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(参考) EU競争法の概要 1 根拠法 欧州連合の機能

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(参考) EU競争法の概要 1 根拠法 欧州連合の機能
(参考)
EU競争法の概要
1
根拠法
欧州連合の機能に関する条約(TFEU条約)
なお,合併等の企業結合は,2004年5月に施行された理事会規則139/
2004号(企業結合規則)によって規制されている。
2 関係機関
(1)立法機関
ア 欧州連合理事会
各加盟国の代表者(閣僚レベル)で構成される。欧州委員会の提案に基づ
き,規則・指令等を制定する権限を有する。
イ 欧州議会
欧州市民の直接選挙で選出された議員で構成される。一部の分野の立法
(規則,指令の採択)について,理事会と共同で決定する権限が付与されて
いる。
(2)執行機関
競争法の執行は欧州委員会(the European Commission)が担当している。
実務担当部局として,競争総局(Directorate-General for Competition)が
設置されている。欧州委員会は,加盟国の政府間の合意に基づいて任命された
27人の委員で構成され,この中から委員長1名と副委員長5名が選任される。
委員の任期は5年である。現在,競争政策はスペイン出身のアルムニア副委
員長(2010年2月~2014年10月)が担当している。欧州委員会は,
競争法に関する規則等の立案を行うとともに,TFEU条約第101条及び第
102条違反を調査し,違反行為に対する排除措置及び制裁金賦課に関する決
定を行うほか,合併等の企業結合の規制等を行う権限を有する。
3 主要な実体規定
(1)競争制限的協定等の禁止(TFEU条約第101条)
事業者間の協定,事業者団体の決定及び協調的行為であって,加盟国間の取
引に影響を与えるおそれがあり,かつ,共同体市場内の競争の機能を妨害・制
限・歪曲する目的を有し,又はかかる結果をもたらすものは禁止される。競争
事業者間の協定のみならず,メーカーと販売業者間の協定にも適用される。
欧州委員会は,決定をもって違反行為の排除を命じることができるほか,直
前の事業年度の総売上高の10%までの制裁金を課すことなどができる。
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(2)市場支配的地位の濫用行為の禁止(TFEU条約第102条)
共同体市場又はその実質的部分における支配的地位(dominant position)
を濫用する一以上の事業者の行為は,それによって加盟国間の取引が悪影響を
受けるおそれがある場合には禁止される。違反行為に対しては,第101条の
場合と同様の措置が採られる。
(3)合併規制
一定の基準(注)を全て満たす合併等の企業結合は,
「共同体規模(Community
dimention)」を有するものとして規制の対象とされ(企業結合規則第1条),
事前に欧州委員会へ届出をしなければならない(同第4条)。合併等の企業結
合については,共同体市場と両立するのか否か(whether or not they are
compatible with the common market)の観点から評価され(同第2条第1項)
,
両立しないと評価された企業結合は禁止される。当該企業結合が違法に実施さ
れてしまった場合には,欧州委員会は,合併の解消,取得した全ての株式又は
財産の処分その他必要と考えられる措置を命じることができる(同第8条)。
(注)①
当事者すべての全世界での売上高の合計が50億ユーロ超
②
当事者の少なくとも2社の共同体市場での売上高がそれぞれ1億ユーロ超
③
3以上の加盟国のそれぞれにおいて,当事者すべての売上高の合計が1億ユーロ超
④
③の要件に合致する3以上の加盟国のそれぞれにおいて,当事者の少なくとも2つ
の売上高がそれぞれ2500万ユーロ超
⑤
当事者のいずれも共同体市場売上高のうち3分の2超を同一加盟国内で得てい
ない
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