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EU での複合機械の解釈 −食品機械の例−
国際機械安全関連情報 No.7-02/2007.01/Ni-Ka EU での複合機械の解釈 −食品機械の例− 1. 序論 食品・飲料産業の工場では、機械指令で扱われる 複合機械が、互いに優先順位、機能・制御上の結び 付き、容易な信号交換から、優先制御までを含む包 装ラインとして数多く設置されていることが多い。 特に、衛生上の理由から、製造ラインは連結割合 が高くなる。衛生上の概念は機械指令で扱われ、更 に説明が必要かどうかは、新規の個別機械が、機械 指令上「機械」として扱われ、適合宣言書と CE マー キング付で評価されるかにある。BAuA(ドイツ連邦 労働安全労働医学局)は、このテーマに対して、注 釈書「機械指令 98/37/EG に従った機械」を作成し、 従来の委員会では、この内容を考慮し、委員会情報 01/2004 で補なっている。 2. 法的状況 機械指令 98/37/EG の検討理由に、複合装置として の開発が明文化され、機械指令上の危険を正当化す ることが挙げられる。機械指令第 1 章、2 段 a)項目で、 機械を「全体として機能・操作・相互作用する機械」 として定義し、1 段 8 項目では、製造された個別機械 に対し、機械指令附属 2 に従った欧州適合宣言書お よび CE マーキングの取付という製造者義務が述べ られ、第 8 章 7 段では、「機械・安全構成要素が様々 な原因の組み合わせ」とされる。 3. 方法 機械指令上では、機械は、前述の注釈書に従い、 領域上の関連性、機能・制御・安全技術上の結び付 きという基準の全てを満たさなければならず、新規 個別機械は、総括的に満たされた場合には、CE マー キング付の適合宣言書が与えられる。通常、領域上 の関連性は機械の制約によるが、関連性が見られな い場合は、機械指令を機械に適用することは出来な い。販売用に包装されたお菓子の製造や、飲料の 1.5l ペットボトルへの瓶詰などの相互作用が共通の製造 目的である場合、機械は、製造技術上統一されてい る。共通の製造目的がない場合は、機械指令上の機 械は存在しない。機械は、優先制御と共通のコマン ドスイッチにより相互に結び付いているが、結び付 きがない場合は、機械指令上の機械は存在しない。 機械における危険が、機能上・制御技術上の結び付 きの存在により、他の機械に伝達可能であれば、安 全技術上の方策は、装置全体に対し、適合宣言書の 作成、CE マーキング取付を行なうことにより考慮さ れる。また、伝達不可、あるいは、新たな危険発生 が生じない限りは、安全技術上の結び付きはなく、 機械は個別機械として、全体の装置に対する適合宣 言書と CE マーキングを必要としない。危険評価によ ると、機械間のインターフェースで発生した危険は Ⓒシュメアザール日本支社 〒167-0054 URL:http://www.schmersaljp.com 考慮されず、容易かつ分離式安全方策が除外可能、 あるいは、許容可能なリスクに到達出来ることが確 定される場合、機械は、個別機械として考慮出来る。 機械指令が全体的に用いられているかどうかに関ら ず、どの危険分析時にも、安全技術上の結び付きの 有無を確認するために、機械指令は必要とされ、個 別機械間のインターフェースと危険分析上の危険の 伝達への可能性が調査されるべきである。 4. 使用例 <例 1> 一括包装の製造時に、ペットボトルを折畳可能な 入れ物へ運ぶ包装機は、梱包機とセットである。作 動コンベアーと機械上の結び付きがあり、梱包機の 起動時には、センサが作動し停止する。コンベアー のセンサは、製造詰り時に、コンベアー、または包 装機を遮断する。領域上の関連性は、直接関連性の ある機械の制約により与えられ、機械は、ペットボ トルを入れ物に入れ、輸送用梱包するよう機能上の 結び付きで制約されている。製造技術上の共通の作 業基準は与えられ、共通制御により相互の結び付き がないため、機械は、制御技術上存在しない。また、 危険分析によると、安全技術上、インターフェース では、押し潰し、挟み込みの危険は少ないと認識さ れ、危険源は、容易かつ分離式安全装置により除外 される。危険分析では、他の機械への危険源伝達は 出来ないとされたが、非常時の遮断は要求されない。 注釈書では、安全技術上の結び付きはないため、機 械指令上の機械の全体性は無い。 <例 2> 一括包装の製造時に、ペットボトルを入れ物に運 ぶ包装機は、梱包機とセットで作動コンベアーと結 び付いている。梱包機の起動時、コンベアー中央、 包装機の最終過程で、製造詰りを見張るセンサがあ り、製造詰り時に、包装機・コンベアー・梱包機を 遮断させる。領域上の関連性、機能上の結び付きに ついては、例 1 同様であるが、センサが製造詰まり を認識するや否や、全機械が遮断されるため、制御 技術上、優先制御が存在する。また、安全技術上の 結び付きに関しては例 1 同様であるが、危険分析に よると、包装機コンベアーにおける製造詰まりが取 り除かれた後に予期せぬ再起動が可能となるため、 全装置に対する安全技術上の方策が取られる。その 結果、機械指令の意義においては、機械の全体性は ある。 本件、お問合せは SCHMERSAL 日本支社 参考:BGN(食品 BG)食品・嗜好品委員会情報 01/2006 (http://www.bgn.de/files/6288/Fachausschuss-Information_01-2006.pdf) 東京都杉並区松庵 3-39-8 Tel. 03-3247-0519 Fax. 03-3247-0537