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(社)日本観光振興協会
産学連携オープンセミナーin 京都
パネルディスカッション
「観光立国実現に向けて、観光産業の果たす役割とは」
コーディネーター:
前川佳一
(京都大学経営管理大学院
パネリスト:
杉本健次
(株式会社 JTB 西日本
西村明美
(柊家
南
執行役員
女将)(みやこ女将の会
隆明 (京都商工会議所常議員
卓
京都支店長)
名誉顧問)
観光産業特別委員会
(京都駅ビル開発株式会社
村山
特定准教授)
委員長)
相談役)
(株式会社ユー・エス・ジェイ・マーケティング本部
営業部
部長)
【テーマの説明】
■前川 佳一 氏
いろいろな本を参考にしながら観光産業の内訳を考えてみると、まず中心には、レクリ
エーション施設、寺社仏閣、その他エンターテイメントなど観光目的のコンテンツが 1 つ
あるのではないか。2 つ目は観光地にあって接客をしておられる宿泊業、飲食店、土産品
店、ガイドなど。3 番目は、そこへ至るまでの交通・運輸手段を提供する観光アクセス、
あるいはそれをパッケージ……
(テープ反転)
……コンテンツから外側に向かってそのように分けられるのではないか。
そういう意味で今日は、外側のアクセスからは JTB の杉本さま、観光地での接客業から
は柊家の西村女将にお越しいただいた。柊家さんの場合は当然、それ自体が観光目的の面
もある。それから、まさに観光コンテンツの中心にある USJ からは村山さま。そして南さ
まは、まず当時の国鉄に入社されてからずっと交通・運輸業に携わり、その後、旅行会社
を経て、いま京都市でコンテンツも開拓しているということで、いま述べた業態全部を担
当しておられることになる。今日はそれぞれの業態を代表する 4 名の方にお越しいただい
た。これからの質疑のテーマもそれぞれの業態を代表したお答えがいただけるのではない
かと思う。
ディスカッションのテーマは 4 つ。2012 年前半を振り返ったとき、皆さまの組織はど
ういう位置にあるのか。2 番目は、それぞれの立場でインバウンドをどのように考えてい
るのか。3 番目は、どういうツーリズム・イノベーションを考えているのか。ひょっとし
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たらこれは関西全体ということもキーワードになるかもしれない。4 番目が観光産業の役
割と期待。このテーマには、たくさんお集まりの学生の皆さんに観光業界に来てほしいと
いうメッセージを直接皆さまから投げかけていただくという思惑も含まれている。
セッション 1:2012 年までどのように観光に携わっていたか
■南 隆明 氏
この 1 年間の関西のトピックスとしては、九州新幹線の開業が一番大きい。大震災直前
の 2011 年 3 月に開業し、ちょうど 1 年たって何が起きているか。新大阪から熊本まで 3
時間。鹿児島まで 4 時間と時間が短縮され、関西から熊本、鹿児島に行かれる方が非常に
増えている。ところが、九州から大阪、京都にお見えになる方が足りない。これは関西の
方は好奇心が強く、開通した途端に九州へ行きたいという気持ちがあったからなのか、そ
れとも九州の人たちが腰が重いからなかなか関西にはお見えにならないのか。これからの
課題として、相互の交流がもっと太くなることを目指さなければいけない。
もう 1 つは外国人。私の本業である京都の駅ビルから見ているとよく分かるが、去年の
津波以来、外国の方の姿が駅前からパタッと見えなくなった。東北へ行った修学旅行の一
部が京都、関西にお見えになることはあったかもしれないが、全体的に非常に萎縮した形
で推移した。しかし、今年のゴールデンウィーク明けぐらいから駅前で外国の方がたくさ
ん見られるようになった。地図を持って探しておられるので「お助けしましょうか」と拙
い英語で話すと、大概の方が、西本願寺さんの前、七条通り辺りの安いところに行きたい
と言われる。外国人のファミリーが焼鳥屋さんに入って一生懸命メニューを見ている。
「お
助けしましょうか」と言うと「何を食べたらいいか」と聞かれる。基本的に外国の方はだ
いぶ戻っていると思う。ただ、柊家さんはどうか分からないが、裕福な方が京都に来られ
ているのはまだ半分ぐらいのレベルではないか。
京都府さん発表のグラフを見ると、この 20 年間、いろいろな努力の中で 5000 万人を達
成している。京都は「観光で非常に成功した都市」となっているが、よく見てみるとそう
ではないというのが私の見方だ。5000 万人の内訳は、3700 万人の日帰り客と 1300 万人
の宿泊客となっているが、宿泊はこの 20 年間に 1000 万人台を推移しながら 1300 万人に
なった。実態は日帰りのお客さまが極端に増えている。これはこれで努力の成果だが、三
角形の定規の延長上に京都の観光があるのだろうか。そういう疑問を抱いている。
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宿泊の 1300 万人の中には修学旅行の 100 万人が入っている。学生数の減少、それから
外国にも行くようになったことで、修学旅行はピークの 200 万人から半分になっている。
お泊まりの外国人は 100 万人。1300 万人の内訳はそういうことになる。こういうことか
ら京都の観光は非常に大きな課題を抱えている。これはまた後ほど述べたい。
■杉本 健次 氏
交通インフラの充実した関西マーケットの現状と課題について述べたい。道路も含め交
通インフラは観光の生命線であると思っている。交通インフラが充実していないと、まず
絶対的な観光ボリュームは確保できない。ボリュームがないと質は維持できない。例えば
レストランは、多くのお客さまがいないと多様性は維持できない。ボリュームによって多
様性が維持でき、結果として質につながっていく。そういう中で、交通インフラが充実し
てきた関西のマーケットは今年、どうであったのか。
JTB の関西地区での宿泊券の販売状況である。宿泊券というのは、旅館やホテルに宿泊
代、食事代として支払う、我々が取り扱ったものである。それを前年比と前々年比で出し
ている。今年上期(4~9 月)の販売額が関西系で大体 250 億。この中の 35%を京都が占
めている。2010 年比が 107%。2011 年に比べ少し落ちているかに見えるが、実は 2011
年は、震災のあった年であるにもかかわらず関西の宿泊券の販売は伸びていた。これは関
東、東北に行かれるお客さまが震災の影響で関西を中心とした西日本に振り替えられたか
らで、振替特需のようなものが起こって、昨年上期は前々年を上回る結果になった。それ
に比べ、去年伸びた反動で今年は落ちているが、それでも 98.9%と堅調に推移した。やは
り交通インフラの充実が地域の観光の売り上げに大きく寄与すると考えている。
また、2012 年度 4~8 月の関空からの出国者数を見ると、関空から出る飛行機の供給座
席数は前年の 106.9%と伸びている。その結果として関空からの出国者数が 111.6%の伸び。
ここでも交通インフラの充実が観光客の増加につながることが証明されている。
この数字にはいろいろ特徴がある。例えば京都は前年が 103.3%、109.5%とあるが、宿
泊では実は首都圏からのお客さまの構成比が高く、約 6 割を占める。奈良が落ちているよ
うに見えるのは、2009 年に平城遷都 1300 年という大きなイベントがあった関係である。
滋賀が 2011 年に 86.5%と落ちているのは、去年、NHK 大河ドラマのお江の関係で非常に
伸びたからである。ただ、奈良や滋賀の落ち込みはあっても、関西圏として去年は 107%
の伸び。その伸びたものに対して今年は 98.9%。ということは、関西圏の観光は比較的堅
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調に推移しているのではないか。
■西村 明美 氏
私には京都における旅館の果たす役割と、続いてきた秘訣という課題をいただいたが、
旅館に対する象徴的な言葉を紹介したい。海洋学者のジャック・マイヨールは日本の旅館
について、
「あらゆる美の要素が互いに寄り合い、混じり合う美しい日本。その旅館は、日
本の精神、人々、歴史のすべてを映し出す、象徴とする空間である」と紹介している。ま
た、昭和 13 年に京都市から出された『旅館サービス読本』では、
「旅館というのはそこの
土地で最も長い時間をお客さまが過ごされるというわけで、宿泊舎の従業員一挙手一投足
が市民全般の挙止となって反映する。観光者接遇の大先達、責任は重い」と書いていただ
いている。旅館というのは、その土地の観光にとっていかに大事な役割を担っているかだ
と思う。
旅館は長い時間を過ごされることから五感で感じていただく空間である。私もいろいろ
お話ししてくださいと言われるが、それならうちに来てくださいとよく申し上げている。
言葉ではなかなか難しい。お食事をして、寝て、その空間の中で過ごしていただいて初め
て旅館というものを分かっていただける。そこで少し映像をご覧いただきたい。
麸屋町に少し入ったところが正面玄関で、玄関先の横が御池通になる。大きい通りで、
黒塀はよく皆さんお目にかかると思う。
玄関を入ったところに「来者如帰(我が家に帰られたようにくつろいでいただけますよ
うに)」とある。三代目からこれを私どものもてなしの理念としている。中国の問題がいろ
いろ出ているが、中国の方はこれを見て、
「この言葉はよく知っている。中国では『賓客を
迎えるに当たっては我が家に帰ったようなくつろぎでもてなす』が一般的によく知られて
いる言葉だ」と言われる。最近よくお迎えするようになった中国の方からそういう言葉を
教えていただいた。しかし、賓客を迎えるに当たってくつろぎでもてなすというのは実は
本当に難しく、いろいろな手順を踏まないとそういう空間は出来上がらない。京都が育ん
できた土壌があり、いま私どもは評価をいただいている。
旅館は大きくは布施屋が起源になっている。祇園祭に粽(「蘇民将来子孫也」)をかける
のは、旅人・スサノオノミコトを温かくもてなした証しとして疫病から逃れられるという
意味がある。
「布施」は仏教の教えで、財がなくても人にできる布施の心は、優しい眼差し、
言葉、柔和な笑顔であるとし、その中の最後に、困っている人に宿として提供するという
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ことが書いてある。
日本の文化は自然とともにあり、その自然から学ぶことが非常に多い。自然というのは
何ひとつ同じものはない。姿・形が違う。それぞれに美しく、そして長い時間をかけて育
む。そういうところが日本の精神文化のもとになっているのではないか。その中に旅館が
ある。ホテルと違う一番大事なところは、人がキーワードになっていること。人で心から
のもてなしをする。人がもてなすことによってくつろいでいただくということである。
私どもは 200 年近くの歴史の中でいろいろな時代の変遷があって今につないでおり、結
果的に各時代のお部屋がいろいろできている。
ここは川端康成さんがよくお泊まりになったと紹介している、江戸時代の部屋である。
明治年間のお部屋。江戸時代の部屋よりも天井が多少高くなっている。襖絵も最近また
周りの漆絵などもやり、新しく表具し直して使っている。
夏の季節の座敷。几帳も全部紗の生地になり、涼しげな網代、簾に全部変えてある。
今はお休みしているが、これは長和年間のお部屋になる。
お客さまはよくお庭を期待される。ただ、日本というのは「互いに?活写」というとこ
ろから、実はお花を生けたりするのも、玄関先から廊下、お部屋とそれぞれ違うお花をし
つらえ、季節を感じていただくようにしている。そして、緑の庭はできるだけ生かし合う
空間として花を生け込む。日本のお庭に花が多くないのも、それが 1 つの理由になってい
る。
くつろぎの中の 1 つであるお風呂にも、歴史的には 1 つひとつ違う文化と新しいものを
取り入れてきている。これは京都の風景画でつくり上げたステンドグラス。これは江戸末
期の小川三知さんの作品。右のほうは実は新しい作品で、柊の葉と左右に三条大橋を入れ
た、ここでしかない作品を入れているお風呂である。
お食事は季節でそれぞれ違う器、違う食材で提供させていただいている。先ほど、辛気
臭い、懐石は要らないと言われたが(笑)、次々出てくる料理を係が説明しながら、同じ時
間、空間を共有する。食材というのはまず器で生かされ、それを提供する人によっても生
かされる。また大きくはお部屋の中で召し上がる。もっと言えば、観光に出て京都の時間
を過ごされ、戻ってきた中で食されることで初めて和食が生きてくる。柊家の由来は比良
木神社からいただいている。ここに少し柊の柄も見えるが、全部それぞれ違う柄になって
いる。
6 年前に建てた新館は、木造が建てられないこと、建築技術がいろいろ進化したことか
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ら、三方ガラス張りの柱なしの空間が出来上がっている。しかし、緑の植栽は京都の景色
を映したもので、一体感のある広間になっている。それぞれのお部屋には、ほかにない空
間ということで、螺鈿の代わりに光る玉虫を入れたものとか、伝統の職人さんの作品で新
しい試みをしている。2 階に空間が張り出しているのは、実は角に植えた桜の観桜台にな
っている。
周りの景色が変わっていく中でお庭が期待できないところは、実は後ろに植えられた柊
の間から和紙を通して太陽の光が入ってくるという、新しい空間になっている。それと蔀
(しとみ)戸がある。
これも新しい試みで、障子に伝統的な瓦屋根をデザインしている。ベッドのお部屋も和
の温もりを感じていただくよう、壁から天井まで全部、手漉きの和紙張りにしてある。
新館の遠景である。一挙手一投足を反映するところに京都の旅館の責任があるというこ
とだが、実は逆ではないかと思う現象がこの後ろに見ていただけるのではないか。ビルが
いろいろある中で私たちは、次の世代に京都をつなげていくにはどういう新館を建てたら
いいかということで、変わったデザインではあるが、実はその思いを新館に表している。
右半分が瓦屋根で、伝統的な瓦をつなげている。下はだんだんと金属屋根で始まり、最後
は未来につなぐ金属で終わっている。
私どもが評価をいただいているのは、やはり京都にあるからということと、この何年か
をつなげてきた温故知新、伝統に新しさを加えていったからだと思う。伝統産業が衰退し
ていると言われているが、新しいものをやるということをやめて、本当に古いものだけを
守ろうとしたときに衰退していく。いま京都で元気な企業は、それぞれに新しい試みをし
ている。それが今につなげてきている。人がキーワードで、その中で育まれた文化を次の
世代につなげていくのが旅館だと思っている。
■村山 卓 氏
昨年はユニバーサル・スタジオ・ジャパンが 10 周年を迎えた。テーマパーク業界で 1
つ言われているのが「周年の呪い」
(笑)。TDR さんもそうだが、周年の翌年は苦戦すると
言われている。我々はオープンから記録的な集客ができたが、次の年には非常に悩んだ。
そのときに我々が紹介したのがユニバーサル・ワンダーランドである。テーマパークとい
うビジネスを日本で成功させる上で一番大切なのは、ファミリー層のリピーターを確実に
取ること。2004 年からユニバーサル・スタジオ・ジャパンはブランドのポジショニングを
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変えている。2004 年まではハリウッドのエキサイトメントとか、激しいアクションを前面
に出していた。2004 年からはファミリーにシフトしたマーケティング戦略をとっていくが、
その 1 つの集大成となるのがユニバーサル・ワンダーランドで、実際に「周年の呪い」を
どうにかはねのけ、この夏も昨年より 2 桁パーセントの伸びを示している。
国内で言うと、昨年との大きな違いは教育旅行になる。いま教育旅行は 2010 年度とほ
ぼ同じ数字だが、11 年度と比べると大きく落としている。それはすべて東海エリアである。
通常は関東に修学旅行に行く東海エリアの学校が震災のときに関西に来たからだが、そこ
が全く戻ってこなかったという1つの課題がある。これは関西の課題かもしれない。修学
旅行を関西に連れてくるには USJ1 社ではどうしようもない。これはインバウンドにも関
わってくる課題だと思うが、関西面として一緒にマーケティング活動、営業活動をしてい
かなければいけないのではないか。ここで関西の面としての活動が必要になってくる。
一方、海外に関しては、今年は特に台湾の伸びが非常に大きく、台湾のお客さまの四十
数パーセントが USJ に来るという数字が出ている。台湾はこの夏、飛行機の便数が大きく
増えた。去年の夏と今年の夏の台湾の便数を比べると、席数が約 60%増えている。それに
よって台湾の集客が大きく伸びたと考えている。
以上が USJ から見た今年上半期の観光ビジネスの変移である。
セッション 2:インバウンドをどうするか
■村山 卓 氏
いま関西の 40 社ぐらいの企業が大阪に集まり、
「ビジット・ジャパン・プラス大阪」と
いう、インバウンドをいろいろ話し合う勉強会を開いている。この「インバウンド旅行者
の特性」はそこで使った資料になる。私は日本の観光には戦略がないと言っている。例え
ば「ビジット・ジャパン・プラス」の地域連携事業というのがある。企業と自治体とが連
携しながら海外のプロモーションを行うというもので、観光庁と、関西だと近畿運輸局が
主管となって毎年やっている。私が言う戦略がないというのは、各国の特徴や訪日の成熟
度合いをよく理解してプロモーションをやっていかなければいけないということだ。こう
いった表で実際に見てみると、実は各国ごとにいろいろ特徴がある。
1 枚目の表は、縦軸が日本の滞在泊数、横軸が観光入国者の比率。観光者の比率がビジ
ネスの比率よりも高くなれば高くなるほど、日本での滞在泊数がどんどん短くなってくる
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ことが見てとれる。インドネシアは最近変わってきているが、中国、インドネシアなど訪
日の成熟度合いがまだ低く、これから訪日が伸びるという国に関しては、滞在日数は意外
と長い。そういう見方によって各国の特徴がまず 1 つ分かる。
先ほどから述べている数字はすべて観光庁や JNTO がウェブサイトに出しているもの
である。
この表は 2 つ目の切り口で、縦軸が関西の訪問率、横軸が関西の宿泊率になる。訪問率
と宿泊率の比率が良ければ良いほど関西の滞在が伸びることになるが、台湾、韓国、香港
は関西の訪問率と宿泊率とがとてもバランス良くできている。つまり、関西滞在型の商品
を買っているお客さまが多い。問題は中国で、関西への訪問率は非常に高い。もし、この
訪問率で宿泊率を出したら本当はかなり右上にくるべきだが、実際はそうでもない。とい
うことは、訪問率は高いが宿泊はあまり行われていない。または、かなり短い日にちしか
宿泊していないことになる。これがいま問題の、ゴールデンルートという商品による弊害
である。勝手に私が名付けたウィニングゾーンというのがある。このゾーンに多くの国を
寄せてくると、関西の宿泊と関西の訪問とのバランスが良くなり、消費額も高くなる。
訪日リピーター比率と FIT(Foreign Individual Travelers:海外からの個人客)の比率
がどうなってきているか、2007 年と 2010 年で見てみると、マレーシアも一部そうだが、
タイ、韓国は、訪日のリピーター率が高まるにつれて FIT の比率がどんどん上がってきて
いる。一方、中国は訪日のリピーター率が上がろうとしているが、次から次へと新しい団
体客が出てきていることから FIT の比率が上がっていかない。
これは縦軸がエリアの訪問率、横軸が観光による訪日の回数。リピートの回数が増えて
いっても、関東に行く人の率にはあまり差がない。一方、関西は訪日の回数が増えていけ
ばいくほど、実はエリアの訪問率が下っていく。恐らくここに 1 つ、関西の観光の問題が
あるのではないか。先ほど述べたように、訪問比率が上がれば上がるほど個人客が増えて
くるという事実がある。その後、訪日回数が増えれば増えるほど関西は、エリアの訪問率
をどんどん落としていく。要するに FIT が取れていない。関東と同じような理想的なライ
ンをどうつくっていくかが関西の課題になる。
訪日の人が事前に期待しているものが回数によってどう変わっていくかというと、訪日
が進むにつれ、実際は歴史、伝統、都市景観、日本文化への期待が低下していく傾向にあ
る。訪日のリピートが上がっていけばいくほど、食事、ショッピング、温泉、テーマパー
ク、動物園、水族館への期待の低下はあまり見られない。私がテーマパークで働いている
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ことでわざと言っているわけではないが、実際の数字としてそういう特徴が出ている。
「ビジット・ジャパン・プラス大阪」で企業の皆さんと話したことだが、国によってグ
ループ分けし、それによってプロモーションの仕方を変えていったほうがいい。例えば第
1 グループの中国であれば関西に滞在させなければいけない。一方、第 4 グループの香港
や韓国は個人客が増えていることから、より個人に関西の細かい良さを伝えていかないと
いけない。いま関西の各自治体や企業の実際のプロモーションを見てみると、それらが一
緒くたになって同じようなプロモーションをやっているのが 1 つの課題である。それが私
が言う戦略で、もう少しカテゴリー分けした戦略をしたほうがいいのではないか。
■前川 佳一 氏
先ほどの学生の発表で言うと、エリアで言えば中国は不知の旅行者で、香港、韓国は熟
知のリピーター。そういうカテゴリーに通じるところがあるということか。
■村山 卓 氏
簡単に言うとそうだ。
■杉本 健次 氏
いま中国と韓国とはいろいろ争いができているが、やはり交流の活発化が人の争いを防
ぐ。今こそインバウンドをどんどん増やし、中国、韓国との交流を活発化していくことだ
と思う。
「コンテンツの魅力を生かすためのストーリー」を入れているが、では関西にコン
テンツはないのかというと、十分すぎるほどある。例えば国宝の建造物の 73%、彫刻に至
っては 95%が関西にある。世界遺産の数では、実は 3 分の 1 が関西に集中している。柊家
さん、USJ さんといった魅力的なコンテンツが関西には山盛りである。
もう 1 つ、コンテンツとして京都市を考えていったときに、京都市の中に 38 の大学が
あり、京都市の人口 150 万人のうち 15 万人が大学生である。人口の 10%が大学生という
街はほかにない。その学生の雰囲気、そこから生み出される文化、流行といったものも、
京都を含めた関西にはある。関西は本当にコンテンツの宝庫と言える。しかし、バラバラ
なコンテンツだけでいろいろなところに伝えていっても、お客さんは来ない。コンテンツ
の魅力を生かすためのストーリーが必要になってくる。単なる物見遊山の旅ではなく、そ
こに行けばどう過ごせるか、どのような楽しみがあるのか、こういうものをきっちり伝え
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ていかないとお客さまは来ないと思う。
いま JTB が展開している武井咲さんのハワイの CM は大変評判が良く、我が社のハワ
イの売り上げも大きく伸びている。普通、旅行会社の宣伝というと、どのホテルに泊まる
か、どういう食事が付いているか、費用は幾らか、商品の中身を説明していた。しかし、
今回の宣伝は、ハワイに行ったらこういう会話ができます、こういうコミュニケーション
ができますという、家族 3 人の人たちの会話と笑顔だけで構成されている。そういうもの
が受け入れられている今の時代では、そういうストーリーづくりが必要だと思う。例えば
関西に来るときに、柊家さんと USJ さんを組み合わせたらどうか。全く対極にあるような
2 つのコンテンツだが、あるストーリーをつくれば、お客さまにとっては大変魅力的なツ
アーになるかもしれない。もしかしたらそういうストーリーは、我々ではなく、今日たく
さん来られている学生さんたちの中から生まれてくるのではないか。
村山さんの戦略がないという話に通じるところだが、例えば海外のお客さまは京都だけ
で来るのか、大阪だけで来るのか、兵庫だけで来るのか、高野山だけで来るのか。そうい
うことはない。いろいろな組み合わせが必要で、それもストーリーが必要だろう。いま 1
つの府や県の販売促進やプロモーションがいろいろ行われているが、関西、または全国で
見ていったときにどういう組み合わせがいいのか、それをきっちりつくってアピールして
いくことである。5000 万人が訪れる観光都市・京都をキラーコンテンツとして生かしたよ
うな、関西であり全国のインバウンドのストーリーづくり、仕掛けづくりが必要だと思う。
■南 隆明 氏
京都は「国際観光都市」をスローガンに掲げている。確かに 794 年から 1000 年間、京
都に都があった。ヨーロッパの国は、イギリスもフランスも王朝はみんな 100 年単位で代
わっている。天皇制を王朝と言うと天皇制の方からしかられるが、世界中に 1 つの王朝が
1000 年間続いているところはない。そこで熟成された文化、伝統、所作、いろいろな行事
が京都には今も堆積している。それを京都の方は誇りに思っている。それはまさしく国粋
主義、国の宝を大事にするということだ。別に右翼という意味ではない。
「広辞苑」にも国
粋主義を右翼とは書いていない。自分たちの持っている文化や行事や伝統を大切にする。
そういう意味の国粋主義である。
東京や大阪はもともと国際都市、コスモポリタンである。高田馬場に行っても大阪の鶴
橋へ行っても訳の分からない言葉が多い。京都の場合は純粋の日本の文化を持ってきたと
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いう自負と誇りを持っている。京都の場合、1300 万人の中で外国の宿泊客は 100 万人し
か来ていない。この方々はほとんどがヨーロッパ系。だから、国粋主義が行き過ぎること
で、心の中で排他主義につながっていないか。ちょうど明治維新のときに開国か鎖国かを
言っていたのと同じようなことが、京都の場合に心の中にないだろうか。
中国、タイ、カンボジア、ミャンマーも含め、これからアジアが経済的に台頭してくる。
その方たちが必ず日本にやってくる。そのときに京都は、本当にその人たちを迎え入れる
ような気持ちになれるかどうか。それが一番大きなポイントではないか。白人だけは何と
なく受け入れるという今のままでもやっていけると思うが、その場合に京都は、相対的に
だんだんと遅れたポジションになっていくだろう。
いま中国の方たちは、KIX(関空)から入って道頓堀のネオンサインやかに道楽のカニ
に驚き、新幹線に乗って東京へ行く。秋葉原では炊飯器、粉ミルク、化粧品を買って帰る
という買い物ツアーである。私たちが 40 年前にロンドンとパリへ 1 週間で行き、ネクタ
イ 10 本とかウイスキーとかを買ってきた。同じことをいま中国の方たちがやっている。
その方たちがいま京都に来てどうかと言えば、たぶんノーだろう。しかし、だんだん成熟
してくれば、日本人だってフランスのプロヴァンスに行くようになったのと同じように、
アジアからのお客さまも京都に来て京都の文化を体験することになってくると思う。
それまでの間に私たちは、京都の中にたまっている排他主義というものを払拭していか
なければいけない。国際観光都市として資源も多いし、文化的な見るものもある。体験す
ることも多い。ただその売り方として、杉本さんが言われたように、それだけでいけるか
という課題はまた 1 つあると思う。
■西村 明美 氏
時代がどんどん変わって大量生産の世の中で、いま何が大事か気が付いていないことが
ある。一番大事なのは目に見えないものである。サービス自体もそうだし、心というのも
目に見えない。その目に見えないものを美しい形にして積み重ねたのが京都の誇るべき文
化であり、京都が大事にすべきことだと思っている。しかし、それは分かりにくい。どう
やってお客さまを呼んでくるのがいいのか。それには来られたお客さまが本当に満足し、
また来たいと思っていただく。それが何よりの処方だと思う。
あとは、来られていない方にそれをどう伝えるか。見えないものについてどういう魅力
的な伝え方をするのか。これは実は本当に難しい。今はインターネットの時代なのでホー
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ムページの制作を頼むと、若い制作会社の人は全部横文字で書いてこられる。これは違う。
それだったら世界共通の横文字でやればいい。私はわざわざ英文のところに「おもてなし」
という仮名文字を入れてもらい、
「日本の文字はこんなにきれいなのか」と感じていただく
ようにしている。そういう見せ方の工夫、日本人の感性として蓄積したことをいろいろ工
夫してやっていかないといけない。
時代がどんどん変わっていく中でゆったりした対応ではいけない。これからはいろいろ
な情報をたくさん得て早く変わって、どういう形を見せていくかということも重要だが、
その見せ方もあると思う。例えば和菓子にはストーリーがあるが、それを全部形として見
せないで、ほんのりと感じさせる。もっと想像をかきたてるようなことでものづくりをし
ておられる。感性をもって今まできた日本の文化をもっと大事にしたい。
情報がどんどん変わっていく中で世界の賓客を迎えるに当たり、私たちは世界の柊家と
して評価していただくことを経営の理念に入れている。それがいろいろ経営に結び付いて
きた。海外にはいろいろな国民性があるので、その国々に合った対応をしていく。迎え入
れたときにはくつろぎをもってもてなすというのは本当に対応が難しいが、1 人ひとりと
メールのやりとりをしたり、そういうことを細かくして、また来たいと思っていただくよ
うにしている。
また来たいと思っていただく例として、1930 年代にチャップリンさんが来られたとき、
帰られてから人を介して印象を伺ったことがある。
「ヨーロッパのホテルでは、言ったこと
をきちっとしてもらうのがサービスだ。よくかゆいところに手が届くサービスと言われる
が、柊家に泊まったときには、ふっと手を添えられたところが、気が付いたらかゆかった。
そのように先々の気持ちを察して、いろいろともてなしをされた」。そういう表現をしてい
ただいた。その結果、いまお孫さんなどにもお泊まりいただいている。
つい先日、ずっと昔、ルイ・ヴィトンのトランクに貼ってあった世界のラベルが出たと
いってお客さまが持ってきてくださった中に、柊家のラベルがあった。私もそのラベルは
見たことがあったが、一体何に使うのかと思っていた。今は荷物のタグだが、船の時代は
何日もかかって来るので大きいトランクが必要で、旅の思い出としていろいろなホテルの
ラベルが貼られていた。柊家のラベルを見たら、「TOKYO KYOTO HIIRAGIYA」と書い
た横にもう 1 つ「柊家旅館」と縦文字で書いて、京都らしい景色が入れてあった。その後、
何人かのヴィトンの関係のお客さまにも泊まっていただいたりしている。
五感で感じ、そこでしかないものを体験するというのが旅の一番大切なことだと思う。
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新しく変わる世の中に、何を大事にして対応していくか。そこの視点をきちっと持った、
それぞれのやり方があると思う。柊家は京の宿として、そういう視点を大事にしている。
■前川 佳一 氏
インバウンドでは一絡げの戦略があるわけではなく、皆さん個々にお客さまの顔を見た
対応をされている。それが今日の 1 つの共通点ではないか。
セッション 3:ツーリズム・イノベーション
セッション 4:観光産業の果たす役割/学生へのメッセージ
■南 隆明 氏
私どもの観光産業特別委員会に、京都商工会議所の代議員 150 人の中の 50 名が所属さ
れている。旅館。お菓子屋さん。お漬け物屋さん。陶器屋さん。職業はさまざまである。
ところが、観光業という業種の人は、京都はどこを探しても 1 人もいない。観光とは一体
何なのか。中国には国王が国の光を見せてやれと言ったという感じの言葉がある。だから、
「観光」はあまりいい言葉ではないのではないか。もっと人が交流するというような表現
のほうがいい。タバコの煙のような感じで、見えてはいるが、つかもうと思うとつかめな
い。主たるピッチャーもいない。私は輸送業。柊家さんは旅館業。みんな違う。観光業は
ないが、何となく観光というものは存在する。観光産業となったら、観光業というのは一
体どういう条件を備えていなければいけないのか。それをずっと自問自答している。私な
りに考えていることはあるが、今まで誰に聞いても分からない。観光業とはそういう業界
だ。
京都に来る人の 8 割が 5 回以上来ておられるのに、宿泊は 1000 万人しかいない。もう
かる観光というのはあり得ないのか。宿泊をどうしたら増やせるのか。それを長期滞在型
と言うのかどうか分からないが、どういうタイプの旅館なりホテルなりをそろえてお迎え
すればいいのか。そういう姿をどう描くのか。
それから、このごろ使っている MICE。シンガポールに行くと、1 万人収容できる戦艦
大和のような集会場が 4 セットある。日本は最大でも有楽町の国際フォーラムが 5000 名、
パシフィコ横浜でも 5000 名。これでは大きな世界的コンベンションはできない。京都で
は宝ヶ池の国際会議場がたかだか 1800 名。京都はコンベンションができない都市になり
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(社)日本観光振興協会
産学連携オープンセミナーin 京都
つつあることを理解しなければいけない。各都市にお昼の演芸ができる程度の 1000 名単
位の市民ホールをつくったことも、基本的に大きなコンベンションができない要因になっ
てしまった。今から日本で 1 万名のコンベンションホールをつくるといっても、20 年の時
間差があるからとても太刀打ちできない。日本は MICE という形で、中規模以上のものを
展開していかなければいけないだろう。
もう 1 つはアジアからの受け入れ。心のわだかまりもなくどう積極的にやっていけるの
か。これが大きなテーマになると思う。
今年、来年の短期のキャンペーンとは別に、観光を通じて地域の経済をどう形成するの
かというプロセスが、日本では全く欠落したまま来たのではないか。これから 10 年、20
年、30 年とかけてどのように持っていきたいのか。その中で観光をどう位置付けるのか。
そういう共通の意識をつくる場にぜひとも学生の皆さんに参画していただきたい。ただ、
観光業という業はないから、どこへ勤めてそういう人材になっていくのか。それには、宿
泊業から入る、輸送業から入る、旅行エージェントから入る。いろいろな入り口があると
思うが、そこを突き抜けたところに観光全体を見渡すような知見を備え、観光を考える。
そして、観光が産業として成り立つような条件を模索していく人材になってほしい。観光
産業というのは未開の分野で先達は全然いない。ぜひ入っていただきたいと思っている。
■前川 佳一 氏
もちろん自然に突き抜けるわけではなく、学生の皆さんが仕事をやり切って突き抜けて
いく。そういうメッセージだと思う。
■杉本 健次 氏
旅というのは、文化の力、交流の力、経済の力、健康の力、教育の力、大きな力を備え
ている。旅は人や文化、価値を創出するツールである。観光業というか、旅行業に絞って
言うと、旅行業に求められるのは、そのツールを生かしてビジネスやその需要をつくり出
していくことである。無限の可能性を秘めた産業である。旅行業を志望される方に求めら
れる資質は 3 つだけでいい。コミュニケーション力、ホスピタリー精神、創造力。この 3
つに自信のある方であれば旅行業の中で十分やっていける。1 人でも多くの方が旅行業界
を志望されるよう希望する。
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産学連携オープンセミナーin 京都
■西村 明美 氏
『旅館女中読本』が面白く、時々紹介している。「期せずして社会奉仕となる」「縁なく
して高貴の人を知る」
「居ながらにして流行を知る」
「家にいて各地の風俗を知る」
「居なが
らに旅行の情趣を知る」
「自然と社交と接客に長ける」
「学ばずして行儀作法を知る」
「心配
なく生活の安定を得る」「願わずして美衣・美食を得る」「礼を言われて御祝儀をもらう」。
こういう女中さんの十徳が挙げられている。観光業は人間力だと思う。京都には観光要素
として都市を構成するいろいろなコンテンツがあり、それぞれが観光になり得る。そのキ
ーワードが「人」である。
新館を建てるときは、未来に向かって次の世代にという思いで若い建築家に設計してい
ただいた。しかし、それを形にするまでには、旧館を直してもらったり、コミュニケーシ
ョンを何回も図ったり、何年か一緒にやってきてあの形が出来上がった。京都には特に大
学の方がいらっしゃる。今日も観光関係の方のいろいろな発表を聞くと、これから観光を
担う方の新しいアイデアが必要になってくると思う。
もう 1 つ、お年寄りの意見や知恵も一緒に入れていただき、方向性を間違わないような
新しい観光を企画していければと思っている。
■村山 卓 氏
ツーリズム業界で仕事をしていてよく海外出張をするが、例えばこの間、震災があった
ときは、海外の旅行会社の人から「頑張ってくれ」という多くのファクスや E メールをも
らった。海外出張などを通して、同じくツーリズム業界にいる海外の人たちと人としての
交流ができる。そういうところが個人的には非常にうれしい。
いま関西にも観光に関するいろいろな組織やグループがある。そういうところで議論す
るときによく私が感じるのは、もう少しマーケティングの知識がないといけないというこ
とだ。後藤先生も言われていたように、これからはエリアごとの競争が激化していく。北
海道や沖縄はもちろんだし、ソウルや上海も関西のライバルになる。いかにして関西を知
ってもらうか。いかにして関西を好きになってもらうか。そして、いかにして関西の商品
を買ってもらうか。この 3 つをやるために、ぜひともいろいろなデータの読み方、調査の
仕方などのマーケティング学を学び、日本の観光を次のフェーズに持っていっていただき
たいと思っている。
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産学連携オープンセミナーin 京都
総括:コーディネーターのまとめ
■前川 佳一 氏
いま多くの条件が出たので、ハードルの高い業界だと思った学生もいるかもしれないが、
そうではない。観光に興味があり、突き抜けてやろうという意欲があれば、あとは何とか
なる。門戸も広く、入っていったら育ててもいただけるのではないか。切磋琢磨しながら、
特に関西の観光業をぜひとも皆さんで盛り上げていただければと思う。
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