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小野篁歌字盡 - 東京学芸大学附属図書館ホームページ

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小野篁歌字盡 - 東京学芸大学附属図書館ホームページ
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
・片仮名・平仮名はそのままとしました。
この部分を解読することで、どのような漢字が記されているかを知り、
漢字の選択や配列から本書の趣向を感じ取ることができます。
く
・反復記号「ゝ・ヽ・
」は原本通りとしました。
・破損のため判読不可能な箇所は他本を参照し、推定して
で示しています。
たかむらうた じ づくし
・」= 改行を示す符号です。
(表紙)
の
全
[ つ]き
1
往来物①
所蔵資料を読む
・清濁及び文字遣いは原本を再現しましたが、理解を助けるために
50
適宜句点を打ち、( )で漢字を併記した部分があります。
小野篁歌字盡
しんぱんおののたかむらうたじづくし
デジタルアーカイブ収録資料の中には、くずし字や変体仮名で本文が記さ
ほん じ
れてるものが数多くあります。こうしたものについて、読みやすい文字に
改めた翻字資料を用意しました。原資料にどんなことが書かれているのか
読みながら、遠い昔の学びの世界をのぞいてみませんか。
資料について
糎)
/
【 出 版 年 】 未詳
【版元】墨屋吉兵衛
【出版地】京
【板型】半紙本(
翻字
ほん じ
【所在】望月文庫
【請求記号】 T1A0/
21
凡[例 ]
・翻字では、右図の通り、漢字の両脇に記された仮名の翻刻を示します。
11
右
左
お
小野篁歌字盡
新
板
板新
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(2)
(7)
(6)
(5)
ゑ のき
ひさぎ
ひらぎ
おのゝたかむらうたじづくし
右 つばき
きり
左 ▲はるつはき、なつはゑのきに、
あきひ さ き 」ふ ゆはひ らぎ に、
おなじくはきり
右 ざくろ もゝ すもゝ からもゝ
左 ▲いしとむる(留)ざくろなりけ
り 、 て う は もゝ 」 き に こ 、 き に
くち、すもゝ、からもゝ
右 さかき はちのき とち けやき
くすのき
左 ▲かみさかき、ともははちのき、
まつ す ぎ
はねはとち」かたきはけやき、み
かしわ
なみくすのき
右 かや
ひのき
左 ▲ひやくはかや、しろきはかしは、
かき
くちなし
き みは ま つ 」ひ さ し き は す ぎ 、
たる
あふはひのきよ
右 やなぎ
はな
左 ▲う(卯)はやなぎ、たつときは
→
もも
2
たる、いちはかき」きに
かいで
さかづきはくちなしのはな
まき
●反復記号について
く 」ぐ
「
「ゝ 」「ゞ」「
・もゝ
つづく
→ きりぎりす
→ つらつら
」…二字分を反復
→
*「
【例】
・つく
ら
ぐ
・きり
す
く 」ぐ
「
・つゞく
【例】
*「ゝ」
「ゞ」…一字分を反復
読んでいきましょう。
れも反復記号です。次の例を参考に
」はいず
はくのき、こずゑせいなり
とに、かぜかいて」とくる
左 ▲おにゑんじゆ、まきはまこ
くのぎ こずえ
右 ゑんじゆ
(7)
(2) (1)
(3)
(4)
(5)
(6)
(見返し・1丁表)
(3)
(1)
(4)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(1丁裏・2丁表)
右 くい くい はしら けた
いた
左 ▲たつはくい、もともくいなり、
ぬし(主)はしら」ゆ くはけた
なぐさむ
なり、はんはいたなり
右 しつけ やさしき
きやしや
左 ▲みはしつけ、ことはやさしき、
て な ぐ さ み 」 は な の を ご るは き
すゞ
あぐる
やなぎ
やしや(華奢)なものなり
右 するめ
右 つぶて
ちりばむ
くすり こまへる
いちい
左 ▲いしつぶて、かねはちりば
む、きはいちゐ」くさはく
みや
なだむ
やすし
すりに、てこそこそぐる
右 むね
よろし
左 ▲しめすむね、ろはみや、あ
るはなだむなり」おんなは
なびく うす
みがく
やすし、かつはよろしく
右 あさ
まかす
右 つち はんざう
ひつ
右 むめ
くらす
くやむ
あなとる う み
ぼう
つるぼう、たつときはひつ
う、ぢやうはつえ」たてま
左 ▲おふはつち、いづみはんざ
つえ
みがく、めすはまるなり
く、いしはうす」てはすり
左 ▲あさはやし、あらずはなび
左 ▲うをするめ、こがねはすゞに、
す
あへる
まる
ゑふ
みづはゆとしれ
右 くむ
左 ▲しやくはくむ、ゑふは九十よ、
のぶる
すはながら(乍)」さけはみづなり、
ふす
おのれあへるぞ
右 やすむ
くだん
左 ▲きはやすむ、いぬはふすなり、
さ るのぶ る 」 み づ の へ まかす 、
うしはくだんよ
(9)
(10)
さけ
てはあぐる」きをはや なぎに、
ゆ
(6)
(7)
(8)
3
(1)
(2)
(3)
(4)
(10)
(9)
(11)
(13)
(15)
(14)
(12)
(2)
(16)
(5)
(1)
(3)
(5)
(4)
(6)
(7)
(8)
ふるまふ
らく、ほのふたんなり
あく ないがしろ
本書では、漢字の部首等に共通性が
方について
● 本 書 における 漢 字 の「へん」の呼 び
はないがしろなり
こゝろあく」にしのをんな(女)
左 ▲きはくりよ、こめはあはなり、
右 くり あは
(16)
左 ▲きはむめよ、ひとはあなとる、
くむ
み づ は う み 」ひ は く ら す な り 、
こゝろくやしき
右 あつかい すふ
左 ▲てにをよぶ(及)あつかひなれ
まゝ
ば 、 く ち は す ふ 」 み づ は くむ な
り、ひとはふるまふ
右 くらゐ のぶる ます
左 ▲たつくらゐ、ことははのぶる、
しょく
食 へん
ごんべん
けものへん
(2丁裏・3丁表)
(12)
あるものを並べています。覚えやす
いように、漢字の左z手には歌が示
されています。歌の中で「へん」は、
現代通 用の 呼び 方で は 示されて い
ません。次の例を参考にして読みま
金へん
しょう。
=
かね
・
「かね」
さんず い
=
りっしんべん
=
=
・
「みず」
・
「こころ」
・
「しき」「しよく」
=
あしへん
ぎょうにんべん
・
「ことば」
=
・
「たゞずむ」=
・
「あと」
=
・
「きん(へん)」= はばへん
・
「けもの」
(13)
たつくちは」ますといふじ(字)
しい
よ、つくすまゝなり
右 たれ きり おす
おさない
左 ▲ことはたれ、かねはきり也、て
うり かい
こ そ おす 」 木は し いな れ ば 、 の
いまだ
きはおさない
右 すゑ
左 ▲すゑはかみ、いまだはした(下)
の 大 き な り 」 あ るは う る な り 、
なきはかふなり
右 はうそう きず ひゞらく たん
左 ▲はうそうはもがさなりけり、こ
の(此)はきす(疵)」ふゆはひゞ
4
(9)
(10)
(14)
(16)
(15)
(4)
(11)
(1)
(2)
(5)
(3)
(6)
(7)
(8)
(11)
(12)
(13)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(15)
(14)
右 かさ
みの はし すぢ
み
左 ▲かさはたつ、みのはをとろふ、
いはほ
も の は は し 」す げ は す ぢ な り 、
みね
そのはみとしれ
右 あらし だけ
いわ
左 ▲かぜあらし、たかきはだけよ、
みぎり
すゞり
い ま は みね 」 い は ほ い つ く し 、
いさご
いしはいわなり
右 いそ
といし
左 ▲ぎはいそよ、いさごはちいさく、
あさし
いやし
き り みぎ り 」 み るは す ゞ り よ 、
はなむ け
といしとゞまる
右 ぜに
かけはし
左 ▲ か ね は ぜ に 、 じ きは は な む け 、
かご
をそひ
み つ あ さ し 」 か いは い や し き 、
たき
木こそかけはし
右 おぼろ
左 ▲つきおほろ、みつはたきなり、
た け は か ご 」 りや う ( 龍 ) の こ
ろもはかづくおそひよ
ちる
右 かる あやまる なげく
おしむ
左 ▲人はかる、かねはあやまる、
くち なけ く 」こゝ ろは をしむ 、
ふみはちるなり
右 ひとへ はだか ふすま
たすき
むち
し りが い
そばだつ
うく る
そねむ
まひはじ」やまはそばだつ、たゝ
なさけ
ずむはまつ
右 き よし
く
つら
左 ▲ み づき よ し 、 こ ゝ ろ は な さ け 、
ともしび
こ とは う け 」 け も のは そねむ 、
く
ひとはつら
右 あぶみ まろぶ すむ
いしばし
左 ▲かねあぶみ、あとふしまろぶ、
み づ は す む 」ひ は と も し び に 、
しよく を る はたじるし
いしはいしばし
右 しき
左 ▲ことばしき、みはしよく
なれば、いとはおる」きん
へんこそは、はたしるしな
れ
右 みやこ ひな こほり
しりぞく よこしま
左 ▲ものみやこ、ひないなかな
り、きみこほり」たにはし
りぞく、きばはよこしま
5
く び は みち 」 い く さ は は こ ぶ 、
むなが い
くわへはづるゝ
右 くら
あをり
左 ▲やすきくら、ひくはむながい、
じ
た よ りむ ち 」 あきは し りが い、
さふらひ
あをりふためく
右 とき
ふくろ
左 ▲たんひとへ、はつるははたか、
まつ
はこぶ
左 ▲ひはときに、人はさふらひ、や
い まふ す ま 」 し ろ は ふ く ろ に 、
たつ いたゞく
よう(要)はたすきよ
右 うへき
のする
左 ▲きはうへき、ころもたつなり、
しやう
こ と な る は 」 い たゝ く な れ ば 、
くるまのするぞ
右 は づ ふゑ や
ひちりき
左 ▲したははづ、よしはふゑなり、
みち
まへはやよ」いきるはしやうに、
せまる
あきはひちりき
右 まよふ
はづるゝ
左 ▲こめまよふ、しろきはせまる、
(13)
(14)
(15)
(16)
(11)
(12)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(1)
(2)
(3)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(5)
(4)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(3丁裏・4丁表)
右 ひぢ
たとへ かべ ひがこと
左 ▲つきはひぢ、ことばはたとへ、
みやこ
みち
つち は か べ 」 に ん べ ん こ そ は 、
まかな い
ひがことゝしれ
右 りやく
めくる
左 ▲たはりやくす、かいはまかない、
み づ みや こ 」 あ と は み ち な り 、
あゆ
とま をば
いとはめぐるよ
右 ねやす
ねらう
左 ▲こめねやす、うをはあゆなり、
ふるゝ
ひとり
たけはとま」おんなは おばよ、
そく
みるはねらふぞ
右 にごる
くさぎ
左 ▲みづにごる、ひこそそくなれ、
しば
かや
ちがや
つのふるゝ」けものはひとり、
はぎ
きはくさぎなり
右 をき
左 ▲てきはをぎ、あきははぎなり、
こ れ は し ば 」 の ぶ るは かや に 、
ていはちがやよ
右 いも あふひ
なすび けし
左 ▲ほすはいも、みつのとあふ
ひ、かはなすび」けしや、
いもうと よめ
からしや、あくたなりけり
右 あね
むすめ めい
左 ▲いちはあね、おとゝ(弟)
はいもと、さらはよめ」や
いつわる このむ
ゝはむすめに、うまるゝは
めい
右 ねたむ
を い すがた
左 ▲いしねたむ、したはいつわ
るこはこのむ」おとこはを
いよ、じはすがたなり
右 ひねる おちいる にごる
つくる あく
左 ▲てはひねる、つちはおちい
る、みづにごる」ことばは
あたゝか
あかつき
つくる、しよくはあくなる
右 はれ
あけぼの
6
(1)
(2)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(13)
(14)
(15)
(3)
(10)
(9)
(11)
(12)
(2)
(16)
(4)
(5)
(1)
(3)
(4)
(5)
(7)
(6)
(8)
しうとめ
(4丁裏・5丁表)
7
左 ▲はれあをし、こゝはあたゝか、
とり、うるはしうとめ
左 ▲おいはうば、ゑびす(夷)はお
うらみ
あ か つき は 、 き や う ( 尭 ) と い
ね
ば よ 、 はゝ は を ぢ 」 い ゑ は よ め
まなこ
ふじよ、あつき(暑)あけぼの
右 しろかね
(10)
をぢ むこ
(11)
を い むこ
(12)
右 おとこ
左 ▲たのちからをとこなりけり、た
よめとり
(13)
かきり
左 ▲かねはきん、めこそまなこよ、
はをいよ」うまるゝはむこ、う
をぢ
すはおぢなり
き は き の ね 」こゝ ろ は う ら み 、
まく
つのる くるゝ
こざとかぎなれ
右 したふ
ひきかへる はか
左 ▲みづしたふ、ちからはつのる、
ひはくるゝ」むしひきかへる、
つた やまのいも
どはかきんまく
右 あかね ひゆ
左 ▲にしあかね、みるはひゆなり、
はこべ
と りは つた 」 あ つ く あ づ か る 、
やまのいもなり
右 みやう が ふき
くさびら
左 ▲な(名)はなに(何)ととへば
みや う が よ 、 みち は ふ き 」 し げ
をば
るははこべ、とるはくさびら
右 うば
(14)
(9)
(2)
(15)
(3)
(16)
(4)
(1)
(5)
(7)
(6)
(8)
(16)
(11)
(12)
(13)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(15)
(14)
右 たばかる かしまし
とゞろく
左 ▲おとこみ(三)つか(書)けば
たばかる、 おんなをば 」かしま
めゝざこ
しとよむ、くるまとゞろく
右 あつまる おろか
なまぐさし
左 ▲み(三)つか(書)けるとりは
あ つ ま る 、 し か おろ か 」 う をは
めゝざこ、ひつじなまぐさし
いのち
ひかり
右 さる
うし
つちのへ
きのへ む ま
いぬ
左 ▲さるうしはいづるに、いでぬき
くつろぐ
の へむ ま 」 い ぬ にて ん あ り 、 な
きはめ
きはつちのへ
まど
ひさし
かぬるむろなり
たな
た な 、こ ろ ひ さ し 」 ふ る と り い
とびら
もどる
とふ、いほりとゞ ま[ る]
右 あふき
はなぶさ わざはひ
左 ▲ははあふぎ、あらずはとびら、
い ぬ も ど る 」は うは は な ぶ さ 、
をとはわざはひ
いゆるなりけり
右 き く ひ ら く ふさぐ
しづか う る[ ふ]
左 ▲みゝはきく、い(井)はひ
ら[ く]なり、したふさぐ」ひ
としくしづか、うるふみつ
のゑ
8
くら
左 ▲きはゆかよ、かぬるはくりや、
みつしたや」いくさはつもる、
よ
くるまくらなり
右 おもふ
右 そら
くはだつ
左 ▲ふたごゝろあるはおもふよ、
むろ
もり
いとふ
まるきはめ」ちやうはくつろぐ、
左 ▲たくむそら、たちまちはまど、
いまだよに」いのちはしる
いそがし
しや、やむる(止)くばたつ
右 ねや やみ とふ
右 ひろし
あらそひ
左 ▲けいはねや、をとはやみなり、
右 ひらり しやらり ともかふも
左 ▲ひがしよりきたるはひらり、に
ふかし
におとこうはなり
右 ひばな
おどろく
右 いゑ
いゆる
づふ か し 」 き も り 、ひ (日 )ひ
まつたく めし
かり、むまはおどろく
左 ▲きちはいゑ、わ う[は ま]つたく、
りやう は[ め]し」ところとこゝろ
左 ▲みつかけるひはひはななり、み
左 ▲き(黄)はひろし、うらなふは
いほり
ともはあらそふ
く ち は とふ 」 い ち い そ が し く 、
ともかふもよむ
つちのと
右 なぶる うわなり
したや
を な ぶ る か な 」 りや う の お ん な
右 すでに をのれ
まくる
左 ▲おとこふたつなかのをんな(女)
ゐる あま
つちはみなつく
右 いゑ
くりや
かいはまくるぞ
右 ゆか
つもる
す くふ あ ま 」 め は ま ゆ な れ ば 、
左 ▲いゑいたる、ふるきはゐるよ、
まゆ
左 ▲すでに か[ み]、おのれはしもに、
つき に け り 」 みは み な は な れ 、
み
ししやらり」さうのそでこそ、
(13)
(14)
(15)
(9)
(10)
(16)
(11)
(12)
(7)
(8)
(1)
(2)
(3)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(6)
(5)
(4)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(5丁裏・6丁表)
まもる
た(田)いかづち」はや
きやく
右 いゑ
右 おもふ
右 かぎ
右 ひとへ
まふけ
いき
なべ
ず[ る]ゆみはひ く[ 」]十はそ
つなり、きはむくれんじ
むくれん じ[ ]
左 ▲こ ゝ[ ろ]こい、へんはへん
右 こい へんずる ひく そつ
く
し、さ ら[ た]より」なかはと
もなふ、まふけもろ
左 ▲へんひとへ、まきはものう
ともなふ
ものうし たより
ゞみに、ゐるはのこぎり
ぢ、たうはなべ」けいはか
左 ▲やくはかぎ、おふはかなつ
かゞみ のこぎり
かなつち
つぐはほしいまゝなり
り、みづからは」いきなり、
左 ▲たはおもふ、わくるはいか
ほしいまゝ
いかり
しながあめ、しもはあい
なり
く
つまび ら か さとる
[
]
左 ▲ゐのこいゑ、をの
はきやく、
かづら
す んまもる」ば んつまびらか、
みたれがみ ひげ
まつりさとるぞ
右 かみ
もとゞり
左 ▲ともはかみ、まつみだれかみ、
つゞる しころ
こ の はひ げ 」 な りは か づ ら に 、
めすはもとゞり
右 すゝる なわて
ひろふ
左 ▲くちすゝる、たこそなわてに、
つむ
いとつゞる」かねはしころ に、
てはひろふなり
かたき
右 しづく かぶらや
ちやくし
左 ▲ みづしづく、かねはかぶらや、
いかづち
てはつむぞ」おんなはちやくし、
かたきうけなり
しも
右 くも うるほひ
ながあめ
左 ▲いふはくも、そむるうるほひ、
(6)
(7)
(8)
(9)
9
(1)
(2)
(3)
(9)
(16)
(4)
(5)
(10)
(12)
(11)
(13)
(15)
(14)
(1)
(4)
(2)
(5)
(3)
(6)
(7)
(8)
右 じゆつ みちびく ちまた
よこさま
つく
左 ▲きはしゆつよ、われはみちびく、
くぎ
まち
け いち まき 」 か さ な る は つ く 、
ともしび
うをはよこさま
右 みきは
うつ
左 ▲みづみきは、ひはともしひに、
つゆ
あられ
かね は[ く]ぎ」たはまちなれば、
てをうつとよむ
右 かすみ きり
ゆき
左 ▲だんかすみ、むはきりなれや、
かなしむ
みち は つゆ 」 ち るは あ られ よ 、
] わするゝ
ゆきたぐひなり
右 う れ へ[
いむ
左 ▲あきうれへ、もうはわするゝ、
かま からすき
にはか
つく
(6丁裏・7丁表)
10
また、からすきぞかし
右 たゞし ぞく
とぎ
左 ▲かつたゞし、たにはぞくなり、
しかと
いかり よどむ
われに は[ か]」すんはつくなり、
くはふるはとぎ
右 おきて
ほころぶ
む]」いとはほころぶ、
と]よむ
左 ▲てはおきて、いしはいかりに、
み[づよど
みゝし か[
(15)
ひ か な しむ 」 を の れ が こゝ ろ 、
くわ
いむとしるべし
右 すき
左 ▲すけはすき、あきはくわなり、
かねは つま 」と(利)き うしは
(10)
(9)
(11)
(16)
(14)
(13)
(12)
(2)
(1)
(3)
(4)
(5)
(7)
(6)
(8)
(15)
(16)
(10)
(11)
(12)
所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(14)
(13)
右 おけ わく おどる
ひとがた
いたむ
あぶら
そで
左 ▲きは お[ け] よ[ 、]みづはわくなり、
あ し お と る 」 や まひ は い た む 、
ぬき んず
ひとはひとがた
右 つむぎ
ぢく
左 ▲いとつむぎ、てこそぬきんず、
つなぐ
ち ゞむ
み づ あ ぶ ら 」こ ろ も は そ で よ 、
つむぐ
くるまちくなり
右 うむ
つくろふ
左 ▲はうはうむ、せむはつむぐよ、
はつなぐ」やどはちゞみよ、
をはる しばる
ぜんはつくろふ
右 ね る わた
め、たんはゑい」おどすかい
かれい たこ
らぎ、あきはしいらよ
右 かます こち
はまち
左 ▲ともかます、およぶはこち、め
はかれい」せうはたこなり、
たら た い す し こ い
はんははまちよ
右 ます
左 ▲そんはます、ゆきたらなれば、
にくむ
しうはたい」すしはながらに、
さとはこいなり
右 ゑそ をくる そう
左 ▲うりつゞく、ものはをとしれ、
おさむる
あや
もん
かつ は[ く]む」つぐるはむすぶ、
おかはつななり
右 ほそし
ぬい
右 しび
かれい
にしん うぐひ
左 ▲あるはしび、あらすはにし
ん、とし う[ ぐ]ひ」わうあ
まるうを、かれいなりけり
右 わし
左 ▲たはほそし、うちはおさむる、
む き は あや 」 も んは も ん な り 、
さはら
どぢやう
くまたか ぬゑ
あふはぬいなり
は む[ ] す[ ゞ]き
い[ か]
か、 よ[る は]ぬゑ」みそさゞ
いこそ や[す き]とりなり
みそ さ[ ゝ]い
左 ▲つくはわし、しうはくまた
右 なます
かつを ぶり
左 ▲ねんなまず、ゆたかははむに、
なよし
ろ は す ゞき 」 か た き は か つ を 、
あぢ
しはぶりぞかし
右 とび う を
ます
左 ▲うをはゑそ、かいはおくるに、
なます
右 さけ
ふな
か ら[す い]か」とちやうはおいて、
ふなはつくなり
左 ▲けいはさけ、あをきはさばよ、
さば
り[ 、] る[はな よ]し」はるはさわ
らに、なますあふなり
左 ▲まづとひうを、まゐるあぢな
人はそう」こゝろはにくむ、
うで こし わき
つちはますなり
右 かいな
ゑだ
むす ぶ[ ]
左 ▲すんかいな、 あ[ つ]るはうでに、
ようはこし」しうはわきなり、
くむ
しはゑ た[ と]しれ
右 つゞく を
つな
(14)
くれない
ゑい
かいらぎ
左 ▲ ひ が し ね る 、 し ら[ き] ぬ は わ[ ]
た、ふ ゆを は る」もつぱらしば
さめ
る、たくむくれない
右 くじら
しいら
左 ▲きやうくじら、まじはるはさ
(15)
(16)
(11)
(12)
(13)
(6)
(7)
(8)
(9)
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(1)
(2)
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所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(5)
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所蔵資料をよむ:往来物① 『小野篁歌字盡』
(2)
(1)
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(14)
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(10)
右 うづら
つぐみ こう
ほとゝぎす
左 ▲かううづら、そくはつくみに、
ねこ
む じ な、
きつね
ゑ は こ う よ 」 と き の と りこ そ 、
むじな
ほとゝぎすなれ
右 たぬき
おゝかみ
く
左 ▲ さ と たぬき 、 お の
むかで
はち
つ め き つね 」 な へ は ね こ な り 、
かげろふ
らうはおほかみ
右 にじ
くも
左 ▲たくむにじ、ひがしかげろふ、
き みむ か で 」 は う は は ち な れ 、
しゆはくもなり
ぐ
まがき
す
たるき ふし
右 くはひん へいじ
へいじなり
右 つる しぎ
ひばり
かも
は[ と]
左 ▲くはく(隺)はつる、たは
12
きやうきり
右 さほ
つゝ
左 ▲ほすはさほ、ともへはまが
きつのたるき」すなわちふ
ふのり
しに、おなじくはつゝ
右 かいだう なまこ
左 ▲うみな ら[ は]、かいだう、
なまこ、うみねづみ」うみ
のしたみは、ふのりなりけり
右 みそはき ゑのこぐさ
左 ▲ねずみのを(尾)くさとか
きてはみそはぎよ」いぬの
を(尾)ぐさはゑのこぐさ
なり
右 とんばう
左 ▲はなのもとにならびかはら
みゝづ
左 ▲せいれいはとんばうなるぞ、た
す
かわら(瓶)にこ(子)は
(瓶)くわひんなり」ならぶ
右 かいこ
ぐ
ま た は の み 」ふ ゆは い な ご に 、
左 ▲てんかいこ、とくるはかによ、
きり
かに のみ いなこ
くはみゝずよ
んは せ み 」 け いは かわ づ に 、ひ
せみ かはづ
(6)
(7)
(8)
(1)
(2)
(3)
(4)
(7丁裏・8丁表)
(3)
(17)
(9)
(10)
(4)
(18)
(5)
(5)
(16)
(6)
(7)
(8)
(9)
いのしゝ
し ぎ な れ や 、 か[ も] か ぶ と 」 く
(九)ははとなれば、く ら[ は]び
ばりよ
右 ゑん こう かはうそ
左 ▲ゑんこうは二じともにさる、た
あぶ
か
のむ こ そ 」 か わ う そ と よ め 、 も
のはゐのしゝ
右 かまきり けら
ひる
いもり
左 ▲たうらうはかまきりむ し[ よ]、
け らふ るし 」 ば う は あ ぶ な り 、
ふみはかとしれ
右 へ[ び] くちばみ
むかで
左 ▲なりはへび、なつはくちばみ、
そくい
つぶ
いた るひ る 」 いもり みや も り、
むかでひやくそく
右 あめ ちまき こ
左 ▲あめあたる、ちまきはむねよ、
こはわくる」そくいうらなふ、
つ[ ぶ]はたつなり
右 くらげ み[ る] ゑひ あま
左 ▲うみのつきくらけよ、みるはう
みのまつ」 う みのおひ 、う みの
き
もと
京綾小路通麹屋町西へ入町
墨屋吉兵衛板
だい
指導
翻字
作成
黒石陽子(本学人文社会科学系 日本語・日本文学研究講座教授)
杉本紀子(附属国際中等教育学校 附属高等学校大泉校舎教諭)
東京学芸大学附属図書館 往来物・双六研究会
平成二十二年三月
(後表紙)
監修
※本稿を研究会の許可なく、他に転載・使用することを禁止します。
図書館有志職員による往来物・絵双六の研究会。黒石陽子教授(本学人文社会科学
【東京学芸大学附属図書館 往来物・双六研究会とは】
系日本語・日本文学研究講座)、杉本紀子教諭(附属高等学校大泉校舎 附
, 属国際
中等教育学校)のご指導のもと、デジタルアーカイブ収録資料の本文について翻字
を進めています。
13
むしあま
こほり
右 けいとうげ
はつゆぐさ
いとうげ」 かものかし らのくさ
左 ▲ に は と り の 、 か しら の は な は け
つゆぐさ
りに、きはも と[ よ]」大にてんあ
る、いぬとよむなり
左 ▲てんうてば、みづ(水)はこほ
いぬ
右 みづ
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