...

2001 Vol.50 No.5 資料 日本アイソトープ協会医学・薬学部会

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

2001 Vol.50 No.5 資料 日本アイソトープ協会医学・薬学部会
RADIOISOTOPES, /*, ῎ῌῑ῍῎῎ῒ ῎῎ῌῌ῍῏
資
料
ῐῐῐῐῐῐῐῐ
῎サイクロトロン核医学利用専門委員会が成熟技術として認定した
放射性薬剤の基準 ῌ,**+年改定῍῏ に関する解説ῐ
日本アイソト῏プ協会医学ῌ薬学部会サイクロトロン核医学利用専門委員会
核薬学ワ῏キンググル῏プ῔῔
῍῍῏῍ΐ῔ῐ῍ 東京都文京区本駒込 ῎῍῎ΐ῍ῐῑ
Key Words ῎ positron emitting radiopharmaceuticals, minimum requirements for
positron emitting radiopharmaceuticals in medical institutes, general
rules for preparations, general tests, fluorine-῍ΐ-῎-deoxy-῎-fluoro-Dglucose, oxygen-῍ῑ-oxygen, oxygen-῍ῑ-carbon monoxide, oxygen-῍ῑcarbon dioxide, manufacturing environment, manufacturing control
organization, quality control organization, environmental monitoring,
drug product standard code, manufacturing control standard code,
manufacturing hygiene control standard code, quality control standard
code, Good Manufacturing Practice
基準 ῎῎ῌῌ῍年改定῏ΐ をより有効かつ適切に利
ま え が き
用していただけるように῍ 基準に記載の事項に
本解説は῍ ῒサイクロトロン核医学利用専門
対し῍ 技術的な留意事項なども含め῍ 適切な
委員会が成熟技術として認定した放射性薬剤の
注῍ 解説をまとめたものであるῌ ただし῍ 本解
説は῍ 現時点における情報を基に作製されたも
῔ User’s
Guidelines and Recommendations on
Good PET Radiopharmaceutical Manufacturing. Nuclear Pharmacy Workgroup, Subcommittee on Medical Application of Cyclotron-Produced Radionuclides, Medical Science
and Pharmaceutical Committee, Japan Radioisotope Association ῎ ῎ΐ-ῐῑ, Honkomagome ῎chome, Bunkyo-ku, Tokyo ῍῍῏-ΐ῔ῐ῍, Japan.
῔῔ サイクロトロン核医学利用専門委員会
委 員 長 小西 淳二 ῐ京都大学大学院医学研究科ῑ
同専門委員会核薬学ワ῏キンググル῏プ
主
査 佐治 英郎ῐ京都大学大学院薬学研究科ῑ
委
員 井戸 達雄ῐ東北大学サイクロトロンῌ
RI センタ῏ῑ
井上
修ῐ大阪大学医学部ῑ
岡田 昌二ῐ静岡県立大学名誉教授ῑ
鈴木 和年ῐ放射線医学総合研究所ῑ
田中
彰ῐ昭和薬科大学ῑ
前田
稔ῐ九州大学大学院薬学研究院ῑ
安原 眞人ῐ東京医科歯科大学医学部附
属病院ῑ
オブザ῏ 石渡 喜一῎ῌ 東京都老人総合研究所῏
バ῏
岩田
錬ῐ東北大学大学院工学研究科ῑ
久下 裕司ῐ北海道大学大学院医学研究科ῑ
間賀田泰寛ῐ京都大学大学院薬学研究科ῑ
三宅 義徳ῐ国立循環器病センタ῏ῑ
ῐ ῑ῏ ῑ
のであり῍ 今後新たな情報の提供や整備にとも
ない῍ 逐次改定される予定であるῌ なお῍ 各施
設は῍ ῒサイクロトロン核医学利用専門委員会
が成熟技術として認定した放射性薬剤の基準
῎῎ῌῌ῍年改定῏ΐ ῍ およびその参考資料などを参
照し῍ それぞれの施設の状況を考慮して῍ 施設
に適した基準を個別に作成し῍ 放射性薬剤の品
質の確保に務めるものとするῌ
また῍ ῒサイクロトロン核医学利用専門委員
会が成熟技術として認定した放射性薬剤の基準
῎῎ῌῌ῍年改定῏ΐ に記載されておらず῍ ῒサイク
ロトロン核医学利用専門委員会が成熟技術とし
て認定した放射性薬剤の基準 ῎῍῔῔῔年改定῏ΐ
に記載されている放射性薬剤については῍ 後者
῎῍῔῔῔年改定῏ に従うこととするῌ
目
次
放射性薬剤総則
206
RADIOISOTOPES
Vol. , No. ῌ 通則
菌試験による検定が困難な製剤については 同
῍ 製剤総則
一の製造設備および製造工程で得られた製剤が
῎ 一般試験法
連続 ロット以上無菌試験及び発熱性物質試験
に適合した場合には事後検定を行うことができ
る ῌ参考文献 Draft Guideline on the Manufac-
放射性薬剤各条
῏ デオキシ ῏ ῏ フルオロ ῏ D ῏ グルコス
ture of Positron Emission Tomographic
ῌ F῍ 注射液
ῌPET῍ Drug Products, Center for Drug Evalu-
酸素ガス ῌ O῍
ation and Research, FDA, U.S.A. , p. ῍
一酸化炭素ガス ῌO῍
二酸化炭素ガス ῌO῍
῎ 一般試験法
エンドトキシン試験法
エンドトキシン試験法は グラム陰性菌由来
PET 診断用放射性薬剤製造施設における作業
のエンドトキシンがカブトガニ ῌLimulus poly-
環境および作業に関するガイドライン
製造管理体制
phemus または Tachypleus tridentatus῍ など
作業環境
の血球抽出成分 ῌLAL῍ を活性化し ゲル化を
環境モニタリング
引き起こす反応に基づき エンドトキシンを検
作業の基準
出する方法である 本法には ゲル形成を指標
とするゲル化法 ゲルの濁度変化を指標とする
放射性薬剤総則
比濁法 発色合成基質の加水分解による発色を
ῌ 通則
指標とする比色法があり 試験はこれらのいず
῍ 質量百万分率は ppm の記号を用
れかの方法によって行う ただし その結果に
い 通例 質量対質量百万分率を示
ついて疑いのある場合は ゲル化法によって最
す
終の判定を行う なお LAL のゲル化はある種
῍ 温度の表示は セルシウス氏法によ
の多糖類によっても引き起こされる場合があ
りアラビア数字に を付ける
る
検定日時は放射性薬剤の供給時を原則と
本試験は できるだけ速やかに微生物による
し 供給後は速やかに使用するものとする た
汚染を避けて行う
だし 製造後一定時間経過してから使用する場
器具
ガラス器具は 水でよく洗浄後 通例 合には その時点での放射性薬剤の品質が規格
に適合していることを保証すること
以上で十分加熱することによりエンドトキシン
を失活させて試験に用いる
液状の放射性薬剤の澄明性を試験する
ときは 黒色または白色の背景を用いる
試料溶液の調製
試験によって得られる液の色または濁
別に規定するもののほか 検体に必要なら
りは 別に規定するもののほか 白色の背景を
ば エンドトキシン試験用 mol L 水酸化
用い 上方または側方から観察するものとす
ナトリウム試薬またはエンドトキシン試験用
molL 塩酸溶液を用いて pH ῏ に調
る
製し試料溶液とする
῍ 製剤総則
エンドトキシン標準原液の調製
注射剤
エンドトキシン標準品 バイアルをとり
ῌ ῍ ῌ ῍投与前の発熱性物質試験および無
mL 中にエンドトキシンを エンドト
ῌ ῍
May 放射性薬剤の基準 年改定
に関する解説
207
キシン単位 ῍EU῎ 含む液となるようにエンドト
試料溶液 エンドトキシン標準溶液およびエ
キシン試験用水を加え 激しく振り混ぜて溶か
ンドトキシン試験用水を加えた試験管を 振動
し エンドトキシン標準原液は ただちに ῎
を与えないように注意しながら 静かに ῌ
で保存し 溶解後 日以内に用いる 転倒し 内容物を観察する 内容物が凝固して
エンドトキシン標準溶液の調製
変形しない場合を陽性 それ以外の場合を陰性
とする
エンドトキシン標準原液を激しく振り混ぜた
後 冷水中においてその一定量を正確に量り
試験溶液およびエンドトキシン試験用水を加
エンドトキシン試験用水を正確に加え 放射性
えた試験管の反応が陰性で エンドトキシン標
薬剤の注射剤に規定するエンドトキシンの規格
準液を加えた試験管の反応が陽性を示すときは
値の濃度のエンドトキシン標準溶液は冷水中に
適合とする
保ち 調製後 分以内に用いる
なお エンドトキシン試験用水を加えた試験
管の反応が陽性の場合 またはエンドトキシン
ῌ ゲル化法
LAL 試液
標準溶液を加えた試験管の反応が陰性の場合は
カ ブ ト ガ ニ ῍Limulus polyphemus ま た は
試験を無効とし 新しい試薬を用いるか 器具
Tachypleus tridentatus῎ の amebocyte lysate
を取り替えて再試験を行う
から調製された凍結乾燥品である LAL に エ
῍ 光学的方法
ンドトキシン試験用水を加えて 静かにかき混
比濁法
ぜて溶かし 使用時まで氷水中に保存する た
エンドトキシンと LAL との反応によって生
だし 凍結乾燥した LAL 試薬が単回試験用と
ずる凝固タンパクコアグリンの凝固に伴う濁度
してバイアルまたはアンプルに充ῌされている
変化を透過光量の変化としてとらえ 試料の反
場合は この必要はなく 下記の操作を直接
応開始から一定の濁りに達するまでの反応時間
行ってよい
῍Tg῎ をゲル化時間として測定する このとき
操作法
エンドトキシン濃度とゲル化時間との間に検量
内径約 mm 長さ約 mm の試験管 本
関係が成り立つことから エンドトキシンの定
に LAL 溶液 mL ずつをとり ῍凍結乾燥し
量が可能となる
た LAL 試薬が単回試験用としてバイアルまた
LAL 試液
バイアルの LAL にエンドトキシン試験用
はアンプルに充ῌされている場合は そのバイ
アルまたはアンプルに直接῎ それぞれに試料
水を加えて静かにかき混ぜて溶かし 使用時ま
溶液 エンドトキシン標準溶液およびエンドト
で氷水中に保存する ただし 凍結乾燥した
キシン試験用水 mL ずつを加える ただ
LAL 試薬が単回試験用としてバイアルまたは
し 凍結乾燥した LAL 試薬が単回試験用とし
アンプルに充ῌされている場合は この必要は
てバイアルまたはアンプルに充ῌされている場
なく 下記の操作を直接行ってよい
合は そのバイアルまたはアンプルに 直接
操作法
各試験管に LAL 試液を mL ずつとり
試料溶液 エンドトキシン標準溶液およびエン
ドトキシン試験用水を加える
それぞれにエンドトキシン試験用水 エンドト
試験管にふたをし 静かに混和した後 キシン標準液 試料溶液を mL ずつ加え
で 分間静置する
る ただし 凍結乾燥した LAL 試薬が単回試
判定
験用としてバイアルまたはアンプルに充ῌされ
ている場合は そのバイアルまたはアンプル
* 試料溶液が本試験の反応の促進あるいは阻害をお
こさないことをあらかじめ確認しておく
に 直接 試料溶液 エンドトキシン標準溶液
208
RADIOISOTOPES
およびエンドトキシン試験用水を加えるῌ
Vol. , No. えた試験管の反応が陰性で῍ エンドトキシン標
試験管のふたをして῍ 静かに混和した後῍ 準液を加えた試験管の反応が陽性を示すときは
ΐ ῔ で静置し῍ 変動する透過光量比が一定の
適合とするῌ
割合に達するまでの時間を測定するῌ
なお῍ エンドトキシン試験用水を加えた試験
管の反応が陽性の場合῍ またはエンドトキシン
比色法
標準溶液を加えた試験管の反応が陰性の場合は
合成基質法は῍ コアグロ῎ゲンの水解部位の
試験を無効とし῍ 新しい試薬を用いるか῍ 器具
を取り替えて再試験を行うῌ
アミノ酸配列に似た合成ペプチドに発色基質
pῌ ニトロアニリン ῌpNA῍ を結合した化合物
ῌBocῌLeuῌGlyῌArgῌpNA など῍ を用い῍ エン
ガンマ線測定法
ドトキシンを引き金として活性化された凝固酵
ῌ ῍ 半減期測定法
点測定法にて半減期を測定するとき῍ 時間
素のアミダ῎ゼ活性によって遊離する pNA を
比色定量 ῌ nm 吸光度測定῍ することによっ
間隔は原則として 半減期とするが῍
てエンドトキシン量を測定する方法であるῌ こ
うに半減期が極端に短い場合には 半減期程度
こで῍ pNA の遊離に要する時間はエンドトキ
測定することが望ましく῍
シン量に反比例し῍ 時間とエンドトキシン濃度
い場合は や 半減期でもよいῌ
O のよ
F のようにやや長
半減期の測定において῍ 崩壊曲線から半減期
との対数相関が直線性を示すことを利用してエ
ンドトキシン量を測定することが可能となるῌ
を測定するとき῍ その値が当該核種の半減期の
ῑLALῒ
値の ῌ ῕ であることを以て当該核種の半
合成基質を添加した LAL に molL トリ
減期の確認とするῌ また 点測定法にて半減期
ス ῌ 塩酸緩衝液 ῌpH ῍ を加え῍ 静かにかき
を測定するときは῍ その値が当該核種の半減期
混ぜて溶かし῍ 使用時まで氷水中に保存するῌ
の値の ῌ ῕ であることを以て当該核種の
ῑ操作法ῒ
半減期の確認とするῌ
氷 ῌ 水浴中で内径約 mm῍ 長さ約 mm
の試験管 本に合成基質を添加した LAL 試液
ῌ ῍ 井戸型シンチレ῎ション計数器または
mL ずつをとり῍ それぞれに試料溶液῍ エ
電離箱によるポジトロン核種の放射性核種純度
ンドトキシン標準溶液῍ およびエンドトキシン
の測定
試験用水 ml ずつを加えるῌ 試験管にふた
ここでは῍ 実際の PET 用放射性薬剤の製造
をし῍ 試験管ミキサ῎で混和した後῍ ῔ で
におけるように῍ 対象核種は C, N, O, F
一定時間 ῌ 分間῍ 加温するῌ ただちに氷ῌ水
の 核種のみとして説明するῌ 試料の一定量を
浴槽に移し῍ mol L 酢酸試液 mL を
とり῍ 放射線測定器 ῏井戸型シンチレ῎ション
加えて混和することにより反応を停止するῌ 反
計数器῍ 電離箱などῐ で同じ測定条件および幾
応停止後 時間以内に῍ エンドトキシン試験用
何学的条件で放射能の経時変化を測定し῍ 横軸
水を対照とし nm の吸光度を測定するῌ
を時間῍ 縦軸に放射能 ῏または測定器の読み値
ῑ判定ῒ
からバックグラウンドを引いたものῐ の対数を
脊髄腔内投与薬を除く非経口投与薬において
プロットし῍ 崩壊曲線を作成するῌ このとき῍
は῍ エンドトキシン濃度が EUV 未満を以
測定は῍ 崩壊曲線の後部が直線になるまで継続
て陰性とする ῌV は 時間以内に投与する最大
するῌ 得られた崩壊曲線が全測定期間にわたり
投与量で῍ 単位は mL で表す῍ῌ
直線であれば核種純度が ῕ であることを意
味し῍ 崩壊曲線から求めた半減期が目的核種の
試験溶液およびエンドトキシン試験用水を加
῏ ῐ
放射性薬剤の基準 年改定 に関する解説
May それと一致することを確認する
ス類似体としてヘキソキナゼによりリン酸化
されて FDG῎῎リン酸となり 組織内に蓄積す
得られた崩壊曲線が直線ではない場合 崩壊
曲線後部の直線部分から半減期を計算し
209
る
C,
N, F のいずれかと一致することを確認する
O 標識のガスや水とならんで PET にお
いて最も汎用される基本的薬剤である
崩壊曲線の最後部付近より 一致した核種の半
減期に相当する直線を測定開始時点まで外挿
A- フッ化物イオン法῍῍
し その縦軸との切片より一致核種の放射能を
下記の反応スキム A- により合成する
計算する 測定期間内の各時点において 崩壊
使用試薬
曲線と直線の値を読み その差を計算し再びプ
OHO 日本アイソトプ協会 日本酸素
ロットする 新たに得られた曲線が直線であれ
等 ῌ化学的純度 通常市販されている試
ば
薬は 原子以上の濃縮水である῍ῌ注 ῍
C, N, O のいずれかの半減期に相当す
る直線であることを確認する 曲線の場合に
Fフッ化物イオンῌ注 ῍
は 直線が得られるまで上と同様の手順を繰り
トリフレトῌ注 ῍ Aldrichῌ-῍, Fluka,
返す 最終的には 測定開始時におけるそれぞ
RBI 等 Med Life System からは直接輸入
れの核種の放射能より 目的核種の核種純度を
ῌ注 ῍
Kryptofix ῌ注 ῍
求める
Merck ῌ-῍
無水アセトニトリル Merck ῌ῍
無菌試験法
炭酸カリウム Merck ῌ
化学的に高純度
の試薬を使用する῍ῌ注 ῍
ῌ ῍ 血液培養システムを用いた試験法
測定法
molL HClῌ注 ῍
῍ 操作法
molL HClῌ注 ῍
ῌ 培養ボトルに針を刺す場合 ボトル内の
THF 特級試薬
Sep-Pak C カトリッジ Waters
圧力を大気圧と平衡にした後 培養液中
に針が達するように注意する
Sep-Pak alumina N カトリッジ Waters
イオン遅延樹脂 AG A
放射性薬剤各条
Biotechnology grade, ῎ mesh῍ῌ注 ῍
῎デオキシ῎῎フルオロ῎D῎グルコス
強塩基性陰イオン交換樹脂 AG X
Bio-Rad
ῌ
-
Analytical grade, ῎ mesh῍
ῌ F῍ 注射液
῎デオキシ῎῎フルオロ῎D῎グルコス ῌF῍
Bio-Rad ῌ
-
強酸性陽イオン交換樹脂 AG W-X Bio-
ῌ-deoxy-- F fluoro-D-glucose 以下 F
Rad ῌ
-
Biotechnology grade, ῎
FDG῍ は 脳 心筋および癌等のグルコス代
mesh῍
謝を診断する薬剤として使用される グルコ
注 ῍ 市販の OHO は イオン性不純物や有機
反応スキム A-
210
RADIOISOTOPES
Vol. , No. 吸着させるῌ注 ῍
性不純物が混入していることがある 特に
フッ化物イオンが多く混入している場合に
は Fフッ化物イオンの比放射能を低下さ
せる要因となる イオン性の不純物を測定す
る場合には 市販のイオンクロマトグラフィ
装置が利用できる 通常 数 ppb レベルの測
定が可能である イオン性および有機性不純
物が多く混入している場合には 照射条件に
影響を及ぼすことがある これらの不純物を
除去するためには KMnO と KOH を少量
加え還流し その後蒸留操作を行うことが望
ましい また希釈して使用する場合 同様の
方法で蒸留した水を使用する必要がある
注 ῍ OHO を用い Oῌp, n῍F 反応により製
造する 照射終了直後には 多少に係わらず
N のイオン性物質が検出される また イ
オンクロマトグラフィ装置と放射能検出器に
より放射化学的純度と F フッ化物イオン
の比放射能を求めることができる
注 ῍ 正式名称は , , , ,-tetra-O-acetyl--O-trifluoromethansulfonyl-b-D-mannopyranose
注 ῍ トリフレトは 水分の存在や温度により分
解しやすい性質を有するため取扱いに注意が
必要である 窒素封入し冷暗所で保存する
また 購入後はなるべく早く使用することが
望ましい なお メカにより品質が異な
るため 実際に合成した収量等から品質を確
認し 信頼できる試薬を購入することが望ま
しい
注 ῍ 正式名称は , , , , , -hexaoxa-, diazabicyclo-, , -hexacosane
注 ῍ Fフッ化物イオンの陰イオン交換樹脂から
の脱離に使用するため 不純物等が混入して
いる場合そのまま反応系にも混入して フッ
素化の効率を損ねる可能性がある なお溶液
調製に用いる水は ῌ注 ῍に従って注射用水
を使用することが望ましい
注 ῍ 定量分析用試薬を利用すると便利である
注 ῍ 微生物含有量が少ない Biotechnology grade
の樹脂を使用することが望ましい 通常 樹
脂は購入後消毒用の エタノルで洗浄
し 同液に入れて室温保存する 使用する直
前にカラムに充ῌし 注射用水 mL で洗
浄する 洗浄に輸液セットを用い 最大流量
で洗浄すると便利である
樹脂に吸着させた Fフッ化物イオンを mmol L 炭酸カリウム水溶液 mL で脱離
し FKF として反応器に導入するῌ注 ῍
次に mg mL の Kryptofix のアセト
ニトリル溶液 mL を加え 濃縮乾固して溶媒
を除くῌ注 ῍
反応基質である mg mL のトリフレト
のアセトニトリル溶液 mL を加え 閉鎖系で
攪拌しながら で 分間フッ素化を行うῌ注
῍
次いでアセトニトリルを濃縮乾固する
残渣に mL の molL HCl を加えて溶解
し Sep-Pak C カラム ῌカトリッジ῍ に通
して目的物質を吸着させる この操作を再度繰
り返すῌ注 ῍
Sep-Pak C に吸着した目的物質を mL の
THF で溶出して反応器に戻し 濃縮乾固して
溶媒を除くῌ注 ῍
残査に mL の molL HCl を加え 閉鎖系
で攪拌しながら で 分間加水分解を行
うῌ注 ῍
次いで室温程度まで冷却し 一連の精製系カ
ラム AG W-X カラム ῌ内径 mm長
さ mm῍ AG A カラム ῌ内径 mm長
さ mm῍ Sep-Pak C カトリッジおよび
Sep-Pak alumina N カトリッジに通して精
製する さらに 約 mL の注射用水で精製系
カラムに通して溶出液を合わせるῌ注 ῍
溶出液を mm のメンブレンフィルタに
通して注射用薬剤とする
注 ῍ イオン交換樹脂は 高純度炭酸カリウムを用
いて炭酸イオン型に変換し 超純水等で十分
に洗浄してから使用する 変換や洗いが不十
分な場合には 吸脱着効率が低下するばかり
でなくフッ素化の効率にも影響を及ぼすこと
がある
注 ῍ 樹脂に通過させる速度が速い場合 Fフッ
化物イオンの吸着率が低下することがある
注 ῍ 小容量のタゲットを用いる場合 吸脱着工
程をせずにタゲット水を直接反応器に導入
する方法も行われている
注 ῍ ここでは 十分に水分を除くことが重要であ
方法
F フッ化物イオンを含むタゲット水
mL を AG 樹脂 ῌ mg 内径 mm
長さ mm῍ に通し Fフッ化物イオンを
May 放射性薬剤の基準 年改定 に関する解説
り 再度無水アセトニトリルを加え共沸によ
り十分に水分を蒸発させる方法も有効であ
る
注 ῍ 反応容器の材質は 温度特性に優れ壁損失の
少ない物を使用することが望ましい 材質に
よっては 収量の低下や不安定化を引き起こ
すことがある
注 ῍ この工程は 未反応物質や反応触媒を除く一
時精製的な役割がある この工程を行わずに
加水分解し 最終精製工程のみ実施する方法
も行われている
注 ῍ ここでは 反応容器が 個での方法を示した
が 反応容器を 個使用する方法では HCl
の代りにジエチルエテル Sep-Pak C カトリッジの代りにシリカゲルカラムを使
用して第一反応器から目的物質だけを第二反
応器に移送する方法も行われている
注 ῍ NaOH により加水分解を行う方法もある῍
注 ῍ AG W-X により Kryptofix を AG
A により HCl を Sep-Pak C カト
リッジおよび Sep-Pak alumina N カトリッ
ジにより着色物質 未加水分解物 F イオ
ンを除去する 溶出速度が速すぎる場合には
十分に HCl が除去されず酸性側に傾き SepPak alumina N カトリッジよりアルミニウ
ムイオンが溶出する また その他の不純物
も混入する可能性が高くなる
211
を使用する代りに tetrabutylammonium bicarbonateῌTBAHCO῍ を使用する方法῍ が CYRIC,
TRIUMF, Hamburg 等で行われている
TBAHCO も Kryptofix と同様に毒性
の問題が指摘されているため 品質管理で そ
の混入量を検定しなければならないが その検
定方法に若干の煩雑さが伴う なお 収率に及
ぼす影響などは 見解が一定しておらず言及は
できない
῍ 加水分解 塩酸加水分解の代りにアルカ
リ加水分解する方法が Dresden, Jürich 等で行
われている῍ molL NaOH 中室温で 分
間と条件を緩和することができる 塩酸加水分
解では 非放射性の反応副生成物である deoxy--chloro-D-glucose ῌClDG῍ が生成する
ことが指摘されているが アルカリ加水分解で
は この ClDG の混入が少なくなる なお 現
在では 酸性加水分解でも反応時間を短縮する
方向にある また アルカリ加水分解では 万
が一反応系に発熱性物質が混入した場合 発熱
性物質の不活性化が不十分になる可能性が高い
ため 装置内経路の無菌管理がより重要にな
トラブル処理
る
῍
エンドトキシン試験で陽性になったと
き
精製法 一次精製工程 ῌKryptofix の除去工程῍ を行わずに加水分解を行い 最終
応急に対処できない 陽性となる主な原因
精製行程のみで精製する方法である これによ
は イオン遅滞樹脂の洗浄処理が不十分なとき
り合成時間の短縮ができる 最終精製行程に十
と考えられるので イオン遅滞樹脂の洗浄法を
分量の陽イオン交換樹脂を使用することで
再点検する
Kryptofix は除去することができる
アルミニウムイオンが検出されたとき
῍ オンカラム法῍ 一般に Merrifield 法と
メイロン等でアルカリ性にして 精製した沈
呼ばれている方法で ピリジウムまたはホスホ
澱を mm フィルタを通して除く
ニウム基を有する樹脂ῌ注 ῍に Fフッ化物
イオンを捕捉させ そこに反応基質を導入して
フッ化物イオン法の変法
オンカラムで F フッ素化を行う方法で
フッ化物イオン法による FFDG の合成
Michigan, Washington 等で行われている な
は Hamacher らの方法に基づき種 の改良
お 本法も特許の問題があるため取扱いには注
法が実施されている 検討項目としては ῍
意が必要である
触媒の種類 ῍ 加水分解条件 ῍ 精製方法
注 ῍ 次頁左上に示す窒素またはリンを含む陰イオ
ン交換性の官能基を有する樹脂が利用され
る
῍ オンカラム法の採用等が挙げられる
῍
触媒 Hamacher 法の Kryptofix 212
RADIOISOTOPES
酢酸ナトリウムῌあるいは酢酸カリウム῍を充
ῌした小カラムῌ内径 mm
長さ mm῍ に
通じて Facetyl hypofluorite とする
製造法に関し 使用する酢酸カリウムの調
製法について詳細な取り扱いを記している報
告もあるが῍ 多少収量が低下するが 市販
の試薬をそのまま使用して問題はない ただ
し 試薬が湿気を含むようであればその試薬
の使用は避けた方がよい また 無水の粉末
試薬よりは結晶水を含む顆粒状の試薬の方が
よい収量を与えるようである
酢酸ナトリウムのカラムは通常 回程度
は繰り返し使用できる ガラスカラムに充ῌ
すると 反応した F による放射線によりガ
ラスが黄色に変色する 使用回数とともに変
色域が広がり 半分を超えたころを交換時の
目安とするのが簡便である
注 ῍ 市販の TAG は通常そのまま使用する 再結
晶により原料を精製することは 必ずしも
FFDG に混入する放射性不純物を減らさ
ない
注 ῍ A- の 使用試薬ῌ注 ῍を参照
注 ῍ 注射用水に懸濁しデカンテションにより微
粉末を除いた後 乾熱滅菌して使用する ῌあ
るいは molL HCl に一昼夜浸し デカン
テション後中性になるまで洗浄する῍ こ
れを乾熱滅菌して使用する 活性炭は放射性
不純物の除去に必須であるが 多すぎると
FFDG の収量をかなり低下させる
合成法の特徴と問題点
FFDG の合成法としては 国外のほとん
どの PET 施設では Hammcher らにより開発
されたフッ化物イオン法῍ あるいはその変法
が採用されている
Vol. , No. Oῌp, n῍F 反応により製
造する大量の Fフッ化物イオンを使用でき
る また 反応収率が高いためacetylhypofluorite 法に比べ数倍の収量を容易に得ることがで
きる また キャリアを添加せずに反応でき
るため 担体量がきわめて少ない 反応選択性
にも優れ FFDG の異性体である -deoxy- Ffluoro-D-mannose ῌ FFDM῍ の混入
はほとんどない
A- Acetyl hypofluorite 法῍
下記の反応スキム A- により合成する
使用試薬
Facetyl hypofluoriteῌ注 ῍
,,-tri-O-acetylglucal ῌTAG῍ Aldrichῌ注 ῍
方法
fluorotrichloromethane ῌFlon-῍ 東京化成
ῌ mg の TAG を ῌ mL の Flon-
molL HCl
イオン遅滞樹脂 AG A
に溶かす この溶液を低温 ῌ ῌ ῌ注
Bio-Rad ῌBiotech-
῍῍ に保ち 流速 mLmin のネオンガス気
nology grade, ῌ mesh῍ῌ注 ῍
流下の Facetyl hypofluorite ῌ担体フッ素
活性炭 ῌ粉末῍ 特級試薬ῌ注 ῍
として ῌ mmol῍ を吹き込んで反応させ
注 ῍ Facetyl hypofluorite の製造法 通常タ
ゲットのネオンガス中のフッ素ガス濃度を
ῌ とし FF を製造する これを
るῌ注 ῍
反応液を加熱しながら 窒素ガスを通して
反応スキム A-
May 放射性薬剤の基準 年改定 に関する解説
あるいは減圧にして Flon- を留去する
213
トフォイルを交換する
残渣に mol L HCl mL を加え エア
収量が不自然に増加したとき
ヒタにより ῌ ῍ ῌ 分間加水分解
酢酸ナトリウムの同一カラムを長く使い続け
ると FFDG の収量が増加する傾向がある
するῌ注 ῍
反応液を冷却し ῌ mL のイオン遅滞樹
が これは FF から Facetyl hypofluo-
脂 ῌ注 ῍ を充ῌしたカラムに通して HCl を除
rite への変換が不完全となり FF と TAG
き 次いで活性炭 ῌ ῌ mg῍ カラムを通
の反応も起こるためと思われる カラムを交換
して放射性不純物を除いて精製する さらに する
mL の注射用生理食塩液を精製系カラムに通し
て溶出液を合わせるῌ注 ῍
エンドトキシン試験で陽性になったと
き およびアルミニウムイオンが検出されたと
溶出液を mm のメンブレンフィルタに
き
通して注射用薬剤とする
A- のトラブル処理
参照
注 ῍ Flon- の容量によっては気化熱による冷却
効果のため 室温のままでも十分である
注 ῍ 一般に 担体フッ素ガス濃度を高くすると
FFDG の収量は増加するが このとき
TAG に対する割合が多くなるとフッ素によ
る酸化反応により放射性不純物を増加させ
る
注 ῍ 油浴を使うときは で 分程度で十分
である また 加水分解が不十分なとき 通
常の精製法では 放射性不純物を除ききれな
いことがある
注 ῍ イオン遅滞樹脂を通すときは 流速が速すぎ
ると HCl を除ききれないことがある
注 ῍ 放射性不純物の一つとしての Fフッ化物イ
オンを除去する目的で中性アルミナ アルミ
ナカトリッジ を使用することもあるが
必ずしも必要ではないようである ただし
他の放射性不純物を除き 放射化学的純度を
上げる効果がある
合成法の特徴と問題点
FFDG の合成法としては acetyl hypofluorite 法は すでに第二世代の古い合成法と
なった しかし 簡便でかつ安定した合成法で
あり 収量も通常のPET検査には十分であり
捨てがたいよさもある 問題点の一つは キャ
リアを含む FF を標識前駆体として用いる
ため 臨床に使用される担体量が多くなること
にある また FFDM も通常 ῌ 含まれ
ているが
῍῍ 臨床使用には実質的にはなんら
影響はない むしろ正確な定量解析の観点から
は 放射性不純物のほうが影響を及ぼすと思わ
れる また地球環境保護の観点から 反応溶媒
に使っている Flon- の使用に制限がある
トラブル処理
A- HPLC による FFDG の精製
放射化学的純度が基準に達しなかったと
FFDG の簡単な精製法として 逆相系カ
き
ラムと注射用生理食塩液を溶出液として用いる
活性炭カラム あるいは活性炭とアルミナカ
HPLC が便利である῍
ラム ῌアルミナカトリッジ῍ ῌともに乾熱滅菌
済みのもの῍ に通す 収量は減るが応急の対処
使用試薬
法となる HPLC 精製が可能なシステムであ
メイロン ῌ注射用 炭酸水素ナトリウム水溶
れば 濃縮後に精製する
液῍ mL, 本
収量が減少したとき
注射用水 mL, 本
タゲットフォイルにピンホルがあき
FF の収量が減少したときは 照射終了時
注射用生理食塩液 mL, 本
のタゲット圧の変動で判断できる タゲッ
局方 エタノル
214
RADIOISOTOPES
Vol. , No. mL と少ない Delta-pak C を用いるとき
FFDG の溶液量は約 mL と多くなり臨
床使用に適当である また価格は 後者の方
が安価である どちらのカラムによっても
放射性不純物はほぼ完全に除くことができ
る UV 検出器 ῌ nm῍ で見る限り大部分
の非放射性の不純物は除かれる
注 ῍ HPLC ポンプによる溶離液の吸い上げ口には
通常のフィルタを使わずに 長いステンレス
針 ῌ cm, ゲ῎ジ῍ を乾熱滅菌して使用する
と便利である
方法
上記 FFDG 合成における塩酸加水分解物
をロタリエバポレタにより濃縮乾固し 残
渣を mL のメイロンに溶かすῌ注 ῍
この溶液を ガラスウルを充ῌしたフィル
タに通して HPLC により分離精製する ῌ注
῍
放射能検出器により FFDG 画分を分取
し mm のメンブレンフィルタを通して注
下図に HPLC による溶離パタンの例を示
す
射用薬剤とするῌ注 ῍
注 ῍ メイロンに溶かすことにより 多少残ってい
る 塩 酸 を 完 全 に 中 和 す る 塩 酸 が 残 る と
F F D G と放射性不純物の分離を妨げ
FFDG 溶液も酸性になる
注 ῍ 市販の mm のメンブレンフィルタにより
サンプルをろ過するのは難しく 損失も多
い このため ガラスウルのフィルタを使
用する また プレフィルタとプレカラムを
取り付けることが カラムの保護に重要とな
る
注 ῍ FFDG の分取は 放射能検出器のあとに
ディスポザブルの三方活῍を用いて行う
か 三方電磁バルブを用いて遠隔操作により
行う 後者の場合は カラム調製時に注射用
生理食塩液でラインを十分に洗浄しておく
B. 分析法
HPLC 分取条件
サイクロトロン核医学利用専門委員会が成
カラム Delta-pak C ῌ内径 mm 長さ
熟技術として認定した放射性薬剤の基準 ῌ
mm を 本 連 結῍ Waters あ る い は
YMC-Pack ODS ῌ内径 mm長さ mm῍
年改定῍ に規定する試験法に代る方法で そ
ワイエムシィῌ注 ῍
れが規定の方法以上の真度および精度がある場
溶離液 注射用生理食塩液
合は その方法を用いることができる ῌ
サイ
流 速 mL/min
クロトロン核医学利用専門委員会が成熟技術と
して認定した放射性薬剤の基準 ῌ年改定῍
検出器 UV nm
の放射性薬剤総則I.通則のを参照῍
カラム管理 通常カラムは局方の% エタ
放射化学的純度
ノルで平衡化しておく 使用前には まず注
HPLCῌ注 ῍
射用水 ῌ約 ῎ mL ῍ でエタノルを十分
ῌ῍ カラム mBondapak Carbohydrate ῌ内径
に除き 次いで注射用生理食塩液 ῌ約 ῎ mm長さ mm῍ Watersῌ注 ῍
mL ῍ で平衡化して用いる 使用後は 初め注
溶離液 CHCNHO ῌ/῍
射用水 ῌ約 ῎ mL῍ で洗浄して塩を十分
に除き 次いで局方の%エタノルによりカ
流 速 mL/min
ラムを洗浄するῌ注 ῍
保持時間 分
῍῍ カラム Asahipak NHP- E ῌ内径
注 ῍ カラムとしては YMC-Pack ODS の方が優
れた分離を示し FFDG の溶液量は ῎ mm長さ mm῍ 昭和電工
放射性薬剤の基準 年改定 に関する解説
May 溶離液 CHCNHO ῌ/῍
215
ῐ῍ プ レ ト シ リ カ ゲ ル ῌ
mol L
流 速 : mLmin
NaHPO に浸し室温で乾かしたのち 保持時間 分
で
分加熱して活性化する῍
῎῍ カラム Aminex HPX-H ῌ内径 mm
溶離液 -butanol/CHOH/CHCOH
長さ mm῍ Bio-Radῌ注 ῍
ῌ//῍
溶離液 HO ῌ ῍
Rf 値 流 速 mLmin
保持時間 分
化学的純度および比放射能
注 ῍ 通常の分析には一つの条件で分析すればよい
が 反応条件等の検討やなんらかのトラブル
時には 性質の異なる二つの条件で分析する
ことが望ましい また溶離液に緩衝液を使用
しない系では Fフッ化物イオンはカラム
に吸着され溶出されないので注意を要する
通常アルミナカラム ῌアルミナカトリッジ῍
を通したときは Fフッ化物イオンは含ま
れていないと考えられる
注 ῍ 加水分解が不十分なとき除ききれない放射性
不純物は 条件 i῍ ではFFDG と分離でき
ず 条件iii῍ では分離が良好である
注 ῍ Bio-Rad 社の HPX C カラムがほぼ同様に使
用できる
無担体添加のフッ化物イオン法で合成された
FFDG の比放射能の測定には 高感度の電
気化学検出器が必要である 電気化学検出器の
場合には 糖の高感度分析になるためアンペロ
メトリモドが利用できる機種が必要である
ῌ日本ダイオネックス 横河アナリティカル
等῍ FFDG の定量限界は ῑ ppbであ
る
ただし 担体を添加しない製法で製し 物質
量の定量が困難な薬剤については 比放射能を
算出する試験を省略することができる ῌサイ
クロトロン核医学利用専門委員会が成熟技術と
TLC
して認定した放射性薬剤の基準 ῌ
年改定῍
ῌ῍ プ レ ト シ リ カ ゲ ル ῌ
mol L
の放射性薬剤総則 I. 通則のを参照῍
NaHPO に浸し室温で乾かしたのち で
分加熱して活性化する῍
カラム Dionex CarboPac PA ῌ内径 mm
溶離液 methanol/triethylamine ῌ
/῍
長さ mm῍ 日本ダイオネッ
Rf 値 クス
῍῍ プ レ ト シ リ カ ゲ ル ῌ
mol L
溶離液 molL NaOH ポストカラム試
NaHPO に浸し室温で乾かしたのち 薬 molL NaOH
で
分加熱して活性化する῍
流 速 どちらも mLmin
溶離液 acetonitrileHO ῌ/῍
保持時間 分
Rf 値 acetyl hypofluorite 法 に よ り 合 成 さ れ た
῎῍ プレト セルロス Merck
FFDG は 高感度示差屈折計を用いて分析
溶離液 -butanol/conc. NHOH/HO
できる しかし 簡便なFFDG の精製法で
ῌ//῍
は 原料由来の非放射性不純物が含まれ実質的
Rf 値 には測定できない
῏῍ プ レ ト シ リ カ ゲ ル ῌ
mol L
NaHPO に浸し室温で乾かしたのち 化学的不純物
で
分加熱して活性化する῍
クリプトフィックス ῌKryptofix῍ フッ
溶離液 -propanolHOῌ/῍
化物イオン法によるFFDG 製剤中のクリプ
Rf 値 トフィックス ῌKryptofix῍ の検出には
216
RADIOISOTOPES
Vol. , No. TLC を用いた方法が簡便である 確認限界は
を加えたとき紫色を呈し さらに酢酸溶液を加
約 ppm であるῌ注 ῍
え酸性にしたとき赤色を呈しない 確認限界は
TLC
mg ῌおおよそ ppm῍ である
市販のイオン試験紙アルミチェック ῌアドバ
ῌ῍ プレト シリカゲル
ンテック東洋῍ の測定範囲は ppm ῎ 溶離液 CHOH/conc. NHOH ῌ/῍
ppm である
R f 値 Kryptofix F FDG
注 ῍ 通常 FFDG 標品が中性のとき アルミ
ニウムイオンは検出されない
῍῍ プレト シリカゲル
溶離液 triethylamine/CHOH
C. その他
毒性
ῌ/῍
FDG LD
ῌ腹腔注射῍ ラット 約 mg/
Rf 値 Fフッ化物イオン Krypto-
kg῍
fix glucose Kryptofix LD
ῌ経口῍ ラット o FFDG 注 ῍ 通常 精製に陽イオン交換樹脂 AG W-X を使用するとき 製剤中に Kryptofix が
検出されることはほとんど無い
mgkg
被曝線量
῍ 次頁上部の表に記載
テトラブチルアンモニウム ῌTBA῍ イオン 参考文献
反応触媒に炭酸水素テトラブチルアンモニウム
῍ Hammacher, K., Coenen, H. H. and Stöcklin,
G. J. Nucl. Med., ,1, o ῌ῍
῍ Chaly, T. and Dahl, J. R. Nucl. Med. Biol., +0,
o ῌ῍
῍ Morlein, S. M. M., Brodack, J. W., Siegel, B. A.
and Welch, M. J. Appl. Radiat. Isot., .*, o ῌ῍
῍ Füchtner, F., Steinbach, P., Mäding, P. and
Johannsen, B. ibid., .1, o ῌ῍
῍ Culbert, P. A., Adam, M. J., Hurtado, E. T.,
Huser, J. M. A., Jivan, S., Lu, J., Ruth, T. J. and
Zeisler, S. K. ibid., .0, o ῌ
῍
῍ Toorongian, S. A., Mulholland, G. K., Jewett,
D. M., Bachelor, M. A. and Kilbourn, M. R. Nucl. Med. Biol., +1, o ῌ῍
῍ Bida, G. T., Satyamurthy, N. and Bario, J. R. J. Nucl. Med., ,/, o ῌ῍
῍ Ehrenkaufer, R., Potocki, J. F. and Jewett, D.
M. ibid., ,/, o ῌ῍
῍ Shiue, C.-Y., Fowler, J. S., Wolf A. P., Alexoff,
D. and MacGregor, R. R. J. Label. Compds.
Radiopharm., ,,, o
ῌ
῍
῍ Ishiwata, K., Ido, T., Nakanishi, H. and Iwata,
R. Appl. Radiat. Isot., -2, o ῌ῍
῍ Ishiwata, K., Ishii, S. and Senda, M. ibid., ..,
o ῌ῍
῍ Bessell, E. M., Courtenay, V. D., Foster, A. B.,
Jones, M. and Westwood, J. H. Eur. J.
Cancer, 3, o ῌ῍
῍ ICRP Publication, 2*, ῌ῍
ῌTBAHCO῍ を使用した場合には 本試験を
必要とする mmolL テトラブチルアンモニ
ウム ῌTBA῍ イオン標準液を ῎ mL の範
囲 で 一 定 量 と り こ れ に .
mmol L の
sodium
bisῌcis--diethylenedithiolate῍-
nickelate 溶液 mL と mol L 酢酸緩衝液
ῌpH ῍ mL を加え さらに水を加えて mL
にした後 約分間放置して標準試薬溶液とす
る 次に mL のクロロホルムを分液漏斗にと
り これに標準試薬溶液を加えて十分に振り混
ぜ 下層のクロロホルム層を分取し テフロン
濾紙で濾過して混入する水分を除去した後 分
光光度計によって波長 nm で吸光度を測定
して検量線を作成する 同様の操作で検体 mL を用いて検体試料を調整して吸光度を測定
し 検量線から本品中のTBA イオン濃度を定
量する
アルミニウムイオン FFDG の精製にア
ルミナカラム ῌアルミナカトリッジ῍ を使用
するときは 本検査を必要とするῌ注 ῍ F
FDG 溶液 滴を滴板にとり アンモニア試薬
滴 次いでアリザリンスルホン酸水溶液 滴
放射性薬剤の基準 年改定 に関する解説
May 217
表 被曝線量
臓 器
成人
歳
歳
歳
歳
赤色髄
ῌmGy/MBq῍
膀胱壁
ῌmGy/MBq῍
Effective dose equivalent
ῌmSv/MBq῍
酸素ガス ῌO῍
注 ῍ 注 同様の石英ガラス管および石英ウルに
て 粒径 ῑ mm の活性炭を約 mm 程
度充ῌする 市販される活性炭の粒径が適合
しない場合 乳鉢などで砕いた後 ふるいに
かけて利用する ῌたとえば 目のひらき mm と mm のふるいを用い mm
を通過し mm のふるいを通過しないも
のを用いる῍
注 ῍ 市販される標準ガス ῌベスガスに二酸化炭
素添加῍ を用いる方法が便利である
注 ῍ 注 同様の石英ガラス管および石英ウルに
て 粒径 ῑ mm のポプカライト ῌῐ῍
を約 mm 充填する 通常 合成時のカラム
の加熱温度は である
注 ῍ N は 化学的純度 以上 核種純度
以上のものを使用する
製法
次のいずれかの方法による
ῌ 高純度窒素ガスに ῑ の酸素ガス
を添加し ῌ注 ῍ 重陽子を照射して
Nῌd,
n῍ Oの核反応により生成した Oをソῑダライ
ムῌ注 ῍および活性炭カラムῌ注 ῍に通じて副
生成物を除去して製する
῍
高純度窒素ガスに ῑ の二酸化
炭素を添加しῌ注 ῍ 重陽子を照射して
N
ῌd, n῍ O の核反応により生成した O 化合物を
触媒を充ῌしたカラムῌ注 ῍中で酸素ガスと同
位体交換させ 生じた O をソダライムῌ注
῍および活性炭カラムῌ注 ῍に通じて副生成物
確認試験
を除去して製する
῎
ῌ ῍ 放射化学的純度
高純度窒素 窒素ガス ῌ N῍ῌ注 ῍ に
検出器に熱伝導度検出器 ῌTCD῍ 充ῌ剤に
ῑ の二酸化炭素ガスを添加し 陽子
を照射して
Molecular Sieve X, mesh, SUS
Nῌp, n῍O の核反応により生成
column f f mm を用い カラム温
した O 化合物を ῍ の同位体交換法によって製
度 キャリアガスにヘリウム mL
min
する
῏
で分析するとき 通常 保持時間 分前後で
高純度窒素窒素ガス ῌ N῍ῌ注 ῍ に
ある
ῑ の酸素ガスを添加し 陽子を照射
して
ῌ ῍ 異核種
Nῌp, n῍ O の核反応により生成した
製造法により N が混入する可能性があるの
O をソダライムカラムῌ注 ῍に通じて副生
で 放射能の定量は 直接放射能を測定する電
成物を除去して製する
離箱による測定が望ましい
注 ῍ 市販される標準ガス ῌベスガスに酸素添加῍
を用いる方法が便利である
注 ῍ よく乾燥した石英ガラス管 ῌ内径 mm長
さ mm 程度῍ および石英ウル ῌ ῑ mm῍
を用いて 粒径 ῑ mm のソダライ
ムを約 mm 程度充ῌする ソダライム
は 隙間ができないよう十分に詰め 流量を
妨げない程度に両端の石英ウルで支持す
る
被曝線量῍
L の空気中に MBq を含むガスを連続吸
入した場合
肺
mGy
min
全身
mGy
min
218
Vol. , No. RADIOISOTOPES
を行うとき その濃度は 以下である
参考文献
注 ῍ 検知管には GL サイエンス社 ガステック
などがある
῍ Begler, R. F. and Sgourous, G. J. Nucl. Med.,
,., ῏ ῌ῍
被曝線量῍
一酸化炭素ガス ῌ O῍
製法
本品は 酸素ガス ῌ O῍ に記載する方法
肺
mGyMBq
全身
mGyMBq
参考文献
で製造した酸素ガス ῌ O῍ ῌ O῍ または 二
῍ Kearfott, K. J. J. Nucl. Med., ,-, ῏
ῌ῍
酸化炭素ガス ῌO῍ に記載する方法で製造した
二酸化炭素ガス ῌO῍ ῌCO῍ を加熱した活性
炭カラムῌ注 ῍およびソダライムカラムῌ注
二酸化炭素ガス ῌO῍
῍に通じて製する
製法
注 ῍ よく乾燥した石英ガラス管 ῌ内径 mm長
さ mm 程度῍ および石英ウル ῌ ῏ mm῍ を用いて 粒径 ῏ mm の活性炭を約
mm 程度充ῌする 市販される活性炭の粒
径が適合しない場合 乳鉢などで砕いた後
ふるいにかけて利用する ῌたとえば 目のひ
らき mm と mm のふるいを用い
mm を通過し mm のふるいを通過
しないものを用いる῍ 活性炭は隙間ができ
ないよう十分に詰め 流量を妨げない程度に
両端の石英ウルで支持する 通常 合成時
のカラム加熱温度は ῏ である
注 ῍ 注 同様の石英ガラス管 ῌ内径 mm長さ
mm 程度῍ および石英ウルにて 粒径
῏ mm のソダライムを約 mm 程
度充ῌする
次のいずれかの方法による
ῌ 高純度窒素ガスに ῏ の二酸化
炭素ガスを添加しῌ注 ῍ 重陽子を照射して
Nῌd, n῍O の核反応により生成した O 化合
物を加熱した活性炭カラムῌ注 ῍に通じて製す
る
῍
高純度 N ガスに ῏ の二酸化
炭素ガスを添加しῌ注 ῍ 陽子を照射して N
ῌp, n῍ O の核反応により生成した O 化合物
を加熱した活性炭カラム ῌ注 ῍ に通じて製す
る
῎ 酸素ガス ῌO῍ に記載する方法で製造
した酸素ガス ῌO῍ ῌO῍ を活性炭および銅粉
ῌCu῍ を充ῌし加熱したカラムῌ注 ῍に通じて
確認試験
製する
ῌ ῍ 放射化学的純度
注 ῍ 市販される標準ガス ベスガスに二酸化炭
素添加 を用いる方法が便利である
注 ῍ よく乾燥した石英ガラス管 ῌ内径 mm長
さ mm 程度῍ および石英ウル ῌ ῏ mm῍ を用いて 粒径 ῏ mm の活性炭を約
mm 程度充ῌする 市販される活性炭の
粒径が適合しない場合 乳鉢などで砕いた
後 ふるいにかけて利用する ῌたとえば 目
のひらき mm と mm のふるいを用
い mm を通過し mm のふるいを
通過しないものを用いる῍ 活性炭は隙間が
できないよう十分に詰め 流量を妨げない程
度に両端の石英ウルで支持する 通常 合
成時のカラム加熱温度は である
注 ῍ N は 化学的純度 以上 核種純度
以上のものを使用する
注 ῍ 通常 合成時のカラム加熱温度は であ
る
検出器に熱伝導度検出器 ῌTCD῍ 充ῌ剤に
Molecular Sieve X, mesh, SUS
column f f mm を用い カラム温
度 キャリアガスにヘリウム mL min で分析するとき 通常 保持時間 分前
後である
ῌ ῍ 異核種
製造法により N が混入する可能性があるの
で 放射能の定量は 直接放射能を測定する電
離箱による測定が望ましい
ῌ ῍ 一酸化炭素濃度
本品についてガスクロマトグラフ法またはガ
ス検知管方式ῌ注 ῍により 一酸化炭素の定量
放射性薬剤の基準 年改定
に関する解説
May 確認試験
219
で PET 診断用放射性薬剤 ῍PET 薬剤῎ 製造
῍ ῎ 放射化学的純度
に当たってはこの相反する条件を合理的に解決
検出器に熱伝導度検出器 ῍TCD῎ 充ῌ剤に
し 製品の品質確保および作業者の安全に努め
PoraPak Q, mesh, SUS column f f なければならない
mm を用い カラム温度 キャリ
アガスにヘリウム mL min で分析すると
製造管理体制
き 通常 保持時間 分前後である
組織図
῍ ῎ 異核種
製造法により N が混入する可能性があるの
で 放射能の定量は 直接放射能を測定する電
製造管理者
製造管理責任者
薬剤師
品質管理責任者 製
造管理責任者とは異
なる者が担当
離箱による測定が望ましい
作業環境
被曝線量
肺
全身
mGyMBq
作業環境の基準を満たすための設備
῎
mGyMBq
ῌ 作業室の出入り口に前室を設け空気の流
L の空気中に MBq 含むガスの連続吸入の
れを῏断することは 作業室の清浄度を保つの
に有効であり 特に作業室を陽圧に設定すると
場合
肺
全身
mGymin
きは 前室から排気するようにする また作業
῎
mGymin
室を陰圧に設定する場合は 前室を陽圧にし
エアロックやエヤシャワを設けると有効
参考文献
である 前室を設けることが困難なときは 作
῎ Kearfott, K. J. J. Nucl. Med., ,-, ῑ
῍῎
῎ Begler, R. F. and Sgourous, G. ibid., ,., ῑ
῍῎
業室内にクラス の性能を持つパネル式
クリンブスをホットセルに連結して設置す
るとよい
῍
作業室 ホットセルへの給気系には
HEPA フィルタなどの高性能フィルタを設置
PET 診断用放射性薬剤製造施設における作
するとともにフィルタ性能のモニタ装置を設け
業環境および作業に関するガイドライン
る
PET に利用される核種はガンマ線を放出す
῎ 作業室内の壁などには῍などの突起物を
るので 放射性薬剤の製造は 作業者の放射線
設置しないようにし 塵挨などの蓄積を防ぐ構
被曝を防ぐため放射線に対する῏῎装置を有す
造とする また壁 床 天井などの表面は容易
るヒュムフドやホットセルの中で作業を進
に洗浄ῌ消毒できる材質ῌ構造にする
めるとともに 放射性物質の散逸を防ぐため密
῏ 必要に応じ殺菌灯を設置する場合は 上
閉された系で行われなければならない した
向きに照射するようにして直接プラスチック類
がって 一般に放射線防護の観点からは 作業
を長時間照射しない構造とする
室を陰圧として放射性物質の室外への散逸を防
ῐ 作業者の放射線被曝を防ぐために使用す
ぐことが要求されている 一方 医薬品の品質
るホットセルや῏῎付ヒュムフド内で局部
保全の観点からは 製品に有害菌や異物が混入
的に高清浄度を得るには 小型 HEPA フィル
することを防ぐために清浄空気を導入して作業
タユニットを付置すると効果が期待できる 密
室を陽圧とすることが求められている そこ
閉系の自動合成装置を使用する場合 試薬や用
220
RADIOISOTOPES
Vol. ῑῌ , No. ῑ
ῐ作業環境の基準に関する概念図ῑ
具のセッティング時にはセル内を陽圧にして作
子の評価基準値は飽くまでも参考情報であり῍
業し῍ 放射能が対象となる合成時にはセルを陰
絶対的なものではないῌ
ῌ῍῍
圧にして排気できるような機能を付加すると有
効であるῌ
環境モニタリングによる環境微生物῍
微粒子の管理
ῌ 環境微生物῍ 微粒子のモニタリング
῏῔ 環境モニタリング
ῒ῍
無菌放射性薬剤の製造区域における環
無菌放射性薬剤の製造に当たっては῍ 環境微
境微生物῍ 微粒子のモニタリングプログラムの
生物および微粒子の管理が適切に維持されてい
手順書を各施設ごとに作成することῌ 手順書に
ることを保証するため῍ 環境῍ 設備および作業
含まれる項目としては῍ ῍῍ モニタリング対象
員に対して微生物῍ 微粒子のモニタリングを適
物῍ ῎῍ モニタリング対象微生物῍ ῏῍ モニタリ
切な῍度で行う必要があるῌ この環境モニタリ
ング῍度῍ ῐ῍ モニタリング方法῍ ῑ῍ モニタリ
ングの主目的は῍ 製造区域への環境悪化を事前
ング対象物に対する警報および処置基準値῍ ῒ῍
に予知し῍ 製品の品質に悪影響を及ぼすことを
設定基準値に達した際の具体的処置手順などが
防ぐとともに῍ 適切な清浄度管理により῍ 高度
あるῌ
な無菌放射性薬剤の製造を行うことにあるῌ
ΐ῍
無菌操作῍ 無菌管理を行う環境とその
空中微粒子῍ 汚染微生物の検出は῍ あらかじ
周辺では῍ 環境微生物の定期的なモニタリング
め定めたサンプリング計画に従い῍ 適切なサン
が必要であるῌ モニタリング対象物としては῍
プリング装置を用い῍ 原則として通常の作業形
空気῍ 床῍ 壁῍ 機械表面῍ 作業員の着衣や手袋
態下で行われなければならないῌ 空気中微生
などがあるῌ
物῍ 空気中微粒子および表面付着微生物の捕
῔῍
集῍ 培養῍ 計数῍ 評価方法は῍ モニタリング目
環境微生物のモニタリングに使用する
サンプリング装置῍ 方法および培地は検出しよ
的῍ 対象物῍ 検出対象微生物等によって異なる
うとする微生物 ῎好気性細菌῍ ῌ気性細菌῍ カ
ので῍ 目的῍ 対象物等に応じた適切な方法の選
ビ῍ 酵母など῏ に適したものでなければならな
択が必要であるῌ なお῍ 本法に示すサンプリン
いῌ また῍ 検出対象微生物に適切な培養温度お
グ装置および測定方法῍ 培地および培養温度῍
よび培養期間等の培養条件を選択すべきであ
モニタリング῍度῍ ならびに環境微生物῍ 微粒
るῌ
῎ ῒΐ ῏
放射性薬剤の基準 ῎ῌῌ῍年改定 に関する解説
May ῎ῌῌ῍
221
表 ῎ 環境微生物の評価基準*῍
クラス
空気中微生物数*῎
CFU/m῏
最小空気
採取量
m῏
῍ῌῌ
῍ῌ ῌῌῌ
῍ῌῌ ῌῌῌ
ῌ῍
῍ῌ
῍ῌῌ
ῌ῔ῑ
ῌ῔ῑ
ῌ῔῎
表面付着微生物数
機器῕設備
手 袋
CFU/῎ῐ o ῏ῌ cm῎*῏
ῌ῍
ῑ
῎ῑ
ῌ῍
ῑ
*῍ 各条件における平均許容上限値を示す
*῎ スリットサンプラ法または同等の微生物捕集性能を有する方法を
用いての値
*῏ コンタクトプレト 直径約 ῑ῔ῐ o ῒ῔῎ cm 当たりに現れる生菌数を
示す 拭き取り法を用いる場合には῕ ῎ῑ cm῎ 当たりの表面積の換算値
とする 手袋の場合は῕通常 ῑ 指をプレトに押捺
῍
サンプリングしたものは 日本薬局方
び方法がある モニタリングの目的および対象
微生物限度試験法のメンブランフィルタ法 寒
物によって 適切なサンプリング装置および方
天平板混釈法 寒天平板表面塗抹法および液体
法を選定しなければならない
培地段階希釈法 最確数法 等によって生菌数
῍ 空中微生物の測定方法
を計測する
῍ 落下菌測定法
環境微生物の参考評価基準を表 ῎ に示
寒天培地を入れた一定の大きさのペトリ皿
す 各モニタリング対象物の警報基準値と処置
を 測定場所でふたをとり 一定時間放置後
῍
基準値は 十分なデタが収集された後 必要
表面に落下した微生物を培養し 集落数を計数
に応じて調整することができる
する方法である 本法は 静置した培地の表面
分離された微生物については 必要に
に沈降しなかった微生物を検出できないこと
応じて性状検査を行う また 微粒子数につい
微生物凝集物の沈降速度は気流の影響を受ける
῍
てもその経時的または経日的推移を分析し 無
ことから 微生物の総数を定量的にモニタリン
菌放射性薬剤の製造区域の環境評価デタとす
グする際には有効でない 本法は 得られる結
る
果が定性または半定量的であるが 製品または
῎ 環境モニタリングデタの評価
῍
装置が空中に浮遊する微生物によって汚染され
環境モニタリングデタは 定期的に
る可能性を 長時間モニタリングするのに適切
評価し 各区域または場所において予知される
な方法である
環境上の問題点を推論する また問題が発生し
῍ 浮遊菌測定法
たときには ただちに原因調査を開始し 調査
῍῍ 測定法
結果を報告書にまとめる 再モニタリングは
一定量の空気を吸引する方法で サンプリン
問題区域が再び元の管理された状態に戻ったこ
グ方法によってろ過型サンプリング装置および
とを立証できる方法で実施しなければならな
衝突型サンプリング装置がある ろ過型サンプ
い
リング装置は 吸引力およびフィルタサイズを
῍
調査報告書は 品質管理責任者により
適切に変えることによって 希望する空気量を
評価および承認される
捕集することができるが フィルタを無菌的に
ῌ ῎ ῍ サンプリング装置および測定方法
ホルダに取り付けたり 取り出すときに注意
空気中微生物または表面付着微生物の捕集や
を要する 重要区域で使用する場合 空気の流
測定に関しては 種のサンプリング装置およ
れを乱し 無菌放射性薬剤の製造に悪影響を及
ῒΐ 222
RADIOISOTOPES
Vol. , No. ぼさないように注意を払うことῌ フィルタに
適しているῌ ろ過型サンプラ῎の特性について
は῍ ゼラチンフィルタ等を用いたウェットタイ
は῍ ῎ 項の測定法を参照ῌ
῎ 表面付着微生物の測定法
プおよびメンブランフィルタを用いたドライタ
イプのものがあるῌ ドライタイプのフィルタ
a῎ コンタクトプレ῎ト法
は῍ 静電気の影響により微生物粒子をフィルタ
適切な接触表面を有するコンタクトプレ῎ト
上に定量的に捕集できないことがあるῌ
を使用するῌ
サンプリング箇所に῍ コンタクトプレ῎ト全
衝突型サンプリング装置の選択および使用に
当たっては῍ 捕集される空気の培地への衝突速
体を均等に数秒間接触させるῌ この際῍ 回転さ
度が捕集された微生物粒子に悪影響を及ぼさ
せたり直線的に動かしてはならないῌ 接触後῍
ず῍ かつ微生物を捕集するのに十分な速度であ
プレ῎トに覆いをし῍ できるだけ速やかに適切
ることῌ また῍ 空気の吸引量は῍ それぞれの微
な培養条件で培養するῌ なお῍ コンタクトプ
生物汚染限度に応じて微生物汚染を検出するの
レ῎ト使用後は῍ 接触箇所に付着した培地成分
に十分な量であり῍ かつ培地の物理的ῌ化学的
を無菌的に拭き取ることῌ
特性を大きく変えるものであってはならないῌ
b῎ 拭き取り法
重要区域で使用する場合῍ 空気の流れを乱し῍
無菌のガ῎ゼ῍ 脱脂綿῍ 綿棒等を適切なリン
無菌放射性薬剤の製造に悪影響を及ぼさないよ
ス液に浸し῍ あらかじめ規定された表面積を
うに注意を払うことῌ
ゆっくりと回転῍ または平行線状に拭き取るこ
῎ 測定装置
とによってサンプリングを行うῌ サンプリング
一般的に使用される浮遊菌測定装置には῍ ῍
後῍ ガ῎ゼ῍ 脱脂綿῍ 綿棒等を適切な一定量の
スリットサンプラ῎῍ ῎ アンダ῎センサンプ
リンス液に入れて撹拌後῍ 適切な方法で微生物
ラ῎῍ ῏ ピンホ῎ルサンプラ῎῍ ῐ 遠心型サ
数を測定するῌ
ンプラ῎および ῑ ろ過型サンプラ῎があるῌ
῏ 浮遊菌測定サンプリング装置の捕集性能
スリットサンプラ῎は῍ 回転する寒天培地に一
試験
定サイズのスリットを通して一定流量の空気を
浮遊菌測定サンプリング装置の捕集性能試験
吹き付けて微生物を捕集する装置で῍ 培地の回
は῍ JIS K ῍空中浮遊菌測定器の捕集性能
転速度およびスリット培地表面との距離を調節
試験法῎ または ISO ῒ ῍クリ῎ンル῎ム
して測定し῍ 最大時間まで時系列的に微生物
の生物汚染管理῍ 一般原則῎ によって行うῌ
の推移を把握することができるῌ アンダ῎セン
ῐ 培地の性能試験および発育阻止物質の確
サンプラ῎は῍ 多孔板と寒天培地を数段組み合
認試験
わせ῍ 培地に多孔板を通して一定流量の空気を
日本薬局方微生物限度試験法の生菌数試験
吹き付けて微生物を捕集する装置で῍ 空気中の
の ΐ培地の性能試験及び発育阻止物質確認試
微生物の粒子分布を測定するのに適しているῌ
験῔ を準用するῌ
ピンホ῎ルサンプラ῎は῍ スリットサンプラ῎
のスリット部分がピンホ῎ルになった装置で῍
῍ ῎ 培地および培養条件
回転する寒天培地に数個のピンホ῎ルを通して
通例῍ 環境微生物試験に用いられている培地
および培養条件を次頁の表に示すῌ
一定流量の空気を吹き付けて微生物を捕集す
るῌ 遠心型サンプラ῎は῍ 回転羽根を回転し῍
一定流量で吸引した空気を周囲に固定した寒天
ῑ培地ῒ
培地のスリットに吹き付けて微生物を捕集する
ῌ
装置で῍ 機器の持ち運びが容易で局所の測定に
強化クロストリジウム 寒天 ῍または液
体῎ 培地
῏ ῐ
ῑ放射性薬剤の基準 ῏年改定ῐῒ に関する解説
May 肉エキス
g
ペプトン
g
223
ウシ心臓浸出末῍
ウシ心臓 g
に相当する量
酵母エキス
g
ペプトン
g
溶性デンプン
g
ブドウ糖
g
ブドウ糖
g
塩化ナトリウム
g
g
Lῐシステイン塩酸塩ῐ水和物
塩化ナトリウム
g
酢酸ナトリウム三水和物
g
ΐ で ῐ 分間高圧蒸気滅菌するῌ 滅
菌後の pH ῐ ῌ
g
寒天
῍
mL
水
mL
水
グルコ῎スペプトン
寒天 ῎または液
体῏ 培地
液体培地の場合῍ 寒天を g 加えるῌ
微生物限度試験法を参照ῌ ただし῍ 抗生物質
ΐ で ῎ 分間高圧蒸気滅菌するῌ 滅
は必要に応じて添加するῌ
菌後の pH ῐ ῌ
῎
ῌ クックドミ῎ト液体培地
サブロ῎デキストロ῎ス 寒天 ῎または
液体῏ 培地
表 培地および培養条件
検出対象
微生物
培地῍
培養条件
好気性
細菌
ソイビ῎ンῌカイセインῌダイジェスト ῌ
天 ῏または液体ῐ 培地
ブレインハ῎トインフゥ῎ジョン
ῌ天 ῏または液体ῐ 培地
ニュ῎トリエント 寒天 ῎または液体῏ 培地
o ΐ῍
日間以上῍
酵母および
カビ
ソイビ῎ンῌカゼインῌダイジェスト ῌ天
῏または液体ῐ 培地
サブロ῎デキストロ῎スῌ天 ῏または液体ῐ 培地
ポテトῌデキストロ῎スῌ天 ῏または液体ῐ 培地
グルコ῎スペプトンῌ天 ῏または液体ῐ 培地
o ΐ῍
日間以上῍
ῌ気性
細菌῍
ソイビ῎ンῌカゼインῌダイジェスト ῌ天
培地
クックドミ῎ト液体培地
強化クロストリジウム ῌ天 ῏または液体ῐ
培地
無菌試験用チオグリコ῎ル酸培地῏ ῎または
ῌ天培地ῐ
o ΐ
日間以上῍
* 培地には 必要に応じて適切な濃度の抗生物質を添加してもよい ῏日本薬局
方微生物限度試験法参照ῐῌ また 被検面に消毒剤の存在する恐れがあり そ
れが試験時に混入する可能性のある場合には それを不活化する物質を添加
するῌ
* 好気性細菌と酵母およびカビをソイビ῎ンῌカゼインῌダイジェスト ῌ天
培地で検出する場合には o ΐ で 日間以上の培養も許容されるῌ
* 信頼性の高い集落数の計測値が得られたと判断される場合に限り 培養後 日以前の計測値を採用してもよいῌ
*
通例 微生物モニタリングに ῌ気性細菌は含まれないῌ ῌ気性細菌の検出
にῌ天培地を用いる場合には 適当な装置を用いてῌ気培地を行うことῌ
῏ ῐ
224
RADIOISOTOPES
微生物限度試験法を参照 ただし 抗生物質
ῐ リンス液
は必要に応じて添加する
ῌ
ニュトリエント
Vol. , No. LP 希釈液
寒天 ῎または液体῏
g
カゼイン製ペプトン
培地
g
大豆レシチン
肉エキス
g
ポリソルベト
ペプトン
g
水
g
寒天
水
mL
菌後の pH ῑ チオ硫酸リンゲル溶液
菌後の pH ῕ リンゲル溶液 濃度
子ウシ脳 g
菌後の pH ῒ ペプトン食塩水緩衝液 ῎pH ῏
に相当する量
ウシ心臓 g
微生物限度試験法を参照
に相当する量
リンゲル溶液 濃度
ペプトン
g
ブドウ糖
g
塩化カリウム
塩化ナトリウム
g
塩化カルシウムに水和物
g
塩化ナトリウム
リン酸水素二ナトリウム二水和物
水
g
水
mL
で ῕ 分間高圧蒸気滅菌する 滅
῎または液体῏ 培地
寒天
g
チオ硫酸ナトリウム五水和物
῍ ブレインハトインフュジョン 寒天
ウシ心臓浸出末
mL
で ῕ 分間高圧蒸気滅菌する 滅
で ῕ 分間高圧蒸気滅菌する 滅
ウシ脳浸出末῍
῕ g
g
g
mL
で ῕ 分間高圧蒸気滅菌する 滅
g
菌後の pH mL
ΐ リン酸緩衝液 ῎pH ῏
日本薬局方微生物限度試験法を参照
で ῕ 分間高圧蒸気滅菌する 滅
菌後の pH ῕ ῎
作業の基準
ポテトῌデキストロス 寒天 ῎または
῏ 各施設で作成する基準書について
液体῏ 培地
書類の位置付けに関して
微生物限度試験法を参照 ただし 抗生物質
基本的な考え方として 施設で製造される
は必要に応じて添加する
῏
PET 薬剤を対象として設定する基準書類で
無菌試験用チオグリコル酸培地῔ ῎ま
医薬品 GMP ῎医薬品の製造管理と品質管理規
たは寒天培地῏
則῏ にそった整理のしかたをする すなわち
無菌試験法を参照 ただし 寒天培地の寒天
PET 薬剤全体を対象とした総論として GMP
濃度は約 とする
῍
῍
ウシ心臓浸出末 新鮮なウシの心臓から浸出し
管理基準書 製造管理基準書 製造衛生管理基
た液を乾燥した黄褐色の粉末で 特異なにおい
準書 品質管理基準書
を作成し 各論として
がある
乾燥減量 以下
品目毎の管理基準を製品標準書として整理記載
する なお 日本アイソトプ協会 サイクロ
ウシ脳浸出末 新鮮なウシの脳から浸出した液
トロン核医学利用専門委員会が成熟技術として
を乾燥した黄褐色の粉末で 特異なにおいがあ
認定した放射性薬剤の基準 年改定
῎以
る
乾燥減量 以下
下 協会ガイドラインと略す῏ ῎平成年 May ῎ῌῌ῍
放射性薬剤の基準 ῎ῌῌ῍年改定 に関する解説
225
月 Radioisotopes, /*῔ ῍ῒῌ o ῎ῌῐ ῍῎ῌῌ῍῎῎ およ
留溶媒試験法および医薬品各条記載
び日本核医学会 院内製造された FDG を用い
例
て PET 検査を行うためのガイドライン 以
表示材料 包装材料および付属品の規
下 核医学会ガイドラインと略す ῍平成῍῏年
格
῏ 月 核医学 -2 ῍῏῍o῍῏ῑ ῍῎ῌῌ῍῎῎ の両方のガ
特になし 薬剤の表示法が決められれ
イドラインを合わせて 以下 PET ガイドライ
ば ここに記載し サンプルに貼付
ンと略す
製造方法および手順
ただし この記述方法では 施設で製造さ
PET ガイドライン 医療用具附属の
れる PET 薬剤のすべてが各管理基準書の対象
資料に基づいて 製造作業時に用いる
となってしまうので 対象薬剤を何らかの形で
製造指図書 製造記録を兼用すること
明確化しておくこと
も可 を作成し 記載すること
試薬の標準使用量
῎ΐ 具体的な記述項目
医療用具付属の資料に基づいて 製
現実的な運用ができることを前提に 製品標
造作業時に用いる原材料の使用量を記
準書 各管理基準書の項目を選定する
載
῍῎ 製品標準書 品目ごとに作成
製品の保管条件 有効期間
薬剤の名称 成分
医療用具メカより示される製品
用いる医療用具の承認番号
使用上の注意事項 および各施設の実
成分および分量
験デタに基づいて記載
医療用具付属の資料を参照して記載
用法および用量ならびに使用上の注意
すること
医療用具メカより示される製品
仕様 および PET ガイドラインに基
原料および資材の規格および試験方法
医療用具付属の資料 PET ガイドラ
づいて記載すること
インに基づいて記載すること
定期的変更時の再バリデションに
PET 薬剤の規格および試験方法
係わる記載
PET ガイドライン 医療用具付属の
製品の品質試験項目のうち 安全性
資料に基づいて PET 薬剤規格および
がほぼ確認ῌ保証できるものについて
製造作業後に検定試験として実施する
は定期的な再バリデションによりそ
品質試験について 試験のための手順
の間の品質を担保する ただし 製品
書 記録書を作成し 記載すること
の品質に大きく影響を及ぼしうる製造
定期的 ῌ または変更時に試験実施と
設備 製造プロセス 品質試験の変更
なった事項については 定期的なバリ
長期間使用しなかった場合 工程作業
デションを実施することとし その
者の変更が行われた場合 製品が品質
試験のῌ度などに関しても記載するこ
の規格に合わないことが認められた場
と なお 最終製品に含まれる残留溶
合には その変更が影響を及ぼす品質
媒の規格値および試験方法に関しては
項目に対して連続 ῏ ロットの試し製造
医薬品の残留溶媒ガイドライン 平成
による品質の確認を行う これらの定
῍ῌ年 ῏ 月῏ῌ日 医薬審第῏ῌῑ号 に従う
期的῕変更時の再バリデションに係わ
こと 参考 日本薬局方
る事項について記載
参考情報
῎ΐ医薬品の残留溶媒ガイドライン 残
῎ 製造管理基準書 製造所ごとに作成 作
ῑ῏ 226
RADIOISOTOPES
Vol. ῏ῌ , No. ῏
῍῎ 製造衛生管理基準書 作業所ごと 作業
業所が一箇所の場合は製造衛生管理基準
書としてまとめてもよい
所が一箇所の場合は製造管理基準書とし
てまとめてもよい
一般事項
目的 適応の範囲 記録の保管につ
一般事項
いて記載
目的 適応の範囲 記録の保管につ
いて記載
. 原料および資材保管整理
受け入れ時 照合と外観検査 保管
製造衛生環境管理に関する事項
時および出庫時 区分管理と先入れ先
清浄度区分 衛生管理区分 ῍基本思
出し 出納管理 の注意事項を記載
想 区分定義῎ 製造動線に関する事項
基本思想 作業員の動線 服装基準
製品の保管管理
品質試験 合格品の表示 保管時お
清浄化に関する事項 清掃すべき作業
よび出庫時の注意事項 区分管理と先
室の指定ならびに清掃間隔 清掃作業
入れ先出し 保管出納記録について記
方法に関する事項 清掃すべき設備ῌ
載
器具の指定ならびに清掃間隔 清掃作
業方法に関する事項 環境モニタリン
製造工程管理
製造指図 製造作業 滅菌工程 表
グおよび環境試験に関する事項 環境
示および表示作業 工程検査 収率の
モニタリング 落下菌試験 浮遊微生
確認 微生物汚染の防止 作業室への
物試験 付着菌試験 について記載
立入制限 設備および機械器具の管理
クリンベンチを含むエリアごとに作
製造記録 製造容器の洗浄ῌ滅菌 異
業内容に対比づけた衛生管理区分を設
常時の措置ῌ報告 廃棄物の処理につ
定し 各区分の対象となる部屋 機械
いて記載
器具の指定 清掃間隔および清掃後の
製造手順に沿って作業すること それ
点検ῌ評価方法を記載 なお 浮遊微
に伴う注意事項 確認基準に沿った作
生物試験を実施の場合は落下菌試験を
業が行われたことの記録 入退管理に
また落下菌試験を実施の場合は浮遊微
ついて記載すること
生物試験を省略することができる
製造時における作業管理
作業員に関する事項
作業中の注意事項を記載
教育訓練 作業員に対する教育訓練
無菌を必要とする PET 薬剤の製造管理
一時立入者に対する教育訓練 健康管
作業室の保全 作業室ῌ機械および
理 日常健康管理 定期健康診断 に
器具の清掃 設備の点検ῌ整備 無菌
ついて記載
製品の製造作業 作業中の注意事項
製造を支援するシステムの管理に関す
作業室への立入制限 異常時の処置に
る事項
ついて記載
受配電設備および圧空供給設備 空
製造衛生管理基準に従った作業室の保
気調和設備について記載
全および機械ῌ器具の清掃の実施 無
῎῎ 品質管理基準書 製造所ごとに作成
菌 PET 薬剤の製造作業 工程 のク
一般事項
リンベンチなどの定められた清浄雰
目的 適応の範囲 記録の保管につ
囲気下での実施 それに関連する注意
いて記載
事項を記載
原料 資材および製品の検体採取
ῐ῎ May ῎ῌῌ῍
放射性薬剤の基準 ῎ῌῌ῍年改定 に関する解説
原料 資材の検体採取の方法 検体
227
について記載
採 取 量 検 体 採 取 時 の 注 意 事 項
臨床使用に係わる総合判定
PET 薬剤の検体採取の方法 検体採取
製品の臨床使用に対する判定の体制
量 検体採取時の注意事項 について
と記録について記載
記載
品質試験の実施方法
試験検査に用いられる標準品および試
薬試液等の品質確保
実施項目 実施手順について記載
一般購入品 一般調製試薬 危険物
医薬用外毒物ῌ劇物の対象品目 入手
試験結果の判定および報告
原料および資材の試験結果判定 結
または調製方法 保管管理方法 使用
果の判定 記録および総合評価 品質
時の注意について記載
試験結果の連絡 不合格の場合の措
再試験を必要とする場合の取扱い
置 PET 薬剤の試験結果判定 結果
原料について 長期間保存した場合
の判定 記録および総合評価 品質試
の再試験 試験結果が異常値を示した
験結果の連絡 不合格の場合の措置
場合の再試験について記載
ῐ῏ 
Fly UP