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LTC1555 - SIM電源およびレベル変換器

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LTC1555 - SIM電源およびレベル変換器
LTC1555/LTC1556
SIM電源
およびレベル変換器
特長
概要
■昇圧/降圧チャージ・ポンプにより5Vを生成
■入力電圧範囲:2.7V∼10V
■出力電流:10mA
(VIN ≥ 2.7V)
20mA
(VIN ≥ 3V)
■3Vから5Vへの信号レベル変換器
■すべてのSIM接続ピンで10kV以上のESD保護
■短絡および過温度保護
■超低動作電流:60µA
■超低シャットダウン電流:1v< µA
■ソフト・スタートによりターンオン時の突入電流を制限
■プログラム可能な3Vまたは5V出力電圧
■650kHzのスイッチング周波数
■補助4.3V LDO/電源スイッチ(LTC1556のみ)
■16ピンおよび20ピン細型SSOPパッケージで供給
LTC®1555/LTC1556は、GSMセルラー電話で3Vまたは5V
の加入者識別モジュール(SIM)にインタフェースするの
に必要な電源変換およびレベル・シフトを提供します。こ
れらのICは安定化5V電源をSIMカードに供給するチャー
ジ・ポンプDC/DCコンバータを内蔵しています。入力電圧
範囲は2.7Vから10Vで、バッテリへの直接接続が可能で
す。出力電圧は3V、5V、またはVINピンへの直結をプログ
ラムすることができます。
アプリケーション
動作電流は60µAでシャットダウン電流が1µAなので、
バッテリの寿命を延長できます。小さな16ピンおよび20
ピン細型SSOPパッケージのためボード面積が少なくて
すみ、
3個の小型外付けコンデンサしか必要ありません。
ソフト・スタート機能によりターンオン時の突入電流を
制限し、別の低電力DC/DCコンバータから入力が供給さ
れているときの起動時の問題を軽減することができま
す。LTC1556は、補助LDOレギュレータ/電源スイッチも
内蔵しており、周波数シンセサイザや他の低電力回路に
電力を供給するのに使用できます。
■GSMセルラー電話用SIMインタフェース
■スマート・カード・リーダ
、LTC、およびLTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
標準的応用例
GSMセルラー電話用SIMインタフェース
3V GSM
CONTROLLER
3V
1
2
3
4
VCC
VIN
2.7V TO 10V
LTC1555
5
6
7
8
CIN
CLK
RIN
RST
DATA
I/O
DDRV
VCC
DVCC
VIN
SS
C1 +
M1
M0
SIM
16
CLK
15
RST
14
I/O
13
12
11
10
C1 –
9
GND
10µF
+
0.1µF
VCC
5V ± 5%
IVCC ≤ 10mA
10µF
GND
1555/56 TA01
1
LTC1555/LTC1556
絶対最大定格
(Note 1)
VIN、DVCCからGND ................................... −0.3V∼12V
VCCからGND .............................................. −0.3V∼12V
GNDへのデジタル入力 .............................. −0.3V∼12V
LDO、CLK、RST、I/OからGND −0.3V∼(VCC+0.3V)
VCC、LDO短絡 ......................................................... 無限
保存温度範囲 ......................................... −65℃∼150℃
温度範囲
LTC1555C/LTC1556C ............................... 0℃∼ 70℃
LTC1555I/LTC1556I ............................ −40℃∼ 85℃
拡張コマーシャル動作温度範囲
(Note 2).............................................. −40℃∼ 85℃
リード温度(半田付け、10秒)............................... 300℃
パッケージ/発注情報
ORDER PART
NUMBER
TOP VIEW
CIN
1
20 CLK
RIN
2
19 RST
DATA
3
18 I/O
CIN
1
16 CLK
RIN
2
15 RST
DATA
3
14 I/O
DDRV
4
17 LDO
DDRV
4
13 VCC
EN
5
16 VCC
5
12 VIN
FB
6
15 VIN
6
+
DVCC
7
14 C1 +
SS
8
13 C1 –
M1
9
12 GND
M0 10
11 GND
DVCC
SS
11 C1
M1
7
10
C1 –
M0
8
9
GND
LTC1555CGN
LTC1555IGN
GN PACKAGE
16-LEAD PLASTIC SSOP
ORDER PART
NUMBER
TOP VIEW
LTC1556CGN
LTC1556IGN
GN PACKAGE
20-LEAD PLASTIC SSOP
TJMAX = 150°C, θJA = 95°C/ W
TJMAX = 150°C, θJA = 135°C/ W
ミリタリ・グレード部品に関してはお問い合わせください。
電気的特性
注記がない限り、VIN=2.7V∼10V、DVCC=1.8V∼5.5V、コントローラのデジタル・ピンをDVCCに接続、SIMデジタル・
ピンをフローティング、EN、FBピンをGNDに接続(LTC1556)、 C1=0.1µF、COUT=10µF
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
VIN Operating Voltage
●
2.7
10
V
DVCC Operating Voltage
●
1.8
5.5
V
100
135
µA
µA
1
2
25
µA
µA
µA
20
µA
1
µA
5.25
3.20
VIN
V
V
V
VIN Operating Current
2.7V ≤ VIN ≤ 5V, VCC = 5V, IVCC = 0
5V < VIN ≤ 10V, VCC = 5V, IVCC = 0
●
●
VIN Shutdown Current
M0, M1 = 0V, 2.7V ≤ VIN ≤ 5V
M0, M1 = 0V, 2.7V ≤ VIN ≤ 5V
M0, M1 = 0V, 5V < VIN ≤ 10V
●
DVCC Operating Current
M0, M1 = DVCC, CIN = 1MHz
●
DVCC Shutdown Current
M0, M1 = 0V
●
VCC Output Voltage
0 ≤ IVCC ≤ 10mA, 2.7V ≤ VIN ≤ 10V
0 ≤ IVCC ≤ 20mA, 3V ≤ VIN ≤ 10V
M0, M1 = DVCC
M0 = DVCC, M1 = 0
M0 = 0, M1 = DVCC
●
●
●
VCC Output Ripple
2
VIN = 3.6V, IVCC = 10mA, VCC = 5V
60
75
6
4.75
2.80
VIN – 0.3
5.00
3.00
75
mVP-P
LTC1555/LTC1556
電気的特性
注記がない限り、VIN=2.7V∼10V、DVCC=1.8V∼5.5V、コントローラのデジタル・ピンをDVCCに接続、SIMデジタル・
ピンをフローティング、EN、FBピンをGNDに接続(LTC1556)、 C1=0.1µF、COUT=10µF
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
VCC Short-Circuit Current
VCC Shorted to GND
●
Auxiliary LDO VOUT (VLDO)
EN = High, VCC = 5V, FB = LDO, ILDO = 5mA (LTC1556)
●
Auxiliary Switch Resistance
EN = High, VCC = 5V, FB = GND (LTC1556)
●
FB Input Resistance
(LTC1556)
4.00
TYP
MAX
12.5
40
4.3
4.55
V
18
30
Ω
200
Charge Pump fOSC
●
500
650
UNITS
mA
kΩ
800
kHz
Controller Inputs/Outputs, DVCC = 3V
Input Current (IIH, IIL)
M0, M1, SS, RIN, CIN
DDRV, EN
●
●
–1
–5
1
5
µA
µA
High Level Input Current (IIH)
DATA
●
– 20
20
µA
Low Level Input Current (IIL)
DATA
●
1
mA
High Input Voltage Threshold (VIH)
M0, M1, RIN, CIN, DDRV, EN
DATA
●
●
0.7 × DVCC
DVCC – 0.6
Low Input Voltage Threshold (VIL)
M0, M1, RIN, CIN, DDRV, EN
DATA
●
●
0.2 × DVCC
0.4
High Level Output Voltage (VOH)
DATA Source Current = 20µA, I/O = VCC
●
0.7 × DVCC
Low Level Output Voltage (VOL)
DATA Sink Current = – 200µA, I/O = 0V (Note 3)
●
DATA Pull-up Resistance
Between DATA and DVCC
●
DATA Output Rise/Fall Time
DATA Loaded with 30pF
V
V
V
V
V
0.4
V
20
28
kΩ
●
1.3
2
µs
IIH(MAX) = ±20µA
●
0.5 × VCC
0.7 × VCC
V
I/O Low Input Voltage Threshold (VIL)
IIL(MAX) = 1mA
●
0.4
V
High Level Output Voltage (VOH)
I/O, Source Current = 20µA, DATA or DDRV = DVCC
RST, CLK, Source Current = 20µA
●
●
0.8 × VCC
0.9 × VCC
V
V
Low Level Output Voltage (VOL)
I/O, Sink Current = – 1mA, DATA or DDRV = 0V (Note 3)
RST, CLK, Sink Current = – 200µA
●
●
I/O Pull-Up Resistance
Between I/O and VCC
●
13
SIM Inputs/Outputs, DVCC = 3V, VCC = 3V or 5V
I/O High Input Voltage Threshold (VIH)
6.5
10
0.4
0.4
V
V
14
kΩ
SIM Timing Parameters, DVCC = 3V, VCC = 5V
CLK Rise/Fall Time
CLK Loaded with 30pF
●
18
ns
RST, I/O Rise/Fall Time
RST, I/O Loaded with 30pF
●
1
µs
CLK Frequency
CLK Loaded with 30pF
●
5
MHz
VCC Turn-On Time
SS = DVCC, COUT = 10µF, IVCC = 0
SS = 0V, COUT = 10µF, IVCC = 0
1
6
ms
ms
VCC Discharge Time to 1V
IVCC = 0, VCC = 5V, COUT = 10µF
3
ms
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。
Note 1:絶対最大定格はそれを超えるとデバイスの寿命に影響を及ぼす値。
Note 2:Cグレード・デバイスの規格値は、0℃∼70℃の温度範囲で保証され
る。また、Cグレード・デバイスの規格値は、−40℃∼85℃の温度範囲では設
計または相関性によって確認されているが、製造テストは行われない。
Note 3:DATAおよびI/Oプルダウン・ドライバも内部プルアップ抵抗が供給す
る電流をシンクできなければならない。
3
LTC1555/LTC1556
標準的性能特性
動作電流と入力電圧
VCC出力電圧と入力電圧
(5Vモード)
シャットダウン電流と入力電圧
120
5.2
20
IVCC = 10mA
M0 = DVCC
M1 = DVCC
COUT = 10µF
TA = 25°C
100
85°C
80
25°C
– 40°C
60
40
VCC OUTPUT VOLTAGE (V)
SHUTDOWN CURRENT (µA)
OPERATING CURRENT (µA)
NO EXTERNAL LOAD
15
10
85°C
25°C
5
– 40°C
2
6
8
4
VIN INPUT VOLTAGE (V)
10
0
6
8
4
VIN INPUT VOLTAGE (V)
2
5.1
5.0
4.9
4.8
10
1555/56 G01
2
6
8
4
VIN INPUT VOLTAGE (V)
1555/56 G03
1555/56 G02
VCC出力電圧ターンオン時間、
SSイネーブル
VCC出力電圧と入力電圧
(3Vモード)
10
VCC出力電圧ターンオン時間、
SSディスエーブル
3.1
1V/DIV
IVCC = 10mA
M0 = DVCC
M1 = 0V
COUT = 10µF
TA = 25°C
1V/DIV
VCC OUTPUT VOLTAGE (V)
3.2
3.0
2.9
VIN = 3V
SS = 0V
2.8
2
6
8
4
VIN INPUT VOLTAGE (V)
1555/56 G05
1ms/DIV
VIN = 3V
SS = DVCC
1ms/DIV
10
1555/56 G04
3V VCC効率と入力電圧
5V VCC効率と入力電圧
100
100
VCC = 5V
IVCC = 10mA
TA = 25°C
VCC = 3V
IVCC = 10mA
TA = 25°C
80
EFFICIENCY (%)
EFFICIENCY (%)
80
60
40
40
20
20
0
2
6
8
4
VIN INPUT VOLTAGE (V)
10
1555/56 G07
4
60
2
4
8
10
6
VIN INPUT VOLTAGE (V)
12
1555/56 G08
1555/56 G06
LTC1555/LTC1556
ピン機能
LTC1555/LTC1556
CIN
(ピン1)
:コントローラからのクロック入力ピン。
RIN
(ピン2)
:コントローラからのリセット入力ピン。
DATA
(ピン3)
:コントローラ・サイドのデータ入力/出力ピ
ン。
コントローラ・データ・ピンがオープン・ドレインであれ
ば、
コントローラとSIMカード間で1本のピンによる双方向
データ転送に使用できます。DATAピンとI/Oピンに内部プ
ルアップ抵抗があるため、
DATAピンを
“L”
にドライブして
いるときには、
コントローラ出力は最大1mAをシンクでき
なければなりません。コントローラ・データ出力がオープ
ン・ドレインでない場合は、
DDRVピンを使用してSIMカー
ドにデータを送信し、
DATAピンを使用してSIMカードから
データを受信しなければなりません
(図1を参照)
。
DDRV
(ピン4)
:SIMカードにデータを送るためのオプショ
ンのデータ入力ピン。必要ないときには、DDRVピンはフ
ロートさせておくかDVCCに接続します
(フロートさせた場
合は、
内部1µA電流源がDDRVピンをDVCCにプルアップし
ます)
。
DVCC
(ピン5/7)
:コントローラ・サイドのデジタルI/Oピン用
電源電圧。1.8V∼5.5V
(標準3V)
の範囲にすることができま
す。
SS
(ピン6/8)
:ソフト・スタート・イネーブル・ピン。
ロジック
“L”
ではチャージ・ポンプ突入電流制限機能が有効になりま
す。
ロジック
“H”
ではソフト・スタート機能が無効になり、
起
動時またはシャットダウン解放時に、
VCCが可能な限り迅速
に上昇できるようにします。
M1
(ピン7/9)
:モード制御ビット1
(真理値表を参照)
。
M0
(ピン8/10)
:モード制御ビット0
(真理値表を参照)
。
この表はM0およびM1モード制御ピンによって設定できる
各種動作モードを定義しています。
GND(ピン9/11、12):SIMおよびコントローラ用のグ
ランド。SIM GNDコンタクトおよびVIN/コントローラの
GNDに接続しなければなりません。10kV ESD仕様に適
合させるために、適切な接地と電源のバイパスが必要
です。
C1−(ピン10/12):チャージ・ポンプ・フライング・コン
デンサの負入力。
C1+(ピン11/13):チャージ・ポンプ・フライング・コン
デンサの正入力。
VIN(ピン12/14):チャージ・ポンプ入力電圧ピン。入力
電圧範囲は2.7V∼10Vです。VINピンの近くに10µFの低
ESR入力バイパス・コンデンサを接続してください。
VCC(ピン13/15):SIMカードVCC出力。このピンはSIM
VCCコンタクトに接続してください。VCC出力電圧はM0
ピンとM1ピンで決定されます(真理値表を参照)。VCC
はシャットダウン(M0、M1=0V)中、GNDに放電され
ます。10µFの低ESR出力コンデンサを、VCCピンの近く
に接続しなければなりません。
I/O(ピン14/18):SIMサイドのI/Oピン。このピンは公
称10kの標準プルアップ抵抗付きのオープン・ドレイン
出力であり、SIM I/Oコンタクトに接続しなければなり
ません。I/OピンとDATAピンには内部プルアップ抵抗
があるため、I/Oピンを“L”にドライブするとき、SIM
カードは最大1mAをシンクしなければなりません。IC
がシャットダウンしているとき、I/Oピンはアクティブ
“L”に保持されます。
RST(ピン15/19):レベル・シフトしたリセット出力ピ
ン。SIM RSTコンタクトに接続しなければなりません。
CLK
(ピン16/20):レベル・シフトされたクロック出力ピ
ン。SIM CLKコンタクトに接続しなければなりません。
立上りおよび立下り時間が高速であるため、トレース
の配置を慎重に行ってください。
真理値表
M0
M1
MODE
0V
0V
Shutdown (VCC = 0V)
0V
DVCC
VCC = VIN
DVCC
0V
VCC = 3V
DVCC
DVCC
VCC = 5V
5
LTC1555/LTC1556
ピン機能
LTC1556のみ
に接続すると、レギュレータはVCCとLDO間に配置され
た30Ω以下のスイッチとして働きます。
EN(ピン5):補助LDO/電源スイッチ・イネーブル・ピ
ン。コントローラからこのピンにロジック“H”を印加す
る と 、 補 助 LDO出 力 が イ ネ ー ブ ル さ れ ま す 。 LDOが
ディスエーブルされると、LDO出力はフロートするか
負荷によってグランドにプルダウンされます。フロート
状態のままの場合、ENピンは内部1µA電流源によって
GNDにプルダウンされます。
LDO(ピン17):LDO出力ピン。このピンは4.3V LDO動
作では、FBピンに接続しておきます。4.3V LDO出力は
VCCが5V(またはそれ以上)のときにのみ使用できます。
VCC=3Vのときには使用できません。FBピンが接地さ
れるかフロートしたままの場合、LDO出力は30Ω以下の
パワー・スイッチとしても使用できます。レギュレータ
として使用するときは、LDOを3.3µF以上のコンデンサ
でGNDにバイパスしなければなりません。LDO出力電
流は利用可能なVCC電流から差し引かれます。
FB(ピン6):補助LDO帰還ピン。FBがLDOピン(ピン
17)に接続されると、LDO出力は4.3V(標準)に安定化さ
れます。FBピンをオープンしたままにするかグランド
ブロック図
VBATT
+
0.1µF
CIN
10µF
C1+
C1–
VIN
VCC
M1
STEP-UP/
STEP-DOWN
CHARGE PUMP
DC/DC
CONVERTER
M0
3V
VCC
COUT
10µF
SS
DVCC
VCC
RIN
RST
CIN
CLK
RST
CONTROLLER
SIM
20k
CLK
10k
DATA
I/O
I/O
1µA
OPTIONAL
DDRV
GND
GND
EN
1µA
1.23V
FB
153k
–
GND
+
LDO
4.3V
+
61k
LTC1555/LTC1556
LTC1556 ONLY
1555/56 BD
6
CLDO
10µF
FREQUENCY
SYNTHESIZER
POWER
LTC1555/LTC1556
アプリケーション情報
コンデンサの選択
LTC1555/LTC1556は、3Vコントローラ(たとえば、GSM
セルラー電話コントローラ、スマート・カード・リーダな
最 良 の 性 能 を 実 現 す る に は 、 CINと COUT に 低 ESR
ど)が5V SIMまたはスマート・カードと通信するのに必
(< 0.5Ω)のコンデンサを使用して、ノイズやリップルを
要な2つの基本機能を実行します。これらのデバイスは、
低減してください。CINおよびCOUTコンデンサは、セラ
SIM用の安定化5V VCC電源を生成し、SIMとコントロー
ミックまたはタンタルの容量が10µF以上のものでなけ
ラ間で通信を行うためのレベル変換器を提供します。
ればなりません(セラミック・コンデンサでは出力リップ
ルが最小になります)。入力ソース・インピーダンスが非
常に低い(< 0.5Ω)場合は、CINが必要ないこともありま
VCC電圧レギュレータ
す。COUTのサイズを22µF以上に増やすと、特に高いVIN
LTC1555/LTC1556のレギュレータ・セクション(ブロッ
電圧(8V以上)で出力電圧リップルが減少します。容量
ク図を参照)は、昇圧/降圧チャージ・ポンプDC/DCコン
が0.1µF∼0.22µFのフライング・コンデンサC1には、セラ
バータから成ります。チャージ・ポンプは安定化された
ミック・コンデンサが推奨されます。
VCC出力を維持しながら、広い入力電圧範囲(2.7V∼10V)
で動作することができます。VIN範囲が広いため、3V DC/
出力リップル
DCコンバータではなくバッテリ(必要に応じて)から直
接電源を供給することが可能です。VINが必要なVCC以下
LTC1555/LTC1556の通常の動作ではVCCピンに電圧リッ
のとき、デバイスはスイッチト・キャパシタ電圧ダブラ
プ ル が 生 じ ま す 。 出 力 電 圧 リ ッ プ ル は LTC1555/
として動作します。VINが VCCより高いと、デバイスは
LTC1556が安定化を行うのに必要です。センス・コンパ
ゲート制御スイッチ降圧コンバータとして動作します。
レータのヒステリシスおよびチャージ・ポンプ・イネーブ
いずれの場合も、電圧変換には1個の小型フライング・コ
ル/ディスエーブル回路の伝搬遅延のために、低周波数
ンデンサと出力コンデンサしか必要ありません。
リップルが存在します。また、主に出力コンデンサの
ESR
(等価直列抵抗)が原因で高周波数リップルも発生し
VCC出力は、M0およびM1モード・ピンにより5Vまたは3V
ます。最大負荷での標準出力リップル(VIN < 8V)は、低
にプログラムすることができます。この機能は5Vまたは
ESRの10µF出力コンデンサにより75mVP-Pに低減されま
3V SIMのどちらかが使用されるアプリケーションに役
す。VINが8Vを超える必要のあるアプリケーションで
立ちます。チャージ・ポンプVCCは、必要に応じてVINに直
は、最大リップルを75mVの範囲で維持するために、
接接続することもできます。チャージ・ポンプがシャッ
22µF以上のCOUTコンデンサが推奨されます。
トダウン(M0、M1=0)に入ると、VCCは内部スイッチを通
してGNDに引かれ、適切なシステム電源のシーケンシン
リップル電圧の大きさは、いくつかの要因に依存にしま
グを支援します。
す。入力電圧が高くなると、充電サイクルごとにCOUT
に供給される電荷が増えるため、出力リップルも増加し
ソフト・スタート機能は、立上げ時またはシャットダウ
ます。大きな容量のC1フライング・コンデンサ(> 0.22µF)
ン・モード解放時に突入電流を制限します。SSピンを
でも、同じ理由により昇圧モードでリップルが増加しま
GNDに接続すると、ソフト・スタート機能がイネーブル
す。出力電流が大きいかまたは出力コンデンサの容量が
されます。これによって、VINから流出する実効突入電流
小さい(< 10µF)あるいはその両方の場合は、出力電圧
を約25mA
(COUT=10µF)に制限します。突入電流制限は、
dV/dtが高くなるためリップルが増加します。出力ピン
LTC1555/LTC1556を3V DC/DC出力から立ち上げるとき
に高ESR(ESR > 0.5Ω)のコンデンサを使用すると、各ク
に特に有用です。これは無制限の突入電流が200mAに近
ロック・サイクルごとにVOUTに高周波電圧スパイクが発
づき、3V電源で過渡電圧を発生させる可能性があるため
生します。
です。ただし、高速ターンオン時間が要求されるケース
では、SSピンをDVCCに接続することによって、ソフト・ス
VCCピンの10µFセラミック・コンデンサにより、ほとん
タート機能を無効にすることができます。
どすべてのアプリケーションにおいて、出力電圧リップ
ルが許容レベルに収まります。ただし、リップルをさら
7
LTC1555/LTC1556
アプリケーション情報
に低減する方法がいくつかあります。大容量COUTコンデ
ンサ(22µF以上)を使用すれば、大容量(ケース・サイズが
大きい)コンデンサで一般的な低COUT充電・放電dV/dtと
低ESRによって、低周波および高周波リップルが低減さ
れます。低ESRのセラミック出力コンデンサによって高
周波リップルが低減されますが、容量を高く(10µF以上)
しないと、低周波リップルは低減されません。低周波およ
び高周波リップルを低減するため妥当な方法は、VOUTの
1µF∼3.3µFセラミック・コンデンサと並列に10µF∼22µF
のタンタル・コンデンサを使用することです。RCフィル
タを使用して、高周波電圧スパイクを低減することもで
きます(図1を参照)。
VCC
+
15µF
TANTALUM
レベル変換器
SIM
VCC
1µF
CERAMIC
LTC1555/
LTC1556
VCC
2Ω
10µF
数百msを要することがあります。迅速かつ適切なVCCの
シャットダウンを保証するためには、
DVCC電源をシャット
ダウンする前に、
必ずM0ピンとM1ピンを強制的にロジッ
ク
“L”
状態にしてください
(図2を参照)
。
同様に、
シャットダ
ウンから解放するときは、
DVCC電源を有効なレベルにして
から、
M0ピンとM1ピンが
“H”
になるようにします。
これは、
必要に応じてM0およびM1からGNDにプルダウン抵抗を接
続して行うことができます。
(注:デートコードが古いデバ
イスでは、VINがアクティブな状態でDVCC電源をシャット
ダウンすることは推奨されていません。
DVCC電源のシャッ
トダウンが認められている有効なデートコードについて
は、
弊社にお問い合わせください。
)
SIM
VCC
10µF
LT1555/56 F01
図1 VCC出力リップル低減方法
DVCC電源のシャットダウン
電力を節約するために、
VIN電源がアクティブになっている
間に、DVCC電源をシャットダウンすることができます。
DVCC電源が0Vになると、
M0およびM1ピンの電圧に関係な
く、弱い内部電流によってLTC1555/LTC1556が強制的に
シャットダウン・モード入ります。
ただし、
電源をシャット
ダウンしたときにM0ピンとM1ピンがフロートしていた場
合、
これらのデバイスが完全にシャットダウンするまでに
SIMおよびスマート・カードはすべて、クロック入力、リ
セット入力、および双方向データ入出力を備えています。
LTC1555/LTC1556はコントローラとSIMの通信を可能に
するレベル変換器を備えています(図3a、3bを参照)。SIM
のCLKおよびRST入力は、コントローラの電源レール
(DVCCおよびGND)からSIM電源レール(VCCおよびGND)
にレベル・シフトされます。
SIMへのデータ入力は2種類の
方法で提供できます。その1つはDATAピンを双方向レベ
ル変換器として使用することです。この構成はコント
ローラ・データ出力ピンがオープン・ドレインの場合にの
み可能です
(すべてのSIM I/Oピンがオープン・ドレイン)
。
LTC1555/LTC1556
CLK TO SIM
CIN
CLK
RST TO SIM
RIN
RST
DATA TO/FROM SIM
CONTROLLER
SIDE
DATA
I/O
DDRV
VCC
DVCC
SIM SIDE
1555/56 F3a
DVCC
図3a コントローラDATAピンで双方向転送を
行うレベル変換器の接続
M0
0V
DVCC
LTC1555/LTC1556
M1
0V
CLK TO SIM
CIN
CLK
DVCC
RST TO SIM
RIN
RST
0V
DATA FROM SIM
DATA
I/O
DATA TO SIM
DDRV
VCC
DVCC
VCC
CONTROLLER
SIDE
VCC
0V
DVCC
SIM SIDE
1555/56 F3b
1555/56 F02
図2 推奨されるDVCCのシャットダウンおよび起動タイミング
8
図3b コントローラ側で片方向DATAフローを
行うためのレベル変換器の接続
LTC1555/LTC1556
アプリケーション情報
SIMサイドのDATAピンとI/Oピンには、
内部プルアップ抵
抗があります。もう1つの方法は、DDRVピンを使用して
SIMにデータを送り、DATAピンを使用してSIMからデー
タを受信することです。DDRVピンを使用しないときに
は、
フロートさせるかDVCCに接続しておきます。
DVCC > VCCの場合のレベル変換
これらのデバイスのほとんどのアプリケーションがVCC以
下のコントローラ電源電圧
(DVCC)
を使用するものと想定
されます。
DVCCが0.6V程度以上VCCより高い場合、
デバイス
の動作は以下のような影響を受けます:1)
DATAプルアップ
抵抗、
Nチャネル・パス・デバイス、
およびI/Oプルアップ抵抗
を通してDVCCからVCCに小さなDC電流
(最大100µA)
が流れ
ます
(パス・デバイスがターンオフしてDVCCがVCCから切り
離されるシャットダウン時を除きます)。VCC負荷電流が
DVCC電流より少ない場合、
十分な負荷電流が流れてVCCが
安定化状態に復帰するまで、
VCC出力が非安定化状態になる
可能性があります。
2)
SIMがコントローラにデータを送り返
しているときには、
I/Oピンにロジック
“H”
があると、
DATA
ピンがDVCCではなく[VCC+1/3
(DVCC−VCC)
]までプルアッ
SIMサ
プされます。
たとえば、
DVCCが5VでVCCが3Vの場合、
イドからデータを受信するとき、
DATAピンは約0.1Vから
3.67Vまでしか振幅しません。
オプションのLDO出力
LTC1556は低電力外部回路(たとえば、周波数シンセサイ
ザなど)に、低ノイズ昇圧電源電圧を供給するための内部
LDOレギュレータも内蔵しています。FBピンをLDOピン
に接続すると、
LDO出力に安定化された4.3Vを出力します
(図4を参照)
。
出力を安定させるために3.3µF
(最小)
コンデ
ンサが必要ですがLDOでの出力ノイズを抑えるために、
10µFの低ESRのコンデンサが推奨されます。LDO出力は
VCCへの補助スイッチとしても使用できます。
FBピンがフ
ロートしたままかGNDに接続されている場合、LDOピン
はPチャネル・パス・デバイスを通して、内部でVCC出力に
接続されます。
LDOはENピンをDVCCからGNDに切り替え
ることによって、
いつでもディスエーブルすることができ
(またはそれ以上)
のときに
ます。
4.3V LDO出力はVCCが5V
のみ使用できます。
VCC=3Vのときには使用できません。
EN
OFF
ON
1µA
VREF
FB 153k
–
+
VCC = 5V
LDO
61k
4.3V
+
ILDO
0mA to
10mA
10µF
TANT
1555/56 F04
図4 補助LDO接続(LTC1556のみ)
10kV ESD保護
SIM(CLK、RST、I/O、VCC、GND)に接続されるピンはすべ
て、10kV以上の人体モデル(100pF/1.5kΩ)ESDに耐えま
す。適切なESD保護を行うために、慎重なボード・レイア
ウトが必要です。GNDピンは直接GNDプレーンに接続し
なければなりません。VCCコンデンサはVCCピンのすぐ近
くに配置し、GNDプレーンに直結してください。
9
LTC1555/LTC1556
パッケージ
寸法は特に指定がない限りinch(mm)
GNパッケージ
16リード・プラスチックSSOP(細型0.150)
(LTC DWG # 05-08-1641)
0.189 – 0.196*
(4.801 – 4.978)
16 15 14 13 12 11 10 9
0.229 – 0.244
(5.817 – 6.198)
0.150 – 0.157**
(3.810 – 3.988)
1
0.015 ± 0.004
× 45°
(0.38 ± 0.10)
0.007 – 0.0098
(0.178 – 0.249)
4
5 6
7
8
0.004 – 0.0098
(0.102 – 0.249)
0° – 8° TYP
0.016 – 0.050
(0.406 – 1.270)
* DIMENSION DOES NOT INCLUDE MOLD FLASH. MOLD FLASH
SHALL NOT EXCEED 0.006" (0.152mm) PER SIDE
** DIMENSION DOES NOT INCLUDE INTERLEAD FLASH. INTERLEAD
FLASH SHALL NOT EXCEED 0.010" (0.254mm) PER SIDE
10
0.053 – 0.068
(1.351 – 1.727)
2 3
0.008 – 0.012
(0.203 – 0.305)
0.025
(0.635)
BSC
GN16 (SSOP) 1197
LTC1555/LTC1556
パッケージ
寸法は特に指定がない限りinch(mm)
GNパッケージ
20リード・プラスチックSSOP(細型0.150)
(LTC DWG # 05-08-1641)
0.337 – 0.344*
(8.560 – 8.737)
20 19 18 17 16 15 14 13 12 11
0.229 – 0.244
(5.817 – 6.198)
0.150 – 0.157**
(3.810 – 3.988)
1
0.015 ± 0.004
× 45°
(0.38 ± 0.10)
0.007 – 0.0098
(0.178 – 0.249)
2 3
4
5 6
7
8
0.053 – 0.068
(1.351 – 1.727)
9 10
0.004 – 0.0098
(0.102 – 0.249)
0° – 8° TYP
0.016 – 0.050
(0.406 – 1.270)
0.008 – 0.012
(0.203 – 0.305)
0.025
(0.635)
BSC
* DIMENSION DOES NOT INCLUDE MOLD FLASH. MOLD FLASH
SHALL NOT EXCEED 0.006" (0.152mm) PER SIDE
** DIMENSION DOES NOT INCLUDE INTERLEAD FLASH. INTERLEAD
FLASH SHALL NOT EXCEED 0.010" (0.254mm) PER SIDE
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼でき
るものでありますが、その使用に関する責務は一切負いません。また、ここに記載
された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。
GN20 (SSOP) 1197
11
LTC1555/LTC1556
標準的応用例
補助電源付きSIMインタフェース
+
10µF
3V GSM
CONTROLLER
3V
2
3
4
5
6
VCC
VIN
2.7V TO 10V
LTC1556
1
7
8
9
10
CIN
CLK
RIN
RST
DATA
I/O
CLK
19
RST
18
I/O
17
LDO
EN
VCC
FB
VIN
DVCC
C1 +
14
SS
C1 –
13
M1
GND
GND
SIM
20
DDRV
M0
4.3V
50mA
AUXILIARY LDO/POWER SWITCH
(FREQUENCY SYNTHESIZER)
16
VCC
5V ± 5%
IVCC ≤ 10mA
15
0.1µF
10µF
+
12
10µF
11
GND
1555/56 TA02
関連製品
製品番号
説明
注釈
LTC1514-3.3/LTC1514-5 安定化昇降圧チャージポンプ、低バッテリ・コンパレータ付き
3.3Vまたは5V出力バージョン
LTC1515 Series
安定化昇降圧チャージポンプ、リセット出力付き
可変、3V/5V、3.3V/5Vバージョン
LTC1516
マイクロパワー安定化5VチャージポンプDC/DCコンバータ
IOUT=20mA
(VIN ≥ 2V)、IOUT=50mA(VIN ≥ 3V)
LTC1517-5
マイクロパワー安定化5VチャージポンプDC/DCコンバータ
シャットダウンなしのLTC1522、
SOT-23パッケージ
LTC1522
マイクロパワー安定化5VチャージポンプDC/DCコンバータ
IOUT=20mA
(VIN ≥ 3V)、IQ=6µA
LTC1550-4.1
低ノイズ、チャージポンプ電圧インバータ
900kHz時リップルが1mVP-P
LTC660
100mAチャージポンプDC/DCコンバータ
5Vから−5V、100mA
12
リニアテクノロジー株式会社
〒162-0814 東京都新宿区新小川町1-14 NAOビル5F
TEL 03-3267-7891• FAX 03-3267-8510 • www.linear-tech.com
0698 0.5K • PRINTED IN JAPAN
 LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 1997
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