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庭劇団ペニノ - KYOTO EXPERIMENT 2016 AUTUMN|京都国際舞台

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庭劇団ペニノ - KYOTO EXPERIMENT 2016 AUTUMN|京都国際舞台
Press Release 2013.7.11
公式プログラム
<新作・関西初演>
庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』
image: Mario Yoshino
驚愕の舞台美術とともに、異様で猥雑な妄想の扉が開く。
ただし、それは〈あなた〉自身の妄想かもしれない…
2013.10.3-8
Theater|TOKYO
@元・立誠小学校 講堂
広報に関するお問合せ| KYOTO EXPERIMENT 事務局[担当:多胡、和田]
TEL 075-213-5839(平日 11:00-19:00) FAX 075-213-5849 E-mail [email protected] URL http://kyoto-ex.jp
Press Release
作品紹介
驚愕の舞台美術とともに、異様で猥雑な妄想の扉が開く。
ただし、それは〈あなた〉自身の妄想かもしれない…
庭劇団ペニノ主宰のタニノクロウは、かつて自身が住んでいた東京・青山のマンション
の一室を、時間と手間を惜しみなく費やし劇団のアトリエへと改装。「はこぶね」と名
付けられた極めてプライベートかつミニマムな空間で、異様で猥雑、そして愛らしい妄
想ファンタジーを繰り広げてきた。そんな「はこぶね」が新作を携えて、ついに外の世
界へと出航した!
本作は、2004 年から 4 年ごとに「はこぶね」で立ち上がった作品『小さなリンボのレ
ストラン』『苛々する大人の絵本』『誰も知らない貴方の部屋』を下地にする。不穏な妄
想がうずまく奇妙な世界を舞台上の〈現実〉に出現させ話題を呼んだこれらの 3 作品を
ひとつの〈箱〉にぎゅっと詰めこみ、新しい作品に仕立て上げた、贅沢でぶっ飛んだ企み。
また、それらの作品世界を縦横に展開させる、驚異的な舞台装置も見ものだ。
3 + 1 の世界/空間を行き来する無限のループは、醒めない夢の中にいるような、恐怖
と愉悦にどっぷりと浸かる体験となるだろう。
庭劇団ペニノ流『不思議の国のアリス』ともいえる、『大きなトランクの中の箱』。その
舞台はきっと、生々しくて、切実で、愛おしい。
公演概要
公演名: 大きなトランクの中の箱
日 時: 10 月 3 日(木)19:30- 10 月 4 日(金)19:30- 10 月 5 日(土)14:00-* ◎、18:00 10 月 6 日(日)14:00-◎、18:0010 月 7 日(月)19:30 10 月 8 日(火)19:00 *ポスト・パフォーマンス・トーク
◎託児サービスあり(有料・要予約) ※受付開始→開演の 60 分前 ※開場→開演の 15 分前
※各回、英語字幕あり
会 場: 元・立誠小学校 講堂
京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町 310-2
※阪急京都線「河原町駅」1a 出口から北に徒歩 3 分
※京阪線「祇園四条駅」4・5 号出口から北西方向に徒歩 5 分
上演時間:90 分
チケット料金: [自由席]
一般 前売 ¥3,000 /当日 ¥3,500
ユース・学生 前売 ¥2,500 /当日 ¥3,000
シニア 前売 ¥2,500 /当日 ¥3,000
高校生以下 前売 ¥1,000 /当日 ¥1,000 ※ユースは 25 歳以下、シニアは 65 歳以上
年齢制限など: 未就学児入場不可。途中入場はできません。
広報に関するお問合せ| KYOTO EXPERIMENT 事務局[担当:多胡、和田]〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町 546-2
京都芸術センター内 TEL 075-213-5839(平日 11:00-19:00) FAX 075-213-5849 E-mail [email protected] URL http://kyoto-ex.jp
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チケット取扱
2013 年 8 月 2 日(金) 11:00 より前売開始
▶KYOTO EXPERIMENT チケットセンター(11:00-20:00 、8/4−9/22 は日曜休)
窓口|京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町 546-2 京都芸術センター 2F
Tel |075-213-0820 オンライン(要事前登録)| http://kyoto-ex.jp (PC) http://kyoto-ex.jp/m (Mobile)
▶京都芸術センター(10:00-20:00) 窓口販売のみ
▶チケットぴあ Tel|0570-02-9999 Web|http://t.pia.jp [P コード:430-476]
プロフィール
庭劇団ペニノ Niwa Gekidan Penino
タニノクロウを中心に 2000 年結成。近年では、劇団アトリエ「はこぶね」公演『苛々する
大人の絵本』(2008)は、2009 年以降、HAU Hebbel am Ufer、チューリヒ・テアター・シュ
ペクターケル、ノールデルゾン舞台芸術フェスティバル(オランダ)、ネクストフェスティバ
ル(ベルギー)、ドイツ・ミュンスター Kulturschiene(2011)にて上演。最新はこぶね公演『誰
も知らない貴方の部屋』は大阪、ヘルシンキ、ルツェルン(スイス)にて上演された。2011
年 6 月には静岡にて「ふじのくに⇄せかい演劇祭」に参加し、野外劇『エクスターズ』を上
演した。また 2012 年 12 月には、アンスティチュ・フランセ東京・庭劇団ペニノ・あうるすぽっ
と共同企画『ちいさなブリ・ミロの大きな冒険』を公演し、今までと違ったタニノの一面を
見せ好評を博した。
http://www.niwagekidan.org/
タニノクロウ Kuro TANINO
1976 年富山県出身。庭劇団ペニノの主宰、座付き劇作・演
出家。2000 年、昭和大学医学部在学中に同大学演劇部のメ
ンバーと庭劇団ペニノを旗揚げ。以降、全作品の脚本・演出
を手掛ける。『笑顔の砦』(2007)、『星影の Jr.』(2008) が、2
年連続で岸田國士戯曲賞最終候補にノミネートされる。劇団
外の活動としては、イプセン作『野鴨』( 演出、2007)、東京
芸術劇場主催公演チェーホフ生誕 150 周年記念『チェーホ
フ?!』(作・演出、2011)などがある。
広報に関するお問合せ| KYOTO EXPERIMENT 事務局[担当:多胡、和田]〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町 546-2
京都芸術センター内 TEL 075-213-5839(平日 11:00-19:00) FAX 075-213-5849 E-mail [email protected] URL http://kyoto-ex.jp
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上演作品写真
東京公演:2013 年 4 月 12 日 -29 日 森下スタジオ
photo: Aki Tanaka
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作品に寄せて
「妄想を肯定する!?――庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』への誘い――」
鴻英良
「抑圧されたものの回帰」とは、フロイトの有名な命題だが、ふつうこれは精神的な病
気の原因となるものとして、望まれないものとして語られてきた。しかし、思いだした
くない、あるいは起こってほしくないと考えているその抑圧されたものを喜ばしきもの
として迎え入れることが出来るとすれば、人間の生活の様式は大きく変わるかもしれな
い。妄想を抑圧すること、それは正常人にとってつねに要請されているものであるが、
妄想を抑圧することは必ずしも必要ないのではないのか、このような核心にたどり着い
た一人の人間がいたとして、そしてこの人間が、精神分析医であり、かつ、演出家であっ
たとするとき、どのような演劇が出現するのか、そのことを知りたければ、タニノクロ
ウ作・演出の庭劇団ペニノの作品『大きなトランクの中の箱』を見に来るといいのでは
ないのかと私は思う。
コンプレックスと自叙伝、これは誰もが語りたいことだ。しかし、そのことがわれわれ
に届くためには、それが少なくともその一部において、われわれのコンプレックスであ
り、われわれの伝記でもなければならない。つまり、固有性と普遍性とのせめぎあいの
中で、共感と批判は生まれるのである。
『大きなトランクの中の箱』は、まさにわれわ
れ観客のコンプレックスとその自叙伝を、演出家タニノクロウのコンプレックスと自叙
伝を介しながら見事に舞台化したものであるがゆえに、私にこの作品について何か反省
的な言葉を語らなければならないと思わせたのであった。
何かが肯定されている。奇妙な妄想があるということ、それは事実だ。それがどのよう
な妄想か、それは舞台を見れば明らかだろう、だから、ここでは私はそのことについて
は敢えて書かない。だが、そうした妄想をいだくということが徹底的に肯定されている
ということ、その肯定性が徐々に明らかになり、われわれ観客もその肯定性にうなずく
ことになるというそのプロセスが現実化していく。奇妙な、まれにみる空間である。
そう、空間なのだ。このようなことがここでは、造形的な空間性と象徴的な音響性とも
に現実化しているのである。壁の向こう側から聞こえてくる恐ろしげな足音、それは私
に襲いかかる巨人の足音のようでもあり、またひ弱な私を抑圧する大いなる権力の幻影
のようなものでもある。その音とともに訪れたものが何であったのかをわれわれは考え
なければならないし、その音とともに現れたものに、この作品の主人公、つまり、この
舞台の作家の分身がどのように対応していったのかが、その後のこの舞台の流れを構成
するものであり、彼の妄想の具体的な姿でもあるのだ。
しかし、この妄想は、思いつめた人間の描く妄想がしばしばそうであるようには、単調
でも通り一遍なものでもない。その妄想の多様さこそが、この舞台を、ある種の妄想賛
歌に仕立て上げているのである。なぜこのようなひとつの空間からあのようなそれとは
きわめて異質の空間へと人は歩みこんでいくのか。この舞台にある妄想のそのような移
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行の無限の転換の連なりの中に、私は、人間の変容の可能性を、あるいは、われわれの生の
様式の多様性への確信を見出すのである。
AからBへの移行、そしてBからCへの移行、さらにCからDへの移行、この移行は無限に
続くであろうが、それらは夢のなかでのように、この舞台では容易に果たされる。そして、
それが舞台における現実的変容としてわれわれの前で現出するのを見ることは一種の愉悦で
ある。このような愉悦を、これからこの舞台を見るものが味わうことになるであろうことを
私は確信している。そして、この愉悦とともに妄想の肯定性は、疑問に付されつつ現実化し
ていくのである。
しかし、問題はそのような視覚的な快楽だけにこの舞台を還元してはならないだろうという
ことだ。
この私の主張が何を意味することになるのかについての簡単な示唆をすることで、
『大きなト
ランクの中の箱』への招待とでもいうべき私のこの文章を終えようと思う。つまり、こうい
うことである。アントナン・アルトーの有名な著作に『演劇とその分身』というのがある。
われわれは演劇を見る。舞台で展開されているそれは、
現実的な出来事の連なりだったりする。
だが、その出来事、現実の再現でしかないもののあたりには、現実のレベルを遙かに超えた
その分身が、精霊のように漂っているのだ。演劇というのは、その精霊(分身)とともに見
なければならない。それが見えるか、と、アルトーは問いかけたのである。チェーホフの『桜
の園』を見ながら、古き良きロシアの没落の影を見なければならないように、タニノクロウ
の『大きなトランクの中の箱』を見ながら、何を、そのあたりに漂う精霊として眼差さなけ
ればならないか、それが問題なのである。
鴻英良 Hidenaga OTORI
1948 年生まれ。演劇批評家。専門はロシア芸術思想。ウォーカー・アート・センター・グローバル委員、
国際演劇祭ラオコオン芸術監督、舞台芸術研究センター副所長を歴任。著書に『二十世紀劇場――歴
史としての芸術と世界』
(朝日新聞社、1998)、共著に『反響マシーン――リチャード・フォアマンの世界』
(勁草書房、2000)他、訳書にカントールの『芸術家よ、くたばれ!』(作品社、1990)、タルコフスキー
『映像のポエジア』
(キネマ旬報社、1988)など多数。また演劇批評誌『シアターアーツ』第一期編集代表、
『舞台芸術』(1 ∼ 10 号)編集委員を務めた。
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主な公演歴
2012 『小さなブリ・ミロの大きな冒険』
(作:ファブリス・メルキオ 翻訳:友谷知己 演出:タニノクロウ)
あうるすぽっと(東京)
photo: Aki Tanaka
『誰も知らない貴方の部屋』
(作・演出・美術:タニノクロウ)
はこぶね(東京)
photo: Shinsuke Sugino
2011 『エクスターズ』
(作・演出:タニノクロウ)
静岡県舞台芸術公園 野外劇場「有度」
© 静岡県舞台芸術センター
『チェーホフ?!』
(作・演出:タニノクロウ)
東京芸術劇場
photo: Aki Tanaka
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主な公演歴
2008
『苛々する大人の絵本』
(作・演出・美術:タニノクロウ)
はこぶね(東京)
photo: Pierre Borasci
2006
『アンダーグラウンド』
(作・演出:タニノクロウ)
スズナリ(東京)
photo: Aki Tanaka
2004
『小さなリンボのレストラン』
(作・演出:タニノクロウ)
はこぶね(東京)
photo: Aki Tanaka
公演クレジット
作・演出:タニノクロウ
出演:山田伊久磨、飯田一期、島田桃依(青年団)、瀬口タエコ
構成:玉置潤一郎、山口有紀子、吉野万里雄
美術:稲田美智子
特殊小道具:横沢紅太郎、小此木謙一郎(GaRP)
舞台監督:三津久 照明:阿部将之(LICKT-ER)
音響:佐藤こうじ(Sugar Sound)
音楽:奥田祐
音響オペレーター:阿久津未歩
英語字幕:門田美和
演出助手:松本ゆい、仮屋浩太郎 制作:小野塚央 助成:公益財団法人セゾン文化財団
製作:庭劇団ペニノ
主催:KYOTO EXPERIMENT
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