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新発想で “SUVの未来像”を演出

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新発想で “SUVの未来像”を演出
2001年11月4日発行
NOVEMBER 4, 2001
モーターショーもいよいよ後半の追い込みに入った。今日の天気は曇りから雨に変わったものの、休日の土曜とあって、来場者の出足は好調
で、今会期中最高の18万人を突破。会場は家族連れをはじめ幅広い層で混雑していた。また最近、高齢化、高福祉社会が急速に進展し福祉
車輌市場が拡大している。これを反映してか、高齢者や車椅子の来場者が目立つようになったのも今回のショーの特徴と言えるだろう。
“ Go farther.∼誰よりも遠くへ”
新発想で“SUVの未来像”を演出
「和」のエッセンスをとり入れた「Z・E・N」
今回のテーマは「Go farther. ∼誰よりも遠くへ」。ユニ
ークな個性を持つ4台のコンセプトカーが、新世代の“SUV
の世界”にタイムスリップさせてくれる。なかでも「Z・E・
N」は、SUVの楽しさとCV(商用車)の機能性を融合させ
たクロスオーバービークルで、雪見障子スタイルのリアゲー
トのほか、リアシートを格納してルームモードに切り替えれ
ば、畳と竹の素材で作った専用のフロアマットになる。「和」
のエッセンスをとり入れたユニークな発想が外国人にも評判
がよく、興味深げにシャッターを切る光景も多くみられた。
また西部開拓時代の馬車をモチーフにしたスタイリングの
「GBX」や「AXIOM」もSUVファンを魅きつけている。
このほかSUVのジャンルではないが、宅配便などのデリバ
リーバンをベースにして、趣味や遊びのスペースに“モデル
チェンジ”させた「BEGIN FUNKYBOX」も異色なコンセ
プトモデルとして注目度が高い。
ここのブースで見逃せないのが、技術展示コーナーだ。
2005年ごろまでに導入が予定されている次期欧州排出ガス規
制にも余裕をもってクリアするという「次世代超クリーンデ
ィーゼルエンジン」を参考出品、地球環境に配慮しながら低
公害化技術に積極的に取り組む企業スピリットを強く押し出
している。
パートナーの富士重工やスズキを含めると東ホー
ルの大半を占めるGMグループ。その一角にいすゞの
ブースがある。車幅や車高がセダンなどに比べるとビ
ッグサイズのSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)
が、
ところ狭しと展示されており、少し離れた場所から
でもよく目立つ。出品車は8台だが「力強さ」を象徴
するデザインの“新発想のSUV”を提案している。
GMグループは5つのブースを展開
ディーゼルエンジンの
最新技術もアピール
来場者と共有する空間「The GM Experience」
「セビルSTS」「ドゥビルDHS」と豪華なセダンが並
ぶGMブースは、憧れのアメリカンシンボルを眺める人々
でいつも混雑している。黒とシルバーで統一されたブー
スの中で、ひときわ目を引くのが「キャデラック・ヴィ
ゾン」。エッジを強めたその押し出しの強さにもかかわ
らず好評なのが、キャデラック的なところなのだろう。「キ
ャデラックCTS」は、シャシーは同じで外観だけの変更
が多い米国車の中にあって、完全な新開発車。そのスク
エアで先進的なスタイルと、キャデラックにしては珍し
い小型サイズ(全長4840mm)で、来場者の大きな注目
を集めていた。キャデラックのブランドに手が届くかも
しれないという期待が、これまでにない熱い視線となっ
ているのだろう。発売が最も待たれる米国車の一台だ。
在日ブラジル人向けの雑誌
編集長
カメラマン・レポーター
中野 寿里アさん 平尾 ルイス守さん
ポルトガル語の月刊誌「LOOK」に掲載するための取材。在日ブラジル人
は30万人に及ぶとお二人は言う。その人たちのための情報誌。部数は3万部。
ブラジルの若者は車好き。モーターショーの記事は若い人たちに喜ばれる、
と中野編集長。すごいショーですね。写真もたくさんとった。写真を中心にし
た誌面づくりをします。こう語る平尾さんの目は輝いていた。
Open the door ! くるま。未来を「ひ・ら・く」
日本発売スタンバイの右ハンドル仕様「キャデラックCTS」
Open the door ! The Automobiles Bright Future.
http://www.motorshow.or.jp/
多様なニーズに応えたアプローチ
外国車展示ブース
新しい技術と分野に挑みつづけるGMグループ。今回は、先進的な技術を駆使して新しいスポーティーカーのコンセプトを
次々と打ち出す姿勢に、特に若者達からの熱烈な支持が集まる。
日本市場への意気込みが
伝わる展示
先進性と実用性の高度な融合
サーブ
オペル
DTM仕様アストラ・クーペV8を発展させたガルウィングの「OPC エ
クストリーム」が、
来場者の圧倒的な注目を集める。他にも2座ロードス
ターとピックアップを合体させた「フロッグスター」、
オペル初のミッドシッ
プ「スピードスター」など、
いずれもコンセプトの明確な魅力ある参考出
品車ぞろいであるが、
これらを眺める人々の流れをうまくつなげるナレ
ーターの説明の分かりやすさも印象的だ。参考出品車以外の展示市
販車もスポーツ性あふれるクルマばかりで、
オペルブースの『ダイナミッ
ク・
ドライビング』をアピールする狙いは達成されたようだ。
熱烈なファンを持つことで有名なサーブは、
コンソール部のイグニッ
ションキーなど、
こだわりの哲学を貫きつつ技術の深化を目指す。その
象徴とも言える「9X(ナインエックス)」は、
新しいマルチパーパスビー
クルとして、
4座クーペ、
ロードスター、
ワゴン、
ピックアップと必要に応じ
た変化が可能である。サーブのイメージである先進性と実用性の調
和を、
来場者に訴えるには最適の車に違いない。
「サーブ9-5」
もエク
ステリアとインテリアのデザインを変えて新しいクルマの雰囲気を出し
ている。
公道を走るレーシングカー「アストラ・クーペOPC エクストリーム」
変幻自在なマルチパーパス・コンセプトカー「サーブ9X」
埼玉工業専門学校
実習に役立つ
海浜幕張駅から北1ゲートに向かうス
カイウェイ。そこに突如現れる巨大な手。
ショーのテーマロゴをもち、人差し指が
おいで!おいで!。思わずこれ“何”
?
実はこれ、お客様をお迎えする演出
の一つで、呼称はバボット。
「駅を降り
たところからモーターショーが始まって
いなければならない」との寺澤勉拓殖
大学教授の提案を採用。今回は、駅と
北1ゲートを結ぶ全長400mのスカイウ
ェイをデザイン、装飾の一つとして用いた。
た。高さ5m、幅2.5m。巨大なその手を、
外国人来場者がニッコリ笑ってカメラ
に収めていた。
チャコールグレーの制服を着た埼玉工業専門学校
の生徒さん総勢888名が会場に。
「モーターショーは
生きた教材」と引率の塚越先生。
「晴海の時代から
ずっと生徒を連れて来ている」と教育部長の大島先生。
自動車整備士と車体整備士などを養成する専門
学校。モータショー見学は全校挙げての行事。自動車
整備科2年の上田剛君(写真右)。お目当ては「光岡
の大蛇。よかった」
「あと参考になったのがエンジンの
カットモデル。実習に生かすことができます」。
Topics
利用者多い救護所
編集・発行/
社団法人 自動車工業振興会
Issued and Produced by
JAPAN MOTOR INDUSTRIAL FEDERATION, INC.
北ホール南側と中央ホール南側に設けられた救
護所には曜日に関係なく多くの利用者が訪れてい
る。来場者の場合、段差で転んでできたスリ傷、靴
ずれが上位を占める。それに車のドアに指を挟ん
だというケース。これが案外いるのだそうだ。
頭が痛い、気分が悪いといって
飛び込んでくる人もいる。意外なの
は風邪の症状を訴える人が少なく
ないことだ。
ただ風邪は館内で働いている出
品サイドにも多いとか。会期も半ば
を過ぎ、疲れの溜まる時期。そこで
ドクターからのメッセージ。
「会期も
残り僅か。頑張りましょう!」。
11月3日の入場者数
Nov.3rd attendance
入 場 者 数 累 計
Attendance to date
181,100 人
874,500 人
このニュースは 富士ゼロックスの DocuCentre Color 500CP で出力しています。 Printed by FUJI XEROX DocuCentre Color 500CP.
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