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緑 柏 - 長崎県立佐世保南高等学校
平成26年度 学校だより 緑 柏 校長室の窓から 長崎県立佐世保南高等学校 No.116 平成26年11月28日発行 発行責任者 宮内 博己 努 力 の上 に花 が咲 く 校長 宮内博己 § 魔法のツールがほしい 高校時代のこと。古文の授業で、「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」という歌が 取り上げられた。人の心を妙にザワザワとさせる桜の魅力を詠んだ在原業平の名歌であるが、休み時間に友人 ざ が戯れた。「世の中に 絶えて試験のなかりせば 僕の心はのどけからまし」。確かに定期考査前で心穏やかで はなかった。「~せば ~まし」は反実仮想の表現技法と習ったこともどこへやら、皆、爆笑した。 ところで、南高生の多くが四年制大学をはじめとする上級学校への進学を希望し、部活動では優勝あるいは 金賞、最優秀賞を目指して日々よく努力している。その一方で、合格も優勝も、全くもって容易でないことも 理解していよう。まずは、自分に打ち克つこと、即ち、克己である。それを乗り越え、ベストパフォーマンス を発揮したつもりでも、競争相手がいての勝負である。加えて、その時々の運といおうか、巡り合わせという べきか、そうした他力本願的な要素もからんでくる。 だからこそ、合格とか勝利とかいった夢が必ず実現するツールがあればと、身勝手なことをついつい考えて しまう。ドラえもんと暮らすのび太や、阿笠博士を協力者にもつ江戸川コナンが羨ましい。ハリー・ポッター の魔法の杖や呪文もほしい。何でも思い通りになり、相手だってやっつけられる。だが、所詮これらはアニメ や映画での話、フィクションである。科学や情報通信技術は日進月歩で進化しているが、合格や勝利のために は、いつの時代もコツコツと地道に努力するしかなさそうである。 § 雨垂れ石を穿つ あまだれ うが 継続は力なりという。中国の歴史書『漢書』枚乗伝には「泰山之霤穿石」(泰山の 霤 、石を穿つ)、仏 ゆいきょうぎょう 典の『遺 教 経 』には「小水長流 則能穿石」(小水の長く流れて、即ちよく石を穿つ)と出てくる。成句 したた の「雨垂れ石を穿つ」 「小水石を穿つ」はこれらに由来する。雨水のような少しの水の 滴 りでもやがて固い あな 石にさえ孔を開けてしまうように、根気よく続けていけば、いつか必ず物事を成し遂げられると説く。西洋の 諺にも、Constant dripping wears away the stone. とあるそうだ。 もう少し具体的に、地道な努力をどうすればよいか。これも故きを温ねると、中国・清朝末期の政治家で文 こううん 人の曾國藩は、 「莫問収穫 但問耕耘」 (収穫を問うなかれ、ただ耕耘を問うのみ)と語っている。耕耘とは、 田畑を耕し草を抜くことである。基礎・基本となることを疎かにせず、今やるべきことに誠実に取り組めと教 あんえい えられる。晏嬰(中国・春秋時代の斉の名宰相)の「不問収穫 只問耕耘」も同意語である。 § ただひたすらに 学問に王道はない。勝利にも完璧な方程式などない。努力した者が必ず成功するとは限らないが、成功した 者は必ず努力している。それも、愚直に、ただひたすらに、である。 努力の上に花が咲く。努力の上に咲いた花なれば、待ち遠しくはあっても、風や雨ごときで簡単に散るはず がない。のどけし春を、桜を見上げながら迎えたい。 ○第2回「スクールカウンセラーによる講話」 11月12日(水) 、スクールカウンセラーの冨﨑朋子先生による今年度2回目の講話が行われました。 今回は、1・2年生と3年生を分けて、1・2年生は「アサーションを知り、学校生活に活用しよう!」 、 3年生は「受験期のストレスと上手に付き合おう!」というテーマで行われました。 1・2年生対象の講話では、よりよい人間関係を築くため自分も他人も大切にした表現方法「アサーション」 について学習しました。講師の先生の説明のあと、先生方の「寸劇」 、 「アサーションチェックシート」の記入 を通じて、学校生活や社会における円滑なコミュニケーションの活用方法を学びました。 3年生対象の講話では、ストレスに強くなり元気に受験に取り組めるよう、心の健康を保つ方法やストレス 対応のポイントについて学び、ストレスへの対処法(リラックス法)も紹介してもらいました。 〈講演の様子〉 〈先生方の寸劇〉 〈チェックシートへの記入〉 ○「後期生徒総会」の開催 11月5日(水) 、後期生徒総会が開催され、各委員会の委員長が後期の活動方針を報告したあと、事前に 生徒から出されていた要望等についての回答がなされました。 今年度の生徒会執行部が掲げる「自主性」に基づいて、それぞれの委員会の立場から建設的な意見が提案さ れ、また、質疑応答の場面ではこれからの部活動や同好会の在り方についての熱い意見が出されるなど、南高 生が自分自身の日常を振り返り、学校生活をさらに改善していこうとする有意義な総会となりました。 今後、各委員会の具体的活動を通じて、生徒にとってより過ごしやすく快適な環境づくりが整備されていく ことになりますが、一人ひとりが協調性や奉仕の心を大切にしつつ充実した高校生活の実現に向けて取り組ん でいって欲しいと願っています。 ○「情報モラル講習会」の実施 10月29日(水) 、全校生徒を対象に「情報モラル講習会」 が実施されました。NTTドコモ九州支社からケータイ安全教 室インストラクターを講師にお迎えし、プレゼンテーション形 式で、携帯電話やスマートフォンをめぐるトラブル事例やその 回避方法など、情報社会に生きる若者たちに必要な知識や心得 をわかりやすく具体的に説明していただきました。 生徒たちにとって「情報モラル」について改めてしっかりと 考える良い機会となりました。 ○芸術鑑賞会で『エディ』に感動! 10月27日(月) 、本校体育館で芸術鑑賞会が開かれました。 今年度は、世界チャンピオン井岡と名トレーナーのエディ・タウ ンゼントとのボクシングを通して夢・挫折・友情・人間愛を描いた 劇団イングによる『エディ』を鑑賞しました。 臨場感あふれるリアルな動き、笑いあり涙あり、そして心にジー ンと響くたくさんのメッセージをいただきました。 瞳を閉じると、今でもエディさんの声が聞こえます。 「OK! BOY。YOUのガッツ、見せてよ・・」 ~ 初めてプロの演劇を見た1年生にインタビュー ~ Q「舞台を見た感想は?」 *井岡選手役の人も本物のボクサーかと思ってしまうほどの動きをしていて鳥肌が立った。正直、こんなに 泣くとは思っていなかった。最初から最後まで泣いてばかりだった。 *エディさんの言葉に動かされて変化していく一人ひとりの登場人物を見ていると、私自身の心が何度も動 かされ、泣いたり笑ったりと、あっという間の2時間だった。 *「チャンピオンになる者となれない者の差はすぐくっつく」という言葉が特に心に残っている。私も最初 から何かを諦めない人間になりたいと思った。 Q「エディさんの印象は?」 *自分の命より教え子のために時間を使う愛の力が半端ない。人のいい所を見つける力が本当に凄い! *とにかく褒めまくる。試合に負けた選手にも「Youは凄い」 「最高だ」と声をかける姿が印象に残る。 *エディさんの指導を受けた全ての選手が、自分がエディさんに最も愛されていたと感じている。これが一 番凄いなと思った。 Q「劇団イングの印象は?」 *役者さんたちの魂のこもった演技を見て、全力で伝えれば全力で伝わるんだなと思った。 *声の大きさ、発音、トーン、スピード、表情、間の取り方など、何もかもが完璧で本物だった。 *エディさんが亡くなった1988年からこれまで1,791回も講演が続けられており、 彼に対する熱い思 を持った劇団だと感動した。 ○「夕夏文庫」贈呈式 闘病の末、今年4月に天に召された福田夕夏さん(平成25年4月入学)のご両親様から、絵本や詩集、小 説、写真集などが南高生に寄贈され、10月30日(木)に本校図書館で贈呈式が行われました。 式の中で、夕夏さんのご両親は、 「南高生の皆さんがこれから 様々な壁と出会う時、皆さんの心にそっと寄り添い、一歩踏み出 す勇気を与える存在に夕夏文庫がなることを願っています」と話 されました。その一言一言に、夕夏さんと南高生への深い愛情が 感じられ、涙とともに温かい想いがあふれました。 最後に、生徒を代表して松尾さやかさん(2年3組)は、 「夕夏 さんとご両親の南高への愛をしっかりと受け止めて、夕夏文庫を 大切にしていきます」とお礼を述べました。 この贈呈式後、図書館への来館者数が増えていることは嬉しい 限りです。夕夏文庫から勇気と元気をもらいましょう。 ○「美化コンクール」の実施 11月4日(火)~7日(金)の4日間、 《気持ちよく学び、過ごせる最適空間づくり》のテーマのもと、 第2回校内美化コンクールが行われました。今回は、 「マニュアルどおり掃除を行っているか」という点も評 価対象にしました。結果は以下の通りですが、生活美化委員長の谷口利穂奈さん(2年4組)は、 「南高をき れいにするのは私たち南高生です。これからも掃除を頑張っていきましょう」と話していました。 <教室部門> 順位 1位 2位 3位 4位 5位 クラス 3年3組 1年5組 1年6組 2年4組 3年1組 1年2組 <トイレ部門> 得点 88点 87点 86点 84点 83点 順位 1位 2位 3位 クラス(担当箇所) 得点 3年5組(前館西3F女子トイレ) 99点 2年2組(後館西3F女子トイレ) 90点 1年2組(前館西1F男子トイレ) 89点 ◎ 部活動結果報告(11 月) ~ 女子バスケ部、男子バレー部が県3位 ~ 【全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会 県予選】 女子バスケットボール部 … 第3位(本校初) 【全日本バレーボール高等学校選手権大会 県予選】 男子バレーボール部 … 第3位 【全国高等学校駅伝競走大会 県予選】 男子陸上部 … 32位 11月は「ウインターカップ」 「春高バレー」 「都大路」 など全国大会の県予選の季節でもありました。 有力校はじめ多くの高校が3年生も出場した中、本校 は1・2年生のチームで挑み、女子バスケット部と男子 バレー部がともに3位、男子駅伝が32位でした。 特に女子バスケット部は、準決勝で優勝した長崎西に敗れたものの、この大会で本校初の3位という快挙を 成し遂げました。また、男子陸上部(駅伝)は全員2年生で7区間のタスキリレーに挑み、昨年より5分20 秒短縮し、順位も7つ上げて46校中32位となりました。最長距離の1区で井上文成君が24位で頑張り、 6区の中塚創亮君は区間15位と大健闘でした。 1~2月には各部の県新人大会が行われます。今大会を上回る好結果を出してくれると確信しています。 《 12月行事予定 》 1日(月) 6日(土) (土) 7日(日) 8日(月) 10日(水) 13日(土) 3年三者面談(~8日) Sプロ(1・2年) センタープレテスト(3年) センタープレテスト(3年) 2年修学旅行振休 2年修学旅行(~13日) Sプロ(1・3年) 16日(火) 1・2年三者面談(~19日) 20日(土) 県下一斉実力テスト(1・2年) Sプロ(3年) 24日(水) 全校集会 25日(木) 全学年冬季補習(~26日) 27日(土) Sプロ(全学年) 28日(日) 3年センタープレテスト(~29日)