。
さら
に博物館計画はゼロベースで考える、
という新知事の誕生もあって議論が進められたが、
そ
の後は順調に計画が進んでいます。
すでに建物の引き渡しが終わり、2014年の春に開館を
迎える予定です。津駅からおよそ2kmの位置になります。
新しい博物館の名称は「三重県総合博物館」、延べ床面積は1万㎡余りで三階建て、職員
は学芸員17名と学芸系の嘱託職員6名、
その他のスタッフが計画されており、展示も日常の
活動も、
自然と歴史・文化を一体とする総合博物館とし、同時に公文書館機能を併せ持つ計
画になっています。展示と共
に「交流創造エリア」という空
間を広く作り、多くの利用者
の「たまり場」のような博物館
であり、同時に野外と、そして
地域社会と強く結びついた活
動を行う計画です。 海女のむめさんに会いに
∼海の博物館∼
キタムラアキラ
(株式会社日展博学支援室)
わたしの一番のお気に入り博物館は「海の博物館(うみのはくぶつかん、英表記:Toba
Sea-Folk Museum )」。1992年(平成4年)、現在の志摩半島へ移築後に訪れた時の感動
は今も忘れられません。
内藤廣が設計した集成材木造トラスと日本瓦葺きの建築群は、周辺の漁村や自然の風景
に溶け込み、もっとも美しい日本の博物館建築だと思います。木造蔵のような建物は、日本
文化デザイン賞、
日本建築学会賞、芸術選奨励賞、公共建築百選、吉田五十八賞などの名だ
たる賞を多数受賞しており、特に本殿とも言える船の収蔵庫は圧巻です。
また、展示内容も、
海女さんや漁師、船乗りなど、歴史学者の網野善彦によって「海民(かいみん)」と呼ばれた
海とともに日々を営む人々にスポットをあて、膨大な資料
はモノとしての展示だけでなく、それらを使ってくらしてき
大牟田市石炭産業科学館
江藤信一(NPO法人ミュージアム研究会/久留米工業大学)
た人間が主題となっています。ほとんどの展示は学芸員さ
んの手づくりで作られていて、
海女のむめさん人形や大敷
福岡県大牟田市の「石炭産業科学館」を紹介します。近代の日本の発展に大きく
網の模型、
カツオの一本釣り船の原寸再現など、
どれも海
貢献した三池炭鉱は、石炭から石油へのエネルギーの変換とともに1997年に閉山
民への愛情あふれる作品と言っていい素晴らしい展示ば
しました。
この科学館では、三池炭鉱の歴史から炭鉱の技術や採掘・運搬などインフ
かりです。
ラネットワーク、
その大牟田のあゆみの展示、
さらにはエネルギーに関連したアトラ
その後も何度か車で通いましたが、先日、静岡へのサイ
クションなどを備えた科学館です。特に目玉は400m地下の炭鉱内を再現したトン
クリングの帰路で久しぶりに海の博物館へも立ち寄りまし
ネルアトラクションです。掘削機器や運搬車両などが実際に動くアトラクションにな
た。志摩半島のリアス式海岸特有のアップダウンを走り抜
っており、
ちょっとしたテーマパークとしても子供も楽しめます。三池炭鉱は15世紀
け、
やっとの思いでたどり着いた海の博物館は、穏やかな
に発見され、500年以
海とともに変わらぬ風情であたたかく迎え入れてくれまし
上も大牟田、
日本の産
た。菅島の海女、むめさんの人形も健在で、最盛期の貴重
もっと求む!乳児に配慮した博物館
昨年、子どもが生まれて世界が180度変わりました。展示物の作り手にとっては、乳児向けの展示やプログラムというの
業を支えてきた 遺 産
な記録映像や写真ととも
は難しいですし、
来館者側にとっても乳児と外出するというだけでハードルが高いということを実感しています。
児童館な
清水麻記(NPO法人ミュージアム研究会)
であり、九州各地の近
に、実在のむめさんとの
どがある場所では、児童館が乳幼児にとって博物館的役割を果たすこともあるかと思うのですが、児童館も博物館もない
代産業を支えた遺産
再会を楽しむことができ
離島に住んでいる者としては、将来、乳児向けの展示を含む巡回展の登場を待ち望みたいところです。
群のひとつとして世界
ました。
NHKの朝ドラで
展示以外で、最近気になっているのが、
「授乳室」です。商業施設や交通機関の「授乳室」
よりも、断然、博物館の「授乳室」のほうが落ち着きます。
遺産登録に向けた活
は北国の海女が
話題に
放送の音も少なく、授乳するのに適切な落ち着いた環境が整っているように感じます。沖縄に引っ越した後に、
よく行くようになった沖縄県立博物
動も行なっているよう
なっていますが、
たくまし
館・美術館の授乳室も親子ともどもお気に入りの場所です。授乳後には、無料スペースのふれあい体験室のハンズオン展示で遊ばせていただい
です。周辺の坑跡や港
く神聖な志摩半島の海女
ています。展示室には、
いつ泣きだすか分からない赤ちゃんを連れていきにくいですが、
こうした無料の展示スペースや「授乳室」があることで、親
などの施設と合わせ
さんたちにも会いに行っ
も赤ちゃんも日常とは少し違った体験を楽しむことができます。
「授乳室」が展示室と同じ明るさになるスイッチがあるとか、
「授乳室」内にちょっと
て、歴史に寄り添った
てみませんか?
したコーナー展示が設置されたりしていると面白そうだなぁ、
と思います。
日々、あったらいいな!こんな博物館の「授乳室」を妄想しています。
科学館です。
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