...

2 連立1次方程式

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

2 連立1次方程式
線形代数 1 資料 No. 3
担当:松田 晴英
2
2.1
連立 1 次方程式
基本変形
練習問題 1 次の連立一次方程式を求めよ。



2x + y + z = 7
··· °
1
x + 2y − z = 2
··· °
2


3x
− 2z = −3 · · · °
3
解答 x = ,y = ,z = 解説 連立方程式を機械的に解くために,以下に従って解きます。(便宜上,1 番上の式を『第
1 式』,上から 2 番目の式を『第 2 式』,上から 3 番目の式を『第 3 式』とよびます。)
(1) 1 番上にある式の x の係数を 1 にする。こ (4) 第 1 式,第 3 式の y を消去する。このため
のために,第 1 式と第 2 式の位置を入れ替える。 に,第 2 式の両辺を −2 倍して第 1 式に,第 2
式の両辺を 6 倍して第 3 式に加える。


··· °
2


 x + 2y − z = 2

+z =4
··· °
20

x
2x + y + z = 7
··· °
1


3x
y − z = −1 · · · °
1 00
− 2z = −3 · · · °
3



−5z = −15 · · · °
3 00
(2) 第 2 式と第 3 式の x を消去する。このため (5) 一番下にある式の z の係数を 1 にする。こ
に,第 1 式の両辺を −2 倍して第 2 式に,第 1 のために,第 3 式を − 1 倍する。
5
式の両辺を −3 倍して第 3 式に加える。



x
+z =4
··· °
20



··· °
2

 x + 2y − z = 2
y − z = −1 · · · °
1 00
0

−3y + 3z = 3
··· °

1


z=3
··· °
3 000

 −6y + z = −9 · · · °0
3
(6) 第 1 式,第 2 式の z を消去する。このため
(3) 上から 2 番目にある式の y の係数を 1 にす に,第 3 式の両辺を −1 倍して第 1 式に,第 3
る。このために,第 2 式を − 13 倍する。
式を第 2 式に加える。




= 1 ··· °
x
+
2y
−
z
=
2
·
·
·
°
2 00
2


x




y − z = −1 · · · °
1 00
−6y + z = −9



··· °
30
y
=2
··· °
1 000
z=3
··· °
3 000
以上で解が得られましたが,上で使った変形は以下の 3 つでした。 (1) 2 つの式を入れ替え
る。(2) 1 つの式に 0 でない数をかける。(3) 1 つの式に他の式の定数倍を加える。
1
上の解説における (1)∼(6) の変形は連立方程式の拡大係数行列に対して,次の 3 つの変形(行
列の基本変形)を施し,係数行列を単位行列に変形することと同じです。
¶
³
(1) 1 つの行に 0 でない数をかける。
(2) 2 つの行を入れ替える。
(3) 1 つの行に他の行の定数倍を加える。
µ
¶
´
³



a11 x + a12 y + a13 z = b1

   
a11 a12 a13
x
b1

   
連立方程式 a21 x + a22 y + a23 z = b2 つまり,a21 a22 a23  y  = b2  が 1 組の解を


a x + a y + a z = b
a31 a32 a33
b3
z
31
32
33

3
a11 a12 a13 b1


もつとき,その解は拡大係数行列 a21 a22 a23 b2  を次のように変形して得られる。
a31 a32 a33 b3
(1) (1, 1) 成分が 1 となるように 1 行目に 0 でない数をかける (または他の行と入れ替える)。
(2) (2, 1) 成分が 0 となるように 1 行目の定数倍を 2 行目に加える。
(3) (3, 1) 成分が 0 となるように 1 行目の定数倍を 3 行目に加える。
(4) (2, 2) 成分が 1 となるように 2 行目に定数倍をかける (または第 3 行と入れ替える)。
(5) (1, 2) 成分が 0 となるように 2 行目の定数倍を 1 行目に加える。
(6) (3, 2) 成分が 0 となるように 2 行目の定数倍を 3 行目に加える。
(7) (3, 3) 成分が 1 となるように 3 行目に 0 でない数をかける。
(8) (1, 3) 成分が 0 となるように 3 行目の定数倍を 1 行目に加える。
(9) (2, 3) 成分が 0 となるように 3 行目の定数倍を 2 行目に加える。
µ
´
練習問題 3. 教科書 22 ページ問題 2.1 の 2.(3) を解いてください。
今日のまとめ :教科書 19∼22 ページ
復習問題 :教科書 22 ページ問題 2.1 の 2.
次回とその次の回 :教科書 23∼33 ページを 2 回に分けて解説します。
2
Fly UP