...

① 見通しがもてる力 (どの位待つのか) ② 自分の気持ちや行動が

by user

on
Category: Documents
32

views

Report

Comments

Transcript

① 見通しがもてる力 (どの位待つのか) ② 自分の気持ちや行動が
とっとこ通信は天満病院のこどもリハビリテーション部とにこにこ園、てんま発達支
援センター、ジュニアクラブのスタッフが作成しているお便りです。こどもリハビリテ
ーション部ではこどもの個々の発達課題に応じてプログラムを作成し発達援助を
する仕事をしています。にこにこ園、てんま発達支援センター、ジュニアクラブでは
発達の遅れをお持ちのお子様への発達支援事業を行っております。
E-mail : [email protected]
携帯メールでお子様の名前を件名に入れて頂いて送
信していただけると講演会やセンター行事などを
お知らせします。
おこさまの描いた絵をのせてみませんか?
とっとこ通信ではお子様の描いた絵を挿絵に使わせて頂いております。
お家で描いた絵がありましたら掲載させていただきます。
運動会を終え、次は発表会の準備や練習をし始めるお子様方も増えてくる時期ですね。練習も本番も“待つ”場面の多い行事ですが、行事だ
けでなく、日々の生活をしていると、大人でも “順番を待つ”“始まるのを待つ”“終わるのを待つ”・・・等いろんな“待つ”を経験しま
す。私は、先日、スーパーのレジでの“待つ”を久しぶりに長時間経験して、「あぁ、お腹が空いた・・・。早く・・・。早く・・・。」と、若干イライラしたこと
を思い出しました。
どんなことが今から始まるのか、いつ終わるのか等の見通しがない状態で“待つ”って大半の方がしんどいと思われるのではないでしょうか?
社会生活の中で、(お子さんは集団活動等の中で)、数人であっても自分以外に人が存在する環境では、その分、“待つ”という場面が出てきや
すいということになります。 この“待つ”という行為ですが、必要とされる力の代表的なものとして、
① 見通しがもてる力 (どの位待つのか)
② 自分の気持ちや行動がコントロールできる力(どんな待ち方をするのか)
等があります。
お子さんの場合はある程度この力が育ってこないと、もしくはこの力がまだ未熟な場合は、この力をサポートする為の工夫や補助的なものがない
と一定時間“待つ”という行為は、ただただ苦痛なこととなります。
同様に大人も①ある程度、見通しをもって ②自分の気持ちや行動をコントロールして・・・というのが難しいことがあります。例えば、目の前でお
子さんが大人では理解しにくい行動を延々と続けていた場合・・・ 大人はお子さんの行動に対して、
①
見通しをもつことが難しい→ <理由>いつ目の前のこの行動が収まるのか・どんな対応をしたら切り替わってくれるのか分からない・
②
コントロールするのもストレスになる→ <理由>そもそも“目の前のお子さんの言動が困るので、早く切り替えてほしい”“大人側の
毎回、大人では図り知れないような言動
何かしらの目的があるので急いでいる”等の先行する感情や気持ちがあることが多い
その結果、「じゃあもう、これにしなさい」「それなら○○ができなくなるよ(買ってあげないよ)」といった代替えや誘導につなが
るような言葉でとにかく早くお子さんの行動を変えようとしてしまいがち になったり、言葉に出さなくても大人のそれが伝わってしまう時
があります。そして、大人があの手この手ですればするほどお子さんの拒否や抵抗を強めてしまうかもしれません。
ならば、どうすればよいのか・・・。
“こうすれば必ずうまくいく”なんて方法はおそらくないのですが、図り知れないお子さんの行動かもしれま
せんが、じっくり観察していると、何かしらの傾向が見えてくることも多いです。すると、こちらの見通し(どの位待つのか)もたてやすく
なります。また、早く切り替えてもらおうと、あの手この手に労力を費やすよりも、見えてきた傾向から、ある程度のところまで“少し待
ってみる”とこちらの覚悟を決めてしまった方が(どんな待ち方をするのか)、結果、双方のストレスも少なく済むかもしれませ
ん。
今回、6 年前にこのとっとこ通信で書いた『太陽と北風』のお話を思い出して、“大人”という生き物に成長してしまったが故に見えにくくなってし
まったものや“先生”と呼ばれるような仕事をしているが故に感じにくくなってしまった気持ちが少なからずあるなぁ・・・、と私自身、自分を振り返る
きっかけになったのですが、これを読まれた“大人”の方や“先生”と呼ばれる方はどう感じられたでしょうか?
―――――――― 小児リハ(ST)でお世話になっています。 実習生の自己紹介――――――――
10月7日~12月3日まで実習でお世話になります、庄形奈々です。出身は徳島県ですが現在、兵庫県にある神戸
総合医療専門学校で言語聴覚士の資格を取るために勉強をしています。実習では篠原先生の部屋で勉強していたり、
てんま発達支援センターに行かせて頂いたりしてお子さまたちと関わらせて頂きます。実習を通して、言語聴覚士と
しての力を磨くとともにお子さまたちの笑顔にたくさん出会いたいと思っています。
約2か月、どうぞよろしくお願いします。
私、太田順久(オオタ ノブヒサ)と申します。7 月から天満病院で心理士として勤務しております。通われている
お子さんたちの元気な声や、それを大きく包む保護者の方々の姿に励まされるような心持で毎日を送っています。
ところで私事ではありますが、先日床屋さんに行ってきました。理容師さんと話をしている中で、うまく髪を切るコツについて尋ねると「理容師や
けんな。やっぱり利用せんと。ほの人の、髪の癖、伸び方とかを見ながらね」と言われていました。“なるほどなぁ~”と感心しつつ、ある精神科医に
ついて連想を巡らせていました。
それは、ミルトン・エリクソン(Erickson H.M.)という私が尊敬する臨床家の一人で、利用技法あるいは活用(utilization)に長けた人物です。利用
技法とは、簡単に言うと患者さんが持つリソース(資源)を活用するといった方法です。エリクソンは、患者さんの独自性を尊重し、患者さんに合っ
た治療的関わりを最優先していたため、治療的に必要ならば患者さんを怒らせることもあった(!?)という、一見破天荒に見える介入方法をとること
でも知られています。怒るような介入をされた方も含め多くの患者さんは、エリクソンを“大変よく理解してくれる医者だ”と評価したそうです。
さて、この利用技法が最大限に活かされるためには客観的かつ、きめ細かな観察が必要と言われています。客観的で、きめ細やかな観察…。
こういうと簡単なようであるものの、実はかなり難しいものです。
例えば、腹が立っている時なんかは、到底客観的に状況を見られるわけがありません。「この子はいつもイライラさせる!」といった具合になるこ
ともありますよね。こんな時はどうやって、冷静さを取り戻せばいいでしょうか?ここで 1 つの提案です。それは、その思いに主語をつけて正確
に文章化してみるということです。
先ほどの例で言うと、「この子はいつもイライラさせる!」“と私は今思っている”という文章をつけてみるとどうでしょうか?他の例で言うと、「なん
でちゃんと片付けられないの!」“と私は今思っている”といった具合です。心の中で呟いてみて下さい。違いが出てきますね?
あふれる気持ちに飲み込まれそうなのが、少し距離をとって状況とそこに置かれた自分を見ることができるなど…。気がつかれましたね?こうな
ると、“自分は今イライラしているけど、イライラしない時もあるのに…。自分も子どもも体調が悪いのかもしれない”とか、“もう少し余裕をもって関わ
るとどう違うだろうか”とか、別の視点を持ちやすくなったり、解決のためのアイデアが浮かびやすくなったりします。
感情的になってしまうのはそれだけ一生懸命している証拠ですし、 相手の見方は自分の気持ちで容易に変化してしまう ものです。
その一生懸命な気持ちを大切にしながら、距離を持って物事を眺めると、今の時点でのほどよいあり方を見つけられる
かもしれませんね。
もちろん、そんな文章をつけても大差はないという体験も歓迎です。また別の方法を探すことができるということですもんね。
とりとめのない連想にお付き合いいただきありがとうございました。寒さはこれからが本番と言ったところですが、季節の変化は思う以上に影響する
ものです。皆様どうぞご自愛ください。
第 11 回 子育てサポート講演会のお知らせ
だんだんと寒さが増す季節になってきましたね… 今年も講演会開催の季節が近づいてきました。今回の講演会の
実行委員長をさせて頂いています、言語聴覚士の篠原です。医療法人 栄寿会では年に1度、発達障がいをもつ保護者さまや
医療・教育・福祉関係機関の先生方を対象にした子育てサポート講演会を開催しています。この講演会は、発達障がいの啓発や
特性への理解を高めること 発達障がいを持つ方に関わる支援者の資質向上を目的としています。
今年の講演会は、昨年度もご講演頂いた
ペック研究所・よこはま発達クリニックの児童精神科医 吉田友子先生をお招きして
おります。ここで簡単に講師である吉田先生のご紹介をさせて頂きます。吉田先生は、自閉症・アスペルガー症候群のお子さんへの心理学的医
学教育の研究や啓発を目的としたぺック研究所【Institute of Psychomedical Education for Children】を主宰されています。また、『自閉症・アスペ
ルガー症候群「自分のこと」教え方―診断説明・告知マニュアルー』などの発達障がいを持つお子さん方を支援する上でバイブルになる著書をい
くつも出版されている先生です。
なぜ、今年度も吉田友子先生にご講演をお願いしたのかと言いますと、昨年度の講演会にご来場頂いたみなさまのアンケートから
「自閉症の特性を考え、子どもへの接し方や支援の在り方を改めて考えることができた」
「こんなに障がい者や保護者、関係者の立場に立って、話してくれた講師の先生は初めてだった。」
「もう一度、吉田先生のお話を聞いてみたい」
「青年期や成人期の問題や対応や、診断名告知についても聞きたい」
などの沢山のお声を頂きました。
そのアンケートも含め、私たちスタッフも吉田先生のお話を聞かせて頂き、学びたい!!という気持ちになったからです。この講演会の詳細に
つきましては、医療法人 栄寿会のホームページ掲載はもちろん、関係機関の施設のみなさまにも配布させて頂いております。また、 ご利用の
保護者さまで講演会の詳細を知りたい方は各施設の担当のスタッフまでお知らせ下さい。
11月~受付期間となっておりますので、お誘いあわせの上、ぜひお越しくださいませ。
Fly UP