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家庭生活と仕事など他の活動との両立

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家庭生活と仕事など他の活動との両立
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家庭生活と仕事など他の活動との両立
(1) 男性の育児・介護 ∼意識と実態∼
男性が育児休業・介護休業を取得することに対する市民の意識をみると、いずれの制度も「とった方が
よい」(「積極的にとった方がよい」と「どちらかといえばとった方がよい」の合計)とする意見が7割
以上を占め、肯定的な意見が多くなっています。
市内の事業所における育児休業取得率は、女性87.0%に対し男性は1.8%と、性別によって取得率に差が
あります。介護休業取得率は、男女ともに低い水準にとどまっています。
男性の育児休業・介護休業の取組について、肯定的な意見が多いものの実際の取得には至っていないこ
とがわかります。
図表2-3-1 男性が育児休業・介護休業を取得することに対する意識(横浜市)
とった方がよい 75.5%
女性
(n=1,139)
男性
(n=757)
とった方がよい 73.1%
とった方がよい 85.0%
女性
(n=1,139)
とった方がよい 79.5%
男性
(n=757)
資料/横浜市市民局「男女共同参画に関する市民意識調査」平成17年度
図表2-3-2 育児休業取得率(横浜市)
女性
(n=308)
87.0
男性
(n=488)
資料/横浜市「男女共同参画及び子育てとの両立に関する事業所調査」平成18年度
図表2-3-3 介護休業取得率(横浜市)
女性
(n=23,920)
男性
(n=38,764)
資料/横浜市「男女共同参画及び子育てとの両立に関する事業所調査」平成18年度
22
【第2部】横浜市の男女共同参画の現状
(2) 家庭・地域活動と仕事のバランス ∼理想と現実∼
仕事との関係における家庭生活・地域活動の理想と現状についてみると、男性の理想は、「仕事を優先」
(「家庭生活・地域活動よりも仕事に専念」と「家庭生活・地域活動にも携わるが仕事を優先」の合計)
が70.8%と最も多くなっています。一方、女性の理想は、「家庭生活・地域活動を優先」(「仕事にも携
わるが家庭生活・地域活動を優先」と「仕事よりも家庭生活・地域活動に専念」の合計)が40.7%と最も多
くなっており、性別による違いがみられます。
男女ともに、現状で「家庭生活・地域活動と仕事を同じように両立」と回答した人の割合は、理想と比
較すると低くなっています。
図表2-3-4 仕事との関係における家庭生活・地域活動の位置づけの理想と現状
仕事を優先 70.8%
家庭生活・地域活動を
優先 3.9%
理想(n=1,582)
男性に
ついて
現状(n=757)
仕事を優先 21.2%
家庭生活・地域活動を優先 40.7%
理想(n=1,561)
女性に
ついて
現状(n=1,139)
注)分析の便宜上、「位置づけの理想」の設問に限り、
無回答者を基数から除外している。
資料/横浜市市民局「男女共同参画に関する市民意識調査」平成17年度
6歳未満児のいる夫の家事・育児時間の各国比較をみると、日本以外の各国での夫の家事関連時間は3時
間前後であるのに対し、日本の夫は1時間と低い水準になっています。うち育児の時間についても、日本の
夫は33分と、各国に比べて低い水準にとどまっており、日本における夫の家事・育児参加が進んでいない
状況がうかがえます。
図表2-3-5 6歳未満児のいる夫の家事・育児時間
注)1.Eur
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eofWomenandMen(”2004), Bur
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y(”2006)及び総務省「社会生活基本調査」(平成18年)より作成。
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2.日本の数値は, 「夫婦と子どもの世帯」に限定した夫の時間である。
資料/内閣府「男女共同参画白書」平成21年度
【第2部】横浜市の男女共同参画の現状
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(3) 仕事と家庭の両立に向けて
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を取りにくい理由をみると、「仕事全体の量が多いから」
(48.8%)が最も多く、以下、「その人にしかできない仕事があり、仕事が集中するから」(27.6%)、「長
時間働くことが評価される社風であり、評価や出世に影響するから」(23.8%)、「組織や個人の仕事の進
め方にむだが多いから」(21.7%)と続きます。
図表2-3-6 ワーク・ライフ・バランスを取りにくい理由(横浜市)
仕事全体の量が多いから
その人にしかできない仕事があり、
仕事が集中するから 長時間働くことが評価される社風であり、
評価や出世に影響するから 組織や個人の仕事の進め方にむだが多いから
同僚に迷惑を掛けたくないため
社員が上司や同僚の残業に
付き合う慣習があるから
上司や同僚の配慮がないから
時間をかけても高い成果をあげたいと
考える社員がいるから
その他
無回答
注)18歳∼49歳の回答
資料/横浜市「次世代育成支援に関する市民意識調査」平成20年度
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パパ・クォータ制(QUOTA=割り当て)とは、ノルウェーが1993年に世界で初めて実施し
た育児休業を男性に義務づけた制度です。同国では、公的機関での委員会等において、一方の性が
40%を下回ってはいけないというクォータ制を男女平等法で定めており、パパ・クォータ制はそ
の家庭版といえます。
ノルウェーでは、1977年から男性も育児休業を取れるようになっていましたが、実際に取得す
る人は皆無に等しく、1990年代に入っても取得率はわずか4%程度でした。それが制度導入を機
に急増し、4年後の1997年には7割を超え、2003年には9割の男性が利用するようになりました。
ノルウェーの制度は、育児休業期間のうち6週間は父親のみが取得できる期間とし、父親が取得
しなければその権利が消滅してしまうのが制度の特徴です。育児休業給付金として、出産前給料の
80%を受け取る場合は最長54週間、100%を受け取る場合は44週間の育児休業が可能となって
います。
ノルウェーの合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数に相当)は1981∼85年に平
均で1.68まで低下しましたが、2007年には1.90まで回復しています。合計特殊出生率が回復し
た要因には、パパ・クォータ制と、それに伴い父親の育児参加が進んだことがあるとされています。
同様の制度はスウェーデンでも導入されています。スウェーデンでは、両親合わせて480日の
育児休業期間のうち、父親・母親に各60日が割り当てられています(パパ・ママ・クォータ制)。
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【第2部】横浜市の男女共同参画の現状
仕事と子育ての両立のために企業に必要だと思う取組をみると、「育児休業などの制度を利用しやすい
職場の雰囲気の醸成」(52.6%)が最も多く、次いで「上司や同僚の子育てへの理解」(37.8%)、「育児
休業などの制度の充実」(33.4%)、「労働時間の短縮」(24.7%)となっています。働く場において、仕
事と子育ての両立についての環境整備が望まれていることがうかがえます。
地域や行政に望む支援としては、「保育所等の整備や、病児保育・休日保育などの充実」(56.6%)が最
も多く、次に「児童手当や出産祝い金などの経済的支援の充実」(31.2%)、「パートタイムでも育児休業
が取りやすい労働条件の向上」(29.2%)が続きます。
図表2-3-7 仕事と子育ての両立のために企業に必要な取組(横浜市)
育児休業などの制度を利用しやすい職場の雰囲気の醸成
上司や同僚の子育てへの理解
育児休業などの制度の充実
労働時間の短縮
時間ではなく成果で仕事を評価する意識の浸透
会社の制度を従業員に積極的にPR
職場での仕事の情報の共有化
その他
無回答
注)18歳∼49歳の回答
資料/横浜市「次世代育成支援に関する市民意識調査」
平成20年度
図表2-3-8 仕事と子育ての両立のために地域や行政に望む支援(横浜市)
保育所等の整備や、病時保育・休日保育などの充実
児童手当や出産祝い金などの経済的支援の充実
パートタイムでも育児休業が取りやすい労働条件の向上
地域で緊急時に子供を預ってくれるサービス
子供だけで遊べる居場所作りや、公園などの整備
企業に対する啓発活動の充実
子育てサークルなどの親の交流の機会や場の整備
家事代行サービスなどの充実
その他
無回答
注)18歳∼49歳の回答
資料/横浜市「次世代育成支援に関する市民意識調査」
平成20年度
【第2部】横浜市の男女共同参画の現状
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市内の保育所の状況は、2001(平成13)年度には施設数245、定員22,770人でしたが、施設数・定員とも
に年々増え、2009(平成21)年度には施設数420、定員36,871人と、8年間で施設数は175(71.4%)増加し、
定員も14,101人(61.9%)増加しています。
一方で、待機児童数は、2004(平成16)年度の1,190人から2006(平成18)年度には353人まで減少しまし
たが、その後急激に増え、2009(平成21)年度には1,290人となっています。
図表2-3-9 保育所施設数・定員(横浜市)
800
700
600
500
400
300
200
100
2001
(平成13)
2002
(14)
2003
(15)
2004
(16)
2005
(17)
2006
(18)
2007
(19)
2008
(20)
2009(年度)
(21) 資料/横浜市こども青少年局調べ
図表2-3-10 待機児童数(横浜市)
2001
(平成13)
2002
(14)
2003
(15)
2004
(16)
2005
(17)
2006
(18)
2007
(19)
2008
(20)
2009(年度)
(21) 資料/横浜市こども青少年局調べ
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【第2部】横浜市の男女共同参画の現状
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