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日本人の特質と生活

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日本人の特質と生活
第 39 講
日本人の特質と生活
日本人の特質と生活 ④
解説 和
哲郎の『風土』による文明の3類型は、東アジア・東南アジアの「モンスーン型」、 西アジア・アフリカの「砂(沙)漠型」、西欧の「牧場型」に分けられる。 ③ 解説 モンスーン型はわれわれの日本を含む東アジア・東南アジアに見られる特徴である。そこで
の自然は気まぐれで、豊かな恵みを与えてくれる一方、猛威・暴威をふるうこともある。 これに対してヨーロッパに見られる牧場型は、自然は穏やかで安定的に応えてくれるため、
人びとは自然の規則性にあわせて農耕・牧畜を営み、合理的・計画的な思考を発達させる。 ①厳しい環境の沙漠型では、強い力をもつ一神教の宗教が生まれやすいため、「汎神論が発
達」というのは間違いである。 ②「情を克服する悟り」とあるが、悟りとは情を克服するものではない。すべてのものを受 け入れるという受容的なものである。 ④沙漠型の内容と、モンスーン型の内容が逆になっている。 ② 解説 八百万の神々は、恵みも災いももたらす存在で、不可思議で畏怖するものである。江戸時代
の国学者本居宣長は、古代日本人にとっての神を「世にもすぐれて畏(おそ)るべきもの」
と述べている。 ①③④はすべてヨーロッパ的な思想である。 1
第 39 講
日本人の特質と生活
③ 解説 古代日本人が理想とした、清らかで神をあざむくことのない心のあり方を「清明心(清き明
き心・赤心)」という。これに対して、共同体の秩序を乱す利己心は「きたなき心(濁心・
邪心)」「くらき心」「黒心」といわれる。 ② 解説 日本において祭祀に奉仕する者は、穢れを取り去るために ①禊や③祓を行う。神社にお参
りする際に手などを水で清めるという行為をした経験を持つ人も多いだろう。 ④は問4でも扱った「清明心(清き明き心)」の内容である。 古代の日本では祭政一致であったので、聖職者が政治から排除されるというのが誤りである。 a=② b=④ 解説 a 伊邪那岐命は、妻であった伊邪那美命が亡くなったあと、死者の国である「黄泉国」へと 追っていった。 ①常世国(とこよのくに)は、海の彼方にあるという理想の世界。 ③高天原(たかまがはら)は、天照大神が支配する神々の世界。 ④葦原中国(あしはらのなかつくに)は、人間が住む場所で、伊邪那岐命と伊邪那美命が生
んだとされる世界。 b 「他界から日本に渡ってきた鬼」から「もらえる限りの宝を受け取った」と書いてあるので、 ここでいう「福」は鬼が他界から運んできたものであると分かる。 ①「この世にある豊かさ」ではなく、鬼が他界から運んでくるものである。 ②「見せかけの宝」という記述は見られない。 ③「村の豊かさ」という全体的な利益という記述は見られず、あくまでも女性の個人的な もの(福・宝)である。 2
第 39 講
日本人の特質と生活
① 解説 『古事記』によれば、イザナギ命(男神)とイザナミ命(女神)が葦原中国(地上の世界) に降りて日本(島・海・山・風など)をつくったとされる。 ②「宇宙と万物を創造」というのは、ユダヤ教やキリスト教の考えである。 ③伊邪那岐命、伊邪那美命は「超越的な力」をもつ神とはされていない。 ④「原初の人間」とはアダムとイヴに近いだろう。 ④ 解説 問5でも扱った禊や祓は、身に付着した穢れを取り除くものであり、災厄は共同体の外部か
らふりかかるものとされていた。 ①は、祟りを避けるための祭祀の説明文である。 ②「戒律」に従うという概念は神道にはない。 ③「罪を告白し、悔い改める」というのはキリスト教の考えである。 3
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