...

平成25年度 2学期始業式

by user

on
Category: Documents
22

views

Report

Comments

Transcript

平成25年度 2学期始業式
平成25年9月2日
始業式挨拶
○今日は7月19日の夜に交通事故で亡くなった中山夏樹君に対して黙祷を捧げる
ことから始めます。では宮本先生よろしくお願いします。
~黙祷~
○ 1学期の終業式の最後に、自分が経験した悲しい思いの話をしました。交通事故
で生徒を失ったという話です。皆さんよく聞いていてくれました。その時に「二
人乗りは後部座席が自分の意思で動けないので、大変危険である。」という話を
したと思います。もちろん全くの偶然ですが、中山君が亡くなったのは後部座席
で振り落とされてしまったことが原因です。
○ 今年は「当たり前のことを当たり前にやる」ということを学校としてのテーマに
していて、1学期の終業式に、「ここにいる人たちが全員また始業式にいること
が当たり前だ」と言いました。本当に残念です。
○自転車の二人乗りは法律で禁止されていることはよく知られています。自動二輪
については、ある一定の条件を満たしていれば二人乗りが許可されているとのこ
とですが、僕は自分の気持ちとして、県工の生徒のバイクの二人乗りは禁止をし
たいと思います。もうこんな思いをするのはたくさんです。しかも生徒が亡くな
ったというのに、その後にバイクの暴走行為で警察にお世話になった人がいると
いう現実がありますし、学校に報告がない交通事故がいくつか起きていることも
知っています。
「所詮は人ごと、自分には関係ない」と思っている人はまだいますか?
中山君の保護者の方からは「二度とこのようなことが起きてはいけない。事故
に十分気をつけてください。」ということを皆さんに伝えるように託っています。
○今日は酷暑の環境なので、いつも三つの話を二つにして簡潔に話をします。
一つ目は学年別に話をします。
まずは1年生です。
○誕生日がきた人でバイクの免許を取得した人はどのくらいいますか?
これもずっと言ってきていますが、バイクはルールを守り、安全な運転をして
いれば便利な乗り物です。ただ事故直後の学年集会でも学年代表が言われていま
したが、経験を積み重ねてやっと運転がわかってくるもので、今免許を取ったば
かりの状況が最も危険なのです。「登下校には使わない」「ヤングライダースク
ールに参加する」など当たり前のことをしっかりやってくださいね。
○また1年生には1学期の終業式に「環境に慣れる」ということを話しました。2
学期になると「楽な方に流される」という慣れが多かれ少なかれ出てきます。朝
の登校時間、授業の準備時間、授業を受ける姿勢…色々な場面でそれを感じます。
とにかく「入学式の時の気持ちを忘れないでくれているか?」ということがポイ
ントかなと思っています。進級そしてその後の進路を見据えてしっかり取り組み
ましょう。高校1年生の成績から全て3年生のこの時期の調査書に反映されます
からね。
次は2年生です。
○いよいよ高校生活で最も大切な時期の一つにさしかかってきました。この2学期
が終わると高校生活が半分以上終わり、3年生への進級、そして3年生になると
進路活動、卒業がだいぶ見えてきます。
○高校生活のちょうど半分を迎える直前に、来週からのインターンシップがありま
す。多くの会社や施設など地元の皆さんのご協力、そして多くの先生方が手配を
してくださって、今年も実施できることになったことは1学期の終業式でも伝え
たところです。このインターンシップを通して、とにかく将来の働く自分をイメ
ージして、自分のためになることを何かつかんできてください。つかむ中身はそ
れぞれ違うと思いますが、きっと今後の皆さんの人生に役に立つことだと思いま
す。そして、社会の厳しさを知れば、自分の行動も変わってくると思います。
○亡くなった中山君は消防署でのインターンシップの希望だったと聞いています。
きっと彼も楽しみにしていたことでしょう。消防署にお世話になる人はもちろん、
2年生全体としても、彼の分まで熱心に取り組んでください。
さて3年生です。
○何度か言ってきましたが、今日僕の話を聞きながらメモを取っているは何人いま
すか?就職・進学の面接で「校長はどんな話をするか」という問には答えられま
すか?
○皆さんにとって、色々な蓄えができる夏休みが終わりました。来年の4月以降の
進路に向けてどのくらいの人がどんな取り組みをしたでしょうか。まさか人任せ
にしている人はいないとは思いますが、自分から動いていますね?もう一度言い
ますが、自ら動かない人に、「どうしますか?」という義務は高校にはありませ
ん。「高校を出れば何とかなる」なんて甘い考えはもたないでくださいね。
○ 二つ目の話は「いのち」の話です。
昨日の9月1日は1923年の関東大震災からちょうど90年になります。この
横須賀市も関東大震災で数多くの家が倒れ、大きな被害が出たようです。皆さん
は東日本大震災のことを実体験としてわかると思いますが、9月1日のことを
「防災の日」と呼んで、この時期に防災訓練などをやるのは関東大震災の教訓か
らです。台風なども多いシーズンですので、「災害に備える」という意味もある
と思われます。
○さて、その防災という見方からすると、今の整列状態はどうですか。今まさに大
地震が起きたとき、まずは生徒の安否を確認することが必要ですが、皆さんはだ
れに言われなくても「出席番号順」に座る習慣はついていますか?またいつも人
が横を通れるようにまっすぐ並んでいますか?
東日本大震災の直後は、どの学校でもそれができていたように思います。
○あまり良い諺とは言えませんが、「喉元すぎれば熱さを忘れる」というのがあり
ます。『熱いものも飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまう。転じて、苦し
い経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。』ということです。
東日本大震災直後は当たり前にできていたことで、今はできなくなっている、あ
るいは考えなくなっているということはありませんか?当たり前のことを当たり
前にできれば、自分の命を守ることにつながり、時には家族や仲間を守ることに
もつながります。全校が集まる時は常に心がけてください。もちろん「人が前に
立ったらメッセージがあるから前を向いて話を聴く」ことも当たり前のことです。
○そして、いつも繰り返して言っていますが、
「自分の命を大切にする。そして人の命を大切にする。」ということは社会で生
きていく上で、最も当たり前のことです。
交通事故はもちろんのこと、もう今後皆さんの命が奪われるということがあって
はなりません。日常生活でいつも気をつけてください。もちろん人の尊厳を傷つ
け、人権を無視するような「いじめ」が決してあってはなりません。
○もうこの世に還ることを許されない中山君のためにも、ぜひここにいる皆さんは、
事故に注意して精一杯生きてください。
○まだまだ暑い日が続いて辛いところもあるとは思いますが、エアコンも入りまし
た。しっかり授業を受けましょう。なお、エアコンについての注意をこの後生活
指導の中村先生からしていただきます。
以上で自分の話は終わります。
Fly UP