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4 - 経済産業省
第4章 3Rの取組に関する国際的側面に係わる検討 循 環 型 社 会 を 構 築 す る に 当 た り 、国 際 的 な 連 携 の 重 要 性 は 認 識 さ れ て い る と こ ろ で あ り 、3 R の 取 組 を 推 進 す る 観 点 か ら 国 際 的 な 動 向 に つ い て 基 礎 的 な 情 報を調査した。 具 体 的 に は 、再 生 資 源・中 古 製 品 等 の 輸 出 実 態 を 踏 ま え る と と も に 、輸 入 製 品 に 係 わ る 情 報( 国 内 製 品 と の シ ェ ア 比 較 等 )を 調 査 し 、リ サ イ ク ル 産 業 の 国 際展開の可能性等を考察するに資する基礎情報を収集、整理する。 4 .1 輸 入 製 品 に 係 わ る 状 況 お よ び 使 用 済 み 製 品・素 材 の 輸 出 状 況 ま ず は 、製 品 ご と の 輸 入 状 況 に つ い て 示 す 。指 定 省 資 源 化 製 品 、指 定 再 利 用 促 進 製 品 の 輸 入 状 況 に つ い て 表 4.1.1に ま と め て あ る 。 ま た 、 日 本 の 主 な 製 品 の 輸 入 量 の 推 移 を 図 4.1.1∼ 図 4.1.3に 示 し て あ る 。 拡 大 生 産 者 責 任 と い う 意 味 か ら 、輸 入 事 業 者 が 生 産 者 の 責 任 を 代 替 す る も の という考え方がある。3Rに係る法律等における輸入事業者の扱いについて、 表 4.1.2に ま と め て あ る 。 ま た 、 E U 指 令 に お け る 輸 入 事 業 者 の 位 置 付 け を 整 理 し た も の が 表 4.1.3で あ る 。 外 資 系 家 電 企 業 が 3 R に 関 し て ど の よ う な 取 組 を 行 っ て い る か に 関 し て は 、「( 参 考 )主 な 外 資 系 家 電 企 業 に お け る 3 R に 係 る取組状況について」に示してある。 ま た 、使 用 済 み 製 品・素 材 の 輸 出 量 と そ の 推 移 に 関 し て は 、プ ラ ス チ ッ ク く ず 、 古 紙 、 鉄 く ず 、 銅 く ず 、 ア ル ミ ニ ウ ム く ず を 例 と し て 採 り あ げ 、 図 4.1.4 ∼ 図 4.1.8及 び 表 4.1.3∼ 表 4.1.7に 示 し て あ る 。 使 用 済 み 製 品 ・ 素 材 の 輸 出 に 係 わ る 状 況 を 表 4.1.8に 示 す 。 表4.1.1 指定省資源化製品、指定再利用促進製品の輸入状況について 製品 浴室ユニット 自動車(二輪含まず) 特定 省資源化 製品 指定 再利用 促進製品 国内販売量 輸入量 管轄団体 リデュー ス配慮設 リユース 配慮設計 リサイク ル配慮設 - - ● ● ● ○ ● ● ●(追加) パソコン 出典 (千台) 日本設備ユニット工業会 (千台) シェア (国内販売)矢野経済研究所 2000年度値 1,656 不明 (社)日本自動車工業会、日 本自動車輸入組合 (社)電子情報技術産業協会 (国内販売)(社)日本自動社工業会HP 2000年度値《新車登録台数》 5,973 277 4.64% (輸入)日本自動車輸入組合HP 2000年度値《新車登録台数》 (国内販売)(社)電子情報技術産業協会「パーソナルコンピューター」(生産-輸出+輸入)2000年値《経済産 業省 生産動態統計調査》 17,748 2,529 14.25% (輸入)日本貿易月表「携帯用のディジタル式自動データ処理機械(重量が10kg以下で、・・・・」「その他の ディジタル式自動処理機械(システムの形態で提示するもの)」2000年値 エアコン ぱちんこ遊技機 回胴式遊技機 複写機 テレビ 電子レンジ 衣類乾燥機 冷蔵庫 洗濯機 金属製の収納家具 棚 事務用机 回転椅子 システムキッチン 石油ストーブ ガスグリル付こんろ等 ガス瞬間湯沸器 ガスバーナー付ふろがま 石油給湯機 電源装置 電気工具 誘導灯 火災警報設備 防犯警報装置 電動アシスト自転車 電動車いす プリンター 携帯用データ収集措置 コードレスホン ファクシミリ装置 電話交換機 携帯電話用通信装置 MCAシステム用通信装置 簡易無線用通信装置 アマチュア用無線機 電気掃除機 電気かみそり 電気歯ブラシ 非常用照明器具 血圧計 医薬品注入器 電気マッサージ器 家庭用電気治療器 電気気泡発生器 電気がん具 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「ルームエアコン」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調 ● - ○ ● ● ● ● ● ● 8,316 - ● - ● - ○ ● - ● ● - ● 339 ● - ○ 5,227 1,659 31.73% 《財務省 日本貿易月表》 ● - ○ 4,739 956 20.16% 《財務省 日本貿易月表》 ● - ● ● - ● 2,878 金属製の家具の90 ● - ● 1,846 われる。 ● - ● 日本遊技工業組合 1,114 13.39% 査》《財務省 日本貿易月表》 (国内販売)循環経済ビジョン1998年度値 (輸入)循環経済ビジョン 2,360 輸入なし 842 (社)日本事務機械工業会 (社)電子情報技術産業協会 734 113 15.40% 10,181 9,782 96.08% (社)日本電機工業会 (国内販売)機械統計年報 1999年値 (輸出)(社)電子情報技術産業協会「テレビ受像機」2000年値 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「電子レンジ」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調査》 3,768 (社)日本オフィス家具協会 (国内販売・輸入)(社)日本事務機械工業会 1,721 45.67% 《財務省 日本貿易月表》 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP洗濯物乾燥機(販売)」「衣類乾燥機(輸入)」 2000年度値《経済産 5 1.35% 業省 生産動態統計調査》《財務省 日本貿易月表》 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「電気冷蔵庫」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調査》 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「電気洗濯機」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調査》 (国内販売)雑貨統計「保管庫類」「棚」「机・事務用」「いす・回転式」 H11年値 (輸入)(社)日本オフィス家具協会へのヒアリング 2,374 ∼95%が国産と思 2,598 キッチン・バス工業会 (国内販売)雑貨統計「システムキッチン」H11年数値 617 不明 - - ● ● - ● ● - ● 7,586 ● - ● 2,625 ずかと思われる。 ● - ● 1,669 ● - ● - - ● - - ○ - - ● - - ● - - ● - - ● - - ● - - ● - - ● - - ○ - - - (社)ガス・石油機器工業会 (国内販売)機械統計年報「石油ストーブ」「ガスこんろ」「ガス湯沸器・瞬間型」「ガス風呂がま」「石油温水給 湯暖房機」 H11年値 (輸入)(社)ガス・石油機器工業会ヒアリング 7,468 輸入量は、ごくわ 672 (社)日本電機工業会 不明 (社)日本電機工業会 (社)日本照明器具工業会 (社)日本火災報知器工業会 (社)日本防災設備協会 不明 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「手持電動工具」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調 7,478 3,200 42.80% 査》《財務省 日本貿易月表》 不明 少ないと思われる 不明 少ないと思われる 不明 不明 (社)日本自転車協会、(財) 不明 自転車産業振興協会 電動車いす安全普及協会 (社)電子情報技術産業協会 ほとんどが国産品 36 9割程度が国産 通信機械工業会 (輸入)(社)日本火災報知器工業会ヒアリング (輸入)(財)自転車産業振興協会ヒアリング (国内販売・輸入)電動車いす安全普及協会ヒアリング。数値は2000年度出荷台数。 (国内販売)(社)電子情報技術産業協会「印刷装置」(生産)2000年値《経済産業省 生産動態統計調査》 27,167 不明 不明 (輸入)(社)日本照明器具工業会ヒアリング 不明 (国内販売・輸入)通信機械工業会HP「コードレスホン(国内販売)(生産-輸出+輸入)」 「コードレスホン 8,936 2,227 24.92% (輸入)」2000年度値《経済産業省 生産動態統計調査》《財務省 日本貿易月表》 ● 4,021 2,165 53.84% 入)」2000年度値《経済産業省 生産動態統計調査》《財務省 日本貿易月表》 - ● 562 - - ● - - ○ - - ○ - - ○ - - ○ 11,706 2,255 19.27% (国内販売・輸入)(社)電子情報技術産業協会「ビデオカメラ(放送用を除く)(生産-輸出+輸入)(販売)」「 スチールビデオカメラ・その他のビデオカメラ(輸入)」2000年値《経済産業省 生産動態統計調査》 《財務省 日本貿易月表》 - - ○ 2,998 2,175 72.55% (国内販売・輸入)(社)電子情報技術産業協会「ヘッドホンステレオ(生産-輸出+輸入)(販売)」「ヘッドホ ンステレオ(輸入)」2000年値《経済産業省 生産動態統計調査》《財務省 日本貿易月表》 - - ○ 5,843 4,727 80.90% 《財務省 日本貿易月表》 - - ○ 8,915 6,491 72.81% 査》《財務省 日本貿易月表》 - - ○ - - ● - - ● - - ● (社)日本ホームヘルス機器 不明 工業会 日本医療器材工業会 不明 不明 不明 ビデオカメラ ヘッドホンステレオ (社)日本冷凍空調工業会 (社)電気通信事業者協会及 び通信機械工業会 (社)電子情報技術産業協会 (社)日本電機工業会 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「電気掃除機」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調査》 (国内販売・輸入)(社)日本電機工業会HP「電気かみそり」 2000年度値《経済産業省 生産動態統計調 多くないと思われ (輸入)(社)日本照明器具工業会ヒアリング る ● - - ● 不明 - - ● ○ 不明 不明 - - 不明 不明 - - (国内販売)(社)電子情報技術産業協会「MCA無線」(生産)2000年値《経済産業省 生産動態統計調査》 不明 (社)日本ホームヘルス機器 不明 工業会 【凡例】●:新規 ○:既指定 (国内販売・輸入)通信機械工業会HP「携帯電話(国内販売)(生産-輸出+輸入)」 「移動式電話(輸入)」2000 345 0.68% 年度値《経済産業省 生産動態統計調査》《財務省 日本貿易月表》 38 不明 日本アマチュア無線機器工 不明 業会 (社)電子情報技術産業協会 (社)日本玩具協会 (国内販売・輸入)通信機械工業会HP「交換機(国内販売)(生産-輸出+輸入)」 「交換機(輸入)」2000年度値 84 14.95% 《経済産業省 生産動態統計調査》《財務省 日本貿易月表》 50,616 不明 (社)日本照明器具工業会 (国内販売・輸入)通信機械工業会HP「ファクシミリ(国内販売)(生産-輸出+輸入)」 「ファクシミリ(輸 不明 不明 不明 不明 不明 大半が輸入と思わ (輸入)日本玩具協会ヒアリング れる 図4.1.1 日本の主な製品輸入量の推移① (百万台) 3.0 パソコン エアコン 電気冷蔵庫 電気洗濯機 ビデオカメラ ヘッドホンステレオ 2.5 2.5 2.3 2.2 2.0 1.5 1.0 0.5 1.5 1.2 1.0 1.0 0.8 0.8 0.6 0.5 0.2 0.0 96年 97年 98年 99年 00年 年(暦年) 図4.1.2 日本の主な製品輸入量の推移② (百万台) 10 9.8 テレビ 9 8.6 8 7.5 7.3 7.1 7 6 96年 97年 98年 99年 00年 (暦年) 図4.1.3 日本の主な製品輸入量の推移③ (百万点) 4,000 衣類 3,068 3,000 2,443 2,178 2,000 1,936 2,018 1,000 0 96年 97年 98年 99年 00年 (暦年) <参考資料17> 表4.1.2 法 3Rに係る法律等における輸入事業者の扱いについて 律 資源有効利用促進法 指定省資源化製品 内 容 以下の製品(現在19品目)の 製造事業者 (自動車について は製造及び修理事業者)は、判断基準に基づき 、「原材料等の 使用の合理化 」、「長期間の使用の促進」その他の使用済物品等 の発生の抑制に取り組むことが求められる。一定規模以上の事 業者には主務大臣による勧告、公表、命令の措置あり。 自動車、家電製品(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、衣 類乾燥機 )、パソコン、ぱちんこ遊技機(回胴式遊技機を含む 。)、金属製家 具(金属製の収納家具、棚、事務用机、回転いす )、ガス・石油機器(石油 ストーブ、ガスグリル付こんろ、ガス瞬間湯沸器、ガスバーナー付ふろが ま、石油給湯機) 指定再利用促進製品 以下の製品(現在50品目)の 製造事業者 (自動車について は製造及び修理事業者)は、判断基準に基づき、再生資源又は 再生部品の利用の促進(リユース又はリサイクルが容易な製品 の設計・製造)に取り組むことが求められる。一定規模以上の 事業者には主務大臣による勧告、公表、命令の措置あり。 自動車、家電製品(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、衣 類乾燥機 )、パソコン、ぱちんこ遊技機(回胴式遊技機を含む 。)、複写機、 金属製家具(金属製の収納家具、棚、事務用机、回転いす )、ガス・石油機 器(石油ストーブ、ガスグリル付こんろ、ガス瞬間湯沸器、ガスバーナー 付ふろがま、石油給湯機 )、浴室ユニット、システムキッチン、小形二次電 池使用機器(28品目) 指定表示製品 以下の製品(現在14品目)の 製造事業者及び輸入販売事業 者 は、分別回収の促進のための表示を行うことが求められる。 一定規模以上の事業者には主務大臣による勧告、公表、命令の 措置あり。 スチール製の缶、アルミニウム製の缶、ペットボトル、小形二次電池(密 閉形ニッケル・カドミウム蓄電池 、小形シール鉛蓄電池 、密閉形ニッケル・ 水素蓄電池、リチウム二次電池 )、塩化ビニル製建設資材(硬質塩化ビニル 製の管・雨どい・窓枠、塩化ビニル製の床材・壁紙 )、紙製容器包装、プラ スチック製容器包装 指定再資源化製品 以下の製品の 製造事業者及び輸入販売事業者 は、判断基準に 基づき、自主回収及び再資源化に取り組むことが求められる。 一定規模以上の事業者には主務大臣による勧告、公表、命令の 措置あり。 パソコン(ブラウン管式・液晶式表示装置を含む 。)、小形二次電池(密閉 形ニッケル・カドミウム蓄電池、密閉形ニッケル・水素蓄電池、リチウム 二次電池、小形シール鉛蓄電池 )、密閉形蓄電池を部品として利用している 29品目 容器包装リサイクル法 家電リサイクル法 (参 考) エネルギーの使用合理 化に関する法律(省エ ネ法) 特定容器利用事業者、特定包装利用事業者に加え、特定容器 の 製造事業者及び輸入事業者 (小規模企業者等の裾切りあり) は再商品化義務等を負う。 特定家庭用機器の 製造業者及び輸入業者 は小売業者からの引 取義務及び再商品化義務等を負う。 特定機器の 製造事業者及び輸入事業者 は、判断基準に基づき 省エネ性能の向上に取り組み、かつエネルギー消費効率などに 関する表示を行うことが求められる。主務大臣の勧告、公表、 命令の措置あり(但し前者については一定規模の裾切りあり )。 表 4.1.3 EU指令における輸入事業者の位置付けの整理 目的 設計に係わる 規制内容 規制対象者 輸入事業者 の位置づけ EEE の環境に与える影響に関する欧州議会及び 理事会指令 諮問のために現在指令素案を回覧中 電 気 電 子 機 器 (electrical and electronic equipment)がそのライフサイクル中に環境に与え る全体的な影響を最小にするために、その機器の 設計及び製造に対する条項を規定するもの。 (RoHS)指令環境相理事会政治的合意 ELVに関する指令 2000 年 10 月 21 日発効 本指令では、第一優先順位として車両からの廃 棄物の発生を防止することを目的とし、それに加 えて廃棄物の処分を低減するためにELVとその 構成部品の再使用、再利用およびその他の形態に よる再生を目指し、さらに車両のライフサイクル に関与する全ての関係事業者、特に、ELVの処 理に直接関わる事業者の環境保護能力の向上を目 指す方策について規定する。 ○加盟国は、遅くとも 2007 年 1 月 1 日までには、 ○2003 年7月以降の販売者は原則として鉛、 水銀、 新しく市場に出荷される電子・電気機器が、鉛、 カドミウムおよび6価クロムの使用を禁止。但 水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェ し、適用除外される 13 品目を付属文書Ⅱで規定。 ニール類(PBB)、ポリ臭化ジフェニールエーテル なお、適用除外を継続検討される5品目につい 類(PBDE)を含んでいないことを保証する。 ては、指令発効後1年以内に決定する。 ○指令の適用除外は付属書で規定されている。 ○ELVとその構成部品および材料の解体、再使 ○指令は、廃電子・電気機器指令の付属書 IA の1 用、および再生、中でも、再利用が十分に考慮 (大型家庭用機器)、2(小型家庭用機器)、3(IT・ され、かつそれが容易であるような新車の設計 通信機器)、4(民生用機器) 、5(証明器具) 、6 と生産を促進する。 (電子・電子工具)、7(玩具、レジャー、スポー ○車両メーカーが材料および装備品メーカーと連 ツ器具)及び10(自動販売機)に分類される電 携して、再利用材料市場の発展を図るために、 子・電気機器並びに家庭用照明器具に適用される。 車両あるいは他の製品に組み込む再利用材料の 量を増やすよう促す。 環境相理事会政治的合意 電 気 電 子 機 器 (electrical and electronic equipment)中に使用される有害物質を削減し、環 境に適合した再生と処分を達成させることを目的 とする。 ① 製造者は、基本的要求事項(付属書Ⅰ)を考慮し て、設計、製造しなくてはならない。 ② 電気電子機器を上市する前に、製造者は電気電 子機器の適合性評価を遂行しなくてはならな い。製造者は、 a) 付属書Ⅱに定められた内部設計管理(予想さ れる環境への影響の確認と評価等の文書化) を適用できるような手続きに従う、 または、 b) 付属書Ⅲに定められた環境管理システム(環 境方針を定め、特定の計画・実施を行うシス テム)を適用できるような手続きに従う ③ 上市する前に、電気電子機器は適合マークがつ けられ、適合宣言が発せられなければならない。 規制対象となる 製造者(manufacturer)”とは、 ○自らのブランドで、電気電子機器を製造、販売 ある製品を自らの名前で上市する前、設計し、製 するもの 造することに責任のある自然人または法人を意味 ○電気電子機器を、加盟国へ輸入、輸出するもの し、これらのオペレーションがそのもの自身によ って実施されるか、代理人によって実施されるか を問わない。 ○現在、回覧中の指令案では、輸入製品に関する ○現在の案では、輸入事業者に対して生産者と同 取り扱いは明記されていない。 等に扱われている。 規制対象となる 生産者(producer) とは、車両 メーカーまたは加盟国への職業的車両輸入者を指 す。 ○輸入事業者に対しては、生産者と同等の規制が 課せられる。 (参考) 主な外資系家電企業における3Rに係る取組状況について (ヒアリング結果) 1.A社 ○当社で販売しているものについては、本社で製造したものをそのまま日本国内で 販売しているため、日本法人は設計について関与していない。当社には環境配慮 型半導体というのもあるが、これは本国で設計したものであるため、当地の基準 に従っているのではないかと思われる。 2.B社 ○本国には3R配慮設計を求めた法律は存在しないものの、以前に比べると当 社における関心も高まっており、3R配慮設計については開発を進めている ところである。 ○製品は本国で製造しているが、各国消費者の嗜好や生活習慣に合わせて製品 設計を行っている。日本向けの製品についても、日本法人より本社に申入れ を行ったり、本社から技術者が来日して情報交換を行うなどしている。日本 のリサイクル関連法制の情報は常に本社にフィードバックしている。 ○日本で省エネ法が制定された頃から3R配慮設計を意識した設計を行ってい る。ただし、現行の資源有効利用促進法は規定がおおまかで、参考にできな い箇所も多い。 ○いずれにせよ、3R配慮設計を進める傾向にある。 素材くずの輸出及び国内発生量に占める輸出量の割合の推移 図 4.1.4 ①プラスチックくず 35 2.5% 30 2.0% 台湾 25 輸 出 量 20 1.5% 香港 ︵ 中国 万 ト 15 ン ︶ 1.0% その他 10 0.5% 5 0 総発生量に 対する総輸 出量の割合 0.0% 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年) 財務省貿易統計に基づく1 表 4.1.4 プラスチックくずの国内発生量と、総輸出量に占める主要 3 カ国(2000 年の輸出先の上位 3 カ国)に対する輸出量の割合 1989 年 1990 年 1991 年 1992 年 1993 年 1994 年 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 国内発生量(万トン) 506 557 622 692 756 846 884 909 949 984 976 総輸出量(万トン) 3.6 4.1 5.5 6.8 6.9 9.3 12.3 15.1 12.1 14.1 19.1 30.0 輸出量に対する割合【台湾】 3.8% 2.5% 3.1% 3.6% 1.7% 6.3% 12.7% 20.6% 13.9% 14.2% 6.6% 6.0% 輸出量に対する割合【香港】 37.3% 56.1% 59.0% 67.2% 71.6% 70.6% 69.3% 68.8% 69.0% 57.5% 56.4% 48.9% 輸出量に対する割合【中国】 7.5% 6.5% 10.2% 6.5% 9.0% 13.9% 12.1% 4.9% 10.1% 20.1% 32.1% 41.4% 輸出量は財務省貿易統計、国内発生量は(社)プラスチック処理促進協会調査に基づく 1 貿易統計中の、プラスチックのくず(HS コード 3915.10-000、3915.20-000、3915.30-000 及び 3915.90-000)の数値を用いた。ちなみに 3915.10-000 はエチレンの重合体のもの、3915.20-000 はスチレンの重合体のもの、3915.30-000 は塩化ビニルの重合体のもの、3915.90-000 はその他のプラスチックのものを指す。 図 4.1.5 ②古紙 4.0% 60 3.5% 50 3.0% 韓国 タイ 40 輸 出 量 2.5% 台湾 ︵ 2.0% 30 ︶ 万 ト ン 1.5% 20 1.0% 10 0.5% 中国 その他 総発生量に 対する総輸 出量の割合 0.0% 0 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年) 財務省貿易統計に基づく2 表 4.1.5 古紙の国内発生量と、総輸出量に占める主要 4 カ国(2000 年の輸出先の上位 3 カ国と中国)に対する輸出量の割合 1989 年 1990 年 1991 年 1992 年 1993 年 1994 年 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 国内発生量(万トン) 1,310 1,402 1,467 1,447 1,439 1,491 1,548 1,577 1,654 1,657 1,706 1,833 5.1 2.2 0.3 3.6 4.6 7.3 4.2 2.1 31.2 56.1 28.8 37.2 輸出量に対する割合【韓国】 64.8% 69.6% 59.2% 82.9% 86.0% 39.0% 35.3% 63.1% 19.4% 27.7% 17.4% 15.0% 輸出量に対する割合【タイ】 0.3% 0.2% 0.9% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.1% 17.2% 37.1% 30.3% 輸出量に対する割合【中国】 0.0% 13.0% 7.1% 1.1% 1.7% 5.9% 38.9% 15.9% 8.5% 5.7% 4.0% 15.3% 輸出量に対する割合【台湾】 30.4% 1.4% 2.2% 4.5% 5.7% 49.6% 21.7% 17.8% 60.0% 35.0% 33.0% 29.1% 総輸出量(万トン) 輸出量は財務省貿易統計、国内発生量は(財)古紙再生促進センターの調査に基づく 2 貿易統計中の、古紙(HS コード 4707.10-000、4707.20-000、4707.30-000 及び 4707.90-000)の数値を用いた。ちなみに 4707.10-000 はさら してないクラフト紙又はクラフト紙のもの及びコルゲート加工をした紙又は板紙のもの、4707.20-000 はその他の紙又は紙製のもの(主と してさらした化学パルプから製造したものに限るものとし、全体を着色したものを除く)、4707.30-000 は主として機械パルプから製造し た紙又は板紙のもの(例えば、新聞、雑誌、その他これらに類する印刷物のもの)、4707.90-000 はその他のもの(区分けしてない古紙を含 む)を指す。 図 4.1.6 ③鉄くず 500 16.0% 450 14.0% 400 12.0% 韓国 350 台湾 10.0% 250 万 ト ン 200 8.0% 中国 6.0% その他 4.0% 総発生量に 対する総輸 出量の割合 ︵ 輸 出 300 量 ︶ 150 100 2.0% 50 0 0.0% 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年) 財務省貿易統計に基づく3 表 4.1.6 鉄くずの国内発生量と、総輸出量に占める主要 3 カ国(2000 年の輸出先の上位 3 カ国)に対する輸出量の割合 1989 年 1990 年 1991 年 1992 年 1993 年 1994 年 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 国内発生量(万トン) 3,548 3,728 3,684 3,304 3,330 3,328 3,433 3,508 3,735 3,293 3,227 3,488 総輸出量(万トン) 58.7 39.6 36.2 172.0 117.8 96.7 91.5 199.3 231.1 382.1 431.5 289.5 輸出量に対する割合【韓国】 68.4% 67.0% 56.5% 26.9% 46.0% 40.4% 48.3% 53.2% 61.2% 54.3% 52.2% 42.9% 輸出量に対する割合【台湾】 24.2% 27.5% 21.2% 28.8% 10.5% 2.2% 0.8% 5.3% 3.3% 16.3% 17.0% 7.2% 輸出量に対する割合【中国】 0.8% 1.6% 5.5% 25.6% 36.9% 48.6% 35.8% 31.5% 27.7% 24.0% 23.4% 42.2% 輸出量は財務省貿易統計、国内発生量4は鉄鋼統計月報5に基づく 3 貿易統計中の、 鉄鋼のくず及び鉄鋼の再溶解用のインゴット(HS コード 7204.10-000、 7204.21-000、 7204.29-000、7204.30-000、 7204.41-000、 7204.49-100、7204.49-900 及び 7204.50-000)の数値を用いた。ちなみに 7204.10-000 は鋳鉄のくず、7204.21-000 は合金鋼のくずでステン レス鋼のもの、7204.29-000 は合金鋼のくずでその他のもの、7204.30-000 はすずをめつきした鉄鋼のくず、7204.41-000 はその他のくず で切削くず及び打抜きくず(束ねてあるかないかを問わない)、7204.49-100 はその他のものでヘビーくず、7204.49-900 はその他のくずで その他のもの、7204.50-000 は再溶解用のインゴットを指す。 4 鋳物用を含む国内購入量の数値を用いた。 5 経済産業省経済産業政策局調査統計部(通商産業大臣官房調査統計部) 図 4.1.7 ④銅くず 16.0% 12 14.0% 10 ベトナム 10.0% 台湾 8.0% 中国 6.0% その他 4.0% 総発生量に 対する総輸 出量の割合 8 ︵ 輸 出 量 12.0% 6 ︶ 万 ト ン 4 2 2.0% 0 0.0% 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年) 財務省貿易統計に基づく6 表 4.1.7 銅くずの国内発生量と、総輸出量に占める主要 3 カ国(2000 年の輸出先の上位 3 カ国)に対する輸出量の割合 1989 年 1990 年 1991 年 1992 年 1993 年 1994 年 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 国内発生量(万トン) 65.1 71.7 73.8 70.5 68.5 69.4 71.1 69.7 72.2 68.8 57.6 総輸出量(万トン) 1.9 1.2 0.9 2.4 2.0 4.0 5.2 6.0 8.0 7.5 8.4 11.1 輸出量に対する割合【ベトナム】 0.0% 0.0% 0.7% 0.0% 0.0% 1.0% 2.6% 5.1% 5.5% 4.1% 2.6% 1.7% 輸出量に対する割合【台湾】 32.5% 16.6% 23.2% 11.3% 9.9% 7.2% 7.4% 10.6% 4.9% 4.7% 3.3% 0.9% 輸出量に対する割合【中国】 15.6% 14.8% 23.4% 42.0% 67.1% 68.2% 60.2% 51.4% 63.7% 71.8% 88.0% 94.5% 輸出量は財務省貿易統計の数値、国内発生量は資源統計年報7中の「銅の故又はくず」の供給量から輸入量を引いた数値を用いた。 6 7 貿易統計中の、銅のくず(HS コード 7404.00-000)の数値を用いた。 経済産業省経済産業政策局調査統計部(通商産業大臣官房調査統計部) 図 4.1.8 ⑤アルミニウムくず 40 1.0% 0.9% 35 0.8% 30 フィリピン 0.7% 香港 0.6% 20 0.5% ︵ 輸 25 出 量 0.4% ︶ 千 ト ン 15 中国 その他 0.3% 10 0.2% 5 総発生量に 対する総輸 出量の割合 0.1% 0 0.0% 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年) 財務省貿易統計に基づく8 表 4.1.8 アルミニウムくずの国内発生量と、総輸出量に占める主要 3 カ国(2000 年の輸出先の上位 3 カ国)に対する輸出量の割合 国内発生量 (千トン) 総輸出量 (千トン) 1989 年 1990 年 1991 年 1992 年 1993 年 1994 年 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2,375 2,597 2,630 2,639 2,532 3,104 2,969 3,044 3,219 3,018 2,990 2000 年 9.9 7.8 6.9 5.4 6.4 9.7 13.0 12.3 21.4 26.7 27.6 34.7 輸出量に対する割合 【フィリピン】 7.2% 30.8% 21.1% 19.9% 0.0% 0.0% 0.0% 0.6% 3.0% 3.2% 2.7% 1.9% 輸出量に対する割合 【香港】 3.9% 1.4% 3.2% 3.8% 1.9% 18.4% 36.8% 42.7% 31.5% 29.6% 15.6% 10.9% 輸出量に対する割合 【中国】 16.2% 9.9% 1.6% 22.7% 62.8% 59.9% 52.5% 48.8% 46.2% 59.2% 74.1% 84.5% 輸出量は財務省貿易統計の数値、国内発生量は資源統計年報9中の「アルミニウムの故またはくず」の供給量から輸入量を引いた数値を 用いた。 8 9 貿易統計中の、アルミニウムのくず(HS コード 7602.00-000)の数値を用いた。 経済産業省経済産業政策局調査統計部(通商産業大臣官房調査統計部) 表 4.1.9 使用済み製品・素材の輸出に係わる状況(製品系) 輸 廃製品の 発生・回収状況 家電 ・従来は、産業廃棄物収集 運搬業者や「集め屋」が 家電量販店、一般電器 店、清掃工場、粗大ごみ ステーション等から廃 家電を回収して、輸出業 者のところに持ち込ん でいた。 ・家電リサイクル法が施行 された現在はそのパタ ーンが崩れつつある。 出 主な 輸出形態 製品形態、 再生資源等 実 態 近年の 量的推移 その他 ・東南アジアには小型のテレビ、 オーディオ製品などの輸出が多 く、中南米向けには冷蔵庫・洗 濯機の輸出が多い。中近東・ア フリカ等にはエアコンやAV製 減少傾向 品の輸出が多い。 (家電リサイク ・中南米諸国は電圧が日本と同じ ル法の施行が契 100V であるため、輸出先として 機。中国の輸入 の条件は良い。 禁止措置の影響 も大きい) 主な 仕向先 パソコン 製 品 系 複写機 自動車 ・主な発生源はリースアッ プ ・リース会社から直接品物 が流れることは少なく、 専門商社等を介して輸 出業者に売却されるこ とが多い。 ・輸出先のブローカー等か ら注文を受けてから、要 求内容に合致する中古 車をオークションで調 達する。 ・オークション以外では、 販売店からの買取、処理 業者からの買取、同業者 間取引などの調達ルー トある。 増加傾向 製品形態、 再生資源等 (以前は再生資 源としての利用 を目的とした輸 出が多かった が、95年以降は 製品として利用 を目的とした輸 出が増加してい る。) 拡大傾向 製品形態、 再生資源等 (世界的な日本 製中古自動車の 需要拡大、及び 我が国の輸出手 続きの簡素化等 による。<95 年以 降年 110%から 120%程度で毎年 増加している>) 東南アジア 中国 * 韓国 台湾 東南アジア 中国 主な 利用用途 製品 * シンガポー ル ・日本の複写機は性能面の信頼度 が高く、非常に人気がある。 (複写機メーカ ・アメリカ、ヨーロッパから輸出 されている低価格の中古複写機 ーのリース会社 と市場を奪われつつある。 からの使用済み 製品の回収努力 による) 減少傾向 製品形態、 再生資源等 ・製品としての利用を目的とした 輸出が多くなった背景として は、DOS/V機の排出が多くなった こと、また、国内及び海外にお けるリースアップパソコンの市 場価値が高まってきていること による。 ・シンガポール向け(再輸出目的) はノートパソコンが中心という 傾向がある。 現地の 利用者 東南アジア 中南米 一般 ドバイ(中 ユーザー 近東、アフ リカ向け) 中国 ・主な発生源はリースア ップ ・中古家電製品の発生源 は家電量販店、電器店、 粗大ごみ等、中古パソ コンの主な発生源はリ ース会社である。中古 家電とパソコンは別ル ートで集められるた め、家電とパソコンの 双方を扱う事業者は少 ない。 輸出先国での利用状況 * ・一般的に保管費用がかさむため、 基本的には右ハ 在庫は行われない ンドル圏(ニュ ・中古車の輸出は約100万台と推計 ージーランド、 されている。 イギリス)が中 ・年式の古い車は修理部品の調達 心。 が難しいため、ある程度新しい アジア、中南米 もの(3∼5年)が基本的に求 地域への輸出も められている。 多い。 ロシアにも輸出 されている。 企業 製品 再輸出 − 企業 製品 (複数の故障品 (ホテル から部品を取り リース会社 出し、一つの製 コピーサービ 品を製造する場 ス会社) 合もある。) 一般 ユーザ− 製品 利用・廃棄状況 その他 ・現地では高額であり、容易 に廃棄されることはない。 ・最終的に廃棄される場合も 部品回収や資源回収を行う 業者の手に委ねられる。 ・中国の場合、最終的な廃棄 製品の解体・リサイクル工 場は、一定の基準を満たす 設備を備えていないと許可 されない。一部、そのよう な設備を持たない小さい業 者もいるが、比較的大きい 事業者は設備をきちんと備 えている。 ・海外では電圧が200V以 上の地域が多いが、コ ンデンサ等を交換して 販売されるケースが多 い。 − 使用済み家電製品の排出台数 (通産省推計 平成9年度調査、単位:万台) カラーテレビ: 794 冷蔵庫 : 375 洗濯機 : 393 エアコン : 268 4品目合計 :1,829 (出典:家電製品協会 環境総合ハンドブック平成10年3月) 4月1日の家電リサイクル法の施行以降、9月30日までに 全国の指定引取場所が引き取った廃家電4品目は、約449万 台であった。 また、同期間に指定引取場所等から全国のリサイ クル施設に搬入された廃家電4品目は、約431万台であった。 (出典:経済産業省・環境省 家電リサイクル法施行状況につい て) 1998年の発生台数(推計) 事業系:3.7万トン 家庭系:0.8万トン 総量:4.5万トン ・現地では高額であり、長期間 使用される。 ・使用済み後も手分解による丁 寧な分別・リサイクルが行わ れ、最終的にごみとして排出 される部分は少ない。 ・CRTモニターのガラスはその まま放置又は埋立されてい る可能性がある。 ・シンガポールは輸出の中 継地点であり、東南アジ アに再輸出されるケー スが多い。 ・使用済み後も手分解による分 ・企業における複写機の普 別、リサイクルが行われる。 及率が低い国々では、中 最終的な廃棄量は少ない。 古複写機を利用したコ ピーサービス事業が広 く行われている。 ・現地で二次ユーザー、三 次ユーザーに売却され るケースも多い。 ・廃車になるまでの期間が長 ・現地で二次ユーザー、 い。 (40万キロ程度) 三次ユーザーに売却さ ・廃車時も輸入国内で解体さ れるケースも多い。 れ、中古部品及び金属資源 ・日本車からの中古自動 等としてリサイクルされて 車の品質は高いため、 いる。 輸出先の国々では、日 本からの中古車は新車 に近い認識で捕らえら れる。 ・まとめて輸出しないと輸送経費 ・廃車になるまでの期間が長 がかさむため、輸出業者は倉庫 い。 を保有し、大量の在庫を抱えて ・廃車時も輸入国内で解体さ アジア いる。 れ、中古部品及び金属資源 製品形態、 製品 ・1999 年の中古二輪車の推計輸出 等としてリサイクルされて アフリカ 再生資源 一般 台数は 579,144 台である。(産業 いる。 及び 中南米 横ばい バイク 等 構造審議会 第一回自動車リサ ユーザー 部品 ヨーロッパ イクル WG 資料) (エンジン及び ・以前は中国、ベトナムが二大輸 金属資源等) 等 出市場だった。両国が輸入禁止 措置をとってからは日本からの 輸出台数は減少している。 出典:ヒアリング調査に基づき作成。上記の輸出状況は、あくまでも一つの事例として示したものであって、必ずしも日本全体の使用済み製品、素材の輸出状況を示すものではない。 *中国は 2000 年 4 月に使用済み製品の製品形態での輸入を全面的に禁止した。それ以後は、スクラップ又は部品の形態で中国への輸出が行われている。 ・バイク販売店からの下取 り品が中心である。 備考 (日本国内における状況等) ・エンジンとして輸出さ れている場合、現地で 修理用部品として利用 されている。また、小 型船舶用や、小型発電 機としての利用される ことも多い。 1999年の回収・処理台数(推計、単位:万トン) 事業系の使用済みパソコン 処理会社に排出 :1.8 メーカーが回収:1.0 リース・レンタル会社が回収:1.6 (内、中古市場へ:1.1) 販売会社が回収:0.5 家庭系の使用済みパソコン 自治体に排出:0.6 中古市場へ :0.1 (出典:産業構造審議会 パソコン3Rワーキングループ及びパ ソコンリサイクル検討会2回及び3回合同会合資料) 使用済み複写機の97%は逆販売ルートにより回収される。 回収された複写機の約70%が何らかの形で再資源化されている (内製品再資源化7%、素材再資源化63%)。 (出典:日本事務機械工業会 平成10年3月使用済み事務機器の 回収・リサイクルに関する調査報告書) 平成 11 年度のユーザー保有台数は約 7000 万台 平成 11 年の中古車流通台数(単位:万台) 登録車 546 軽自動車 247 合 計 793 (出典:日本中古自動車販売協会連合会) 使用済み自動車の発生量 年間 500 万台程度 総リサイクル率 75∼80% −素材としてリサイクル 50∼55% −部品としてリユース 20∼30% 埋立処分 20∼25% (出典:日本自動車工業会 豊かな環境を次の世代に) 自動二輪車の国内のリサイクル状況(平成 12 年度、単位:万台) ユーザー保有台数:約 1,400 新車販売 :約 78 輸入車販売 :約 4 使用済み自動二輪車の発生量 年間約 120 万台程度 −資源回収業者 約 72% −販売店 約 20% −自治体 約 6% を経て、約 70 万台(約 58%)が中古二輪業者によって輸出される (出典:産業構造審議会 第6回自動車リサイクルWG資料) ■使用済み製品・素材の輸出に係わる状況(素材系) 輸 廃製品の 発生・回収状況 ・家電製品のパッキン グ、魚箱が中心 主な 輸出形態 ・インゴット 発泡スチロール PET その他プラ(AB S等 ・容器包装リサイクル協 ・ペレット化さ 会もしくは自治体 れ、フレーク またはビーズ 状で輸出され る。 ・樹脂再生工場から出る ・ミックスメタ 端材等 ル(樹脂を含 む金属類)や 製品スクラッ プ 素 材 ・スクラップ業者 系 金属スクラップ 古紙 ・上級品(端鋼 材)はそのま まコンテナ積 みされる ・下級品はプラ スチックその 他が混入した ミックスメタ ルである ・古紙回収業者が自治体 ・2メートル立 回収、地域ボランティ 方程度のキュ ア回収、新聞販売店等 ーブ上にまと の古紙を収集し、古紙 められてコン 問屋に収める。 テナに詰めて ・古紙問屋は、市況が安 輸出される。 定していれば、製紙メ ーカーに売却する。 出 実 態 近年の 量的推移 その他 利用状況及び 主な再利用製品 備考 (日本国内における状況等) 廃棄状況 ・使用済み発泡スチロール輸出を行っ ・インゴットを再溶融して、再生ビー ・加工された製品は、中国以外の各国に輸 発泡スチロールの国内のリサイクル状況(2000年) ている事業者は少ない。 ズに加工され、その後製品化される。 出されるため、最終的な廃棄状況は不明 発泡スチロールの排出量 183,000t ・主な輸出先の中国の需要と比較して、 ・加工の際に出る端材も再度溶融して 総リサイクル率 58% 中国 ほぼ限界の輸出が行われている。 利用される。 マテリアルリサイクル 33.2% ( 香 港 経 由 で 中国 横ばい サーマルリサイクル 21.8% 向けに輸出される ・主にビデオカセットケース(輸出全 量の70%∼90%)に加工される。 (出典:発泡スチロール再資源化協会) ルートもある。) ・その他、玩具、CDケース、家庭用品 (ハンガー等)に加工される。 ・工業用原料として利用されている。 ・加工された製品は、中国以外の各国に輸 PETボトルの国内のリサイクル状況(平成12年度) ・容器包装リサイクル法の規定で、容 ・国際市場向けに輸出される場合もあ 器包装リサイクル協会から仕入れた 出されるため、最終的な廃棄状況は不明 再商品化実績 68,575t る。 PETは原形のままでは輸出できな 繊維 55.9% 増加傾向 ・衣料用の繊維、綿等のほか、下級品 いので、ペレット化して輸出される。 シート 34.1% (中国の工業原料 ・ラベルの中に若干PETが混じって はぬいぐるみ用の綿に利用される。 ボトル 0.5% 中国 不足と輸入優遇 いるような低品質のものでも、中国 成形品 5.5% 措置による) には輸出可能である。 その他 4.0% 計 100% (出典:日本容器包装リサイクル協会 再商品化製品利用状況) ・輸入ブローカーから、解体・分別業 ・加工された製品は、中国以外の各国に輸 その他プラスチック容器の国内のリサイクル状況(平成12年度) ・ABS樹脂等は、大小取り混ぜて多 者、そして樹脂加工メーカーという 再商品化実績 43,295t 数の業者が介在している。 出されるため、最終的な廃棄状況は不明 流れで販売される。 材料リサイクル 11.3% ・中国では安価な労働力を使って細か ・工業用原料として利用されている。 油化 7.7% い仕分けを行うことが可能であるた 増加傾向 国際市場向けに輸出される場合も 高炉還元化 56.9% め、仕分けしない状態で価格の安い (中国の工業原料 ある。 コークス炉化学原料 22.6% ものの方が歓迎される。 中国 不足と輸入優遇措 ・ミックスメタル等から手作業によっ ガス化 1.5% 置による) て分別された低レベルの樹脂は、椅 子、バケツ等の家庭用品等に加工さ 出典:日本容器包装リサイクル協会 再商品化製品利用状況) れている。 ・端鋼材は主に韓国に輸出される。 ・ミックスメタルは中国向けが中心で、 大型モーター、家電のスクラップ等 様々である。 増加傾向 増加傾向 ・自動車ディーラー、自 ・原型のまま40 動車整備会社、タイヤ フィートコン 販売店等より回収 テナに詰めて 輸出される。 タイヤ 輸出先国での利用状況 主な仕向先 減少傾向 (中国の規制等の 影響) ・製紙メーカーが買い取らない余剰分 が商社経由で輸出される。 ・国内メーカーに納めるのと同様の仕 分け、梱包作業が行われる。 ・2メートル立方程度のキューブ上に まとめられてコンテナに詰めて輸出 される。 ・寒冷地の方が、夏冬のタイヤの履き 替えがあるため、中古タイヤの発生 量が多くなる。そのため、寒冷地で ある苫小牧が輸出の一大拠点となっ ている。 韓国(鉄) 中国(鉄・ 銅・アルミ) タイ 中国 韓国、台湾 ・スクラップ選別業者によって種類別 に選別された後、工業用原料として 利用される。国際市場向けに輸出さ れる場合もある。 ― ・段ボール箱に加工されて、輸出され ・輸出されるため、使用済み後の実態はわ 1999 年の製紙以外の分野における古紙利用製品の生産量と古紙の 利用量に占める割合は以下の通り。 ている。 からない。 紙の排出量 30,631,000t ・梱包用箱に加工され、国内メーカー ・輸出製品の梱包用箱として、世界中に輸 古紙利用量 16,905,841t の製品の梱包に用いられる。 出で、使用済み後の実態はわからない。 古紙パルプ利用量 142,782t (出典:財団法人古紙再生促進センター) ― ― 北米(40%) ・更正タイヤの台タイヤ用(米国では 中古タイヤは輸入禁止) ・使用済み後は、燃料として利用されてい タイヤの国内のリサイクル状況(1999 年:新分類) る可能性が高い 廃タイヤ発生数量 101 万本 972,000t 総リサイクル率 88% マテリアルリサイクル 38% ・使用済み後は、燃料として利用されてい サーマルリサイクル 50% る可能性が高いが、再生ゴム用資源とし て利用されている可能性がある。 (出典:日本タイヤリサイクル協会「タイヤリサイクルハンドブッ アジア (30%) ・中古タイヤとして利用される 欧州等(30%) ・乗用車の取替用タイヤとして利用さ ・使用済み後は、燃料として利用されてい れる(欧州) る可能性が高い。 ク」) 出典:ヒアリング調査に基づき作成。上記の輸出状況は、あくまでも一つの事例として示したものであって、必ずしも日本全体の使用済み製品、素材の輸出状況を示すものではない。 4 .2 使用済み製品・素材の輸出入に関する規制の整理 使 用 済 み 製 品・素 材 の 越 境 移 動 に 関 し て は 、当 該 製 品 が 有 害 物 質 を 含 む 場 合 、 当 該 素 材 が 有 害 物 質 で あ る 場 合 に 、バ ー ゼ ル 条 約 等 の 国 際 的 な 規 制 の 対 象 と な る こ と が あ る 。 国 際 的 な 越 境 移 動 の 規 制 の 例 と し て 、 表 4.2.1に 廃 棄 物 の 越 境 移 動 に 関 す る E U 規 制 に つ い て の 概 略 を 示 す 。ま た 、廃 棄 物 の 越 境 移 動 が 実 際 に 問 題 に な っ た 例 を 、「 ( 参 考 ) 廃 棄 物 ・ リ サ イ ク ル 等 に 関 連 し て 国 際 通 商 ル ール上議論となった主な事例」にまとめてある。 こ う し た 規 制 が あ る 中 で 、実 際 に グ ロ ー バ ル な リ サ イ ク ル シ ス テ ム が 構 築 さ れ て い る 例 も あ る 。欧 州 の 国 境 を 越 え た 容 器 包 装 廃 棄 物 リ サ イ ク ル の た め の 組 織PRO EUROPEの活動はその一例である。PRO EUROPEの概 要 に 関 し て 、「( 参 考 )欧 州 に お け る 緑 の マ ー ク の 広 ま り( P R O E U R O P E )」 に ま と め て あ る 。 ま た 、 ド イ ツ の D S D は 、 プ ラ ス チ ッ ク の リ サ イ ク ル を 一 部 国 外 の リ サ イ ク ル プ ラ ン ト で 行 っ て い る 。D S D の リ サ イ ク ル の 概 況 を 「( 参 考 ) D S D に よ る プ ラ ス チ ッ ク 容 器 の ド イ ツ 国 外 に お け る リ サ イ ク ル 」 に示す。 ま た 、我 が 国 に お い て も 、生 産 拠 点 が 海 外 に 移 っ て き て い る な か で 、海 外 に お け る 我 が 国 の 企 業 に よ る 自 主 的 な 回 収・リ サ イ ク ル 活 動 も 実 際 に 行 わ れ る よ う に な っ て き て い る 。「 ( 参 考 ) ア ジ ア 生 産 拠 点 等 に お け る 再 生 プ ラ ス チ ッ ク の 利 用 状 況 及 び 使 用 済 み 製 品 の 引 き 取 り 状 況 に 関 す る 事 例 に つ い て( ヒ ア リ ン グ 結 果 )」 に そ の 例 を 示 し て あ る 。 こ う し た ア ジ ア に お け る 我 が 国 の 企 業 の リ サ イ ク ル に 関 し て は 、 表 4.2.2に あ る よ う な ア ジ ア 各 国 に お け る 廃 棄 物 ・ リ サ イ ク ル 関 連 法 令 を 遵 守 し 、環 境 汚 染 の 輸 出 に な ら な い よ う 留 意 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、「 ( 参 考 ) 台 湾 の 家 電 リ サ イ ク ル プ ラ ン ト 」、「 ( 参 考 ) 韓 国 の リ サ イ ク ル プ ラ ン ト 」に あ る よ う に 、台 湾 や 韓 国 な ど で は 、個 別 の 製 品 に 対 す る リ サ イ ク ル シ ス テ ム が 出 来 て き て い る 。こ う し た 国 の リ サ イ ク ル シ ス テ ム の 構 築 を 支 援 す る こ と は 、我 が 国 に と っ て の グ ロ ー バ ル な リ サ イ ク ル シ ス テ ム の 確 立 を 考える上では重要なことである。 表 4.2.1 規制の 名称 廃棄物の越境移動に関するEU規制 欧州共同体内での、共同体への、及び、共 (参考)有害廃棄物の越境輸 同体からの廃棄物の輸送の監督及び規制に 送の欧州共同体内における監 関する理事会規則(No.259/93) 督及び規制に関する指令 (84/631/EEC) 構成国間の 【構成国間の廃棄物の輸送は、TitleⅡに規定されて ・統一の貨物受取証を利用した義務 的な事前通告制度の採用により、 廃棄物の輸 いる。】 有害廃棄物の越境輸送を監督・規 ・通告者(廃棄物の輸送を検討している者)の、目 送に関する 制する。 的地の権限ある関係機関への事前の通告義務が定 規制内容 ・通告は貨物受取証により行われる。 められている。 貨物受取証は有毒及び危険廃棄物 ・目的地及び発送地の権限ある機関が、輸送を許可 に関する理事会指令 98/319/EEC した時のみ、廃棄物の輸送が認められる。 に基づき設置される専門委員会が ・適用される通告手続きに関しては、輸送される廃 作成する。 棄物が、処分にあてられるものか、リカバリーに あてられるものか、廃棄物の種類、その輸送の目 ・越境輸送は、目的地である構成国 の権限機関によって通告の受領が 的地によって定められている。 承認されるまでは行われない。 ・統一の貨物受取証を利用した義務 【構成国間から EU 域外の国への輸出は TitleⅣに規 構成国と 的な事前通告制度の採用により、 定されている。】 EU 域 外 諸 有害廃棄物の越境輸送を監督・規 ・EU 域外の国への廃棄物の輸出を原則として禁止す 国の間の輸 制する。 る(加盟国内および EU 域内処分原則) 。ただし処 送に関する 分目的の廃棄物の輸送に関しては、バーゼル条約 ・通告は貨物受取証により行われる。 規制内容 貨物受取証は有毒及び危険廃棄物 の当事国である EFTA 加盟国への輸送を除く。しか に関する理事会指令 98/319/EEC し EFTA 加盟国が当該廃棄物の輸入を禁止してい に基づき設置される専門委員会が る場合には輸出が認められない。 作成する。 ・輸出が認められる際も、事前通告手続きを必要と し、目的地の国の同意、発送地の権限ある機関の ・EU 域外での処分のための廃棄物の 輸送、もしくはそのための一時的 同意なしには輸送できない。 通過に関しては、最後に廃棄物が 【EU 域外から EU 域内への廃棄物の輸入は TitleⅤに 通過する構成国の権限機関によっ 規定されている】 て通告の受領が承認されるまでは ・EU 域外から EU 域内への廃棄物の輸入に関しては 行われない。 原則として禁止。ただしバーゼル条約の当事国か らの輸入を除く。バーゼル条約の当事国でない国 からの輸入は、当該国と共同体との特別な協定を 条件に行われる。 ・輸入が認められる際も、事前通告手続きを必要と し、目的地の権限ある機関の同意なしには輸入で きない。 【EU 域外の国から EU 域外の国への一時的通過に関 しては、TitleⅥに規定されている。】 ・EU 域外での処分又はリカバリーのための廃棄物の 輸送、もしくはそのための一時的通過に関しては、 事前通告と、関係する権限機関からの同意が必要。 廃棄物全般 有害廃棄物 対象となる (定義は EU 廃棄物枠組指令の付属書 I) (有毒及び危険廃棄物指令 廃棄物 指令(84/631/EEC)よりも広い範囲の廃棄物を対象に (78/319/EEC 第 1 条(b))及び PCB している。 (指令 75/403/EEC 第 1 条(a)) (注)理事会規則 No.259/93 は、欧州共同体のバーゼル条約への署名(1989 年)、OECD 理事会決定の共同体 による承認、ACP 諸国への有害廃棄物の輸送を禁止する第 4 次ロメ協定の実施などを受けて、指令 (84/631/EEC)にとって代わったものである。 (参考) 廃棄物・リサイクル等に関連して 国際通商ルール上議論となった主な事例 ○デンマークにおける金属缶禁止措置 デンマークにおいては従来よりビール及び炭酸飲料水用容器のすべてを再充 填可能にする措置を講じてきたところ、1999年にEU委員会が「正当化で きない貿易障壁」であると欧州司法裁判所に提訴した。こうした動きを受けて、 欧州アルミニウム産業協会(EEA)、ユーロペン(欧州の包装物業界団体) 等の各団体がデンマークの措置を批判する声明を発表した。 本件については現在欧州司法裁判所において審理中であるが、同裁判所のCo lomer法務官が、2001年9月にデンマークのビール及び炭酸飲料水の金属 缶に対する禁止措置がEUの1994年包装材指令及び商品の自由な商業活動 を保証する欧州地域協定第28条に違反していると主張した。同氏は、①デン マークの金属缶禁止措置は環境保全を理由とした貿易制限を正当化するには足 らない、②EU加盟国は確かにEU指令の基本要求事項の解釈を巡って何らか の幅を持っているが、加盟国としてはEU包装材指令が高いレベルの環境保護 及び単一市場の維持という2つの目的を目指していることを念頭に入れておく べきであり、その意味では「デンマーク政府は環境保護という目的だけしか考 慮していないように見える」、などの考え方を示した。 これに対してデンマーク側は現行の制度はEU包装材指令の趣旨を反映して いると反論している。 ○カナダ・米国間のビール缶紛争(1992年) 同案件は、再充填不可能な容器に入れたアルコール飲料に対する環境税につ いて、米国とカナダの間に起こったものである。カナダにおいては、マニトバ 州及びオンタリオ州がデポジット・リファンドシステムに組み込まれないアル コール飲料容器に対して課徴金を徴収し、また、ノバスコシアではその地方の 酒造所に搬入された国産品と輸入品のうち、再充填ができない容器に対して課 徴金を徴収していた。 米国は国産品がそれらの流通のために民間配送システムの使用が許可されて いるのに対し、輸入品はそのような扱いがなされておらず、また、地元の業者 にとっては容器の収集システムの確立が格段に容易であるため、輸入業者は内 国民待遇を与えられていないと主張した。 こうした問題について、WTOのパネルは、地元のビール業者にはその権利 を許可する一方、販売ポイントまでの輸入ビールの民間配送を禁止する慣行が GATT第3条第4項の内国民待遇に反すると判断した。米国の環境税に対す る主張は、異なった配送システムの事実に基づいていたため、パネルは環境税 については取り上げず、むしろ内国民待遇の原則に反した異なった配送システ ムの状態について差別的であると判断した。 ○日本における省エネ法のトップランナー方式 平成11年4月に施行された改正省エネ法においては、自動車や家電製品等 に関するいわゆるトップランナー方式が採用され、それぞれの分野で最も効率 の良い車種や機種に、他の車種や機種が原則として一定期間内に追いつくこと が定められた。 同法の施行に先立ち、WTO事務局に対して同法の改正について通報を行っ たところ、米国よりTBT協定第2条第5項の規定に基づき、貿易への不必要 な障害にならない代替手段によって当初の目的を達成することの可能性につい て協議したい旨の申入れがあった。また、米国は改正省エネ法が輸入車に差別 的な結果をもたらし、内国民待遇の原則に反する可能性があること等を指摘し た。なお、EUからもTBT協定第2条第9項4の規定に基づき米国と同様の 申入れがあった。 その後、米国及びEUとの協議を経て、予定通り改正省エネ法におけるトッ プランナー方式が施行された。 (参 考) ■欧州における緑のマークの広まり(PRO EUROPE) 1.PRO EUROPE 設立の背景 1994 年の EU 包装指令の採択を受けて、各加盟国は国内における法制度化を進め、独自の包装 廃棄物の回収、リサイクル機関を構築した。これら加盟国における包装廃棄物の回収・リサイク ル機関は、その回収・リサイクルシステムに参加する生産者・輸入業者が契約料を支払っている ことを証明するものとして、緑のマークの導入を決めた。 しかし、この緑のマークが各国によって異なっていた場合、貿易に際して障害が生じることに なる。このような貿易障壁を開始するために 1995 年に設立されたのが Packaging Recovery Organisation Europe s.p.r.l. (PRO EUROPE)である。1995 年に、デュアル・システム・ドイ ッチェランド社(DSD)は、ドイツ連邦共和国を除く欧州連合の全域を対象とした一般ライセン スの形で自らの商標であった「グリューネ・プンクト(緑のマーク)」を使用する権利を PRO EUROPE に対して与えた。PRO EUROPE は 1996 年 12 月に営業を開始、以後、フランスの Eco-Emballages、 オーストリアの ARA、ベルギーの FOST Plus、スペインの Eco-Emballages Espana、ポルトガル の Sociedade Ponto Verde と、各国のリサイクル機関が国内における「グリューネ・プンクト」 の使用契約を PRO EUROPE と結んだ。同時に、これらのリサイクル機関は、PRO EUROPE の株主と なった。その後も、PRO EUROPE に参加する各国のリサイクル機関の数は増加し、現在では欧州 連合加盟国、非加盟国合せて 13 ヶ国のリサイクル機関が PRO EUROPE に参加している。 2.PRO EUROPE の役割 • 統一的な規制に基づき、1994 年 12 月 20 日に発効した欧州包装廃棄物指令を実施するために、 欧州連合加盟国が設立したリサイクル機関に対して、「グリューネ・プンクト」を使用する権 利を与える。 • 欧州独占委員会(EUROPEAN Monopolies Commissions)との合意に基づき、包装材や包装され た製品の生産者や流通業者に対して、「グリューネ・プンクト」の使用を認める際の基準を設 定、検査する。 • 各国の回収・リサイクル機関の協力の下、「グリューネ・プンクト」が欧州全域における商標 とするように努める。PRO EUROPE のパートナーは、マークの共通の意味が次のようなものと されることに努める。 −包装材に付けられた「グリューネ・プンクト」は、それらの包装に関して、欧州包装 廃棄物指令とその国内における実施法が定める原則に従って設立された、国内の包装 材のリサイクル会社に対して、包装の生産者・流通業者が使用料を納めていることを 意味する。 3.PRO-EUROPE による「グリューネ・プンクト」の提供状況 PRO EUROPE による「グリューネ・プンクト」の提供状況(2001 年 9 月 21 日現在) 欧州における「グリューネ・プンクト」の 添付された包装の個数 4,600 億個 ライセンシー(契約企業数)の数 約 70,000 社 4.PRO EUROPE の「緑のマーク」を採用している国及びその国におけるリサイクル機関 国名 法的基盤 リサイクル システム ドイツ Germany フランス France Packaging Ordinance of 21 August System 1998 Deutschland AG Decree No.98/638 of 20 July 1998Eco-Emballages S.A. Packaging Ordinace of 29 Altstoff オーストリア November 1996 Recycling Austria Austria AG ベルギー Interregional Packaging Decree asbl FOST Plus Belgium of 5 March 1997 vzw Packaging Ordinance of 20 Sociedada Ponto ポルトガル December 1997 and Decree of 15 Verde S.A. Portugal January 1998 スペイン Packaging Law of 24 April 1997 Ecoembatajes Spain and Royal Decree of 30 April 1998 Espana S.A. ルクセンブルグ Regulation of 31 October 1998 VALORLUX asbl Luxembourg アイルランド Wate Management (Packaging) Repak Limited Ireland Regulations of 1 June 1997 Waste Act adopted in 1997 EKO-KOM, a.s. チェコ Czech Repbulic The XLIII Law of the year 2000 ÖKO-PANNON Kht about the Waste Management formulates 及 び The Law ハンガリー prescribed the preparation of Hungary the governmental decree about "The packaging and the packaging waste" during the year of 2001 Producers responsibility system LATVIJAS ラトビア による包装課徴金免除規定(将来 ZALAIS PUNKTS, Latvia 的には Packaging Law が 2003 年に NPO, Ltd 策定予定) 包装材料に対する環境税(1994 年、Materialretur ノルウェー 一定のリサイクル水準を満たす企 AS Norway 業に対して税の免除) The Ordinance on Producers' Reparegistret スウェーデン Responsibility for Packaging AB (REPA) Sweden (SFS 1997:185) 出典:PRO EUROPE ホームページ。EU 加盟国の包装廃棄物の発生量については EU の 包装廃棄物の リサイクル機関 発生量 によるリサイク (販売量:千トン) ル量(千トン) 8,200 13,731 5,500 (1997 年) (2000 年) 6,000 11,069 6,081 (1997 年) (1997 年) 810 1,113 634 (1997 年) (2000 年) 人口 (万人) 1,020 1,000 1,356 (1997 年) 1,012 (1997 年) 551 (2000 年) 103 (2000 年) 4,000 5,879 (1997 年) 44.1 39 (1997 年) 370 683 (1997 年) 1,020 208 (ライセンスを 受けた包装量: 2000 年) 1,030 800 (包装廃棄物の 発生量:2000 年) 119 1,100 (2000 年) 18 100 (1998 年) 78 (2000) 30% 12 (LZP によるリサ イクル責任量) 400 400 300 (包装廃棄物の (2000 年) 発生量:2000 年) 900 923 670 (1997 年) (デポジット制 度の包装を除く) Packaging Waste Management System の値を引用 (参 考) ■DSD によるプラスチック容器のドイツ国外におけるリサイクル 1.DKR*によるドイツ国外のリサイクルプラントに対する廃プラスチック容器の供給 DKRの廃プラスチック容器リサイクルの状況 ドイツ国内における フィードストック リサイクル 52% ドイツ国外における フィードストック リサイクル 2% 国外における リサイクル 7% ドイツ国内における メカニカルリサイクル 41% EU加盟国における メカニカルリサイクル 3% EU非加盟の ヨーロッパの国 における メカニカルリサイクル 2% 2.DKR のリサイクル事業者に対するアセスメント・点検システム • リサイクルの質の向上を目的として、DKR は Integrated Concept for Reliable Recycling (信頼できるリサイクルのための統合計画) を開発した。 • 新規に契約するリサイクル事業者が新しいリサイクルプラントを構築する際に、DKR は関連す る様々な要素を評価する。これらは、技術水準、販売能力や、資本の調達力、製品、プロセス・ エンジニアリング、販売計画、市場の見通しなどの調査を含む。これらの調査は、技術検査機 関 TÜV や独立監査法人の協力の下で行われる。 • DKR による廃プラスチック容器の提供後、DKR はリサイクル事業者に対する詳細なリサイクル 検査を実施する。実際にリサイクルが行われてから3ヶ月後に最初の検査を行い、その後は少 なくとも年に一回、継続的に検査を行う。検査はすべてのリサイクル過程に関して実施し、リ サイクル事業者が提出するリサイクル量のデータが、DKR のデータと一致しているかどうかを 検査する。検査は、独立監査法人や技術検査機関の協力の下で行う。違反が見つかった際には、 契約を条件付・期限付きに変更するか、場合によっては契約を解除して廃プラスチック容器の 提供を中止することもある。 • これらのアセスメント・点検システムは、ドイツ国外のリサイクル事業者にも適用される。 DKR の Integrated Concept for Reliable Recycling (信頼できるリサイクルのための統合計画) 継続的 QM-S(品質管理分別) 及び OM-V(品質管理対応) 第1段階 プロジェクト アセスメント 602,000t 557,000t (93%) フィードストックリサイクル 308,000t メカニカルリサイクル 249,000t DKR のドイツ国外におけるリサイクル量 45,000t (7%) フィードストックリサイクル 13,000t メカニカルリサイクル 32,000t* * 内、EU 加盟国におけるメカニカルリサイクル量は 20,000t、 EU 非加盟のヨーロッパの国におけるメカニカルリサイクル量は 12,000t 製品 1.プロダクトコンセプト 2.リサイクルコンセプト 3.マーケティングコンセ プト 実施者:DKR 結果:契約を締結するか 否かを決定 プラント 会社 計画されたプロセス 計画された設備 1.ビジネススキル 2.テクニカルスキル 3.調達可能な資本 4.経済性のテスト 導入された設備 廃プラスチックのフロー 管理のためのプラントの 計算システムの構築 DKR の総リサイクル量 DKR の国内におけるリサイクル量 出典:DKR ホームページ The Deutsche Gesellschaft für Kunststoff-Recycling mbH(DSD のプラスチック容器包装のリ サイクル保証機関) * 第2段階 廃プラスチック供給前の 事前アセスメント 実施者:技術検査機関 結果:事前実地検査報告 書 第3段階 リサイクルの徹底的検査 a)供給後 3 ヶ月 b)12 ヵ月後 以後は、年に一度、繰 り返し検査が行われ る。 実施主体:DKR 結果:契約関係に関する 決定 実施主体:監査法人 結果:証明書 データの信頼性のテスト 1.入手可能なデータに基 づく 2.実地検査の間 事業者の決算調査 実施者:技術検査機関 結果:TÜV 証明 実施主体:監査法人 結果:供給の公認 出典:DKR ホームページ (参 考) アジア生産拠点等における再生プラスチックの利用状況及び使用済み製品の引取状 況に関する事例について(ヒアリング結果) 【電気・電子機器】 1.複写機メーカー(A社)での取組 ○再生プラスチックの利用 ・ 日本で回収した複写機のABS樹脂を国内で再生し、その再生ペレットを韓国 の成型メーカに輸出し、韓国におけるユニット製造に利用している。 ・ これは、あるユニットの生産拠点を国内から韓国へ移管したことに起因してい る。生産拠点を海外へ移管したからといって、日本で行っていた再生プラスチ ックの使用を現地で実施しないわけにはいかないとの考えに基づいている。 ・ 上記の件については、特に問題等はない。 ○使用済み製品の引き取り ・ アジア各国において、リース・レンタル物件については、使用済み製品を引き 取っているが、売り切りの割合が高いため、引き取っている製品はあまり多く ない。 ・ 引き取ったリール・レンタル物件については、利用できるものは自国でクリー ンアップして再リースしている。それ以外のものは外部へ委託して処理してい る。 ・ 問題点は、再資源化のインフラが全くと言っていいほどないことである。鉄以 外の金属についても再資源化のインフラが整っていない。 2.複写機メーカー(B社)での取組 ○使用済み部品のリサイクル ・アジア・オセアニアで使用済みとなったトナーカートリッジを中国で再生している。 使用済みカートリッジは分解し、①部品として再生できるものは再利用し、②部品 として使用できないものはマテリアルリサイクルしている。 (双方合わせて100% リサイクルされている) ・ 部品として再利用するものは、アジア・オセアニアに輸出される。マテリアルリ サイクルされるもの(金属、プラスチック)は、現地の業者に引き渡される。プ ラスチックの多くは、カセットテープのケースに再生されている模様。 3.家電製品メーカー(C社)での取組 ○再生プラスチックの利用 ・ アジアの生産拠点では、再生プラスチックを使用していない。理由は、①ヴァ ージン材がかなり安いこと、②再生材の品質に不安があることである。 ・ アジア生産拠点についても、設計はほとんど日本で行っており、材料の変更等 は現地で行うことができないことになっている。 ・ 同じ製品であっても、国内生産用とアジア生産用では設計や材料等をあらかじ め異なる仕様とする場合がある。例として、ある部分の素材を日本ではプラス チックとし、アジアでは金属とすることがある。これはヴァージンプラスチッ ク自身の品質にもアジア生産拠点では不安があることによるものである。 ○使用済み製品の引き取り ・ 法制度がある韓国、台湾以外の国では、メーカーが使用済み製品の引き取りに 関与していることはない。完全に「売りっぱなし」である。10 年ほど前の日本 と同じような状況である。 4.パソコンメーカー(D社)での取組 ○再生プラスチックの利用 ・ アジア生産拠点における再生プラスチックの利用状況は不明である。 ・ 本国から再生プラスチックを調達して利用している可能性がないとは言えない。 アジアの生産拠点において自国で再生プラスチックを調達することは、品質の 問題から現時点では行っていない。 ○使用済み製品の引き取り ・ 法制度がある台湾以外の国では、使用済み製品の引き取りを行っていない。ま たそのような社会的要請もないと認識している。 【レンズ付きフィルム】 1.A社の取組 ○レンズ付きフィルムの生産・回収 ・ レンズ付きフィルムの生産拠点は、日本、欧州及び米国である。 ・ 日本で回収されたレンズ付きフィルムは、日本の生産工場で再生されている。 アジアではあまりレンズ付きフィルムは売れないが、一部は回収されている。 それについては、ある程度量がまとまった段階で、日本へ輸出されている。 ・ ドイツで生産されたレンズ付きフィルムは、欧州各国で販売され、現像ととも に回収されているが、どのような状態でドイツへ輸入されているかはわからな い。法的に問題はない。 2.B社の取組 ○レンズ付きフィルムの生産・回収 ・ 日本に輸入されるレンズ付きフィルムは、主に米国で生産されている。 ・ 日本で回収されたレンズ付きフィルムは、米国へ輸出され、生産工場で再生さ れている。 【文具】 1.A社の取組 ・ 海外にも生産拠点があるが、再生プラスチックを使用しているかどうかは不明。 使用している場合は、日本から再プラスチックを輸出していると考えられる。 現地調達は想定していない。 2.B社の取組 ・ 再生プラスチックを使用した筆記具のうち、8∼9割は国内で生産している。 残りはタイ等海外で生産している。 ・ 海外における生産で使用している再生プラスチックは日本から輸出している。 ・ 品質及び安定供給の点から、現地調達できない状況である。 3.C社の取組 ・ 再生プラスチックを使用した文具は、日本及びタイで生産している。 ・ 日本で調達した再生ペレットを成形して部品の形で、タイへ輸出している。タ イでは組み立てのみを行っている。一部、ペレットを輸出しているものもある。 ・ ペレットの状態で輸出しない理由は、現地の成形技術が低いからである。 ・ 品質の面から、現地調達できない状況である。 4.D社の取組 ・ すべて生産拠点は国内である。ただし、部品の一部は海外から調達している。 ・ 再生プラスチックを使用した部品も一部海外から調達しているが、原料は日本 で調達している。 【その他(ビデオカセットケース) 】 ・ 日本から中国へ輸出された使用済み発泡スチロールインゴットは、100%近く中 国メーカーがビデオカセットケース(テープと一体化している部分)に加工し ている。中国からのビデオカセットケースの輸出先は主にアメリカ、ヨーロッ パ、東南アジア等で、日本への輸出は少ない。 ・ 大手ビデオカセットメーカーでは、再生プラスチックを使用していないと思わ れる。 <参考資料26> 表4.2.2 アジア諸国における廃棄物・リサイクル関連法令 国・地域名 中国 香港 法令名 固体廃棄物環境汚染防止法 廃棄物処分政令 廃棄物清掃法 廃一般物及び容器の収集・清掃・処理法 台湾 廃一般物及び容器の資源収集基金運用取扱法 廃特定物及び容器の収集・清掃・処理法 廃特定物及び容器の資源収集基金運用取扱法 廃棄物管理法 資源の節約と再資源促進に関する法律 韓国 廃棄物処理施設・地域団体促進法 有害廃棄物管理規則 医療廃棄物規則 インド リサイクルプラスチック製造・使用規則 インドネシア タイ 有害廃棄物の管理に関する政令(1994年政令第19号) 工場法 公衆衛生法 制定・施行年 概要 対象品目 95年10月制定 廃棄物による環境汚染を防止し、廃棄物の減量化・無害化・再資源化する ・廃棄物(2000年2月の廃家電の輸入禁止措置もこの 法律に基づいている。) 96年4月施行 ことを目的とする。 80年制定 廃棄物処理計画の作成、廃棄物の管理や廃棄物の輸入規制等を規定。 ・固体・半固体廃棄物(一般廃棄物、化学廃棄物、家 畜廃棄物等) 74年7月制定 廃棄物の定義を定め、廃棄物処理による環境衛生の改善を目的とする。 ・廃家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン) 97年3月改正 97年の改正によりリサイクルに関する規定を強化。 ・コンピューター 98年3月施行 ・そのほか、自動車、容器を含む全8分野・21品目 97年7月制定 一般廃棄物のリサイクルに関する法律で、リサイクル活動の一括管理を可 ・廃一般容器(鉄・アルミ・ガラス・紙・アルミ箔・ 97年9月改正 能にするリサイクル制度を規定。 プラスチックの各容器) ・廃一般物(水銀を含有する蛍光灯や電池) 97年7月制定 リサイクル対象廃棄物を取り扱う関連業者から徴収したリサイクル基金の 同 上 97年9月改正 運用に関して規定。 97年7月制定 特定廃棄物のリサイクルに関する法律で、リサイクル活動の一括管理を可 ・廃特定物及び容器(車両・潤滑油・タイヤ・鉛蓄電 97年9月改正 能にするリサイクル制度を規定。 池・農薬容器・家電) 97年7月制定 リサイクル対象廃棄物を取り扱う関連業者から徴収したリサイクル基金の 同 上 97年9月改正 運用に関して規定。 86年12月制定 適切な廃棄物処理を通じ、自然・生活環境を浄化し、環境保全と国民生活 ・廃棄物(ごみ・燃焼滓・汚泥・廃油・廃酸・廃アル 99年改正 の質的改善に貢献することを目的とする。 カリ・動物の死体等) 92年12月制定 資源の有効利用、廃棄物の発生抑制と資源の保全、リサイクルの促進を通 ・家電製品全般 じ、環境を保全し、持続的な個経済発展と国民の福祉向上に貢献すること ・そのほか、容器、洗剤、タイヤ等 を目的とする。 家電製品を含む廃棄物のリサイクルシステムを規定。 95年制定 廃棄物のリサイクル施設に関する規定。 89年制定 有害廃棄物取扱許可に関する規定 ・有害廃棄物(廃鉛精製時の触媒・塗料製造時の使用 済み溶剤等) 98年制定 医療廃棄物の隔離、梱包、移送、保管に関する規定 ・人間・動物の診察・治療・予防接種、もしくは研 究、生産において生じた廃棄物 99年制定 プラスチックリサイクルに関して規定。再生プラスチックからなる袋・容 ・プラスチック製容器包装 器の(ファーストフード店においての)使用禁止や再生プラスチックから なる袋・容器の製造規定についても規定。 94年制定 有害廃棄物の水、土壌、大気に対する直接投棄を禁止する法律。保管、回 ・有害廃棄物(B3と呼ばれる。) 収、搬送等を規定。 92年制定 有害廃棄物の保管・処理方法に関する規定(具体的な処理方法に関して は、工場法に基づき工業相が必要事項を規定する)。 92年制定 ごみと排水の管理は、収集、輸送、及び処分まで地方公共団体の管理下に ・悪臭発生ごみ、生活廃棄物、及び病院からの伝染性 あるものと規定。ごみの収集・輸送方法は規定しているが、処分について のごみ等 の規定はない。 75年制定 不適切なごみの投棄や他の不清潔な状態に課せられる罰則を記した法律。 75年制定 地方自治体の廃棄物の処理責任を規定。 77年制定 廃棄物処理計画及び廃棄物処理の方法を規定。 90年制定 有害・有毒・核廃棄物の使用・輸入・加工等の規制に関する法律。 ・有毒物質、有害廃棄物、核廃棄物 92年制定 有害・有毒・核廃棄物法の施行令。 ・有毒物質、有害廃棄物、核廃棄物 ごみ投棄法(大統領令第825号) 衛生法規(大統領令第856号) 環境法(大統領令第1152号) 有害・有毒・核廃棄物法 フィリピン 有害・有毒・核廃棄物法規制施行令 (環境天然資源省行政令第29号) リサイクル可能な有害物質の輸入に関する暫定ガイドラ 94年発令 有害物質を含むリサイクル可能な素材の輸入に関する中間指針。 ・鉄スクラップ、固形プラスチック材、電子部品・製 イン(環境天然資源省行政令第28号) 品・スクラップ、廃油 ・有害廃棄物の規定(107種類) 指定産業廃棄物に関する環境規則 89年制定 ・指定産業廃棄物(産業廃棄物と有害廃棄物) マレーシア 指定産業廃棄物に関する処理・処分設備に関する環境命 89年制定 同 上 ・排出している廃棄物に関する事業主及び取扱者の届出義務と届出方法 指定産業廃棄物に関する処理・処分設備に関する環境規 89年制定 同 上 ・有害廃棄物の輸送、貯蔵、処分に関する規定 環境公衆衛生(有害産業廃棄物)規則 88年施行 有害産業廃棄物の処理方法(保管・使用時の処理施設保有義務等)を規定。 ・有害廃棄物 環境公衆衛生(一般廃棄物回収)規則 89年施行 ・一般廃棄物 シンガポール 有害廃棄物(輸出入、移動管理)法 98年3月施行 バーゼル条約の国内適用法。 ・有害廃棄物 有害廃棄物(輸出入、移動管理)規則 98年3月施行 バーゼル条約の国内適用法。 ・有害廃棄物 出典:経済産業省「日系企業の海外活動における環境保全対策」、シンガポール大学・アジア太平洋環境法センターホームページ、各国の環境関連省庁のホームページ、その他各種報告書を基に経済産業省が作成 (参 考)台湾の家電リサイクルプラント 1.台湾の家電リサイクルシステムの現状 台湾における家電の回収量(1999 年) TV 冷蔵庫 洗濯機 エアコン 1,067 573 474 1,119 474 317 267 35 44.0 55.0 56.0 4.0 販売(千台) 回収(千台) 回収率 合計 3,233 1,093 33.8 出典:行政院環境保護署 2.台湾の家電リサイクルプラントの概要 事業者名 プラントの所在地 竣工 処理対象 事業 系統 処理能力 (千台) 処理設備 緑電再生 台北県および桃園県 台北―2000 年6月 桃園―2000 年 1 月 恵嘉電 台中県 1997 年 7 月 30 日設立 2000 年 1 月より試運転開始 家電(4品目) 処理 家電メーカー 230 家電(4品目) 回収・処理 流通業界系 10601 (許可最大能力) ドイツ ADELMANN 製シュレッ ドイツ HECKERT 製シュレッ ダ−(冷蔵庫用)及び台湾 ダ−(冷蔵庫用)及び台湾 製処理設備(その他の製品) 製設備(その他の製品) 安順 南投県 1965 年 10 月設立 廃家電ラインは 1999 年 8 月 に完成 家電、プラスチック容器 処理・資源化 公設民営型廃棄物処理機構 90,000t (計画最大能力) 台湾製 出典:各社パンフレット (注)この他、高雄に博威特(建設業者系家電リサイクル業者)、宏青(古紙回収業者系家電リサイクル業者) と 2 つの家電リサイクルプラントがある。 3.台湾における家電リサイクルプラントの仕組み(例:緑電再生) • • • • • 資本金:5 億元(1台湾㌦=約3.5円) 敷地面積は 4200 坪(約 14,000m2、内建物 1200 坪(4,000m2) 出資者は日系の家電メーカー、輸入業者 12 社(台湾松下電器、東元電機、聲寶、新力(ソニー) 、 夏寶(シャープ)、台湾三洋電機、普騰電子工業、歌林、大同、台湾日立、華王電機工業、日立 家電台湾) 従業員は 85 名、内実際に作業に関わるのは約 35 名 冷蔵庫の処理設備にドイツの ADELMANN 製シュレッダー(冷蔵庫用)を導入、他は現地製の設備 品目ごとの処理能力(1999 年、単位:台) 品目 処理台数 テレビ 67,800 冷蔵庫 48,400 洗濯機 62,000 エアコン 54,200 計 232,400 出典:各社パンフレット 再資源化による資源の回収量(2000 年、単位:トン) 品目 処理台数 金属 4,900 プラスチック 1,530 ガラス 出典:各社パンフレット 1 政府より処理を認められた最大処理量である(恵嘉電パンフレット)。実際の処理量はこれを下回る。 750 (参 考)韓国の家電リサイクルプラント 1.韓国の家電リサイクルシステムの現状 • 対象製品は、TV、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、PC(2002 年予定)、オーディオ(2003 年予定) 。 • 全体のシステム構築・コーディネートは韓国電子産業環境協会が行う。 • 韓国内、4か所に廃棄処理センターを作り、各メーカーは相互乗入れを図る。 • この新体制に参加しない企業は、従来の預託金制度が適用される。 韓国の家電リサイクルシステムの回収・処理実績(1999 年) TV 数量(千台) 冷蔵庫 355 洗濯機 402 エアコン 332 合計 1,117 28 出典:韓国環境部 2.韓国のリサイクルプラントの概要 プラント名 所在地 着工 竣工 処理能力(千台) 投資額 (百万ウォン) 工事主管 首都圏センター 京畿、一山 2001 年 3 月 2001 年 11 月 240 7,400 (敷地賃貸) 韓国電子産業 環境協会 中部圏センター 忠南、牙山 1997 年 5 月 1998 年 5 月 280 21,800 嶺南圏センター 慶南、漆西 2000 年 5 月 2001 年 8 月 240 25,000 湖南圏センター 全北、井邑 2002 年 3 月 2003 年 3 月 150 12,300 三星電子 LG 電子 大宇電子 各種資料より経済産業省が作成 3.韓国におけるリサイクルプラントの仕組み(例:牙山リサイクルセンター) • 自社製品に関する廃棄物は自社で回収するという三星電子会長の考えにより建設される。 • 工場運営費は、50%がリサイクルセンター自身の出資、50%は三星電子㈱本社の各事業部から の出資で賄われている。 • 敷地面積は 12,600 坪、内建物 1,800 坪。 • 人員は管理 4 人、生産 28 人、技術 5 人で合計 35 人。 • 設備はドイツから輸入。エンジニアリングはドイツのトレンジャー社。 • リサイクルセンターには製品設計者はいないが、各製品のリサイクルの実情を幹部がチェック して製造ルートに指示し、新製品に反映させている。 品目ごとの処理実績(1999 年) 品目 処理台数(千台) 冷蔵庫 洗濯機 99 エアコン 86 その他 9 計 31 225 各種資料より経済産業省が作成