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II.基本方針及び将来交通ネットワーク計画
II.基本方針及び将来交通ネットワーク計画 現状と課題 1.市内の移動を円滑にする幹線 道路ネットワークの構築 ○地域間の連携を強化し、合併効果を 高める地域間幹線道路ネットワー クの構築 ○各地域に分散する観光資源の連携 を強化する幹線道路ネットワーク の構築 2.安全・安心な日常生活を実現 する幹線道路ネットワーク の構築 ○円滑な救急活動を支える幹線道路 ネットワークの構築 ○広域的な救急医療活動を支援する 幹線道路ネットワークの構築 ○リダンダンシーが確保された幹線 道路ネットワークの構築 都市交通計画マスタープラン 交通ネットワーク計画 交通まちづくりの基本方向 豊かな自然との共存都市の実現 ■目指す将来像 ■道路交通ネットワーク施策 利便性の高いクラスター都市の実現 登米市の骨格となる道路づ くり 広域的な交流・連携を支える「広域幹線道路軸」 の形成 歴史・文化の継承都市の実現 広域的な発展・交流都市の実現 将来都市構造 6つの都市計画区域の連携による登米 市独自の都市づくりと都市計画の確立 商業・業務・工業などの都市機能の効率的 な配置 段階的な都市構造・生活圏域の確立 4.中心市街地における体系的な 道路ネットワークの構築 ○佐沼地区における道路空間の再配 分 5.市街地内の安全性・快適性の 向上 ○幹線道路の歩行者空間確保 ○大型車の一般道への流入抑制 ○田園地帯における都市間・地域間交 通の農道・生活道路への流入抑制 6.地域の特性に応じたモビリテ ィの確保 ○自動車利用の適正化 ○だれもが利用できる公共交通サー ビスの確保 7.交通手段相互の連携強化 ○公共交通機関の乗り換え利便性の 向上 ○鉄道駅の交通結節機能の向上 広域的な交流・連携を支え る道路づくり 多様な移動手段が共存する 安全で快適な道路づくり 中心市街地の再生に寄与す る道路づくり 開発すべき区域と保全すべき区域の明確化 安全で円滑な地域間・都市間交流を支える「幹線 道路軸」の形成 中心市街地の外郭を形成する「中心市街地環状 道路軸」の形成 主要な市街地を連絡する「外環状道路軸」の形成 地区間移動の利便性や広域交通網へのアクセス 性を高める「補助幹線道路軸」の形成 中心市街地の「中心市街地シンボル道路軸」の 形成 ※みやぎ県北高速幹線道路は構 想段階です。I.Cは、本市 のマスタープランを策定する うえで想定した位置です。 公共交通ネットワーク計画 3.広域交流を支援する広域道路 体系の構築 ○広域交流を促進する幹線道路ネッ トワークの形成 ○広域的な通過交通の市街地・集落へ の流入抑制 ○広域道路ネットワークへのアクセ ス向上 道路交通ネットワーク計画 ■目指す将来像 交通ネットワーク整備の基本方針 登米市内の交流・連携を支える地域間 交通ネットワークの構築 ~利便性の高いクラスター都市の実現 登米市と周辺都市を結ぶ広域交通ネッ トワークの構築 ~広域的な発展・交流都市の実現 自動車を利用できない交通弱者の移動 に配慮した交通ネットワークの構築 ~だれもが自由に活動できる都市の実現 中心市街地の活性化を支援する「歩いて 暮らせる」交通まちづくりの実現 ~中心市街地の賑わいの再生と活性化の実 現 市街地・集落エリアにおける安全で快 適な交通ネットワークの構築 ~良好な市街地・集落エリアの都市環境 の実現 自動車だけに頼らずに暮ら せる公共交通ネットワーク づくり ■公共交通ネットワーク施策 主要な市街地エリアを連絡する幹線バス軸の形成 中心部と外縁部を連絡するバス軸の形成 田園・山間エリアにおける公共交通サービスの提供 持続性のある効率的な公共 交通ネットワークづくり 地域内移動の足となるバス交通の確保 仙台方面の高速バスの維持・拡充 JR東北本線、気仙沼線の維持・拡充 複数の交通手段相互の連携 による質の高い公共交通ネ ットワークづくり 市の玄関口としての鉄道駅の整備 公共交通機関の連携強化 交通体系連携計画 ■目指す将来像 道路利用者の視点に立った 質の高い道路サービスの実 現 トラフィック機能を高める 沿道まちづくり ■交通体系連携施策 道路利用者に対するわかり易い路上案内表示 移動前、移動中における自動車ドライバーへの 情報提供 幹線交通軸、環状軸におけるトラフィック機能を 高める道路構造の適用 自動車に過度に依存するラ イフスタイルの見直し 市民に対し、賢い自動車の使い方を考える機会 の提供 乗り継ぎ利便性の高い交通 結節点づくり 鉄道駅・高速バス停における交通結節機能の 向上 -4- 1.基本方針の策定 1-1 交通まちづくりの基本方向 1) 豊かな自然との共存都市の実現 ・無秩序な市街地などの都市的土地利用の拡大を抑制し、健全な土地利用を誘導していくため、将 来に渡り「都市的土地利用を図る区域」と「豊かな自然や農地、山林などを維持・保全していく 区域」を区分し、明確に位置づけます。 ・ 「都市的土地利用を図る区域」については、 「田園都市」 「森林都市」 「水辺・湖沼都市」などの周 辺部の自然的特性を活かし、自然環境と共存する産業や居住の空間づくりの誘導を図ります。 ・「維持・保全していく区域」においては、かけがえのない市の財産である農地、山林、水辺の自 然環境を未来へ継承し、また住む人々、訪れる人々に自然が身近に感じられるよう、自然環境の 空間の維持・保全を図ります。 2) 利便性の高いクラスター都市の実現 ・9町が合併して誕生した本市においては、それぞれの地域に中心となる市街地、主要な集落地が クラスター状に存在しており、今後、これらの中心地は1つの市内において、地域生活の拠点と しての位置づけを明確にするとともに、市の中心となる拠点と地域拠点、あるいは地域拠点間を 結びつけ、拠点相互の連携強化や地域格差の是正を図るとともに、生活及び都市活動の利便性の 向上に資する放射・環状のネットワークの構築を図ります。 ・それぞれの拠点には、地域の規模に応じた「コンパクトシティ」の形成を図り、高齢者にも優し く、環境負荷にも配慮した、歩いて暮らせる市街地、集落地の形成を目指します。 ・地域間・拠点間の移動については公共交通機関や自動車へ依存し、地域内においては、自動車依 存から脱却した交通手段を棲み分けた生活体系の確立を目指します。 3) 歴史・文化の継承都市の実現 ・合併して1つの市になったことで、各町ごとに継承された歴史・文化の資源は、全市民の共有の 財産となり、市民の共通認識のもとに、維持・継承が図られるまちくりを目指します。 ・また、市内の歴史・文化資源を有機的に結びつけることにより、市民における維持・保全の意識 の高揚を図るとともに、これまで、個々に展開してきた観光振興の一元化を図る観光ネットワー クの形成を目指します。 4) 広域的な発展・交流都市の実現 ・高規格道が整備中または計画されており、完成後には本市に様々な効果が期待されています。こ れらの道路・I.C の整備インパクトを受け止め、新たな企業誘致による産業振興や広域的な交流・ 観光の促進など、本市の広域的な発展に活かしたまちづくりを目指します。 ・I.C の設置予定地には優良な田園地域の真ん中に計画されている箇所もあり、広域連携が強化さ れる反面、無秩序な土地利用や乱開発などは未然に防止していくことに考慮する必要があります。 ・本市にはJR在来線の駅が迫地域、石越地域、豊里地域、津山地域にそれぞれあり、鉄道駅と I.C 周辺に、各々の特性や位置づけに考慮した、市の玄関口への機能集積や景観づくりを目指します。 -5- 1-2 将来都市構造 1) 基本方針 6つの都市計画区域の連携による登米市独自の都市づくりと都市計画の確立 ◇9町の合併によって誕生した「登米市」において、都市計画区域の連携による新しい市としての 自律した都市づくりを目指します。 ◇現行の都市計画区域を基本として捉え、必要に応じて区域及び地域の見直し拡大を図ります。 2) 都市構造・まちづくりの基本的な考え方 (1)商業・業務・工業などの都市機能の効率的な配置 ◇迫都市計画区域の用途地域内においては、登米市の経済を支える商業・業務系や工業・流通系な どの都市機能を適切に配置し、計画的な土地利用を誘導します。さらに隣接する南方地域や中田 地域への土地利用の状況や連続性などを配慮し、適切に都市機能の配置を誘導します。 ◇高規格道路 I.C が設置される周辺地区は、広域的な交通条件を活かし、市の産業の振興や新たな 雇用の場の創出に寄与する土地利用、都市機能の新たな配置を誘導します。 ◇その他の地域と市街地との連携や生活の交流の方向性を定めるとともに、これに配慮した都市構 造を確立します。 (2)段階的な都市構造・生活圏域の確立 ◇迫都市計画区域の用途地域内は、登米市における「中心的な市街地」として位置づけ、地域生活 や商業・業務などの都市活動に必要な機能集積と歩いて暮らせる生活環境の向上を目指します。 ◇その他の市街地や主要な集落地においては、これまでの町の中心地としての機能を維持し、地域 における日常生活の中心としての役割を担うものとします。 ◇登米市の中心市街地と周辺部に位置する市街地・主要な集落地間を効率的に結ぶネットワークを 形成し、市の新しい生活圏域の確立を目指します。 (3)開発すべき区域と保全すべき区域の明確化 ◇都市計画区域内は、用途地域の指定範囲を適切に見直し拡大し、市街化を促進するエリア(用途 地域内)と市街化を抑制し農地や田園環境を保全するエリア(白地地域)の方向性を示し、これに 見合った土地利用を誘導します。 ◇都市計画区域外については、登米市の固有の財産である自然環境や歴史資産などの保全、集落環 境の維持を基本とし、準都市計画区域や農業振興地域、景観三法などの土地利用の規制・誘導を 図るものとします。ただし、I.C 周辺や幹線道路沿道などの開発ポテンシャルの高いエリアにつ いては、都市計画区域への編入などにより、乱開発などを未然に防止するよう適切な土地利用を 誘導します。 -6- 参考:上位計画におけるまちづくりの方向性 都市交通計画マスタープランに関わる上位計画を以下に整理します。 ■都市交通計画マスタープランの位置づけ 登米市総合計画 〈まちづくりの基本理念〉 「水の里」に表現される豊かな自然と共生しながら本市全体の「持続的な発 展」を図る。 〈まちづくりの基本方向〉 (1)人と自然が共生するうるおいのあるまちづくり (2)大地の恵みと人の技を生かした活力のあるまちづくり (3)安全に安心して暮らせるやすらぎのあるまちづくり (4)便利で快適に暮らせるゆとりのあるまちづくり (5)豊かな心と個性を育むふれあいのまちづくり (6)市民の創造力を生かした協働のまちづくり 〈登米市の将来像〉 『夢・大地 みんなが愛する水の里』 生き生き健康都市 登米 登米市都市計画マスタープラン 〈都市づくりの理念〉 ○安心・安全 ○産業・定住 ○環境・健康 〈都市づくりの目標〉 ①豊かな自然との共存都市の実現 ②利便性の高いクラスター都市の実現 ③歴史・文化の継承都市の実現 ④広域的な発展・交流都市の実現 〈都市づくりの将来像(テーマ)〉 豊かな自然と賑わいを感じる環境都市 登米 〈登米市都市づくりの基本方針〉 6つの都市計画区域の連携による登米市独自の都市づくりと都市計画の確立 [基本的な考え方①]商業・業務・工業などの都市機能の効率的な配置 [基本的な考え方②]段階的な都市構造・生活圏域の確立 [基本的な考え方③]開発すべき区域と保全すべき区域の明確化 登米市都市交通計画マスタープラン -7- ■登米市総合計画の概要 項目 計画期間 内容 平成 27 年度を目標とした、平成 18 年度~平成 27 年度までの 10 ヵ年計画 まちづくりの 基本理念 『自立と定住による持続的な発展』 『市民との協働による登米市の持続的な発展を目指します。』 まちづくりの 基本方向 ○人と自然が共生するうるおいのあるまちづくり ○大地の恵みと人の技を生かした活力のあるまちづくり ○安全に安心して暮らせるやすらぎのあるまちづくり ○便利で快適に暮らせるゆとりのあるまちづくり ○豊かな心と個性を育むふれあいのまちづくり ○市民の創造力を生かした協働のまちづくり 将来都市像 『夢・大地 みんなが愛する水の里』活き生き健康都市 登米 土地利用の方向性 市街地 ・集落 ○中心市街地・・新たなサービス産業や住宅地の拡大が見込まれるため、都市計画区域の見 直しなどにより計画的な土地利用を促進する ○各地区の既存市街地・・地域の特色を生かした魅力的で個性ある市街地整備を進める ○各地区の農村集落・・・自然環境を保存しつつ、基礎的な生活基盤の整備を図り、良好な生 活空間づくりを進める 田園 地帯 ○迫川を中心として広がる田園地帯・・地域の特性を生かした付加価値の高い農業の確立を進 める ○北上川の東側及び西側の山間部の農用地・・多様な作物を生産する場として整備を図る ○中田町、登米町の境に建設予定の三陸縦貫 IC 周辺・・・新たな土地利用計画を策定し、秩序 ある開発を進める 東部山林・ 中山間地帯 ○北上川東部の山林・・・林産物の生産地としての整備を図るとともに、水源の涵養や緑資源と のふれあいなど公益的機能を有するため、その保全活用に努める。 河川・湖 沼地帯 ○北上川及び迫川などの流域・・・・治水機能を整備を図るとともに、河川敷を利用した親水・交 流空間としての整備を進める ○湖沼(伊豆沼・内沼)・・・本市の恵まれた自然環境のシンボルと位置づけ、潤いのある空間形 成を目指した保全に努める。 交通に関する 施策 [道路網の整備]①都市交通計画マスタープランの整備、②高規格道路の整備、③市域の骨格 を形成する幹線道路の整備、④アクセス道路の整備、⑤生活関連道路の整備 [公共交通機関の整備、充実]①バス交通の充実、②鉄道利用の利便性向上 ■土地利用方針図 -8- ■登米市都市計画マスタープランの概要 項目 都市づくりの 理念 都市づくりの 目標 ○安心・安全 ○産業・定住 内容 ○環境・健康 ①豊かな自然との共存都市の実現 ②歴史・文化の継承都市の実現 ②利便性の高いクラスター都市の実現 ④広域的な発展・交流都市の実現 一関市 I.C 整備のインパクト の活用(産業振興、交 流・観光の促進等) 高規格道路 JR東北本線 JR東北新幹線 東北縦貫自動車道 市の玄関口への機能 集積、景観づくり (I.C 周辺) 南三陸町・気仙沼市 高規格道路 市の玄関口への機能 集積、景観づくり (鉄道駅周辺) JR気仙沼線 仙台市 都市づくりの 将来像(テーマ) 登米市都市づ くりの基本方 針 石巻市・仙台市 豊かな自然と賑わいを感じる環境都市 登米 6つの都市計画区域の連携による登米市独自の都市づくりと都市計画の確立 [基本的な考え方①]商業・業務・工業などの都市機能の効率的な配置 [基本的な考え方②]段階的な都市構造・生活圏域の確立 [基本的な考え方③]開発すべき区域と保全すべき区域の明確化 基本ゾーニン グ ①中心市街地エリア ②市街地エリア 都市的土地利用を図る区域 ③I.C 周辺エリア ④新市街地規制・誘導エリア 自然環境・農地と居住が共存する区域 将来都市構造 ⑤主要な集落エリア ⑥田園エリア 自然環境や農地を維持・保全していく区域 ⑦山間エリア ⑧河川・湖沼エリア 骨格都市軸 広域都市 軸 幹線都市 軸 ◇整備が進められている三陸縦貫自動車道、みやぎ県北高速幹線道路の高 規格道路 ◇これらの路線によって、仙台、石巻、気仙沼、古川などの県内各都市間や東 北縦貫自動車道、東北新幹線を経て県外諸都市を結ぶ。 ①放射軸・・・隣接市町及び周辺部から登米市の中心市街地を結ぶ国県道な どの幹線道路を市の骨格を形成する放射方向の幹線都市軸 ②環状軸・・・中心市街地の外郭を形成するとともに、放射軸や周辺市街地・主 要集落地を機能的に結び、中心市街地内への過度な自動車交通を排除 し、円滑な都市活動を支える幹線道路を環状型の幹線都市軸 ③南北幹線軸・・・市域の東側を北上川に沿って南北方向に貫き、東和地域、 登米地域、津山地域などの市街地や主要な集落地を結ぶ道路を南北方向 の幹線軸 -9- 水辺軸 都市の核 商業業務 中心核 地域生活 核 交通・交流 核 ◇田園地帯と山間地帯の登米市の土地利用構造を分割している北上川。市 域の東側を南北方向に流れ、流域に位置する市街地や主要集落をネットワ ークする生活の軸を形成するとともに、水辺・緑の核をネットワークする観光・ レクリエーションの軸を形成する。 ◇市域のほぼ中央部、中心市街地内や田園地帯を流れる迫川。中心市街地 内を通り、都市空間に水辺・緑の潤いの空間を創出する市街地内の水辺・ 緑の基幹となる軸、さらに流域の市街地・主要集落をネットワークする生活の 軸を形成する。 ◇商業・業務・行政・医療・福祉などの様々な都市的機能が集積する登米市役 所(旧迫市役所)周辺。 ◇地域の中心的な市街地・集落地を形成し、地域生活に密着した商業・業務・ 市役所支所などの都市機能が集積する各地域の中心地。 ◇各地域がこれまで培ってきた地域個性を活かすとともに、地域の規模に応じ た地域生活の中心地を形成する。 ◇本市への玄関口となる鉄道駅周辺(石越、新田、梅ヶ沢、陸前豊里、御岳 堂、柳津、陸前横山)・・・パークアンドライド機能などの各種交通機関の結節 機能の充実を図るとともに、市の顔にふさわしい景観を形成する。 ◇自動車交通の広域的な玄関口となる I.C 周辺・・・新たな市街地整備と併せ た交流機能の集積や沿道景観などの形成を図る。 ◇米山、東和、南方、津山に位置する道の駅周辺・・・地域と広域の人々の交 流機能、地域の情報発信の機能を維持する。 ■将来都市構造図 -10- 1-3 交通ネットワーク整備の基本方針 交通を取り巻く現況と課題、上位・関連計画などを踏まえ、登米市における将来交通ネットワーク 計画を検討する上での基本方針を以下に示します。 1)登米市内の交流・連携を支える地域間交通ネットワークの構築 2)登米市と周辺都市を結ぶ広域交通ネットワークの構築 3)自動車を利用できない交通弱者の移動に配慮した交通ネットワークの構築 4)中心市街地の活性化を支援する「歩いて暮らせる」交通まちづくりの実現 5)市街地・集落エリアにおける安全で快適な交通ネットワークの構築 1) 登米市内の交流・連携を支える地域間交通ネットワークの構築 ~利便性の高いクラスター都市の実現~ ・9町が合併して誕生した本市では、各地域に日常生活の拠点となる市街地や集落地が分散して分 布しており、迫地域を中心に各地域の市街地、集落間で活発な交流が行われています。日常生活 及び都市活動の利便性向上や市の一体感醸成のため、各地域が連携したクラスター都市を実現す る放射・環状の交通ネットワークが求められています。 ・また、本市に点在する歴史的街並みや自然環境などの観光資源は地域活性化のための重要な要素 です。観光振興を図るため、観光資源間の連携を強化するためのネットワークを形成することが 求められています。 ・市内には南北に北上川・迫川が流れており、各地域間を結ぶ道路上には、これらの川を横断する 橋梁区間が存在します。災害時などに渡河できない場合においても、都市間、地域間の連携を確 保するため、複数経路を有するリダンダンシー(※)の高い道路ネットワークが求められています。 ・また、田園地帯の農道や市道において多数の交通事故が発生しており、都市間・地域間交通がこ られの道路を通行していることが一つの要因と考えられます。各道路の機能分化が適正になされ、 安全で円滑な道路交通を実現するため、都市間・地域間交通を分担する幹線道路網の強化も必要 です。 ・以上のことから、利便性の高いクラスター都市の実現に向けて、登米市内の交流・連携を支える 地域間交通ネットワークの構築を目指します。 ※リダンダンシー:災害時などに一部区間の途絶で交通網として機能不全に陥らにないよう代替路により多重化されていること 2) 登米市と周辺都市を結ぶ広域交通ネットワークの構築 ~広域的な発展・交流都市の実現~ ・市民の通勤・通学、買い物や通院などの日常生活において仙台市、石巻市や大崎市などの周辺都 市との交流があり、特に高次医療については市外への依存が高く、広域移動の円滑化、高度医療 施設へのアクセス向上など市民の日常生活の視点から広域交通ネットワークの整備が課題とな っています。 ・また、松島や平泉など周辺地域を含めた広域的な観光ネットワークの形成による観光振興や、広 域交通の利便性を高め、それに伴う地域ポテンシャル向上による新規企業の誘致や地場産業の活 性化などの産業振興を図ることが求められています。 ・以上のことから、市民の快適で安心な日常生活を確保するとともに市内に産業や人を呼び込み、 広域的な発展・交流都市の実現する広域ネットワークの構築を目指します。 -11- 3) 自動車を利用できない交通弱者の移動に配慮した交通ネットワークの構築 ~だれもが自由に活動できる都市の実現~ ・自動車が広く市民生活に浸透している登米市においては、将来においても市民の移動手段として 自動車が中心的な役割を果たします。その一方で、高齢者や生徒・児童などの自動車を利用でき ない交通弱者が自由に、気軽に利用可能な移動手段の確保が必要です。 ・また、環境負荷軽減や公共交通需要確保などの社会的要請に応えるため、可能な部分では自動車 利用から他手段へ転換を図ることも求められています。 ・さらに、自動車利用に過度に依存した生活は、体力低下などの健康への悪影響が懸念され、こう した観点からも自動車に依存したライフスタイルを見直していくことが望まれます。 ・以上のことから、シビルミニマムの確保や自動車利用の適正化のため、都市機能の集積する中心 市街地とその他の市街地エリア間を中心に、交通弱者や自動車の利用を控えようとする人が、自 動車を利用しなくても、市内を移動できる交通ネットワークの構築を目指します。 4) 中心市街地の活性化を支援する「歩いて暮らせる」交通まちづくりの実現 ~中心市街地の賑わいの再生と活性化の実現~ ・迫地域佐沼地区では郊外への大型店舗の進出などにより空洞化が進んでおり、中心市街地の衰退 が市全体へ影響を及ぼすことが懸念されています。日常生活や都市活動に必要な機能の集積によ り中心商業地の機能維持と再生を図るため、市街地の外郭を形成し、アクセスコントロールなど 土地利用と連携した交通ネットワークや、賑わいの再生などを支える歩行者中心の交通ネットワ ークが求められています。 ・また、中心市街地に人を呼び込むためには流入する通過交通の抑制、朝夕の道路混雑の緩和、広 幅員歩道や植樹帯の整備などにより、安全で快適な交通環境を確保することも必要です。 ・以上のことから、中心市街地内外の体系的な道路ネットワークの整備により、中心市街地におい て安全、快適に過ごせる環境を創出し、 「歩いて暮らせる」交通まちづくりの実現を目指します。 5) 市街地・集落エリアにおける安全で快適な交通ネットワークの構築 ~良好な市街地・集落エリアの都市環境の実現~ ・市内に分布する市街地は固有の特色を有しており、将来の都市づくりにおいては、各市街地で培 ってきた特色を活かした、利便性の高い市街地や居住性の高い市街地の形成を目指しています。 ・各地域の市街地・集落エリアでは、住居や学校、商業・生活利便施設などが幹線道路の沿道に立 地しています。これらの幹線道路では、歩行者、自転車や自動車の交通量が多いにも関わらず、 幅員が狭く歩行者空間が確保されていない区間があり、安全な道路空間の確保が課題となってい ます。さらに、これらの幹線道路の一部区間では大型車が多く通行しており、道路空間の安全性 低下の一因ともなっています。 ・以上のことから、市街地・集落エリアにおいては、その機能を維持し、地域における通勤・通学、 買い物や通院などの日常生活の中心としての役割を今後も担うため、安全な歩行者・自転車空間 の確保や大型車の流入の抑制により、地域に暮らす多様な生活者が安全・安心に外出できるよう な交通ネットワークの構築を目指します。 -12- 概 念 図 登米市内の交流・連携を支える地域間交 通ネットワークの構築 登米市と周辺都市を結ぶ広域交通 ネットワークの構築 ~利便性の高いクラスター都市の実現~ ~広域的な発展・交流都市の実現~ 周辺都市 自動 車を利用で きない交 通弱 者の移動に 配慮した 交通ネットワークの構築 中心市街地 市街地・集落エリア 中心市街地の活性化を支 援する「歩いて暮らせる」 交通まちづくりの実現 ~だれもが自由に活動できる 都市の実現~ ~中心市街地の賑わいの再 生と活性化の実現~ 市街地・集落エリアにおける安全で快適な交 通ネットワークの構築 ~良好な市街地・集落エリアの都市環境の実現~ -13- 2.将来交通ネットワーク計画 将来交通ネットワーク計画は、基本方針で示した総合的な交通体系の構築に向けて、「道路交通ネ ットワーク計画」、 「公共交通ネットワーク計画」、 「交通体系連携計画」の 3 本柱で構成されます。計 画の体系を以下に示します。 ■計画の体系(目指す将来像) 将来交通ネットワーク計画 道路交通ネットワーク計画 登米市の骨格となる道路づくり 広域的な交流・連携を支える道路づくり 多様な移動手段が共存する安全で快適な道 路づくり 中心市街地の再生に寄与する道路づくり 公共交通ネットワーク計画 自動車だけに頼らずに暮らせる公共交通ネ ットワークづくり 持続性のある効率的な公共交通ネットワー クづくり 複数の交通手段相互の連携による質の高い 公共交通ネットワークづくり 交通体系連携計画 道路利用者の視点に立った質の高い道路サ ービスの実現 トラフィック機能を高める沿道まちづくり 自動車に過度に依存するライフスタイルの 見直し 乗り継ぎ利便性の高い交通結節点づくり -14- 2-1 道路交通ネットワーク計画 道路交通ネットワーク計画 ■目指す将来像 登米市の骨格となる道路づ くり 広域的な交流・連携を支える 道路づくり 多様な移動手段が共存する 安全で快適な道路づくり 中心市街地の再生に寄与す る道路づくり ■道路交通ネットワーク施策 広域的な交流・連携を支える「広域幹線道路軸」の 形成 安全で円滑な地域間・都市間交流を支える「幹線道 路軸」の形成 中心市街地の外郭を形成する「中心市街地環状道路 軸」の形成 主要な市街地を連絡する「外環状道路軸」の形成 地域間移動の利便性や広域交通網へのアクセス性を 高める「補助幹線道路軸」の形成 中心市街地の「中心市街地シンボル道路軸」の形成 1) 目指す将来像 (1)登米市の骨格となる道路づくり ・市民の日常生活や救急搬送などの医療活動を支援し、市民の安全で快適な生活環境を確保するた め中心市街地へのアクセスを強化するとともに、各地域の市街地・集落間を連絡する登米市の骨 格となる道路づくりを目指します。 ・また、各地域に点在する観光資源の連携を強化し、観光ネットワークを形成することにより、市 としての新たな魅力を創出する道路づくりを目指します。 ・さらに、災害時などにおいても地域間、都市間の連携を確保するためリダンダンシーが確保され た道路ネットワークを目指します。 (2)広域的な交流・連携を支える道路づくり ・市民の円滑な広域移動や高次医療サービスを享受できる環境の実現とともに、市内へ観光客など 来訪者や産業を呼び込み、市の活性化を支援するため、広域的な交流・連携を支える道路づくり を目指します。 ・また、これにより市内へ流入する広域的な通過交通を円滑に処理できる道路体系を目指します。 (3)多様な移動手段が共存する安全で快適な道路づくり ・各地区の市街地を通過する幹線道路においては歩行者、自転車の安全性の確保が特に求められる 学校や病院など施設の立地状況を踏まえ、安全で快適な市街地を形成するとともに自動車の走行 性の向上を図るため、歩道設置などにより、人、自転車や自動車など多様な移動手段が共存する 安全で快適な道路づくりを目指します。 ・また、広域農道においては、本来の目的である農業振興を実現する一方、一般交通の通行に供す る必要がある場合には、農業支援機能とトラフィック機能の双方を備えた安全で円滑な道路づく りを目指します。 -15- (4)中心市街地の再生に寄与する道路づくり ・空洞化の進む中心市街地において、歩いて楽しめる空間を提供し、大規模な施設が集積する郊外 にはない魅力を創出するため、歩行者・自転車ネットワークや自動車交通を円滑に処理する道路 ネットワークの構築により、中心市街地の再生に寄与する道路づくりを目指します。 2) 道路ネットワーク施策 施 策 機能・役割 ①広域的な交流・連携 ○登米市と県内外の主要都市を結び、市民の日常 生活や産業の広域的な交流・連携を支援します を支える「広域幹線 ○広域通過交通や大型車交通を分担し、これらの 道路軸」の形成 交通の一般道への流入を抑制します ②安 全 で 円 滑 な 地 域 ○市内に点在する市街地や観光資源並びに周辺 都市を結び、市内での安全で快適な移動を可能 間・都市間交流を支 にし、利便性の高いクラスタ-都市の実現に寄 える「幹線道路軸」 与します の形成 ○救急活動や緊急輸送を支援します ○各地区の市街地・集落エリアを通過する区間に おいては人と車の共存により、通学や買い物な どエリア内における日常生活の安全性・快適性 の向上を図ります ③中心市街地の外郭を ○中心市街地を環状に取り巻き、迫川渡河部の混 雑緩和、中心市街地の通過交通流入抑制などの 形成する「中心市街 交通課題に対応します 地環状道路軸」の形 ○中心市街地における歩いて暮らせる交通まち 成 づくり実現に向けた道路空間の再配分を図る ため通過交通を分担します ○市街地の外郭を形成し、アクセスコントロール など沿道の無秩序な市街化を抑制します ④主要な市街地を連絡 ○各地区の市街地エリア、高規格道路IC及び放 する「外環状道路軸」 射状の幹線道路軸を相互に連絡し、円滑な都市 活動を支えます の形成 ○中心市街地方向に集中する交通を分散させま す ⑤地区間移動の利便性 ○幹線道路軸の機能を補完します や広域交通網へのア ○登米市内における日常の地域間交流や観光周 遊を支援します クセス性を高める 「補助幹線道路軸」 ○高規格道路ICや鉄道駅を連絡し、市民の広域 移動の利便性向上と同時に市外からの人やも の形成 のの呼び込みを促進します 取り組み内容 三陸縦貫自動車道及びみや ぎ県北高速幹線道路の整備 により都市間を結ぶ広域幹 線道路軸を形成します 中心市街地から放射状にの びる道路や周辺都市を連絡 する道路について既存道路 の強化と新設ルートの整備 により幹線道路軸を形成し ます 迫地域中心市街地を外縁部 に位置する既存道路の活用 や道路の新設により中心市 街地環状道路軸を形成しま す 主要市街地を連絡する既存 道路の強化や道路新設によ り外環状道路軸を形成しま す 中心市街地と市街地・集落 間、幹線道路軸間を結ぶ既 存道路の強化や道路新設に より補助幹線道路軸を形成 します ⑥中心市街地において ○中心市街地の活性化や歴史的街並みを活かし 佐沼地区や寺池地区(みや たまちづくりなど地域の特色を活かした市街 ぎの明治村周辺)内の道路 「中心市街地シンボ において、道路空間再構成 地形成を支援します ル道路軸」の形成 ○歩行者・自転車ネットワークを形成し、歩行 などにより、中心市街地の 者・自転車優先の道路づくりに向けた先導的な まちづくりの骨格となるシ ンボル道路軸を形成します 役割を担います -16- 道路交通ネットワーク計画 ①広域的な交流・連携を支える「広 域幹線道路軸」の形成 機能・ 役割 ○市民の日常生活や産業の広域的な交 流・連携の支援 ○広域通過交通などの一般道への流入 の抑制 取り組 み内容 ○三陸縦貫自動車道及びみやぎ県北高 速幹線道路の整備促進 みやぎ県北 高速幹線道路(※) ※みやぎ県北高速幹線道路は構想段階です。 I.Cは、本市のマスタープランを策定す るうえで想定した位置です。 ⑤地区間移動の利便性や広域交 通網へのアクセス性を高める 「補助幹線道路軸」の形成 三陸縦貫自動車道 機能・ 役割 ○幹線道路軸を補完し、日常の地域 間交流や観光周遊の支援 ○市民の広域移動の利便性向上や市 外からの人・ものの呼び込みの促 取り組 み内容 ○既存道路の強化や道路の新設によ り幹線道路軸を補完する道路ネッ トワークを形成 ⑥中心市街地において「中心市街 地シンボル道路軸」の形成 ②安全で円滑な地域間・都市間交流を支 える「幹線道路軸」の形成 機能・ 役割 ○市内での安全で快適な移動を可能にし、利便 性の高いクラスタ-都市の実現に寄与 ○人と車の共存により市街地・集落エリア内の 安全性・快適性の向上 取り組 み内容 ○既存道路の強化や道路の新設により迫地域 を中心とした放射状の道路ネットワークの 形成 機能・ 役割 ○地域の特色を活かした市街地形成 の支援 ○歩行者・自転車優先の道路づくり に向けた先導的役割 取り組 み内容 ○道路空間再構成などにより中心市 街地のまちづくりの骨格となるシ ンボル道路軸の形成 ③中心市街地の外郭を形成する「中 心市街地環状道路軸」の形成 ④主要な市街地を連絡する「外環状 道路軸」の形成 機能・ 役割 ○中心市街地における道路混雑などを 解消し、歩いて暮らせる交通まちづく りの実現に寄与 ○沿道の無秩序な市街化に抑制 機能・ 役割 ○市街地エリア、高規格道路IC及び放 射状の幹線道路軸を相互に連絡し、円 滑な都市活動の支援 ○中心市街地方向に集中する交通の分散 取り組 み内容 ○中心市街地の外縁部に位置する既存 道路の活用や道路新設により環状道 路ネットワークの形成 取り組 み内容 ○主要市街地を連絡する既存道路の強化 や道路新設により環状道路ネットワー クの形成 -17- ■各道路軸の空間イメージ 【広域幹線道路】 【幹線道路】 ・広い幅員や交差点の右折帯などにより、トラフ ィック機能を確保します ・自動車専用の道路で流出入は IC などに限られ、 ・市街地・集落を通過する区間では歩道、郊外部 円滑な交通を確保します では広い路肩があります (三陸縦貫自動車道桃生登米道路の事例、東北地整 HP より) 【中心市街地環状道路】 ・中心市街地の外郭を形成し、中心市街地への通 過交通の流入を抑制します ・円滑な交通の確保、沿道の無秩序な開発の抑制 ため、沿道からのアクセスが制限されます 【外環状道路】 ・市内の主要な地域や交通拠点を結ぶため、幹線 道路に準じたトラフック機能を有します ・市街地・集落を通過する区間では、安全性や沿 道からのアクセスにも配慮します 【補助幹線道路】 【中心市街地シンボル道路】 ・段差のない歩道など歩行者・自転車が安全に通 行できる空間をネットワーク化します ・道路によっては歩行者・自転車の通行を優先し、 自動車の通行を制限します ・幹線道路や環状道路を結ぶため、幹線道路に準 じたトラフック機能を有します (岩手県紫波町日詰地区の事例、国土交通省 HP より) -18- 2-2 公共交通ネットワーク計画 公共交通ネットワーク計画 ■目指す将来像 ■公共交通ネットワーク施策 自動車だけに頼らずに暮ら せる公共交通ネットワーク づくり 主要な市街地エリアを連絡する幹線バス軸の形成 中心部と外縁部を連絡するバス軸の形成 田園・山間エリアにおける公共交通サービスの提供 持続性のある効率的な公共 交通ネットワークづくり 地域内移動の足となるバス交通の確保 仙台方面の高速バスの維持・拡充 JR東北本線、気仙沼線の維持・拡充 複数の交通手段相互の連携 による質の高い公共交通ネ ットワークづくり 市の玄関口としての鉄道駅の整備 公共交通機関の連携強化 1) 目指す将来像 (1)自動車だけに頼らずに暮らせる公共交通ネットワークづくり ・市民の日常生活、とりわけ病院への通院や学校への通学など高齢者や若年者など交通弱者の活動 を支えるシビルミニマムとしての公共交通ネットワークを確保し、だれもが自分の意思で移動で きる環境を目指します。 ・また、環境負荷の削減や健康増進を図るため自動車の利用の仕方を見直そうとした場合に、他の 交通手段への転換を可能にするため、中心市街地や主要な公共施設への移動を担う公共交通ネッ トワークを目指します。 (2)持続性のある効率的な公共交通ネットワークづくり ・田園地帯や山間地帯においては、日常生活に必要な最低限の生活交通を確保するため、需要に見 合う効率的・効果的な運行方式の導入により、田園地帯や山間地帯で日常生活の足となる公共交 通サービスを持続的に提供します。 (3)複数の交通手段相互の連携による質の高い公共交通ネットワークづくり ・公共交通機関の利便性を向上させるとともに、貴重な交通資源を有効に活用するため、地域内を 運行する市民輸送兼用スクールバス、市内を運行する市民バスと市内外を結ぶ高速バス・鉄道の 連携を強化し、市民の移動や市外からの来訪を支援します。 -19- 2) 公共交通ネットワーク施策 施 策 機能・役割 取り組み内容 ①主要な市街地エリ ○活発な交流がある中心市街地や主要な市街 ・既存の市民バス路線(循 アを連絡する幹線 地を連絡し、市内における日常生活及び都 バス軸の形成 市活動を支援します 環線)の維持・拡充 ○自動車を代替できる高い利便性を有します ②中心部と外縁部を ○中心市街地と周辺市街地やそこに位置する ・既存の市民バス路線(石 連絡するバス軸の 形成 高校・病院・駅を連絡します ○高齢者や若年者などの交通弱者の日常生活 越線、南方線、津山線) の維持・拡充 の利便性を向上させます ③田園・山間エリア ○田園・山間エリアと中心市街地を連絡し、 ・デマンド型の公共交通サ における公共交通 田園・山間エリアにおける日常生活の利便 サービスの提供 性を向上させます ービスの提供 ○持続的なサービスを提供するため、効率的、 効果的な運行方式を採用します ④地域内移動の足と ○各地域内の中心部と周辺部を連絡し、地域 ・既存の市民輸送兼用スク なるバス交通の確 内における日常生活を支援します ールバスの活用 保 ⑤仙台方面の高速バ ○市民の仙台方面への広域移動を支援します スの維持・拡充 ○仙台方面から観光客などの来訪者の利便性 向上させます ・高速バス事業者への維 持・拡充の要請 ・PR、利用促進などの面 で官民協働の推進 ⑥JR東北本線、気 ○市民の周辺地域への広域移動を支援します 仙沼線の維持・拡 ○県内外から観光客などの来訪者の利便性向 充 上させます ・鉄道事業者への維持・拡 充の要請 ・PR、利用促進などの面 で官民協働の推進 ⑦市の玄関口として ○市民の市外への移動や市外からの来訪に利 ・市の玄関口として相応し の鉄道駅の整備 用される市域内の鉄道駅を本市の玄関口と い鉄道駅の整備を検討 して位置づけます ⑧公共交通機関の連 ○公共交通機関相互の連携を強化し、利便性 ・中心市街地の総合バスタ 携強化 の高い体系的な公共交通ネットワークを形 ーミナルの整備(市民バ 成します ス相互、市民バスと高速 バスの乗換施設) ・高速バス、鉄道と市民バ スとの乗り換えを考慮 したダイヤの設定 ・バスターミナルや鉄道駅 の待合施設の機能充実 (ベンチ、上屋、案内表 示など) -20- 公共交通ネットワーク計画 ⑤仙台方面の高速バスの維持・拡 充 ①主要な市街地エリアを連絡す る幹線バス軸の形成 機能・ 役割 ○主要な市街地を連絡し、市内における 日常生活及び都市活動の支援 ○自動車を代替できる高い利便性 取り組 み内容 ○既存の市民バス路線(循環線)の維持・ 拡充 迫桜高校 若柳病院 石越駅 ②中心部と外縁部を連絡するバ ス軸の形成 ○中心市街地と周辺市街地やそこに位置 する高校・病院・駅を連絡 ○交通弱者の日常生活の利便性向上 取り組 み内容 ○既存の市民バス路線(石越線、南方線、 津山線)の維持・拡充 東北新幹線 くりこま高原駅 佐沼高校 佐沼病院 米山高校 よねやま病院 柳津駅 取り組 み内容 ○山間地域・田園地域における日常生活 の利便性向上 ○持続的なサービスを提供するため、効 率的、効果的な運行方式 豊里病院 陸前豊里駅 ○デマンド型の公共交通サービスの提供 ④地域内移動の足となるバス交 通の確保 機能・ 役割 ○各地域内の中心部と周辺部を連絡し、 地域内における日常生活の支援 取り組 み内容 ○既存の市民輸送兼用スクールバスの活 用 ○事業者への維持・拡充の要請 ○官民協働によるPR、利用促進 機能・ 役割 ○周辺地域への広域移動の支援 ○県内外から来訪者の利便性向上 取り組 み内容 ○事業者への維持・拡充の要請 ○官民協働によるPR、利用促進 ⑦市の玄関口としての鉄道駅の 整備 登米高校 登米診療所 機能・ 役割 取り組 み内容 米谷工業高校 米谷病院 県立循環器・呼吸器センター 瀬峰駅 ③田園・山間エリアにおける公共 交通サービスの提供 ○仙台方面への広域移動の支援 ○仙台方面からの来訪の利便性向上 ⑥JR東北本線、気仙沼線の維 持・拡充 上沼高校 機能・ 役割 機能・ 役割 -21- 機能・ 役割 ○市民の市外への移動や市外からの来訪 に利用される市域内の鉄道駅を本市の 玄関口として位置づけます 取り組 み内容 ○市の玄関口として相応しい鉄道駅の整 備の検討 ⑧公共交通機関の連携強化(鉄道 駅・高速バス停) 機能・ 役割 ○公共交通機関相互の連携の強化により 公共交通の利便性向上 取り組 み内容 ○中心市街地の総合バスターミナルの整 備 ○高速バス、鉄道と市民バスとの乗り継 ぎを考慮したダイヤの設定 ○バスターミナルや鉄道駅の待合施設の 機能充実 2-3 交通体系連携計画 交通体系連携計画 ■目指す将来像 道路利用者の視点に立った 質の高い道路サービスの実 現 トラフィック機能を高める 沿道まちづくり ■交通体系連携施策 道路利用者に対するわかり易い路上案内表示 移動前、移動中における自動車ドライバーへの情 報提供 幹線交通軸、環状軸におけるトラフィック機能を 高める道路構造の適用 自動車に過度に依存するラ イフスタイルの見直し 市民に対し、賢い自動車の使い方を考える機会の 提供 乗り継ぎ利便性の高い交通 結節点づくり 鉄道駅・高速バス停における交通結節機能の向 上 1) 目指す将来像 (1)道路利用者の視点に立った質の高い道路サービスの実現 ・安全で快適な道路環境を実現するには、道路整備だけでなく、走行や歩行を支援する各種の道路 サービスが求められます。市外からの観光客など不慣れな道路利用者でも、安全・快適に目的地 まで到達できるよう、情報の提供や休憩施設の提供など道路利用者の視点に立った質の高い道路 サービスを実現します。 (2)トラフィック機能を高める沿道まちづくり ・地区間、都市間を連絡する幹線交通軸や環状軸においては、自動車交通の円滑な通行を確保する ため、さらには、無秩序な市街化を防ぐため、道路の機能の明確化と沿道まちづくり(土地利用 規制、沿道から幹線道路への出入制限など)を一体的に行います。 (3)自動車に過度に依存するライフスタイルの見直し ・環境負荷の低減などの社会的要請や個人の健康に配慮した交通行動を選択するためには、個々人 が自らの意識やライフスタイルを見直すことが必要です。公共交通に対する取り組みや自動車利 用のデメリットの普及啓発により、自動車に過度に依存した意識やライフスタイルの見直しの促 進を目指します。 (4)乗り継ぎ利便性の高い交通結節点づくり ・公共交通機関を利用した移動を円滑にするためには、公共交通機関だけでなく公共交通機関と他 の交通手段の乗り継ぎの利便性を向上させる必要があります。鉄道駅や高速バス停においては自 転車、自動車からの乗り継ぎの際の距離などの制約条件を緩和するため、周辺の駐車場・駐輪場 や歩道の整備などにより、乗り継ぎ利便性の高い交通結節点づくりを目指します。 -22- 2) 連携施策計画 施 策 機能・役割 取り組み内容 ①道路利用者に対す ○市民や来訪者が市内をまようことなく移動できる ・分かりやすく統一された るわかり易い路上 案内表示 よう目的地まで誘導します ○デザインの統一により市の一体感を演出します ○現在地の分かる位置情報を提供します (例:住居表示に沿った地域名称等) デザインによる案内表 示の設置 ・高速道路 IC などから主 要観光地まで誘導する サインの設置 ②移動前、移動中に ○モデルルート、観光案内や移動時間の目安な ・HP作成や道の駅への情 おける自動車ドラ ど、市内での観光・レジャーを楽しむことができる 報端末の設置、冊子の発 イバーへの情報提 情報を提供します 行などによる情報提供 供 ③幹線交通軸、環状 ○トラフィック機能を高めるため、沿道土地利用規 ・幹線交通軸、環状軸にお 軸におけるトラフ 制(開発の抑制)や、施設保有者に対して沿道施 いて沿道施設からのア ィック機能を高め 設から直接出入りできない車路の設置要請など クセスコントロールの る道路構造の適用 による沿道施設からのアクセスコントロールにつ 実施 いて、必要に応じて、一体的に検討します ④市民に対し、賢い ○自動車への過度の依存による問題や公共交通 ・シンポジウム、MM(※)、 自動車の使い方を 利用方法、P&R(パーク・アンド・ライド)の PR、J 学校での TDM 教育の実 考える機会の提供 Rや高速バスのダイヤなどを周知することによ 施 り、賢い自動車の使い方を考える機会を提供し、 ・P&R の普及啓発など 自動車に依存した意識・ライフスタイルの見直し 促進を図ります ⑤鉄道駅・高速バス ○仙台方面の主要な移動手段のひとつであるJR ・駐車場~駅までの歩行動 停における交通結 東北本線のうち、駐車場や接続する市民バスが 線(歩道、上屋、街灯な 節機能の向上 存在する各駅や高速バスの主要バス停を中心 ど)の整備 に、多様なアクセス交通手段の充実による交通 ・鉄道駅・高速バス停周辺 結節機能の向上を図ります の駐車場・駐輪場の整 備、有効活用に向けた改 善(案内表示の充実、P R展開など) ・高速バスと自家用車を組 み合わせた広域移動の 交通結節点として大規 模施設の駐車場や跡地 を活用の検討 ※MM:モビリティ・マネジメントの略。過度に自動車に依存したライフスタイルから、“かしこく”クルマと公共交通を利 用するライフタイルへ、行動の変化を期待するコミュニケーションを中心とした交通政策 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