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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
表1_表4
中国商務情報通信
フロンティア・アイズ・チャイナ
12
VOL.
FRONTIER±EYES CHINA
中 国 人 の 消 費 は「 モ ノ」か ら「コト」へ 拡 大
http://www.frontier-mgmt.com
Frontier Management (Shanghai) Inc. ディレクター
小野 明子
商業都市上海はアートの街でもあります。年間を通じて入場無料の個展から公共
の美術館特設展まで選択肢は豊富です。
先日、「ダリ展」を観に行きましたが、当日券は 160 元(約 3,200 円)とかなり
の高額でした。ギャラリーが会場で、作品数は美術館の半数程度しかなく、京都市
美術館のマグリット展が当日券 1,600 円だったことから考えると日本の相場の 4 倍
の価格感ですが、アプリとの提携による PR、値引き戦略もあり、満員御礼でした。
他日、高級商業施設の特設展「ONE 一個展」を観ました。作家で映画監督でも
ある有名人がプロデュースした文芸閲覧アプリの記念アート展で、出品者は無名且
つ若手アーティスト、入場料は 1 元(約 20 円)、漢字を使った体験型アートコーナー
やカフェも併設され、会場は若者であふれていました。
消費力が向上した中国では、「爆買い」現象が日本でも有名ですが、消費対象は次
第に「モノ」から「コト」へと拡大しつつあります。来年開園予定のディズニーラ
ンドの他に、ユニバーサルスタジオやレゴランドが進出を決めています。レジャー
消費に物販や外食消費が刺激され、中国は益々魅力的な消費市場となることでしょ
う。IT との連動によるマーケティング、価格戦略が日本以上に進んでいる中国。日
本企業は積極的に中国マーケット戦略を再構築することで、日本やその他マーケッ
トに転用できる示唆が多く得られるものと思われます。
©FRONTIER MANAGEMENT INC. 2015, AII rights reserved. Printed in Japan.
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.10.5
FEch1512A
2015-12 vol.01-151211
出力ファイル名:FEChina_v12_p01-p02_151216_ol.ai
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
p01_p02
フロンティア・マネジメントのチャイナビジネス
中国・アジア地域における日系企業のあり方を考える
「中国悲観論」
・
「アセアン有望論」
を超えた戦略の策定が重要に
前号のトピックスで、中国の経済・社会の変化に伴い、日系企業の中国ビジネスのあり方が大きく変わる可能性がある
ことを指摘しました。中国におけるビジネスのあり方が変わるということは、中国だけでなくアセアン等のアジア地域、
さらには日本での経営にも大きな影響を及ぼすと思われます。本号では、政府系機関が実施した日系企業の海外進出
に関するアンケート調査等をもとに、日系企業の今後の中国・アジアビジネスのあり方について考えたいと思います。
中国・アジア地域における日系企業のあり方を考える ∼「中国悲観論」
・
「アセアン有望論」を超えた戦略の策定が重要に∼
識を示しており、中国からアセアンへの移管が単純に進む
とは考えられません。
A
国内および海外拠点の主な移管パターン
出所:日本貿易振興機構(JETRO)
『2014年度日本企業の海外事業展開に関する
アンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要』
(2015年3月11日付公表)
図表 が示すように「中国→アセアン」
シフトだけでなく、
(複数回答、%)
「中国→日本」への回帰シフトも増加しています。このよう
な状況下では、おそらく中国からの一方的なシフトだけで
なく、アセアンや韓国・台湾、さらにはインドなどアジア地
域と日本を「面」でとらえるバランスの取れた海外拠点再
編が不可欠となるでしょう。
また、中国を一括りにできないように、アジア地域にも多
様性が存在し、一括りにすることはできません。図表 で
は、アジア各国・地域の2013年と2020年の人口・一人当た
2006 年度 2010 年度 2013 年度 2014 年度
日本から中国への移管
37.4
22.0
15.3
12.0
日本からASEANへの移管
19.8
19.0
24.2
22.7
中国からASEANへの移管
4.5
8.2
13.7
16.2
ASEANから中国への移管
2.5
3.4
0.3
0.4
中国から日本への移管
0.4
1.3
4.7
4.6
ASEANから日本への移管
0.8
0.4
1.8
1.1
※:本調査はJETROの会員企業・JETROのサービスの利用企業合計9,183社に調査を実施
。有効回答数は2,995社で、本図表に関する2014年度の回答数は798.
どのアセアン地域を有望先として挙げる企業も多く、アセ
りGDPを示していますが、今後も成長市場として見込まれ
アン諸国の存在感が増していると思われます。このことは、
る地域や、製造拠点として有望な地域等、それぞれが特色
中国の経済成長の減速が鮮明になる中で、中国からの
これまでアジアにおいて関心・重要性が高く「絶対的な存
を持っており、日系企業にはそれらを適度に「使い分ける」
の実施においても、各地の法規制や産業動向、さらには現
外資系企業の撤退などの報道が目立つようになりました。
在」であった中国が、アセアンやインドなどの地域と比較
戦略が必要になります。
地の各財閥の特色など調査・検討を必要とする要素が大
本稿ではまず、日系企業が現状、中国拠点をどのように活
可能な「相対的な存在」になったことを示しています。
すなわち、各国・地域の市場特性、産業集積度合い、外
変多いのが実情です。
用しているかという点について見ていきたいと思います。
このような姿は、アジアにおける拠点の再編に表れてい
資規制、インフラ整備状況、コスト(人件費・不動産・工業
今後のアジア地域戦略に求められるのは、
「中国悲観論」
国際協力銀行(JBIC)がこのほど公表したアンケート
ます。日本貿易振興機構(JETRO)の実施したアンケート
団地・光熱費等)
、日系・外資系企業の進出状況などの諸
でも「アセアン有望論」のいずれでもありません。各国・地域
「中国での事業展開の内容」との質問において、
調査 1では、
調査 2では、日本から中国に拠点を移管する企業の比率が
条件を総合的に判断し、アジア戦略を再考することが求め
の現状を冷静に分析し、自社の最適解を追求する姿勢であ
半数以上(51.1%:回答数448社)の日系製造業が、中国
減少していることに対し、日本からアセアン、中国からア
られると思います。また、進出だけでなく、現地でのM&A
ることを強調し、
結びとしたいと思います。 (文責:中国事業部)
市場で販売するために中国に生産拠点を置いていると回
セアンに移管する動きが年々増加しています(図表 )
。中
答しています。同質問とセットで行われた「中国情勢に関
国から他地域に拠点を移管する理由として、
「生産コスト・
する見方」という質問では、多くの企業が中国経済の動向
人件費の上昇」を挙げる企業が多いのが特徴です。
日系企業の中国への懸念は増大
また、
「中国事業に対する基本的な姿勢」に関する質問
1:国際協力銀行『わが国製造企業の海外事業展開に関する調査結果−2015 年度
−』
(2015年12月公表)
海外直接投資アンケート結果(第 27 回)
では、
「長期的な視点で積極的に事業展開」と答えた企業
2:日本貿易振興機構『2014 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査
(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要』
(2015年3月11日公表)
が40.4%(回答数446 社)であったのに対し、
「他国へのリ
スク分散を考慮しつつ事業展開」と答えた企業が49.8%
(同)に達しています。更に、中国を有望として捉える理由
として「現地マーケットの今後の成長性」と答える企業の
それでは、今後も中国から他地域に拠点を移管する動
比率が2011年の80%超から2015年には59.9%にまで低下
きが加速するのでしょうか。筆者は、中国からの移管は一
するなど、中国へのネガティブな印象が年々増しているの
定期間増加するものの、その後は一段落すると考えます。
は事実であるようです。
その理由としては、中国は労働コストの上昇や為替、さら
には政治不安等の問題が確かに存在する一方、産業集積の
「絶対的な存在」でなくなる中国
形成やインフラ整備が比較的進んでいること、また既に巨
大な国内消費市場が誕生していることが挙げられます。
同調査での「中期的(今後3年程度)有望事業展開先国・
一方、アセアン諸国では近年その成長が鈍化する兆し
地域」という質問では、中国はインドに次ぐ第2位につけて
を見せているほか、いまだに外資参入に規制がかかる分
いますが、2012年まで一貫して1位であったことを鑑みる
野も多いという課題もあります。また、上記JBIC調査でも
と、その相対的な重要性が低下していると言えます。一方、
多くの日系企業がアセアンやインドにおける電力や工業用
ランキングにはインドネシアやタイ、ベトナム、フィリピンな
水、道路・港湾などのインフラ面に「問題がある」との認
01
FRONTIER±EYES CHINA VOL.12
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.10.5
140
フィリピン
2013年
■「China+1」としての進出先
■ITサービス産業も成長
120
100
アセアン諸国への期待は高まるが課題も
出所:IMF『World Economic Outlook Database』
・各種
資料に基づきフロンティア・マネジメント中国事業部作成
アジア各国・地域の人口・一人当たりGDP(2013年⇒2020年)と特徴
人口︵百万人︶
や賃金水準、為替レート等について懸念を示しています。
B
ベトナム
香港
■「China+1」としての進出先
■事務機器・電機・電子産業進出
80
タイ
■多くの日系が進出
■自動車産業等の集積
60
■統括拠点(中国大陸・台湾)
■消費の中心地(大陸等)
韓国
■成熟した消費市場
■重化学・造船等の生産基地
ミャンマー
シンガポール
■低コスト労働力に注目
■将来の消費市場化に期待
カンボジア 40
2020年
■統括拠点(ASEAN)
■消費の中心地(ASEAN)
台湾
■「タイ+1」としての進出先
■繊維などの進出も活発
■成熟した消費市場
■電機・電子・
IT関連などに強み
20
マレーシア
7万ドル弱に
拡大
■シンガポールに次ぐ統括拠点
■IT立国・生産拠点
0
ラオス 0
10,000
20,000
30,000
40,000
■タイとの関連が強い
■繊維企業などが進出
国名
人口(2013年→2020年)
一人当たりGDP(2013年→2020年)
50,000
60,000
一人当たりGDP(米ドル)
中国
インド
インドネシア
13.6億人→14.1億人
12.6億人→13.8億人
2.5億人→2.7億人
6,974ドル→1万2,117ドル
1,489ドル→2,495ドル
3,667ドル→4,380ドル
※:2020年数値は推計値
VOL.12 FRONTIER±EYES CHINA
02
2015-12 vol.05-151216
出力ファイル名:FEChina_v12_p01-p02_151216_ol.ai
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
p01_p02
フロンティア・マネジメントのチャイナビジネス
中国・アジア地域における日系企業のあり方を考える
「中国悲観論」
・
「アセアン有望論」
を超えた戦略の策定が重要に
前号のトピックスで、中国の経済・社会の変化に伴い、日系企業の中国ビジネスのあり方が大きく変わる可能性がある
ことを指摘しました。中国におけるビジネスのあり方が変わるということは、中国だけでなくアセアン等のアジア地域、
さらには日本での経営にも大きな影響を及ぼすと思われます。本号では、政府系機関が実施した日系企業の海外進出
に関するアンケート調査等をもとに、日系企業の今後の中国・アジアビジネスのあり方について考えたいと思います。
中国・アジア地域における日系企業のあり方を考える ∼「中国悲観論」
・
「アセアン有望論」を超えた戦略の策定が重要に∼
識を示しており、中国からアセアンへの移管が単純に進む
とは考えられません。
A
国内および海外拠点の主な移管パターン
出所:日本貿易振興機構(JETRO)
『2014年度日本企業の海外事業展開に関する
アンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要』
(2015年3月11日付公表)
図表 が示すように「中国→アセアン」
シフトだけでなく、
(複数回答、%)
「中国→日本」への回帰シフトも増加しています。このよう
な状況下では、おそらく中国からの一方的なシフトだけで
なく、アセアンや韓国・台湾、さらにはインドなどアジア地
域と日本を「面」でとらえるバランスの取れた海外拠点再
編が不可欠となるでしょう。
また、中国を一括りにできないように、アジア地域にも多
様性が存在し、一括りにすることはできません。図表 で
は、アジア各国・地域の2013年と2020年の人口・一人当た
2006 年度 2010 年度 2013 年度 2014 年度
日本から中国への移管
37.4
22.0
15.3
12.0
日本からASEANへの移管
19.8
19.0
24.2
22.7
中国からASEANへの移管
4.5
8.2
13.7
16.2
ASEANから中国への移管
2.5
3.4
0.3
0.4
中国から日本への移管
0.4
1.3
4.7
4.6
ASEANから日本への移管
0.8
0.4
1.8
1.1
※:本調査はJETROの会員企業・JETROのサービスの利用企業合計9,183社に調査を実施
。有効回答数は2,995社で、本図表に関する2014年度の回答数は798.
どのアセアン地域を有望先として挙げる企業も多く、アセ
りGDPを示していますが、今後も成長市場として見込まれ
アン諸国の存在感が増していると思われます。このことは、
る地域や、製造拠点として有望な地域等、それぞれが特色
中国の経済成長の減速が鮮明になる中で、中国からの
これまでアジアにおいて関心・重要性が高く「絶対的な存
を持っており、日系企業にはそれらを適度に「使い分ける」
の実施においても、各地の法規制や産業動向、さらには現
外資系企業の撤退などの報道が目立つようになりました。
在」であった中国が、アセアンやインドなどの地域と比較
戦略が必要になります。
地の各財閥の特色など調査・検討を必要とする要素が大
本稿ではまず、日系企業が現状、中国拠点をどのように活
可能な「相対的な存在」になったことを示しています。
すなわち、各国・地域の市場特性、産業集積度合い、外
変多いのが実情です。
用しているかという点について見ていきたいと思います。
このような姿は、アジアにおける拠点の再編に表れてい
資規制、インフラ整備状況、コスト(人件費・不動産・工業
今後のアジア地域戦略に求められるのは、
「中国悲観論」
国際協力銀行(JBIC)がこのほど公表したアンケート
ます。日本貿易振興機構(JETRO)の実施したアンケート
団地・光熱費等)
、日系・外資系企業の進出状況などの諸
でも「アセアン有望論」のいずれでもありません。各国・地域
「中国での事業展開の内容」との質問において、
調査 1では、
調査 2では、日本から中国に拠点を移管する企業の比率が
条件を総合的に判断し、アジア戦略を再考することが求め
の現状を冷静に分析し、自社の最適解を追求する姿勢であ
半数以上(51.1%:回答数448社)の日系製造業が、中国
減少していることに対し、日本からアセアン、中国からア
られると思います。また、進出だけでなく、現地でのM&A
ることを強調し、
結びとしたいと思います。 (文責:中国事業部)
市場で販売するために中国に生産拠点を置いていると回
セアンに移管する動きが年々増加しています(図表 )
。中
答しています。同質問とセットで行われた「中国情勢に関
国から他地域に拠点を移管する理由として、
「生産コスト・
する見方」という質問では、多くの企業が中国経済の動向
人件費の上昇」を挙げる企業が多いのが特徴です。
日系企業の中国への懸念は増大
また、
「中国事業に対する基本的な姿勢」に関する質問
1:国際協力銀行『わが国製造企業の海外事業展開に関する調査結果−2015 年度
−』
(2015年12月公表)
海外直接投資アンケート結果(第 27 回)
では、
「長期的な視点で積極的に事業展開」と答えた企業
2:日本貿易振興機構『2014 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査
(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要』
(2015年3月11日公表)
が40.4%(回答数446 社)であったのに対し、
「他国へのリ
スク分散を考慮しつつ事業展開」と答えた企業が49.8%
(同)に達しています。更に、中国を有望として捉える理由
として「現地マーケットの今後の成長性」と答える企業の
それでは、今後も中国から他地域に拠点を移管する動
比率が2011年の80%超から2015年には59.9%にまで低下
きが加速するのでしょうか。筆者は、中国からの移管は一
するなど、中国へのネガティブな印象が年々増しているの
定期間増加するものの、その後は一段落すると考えます。
は事実であるようです。
その理由としては、中国は労働コストの上昇や為替、さら
には政治不安等の問題が確かに存在する一方、産業集積の
「絶対的な存在」でなくなる中国
形成やインフラ整備が比較的進んでいること、また既に巨
大な国内消費市場が誕生していることが挙げられます。
同調査での「中期的(今後3年程度)有望事業展開先国・
一方、アセアン諸国では近年その成長が鈍化する兆し
地域」という質問では、中国はインドに次ぐ第2位につけて
を見せているほか、いまだに外資参入に規制がかかる分
いますが、2012年まで一貫して1位であったことを鑑みる
野も多いという課題もあります。また、上記JBIC調査でも
と、その相対的な重要性が低下していると言えます。一方、
多くの日系企業がアセアンやインドにおける電力や工業用
ランキングにはインドネシアやタイ、ベトナム、フィリピンな
水、道路・港湾などのインフラ面に「問題がある」との認
01
FRONTIER±EYES CHINA VOL.12
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.10.5
140
フィリピン
2013年
■「China+1」としての進出先
■ITサービス産業も成長
120
100
アセアン諸国への期待は高まるが課題も
出所:IMF『World Economic Outlook Database』
・各種
資料に基づきフロンティア・マネジメント中国事業部作成
アジア各国・地域の人口・一人当たりGDP(2013年⇒2020年)と特徴
人口︵百万人︶
や賃金水準、為替レート等について懸念を示しています。
B
ベトナム
香港
■「China+1」としての進出先
■事務機器・電機・電子産業進出
80
タイ
■多くの日系が進出
■自動車産業等の集積
60
■統括拠点(中国大陸・台湾)
■消費の中心地(大陸等)
韓国
■成熟した消費市場
■重化学・造船等の生産基地
ミャンマー
シンガポール
■低コスト労働力に注目
■将来の消費市場化に期待
カンボジア 40
2020年
■統括拠点(ASEAN)
■消費の中心地(ASEAN)
台湾
■「タイ+1」としての進出先
■繊維などの進出も活発
■成熟した消費市場
■電機・電子・
IT関連などに強み
20
マレーシア
7万ドル弱に
拡大
■シンガポールに次ぐ統括拠点
■IT立国・生産拠点
0
ラオス 0
10,000
20,000
30,000
40,000
■タイとの関連が強い
■繊維企業などが進出
国名
人口(2013年→2020年)
一人当たりGDP(2013年→2020年)
50,000
60,000
一人当たりGDP(米ドル)
中国
インド
インドネシア
13.6億人→14.1億人
12.6億人→13.8億人
2.5億人→2.7億人
6,974ドル→1万2,117ドル
1,489ドル→2,495ドル
3,667ドル→4,380ドル
※:2020年数値は推計値
VOL.12 FRONTIER±EYES CHINA
02
2015-12 vol.05-151216
出力ファイル名:FEChina_v12_p03-p04_151216_ol.ai
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Monthly Topics
ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
p03_p04
2016年に注目される中国の主なニュース
∼フロンティア・マネジメントならではの視点で注目されるトピックスをお伝えします∼
2016 年に注目される中国の主なニュース
外資規制を大幅に緩和しようとするものです。本年1月
情報が活発に交換されており、目新しいものに敏感な上
に草案が公表され、パブリックコメントの募集を経て、現
海人の消費意欲を刺激しているようです。
在全人代で審議中のもようです。同法が施行された場
日本経済のへの影響という点では、
「インバウンド消費
合、これまで様々な形で外国企業の参入の障壁となって
」の拡大が続くかどうかに注目が集まります。2014年に
2015年は中国経済の減速や外資系企業の撤退、更に
経済に注目が集まることが多かったように思われます。
きた規制がほぼなくなるため、外資系企業への影響は極
中国人観光客が日本で消費した額は実に5,600億円に達
は中国人訪日客の「爆買い」がたびたびニュースとして
一方、2016年には中国が国外の金融市場・経済に影響
めて大きくなると予想されます。
しました。この数値は海外の国・地域で最大でありまし
取り上げられるなど、多くの中国関連ニュースが日本国
を及ぼすと思われる動きがあります。
内でも話題となりました。2016年も引き続き「中国発の
1点目は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が業務を
ニュース」が日本社会で話題になる回数は多いと予想さ
開始することです。同行はアジアにおけるインフラ整備
れます。本稿では2016年に注目を集めるであろう中国
への資金ニーズに対応するため中国政府のイニシアチ
経済の減速が強調されていますが、中国の「消費」は
の主要イベントを紹介したいと思います。
ブで創設され、現在 56か国が参加を表明しています。
引き続き堅調な様子を見せています。中国の消費市場の
日本はアジア開発銀行(ADB)の立場を尊重し参加を
傾向を見るうえでは、2016年春の開業が期待されている
ここまで述べた以外にも、注目されるニュースは多数
見送っていますが、中国主導となるAIIBがアジアでの
「上海ディズニーランド」が消費の更なる起爆剤となる
あります。2016年も引き続き中国の政治経済、消費の動
どのような投資案件を手掛けるかという点については、
かに注目が集まっています。すでにインターネット上で
まず、注目されるのが 2016 年3月に開催される全国
日系企業の間でも高い関心が持たれています。
は、開業に伴い出店が されるブランド・飲食店などの
人民代表大会です。特に注目されるのが、
「第13次5ヵ
2点目は、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き
年計画」
(2016年∼2020年)が採択されることです。本
出し権(SDR)の構成通貨としてこのほど認定されたこ
計画は中国経済の減速が鮮明となる中で策定され、こ
とで、2016 年10月より正式に組み入れられます。人民
れまでの投資主導型の経済から消費主導型の経済に転
元の構成比は米ドル、ユーロに次ぐ第3位となり(日本
換すること、情報通信関連やロボット、航空宇宙等の分
円は第4位)
、国際金融市場での中国の存在感が一層高
野の製造業で世界の「製造強国」となることなどが掲げ
まると言われています。一方で SDRに採用されるとい
られています1。中国の新しい姿を予測するうえで同計
うことは、中国の金融当局がこれまで以上に透明性のあ
画は不可欠なものとなります。
る政策運営を求められることを示します。中国経済が減
台湾では1月に総統選挙が開催されます。報道による
速する(ゆるやかな成長に移行する)中で、経済を下支
第13 次5ヵ年計画が走り始める
と現状では蔡英文氏が有利とされています。同氏は、李
えしている金融当局の政策にどのような影響が及ぶの
登輝元総統のブレーンであったとも言われており、ゆる
か、という点も注目されます。
たが、2015年は1月∼9月の合計額が既に1兆1,000 億円
を超えています。しばらくこの勢いが続くのではないか
中国の消費拡大は続くのか
A
と予想されています。
そのため、
春節
(2月)
、
国慶節
(10月)
等の大型休暇のインバウンド消費が注目されます。
向から目が離せないことは論を待たないと思います。
2016年に中国関連で注目される主なニュース
2016 年
シンガポールで会談を行うなど、近年の台湾と中国は政
治・経済の両面で結びつきを強め、台湾内でも大きな議
「外国投資法」の審議に注目
政治
●3月頃:全国人民代表大会
経済
●1月:
アジアインフラ投資銀行
(AIIB)
業務開始
●1月:
前年GDP成長率実績発表
(2015年は1月20日)
1∼3月
●3月頃:
全人代で第13次五ヵ年計画
(2016∼20年)
採択
応を求める「大気汚染防止法」が施行されるほか、中国
れまで進められてきた親中路線の見直しが進むものと
の長年の課題であった都市・農村部一体での年金制度
思われ、政治・経済両面での影響が注目されます。
の確立を進める
「都市農村住民基本養老保険(年金)
サー
1:第 13 次5ヵ年計画の詳細については中国商務通信第 11 号にて紹介してい
ます。
ティア・マネジメントが注目しているのが「外国投資法」
「中国経済」のグローバル化が進むか?
これまで中国と言えば「巨大市場」と称され、国内の
03
FRONTIER±EYES CHINA VOL.12
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.19.5
7∼9月
一般法である「会社法」との整合性を確保するとともに
●1月1日:
改正
「大気汚染防止法」
施行
●2015年12月31日:
ASEAN経済共同体
(AEC)
発足
●1月1日:
「都市農村住民基本養老保険
(年金)
サービス規範」
施行
●1月16日:台湾総統選挙
●2月8日:春節
(旧正月元旦)
●春頃
上海ディズニーランド開業か
●5月9日:フィリピン大統領選挙
●5月頃?:
日中韓首脳会議
(未定)
●7月1日:中国共産党創立95周年
●7月28日:唐山大地震40周年
●7月頃:日本参議院選挙
●8月頃:
北戴河会議
(共産党の非公式幹
部会合)
●9月9日:毛沢東死去40周年
●8月5∼21日:
オリンピック
(リオデジャネイロ)
●10月1日:国慶節
●10月7∼9日:
IMF世銀年次総会
(ワシントン)
●9月4∼5日:G20サミット
(杭州)
●10月頃:
共産党中央委員会総会
(6中全会)
10∼12月
●10月1日:
人民元がIMFの特別引き出し権
(SDR)
構成通貨に
●12月11日:
WTO
「市場経済国」
ステータス
取得
(加盟15年後)
●12月頃:中央経済工作会議
の審議です。
「外国投資法」は、
「合弁」
「合作」
「独資」
等、外資系企業に関する法令を廃止または一本化して、
アジアその他
●5月26∼27日:
G7伊勢志摩サミット
ビス規範」が公布されます。
このほかにも重要な法制度の整備が進む中でフロン
文化・社会
●5∼10月:
世界園芸博覧会
(唐山)
4∼6月
2016 年には、15 年ぶりの改正となり企業に一層の対
論を巻き起こしています。民進党が勝利した際には、こ
出所:各種資料に基づきフロンティア・マネジメント中国事業部作成
中国
やかな独立を志向しているとされています。本年11月
には馬英九総統(国民党)と中国の習近平国家主席が
(文責:中国事業部)
●10月10日:辛亥革命105周年
●11月12日:孫文生誕150周年
●11月8日:米国大統領選挙
●11月:APECサミット
(ペルー)
●11月頃:
東アジア首脳会議
(ラオス)
●12月頃:中央農村工作会議
2016年内
●外国投資法審議進む
VOL.12 FRONTIER±EYES CHINA
04
2015-12 vol.03-151216
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Monthly Topics
ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
p03_p04
2016年に注目される中国の主なニュース
∼フロンティア・マネジメントならではの視点で注目されるトピックスをお伝えします∼
2016 年に注目される中国の主なニュース
外資規制を大幅に緩和しようとするものです。本年1月
情報が活発に交換されており、目新しいものに敏感な上
に草案が公表され、パブリックコメントの募集を経て、現
海人の消費意欲を刺激しているようです。
在全人代で審議中のもようです。同法が施行された場
日本経済のへの影響という点では、
「インバウンド消費
合、これまで様々な形で外国企業の参入の障壁となって
」の拡大が続くかどうかに注目が集まります。2014年に
2015年は中国経済の減速や外資系企業の撤退、更に
経済に注目が集まることが多かったように思われます。
きた規制がほぼなくなるため、外資系企業への影響は極
中国人観光客が日本で消費した額は実に5,600億円に達
は中国人訪日客の「爆買い」がたびたびニュースとして
一方、2016年には中国が国外の金融市場・経済に影響
めて大きくなると予想されます。
しました。この数値は海外の国・地域で最大でありまし
取り上げられるなど、多くの中国関連ニュースが日本国
を及ぼすと思われる動きがあります。
内でも話題となりました。2016年も引き続き「中国発の
1点目は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が業務を
ニュース」が日本社会で話題になる回数は多いと予想さ
開始することです。同行はアジアにおけるインフラ整備
れます。本稿では2016年に注目を集めるであろう中国
への資金ニーズに対応するため中国政府のイニシアチ
経済の減速が強調されていますが、中国の「消費」は
の主要イベントを紹介したいと思います。
ブで創設され、現在 56か国が参加を表明しています。
引き続き堅調な様子を見せています。中国の消費市場の
日本はアジア開発銀行(ADB)の立場を尊重し参加を
傾向を見るうえでは、2016年春の開業が期待されている
ここまで述べた以外にも、注目されるニュースは多数
見送っていますが、中国主導となるAIIBがアジアでの
「上海ディズニーランド」が消費の更なる起爆剤となる
あります。2016年も引き続き中国の政治経済、消費の動
どのような投資案件を手掛けるかという点については、
かに注目が集まっています。すでにインターネット上で
まず、注目されるのが 2016 年3月に開催される全国
日系企業の間でも高い関心が持たれています。
は、開業に伴い出店が されるブランド・飲食店などの
人民代表大会です。特に注目されるのが、
「第13次5ヵ
2点目は、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き
年計画」
(2016年∼2020年)が採択されることです。本
出し権(SDR)の構成通貨としてこのほど認定されたこ
計画は中国経済の減速が鮮明となる中で策定され、こ
とで、2016 年10月より正式に組み入れられます。人民
れまでの投資主導型の経済から消費主導型の経済に転
元の構成比は米ドル、ユーロに次ぐ第3位となり(日本
換すること、情報通信関連やロボット、航空宇宙等の分
円は第4位)
、国際金融市場での中国の存在感が一層高
野の製造業で世界の「製造強国」となることなどが掲げ
まると言われています。一方で SDRに採用されるとい
られています1。中国の新しい姿を予測するうえで同計
うことは、中国の金融当局がこれまで以上に透明性のあ
画は不可欠なものとなります。
る政策運営を求められることを示します。中国経済が減
台湾では1月に総統選挙が開催されます。報道による
速する(ゆるやかな成長に移行する)中で、経済を下支
第13 次5ヵ年計画が走り始める
と現状では蔡英文氏が有利とされています。同氏は、李
えしている金融当局の政策にどのような影響が及ぶの
登輝元総統のブレーンであったとも言われており、ゆる
か、という点も注目されます。
たが、2015年は1月∼9月の合計額が既に1兆1,000 億円
を超えています。しばらくこの勢いが続くのではないか
中国の消費拡大は続くのか
A
と予想されています。
そのため、
春節
(2月)
、
国慶節
(10月)
等の大型休暇のインバウンド消費が注目されます。
向から目が離せないことは論を待たないと思います。
2016年に中国関連で注目される主なニュース
2016 年
シンガポールで会談を行うなど、近年の台湾と中国は政
治・経済の両面で結びつきを強め、台湾内でも大きな議
「外国投資法」の審議に注目
政治
●3月頃:全国人民代表大会
経済
●1月:
アジアインフラ投資銀行
(AIIB)
業務開始
●1月:
前年GDP成長率実績発表
(2015年は1月20日)
1∼3月
●3月頃:
全人代で第13次五ヵ年計画
(2016∼20年)
採択
応を求める「大気汚染防止法」が施行されるほか、中国
れまで進められてきた親中路線の見直しが進むものと
の長年の課題であった都市・農村部一体での年金制度
思われ、政治・経済両面での影響が注目されます。
の確立を進める
「都市農村住民基本養老保険(年金)
サー
1:第 13 次5ヵ年計画の詳細については中国商務通信第 11 号にて紹介してい
ます。
ティア・マネジメントが注目しているのが「外国投資法」
「中国経済」のグローバル化が進むか?
これまで中国と言えば「巨大市場」と称され、国内の
03
FRONTIER±EYES CHINA VOL.12
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.19.5
7∼9月
一般法である「会社法」との整合性を確保するとともに
●1月1日:
改正
「大気汚染防止法」
施行
●2015年12月31日:
ASEAN経済共同体
(AEC)
発足
●1月1日:
「都市農村住民基本養老保険
(年金)
サービス規範」
施行
●1月16日:台湾総統選挙
●2月8日:春節
(旧正月元旦)
●春頃
上海ディズニーランド開業か
●5月9日:フィリピン大統領選挙
●5月頃?:
日中韓首脳会議
(未定)
●7月1日:中国共産党創立95周年
●7月28日:唐山大地震40周年
●7月頃:日本参議院選挙
●8月頃:
北戴河会議
(共産党の非公式幹
部会合)
●9月9日:毛沢東死去40周年
●8月5∼21日:
オリンピック
(リオデジャネイロ)
●10月1日:国慶節
●10月7∼9日:
IMF世銀年次総会
(ワシントン)
●9月4∼5日:G20サミット
(杭州)
●10月頃:
共産党中央委員会総会
(6中全会)
10∼12月
●10月1日:
人民元がIMFの特別引き出し権
(SDR)
構成通貨に
●12月11日:
WTO
「市場経済国」
ステータス
取得
(加盟15年後)
●12月頃:中央経済工作会議
の審議です。
「外国投資法」は、
「合弁」
「合作」
「独資」
等、外資系企業に関する法令を廃止または一本化して、
アジアその他
●5月26∼27日:
G7伊勢志摩サミット
ビス規範」が公布されます。
このほかにも重要な法制度の整備が進む中でフロン
文化・社会
●5∼10月:
世界園芸博覧会
(唐山)
4∼6月
2016 年には、15 年ぶりの改正となり企業に一層の対
論を巻き起こしています。民進党が勝利した際には、こ
出所:各種資料に基づきフロンティア・マネジメント中国事業部作成
中国
やかな独立を志向しているとされています。本年11月
には馬英九総統(国民党)と中国の習近平国家主席が
(文責:中国事業部)
●10月10日:辛亥革命105周年
●11月12日:孫文生誕150周年
●11月8日:米国大統領選挙
●11月:APECサミット
(ペルー)
●11月頃:
東アジア首脳会議
(ラオス)
●12月頃:中央農村工作会議
2016年内
●外国投資法審議進む
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04
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
p05_p06
中国の気になるデータ
フロンティア・
中国政府が宅配ビジネスを猛プッシュ
2014年実績
2020年目標
伸び率
139.6億件
500 億件
3.58倍
業務量
2,045.5億元
(約3.93兆円)
8,000 億元
(約15.36兆円)
中国事業部
部長
シニア・アドバイザー
中国ビジネス
チーム
シニア・ディレクター
ス、電子商取引)が一大成長産業となってきている
配業を15兆円以上の規模にすることを目指し(表
ことは、本通信第3号でも紹介したところです。この
参照)
、宅配業を発展させるために、ネットと輸送シ
ECの発展を背景に、中国政府は、10月23日付で「国
ステムの連携、市場の主導性確保、安全(セキュリ
務院の宅配業発展を促進することに関する若干の意
ティー)システムの構築と責任の明確化等を政策の
見」を公布し、その中で、宅配業(中国語では快遞業)
基礎とすると宣言し、政府の重点的な「任務」として、
が「現代サービス業の重要な要素であり、流通シス
いくつかの項目を挙げています(表 参照)
。
テムの「転型」
(パラダイム・シフト)を推進し、消費(構
更に、政府としては、行政の縦割り排除、手続き
造)を一段高いレベルに押し上げる、現代化を「先
簡素化、政策協調、規制の健全化(法治化、標準化)
、
導」する産業だと位置づけました。
農村・内陸事業の重視・奨励、人材の育成、
「ラスト・
業種の振興について国務院の名前で、このように
ワンマイル」における宅配車両の標準化(電動三輪
政策の方向性を発表することは異例です。宅配業に
車等)等を推進し、宅配業の発展をバックアップす
ける政府の意気込みが伝わってきます。
須田 成人
Suda Shigeto
中江 明皓
Nakae Akihiro
横塚 仁士
Yokozuka Hitoshi
伊藤 美優
Ito Miyu
榮 智亮
Rong Zhiliang
繆 軼君
Miao Yijun
小野 明子
Ono Akiko
季 欽欽
Ji Qinqin
[email protected]
アソシエイト・ディレクター
[email protected]
アソシエイト
[email protected]
注1:日本の宅配便市場規模は2011年以降、概ね2兆円程度 注2:為替レートは1元=19.2円で換算 注3:2014年実績は第一物流網
「意見」では、数値目標として、2020 年までに宅
Nakamura Toru
[email protected]
3.91倍
中国経済の減速が言われている中で、EC(Eコマー
中村 達
[email protected]
マネジメントの
中国の宅配産業の2020年の目標
業務収入
フロンティア・マネジメントの中国ビジネスチーム
∼フロンティア・マネジメント独自の視点でデータを紹介します∼
事業開発第二部
ディレクター
[email protected]
Frontier Management (Shanghai) Inc.
ディレクター
[email protected]
ディレクター
[email protected]
アソシエイト
るとしています。 (文責:中国事業部)
[email protected]
宅配産業推進のための政府の「任務」
1
競争力ある宅配企業の育成(保険業務の推進、システム化・機械化の促進等を含む)
2
インターネットとの連携強化(モバイル、B2B、ビッグデータ、クラウド技術等の利用含む)
3
4
5
「下」
(物流)、
「西」
(農村・内陸地区)、
「外」
(海外)に向けた取り組みの強化、
「双方向流通」
(工業品を農村に、
農産品を都市に)の強化
交通システム(鉄道輸送、
トラック輸送、水運、空運等)との総合的な連携の強化
「安全監管」
(セキュリティー)の強化(「グリーン・シールド」
(緑盾)システムを導入し、標準化を進め、人員教育・
物流検査体制を強化する)
注1:現在、宅配業務の70%がEC経由と言われている(出所:第一物流網)
注2:2014年の中国の電子商取引の市場規模は12.3兆元、
うち73%がBtoBとされている(出所:iResearch)
本頁の図表の出所:中国政府公表資料等に基づきフロンティア・マネジメント作成
05
FRONTIER±EYES CHINA VOL.12
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ご注意事項
1
法律上、
会計上の助言
2
秘密保持
3
著作権
4
免 責
本誌記載の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではありません。法律上、会計上、税務
上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。
本誌記載の情報の貴社への開示は貴社の守秘義務を前提とするものです。当該情報については貴社内
部の利用に限定され、その内容の第三者への開示は禁止されています。
本誌記載の情報の著作権は原則として当社に帰属します。いかなる目的であれ本資料の一部または全部
について無断で、いかなる方法においても複写、複製、引用、転載、翻訳、貸与等を行うことを禁止します。
本誌記載の情報は、弊社が信頼できると考える各方面から取得しておりますが、その内容の正確性、信
頼性、完全性を保証するものではありません。弊社は当該情報に起因して発生した損害については、そ
の内容如何にかかわらず一切の責任を負いません。
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.12
(2015.DEC.)
p05_p06
中国の気になるデータ
フロンティア・
中国政府が宅配ビジネスを猛プッシュ
2014年実績
2020年目標
伸び率
139.6億件
500 億件
3.58倍
業務量
2,045.5億元
(約3.93兆円)
8,000 億元
(約15.36兆円)
中国事業部
部長
シニア・アドバイザー
中国ビジネス
チーム
シニア・ディレクター
ス、電子商取引)が一大成長産業となってきている
配業を15兆円以上の規模にすることを目指し(表1
ことは、本通信第3号でも紹介したところです。この
参照)
、宅配業を発展させるために、ネットと輸送シ
ECの発展を背景に、中国政府は、10月23日付で「国
ステムの連携、市場の主導性確保、安全(セキュリ
務院の宅配業発展を促進することに関する若干の意
ティー)システムの構築と責任の明確化等を政策の
見」を公布し、その中で、宅配業(中国語では快遞業)
基礎とすると宣言し、政府の重点的な「任務」として、
が「現代サービス業の重要な要素であり、流通シス
いくつかの項目を挙げています(表2参照)
。
テムの「転型」
(パラダイム・シフト)を推進し、消費(構
更に、政府としては、行政の縦割り排除、手続き
造)を一段高いレベルに押し上げる、現代化を「先
簡素化、政策協調、規制の健全化(法治化、標準化)
、
導」する産業だと位置づけました。
農村・内陸事業の重視・奨励、人材の育成、
「ラスト・
業種の振興について国務院の名前で、このように
ワンマイル」における宅配車両の標準化(電動三輪
政策の方向性を発表することは異例です。宅配業に
車等)等を推進し、宅配業の発展をバックアップす
ける政府の意気込みが伝わってきます。
須田 成人
Suda Shigeto
中江 明皓
Nakae Akihiro
横塚 仁士
Yokozuka Hitoshi
伊藤 美優
Ito Miyu
榮 智亮
Rong Zhiliang
繆 軼君
Miao Yijun
小野 明子
Ono Akiko
季 欽欽
Ji Qinqin
[email protected]
アソシエイト・ディレクター
[email protected]
アソシエイト
[email protected]
注1:日本の宅配便市場規模は2011年以降、概ね2兆円程度 注2:為替レートは1元=19.2円で換算 注3:2014年実績は第一物流網
「意見」では、数値目標として、2020 年までに宅
Nakamura Toru
[email protected]
3.91倍
中国経済の減速が言われている中で、EC(Eコマー
中村 達
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マネジメントの
中国の宅配産業の2020年の目標
業務収入
フロンティア・マネジメントの中国ビジネスチーム
∼フロンティア・マネジメント独自の視点でデータを紹介します∼
事業開発第二部
ディレクター
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ディレクター
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アソシエイト
るとしています。 (文責:中国事業部)
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宅配産業推進のための政府の「任務」
1
競争力ある宅配企業の育成(保険業務の推進、システム化・機械化の促進等を含む)
2
インターネットとの連携強化(モバイル、B2B、ビッグデータ、クラウド技術等の利用含む)
3
4
5
「下」
(物流)、
「西」
(農村・内陸地区)、
「外」
(海外)に向けた取り組みの強化、
「双方向流通」
(工業品を農村に、
農産品を都市に)の強化
交通システム(鉄道輸送、
トラック輸送、水運、空運等)との総合的な連携の強化
「安全監管」
(セキュリティー)の強化(「グリーン・シールド」
(緑盾)システムを導入し、標準化を進め、人員教育・
物流検査体制を強化する)
注1:現在、宅配業務の70%がEC経由と言われている(出所:第一物流網)
注2:2014年の中国の電子商取引の市場規模は12.3兆元、
うち73%がBtoBとされている(出所:iResearch)
本頁の図表の出所:中国政府公表資料等に基づきフロンティア・マネジメント作成
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表1_表4
中国商務情報通信
フロンティア・アイズ・チャイナ
12
VOL.
FRONTIER±EYES CHINA
中 国 人 の 消 費 は「 モ ノ」か ら「コト」へ 拡 大
http://www.frontier-mgmt.com
Frontier Management (Shanghai) Inc. ディレクター
小野 明子
商業都市上海はアートの街でもあります。年間を通じて入場無料の個展から公共
の美術館特設展まで選択肢は豊富です。
先日、「ダリ展」を観に行きましたが、当日券は 160 元(約 3,200 円)とかなり
の高額でした。ギャラリーが会場で、作品数は美術館の半数程度しかなく、京都市
美術館のマグリット展が当日券 1,600 円だったことから考えると日本の相場の 4 倍
の価格感ですが、アプリとの提携による PR、値引き戦略もあり、満員御礼でした。
他日、高級商業施設の特設展「ONE 一個展」を観ました。作家で映画監督でも
ある有名人がプロデュースした文芸閲覧アプリの記念アート展で、出品者は無名且
つ若手アーティスト、入場料は 1 元(約 20 円)、漢字を使った体験型アートコーナー
やカフェも併設され、会場は若者であふれていました。
消費力が向上した中国では、「爆買い」現象が日本でも有名ですが、消費対象は次
第に「モノ」から「コト」へと拡大しつつあります。来年開園予定のディズニーラ
ンドの他に、ユニバーサルスタジオやレゴランドが進出を決めています。レジャー
消費に物販や外食消費が刺激され、中国は益々魅力的な消費市場となることでしょ
う。IT との連動によるマーケティング、価格戦略が日本以上に進んでいる中国。日
本企業は積極的に中国マーケット戦略を再構築することで、日本やその他マーケッ
トに転用できる示唆が多く得られるものと思われます。
©FRONTIER MANAGEMENT INC. 2015, AII rights reserved. Printed in Japan.
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FEch1512A
2015-12 vol.01-151211
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