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平成24年度
地方消費者グループフォーラム
(中部ブロック)
消費者庁 配布資料
資料1
資料2
一覧
平成25年度予算案の概要・機構定員要求
平成24年度補正予算案の概要
(地方消費者行政活性化基金の上積み)
…P 1
…P 9
資料3
地方消費者行政の充実・強化のための指針
…P11
資料4
消費者教育の推進法に関する法律
…P13
資料5
事故等原因調査等の申出制度について
(消費者安全法の一部を改正する法律)
…P31
資料6
特定商取引法の一部を改正する法律
…P35
資料7
集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案について
…P37
資料8
食品表示一元化法案の概要について
…P43
資料9
東日本大震災への対応について
…P45
(概要、専門家派遣、リスコミの取組、検査機器貸与事業)
(添付資料)
食品と放射能 Q&A
食べものと放射性物質のはなし
消費者庁資料1
消費者庁 平成25年度予算案の概要・機構定員要求の結果について
平 成 25年 1月 29日
消
費
者
庁
1.概要
<予算>
○全国の地方消費者行政を一層強力に支援していくことは、消費者庁の最重要課題。
「地方消費者行政活性化基金」について、平成24年度補正予算において60億円の上
積みが措置されたところ、平成25年度当初予算においても5億円の上積みを行い、暮
らしの安心のための先駆的なテーマに国と地方が協力して取り組む新たな形の事業を
実施する。
○東日本大震災の被災地における消費サイドの放射性物質検査体制を一層強化すると
ともに、食品と放射能に関するリスクコミュニケーションの全国展開を進め、被災地産
品に対する風評被害の払拭を図る。
○消費者教育の総合的・一体的な推進や高齢消費者のトラブル防止を図り、また、消費
者事故調査体制を確立し、公共料金・物価対策を推進するなど、消費者利益の確保、
消費者の財産被害の防止、生命・身体に関する安全対策、法執行等を更に推進する。
○予算額は、一般会計と東日本大震災復興特別会計(復興庁一括計上)の合計で92.5
億円(平成24年度予算(93.4億円)比1.0%減)、一般会計のみで85.0億円(平成
24年度一般会計予算(88.7億円)比4.2%減)。
<機構定員>
○昨年9月の概算要求において、平成25年度中の国民生活センターの国への移行を想
定し、これに伴う121人の増員を要求していた。新政権発足後、平成25年度中の国へ
の移行は行わない(国民生活センターの在り方については、国への移行も含め、あら
ゆる選択肢を排除せず引き続き検討する)との方針の下、これらの増員については、
平成25年度要求としては取下げ。
○一方、改正消費者安全法(25年4月施行)に基づく財産分野の「すき間事案」に関する
法執行(悪質事業者の調査・処分等)、消費税転嫁対策、消費者教育推進法の施行に
伴う体制整備等を措置。
○消費者庁の総定員について、今年度比10人増(増員22人、減員12人)を確保。
(消費者庁定員:24年度末279人 → 25年度末289人)
2.予算案のポイント
注: ☆ …東日本大震災復興特別会計(復興庁に一括計上)
( )内は今年度予算額
○国と地方のコラボレーションによる先駆的プログラムの実施
(「地方消費者行政活性化基金」の上積み)
500百万円 (新規)
「地方消費者行政活性化基金」の仕組みを活用し、国から先駆的なテーマを提案して、地方自治
体と連携して実施する新たな形の事業を実施。国からの提案事業であることに鑑み、基金の通常ル
ールである取崩し限度額(基金を含めた自治体の消費者行政予算全体の2分の1)の対象外とす
る。国から提案する政策テーマとしては、風評被害の防止、消費者と事業者との協働支援(安全な
商品の企画、食品ロスの削減)、金融分野を中心とした体系立った消費者教育の展開、悪質事業者
の撃退、適格消費者団体設立の促進などを想定。
○被災4県の消費者行政への支援 (「地方消費者行政活性化基金」の上積み)
729百万円☆ (364百万円☆)
被災4県(岩手・宮城・福島・茨城)の「地方消費者行政活性化基金」については、震災・原発事故
を受けた緊急対応(食品等の放射性物質検査、食の安全性等に関する消費生活相談対応等)に活
用するため、復興特別会計による上積みが措置されているところ。平成25年度については、24年
度に比べ2倍を超える大幅な増額を確保し、被災地の復興を強力に支援する。
○食品と放射能に関するリスクコミュニケーション
47百万円※ (26百万円☆)
※被災地実施分(19百万円)については復興特別会計、それ以外の実施分(28百万円)については一般会計に計上
食品と放射能に関する消費者の理解を広げるために、リスクコミュニケーションを全国各地で強力
に展開すべく、今年度の2倍近い予算額を確保。新規事業として、栄養士、相談員、地方自治体の
衛生担当者等を対象に、各地域でのリスクコミュニケーションの推進者を養成するための研修会を
開催する。また、引き続き、各省連携シンポジウムや、地域の消費者団体との連携による開催に加
え、特に子育て世代の参加が容易となるような形でのリスクコミュニケーションの実施に取り組む。
○消費者教育の総合的・一体的推進のための施策の展開
45百万円 (45百万円)
「消費者教育の推進に関する法律」の施行(24年12月)を踏まえ、同法に基づき新たに消費者
庁に設置された「消費者教育推進会議」を、地域と連携しつつ全国のブロック単位で開催。また、消
費者教育の対象領域及びライフステージごとに対応した消費者教育用副教材を、関係省庁と連携
しつつ他の関連する教育も踏まえ作成するなど、更なる消費者教育の充実強化を図る。
2
○「消費者安全調査委員会」による事故調査体制の確立
164百万円 (85百万円)
「消費者安全法の一部を改正する法律」の施行(24年10月)により、専門家による独立・公正な
事故調査機関として「消費者安全調査委員会」が発足した。25年度については、事故調査のため
の予算を平年度化し(24年度については半年度分)、生命・身体分野の消費者事故等について幅
広く、事故原因の究明と再発・拡大防止のための提言を行うための体制を確立・強化する。
○「物価モニター制度」の創設・「公共料金に関する研究会」の開催
45百万円(16百万円)
消費税率の引上げによる影響等を含め、生活関連物資等の価格動向を正確・迅速に把握し、消
費者への適切な情報提供を行うため、「物価モニター制度」を創設する。また、公共料金決定過程
の透明性、消費者参画の機会確保などを検討するため、有識者や消費者団体関係者からなる「公
共料金に関する研究会」を継続的に開催する。
3.機構・定員要求の結果
<機構>
○表示対策課に食品表示対策室を設置 〔内閣府令〕
現在、食品表示課と表示対策課に分かれている食品表示に関する法執行権限を一元的に運用。
<定員>
○22人増員 (通常増員2人、恒久定員増員10人、時限付増員10人)
○12人減員 (通常合理化減2人、追加削減(時限付定員)10人)
→差引き10人増 (平成24年度 279人 → 平成25年度 289人)
〔増員の内訳〕 財産被害対策室 10人、消費税転嫁対策 4人、消費者教育 2人、
消費者政策調査(白書等) 3人
3
等
別紙1
平成25年度消費者庁予算案(内訳)
(単位:百万円 )
24年度
予算額
25年度
予算額
110
91
△ 19
○越境消費者トラブルへの対応
47
59
12
○消費者の財産被害に関する情報の集約・分析・対応
63
54
△ 9
○高齢消費者の二次被害防止モデル事業
-
26
26
○消費生活に関する制度の企画・立案・推進
64
59
△ 5
○公益通報者保護の推進
24
19
△ 5
○個人情報保護の推進
30
26
△ 4
○消費者に対する教育・普及啓発の企画・立案・推進
75
47
△ 28
○物価対策の推進
16
45
29
○地方消費者政策の推進(「基金」上積み以外)
204
144
△ 60
○国と地方の連携による先駆的プログラム(「基金」上積み)
500
500
0
16
7
△ 9
179
96
△ 83
70
133
63
○消費者取引対策の推進
278
239
△ 39
○消費者表示対策の推進
106
96
△ 10
○食品表示対策の推進
195
153
△ 42
26
47
21
364
729
365
○国民生活センター運営費交付金
2,814
2,687
△ 127
○消費者庁人件費
2,312
2,297
△ 15
○消費者庁一般行政経費
1,764
1,695
△ 69
2,832
6,035
471
2,802
5,701
749
△ 30
△ 334
278
9,338
9,252
△ 86
8,868
8,503
△ 365
項 目 別
比較
増減額
【消費者庁政策費】
○消費者行政の企画立案
○消費者安全に関する啓発の推進
○消費者の安全確保のための施策の推進
○消費者事故調査等の推進
【復興特別会計】
○食品と放射能に関するリスクコミュニケーション
※被災地実施分(19百万円)については復興特別会計、それ以外の実施分(28百万円)については一般会計に計上
○被災4県の消費者行政への支援(「基金」上積み)
【その他】
消費者庁合計額
(※復興庁一括計上分を含む)
義務的経費
裁量的経費
東日本大震災復興特別会計
合計(一般会計+復興特別会計)
(うち一般会計)
4
平成24年度補正予算案
別紙2
消費者庁
平成25年度予算案について
「地方消費者行政活性化基金」
平成25年度概算要求(9月7日)
計124.9億円(一般会計)
の上積み
〔重点要求枠合計 45.0億円〕
「地方消費者行政活性化交付金」
の創設
平成25年度当初予算案
計85.0億円(一般会計)
40.6億円
「基金」の上積み 5.0億円
消費者庁政策費
費者
策費(人件費以外)
費
11.3億円
〔高齢者対策 0.6億円 ・ 国セン地方支援 3.8億円〕
消費者庁政策費(人件費以外)
9.9億円
一般行政経費 15.9億円
一般行政経費 15.8億円
(うち庁舎家賃5.5億円)
(うち庁舎家賃5.5億円)
国民生活センター運営費交付金
国民生活センター
60
3
裁量的経費( ・ 億円)
裁量的経費( ・ 億円)
「基金」の上積み 5.0億円
消費者庁政策費(人件費以外)
10.0億円
一般行政経費 15.1億円
(うち庁舎家賃5.5億円)
57
(運営費交付金+国移行後の経費)
28.1億円
億
消費者庁人件費等
28 3億円
28.3億円
復興特別会計 4.7億円
4 7億円
0
26 9億円
26.9億円
消費者庁人件費等
27 3億円
27.3億円
復興特別会計 9.5億円
義務的経費
義務的経費
一般会計 (
シーリング枠内:要求額上限あり)
平成24年度当初予算
成 年度 初 算
計88.7億円(一般会計)
60.2億円
国民生活センター運営費交付金
26.9億円
億円
消費者庁人件費等
28 0億円
28.0億円
復興特別会計 7.5億円
復興特別会計
(要求額上限なし)
5
消費者庁資料1 別添
国と地方とのコラボレーションによる先駆的プログラム
~暮らしの安心・地域活性化による日本経済再生~
5億円
(「地方消費者行政活性化基金」の上積み)
(25年度当初予算)
消費者問題の「現場」はそれぞれの地域である。暮らしの安心の確保に向け、国全体の消費者行政を前に進めていくため、消費者を取り巻く様々な課題についての
先駆的なテーマを国から提案し、地方自治体と問題意識を共有して「現場」での実証・実験を行い、その成果の全国的な波及・展開につなげていく。
25年度の「基金」運用に関する基本的考え方
5億円(25年度当初予算)
(参考)60億円(24年度補正予算)
・国から先駆的な政策テーマを提案し、一定の基準の下で、地方自治体から具体的な事業計画を提出。
(事業額が予算額を上回る場合には、各事業に按分して交付。)
・地方負担に関する基金の通常ルール(2分の1以上)の対象外とする。
・事業終了後、事業の成果・課題等をまとめた報告書の提出を地方自治体から受け、消費者庁が取り
まとめ、公表。その後の更なる波及・展開につなげる。
国から提案する政策テーマ
※今後更なる具体化を進める。
○風評被害の防止
・消費者は「買物」により社会を動かすことが可能
・消費者の理解と応援する心が被災地復興の大きな鍵
【具体的取組】
・消費者と生産者との交流・被災地産品フェアの開催(生産者の取組紹介や
被災地産品の放射能測定 即売会等を実施)
被災地産品の放射能測定、即売会等を実施)
・商店街等が主催する被災地産品フェア等に対する支援
・被災地産品など食品の安全性に関する消費者の理解増進のための事業
(上記2事業の情報を消費者に提供するための自治体サイト開設等)
○消費者と事業者との協働支援
・消費者・事業者のWin-win が日本経済社会の新たな道
・「安全・安心な市場」、「環境にやさしい市場」の実現へ主体的な行動
【具体的取組】
・事業者の商品企画・開発への消費者団体等の参画支援(米の生産地にお
事業者の商品企画 開発への消費者団体等の参画支援(米の生産地にお
ける餅の窒息事故防止、大都市圏における乗合バスの事故防止等)
・食品ロスの削減(一般家庭ごみ組成調査による食品ロスの実情把握、啓発
事業の実施による消費者行動の変化の調査分析)
・集中育成・強化に引き続く地方消費者行政の更なる体制整備
①基礎的な取組の下支え(消費生活センター・窓口の設置、消
費生活相談員の配置・養成等)
②消費者問題解決力の高い地域社会づくり(消費者教育推進
法を踏まえた取組等)
・基本的に、従来からの「基金」の仕組みを踏襲
○体系立った消費者教育の展開
・幼児期から高齢期に至るまで、ライフステージに応じた消費者教育を受けることが必要
・各ライフステージごとの学習目標をまとめたものが「イメージマップ」
各ライフステ ジごとの学習目標をまとめたものが「イメ ジマップ」
【具体的取組】
・金融分野を中心にして、イメージマップを踏まえた教材の作成と講座の実施
(地域の必要性に即し、高齢者、若年者等の対象者に応じたスタイルで実施)
・教材、講座の効果測定とイメージマップの有用性の検証
○悪質事業者の撃退
・高齢者を狙った悪質事業者が世間を跋扈
・消費者・行政一体となった押売り・押買い等排除の新手法
【具体的取組】
・電話録音機を高齢消費者宅に配置し、録音情報を法執行へ活用
○適格消費者団体設立の促進
・行政のみならず民間ベースでの消費者被害の拡大防止が必要
現在、適格消費者団体は全国で11団体。空白地域の解消に向けたアクション
適格消費者団体は全国で11団体 空白地域の解消に向けたアクション
・現在
【具体的取組】
・不当約款への申入れ等の活動について地域の消費者団体・関係者向けの
ノウハウ共有支援
消費者庁 資料2
平成25年1月 消費者庁
「地方消費者行政活性化基金」の上積み
基金によるこれまでの効果
必要性
60.2億円(24年度補正)
○“どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づく
り”は、ナショナル・ミニマム ~消費者の権利を守る社会基盤
○ 国の行政の一端を担う地方消費者行政
~悪質事業者への指導など国の取組には、自治体からの情報が不可欠
課
○ 身近な相談体制は、緒についたばかり
~ 予算に占める基金割合は4割 ⇒下支えなしには、取組が一気に後退
題
○ 地域社会全体で取り組むべき消費者問題
~ きめ細やかに幅広く展開する上で、行政の既存の取組だけでは限界
○総額:231億円(20年度2次補正、21年度1次補正、24年度当初)
○期間:21~24年度
※被災4県は~25年度
○取崩額:21年度 43億円 /
23年度 69億円 /
※現状
22年度 70億円
24年度 55億円
○消費生活センター:4割増(220か所増)
○窓口設置市町村:2割増(228増)
※当初予算ベース
(21年)501→(24年)721か所
(21年)1,375→(24年)1,603市町村
○消費生活相談員数:2割増(555人増)
(21年)2,800人→(24年)3,355人
※相談員配置市町村 約4割(21年)→約6割(24年)
※各年4月1日現在
「地方消費者行政活性化基金」の取崩し可能期間を25年度まで延長し、60.2億円を上積み
1.基礎的な取組の下支え
○センター設置・窓口新設
○センタ
設置・窓口新設
:「集中育成・強化期間」で整備された体制の維持・充実
:先進的・モデル的事業(多様な主体との連携事業等)を含む
~日本中の全自治体に窓口設置を目指す
○消費生活相談員の配置と処遇改善
○リスクコミュニケーションの推進
~基金により整備した相談体制の更なる充実
○消費生活相談員の養成、レベルアップ
○都道府県による市町村支援
2.消費者問題解決力の高い地域社会づくり
~研修等による相談業務の質の向上
~講習の開催、巡回相談等によるバックアップ など
~食と放射能の問題への対応
○消費者教育推進法を踏まえた取組等
~各種消費者教育・啓発、高齢者の消費者トラブルの防止 など
効 果
【暮らしの安心・地域活性化】
○消費者被害に遭った人のうち、「どこに相談すればよいのかわからなかった」「相談する適切な相手がいなかった」人の割合(23年度調査結果:18.8%)を減少
(例)⇒消費者が安心して消費できる環境整備と公正な市場形成により、消費拡大が実現
○寄せられた相談における既払い金額(※)は、23年度で約2700億円。(※PIO-NETに登録された消費生活相談情報に相談内容として登録された既払い額(≠被害金額)を合計したもの)
⇒消費生活相談の充実により被害回復が図られることで、公正な市場に資金が流れる。
○リスク ミ
○リスクコミュニケーションの積極的展開の促進
ケ シ ンの積極的展開の促進 ⇒消費者の食への安心の確保(風評被害の防止)
消費者の食 の安心の確保(風評被害の防止)
【雇用創出】
○平成24~25年度までに、消費生活相談員の増員 約350人(見込み)
○平成21年度以降増員された約580人の消費生活相談員の雇用維持
消費者庁 資料3
消費者庁
趣
旨
“集中育成・強化期間”後における地方消費者行政
の充実・強化に向けて、事例を踏まえた「消費者庁
の取組」 と「自治体への期待(提言)」を示すもの
(必要に応じて随時見直し、改定)
○ 基金等の活用で、自治体の基盤強化。一方で、小規模な自治体を
基金等の活用で、自治体の基盤強化。 方で、小規模な自治体を
中心に、基金後においても、当面、継続的な下支えが必要な状況
背
○ 地域主権の考え方に立ち、国と自治体が日常的に連携・協力し、相
景
互の取組を補完しあうことにより、消費者行政全体を充実・強化して
いく必要
消費者庁の取組
1.基本的な考え
○ どこに住んでいても消費生活相談を
受けられる体制づくり
○ 法の厳正な執行と連携強化
○ 地域社会の消費者問題解決力の向上
自治体への期待
~地方消費者行政の充実・強化に向けた取組を支援~
1.どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくり
・25年度以降も、地方消費者行政に積極的に取り組む自治体を引き続き支援
自治体での取組を下支えできるような財源確保に向け、最大限努力
(1)市町村における消費生活相談体制の充実
・関係省庁と、情報共有を進め、的確な役割分担と連携を行いつつ、地方消費者行政推進本部に
~地域特性に応じた窓口の設置と充実など
( )都道府県 消費生活
(2)都道府県の消費生活センターの機能
タ
機能
おいて必要な施策を積極的に推進
~広域的・高度な案件への対応、市町村への支援、補完
2.継続的に取り組む事項
(1)どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくり
・消費生活相談員や担当職員等への研修
・相談員の処遇改善の働きかけ
相談員の処遇改善の働きかけ
・相談解決に資する情報の提供・共有(PIO-NETの運営 等)
基本的方向性
「地方消費者行政の充実・強化のための指針 ~地域社会の消費者問題解決力の向上を目指して~」 平成24年7月12日
(3)相談体制の基盤整備
①消費生活相談員の任用と処遇 ~ 処遇改善、消費生活相談員の専門性向上に配慮した任用 など
②消費生活相談員の養成・確保
②
費
員 養
~ 養成講
養成講座の実施等による養成、人材バンク等による確保
養成、 材
確保
③相談業務の質の向上 ~ 研修機会及び内容の充実、民間の能力を活用した質の向上など
④商品テスト体制の維持 ~ 機能の維持・充実など
など
(2)法の厳正な執行と連携強化
・人材育成(自治体からの研修員の受け入れ、執行担当職員の研修)
・情報のネットワーク化(関係省庁との連携による政策や法執行などに関する情報共有)
⑤裁判外紛争処理機能 ~委員会等におけるあっせんや調停による被害の救済・再発防止
⑥消費者行政担当課のサポート ~相談案件への共同での対処等によるサポートなど
など
(3)地域社会における消費者問題解決力の向上
・顔の見える関係の構築(情報共有、政策の企画・立案に「現場」の声を生かす 等)
・連携推進の場の提供(地方消費者行政グループ・フォーラムの開催 等)
・消費者への注意喚起・情報提供等の支援 など
3.当面(平成25年度に)重点的に取り組む事項
(1)自治体の基礎的な取組とレベルアップを支援
(2)食品と放射性物質に関するリスクコミュニケーションの推進
2.法の厳正な執行と連携強化
2
法の厳正な執行と連携強化
(1)法執行を担う体制整備 ~執行担当職員の配置と専任化など
(2)国と地方、地域内・地域間の連携強化
~相談員と執行担当者の緊密な意思疎通など
(3)消費者安全調査委員会との連携
3.地域社会における消費者問題解決力の向上
(1)自治体全体の認識深化
~首長のリーダーシップによる体制整備・事業推進 など
(3)高齢者の消費者トラブルの防止
(2)事業予算の確保
(4)消費生活相談員資格の法的位置付けの明確化
(3)自治体間の連携強化 消費者庁との連携強化
(3)自治体間の連携強化、消費者庁との連携強化
(5)PIO-NETの刷新
(6)貴金属等の訪問購入への法的措置の対象化(特定商取引法の改正に係る取組)
(7) 財産被害に関するすき間事案への行政措置の導入(消費者安全法の改正に係る取組)
(8)消費者安全調査委員会の設置
(
)消費者安全調査委員会の設置
(9)集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の創設
(10)食品表示の一元化に向けた取組
(11)消費者教育の推進
(12)消費税率引き上げへの対応
~事業者(CSR事業)との連携など
~連絡協議会による都道府県間の情報共有、消費者庁に対する情報の一元的集約へのご協力
など
(4)消費者団体をはじめとする多様な主体との連携強化
~地域の多様な活動の確保・育成 など
(5)普及・啓発による予防と被害への気づき
~メディアの活用による情報発信、多様な主体の連携による情報収集
(6)消費者教育の充実による消費者の自立への支援
~教職員の研修における関係団体との連携強化 など
など
【事例集(抜粋)】
1.どこに住んでいても消費生活相談を受けられる体制づくり
(1)市町村における消費生活相談体制の充実
○ 消費生活センターにおける災害総合相談への対応(食品と放射性物質に関する情報共
有・正確な理解の促進など)<伊達市(福島県)>
○ 高齢者を対象とした地域包括支援センターへの出張相談事業<福岡市(福岡県)>
○ 「何でも相談できる窓口」の実現にむけた取組<人吉市(熊本県)>
○ 相談員不在の支所でのテレビ会議システムの活用による相談対応<薩摩川内市(鹿児
島県)>
(2)都道府県の消費生活センターの機能
○ 消費者あんしんチームによる消費生活相談体制の充実<京都府>
○ 中核センターとしての相談・情報提供機能の充実強化<大阪府>
○ 相談員の業務支援のための「消費生活相談スーパーアドバイザー」の配置<佐賀県>
相談員の業務支援のための「消費生活相談ス パ アドバイザ の配置<佐賀県>
(3)相談体制の基盤整備
①相談員の任用と処遇
○ 資格を要件とした「雇い止め」の適用除外<岐阜市(岐阜県)>
○ 統括消費生活相談員制度の導入を通じた処遇改善<鎌倉市(神奈川県) >
②相談員の養成・確保
○ 栃木県消費生活相談員人材バンク設置の取組<栃木県>
○広域連合を活用した消費生活センターの設置と相談員登録制度による継続的な相談員
の確保<鈴鹿亀山地区広域連合(三重県)>
③相談業務の質の向上
○ 市町村相談員向けの共通マニュアルの作成<岐阜県>
○ 全ての市町村相談員からいつでも可能な弁護士相談<鹿児島県>
④商品テスト
○ 北関東3県連携による商品テスト事業<茨城県、栃木県、群馬県>
○ 庁内関係機関
庁内関係機関との連携によるテスト実施<静岡県>
連携 よるテ
実施 静岡県
⑤裁判外紛争処理機能
○ 消費者被害救済委員会による「あっせん」・「調停」<東京都>
⑥相談現場に対する消費者行政担当課のサポート
○ 相談員が職員と二人三脚で相談対応<行方市(茨城県)>
○ 職員が相談員資格取得
職員が相談員資格取得<七尾市(石川県)>
尾市(石川県)
○ 消費者行政担当本課・センター統合による執行体制強化<熊本県>
2.法の厳正な執行と連携強化
(1)法執行を担う体制整備
○ 現役警察官、警察OBの配置による法執行の強化<長崎県>
(2)国と地方、地域内・地域間の連携強化
○ 東海地域悪質事業者対策会議による連携<愛知県、静岡県、岐阜県、三重県>
3.地域社会における消費者問題解決力の向上
(1)首長のリーダーシップと消費者行政に対する自治体全体の認識深化
○ 消費生活条例を活用した消費者行政の推進<草加市(埼玉県)>
○ 被害救済額の把握による消費生活相談の重要性の認識<白山市(石川県)>
○ 首長のリーダーシップによる地域消費者行政の取組<人吉市(熊本県)>
(2)事業予算の確保
○ 他部課主催のイベント・講座等への取組による消費者啓発の取組<草加市(埼玉
県)>
○ 事業費をかけない啓発活動(企業の地域貢献活動と連携した啓発等)<品川区(東
京都)>
○ 消費生活フェアへの企業の協賛金等の拠出<名古屋市(愛知県)>
(3)自治体間の連携強化、消費者庁との連携強化
○ 近隣市の連携による多重債務問題への取組<松戸市、野田市、柏市、流山市、我
孫子市、鎌ケ谷市(千葉県)>
○ 啓発事業等の共同実施による効率的な展開<青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、
瑞穂町、日の出町、奥多摩町、檜原村(東京都)>
○ 定住自立圏協定による近隣自治体との広域連携<長岡市、小千谷市、見附市、出
雲崎町(新潟県)>
○ 広域事務組合を活用した相談業務の広域連携<木津川市、笠置町、和束町、精華
町、南山城村(京都府)>
(4)消費者団体をはじめとする多様な主体との連携強化
○ 高齢者・子ども見守りネットワークの構築~地域見守り活動~<世羅町(広島県)>
○ 担当課が所管する他の業務を活かした取組の展開<行方市(茨城県)>
○ 消費者問題に携わる多様な団体が参加する「消費生活ネットワーク新潟」の設立<
新潟県>
○ 地域関連機関の連携による消費者被害防止ネットワーク<菊池市(熊本県)>
地域関連機関 連携による消費者被害防止ネ ト
ク 菊池市(熊本県)
(5)普及・啓発による予防と被害への気づき
○ 市民団体や民生委員、事業者等との協働による消費者問題解決力向上の取組<八
戸市(青森県)>
○ コンシュ
コンシューマー・スクールの開講<神戸市(兵庫県)>
マ スク ルの開講<神戸市(兵庫県)>
○ ソーシャルメディアを活用した消費者被害情報の発信と共有<島根県>
○ 市民による地域に根ざした消費者啓発活動<鹿児島市(鹿児島県)>
(6)消費者教育の充実による消費者の自立への支援
○ 消費者被害防止ネットワークから拡がる市民・学校での消費者教育事業の取組<士
別市(北海道)>
○ 相談のプロである「千葉県相談員の会」と連携した若者世代への啓発<千葉県>
○ 消費生活センターと教育委員会とが連携した消費者教育の推進<柏市(千葉県)>
○ 「学校における消費者教育推進協議会」の取組<神奈川県>
消費者庁 資料4-1
消費者教育の推進に関する法律の概要
国と地方の責務と実施事項
目的(第1条)
・消費者教育の総合的・一体的な推進
・国民の消費生活の安定・向上に寄与
定義(第2条)
国
地方公共団体
責務
務(第4条)
責務
務(第5条)
消費者教育の推進に関する総合的な施策策定、実施
団体の区域の社会的経済的状況に応じた施策策定、
実施(消費生活センター、教育委員会その他の関係
機関と連携)
『消費者教育』
消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育
及びこれに準ずる啓発活動
(消費者が主体的に消費者市民社会の形成に参画することの
重要性について理解及び関心を深めるための教育を含む。)
『消費者市民社会』
・個々の消費者の特性及び消費生活の多様性の相互尊重
・自らの消費生活に関する行動が将来にわたって内外の社会
経済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得ることの自覚
・公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画
財政上の措置(第8条)
推進に必要な財政上の措置その他の措置(地方は努力義務)
基本方針(第9条)
・消費生活に関する知識を習得し、適切な行動に結びつける実践
的能力の育成
・主体的に消費者市民社会の形成に参画し、発展に寄与できるよう
主体的に消費者市民社会の形成に参画し、発展に寄与できるよう
積極的に支援
体系的推進 ・幼児期から高齢期までの段階特性に配慮
・場(学校、地域、家庭、職域)の特性に対応
・多様な主体間の連携
・消費者市民社会の形成に関し、多角的な情報
を提供
・非常時(災害)の合理的行動のための知識・理解
・環境教育、食育、国際理解教育等との有機的な連携
消費者団体 (努力義務) (第6条)
市町村消費者教育推進計画
・基本的な方向
・推進の内容等
・基本方針を踏まえ策定(努力義務)
消費者教育推進会議
消費者教育推
会議(第19条)
第 条
消費者教育推進地域協議会(第20条)
消費者庁に設置(いわゆる8条機関)
都道府県・市町村が組織 (努力義務)
①構成員相互の情報交換・調整~総合的、体系的か
つ効果的な推進
②基本方針の作成・変更に意見
①構成員相互の情報交換・調整~総合的、体系的
かつ効果的な推進
②推進計画の作成 変更に意見
②推進計画の作成・変更に意見
委員(内閣総理大臣任命)
構成
~消費者、事業者、教育関係者、消費者団体・学識経験者等
~消費者、消費者団体、事業者、教育関係者、
消費生活センター等
※委員の数等、組織・運営については政令で規定
義務付け(国・地方)
○学校における消費者教育の推進(第11条)
発達段階に応じた教育機会の確保、研修の充実、
発達段階に応じた教育機会の確保
研修の充実
人材の活用
○大学等における消費者教育の推進(第12条)
学生等の被害防止のための啓発等
~自主的活動・協力
事業者・事業者団体(努力義務)
~施策への協力・自主的活動(第7条)
~消費生活の知識の提供、従業員の研修、資金の提供(第14条)
※施行日:平成24年12月13日(公布日:平成24年8月22日)
都道府県消費者教育推進計画
・消費者庁・文部科学省が案を作成・閣議決定
基本理念(第3条)
効果的推進
平成24年12月
○地域における消費者教育 推進(第13条)
○地域における消費者教育の推進
高齢者・障害者への支援のための研修・情報提供
○人材の育成等(第16条)
努力義務(国および地方)
○教材の活用等(第15条)
○調査研究(第17条)
○情報の収集(第18条)
消費者庁資料 4‐2
第一章
基本方針等(第九条・第十 条)
総則(第一条―第八条)
消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)
第二章
基本的施策(第十一条―第十八条)
目次
第三章
消費者教 育推進会 議等(第十九条・第二十条 )
総則
第四章
附則
第一 章
この法律は、消費者教育が、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差等に起因
(目的)
第一条
する消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動
することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、消費者教育の機会が提供されるこ
と が 消 費 者 の 権 利 で あ る こ と を 踏 ま え 、 消 費 者 教 育 に 関し、基本理念を 定め、並びに国及び地方公 共団体
1
の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の消費者教育の推進に関し必要な事項を定める
ことに よ り、消費者教育を 総合的 か つ一体的 に推進し 、もって 国民の消費生活 の安定及び 向上に寄 与する
ことを目的とする。
この法律において「消費者教育」とは、消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する
(定義)
第二条
教育( 消 費者が 主 体的に消費者市民社会の形成に参 画 するこ と の重要 性 について 理解及び 関心を深 めるた
めの教育を含む。)及びこれに準ずる啓発活動をいう。
2 この法律において「消費者市民社会」とは、消費者が、個々の消費者の特性及び消費生活の多様性を相
互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって 内外の社会経済情勢及び
地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画
する社会をいう。
消費者教育は、消費生活に関する知識を修得し、これを適切な行動に結び付けることができる実践
(基本理念)
第三条
2
消費者教育は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場の特性に応じた適切な方法により、かつ、そ
その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない。
消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無
ない。
その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援することを旨として行われなければなら
消費者教育は、消費者が消費者市民社会を構成する一員として主体的に消費者市民社会の形成に参画し、
的な能力が育まれることを旨として行われなければならない。
2
3
4
れぞれ の 場におけ る消費者教育を 推 進する多 様な主体 の連携及び他の消費者政策(消費者 の利益の擁護及
消費者教育は、消費者の消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及
効果的に行われなければならない。
び増進に関する総合的な施策をいう。第九条第二項第三号において同じ。)との有機的な連携を確保しつつ、
5
び地球環境に与える影響に関する情報その他の多角的な視点に立った情報を提供することを旨として行わ
れなければならない。
3
6
消費者教育は、災害その他非常の事態においても消費者が合理的に行動することができるよう、非常の
消費者教育に関する施策を講ずるに当たっては、環境教育、食育、国際理解教育その他の消費生活に関
事態における消費生活に関する知識と理解を深めることを旨として行われなければならない。
7
連する教育に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされなければならない。
国は、自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができる自立した消費者
(国の責務)
第四条
の育成が極めて重要であることに鑑み、前条の基本理念(以下この章において「基本理念」という。)にの
っ と り 、 消 費 者 教 育 の 推 進 に 関 す る 総 合 的 な 施策を策定し、及び実施する責務を 有する。
2 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、前項の施策が適切かつ効率的に策定され、及び実施されるよう、相
互に又は関係行政機関の長との間の緊密な連携協力を図りつつ、それぞれの所掌に係る消費者教育の推進
に関する施策を推進しなければなら ない。
地方公共団体は、基本理念にのっとり、消費生活センター(消費者安全法(平成二十一年法律第五
(地方公 共団体の責務)
第五条
4
十号)第十条第三項に規定する消費生活センターをいう。第十三条第二項及び第二十条第一項において同
じ。)
、教育委員会その他の関係機関相互間の緊密な連携の下に、消費者教育の推進に関し、国との適切な
役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定し、及び実施す
る責務を有する。
消費者団体は、基本理念にのっとり、消費者教育の推進のための自主的な活動に努めるとともに、
(消費者団体の努力)
第六条
学校、地域、家庭、職域その他の様々な場において行われる消費者教育に協力するよう努めるものとする。
事業者及び事業者団体は、事業者が商品及び役務を供給する立場において消費者の消費生活に密接
(事業者及び事業者団体の努力)
第七条
に関係していることに鑑み、基本理念にのっとり、国 及び地方公共団体が実施する消費者教育の推進に関
する施策に協力するよう努めるとともに、消費者教育の推進のための自主的な活動に努めるものとする。
政府は、消費者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じな
(財政上の措置等)
第八条
5
地方公共団体は、消費者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講
ければならない。
2
基本方針等
ずるよう努めなければならない。
第二章
(基本方針)
政府は、消費者教育の推進に関する基本的な方針(以下この章及び第四章において「基本方針」と
消費者教育の推進の意義及び基本的な方向に関する事項
基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
いう。)を定めなければならない。
第九条
2
一
関連する他の消費者政策との連携に関する基本的な事項
二 消費者教育の推進の内容に関する事項
三
その他消費者教育の推進に関す る重要事 項
基本方針は、消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)第九条第一項に規定する消費者基本計画と
四
3
6
の調和が保たれたものでなければならない。
4 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
5 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機
関の長に協議するとともに、消費者教育推進会議及び消費者委員会の意見を聴くほか、消費者その他の関
係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
政府は、消費生活を取り巻く環境の変化を勘案し、並びに消費者教育の推進に関する施策の実施の状況
針を公表しなければならない。
6 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、第四項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方
7
についての調査、分析及び評価を踏まえ、おおむね五年ごとに基本方針に検討を加え、必要があると認め
るときは、これを変更するものとする。
8 第四項から第六項までの規定は、基本方針の変更について準用する。
都道府県は、基本方針を踏まえ、その都道府県の区域における消費者教育の推進に関する施策につ
(都道府県消費者教育推進 計画等)
第十条
7
いての計画(以下この条及び第二十条第二項第二号において「都道府県消費者教育推進計画」という。)を
市 町 村は、基本方針( 都道府県消費者教 育推進 計 画が定 め られて い るとき は 、基本方 針及び 都 道府県消
定めるよう努めなければならない。
2
費者教育推進計画)を踏まえ、その市町村の区域における消費者教育の推進に関する施策についての計画
都道府県及び市町村は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を定めようとする
めなければならない。
(以下この条及び第二十条第二項第二号において「市町村消費者教育推進計画」という。)を定めるよう努
3
ときは、あらかじめ、その都道府県又は市町村の区域の消費者その他の関係者の意見を反映させるために
必要な措置を講ずるよう努めるものとする。この場合において、第二十条第一項の規定により消費者教育
推進地域協議会を組織している都道府県及び市町村にあっては、当該消費者教育推進地域協議会の意見を
都道府県及び市町村は 、都道府県消費者教育推進 計画又は市町村消費者教育推進 計画を定 めた場合は 、
遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
都道府県及び市町村は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を定めたときは、
聴かなければならない。
4
5
8
その都道府県又は市町村の区域における消費者教育の推進に関する施策の実施の状況についての調査、分
析及び評価を行うよう努めるとともに、必要があると認めるときは、都道府県消費者教育推進計画又は市
町村消費者教育推進計画を変更するものとする。
基本的施策
6 第三項及び第四項の規定は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画の変更につい
て準用する。
第三 章
(学校に おける消費者教育 の推進)
国及び地方公共団体は、幼児、児童及び生徒の発達段階に応じて、学校(学校教育法(昭和二十
国及び地方公共団体は、教育職員に対する消費者教育に関する研修を充実するため、教育職員の職務の
しなければならな い。
の授業その他の教育活動において適切かつ体系的な消費者教育の機会を確保するため、必要な施策を推進
二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。第三項において同じ。)
第十一条
2
国及び地方公共団体は、学校において実践的な消費者教育が行われるよう、その内外を問わず、消費者
内容及び経験に応じ、必要な措置を講じなければならない。
3
9
教 育 に 関 す る 知 識 、 経 験 等 を 有 す る 人材の活 用を推進するものとする。
国及び地方公共団体は、大学等(学校教育法第一条に規定する大学及び高等専門学校並びに専修
(大学等における消費者教育の推進)
第十二条
学校、各種学校その他の同条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うものをいう。
以下この条及び第十六条第二項において同じ。)において消費者教育が適切に行われるようにするため、大
学等に対し、学生等の消費生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な取組を行うよう促す
国及び地方公共団体は、大学等が行う前項の取組を促進するため、関係団体の協力を得つつ、学生等に
ものとする。
2
対する援 助に関す る業務に 従事す る 教職員に対し、研修の機会 の確保 、情報の提 供その他の必要な措置を
講じなけ れ ば な ら な い 。
国、地方公共団体及び独立行政法人国民生活センター(以下この章において「国民生活センター」
(地域における消費者教育の推進)
第十三条
という。)は、地域において高齢者、障害者等に対する消費者教育が適切に行われるようにするため、民生
10
2
委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)
に定める社会福祉主事、介護福祉士その他の高齢者、障害者等が地域において日常生活を営むために必要
な支援を行う者に対し、研修の実施、情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。
国、地方公共団体及び国民生活センターは、公民館その他の社会教育施設等において消費生活センター
等の収集した情報の活用による実例を通じた消費者教育が行われるよう、必要な措置を講じなければなら
ない。
事業者及び事業者団体は、消費者団体その他の関係団体との情報の交換その他の連携を通じ、消
(事業者及び事業者団体に よる消費者教育の支援)
第十四条
費者の消費生活に関する知識の向上が図られ るよう努めるものとする。
2 事業者は、消費者からの問合せ、相談等を通じて得た消費者に有用な消費生活に関する知識を広く提供
するよう努めるものとする。
3 事業者は、その従業者に対し、研修を実施し、又は事業者団体等が行う講習会を受講させること等を通
じ、消費生活に関する知識及び理解を深めるよう努めるものとする。
11
4 事業 者団体は 、消費 者 団体その他の民 間 の団体が 行う消費 者教育 の 推進のた めの活 動 に対し 、 資金の提
供その他の援助に努めるものとする。
国及び地方公共団体は、消費者教育に使用される教材の充実を図るとともに、学校、地域、家庭、
(教材の充実等)
第十五条
職域その他の様々な場において当該教材が有効に活用されるよう、消費者教育に関連する実務経験を有す
る者等の意見を反 映した教 材の開発及びその効果的な提供に努めなけれ ばならな い。
国、地方公共団体及び国民生活センターは、消費者安全法第十一条に規定する相談員その他の消
(人材の育成等)
第十六条
費者の利益の擁護又は増進を図るための活動を行う者に対し、消費者教育に関する専門的知識を修得する
国及び地方公共団体は、大学等、研究機関、消費者団体その他の関係機関及び関係団体に対し、消費者
ための研修の実施その他その資質の向上のために必要な措置を講じなければならない。
2
教育を担う人材の育成及び資質の向上のための講座の開設その他の自主的な取組を行うよう促すものとす
る。
12
国及び地方公共団体は、消費者教育に関する調査研究を行う大学、研究機関その他の関係機関及
(調査研究等)
第十七条
び関係団体と協力を図りつつ、諸外国の学校における総合的、体系的かつ効果的な消費者教育の内容及び
方法その他の国の内外における消費者教育の内容及び方法に関し、調査研究並びにその成果の普及及び活
用に努めなければ ならない。
国、地方公共団体及び国民生活センターは、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場において
(情報の収集及び 提供等)
第十八条
行われている消費者教育に関する先進的な取組に関する情報その他の消費者教育に関する情報について、
年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮しつつ、これを収集し、及び提供するよう努めなければな
国は 、消費 生 活におけ る被害 の 防止を 図 るため、年齢、障害の有無 その他の消費者 の 特性を 勘 案して 、
らない。
2
その収集した消費生活に関する情報が消費者教育の内容に的確かつ迅速に反映されるよう努めなければな
らない。
13
第四章
消費者教育推進会議等
(消費者教育推進会議)
消費者 庁に、消費者教育推進会議を置く。
消費 者教育推進会議は 、次に掲げる事務をつかさどる。
第十九条
2
消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進に関して消費者教育推進会議の委員相互の情報の交換
及び調整を行うこと。
基本方針に関し、第九条第五項(同条第八項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理す
ること。
消費者教育推進会議の委員は、消費者、事業者及び教育関係者、消費者団体、事業者団体その他の関係
二
一
3
団体を代表する者、学識経験を有する者並びに関係行政機関及び関係する独立行政法人(独立行政法人通
則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の職員のうちから、内閣
前二項に定めるもののほか、消費者教育推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
総理大臣が任命す る。
4
14
都道府県及び市町村は、その都道府県又は市町村の区域における消費者教育を推進するため、消
(消費者教育推進地域協議会)
第二十条
費者、消費者団体、事業者、事業者団体、教育関係者、消費生活センターその他の当該都道府県又は市町
当該都道府県又は市町村の区域における消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進に関して消費
消費者教育推進地域協議会は、次に掲げる事務を行うものとする。
村の関係 機関等を もって 構 成する消費者教育推進地域 協議会を 組織する よう努めなければ ならない。
2
一
者教育推進地域協議会の構成員相互の情報の交換及び調整を行うこと。
二 都道府県又は市町村が都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を作成し、又は変
更しようとする場合においては、当該都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画の作
成又は変更に関して意見を述べること。
3 前 二 項 に 定 め る も の の ほ か 、 消 費 者 教 育 推 進 地 域 協 議 会 の組織及び運営に関し必要な事項は 、消費者教
育推進地域協議会が定める。
附 則
15
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
国は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると
(検討)
2
認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
消費者庁及び消費者委員会設置法(平成二十一年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
(消費者庁及び消費者委員会設置法の一部改正)
3
目次中「第五条の二」の下 に「―第 五条の四」を加える。
第四条第十三号の次に次の一号を加える。
十三の二 消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)第九条第一項に規定する消
費者教育 の推進に関する基本的な方 針の策定及び推進 に関すること。
第五条の二を次のように改める。
(設置)
第五条の二 別に法律で定めるところにより消費者庁に置かれる審議会等は、次のとおりとする。
消費者安全 調 査委員会
消費者教育推進会議
第二章第三節 中第五条 の二の次に次の二条を加える。
16
(消費者安全 調査委員会)
第五条の三 消費者安全調査委員会については、消費者安全法(これに基づく命令を含む。)の定めると
ころによる。
(消費者教育推進会議)
第五条の四 消費者教育推進会議については、消費者教育の推進に関する法律(これに基づく命令を含む。)
の定めるところによる。
第六条第二項第四号中「食品安全基本法」の下に「、消費者教育の推進に関する法律」を加える。
17
消費者教育推進会議令(平成二十四年政令第二百九十一号)
内閣は、消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)第十九条第四項の規定に基づき
、こ の政令を制定す る。
(組織)
消費者教育推進会議(以下「会議」という。)は、委員二十人以内で組織す る。
会議に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くこ とができる。
第一条
2
専門委員は、当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
(専門委員の任命)
第二条
(委員の任期等)
委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再 任され ることができ る。
第三条
2
専門委員は、その者の任命に係る当 該専 門の事項に関す る調査が 終 了したとき は、 解任され るものとす
委員及び専門委員は、非常勤とする。
る。
3
4
(会長)
会長は、会務を総理し、会議を代表する。
会議に、会長を置き、委員の互選により選任する。
2
会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
第四条
3
(幹事)
2
幹事は、会議の所掌事務について 、委員及び専門委員を補佐す る。
幹事は、関係行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
会議に、幹事を置く。
3
幹事は、非常勤とする。
第五条
4
(議事)
会議は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決す ることができない。
会議の議事は、出席した委員の過半数で 決し、可否同数のときは、会長の決す るところ によ る。
第六条
2
会議は、その所掌事 務を遂行す るため必要があ ると認め るとき は、関 係行政機関の長に対し、資料
(資料の提出等の要求)
第七条
の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求め ることができ る。
会議の庶務は、消費者庁消費生活情報課において処理する。
(庶務)
第八条
この政令に定めるもののほか、議事の手続その他会議の運営に関し必要な事項は、会長が会議に諮
(会議の運営)
第九条
則
って 定 め る。
附
この政令は、消費者教育の推進に関する法律の施行の日(平成二十四年十二月十三日)から施行する。
消費者庁 資料 4-4
「消費者教育の推進に関する法律
よくある質問と回答」について
消費者庁消費生活情報課
消費者庁では、平成 24 年 12 月 21 日に、「消費者教育の推進に関する法律よくある質問
と回答」を公表しました。
法の成立後、地方公共団体や消費者団体、事業者団体の方々から、多くの御質問や御意
見を頂きました。そこで、それらの御質問等に対する回答を整理して、この新しい法律に
ついての御理解を深めていただく一助となるように、一問一答の形式にまとめ、お示しし
たものです。下記に目次をお示しします。
全文は、http://www.caa.go.jp/information/pdf/121221QandA.pdf をご覧ください。
目次
1
全般
質問1
消費者教育の推進に関する法律(以下「推進法」という。)が制定されたのはど
のような背景からですか。
質問2
推進法は「議員立法」により制定されたといわれますが、それはどんな意味で
すか。
質問3
なぜ今の時代に制定されたのですか。
質問4
消費者基本法と、推進法はどのような関係ですか。
質問5
推進法の所管省庁、所管課はどこですか。
質問6
地方公共団体に義務が課せられる規定には何がありますか。
質問7
消費者教育の推進は消費者の生活に密着して行うことが求められると考えられ
ますが、国と地方公共団体との役割分担について、どのように整理されている
のですか。
2
目的(第1条関係)
質問8
この法律の目的は一言で言うと何ですか。
質問9
推進法上の「交渉力の格差」「自立支援」「消費者の権利」などの概念は、消費
者基本法にも登場しますが、同じ概念ですか。
3
定義(第2条関係)
質問 10
消費者教育の意義を詳しく説明してください。
質問 11 「これに準ずる啓発活動」(第 2 条第 1 項)とは、どのような啓発活動が含ま
れるのですか。
質問 12
「消費者市民社会」の意義をもう少し具体的に説明してください。なぜ消費者
教育の法律にこのような概念が登場するのでしょうか。
1
質問 13
「持続可能な社会」という概念は環境問題などでよく登場しますが、消費者教
育とどう関係するのですか。
4
基本理念(第3条関係)
質問 14
消費者教育の基本理念について説明してください。
質問 15
消費者教育が「体系的」に行われなければならないとはどういうことですか。
質問 16
「その他の消費者の特性」
(第 3 条第 3 項)とは具体的に何を指すのですか。
質問 17 「消費者の特性に配慮した適切な方法」
(第 3 条第 3 項)とはどのようなことで
すか。
質問 18
「それぞれの場における消費者教育を推進する多様な主体の連携」(第 3 条第 4
項)とは、具体的にはどのようなことですか。
質問 19
「他の消費者政策との有機的な連携」とはどのようなことですか。
質問 20
「環境教育、食育、国際理解教育その他の消費生活に関連する教育に関する施
策との有機的な連携」とはどのようなことをいうのですか。
質問 21
消費者教育と環境教育、食育、国際理解教育その他の消費生活に関連する教育
は、具体的にどのような形で連携することが想定されますか。
5
国・地方公共団体の責務(第4条・第5条関係)
国の責務はどのように定められていますか。
質問 23
地方公共団体の責務はどのように定められていますか。
質問 24
国と地方公共団体の責務に違いがありますか、あるとすればどんな点ですか。
6
質問 22
消費者団体・事業者・事業者団体の責務(第6条・第7条関係)
消費者団体に努力義務が課せられていますが、その内容は何ですか。
質問 26
事業者・事業者団体に努力義務が課せられていますが、その内容は何ですか。
質問 27
消費者団体と事業者団体との努力義務の内容の違いは何ですか。
7
質問 25
財政上の措置(第8条関係)
質問 28
8
国と地方公共団体とで財政上の措置の内容は違いますが、それはなぜですか。
基本方針(第9条関係)
質問 29
基本方針に定めるべき事項は、具体的にはどのようなことですか。
質問 30
基本方針の案の作成から公表に至るまでの手順について説明してください。 .
質問 31
最初の基本方針は、いつ頃公表される予定ですか。
質問 32
基本方針は、消費者基本法の消費者基本計画との調和が保たれたものでなけれ
ばならない(第 9 条第 3 項)とされていますが、具体的にはどのようなことで
すか。
9 消費者教育推進計画(第 10 条関係)
質問 33
「都道府県消費者教育推進計画」と「基本方針」との違いは何ですか。
2
質問 34 「市町村消費者教育推進計画」はどのようなものですか。
「都道府県消費者教育
推進計画」との違いは何ですか。
質問 35
国の場合と同様に既に消費者基本計画を策定し、それに基づき消費者教育も推
進している場合も、あえて推進計画を策定する必要があるのですか。
10 消費者教育推進会議(第 19 条関係)
質問 36
消費者教育推進会議の「委員相互の情報の交換及び調整」とは何を指すのです
か。
質問 37
消費者教育推進会議での「委員相互の情報の交換及び調整」は、具体的にどの
ように行うのですか。
質問 38
委員として、第 3 項に列挙されている者は全て含めなければならないのですか。
質問 39
消費者や事業者という個人の委員はどのようにして選定するのですか。
質問 40
いつ頃、消費者教育推進会議の委員が決まる予定ですか。
11 消費者教育推進地域協議会(第 20 条関係)
質問 41
消費者教育推進地域協議会には、第 20 条第 1 項に列挙されている者を、全て含
めなければならないのですか。
質問 42
国の消費者教育推進会議と地方公共団体の消費者教育推進地域協議会との違い
は何ですか。
質問 43
都道府県や政令市等では消費者行政に関する審議会や協議会等が既に存在して
います。そのようなものとは別に、消費者教育推進地域協議会を組織しなけれ
ばならないのですか。
本件に関する問合せ先
消費生活情報課 足立・米山
TEL:03-3507-9149
HP: http://www.caa.go.jp
3
消費者庁 資料 5-1
消費者安全調査委員会について
1.概 要
消費者事故等の原因を究明し再発・拡大防止の知見を得るための調査を行い、調査結
果に基づき内閣総理大臣に対する勧告・意見具申等を行う組織として、10 月1日、消費
者庁に「消費者安全調査委員会」を設置した。
(消費者安全法の一部改正法
[委員]
委 員
長
畑村 洋太郎
委員長代理
委
員
委
員
委
員
委
員
委
員
松岡
猛
片山 登志子
中川
丈久
細田
聡
松永 佳世子
丸井
英二
成立:平成 24 年8月 29 日
施行:平成 24 年 10 月1日)
株式会社畑村創造工学研究所代表・東京大学名誉教授・
工学院大学教授
宇都宮大学大学院工学研究科客員教授
弁護士
神戸大学大学院法学研究科教授
関東学院大学文学部教授
藤田保健衛生大学医学部皮膚科学教授
人間総合科学大学人間科学部教授
2.活 動
(1)消費者安全調査委員会の開催
① 第1回(平成 24 年 10 月)において、「消費者安全調査委員会運営規程」、「事故
調査部会」等の設置、「事故等原因調査等の対象の選定指針」を決定
② 第2回(平成 24 年 11 月)以降、月1回開催し、申出事案 44 件を検討した。
これまでに、シティハイツ竹芝エレベーター事故、パロマ工業(株)製ガス瞬間
湯沸器による一酸化炭素中毒事故、汐留シティビルのエスカレーター事故等5
件の事故を調査等の対象として選定。12 月以降、事故調査部会において調査
等を行っているところ。
(2)事故等原因調査等の申出の受付
平成 24 年 10 月1日から平成 25 年1月 23 日までに 54 件の申出を受付。
事故等原因調査等の
の申出制度について
消費者庁資料5‐2
事故等原因調査等の申出制度とは・・・
消費者の生命又は身体被害に関わる消費者事故
故等について、被害の発生又は拡大の防止を図るた
め、事故等原因の究明が必要だと思料する場合に、消
消費者安全調査委員会に対し、その旨を申し出て、
事故等原因調査等を行うよう求めることができる制度
度です。
この申出は、申出に係る消費者事故等の被害者だ
だけでなく、個人、法人を問わず、誰でも行うことがで
きます。
申出された事案については、消費者安全調査委員
員会で必要な検討を行い、その結果に基づき必要が
あると認めるときは、事故等原因調査等を開始します
す(申出があった事案す てを調査するものではあり
す(申出があった事案すべてを調査するものではあり
ません)。
申出制度の目的
申出制度は、消費者安全調査委員会の事故等原因調査等のきっかけの一つとして、消費者庁から報
告される事故等情報だけでは抽出できない事故等につ
ついて、必要な事故等原因調査等につなげるため
のしくみを構築することにより、調査等の必要な事故の
の漏れや事故等原因調査等の盲点の発生を防ぎ、
必要な事故の再発・拡大防止対策につなげていくこと
とを目的としています。
したがって、個々の事故事案の責任追及を目的とす
するものではありません。
申出の方法
・ 申出書の様式
消費者安全調査委員会への申出は、同委員会が定
定める様式を使用します。様式は、消費者庁のホー
ムページからダウンロードすることができます。
・ 申出書類の提出先
赤字で「申出書類在中」「申出関係」などと記入し
申出書類又は関係書類は、封筒の表面の右側に赤
て、次の宛先に送付してください。
【申出書類の送付先】
〒100-6178 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー6階
査室 宛
消費者庁消費者安全課 事故調査
・ 申出に関する問い合わせ
申出書式の記入方法、申出制度の内容などのご不
不明な点は、以下までお問い合わせください。
電話 03-3507-9268
03 3507 9268
受付時間 平日10 00 17 00
受付時間:平日10:00~17:00
FAX 03-3507-9284
申出者の方へのお願い
・ 消費者安全調査委員会が事故等原因調査等を行
行うかどうかを判断するにあたって必要なときは、消
費者安全課事故調査室がお電話等で申出者等に申
申出の事案について問い合わせをさせていただくこ
とがあります。そのときは、ぜひご協力いただくようお
お願い申し上げます。
・ 申し出ていただいた事故等の情報は、法律に基づ
づき、消費者庁に通知されます(個人を特定できる
情報を除いた申出内容の概要を、事故の再発防止・・拡大防止のため、消費者安全調査委員会又は消
費者庁が公表する場合がありますので、あらかじめご了承ください)。
経
消費者の財産被害に係るすき間事案への行政措置の導入
消費者事故等の調査機関の設置
緯
・消費者庁発足以前より様々な事故が発生(ガス瞬間湯沸器事故
消費者庁発足以前より様々な事故が発生(カ ス瞬間湯沸器事故、エレヘ
エレベーター事故
タ 事故、こんにゃく入りセ
こんにゃく入りゼリー窒息事故等)
リ 窒息事故等)
・【消費者庁関連三法案に対する附帯決議(参議院)】(平成21年5月28日)
「… 消費者事故等についての独立した調査機関の在り方について法制化を含めた検討を行う…」
・【事故調査機関の在り方に関する検討会】
有識者からなる検討会で関係省庁・機関の協力も得て議論(全14回)。平成23年5月取りまとめ。
概
要
消費者安全調査委員会の設置
○ 委員(7名・非常勤) (合議制の機関、委員は独立して職権を行使)
【 組 織 】
○ 臨時委員、専門委員 (必要に応じて任命)
(運輸安全委員会の調査対象とされている事故等を除く)
※法律施行前に発生した事故等も対象
・生命身体事故等の発生・拡大の防止及び被害の軽減を図るために原因究明する
必要性が高いもの
※被害者等からの重大事故に係る申出について、
事故等原因調査等の実施の有無を通知(実施しない場合は、理由も通知)
【事故等原因調査等、提言のイメージ】
・ 生命身体事故等の発生に関する情報
・ 事故等原因調査等の申出
~事故等原因調査等が必要な事案を効果的に把握
● 事故等原因調査(自ら調査)
事故等原因調査等
必要な限度において、調査権限を行使
~ 必要な事故調査が十分になされているとはいえない消費者事故等
【調査権限】
報告徴収、立入検査、質問、物件提出・留置、
物件保全 移動禁止 現場立入禁止
物件保全・移動禁止、現場立入禁止
● 他の行政機関等による調査等の結果の評価等
経
被害者等に向き合う
事故調査
緯
【消費者安全法 附則(抄)】
2 政府は、この法律の施行後三年以内に、消費者被害の発生又は拡大の状況そ
の他経済社会情勢等を勘案し、消費者の財産に対する重大な被害を含め重大事故等
の範囲について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
概
内閣総理大臣任命
【調査対象】 「生命身体事故等」 ・生命・身体分野の消費者事故等 ~ 製品・食品・施設・役務を広く対象
端緒情報
要
①事業者に対する措置
(「すき間事案」の場合(被害の発生・拡大防止を図るために実施し得る他の法律に基づく措置がない場合))
(例)実態のない利用権の取引、換金困難な外国通貨の取引 等
○措置の要件:「多数消費者財産被害事態」(消費者に重大な財産被害を生じさせる事態)
取引の分野の「消費者事故等」(※1)のうち、
消費者の財産上の利益を侵害することとなる不当な取引であって
事業者が示す内容・取引条件と実際のものが著しく異なる取引など(※2)が行われることにより、
多数の消費者の財産に被害を生じさせ又は生じさせるおそれのある事態
(※1)不実のことを告げること、故意に事実を告げないこと等が事業者により行われた事態
(※2)そのほか政令で定める取引
○ 情報提供
被害者等の心情に十分配慮し、被害者
等に適時適切な方法で情報提供
○ 調査等の委託
(実験・分析等を委託)
他の行政機関等による調査等の結果を評価し、必要に応じて意見
大学、民間団体の研究機関 等
※事故等原因調査等に応ずる行為や申出を
したことを理由とした不利益取扱いは禁止
○措置の内容:事業者に対して、内閣総理大臣が措置
・被害を生じさせている取引の取りやめその他必要な措置を勧告
・勧告に正当な理由なく従わない場合、勧告に従う旨を命令(命令違反に対しては罰則)
②関係機関等への情報提供
②関係機関等
の情報提供
被害の発生・拡大の防止に資する情報を、内閣総理大臣が関係機関等へ提供
(例)消費者庁が犯罪利用預金口座等を発見した場合、いわゆる振り込め詐欺救済法に
基づく口座の凍結のため、金融機関に対し、必要な協力を行った上で情報提供
【「すき間事案」への勧告・命令のイメージ】
関係省庁
・ 発生・拡大防止等の対策の企画立案及び執行
・ 所管分野の事業者に対する勧告・命令
等
等
事業者への
勧告・命令等(※1)
消費者庁
(消費者安全法)
(※1)「重大事故等」が発生した場合
(
財 産)
消費者庁
発生・拡大防止等の対策の企画立案及び執行
消費者への注意喚起
関係省庁への措置要求
事業者に対する勧告・命令(すき間事案)
措置要求
(安全)消費生活用製品安全法
各省庁所管法
生命身体事故等の発生・拡大の防止及び被害の軽減のための各種措置
消費者庁
(取引)特定商取引法、特定電子メール法、
預託法、貸金業法、割賦販売法、
宅建業法、旅行業法 等
(表示)景品表示法、JAS法、食品衛生法 等
すき間(
財産)
● 関係行政機関の長に対する 意見具申
(
生 命・
身体)
● 内閣総理大臣に対する勧告・意見具申
各省庁所管法
生命身体事故等の発生・拡大の防止及び被害の軽減のために講ずべき施策又は措置について
すき間(
生命 ・
身体)
発生・拡大防止等のための提言
・
・
・
・
平成24年8月
消 費 者 庁
消費者安全法の一部を改正する法律(概要)
消費者庁 資料5-3
事業者への
勧告・命令(※2)
今回の改正で
新たに導入
措置要求
消費者庁
(消費者安全法)
(※2)「多数消費者財産被害事態」が発生した場合
消費者庁 資料6
特定商取引法の一部を改正する法律(訪問購入に係るトラブルへの対応) 概要
平成24年8月22日公布
平成25年1月
消 費 者 庁
経 緯
● 内閣府行政刷新会議による規制仕分け(平成23年3月7日) 「法的措置についても早急に検討」(評価結果)
● 「規制・制度改革に係る方針」(平成23年4月8日閣議決定) 「貴金属等の買取業者による自宅への強引な訪問買取りから消費者を保護するための法的措置について、・・・平成23 年度中に検討・結論を得ること」
● 貴金属等の訪問買取りに関する研究会(消費者庁の研究会として、学者、弁護士、消費者団体、関係省庁で構成)
貴金属等の訪問買取りに関する研究会(消費者庁の研究会として 学者 弁護士 消費者団体 関係省庁で構成) 中間とりまとめ(平成23年12月9日) 「特定商取引法の改正により対応すべき」
トラブルの現状
平成22年度から、貴金属等を中心に、訪問購入に関し、消費者から各消費生活センターに寄せられる相談件数が激増。
<貴金属等の訪問購入のトラブルの主な事例>
○ 相談者の属性としては、女性(79%)や高齢者(60代以上、57%)が多いと
いう状況(数字は平成23年度)。
【着物の購入のはずが、貴金属の購入も執拗に要求してきた業者】
【着物の購入のはずが
貴金属の購入も執拗に要求し きた業者】
<PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)での相談件数)>
一人暮らしの母宅へ突然不要な着物を買い取ると電話があり、処分してもよい着物があったので来訪を承諾した。当日、若い男性が来て
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
着物の購入価格は300 円と言われ、あまりにも安かったが不要だったので了解した。すると業者が、ついでに貴金属の鑑定をしてあげると言
い、母がつけていた祖母の形見の指輪をいきなり外しにかかった。突然のことに驚いて必死で断ったが、他の物も見せるよう執拗に言われ、
30
69
138
2,424
4,142
怖くて手持ちのネックレス、指輪、ブレスレットを見せた。業者は一方的に3点全てを1,700円で買い取ると言い、代金と領収書を渡した。他に
古銭や切手はないかとなおもしつこく求めてきた。宝石3点はそれぞれ10万円以上もしたものなので納得できなかったが、怖くて断れなかった。
法律の概要
(1)法的措置を検討する対象
物品
現行の特定商取引法は、消費者トラブルが生じやすい6つの取引類型を対象に、行政規制、刑事罰及び民事ルールを規定。今回の改正にお
現行の特定商取引法は
消費者トラブルが生じやすい6つの取引類型を対象に 行政規制 刑事罰及び民事ル ルを規定 今回の改正にお
いて、 7番目の取引類型として「訪問購入」を追加。 <赤字は参議院によって修正された部分>
原則として全ての物品。ただし、訪問購入に係る消費者トラブル等のおそれがないと
認められる物品については政令で対象から除外。
(2)訪問購入業者に対する不当 ① 事業者名・勧誘目的等の明示義務
な勧誘行為の規制
② 不招請勧誘の禁止
不招請勧誘の禁止、勧誘意思の確認義務、
勧誘意思の確認義務
再勧誘の禁止
③ 不実告知・重要事項不告知を伴う勧誘の禁止
④ 勧誘の際に人を威迫、困惑させる行為の禁止 など
(6)物品を引き渡す際の第三者
への通知
クーリング・オフ期間中に第三者へ物品を引き渡す際に、物品がクーリング・オフされ
た、あるいはされる可能性がある旨について当該第三者に通知を行う。
売買契約成立
(契約締結時等)
書面を交付
(契約締結後)
×
クーリング・オフ期間中は
物品を引き渡さなくてもよい
第三者へ物品を引き渡した際 引渡しに係る情報の通知義務
第三者へ物品を引き渡した際、引渡しに係る情報の通知義務
売買契約の履行(購入代金の支払い、購入物品の引渡し)
第三者(善意無過失の者を除く)に対して
物品の所有権を主張できる
転売の
可能性
第三者へ物品
を引き渡す際、
物品がクーリ
ング・オフされ
た旨等の通知
義務
転売先(
第三者)
クーリング・オフ期間中に第三者へ物品を引き渡した場合には、売主の求めの有無等
に関わらず、第三者への引渡しに係る情報について売主に通知を行う。
不実告知や威迫、困惑等の禁止
クーリング・
オフ期間
(8日間)
(5)第三者への物品の引渡しに
関する売主への通知
再勧誘の禁止
訪問購入業者
など
・事業者名・勧誘目的等の明示義務
・不招請勧誘の禁止、勧誘意思の確認義務
(勧誘開始段階)
(勧誘中)
(4)訪問購入に係る売主(消費 ① 売渡し(購入)の契約締結後も、売主(消費者)は契約の一方的な解除(クーリング・
オフ)ができる。
者)によるクーリング・オフ
② クーリング・オフの期間は8日間。
③ クーリング・オフにより物品を確実に売主に巻き戻すためには、クーリング・オフ期間
中は購入物品を売主の手元に置いておくことを可能とすることが肝要。このため、以下
の規定を設ける。
・クーリング・オフ期間中は、売主は物品の引渡しの拒絶が可能
・物品の引渡しの拒絶が可能であることの書面記載義務
・物品の引渡しの際の不実告知や威迫、困惑の禁止
など
④ ③にもかかわらず、同期間中に訪問購入業者に購入物品が引き渡され、更に第三
者に転売された場合でも、売主がクーリング・オフしたときに、第三者(善意無過失の者
を除く)に対して物品の所有権を主張できる規定を設ける。
違反業者に対しては、業務停止等を命令。悪質な違法行為は、懲役や罰金の対象。
(勧誘前)
売主(
消費者)
次の事項を契約書面等に記載して交付する義務規定を設ける。
・物品の種類 ・物品の購入価格 ・物品の引渡しの拒絶に関する事項
(3)書面の交付
典型的な取引の流れのイメージ(勧誘からクーリング・オフ期間中まで)
注)訪問購入により契約を行
うことが通例であり、かつ売
主の利益を損なうおそれがな
い、と政令で定められた取引
態様は、訪問購入にかかる規
制の適用が除外される。(事
業者名の明示義務等を除く)
S消費者庁 資料7‐1
集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案の概要
背景
○ 消費者被害では同種被害が多発
消費者団体による新しい訴訟制度を創設
○ 訴訟による被害回復は困難
(泣き寝入り)
・事業者と消費者との間の構造的格差
(情報量・交渉力等)
(情報量
交渉力等)
・訴訟に要する費用・労力
被害回復の実効性確保
消費者庁及び消費者委員会設置法(平成21年9月施行) 附則
6 施行後三年を目途として、「・・・多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪し、
奪
被害者を救済するための制度について検討を加え、必要な措置を講ずる・・・」
概要
二段階目の手続:個別の消費者の債権確定手続
一段階目の手続:共通義務確認訴訟
異議がある場合
通常の訴訟
【裁判所】
簡易確定決定(金額等)
【消費者】
消費者の加入
消費者へ
の通知・
公告( 2
※)
【団体】
判決の効力
二段階目:個別消費者の
債権を確定
棄却判決等
(金銭支払義務)
認容判決等
一段階目:事業者の
共通義務を確認
共通義務に関する審理
( 1
※)
(
特定適格消費者団体)
訴えを提起
二段階型の訴訟制度:
(誰に、いくら支払うか)
仮差押え:特定適格消費者団体は、強制執行ができなくなるおそれがある場合などに、対象債権の総額の範囲で、仮差押命令の申立てをすることができる。
特定適格消費者団体
対象となる事案
(※1)
適格消費者団体(消費者契約法に基づき差止請求権
を行使。現在全国11団体)のうち新たな認定要件を満
たす者を内閣総理大臣が認定。
消費者契約に関する金銭支払義務のうち以下のもの
(簡易確定手続で債権の存否・内容を適切・迅速に判断することが困難であるときは、訴えを却下できる。)
【新たな認定要件】
・差止関係業務を相当期間継続して適正に行っている
・弁護士を理事として選任
・費用・報酬等の額又は算定方法が著しく不当でない
等
(※2)
特定適格消費者団体が対象となる消費者に対し
・書面等で個別に通知
・相当な方法により公告(インターネット等も可)
事案
①
契約上の債務の履行の請求
②
不当利得に係る請求
③
契約上の債務の不履行による損害賠償の請求
瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求
④
不法行為に基づく民法の規定による損害賠償の請求
被告
契約の相手方事業者
・ 契約の相手方事業者
・ 契約の履行をする事業者
・ 勧誘をする・させる・助長する事業者
いわゆる拡大損害(当該契約の対象となる財産以外の財産や生命・身体に生じた損害、慰謝料等)を除く。
消費者庁 資料 7-2
集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案について
消費者被害には、同種の被害が拡散的に多発するという特徴があります。
個々の消費者が、自ら訴えて、こうした消費者被害の回復を図ることは、費
用や労力を要するため困難です。
消費者庁では、こうした消費者被害の回復を図りやすくするために、集団
的消費者被害回復に係る訴訟制度について、今年の通常国会へ法案を提出す
ることを目指して検討を行っております。
平成 24 年8月に公表したその時点での制度案では、二段階型の訴訟手続を
新設することとしています。具体的には、まず、①一段階目の手続で、内閣
総理大臣の認定を受けた特定適格消費者団体が原告となり、多数の消費者と
事業者との間の共通義務について裁判所が判断し、②一段階目で特定適格消
費者団体が勝訴した場合、個々の消費者が二段階目の手続に加入し、簡易な
手続によって、それぞれの請求権の有無や金額を迅速に決定する、というも
のです。
詳細につきましては、別紙を御覧ください。
消費者庁 資料 7-3
平成 24 年 12 月
~こんな被害に泣き寝入りした人はいませんか?~
消費者被害を回復するための新たな仕組み
○ 多くの消費者が被害を相談することもできず、
泣き寝入りしています。
○ 過去に消費者被害にあった人が相談した相手
誰にも相談せず
36.2%
家族、知人、同僚等
29.4%
メーカー
24.4%
消費生活センター等
13.1%
販売店やそのセールスマン
10.5%
警察
5.8%
消費者団体
3.7%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
(出典)消費者庁「消費生活に関する意識調査」(平成23年度)
過去、実際にこんな被害がありました
・「モニター料を毎月支払います!」と、クレジットで高額な
布団を買わされたが、モニター料が入ってこない
・
バブル時代、ゴルフ会員権を買ったところ、一方的に払い
戻し金額や時期について変更され、購入金が戻ってこない
○ このような消費者が受ける財産的被害は、同種の
被害がたくさん起きるという特徴があります。
○ 「新たな仕組み」は、同種多発の被害を取り戻し、
泣き寝入りする人を減らすためにつくります。
①
なぜ泣き寝入りしてしまうのでしょう?
消費者が財産的被害を受けた場合、お金を取り戻すため、自分で
事業者を相手に交渉したり、訴訟を起こす必要があります。
消費者
事業者
①相対交渉/裁判
費用も時間
もかかり、
裁判は大変
②金銭の支払い
でも、消費者一人一人にとって、
・様々な情報を持ち経験を積んだ事業者を相手に交渉をするのは大変
・裁判を起こすための費用や労力がかなり大きい
・裁判をしても、勝つか負けるか分からない
このため、多くの消費者が泣き寝入りしてしまいます。
どんな制度が検討されているのでしょうか?
一定の要件を満たす消費者団体(特定適格消費者団体)を
中心に、二段階型の訴訟手続を行う制度を検討しています。
消費者の手続を肩代わり
事業者
消費者
②参加
④金銭の支払い
②
一定の要件を
満たす消費者団体
①裁判
③金銭の支払い
(被害回復の流れ)
○ 一段階目の裁判で、消費者団体が多数の消費者に代わり、
事業者に裁判を起こし、事業者の「金銭支払義務」の確認
を行います。
一段階目の裁判
②金銭支払義務
を確認
消費者団体
①訴訟の提起
事業者
勝訴した場合
○ 二段階目の裁判で、実際に被害を受けた消費者が参加し、
「どの消費者に」「いくら支払うか」を確定します。
(この決定に従い、個々の消費者に被害金額が支払われます。
)
二段階目の裁判
③ここから参加!
④どの消費者にいくら
支払うかを確定
消費者
消費者団体
⑥金銭の支払い
⑤金銭の支払い
事業者
③
どのような被害を取り戻せますか?
○ 事業者と消費者の間に契約関係があり、事業
者が金銭支払義務を負う場合
⇒
例えば、消費者に不利な契約条項のため無効となる契約や詐欺
的な悪質商法などにおいて利用することができます。
消費者にはどんなメリットがありますか?
・・・二段階型の訴訟手続になっているので⇒
○ 一段階目の裁判の勝訴の結果が出てから参加
できます。
・・・消費者団体が活躍することで⇒
○ 消費者団体が多くの手続を行ってくれます。
(被害者へのお知らせ、裁判所への届出等)
○ 消費者団体の持つ専門的な知識や交渉力を活
用できます。
消費者庁では、この制度について、国会へ法案
を提出することを目指して検討しています。
※
このチラシは、24 年 8 月に公表・意見募集を行った「制度案」の内容に沿って、
簡略に記載しています。「制度案」について、詳しくは、消費者庁ホームページ
(http://www.caa.go.jp/planning/index.html)で、
「集団的消費者被害回復に関す
る訴訟制度案」に関する資料を御覧ください。
④
現行の食品表示に関する法律
3法の複雑なルールを統合する等、
食品表示に関する包括的かつ一元的な制度を構築し、
食品表示に関する包括的かつ
元的な制度を構築し、
安全・適正な食品表示のための基盤を整備
目的
食品衛生法
消費者基本法の基本理念を踏まえて、表示義務付けの目的を統一・拡大
食品衛生法、JAS法、健康増進法のうち、表示部分を一元化
食品衛
法、
法、健康増 法 う 、表 部分を
栄養表示 義務化
栄養表示の義務化
○ 消費者側、事業者側双方の環境整備の状況を踏まえ、原則として、
全ての加工食品、事業者に義務付け
~全ての事業者に表示基準の遵守義務を拡大
是正措置及び執行体制の整備
○ 行政措置(指示等)の対象範囲の拡充
○ 調査権限規定の整備(帳簿書類などの提出等)
執行体制の整備
整備 (検討中)
○ 執行体制
申出制度の対象の拡大
○ 申出の対象を、全ての表示(公衆衛生、栄養表示など)に拡大
← 現行は、JAS法における「品質に関する表示」のみが申出の対象
健康増進法
【目的】
○飲食に起因する衛
生上の危害発生を
防止
【目的】
○農林物資の品質の
改善
○品質に関する適正
な表示により消費者
の選択に資する
【目的】
○栄養の改善その他
の国民の健康の増
進を図る
○販売の用に供する
食品等に関 する表
示についての基準
の策定及び当該基
準の遵守(第19条)
等
○製造業者が守るべ
き表示基準の策定
(第19条の13)
○品質に関する表示
の基準の遵守
(第19条の13の2)
等
○栄養表示基準の策
定及び当該基準の
遵守(第31条、第31
条の2)
等
○食品、添加物、容
器包装等の規格基
準の策定
○規格基準に適合し
ない食品等の販売
禁止
○都道府県知事によ
る営業の許可
等
○日本農林規格の制
定
○日本農林規格によ
る格付
等
○基本方針の策定
○国民健康・栄養調
査の実施
○受動喫煙の防止
○特別用途食品に係
る許可
等
(
表示関係以外)
○ 複雑でわかりにくい3法の表示部分を一本化して体系を整備、用語も統一
← ・ 複数の法律、下位法令に表示のルールが規定されている
・ 同一表示事項について複数の法令でルールが定められている
JAS法
表示関係
【現行】
・食品衛生法・・・衛生上の危害発生防止
・J A S 法・・・品質に関する適正な表示
・健康増進法・・・国民の健康の増進
3法の表示関係規定を一元化
【新制度】
・ 食品を摂取する際の安全
・ 一般消費者の自主的かつ合理
的な食品選択の機会の確保
平成25年1月
消 費 者 庁
食品表示法案(仮称・検討中)の概要
消費者庁資料8
(参考)表示基準(告示レベル)の取扱い
表示基準の整理・統合は、告示レベルで別途行う
(法律の一元化による表示義務の範囲の変更はない)
【今後の検討課題】
○ 中食・外食(アレルギー表示)、インターネット販売の取扱い
~当面、実態調査等を実施
○ 遺伝子組換え表示、添加物表示の取扱い
~当面、国内外の表示ルールの調査等を実施
○ 加工食品の原料原産地表示の取扱い
~当面、現行制度の下での拡充を図りつつ、表示ルールの調査等を実施
その他
○ 適格消費者団体の差止請求権(検討中)
→上記課題のうち、準備が整ったものから、順次、新たな検討の
場で検討を開始
○ 食品表示の文字のポイント数の拡大の検討 等
1
参考資料
食品表示に関する制度
(現行法令に基づく表示例)
○食品表示に関する主な法律とその目的
食品衛生法: 飲食に起因する衛生上の危害発生を防止すること
J A S 法: 原材料や原産地など品質に関する適正な表示に
より消費者の選択に資すること
健康増進法: 栄養の改善その他の国民の健康の増進を図ること
食品衛生法、JAS法及び健康増進法の関係
食品衛生法
JAS法
品質
食品安全の確保
名称
※「39」は製造所固有記号
原材料名
賞味・消費期限
内容量
保存方法
原産地
遺伝子組換え
等
製造者名等
アレルギー
添加物
等
※栄養表示は任意
食品衛生法に基づく表示事項
健康増進法
JAS法に基づく表示事項
(栄養表示、特別用途表示)
食品衛生法、JAS法の両法に基づく表示事項
等
健康増進法に基づく表示事項
2
消費者庁 資料9-1
東日本大震災への対応について
平成23年3月11日に発生した「東日本大震災」を受け、消費者庁としても以下の
取組を通じ、自治体の消費者行政を支援。
◆被災地への専門家の派遣
➢地元自治体からの要請等のニーズを踏まえつつ、被災地における相談窓口に各分野の専門家を派遣し、
被災者の方々の生活再建を図る上で必要となる総合的な相談体制の構築に対して支援 (平成23年5月~)
被災者の方々の生活再建を図る上で必要となる総合的な相談体制の構築に対して支援。
(平成23年5月 )
※詳細は別紙「専門家派遣事業について」に記載。
◆被災4県に対する「地方消費者行政活性化基金」の増額等
➢地方消費者行政活性化基金について、①震災対応の緊急事業への活用を可能とするとともに、被災4県
(岩手・宮城・福島・茨城)については、②「2分の1基準」の緩和、③取り崩し期限の延長(最大平成25年度末まで)
といった柔軟な運用。また、被災4県の基金に3.64億円を上積み(平成24年度予算)。
◆「食品と放射能」の問題に関する取組
【消費者とのリスクコミュニケーションの強化】
➢ 「食品と放射能」をテーマにリスクコミュニケーションを推進。消費者の疑問や不安に感じる事柄を分かりやす
く解説した「食品と放射能Q&A」を作成。広く消費者の参加を求め、庁自らシンポジウム形式のリスクコミュニ
ケーションを行うほか、地方自治体・消費者団体等への協力・支援。
※詳細 別紙 食品中 放射性物質 関するリ ク
※詳細は別紙「食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーション等の取組について(改めてお願いとお知らせ)」に記載。
ケ シ ン等 取組
(改
お願
お知ら )」 記載。
【地方自治体における消費サイドでの放射性物質検査体制の整備】
➢消費者の安全・安心をよりいっそう確保するため、国民生活センターと共同で自治体に検査機器を貸与し、
消費サイドで食品の放射性物質を検査する体制を整備。
➢検査機器の貸与のほか、検査を担当する自治体の職員等を対象として、検査等に関する研修会を開催する
検査機器の貸与のほか 検査を担当する自治体の職員等を対象として 検査等に関する研修会を開催する
など自治体における検査体制をバックアップ。
※詳細は別紙「放射性物質検査機器貸与事業について」に記載。
消費者庁 資料 9-2
被災地への専門家の派遣について
平成25年2月16日
消費者庁地方協力課
平成 23 年 3 月 11 日の東日本大震災により、被災した地方自治体においては、自治体の相談
窓口の機能が低下する一方で、生活再建に伴う消費生活相談への対応が必要となっています。
被災地域においては、津波により家屋を流された方々、親族を震災により亡くされた方々、
福島第一原子力発電所の事故を受けて住み慣れた地域を離れざるを得なくなった方々等、被災
者によって抱える問題は多岐に渡ります。
消費者庁では、
(独)国民生活センターと連携しながら、被災地の相談窓口等に消費者問題
の専門家を派遣することにより、自治体の相談窓口機能の補完に加え、被災者の負担軽減を図
るための支援を行っています。
1.被災自治体への専門家の派遣実績
岩手県
宮城県
福島県
茨城県
計
弁護士
323
168
574
1
1,066
司法書士
320
176
658
-
1,154
建築士
210
152
45
1
408
税理士
106
160
332
-
598
土地家屋調査士
219
160
184
-
563
行政書士
44
165
325
-
534
社会保険労務士
42
164
99
-
305
社会福祉士
43
166
13
-
222
ファイナンシャルプランナー
265
2
-
-
267
計
1,572
1,313
2,230
2
5,117
※ 平成 23 年 5 月から平成 24 年 12 月末までの累計(派遣実施証明書未提出を含む)
2.派遣先実績
(1)岩手県、宮城県、福島県、茨城県の20自治体(73ヶ所の相談窓口)に専門家を派遣。
うち5自治体(5ヶ所)は法テラスとの連携。
岩手県
宮城県
2自治体(25ヶ所 )
※ 大槌町(法テラスとの連携)を除き、岩手県を通じて各被災地域へ派遣
8自治体(31ヶ所)
※ 宮城県、仙台市、女川町、石巻市、亘理町、南三陸町、東松島市、山元町
9自治体(17ヶ所)
福島県
※ 福島県、福島市、伊達市、いわき市、相馬市、南相馬市、新地町、大熊町、
二本松市
茨城県
1自治体(1ヶ所)
※ 下妻市
※法テラスとの連携も含む
(2)法テラスとの連携
法テラスでは、従来の地方事務所だけではなく、被災地域に臨時出張所を開設し、弁護
士(司法書士)による無料法律相談を実施しています。
消費者庁と(独)国民生活センターは法テラスと連携し、司法書士、建築士、税理士、
土地家屋調査士、行政書士、社会保険労務士、社会福祉士を下記の各臨時出張所へ派遣し
ています。
(派遣専門家は臨時出張所によっては一部異なります。
)
① 南三陸町(宮城県)
:平成23年10月2日から派遣開始
② 山元町(宮城県)
:平成23年12月1日から派遣開始
③ 東松島市(宮城県)平成24年2月5日から派遣開始
④ 大槌町(岩手県)
:平成24年3月10日から派遣開始
⑤ 二本松市(福島県)
:平成24年10月2日から派遣開始
以上
消費者庁 資料9-3
放射性物質検査機器貸与事業について
平成25年2月16日
消費者庁地方協力課
食品に含まれる放射性物質については、平成 23 年 3 月の福島第一原子力発電所の事故を受
けて、厚生労働省は食品の安全性を確保する観点から、食品中の放射性物質の暫定規制値を設
定し、これを上回る食品は販売などができなくなりました。暫定規制値に適合している食品は、
一般に健康への影響はないと評価されています。
しかし、より一層、食品の安全と安心を確保するため、厚生労働省は、食品からの被ばくに
対する放射性セシウムの年間の線量の上限値について、国際放射線防護委員会の非常時の基準
を踏まえた5mSv(ミリシーベルト)から、国際機関のコーデックス委員会のガイドラインを
踏まえた1mSv(ミリシーベルト)に引き下げることを基本に、検討を進め、平成 24 年4月か
ら、新しい基準値に変更されました。
消費者庁では、消費者の目線に立って食の安全・安心を確保するため、関係省庁、地方自治
体及び(独)国民生活センターと連携しつつ、以下の取組を進めています。
<消費サイドでの放射性物質検査体制の整備>
食品と放射能問題の全国的な広がりを踏まえ、消費者の安全・安心をいっそう確保するた
め、生産・出荷サイドだけではなく、消費サイドでも食品の安全を確保する取組を進めてい
ます。具体的には、消費者の身近なところで地方自治体が食品等の放射性物質を測定する取
組の支援です。
1.放射性物質検査機器の貸与
消費者庁は(独)国民生活センターとの共同により、平成 23 年度から地方自治体に検査
機器を貸与し、消費サイドで食品の放射性物質を検査する体制の整備を支援しています。
貸与を希望する地方自治体に対して、第1次から第4次に分けて配分先を決定し、278
の地方自治体へ合計392台を配備しました。
(1)配備先地域とその台数(貸与先は道府県もしくは市区町村)
北海道ブロック
7台
東北ブロック
199 台
北関東ブロック
89 台
南関東ブロック
67 台
中部ブロック
4台
北陸ブロック
0台
近畿ブロック
15 台
中国ブロック
3台
四国ブロック
5台
九州・沖縄ブロック
3台
※北関東ブロック:茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県
※南関東ブロック:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
※中部ブロック:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
※北陸ブロック:富山県、石川県、福井県
(2)主な検査対象
貸与される検査機器により、①消費者が持ち込んだ食品、②自家消費作物、③学校給食
の食材など、各自治体において、その地域の実情に応じて検査が実施されています。
2.自治体へのサポート
消費者庁は、検査を担当する自治体の職員等を対象として、検査等に関する研修会を開催
するなど、自治体における検査体制のバックアップも併せて行っています。
(開催実績:全
国研修会 5 回、地方開催 18 回)
また、
(独)国民生活センターでは、放射性物質検査機器貸与事業における貸与先自治体
へのサポート体制の構築の一環として、ゲルマニウム半導体式検出器による精密測定も実施
しています。
以上
消費者庁 資料9-4
事
務
連
絡
平成25年 1月30日
地方自治体消費者行政担当課長
殿
消費者庁 消費者安全課長
平成25年度における「食品中の放射性物質」に関する
リスクコミュニケーション等の取組について(お願いとお知らせ)
各地方自治体におかれましては、一昨年3月の東京電力福島第一原子力発電所
事故を踏まえ、食品等に関する消費者の安全・安心の確保のため、積極的な取組み
を進めておられますことに心から敬意を表します。
1 消費者庁のこれまでの取組
消費者庁におきましても、「食品と放射能」を重要テーマとして、消費者への分かり
やすい情報提供とリスクコミュニケーション等の推進に努めています。
具体的には、消費者の疑問や不安に感じる事柄を分かりやすく解説した冊子「食
品と放射能Q&A」(現在第7版)を提供しているほか、各種情報や資料をホームペ
ージで公表するなどしています。また、昨年9月以降、関係省庁と連携を図り、3回シ
リーズによるポスターやリーフレットを用いた小売店舗等における広報活動も行って
います。
また、リスクコミュニケーションとしては、消費者と専門家が共に参加する意見交換
会(シンポジウム等)を全国各地域の様々な実情に合わせた形態で、これまでに約2
00回開催(平成23年度45回、今年度148回開催)しています。
2 リスクコミュニケーションについての協力・支援
消費者庁では食品中の放射性物質に係る積極的な風評被害対策の必要性を踏ま
え、リスクコミュニケーションの推進に係る政策を引き続き総合的に講じ、消費者が正
確な情報を得て、食品に係るリスクの現状を理解し、自らの判断で主体的な消費行
-1-
動を行うことが、今後ますます重要になると考えます。
このため、来年度も引き続き、食品と放射能に関するリスクコミュニケーションの強
化を進めることとし、これまで同様、地方自治体や地域の消費者団体等が「食品と放
射能」に関する講演会などを開催する場合には、一定の協力・支援を行う予定です。
あわせて、これまでの取組を踏まえ、食品に係るリスクへの理解と消費行動の動向
等に関して調査を行い、より一層、効果的なリスクコミュニケーションの実施を目指す所
存です。
具体的な改善点やその方向性については、平成25年度予算の成立後、改めてお
知らせしますが、貴職におかれましても、引き続き、当庁の取組みにご理解をいただき、
別添の内容に関し、関係者への働きかけを含め実施に係るご検討をいただければ幸
いです。
-2-
(別添)
<平成25年度におけるリスクコミュニケーション等に係る協力・支援について>
消費者庁では、昨年度に引き続き、平成25年度において地方自治体や地域の消
費者団体等が「食品と放射能」に関する講演会などを開催する場合に、下表のとおり、
協力・支援を行うこととしています。
具体的な協力・支援等については、当庁の担当者まで前広にご相談くださるよう、
お願いいたします。
○
消費者庁の協力・支援の主な内容(予定)
当庁との共催の場合
講師への旅費及び諸謝金を、
講師
当庁の内規に従い一部又は
全部負担
会場借料
その他
(注) 1
地方自治体主催の場合
外部講師紹介
(当庁職員の派遣も可能)
一部又は全部の負担
-
「食品と放射能Q&A」の配布
「食品と放射能 Q&A」の提供
旅費及び諸謝金は、「平成25年度諸謝金の使用基準(各府省申し合わせ事
項)」に従い算出した金額となります。
2
共催の場合の講師の人選は、当庁と協議してください。
3
当日の議題によっては、当庁の職員が講師を務めることも可能です。
4
「消費者庁の協力・支援の主な内容」については、全国消費者団体連絡会を
通じ地域の消費者団体にもお伝えしています。
本件に関する問合わせ先
消費者庁消費者安全課 石川、影山、岸、小谷
TEL : 03(3507)9201(直通)
Mail to : [email protected]
-3-
消費者庁 資料 9-5
食品と放射能に関する消費者理解への取組について(依頼)
各自治体におかれては、食品と放射能に関する消費者理解に向けた取組を行って
いただいているところですが、地方消費者行政活性化基金の活用により、さらに積
極的な取組をお願いいたします。
以下、御参考に、取組事例を紹介します。
基金の活用等による取組事例
1.講演会・講習会等の開催
・食の安全を求めて活動する消費者団体や市民等を対象に講演会を開催
・地域における活動の主体となる食文化の団体のリーダー等を対象に研修会を開催
・県民を対象に、食品中の放射性物質についての新たな基準や健康への影響をわかり
やすく解説し、直接疑問や質問に答える講演会を開催
2.啓発資料等の作成
・放射能と食品中の放射性物質の基準設定の考え方や管内における放射性物質に関す
る監視状況などを紹介するリーフレットを作成
・市報や班内回覧に活用する「放射性物質Q&A」を作成
・食品や放射性物質に対する市民の正しい理解を図るため、リーフレットを作成し、
全戸配布
3.その他
・「災害援助協定」等の枠組みを生かし、被災地自治体との協働により、住民に対し
てリスクコミュニケーションを展開
・食の安全・安心に精通した相談業務に従事する人材を育成
中部ブロック
「地方消費者グループ・フォーラム」
~消費者被害ゼロをめざして~
主催:中部ブロック実行委員会、消費者庁
平成25年(2013年)2月16日(土)13:00~16:00
名古屋商工会議所(2階大会議室)
◆プログラム
時 間
13:00~13:05(05) 開会挨拶
内
容
13:05~13:25(20) 消費者庁の挨拶と報告
消費者庁
長官
地方協力課長
阿南
村松
久
茂
13:25~14:25(60) 基調講演
「消費者教育推進法の成立について」
消費者教育推進のための体系的プログラム研究会
座長代理 島田 広
(弁護士)
消費者教育推進法の成立を受けての今後の取り組みについて
14:25~14:45(20) 消費者庁報告
消費者庁消費生活情報課
消費者教育第一係長 米山 眞梨子
14:45~15:05(20) 文部科学省報告
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課
課長補佐 小沢 文雄
15:05~15:55(50) 分散会での交流
15:55~16:00(05) 閉会挨拶
1
◆ もくじ
(1)消費者庁資料・・・・・・別冊 2 点
(2)基調講演資料
「消費者教育推進法の成立について」
消費者教育推進のための体系的プログラム研究会座長代理
・・・・・・・・・・・・・・・P1
(3)消費者庁資料(消費者教育関係)
消費者庁消費生活情報課消費者教育第一係長
・・・・・・・・・・・・・・・P41
米山
広(弁護士)
眞梨子
(4) 文部科学省資料
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課課長補佐
・・・・・・・・・・・・・・・P49
◆実行委員会 委員名簿
島田
小沢
文雄
(敬称略)
実行委員登録団体
役職
委員氏名
1
消費者ネットワーク岐阜
事務局長
河原
洋之
2
消費者問題ネットワークしずおか
事務局長
小野
裕子
3
一般社団法人静岡県地域女性団体連絡
協議会
会長
長野
蝶子
4
静岡県消費者団体連盟
会長
小林
昭子
5
愛知県消費者団体連絡会
事務局
中村
敏子
6
愛知県司法書士会
社会事業部長
野崎
史生
7
全国消費生活相談員協会中部支部
副支部長
中村
礼子
8
愛知県弁護士会
小田
典靖
9
愛知県弁護士会
柴田
将人
10
NPO 法人愛知かきつばたの会
幹事
伊藤
嘉邦
11
三重県生活協同組合連合会
専務理事
茂木
穰
12
三重県生活協同組合連合会
事務局長
岡本
一朗
13
三重県消費者団体連絡協議会
会長
植村
静子
14
四日市消費者協会
代表
中嶋
敦子
15
名張市消費生活協議会
会長
奥野
幸代
16
全国大学生協連東海ブロック
事務局長
大谷
光一
17
全国消費者団体連絡会
事務局
板谷
伸彦
18
岐阜県環境生活政策課
消費生活対策監
園部佳要子
19
静岡県県民生活課
課長
塚本
高士
20
愛知県県民生活課
課長
柴田
明
21
三重県交通安全消費生活課
消費生活監
別所志津子
22
消費者庁
課長補佐
秋田
富夫
23
消費者庁
係長
杉山
大樹
2
お願い・お知らせ
会場内施設のご案内
お手洗い
2F・エレベーターホー
ルの裏手になります。
携帯電話
携帯電話等は、マナーモ
ードに設定して下さい。
おタバコ
喫煙所は 2F ロビー奥のテ
ラス、3 階休憩室、5 階喫
煙室、の 3 箇所です。
アンケート
参加者アンケート(資料封
筒同封)にご協力下さい。
写真撮影
記録のため、写真撮影を
行います(消費者庁ホームペ
コート類
お飲物
会場脇のテーブルをコー
ト置き場にご利用下さい。
ージ等に掲載します)。
3階・5階・7階に自販機
がございます。
2 階ご案内図・避難経路図
テラス・喫煙所
避難はしご
保管場所
受付
お手洗い
避難経路
3
平成24年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
進行予定
2013年2月16日13:25∼14:25 名古屋商工会議所
消費者市民社会とは何か?
持続可能な消費と生産への転換
消費者教育の重要性
消費者教育推進法を活用して連携を広げる
(=#
D/(?1>9"C'5% % BE
消費者市民社会の未来
島 田 広
1
2
「消費者行政推進基本計画」
(2008年6月27日閣議決定)
「消費者がよりよい市場とより
よい社会の発展のために積極的
消費者市民社会
とは何か?
に関与することがあってこそ,
新組織はその存在感を高めるこ
とができる。」
自動車の環境性能に関する
分かりやすい表示(ドイツ)
3
4
6
消費者市民の定義
消費者市民とは,
倫理的,社会的,経済的及び環境的配慮に
基づいて選択を行う個人である
消費者市民は,
家族,国及び地球的レベルで思いやりと責
任をもって行動することによって,
公正で持続可能な発展を保つことに積極的
に貢献する
https://vimeo.com/58491089
5
CCN, Consumer Citizenship Education Guideline vol.1 Higher Education
7
8
価格
消費者市民の定義
品質
自分が,
生活設計
自分
家族
単なる商品・サービスの受け手ではなく,
健康・安全
社会,経済,環境を公正で持続可能なもの
に変える力をもち,
持続可能な
消費と
費
消費者行動
経済
安心
地域
国
連帯
環境
自己実現
その役割を担っている存在だと知ることで,
地球
人権
公正
主体的・能動的に行動できるようになった
平和
消費者
資源維持
9
(
自分が支払ったお金は,誰の手
""
に渡るのか?
""
(
自分が手にする商品は,どこか
ら来て,どこに消えるのか?
#
&$
#
'%
どうすればよりよい消費社会に
&$ !* 近づけるるのか?
'%
!*
)
)
11
15
Victoria・W・Thoresen博士
ノルウェー・ヘドマルク大
学教育学部准教授
コンシューマー・シティズ
ンシップ・ネットワーク
(CCN,現在はPERL)
プロジェクト・マネジャー
ノルウェー国家コア・カリ
キュラム改訂委員会委員
ノルウェー消費者教育委員
会委員
17
18
8
個人的な消費観
「個人の欲求を満たす」消費
社会的責任の希薄化,被害の自己責任化
「被害にあわない」「賢い」消費者作り 持続可能な消費
と生産への転換
社会的な消費観
「社会や人とのつながりを感じる」消費
社会参加と社会的責任,被害の社会問題化
社会とのつながりと行動に焦点を当てた消
費者教育 19
20
https://www.facebook.com/OccupyWallSt1
21
22
生活が地球に与えるインパクトの差
ç√
ç√
UNEP”Towards a Green Economy”
CCN ”Learning Sustainable Development” データはWorld Bank(2000)
23
24
先進国並みの生活を支えるには…
携帯電話の素材も世界から来ている
http://www.unep.fr/scp/marrakech/taskforces/lifestyles.htm
25
26
人類文明を救うために,
「時間」,「お金」,
「消費の削減」におい
て,今日,私たちはどの
ような貢献ができるだろ
うか。
…選ぶのは,私たちの世
代である。だが,その決
定は,この地球に生き
る,未来の全ての世代の
命にかかわるだろう。
筆者達の考えでは,工業
化時代はまさに,このよ
うな膨らみすぎたバブル
の状態にある。
…問題は,「工業化時
代のバブルは終わるのか
どうか」ではなく,
「いつ,どのようにして
終止符が打たれるの
か」である。
28
30
ダボス会議で公表される
世界の持続可能企業ランキング
消費者はグローバル化し
た世界をよりよい場所に
したいという思いから,
…混乱に満ちた世界にお
いて,自分たちの一番深
いところにある欲求,社
会的・経済的・環境的公
正さに対する欲求に,ミ
ッションやビジョンや価
値で対応しようとしてい
る企業を探している。
http://www.global100.org/annual-lists/2013-global-100-list.html
32
33
国連消費者保護ガイドライン
国際社会がすすめる取り組み
(1999年改訂)
持続可能な消費は,現在及び将来の世代の商品と
1992 国連環境開発会議(リオデジャネイロ)
サービスに対する必要を,経済的,社会的かつ環
1999 国連,消費者保護ガイドラインを改定,
持続可能な消費取り込む
境的に持続可能な方法で満たすことを含む。
政府は,持続可能な消費の促進のため,規制,情
2002 持続可能な開発に関する世界首脳会議
報提供,持続可能な生産の促進,環境面での商品
2005 国連持続可能な発展のための教育の10年
テスト,環境コストの価格への上乗せの仕組み,
2012 国連持続可能な開発会議
持続可能な消費についての表示や指標の開発,消
費動向調査などに取り組むべきである。
34
35
国連消費者保護ガイドライン
(1999年改訂)
事業者は,商品とサービスの設計,製造及び供給を
通じて,持続可能な消費を促進する責任を負ってい
る。
消費者団体と環境団体は,持続可能な消費について
の議論への参加の促進,消費者への情報提供,持続
可能な消費に向けた政府と事業者との協力につい
て,責任を負っている。
“Expansion of the United Nations guidelines on consumer protection to include sustainable
consumption”
http://www.un.org/documents/ecosoc/res/1999/eres1999-7.htm
36
37
UNESCOとUNEPの
若者向けパンフレット
2008 マラケシュ・
タスクフォース
「持続可能な消費
のための教育ガイ
ドライン」を発表
(2010完成)
“youthXchange”
http://www.unep.fr/scp/publications/details.asp?id=DTI/0655/PA
http://www.nittsu.co.jp/corporate/contribution/environment.html(和訳)
39
38
国連「持続可能な消費と生産の
ための10年の枠組み」
消費者・市民教育モデル事業
http://www.unep.fr/scp/marrakech/about.htm
2011.2.22∼23 文部科学省講堂にて
41
42
食料の未来を確かなものにするために(第1部)農林水産省
消費者教育の
重要性
消費者教育フェスタ 2011年2月
http://www.youtube.com/watch?v=br0BiBQWexs
43
44
消費者市民教育の要素
ポジティブ
な意識
消費のあり方を見つめ直す
日常の消費のあり方,ライフスタイルを振り
返り,みんなで話し合う
消費者
市民教育
持続するモチベーション
自分たちで調査し,消費のあり方を変えよう
としている人と出会う
連帯・
行動力
「できない」ことを,どうすれば「できる」
日々の生活の中で
意識と行動を結びつける
に近づけられるか,具体的に考え,行動する
45
46
生徒による調査活動の一例
生徒による調査活動の一例
2010年4月10日日弁連シンポより
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/shohisha.html
2010年4月10日日弁連シンポより
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/shohisha.html
47
48
生徒による調査活動の一例
生徒による調査活動の一例
2010年4月10日日弁連シンポより
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/shohisha.html
2010年4月10日日弁連シンポより
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/shohisha.html
49
50
持続可能な消費=多面的に考える消費
価格
生活設計
経済
品質
健康・安全
消費者被害に
あわないか?
安心
商品・
サービス
消費者センス
連帯
自己実現
環境
公正
社会によい
ことか?
人権
資源維持
必要?
有益?
平和
53
消費者被害に
あわないか?
自分にとって
必要?有益?
消費者被害に
あわないか?
自分にとって
必要?有益?
●買う必要があるか
●広告と違わないか
●通信費は毎月何円?
●信頼できる業者か
●家計収支との関係
●家
家計収支
家
関係
●信頼できる業者か
●図書館利用か,購入か
●オプションは必要か
スマホを買う
本を買う
●公正な取引がなされ
ているか
ているか
●いままでもっていた
携帯をどうするか
●インターネットか,
地元の本屋か
社会によい
こと55か?
?
社会によい
こと56か?
?
自動システム
熟慮システム
感覚情報に
論理・理性に
基づく迅速な
基づく思考
感情や行動の
始動
文藝春秋社 2010年
57
58
自動システム
,4*8
OFF
論理・理性に
基づく迅速な
基づく思考
1>9$603&!)0
熟慮システム
感覚情報に
感情や行動の
始動
2+@:A;
-
.<7
59
60
課題③
推進法を活用して
連携を広げる
F,4*8<7A;
草思社 2006年
61
62
消費者教育推進法とは?
消費者教育の理念・目的を共有する
協議会組織を通じて連携を広げる
教材,人材の充実を図る 消費者市民社会の基礎づくり
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012081001002690.html
64
65
消費者教育の定義
「消費者市民社会」の定義
消費者が,個々の消費者の特性及び消費生活
の多様性を相互に尊重しつつ,
自らの消費生活に関する行動が現在及び将来
の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地
球環境に影響を及ぼし得るものであることを
自覚して,
公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参
画する社会
消費者の自立を支援するために行われる
消費生活に関する教育
(消費者が主体的に消費者市民社会の形
成に参画することの重要性について理解
及び関心を深めるための教育を含む。) 及び
これに準ずる啓発活動
66
67
基本方針・
都道府県消費者教育推進計画等
基本理念
国
1) 消費生活に関する知識と実践的な能力の育成
2) 主体的に消費者市民社会に参画する消費者の育成を
支援
消費者庁と文部科学省が,消費者教育推
進に関する基本方針案を作成,閣議によ
3) ライフステージや特性に応じた適切な教育方法
4) 様々な場で,多様な主体が連携
5) 消費の社会的影響等多角的視点での情報提供
6) 災害等非常の事態における消費生活の理解
7) 環境教育,食育,国際理解教育その他関連教育との
連携
り決定
地方公共団体
基本方針を踏まえ,消費者教育推進の計
画を定めるよう努力
68
69
消費者教育推進会議・
消費者教育推進地域協議会
推進法を活用し連携を広げる
国
消費者,事業者,関係団体,教育関係者,
学識経験者及び行政機関職員で組織
①消費者教育の推進に関する情報交換及び
調整,
②基本方針に関する意見表明 を行う
地方公共団体
同様の地域協議会を組織するよう努力
消費者教育の意義,消費者教育推進の目
標や戦略の明確化
多様な主体の連携を可能とする消費者教
育推進地域協議会づくり
地域の消費者教育関連情報の収集,整理
教材の開発,整理
70
71
個人
多面的な消費情報を紹介する
消費者向け情報サイト
行政
持続可能な
消費
費
消費者行動
消費者団体
専門家
NPO
事業者団体
http://www.ethicalconsumer.org
73
消費者市民社会がもたらすもの
ポジティブな生き方としての消費者問題の
とらえ方
消費者市民社会
の未来
持続可能な社会
消費者被害の防止
消費者市民が支える機能的な消費者行政
事業者の活動への消費者のコントロール
消費者・生活者の視点を中心にすえた
市場・社会への転換
74
75
北欧での取り組み
北欧での取り組み
Teaching Consumer Competences – A Strategy for Consumer Education
(「消費者の能力教育 消費者教育の目的と内容の提案」 2009年 北欧・エストニアグループ編)
http://www.norden.org/en/publications/publikationer/2009-588
http://www.caa.go.jp/information/pdf/111107_4.pdf(和訳)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/28/1306754_12.pdf(和訳)
76
77
78
79
北欧の「消費者力」
80
81
G
82
83
国内総生産(名目)の構成比
純輸出
1.7%
政府最終消費支出
出
17.9%
在庫品増加
0.7%
G
家計最終消費支出
総固定資本形成
23.4%
55.1%
対家計非営利団体最終消費支出
1.2%
84
国民生活白書平成20年版より
85
消費行動で世界が変わると思う?
各国のフェアトレード製品売上高
(億円)
1200
1,178
1,136
1000
わからない
800
27.6%
600
400
思う
255
228
200
128
56
フィンランド
38
29
17
10
6
5
ルクセンブルグ
56
ベルギー
イタリア
デンマーク
スウェーデン
87
63
スペイン
64
日本
69
オーストラリア・
ニュージーランド
77
オランダ
オーストリア
カナダ
ドイツ
スイス
フランス
国民生活白書平成20年版より
イギリス
86
アメリカ
0
85
ノルウェー
58.9%
アイルランド
思わない
13.4%
339
国民生活白書平成20年版より
フログネル公園(オスロ)
ご静聴ありがとうございました。
90
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
消費者市民社会について(資料)
2012 年 11 月 28 日
弁護士
第1
島田
広1
消費者市民社会の定義
●Consumer Citizenship Network(CCN)(2009年3月「消費者市民教育に関
する諸外国の現状調査報告書」より)
消費者市民とは、倫理、社会、経済、環境面における考慮を行った上で選択を行
う個人である。消費者市民は家族、国家、地球規模で思いやりと責任を持って行動
を行うことで、公正で持続可能な発展の維持に積極的に貢献する。
http://www.consumer.go.jp/seisaku/caa/shohishakyouiku/2008syogaikoku/2008s
yogaikoku.html
●「消費者行政推進基本計画」(2008年6月27日閣議決定)
この度創設される新組織は行政のこうした大きな転換の重要な起点であり、発足
後も「消費者の利益の擁護及び増進」のために継続的にその活動を強化充実してい
かなければならない。実際、すべてを一挙に、限られた時間の中で実現することは
できない。こうした強化充実のためには消費者の声を真摯に受け止める仕組みの存
在と消費者による強力な後押しが欠かせない。消費者がよりよい市場とよりよい社
会の発展のために積極的に関与することがあってこそ、新組織はその存在感を高め
ることができる。
新組織の創設は、転換期にある現在の行政の関係者が「公僕」としての自らの活
動の意味を再考する重要なきっかけを作るものであるとともに、消費者の更なる意
識改革をも促すものである。その意味でこの改革は「消費者市民社会」というべき
ものの構築に向けた画期的な第一歩として位置付けられるべきものである。
「消費者市民社会」とは,個人が、消費者としての役割において、社会倫 理問
題、多様性、世界情勢、将来世代の状況等を考慮することによって、社会 の発展
と改善に積極的に参加する社会を意味しており、生活者や消費者が主役となる社会
そのものと考えられる。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shouhisha/kakugi/080627honbun.pdf
●平成20年版国民生活白書
消費者市民社会は「消費者市民」が多い程、社会を変える力が増すとはいえ、困
窮者や高齢者などに鞭打って「主体的役割を果たせ」という社会でもない。事業者
や行政の役割を回避するものでもない。むしろ「消費者市民」がやさしい眼差しを
1
日弁連消費者問題対策委員会副委員長(消費者教育・ネットワーク部会部会長) 泉法律事務所
〒910-0004 福井市宝永 4-9-15 千葉ビル3階 電話 0776-30-1371 [email protected]
1
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
持って一般的な消費者・生活者と連帯し、また企業で働く人も消費者・生活者の視
点を持って事業活動を見直し、社会構造を良くしていく社会でもある。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/01_honpen/index.html
●日本弁護士連合会第52回人権擁護大会「消費者被害のない安全で公正な社会を実
現するための宣言」
私たちは、消費者の権利の尊重と消費者の主体的な参加に根ざした、次のような
安全で公正な社会の実現をめざす。
①消費生活について安全と公正が確保され、消費者の消費行動や社会的活動によ
り、誠実な事業者・生産者を支援し、また、事業者・生産者の質の向上、市場
や社会の改善を図っていくことができる社会。
②消費者の生命・身体や重要な財産へ危険を及ぼす商品・サービスを市場に出さ
ないための規制、市場で解決できない問題についての規制、市場が適切に機能
するための規制が的確に行われている社会。
③多様な消費者が存在するなかで、社会的弱者が保護されているとともに、多く
の消費者が消費者教育等により批判的な精神をもって消費行動や社会的活動
を行うことができ、かつ、消費者団体等の諸組織やそのネットワークが、充実
した活動を行うことができる社会。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/civil_liberties/year/2009/2009
_4.html
第2
消費者市民社会の考え方が登場した経緯
(国際社会の動き)
●アジェンダ21(1992年
国連環境開発会議
リオデジャネイロ)
「環境へのストレスを軽減し,人類の基本的ニーズを満たすような消費と生産形
態を促進すること」「消費の役割やどのようにしてより持続可能な消費パターンを
実行するかについてのよりよい理解を発展させること」を目標に掲げ,「環境の質
の保全と持続可能な開発を同時に達成するために,資源利用の最適化と廃棄物の最
小化を促進する必要があり,そのためには生産の効率化と消費形態の変化が求めら
れる」ことを行動の基礎に据えた。
●消費者保護ガイドライン(1999 年改訂
概要)
持続可能な消費は,現在及び将来の世代の商品とサービスに対する必要を,経済的,
社会的かつ環境的に持続可能な方法で満たすことを含む。
政府は,持続可能な消費の促進のため,規制,情報提供,持続可能な生産の促進,
環境面での商品テスト,環境コストの価格への上乗せの仕組み,持続可能な消費に
ついての表示や指標の開発,消費動向調査などに取り組むべきである。
事業者は,商品とサービスの設計,製造及び供給を通じて,持続可能な消費を促進
2
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
する責任を負っている。
消費者団体と環境団体は,持続可能な消費についての議論への参加の促進,消費者
への情報提供,持続可能な消費に向けた政府と事業者との協力について,責任を負
っている。
“Expansion of the United Nations guidelines on consumer protection to include
sustainable consumption”
http://www.un.org/documents/ecosoc/res/1999/eres1999-7.htm
●UNESCO・UNEP「youthXchange」
変化をもたらす方策を提供するのは政府や規制機関,NGOと事業者の責任であ
る。しかし,世界の消費者・市民の役割は彼らの行動をより早めよりよいものにす
る上で極めて重要である。
http://www.nittsu.co.jp/corporate/contribution/pdf/youth_change_jp_01.pdf
http://www.nittsu.co.jp/corporate/contribution/environment.html(和訳)
●コフィ・アナン(前国連事務総長)(2004年4月29日
ニューヨーク)
持続可能な消費とは、1 人 1 人が持っている力を意味します。消費者として力を
持たない人はいません。環境に配慮した商品を選択することは、誰でも出来ます。
1 人 1 人が力を発揮すれば、持続可能な商品を生産する社会構造も、少しずつ作ら
れていくでしょう(youthXchange より)。
●消費者教育:OECD 消費者政策委員会の政策勧告(提言)(2009年)
今日の消費者は、情報量の増大や製品の選択肢の拡大に直面し、一層複雑化した
市場の中で活動している。より良い選択を行うことと消費者の利益を保護すること
には、より広範な技能と知識が必要とされるようになっている。この点で、消費者
教育は極めて重要である:消費者教育は、社会的な価値や目的を考慮に入れつつ、
情報に基づき、理にかなった選択を行うための技能や知識を育み、向上させるプロ
セスとして定義できる。消費者教育は、批判的思考を身につけ、意識を高めるのに
役立ち、それによって消費者はよりプロアクティブに行動することが可能となる。
これはまた、消費者が日々複雑化していく市場の中で活動するために必要な自信を
持つために重要なツールでもある。
今日の消費者教育は、過去に比べ、より多様な分野をカバーするようになってい
る。例えば、消費者の権利や義務、家計、持続可能な消費、デジタルメディア・技
術が範囲に含まれる。こうした教育は、消費者の生涯を通じて、より良い意思決定
や技能を育む長期的・継続的なプロセスとして捉えられるべきである。
http://www.caa.go.jp/planning/pdf/091218gaiyo-kariyaku.pdf
●北欧閣僚評議会(北欧・エストニア消費者教育グループ編)「消費者の能力教育—
消費者教育の戦略 消費者教育の目的と内容の提案」
持続可能な発展のテーマの目的は,学習者に,彼らが消費者として日頃の生活で
3
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
行う消費がもつ意義を認識させ,彼らが将来の生活環境を守る責任ある市民になる
ようにすることである,持続可能な消費は,自然の過程,生物多様性,天然資源を
維持することに関する諸原則と調和する消費である。それは経済的に効率的である
と共に公正でもある。消費は,人々のライフスタイルを向上させ彼らのコミュニテ
ィへの帰属意識を強めるという目的と,矛盾するものであってはならない。持続可
能な消費は文化と価値と調和する。
目
的
学習者は,彼らの選択の長期的影響を評価し,持続可能な発展に貢献するため
に努力する。
学習者は,
○持続可能な発展の,環境的,経済的,社会的及び文化的側面についてよく知り,
それら4つ全てを同時に考慮に入れることが持続可能な発展を維持する上で不
可欠であることを理解する。
○自然的,社会的,経済的及び文化的環境の変化を,将来を見据えた視点,シス
テム思考,及び製品のライフサイクルの認識にたって,調べ,評価し,分析す
ることができる。
http://www.norden.org/en/publications/publikationer/2009-588
http://www.caa.go.jp/information/pdf/111107_4.pdf(和訳)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/
2011/06/28/1306754_12.pdf(和訳)
●「我々が望む未来」(国連持続可能な開発会議(RIO+20))合意文書(案
20
10年)
我々は、貧困と飢餓を撲滅し、人類の活動が地球の生態系及び生命維持システム
を尊重するようになお一層努力する決意である。我々は、我々の生活の仕方のあら
ゆる側面に おいて持続可能な開発を主流として組み込む必要がある。我々は、持
続可能な開発と持続可能な消費及び生産パターンを助長する特別の責任かあるこ
とを認める。
http://www.mri.co.jp/SERVICE/rio20/zerodraft.pdf
(企業側の動き)
●ジョン・エルキントン他著
関根智美訳「クレイジーパワー
社会企業家―新たな
市場を切り拓く人々」(英治出版 2008)
今,世界は数々の歴史的な問題に直面している。表面化した対立やテロ攻撃,大
量破壊兵器の脅威、貧困と飢餓,伝染病の世界的大流行の恐れ…。そして,おそら
くもっとも深刻な問題は気候変動ではないだろうか。しかし,適切な方法で立ち向
かえば、今日の危機から明日のソリューションが生まれ、計り知れない規模の市場
4
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
機会が創造されるはずだ。…
社会・環境企業家は,自ら先例となって世界を主
導する人々だ。解決困難な問題に立ち向かい,大きなリスクをとり、我々の能力に
限界などないということを証明しようとする。そして,経済・環境の持続可能性や
社会的公正といった、途方もない目標を掲げて突き進む。社会経済,環境,政治に
おける重大な問題の原因がシステム上の欠陥にあると思えば、システムそのものを
変革することさえ厭わない。かつてない方法で既存の産業構造を崩壊させ,未来へ
の新たな途を創造しようとする。
グローバル企業は今,影響力のある社会,環境活動家を血眼になって探し回ってい
る。
●上條典夫「ソーシャル消費の時代
2015年のビジネス・パラダイム」 (講談社
BIZ 2009)
今日,消費という行為は意外なほど甚大で,遙か遠方に及ぶ影響を,人間,社会,
環境などあらゆる側面でボーダレスにもたらしうる。食料の約三割を廃棄するとも
言われる日本人と,貧困と飢餓にあえぐ第三世界の子と,決して無縁ではないし,
無縁であってはならない。求められるのは,「量・個」ではなく「質・絆」を重視
した新たな「ソーシャル消費」という意識,スタイルだ。
●フィリップ・コトラー他著
恩藏直人監訳「コトラーのマーケティング 3.0
ソー
シャルメディア時代の新法則」(朝日新聞出版 2010)
今日のマーケターは消費者のマインドとハートをつかもうとする。この消費者中
心のアプローチは,残念ながら,消費者がマーケティングの受動的なターゲットで
あるという見方を暗黙のうちに前提にしている。これはマーケティング 2.0,すな
わち消費者志向の段階の見方である。
現在,われわれはマーケティング 3.0,すなわち価値主導の段階の登場を目の当
たりにしている。マーケティング 3.0 では,マーケターは人びとを単に消費者とみ
なすのではなく,マインドとハートと精神を持つ全人格的存在ととらえて彼らに働
きかける。消費者はグローバル化した世界をよりよい場所にしたいという思いから,
自分たちの不安に対するソリューション(解決策)を求めるようになっている。混
乱に満ちた世界において,自分たちの一番深いところにある欲求,社会的・経済的・
環境的公正さに対する欲求に,ミッションやビジョンや価値で対応しようとしてい
る企業を探している。選択する製品やサービスに,機能的・感情的充足だけでなく
精神の充足をも求めている。
●ISO26000(2010年)
6.7.5 消費者課題 3: 持続可能な消費
6.7.5.1 課題の説明
持続可能な消費とは,持続可能な開発に即した速度で,製品及び資源を消費す
ることである。この概念は,環境と開発に関するリオ宣言の原則8で奨励されて
5
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
いる。この原則には,すべての人々にとって持続可能な開発及びより高い生活の
質を達成するため,国家は,持続可能でない生産及び消費のパターンを抑制し,
排除すべきである,と記されている。持続可能な消費の概念には,動物の身体的
健全性を尊重し,残酷な行為を避けることによって動物保護に配慮することも含
まれる。
持続可能な消費における組織の役割は,その組織が提供する製品及びサービス,
かかる製品及びサービスのライフサイクル及びバリューチェーン,並びに消費者
に提供される情報のもつ性質の中から生まれるものである。
現在の消費レベルは明らかに持続不可能であり,環境破壊及び資源枯渇を助長
している。消費者は,購買の意思決定を通じ,持続可能な開発を促す上で極めて
重要な役割を果たす。組織は,消費者のライフスタイル選択が,消費者の福祉及
び環境に及ぼす影響を消費者に伝えるための教育を推進すべきである。
6.7.5.2 関連する行動及び期待
持続可能な消費に寄与するため,組織は次を適宜実施すべきである。
―
ライフサイクル全体を考慮しながら,社会的,環境的に有益な製品及びサービ
スを消費者に提供し,環境及び社会への悪影響を抑制するために次のことを行う。
―
可能であれば,騒音及び廃棄物なとど,製品及びサービスが健康及び環境に与
える悪影響を除去する,又は最小限に抑える。
―
簡単に再使用,修理又は再生利用できるように製品及び包装を設計する。また,
可能であれば,再生利用サービス及び処理サービスを提供する。又はかかるサー
ビスについて助言する。
―
バリューチェーンを考慮に入れた上で,製品又はサービスの生産及び配送に関
連する環境要因及び社会要因について,場合に応じて資源効率に関する情報を含
め,追跡可能な情報を消費者に提供する。
―
消費者に製品及びサービスに関する情報を提供する。かかる情報には,製品及
びその包装のパフォーマンス,原産国,エネルギー効率(該当する場合),内容
物又は原材料(該当する場合には遺伝子組み換え生物の使用に関する言及を含む),
健康への影響,動物保護に関連する側面,安全な用途,保守,保管並びに処分に
関する情報が含まれる。
―
例えばエコラベルなど,適切で中立のしっかりしたラベリング体系を活用し,
製品及びサービスが持つ環境的にプラスの側面,エネルギー効率及びその他の社
会的に有益な特性を伝達する。
●日本経団連「企業行動憲章」序文(2010年9月14日)
日本経団連は、かねてより、民主導・自律型の活力ある豊かな経済社会の構築に
全力をあげて取り組んできた。そのような社会を実現するためには、企業や個人が
高い倫理観をもつとともに、法令遵守を超えた自らの社会的責任を認識し、さまざ
6
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
まな課題の解決に積極的に取り組んでいくことが必要となる。そこで、企業の自主
的な取り組みを着実かつ積極的に促すべく、1991 年の「企業行動憲章」の制定や、
1996 年の「実行の手引き」の作成、さらには、経済社会の変化を踏まえて、数次に
わたる憲章ならびに実行の手引きの見直しを行ってきた。
近年、ISO26000(社会的責任に関する国際規格)に代表されるように、持続可能
な 社 会 の 発 展 に 向 け て 、 あ ら ゆ る 組 織 が 自 ら の 社 会 的 責 任 ( S R : Social
Responsibility)を認識し、その責任を果たすべきであるとの考え方が国際的に広
まっている。とりわけ企業は、所得や雇用の創出など、経済社会の発展になくては
ならない存在であるとともに、社会や環境に与える影響が大きいことを認識し、
「企
業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)」を率先して果たす必
要がある。
具体的には、企業は、これまで以上に消費者の安全確保や環境に配慮した活動に
取り組むなど、株主・投資家、消費者、取引先、従業員、地域社会をはじめとする
企業を取り巻く幅広いステークホルダーとの対話を通じて、その期待に応え、信頼
を得るよう努めるべきである。また、企業グループとしての取り組みのみならず、
サプライチェーン全体に社会的責任を踏まえた行動を促すことが必要である。さら
には、人権問題や貧困問題への関心の高まりを受けて、グローバルな視野をもって
これらの課題に対応することが重要である。
そこで、今般、「企業の社会的責任」を取り巻く最近の状況変化を踏まえ、会員
企業の自主的取り組みをさらに推進するため、企業行動憲章を改定した。会員企業
は、倫理的側面に十分配慮しつつ、優れた商品・サービスを創出することで、引き
続き社会の発展に貢献する。また、企業と社会の発展が密接に関係していることを
再認識したうえで、経済、環境、社会の側面を総合的に捉えて事業活動を展開し、
持続可能な社会の創造に資する。そのため、会員企業は、次に定める企業行動憲章
の精神を尊重し、自主的に実践していくことを申し合わせる。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/cgcb/charter.html
(政府の動き)
●文部科学省「大学等及び社会教育における消費者教育の指針」(平成23年3月)
1
消費者教育の目的
消費者教育というと、「だまされないため」の教育を思い浮かべることが多い。
悪質商法等の手口を紹介し、だまされないように注意喚起することが消費者教育だ
と考えている者も少なくない。このような注意喚起の取組は、これまでも繰り返し
行われてきた。確かに、消費者の権利を尊重し自立を支援するに当たって、注意喚
起は重要である。しかし、悪質商法等の被害が後を絶たないことから、注意喚起の
取組だけでは不十分であるとの指摘がなされている。
7
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
近年、経済のグローバル化、サービスの多様化や情報化の急速な進展等により、
消費者を取り巻く環境は大きく変化している。電子マネーやインターネット上での
取引の普及等、商品・サービスと現金のやりとりが主だった消費の形は変化しつつ
ある。また、多種多様な商品・サービスに関する大量の情報の中から、自らに必要
な情報を的確に理解し、取捨選択することが消費者に求められるようになった。
さらに、消費者のみではなく、生産する側も変化が求められている。企業の社会
的責任の取組の浸透からも明らかなように、企業はもちろんのこと、商品・サービ
スの提供者側が消費者を重視するようになり、事業者と消費者との相互のかかわり
も変わろうとしている。このような時代の消費者教育は、「だまされないため」だ
けでなく、個人の消費行動に影響を与えるライフスタイル、倫理観、スキル等にも
着目した内容とする必要がある。
以上を踏まえ、本指針では消費者教育の目的を、以下の3点とする。
①消費者の権利を実現し、消費生活の安定と向上を図るため、消費に関する基礎
的・基本的な知識及び技能を習得し、これらを活用して消費者被害等の危機を
自ら回避する能力、将来を見通した生活設計を行う能力、及び、課題を解決す
る実践的な問題解決能力をはぐくむ。
②自己の利益だけを求めるのではなく、他者や社会とのかかわりにおいて意思決
定し、よりよい社会を形成する主体として、経済活動に関して倫理観を持って
責任ある行動をとれるようにする。
③消費を、持続可能な社会を実現するための重要な要素として認識し、持続可能
な社会を目指してライフスタイルを工夫し、主体的に行動できるようにする。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afield
file/2011/10/31/1306400_01.pdf
●消費者教育推進会議「消費者教育推進のための課題と方向」(平成24年4月)
○消費者あるいは消費者市民と持続可能な消費
消費者市民社会の概念は、平成20年6月27日に閣議決定された「消費者行政
推進基本計画」において、「個人が、消費者としての役割において、社会倫理問題、
多様性、世界情勢、将来世代の状況等を考慮することによって、社会の発展と改善
に積極的に参加する社会を意味しており、生活者や消費者が主役となる社会そのも
のと考えられる。」とされている。
そのような社会の担い手は、市民として行動する消費者、すなわち消費者市民で
ある。消費者市民とは、個人のニーズを求めて消費生活を送るだけでなく、その消
費行動や、社会生活、政策形成過程などを通じて国際・国内・地域など各社会の改
善と発展などに積極的に取り組む人々のことである。…
地球環境、エネルギー・資源問題を含めて、消費をめぐる社会問題が山積してい
る中で、消費者が、単なる商品やサービスの受け手としてではなく、消費を個人の
8
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
欲求を満たすものとのみ捉えず、社会、経済、環境等に消費が与える影響を考慮し
た選択や行動によって公正で持続可能な発展に貢献することが強く求められてい
る。
それは、消費者が、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済の波に流されて漂流す
る存在から、持続可能な社会・経済の実現に向けた舵取り役となることでもある。
…
○消費者市民社会における消費者教育
このような観点からすれば、今後の消費者教育では、従来おもに行政が行ってき
た消費者啓発など、消費者被害を防止し、自らの消費生活の安全・安定の確保と向
上に向けて適切な意思決定をし、行動をとることができる消費者を育成することは
その主要な課題の一つであるが、同時に、自らの社会的役割を自覚しつつ積極的に
社会に参加する消費者を育成することをも消費者教育の主要な課題の一つとして
改めて確認する必要がある。
このような消費者教育を行うことは、消費者の諸権利の保障や消費者被害の防止
にとっても間接的によい影響を及ぼすと考えられる。なぜなら、前述の「消費者行
政推進基本計画」も「消費者がよりよい市場とよりよい社会の発展のために積極的
に関与することがあってこそ、新組織はその存在感を高めることができる。」と指
摘するように、消費者の積極的な社会参加は活力のある消費者行政を生み出すから
であり、また、消費者が自らの消費について慎重に検討する態度を身につけること
が消費者被害の防止につながり、さらには公正な社会のあり方を考えさせる教育は
加害者になる者を減少させることにもつながるからである。
ただし、消費者市民社会の考え方が、消費者の諸権利の保障や消費者被害の防止
に対する行政の責任を軽減したり、消費者のいわゆる「自己責任」につながるもの
と誤解されることのないよう、慎重な配慮がなされる必要がある。誰であっても、
どのような教育を受けていても、様々な環境や身体状態の変化によって適切な判断
や積極的な社会参加ができなくなる場合があり、高齢化、高度情報化、グローバル
化等によって消費者被害の深刻さはますます増す一方で ある今日、消費者の保護、
支援、救済等の施策は今後一層充実されなければならない。
http://www.caa.go.jp/information/pdf/120406_torimatome.pdf
第3
消費者市民社会と消費者教育
●北欧の経験から
日弁連講演会「ビクトリア・トーレセン氏講演会
—トーレセン
さん,消費者市民社会都教育を語る−」
ある学校で人間の尊厳について話をしました。彼らの町には洋服工場があるので,
生徒たちは自分たちが着ている洋服がどのようにつくられるのかというのを調べ
ました。その中で彼らはその洋服工場が使用している綿が,ロシアにあるウラル山
9
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
脈の向こうから来ているということを発見しました。そこで子どもたちは,そのウ
ラル山脈の向こうの地域の子どもたちとインターネットを通じて話をし始めまし
た。そして,その地域に住んでいる子どもたちの半分が,病気,癌になっていると
いうことに気づくのです。その子どもたちがなぜ病気になっているのかという理由
は,良質の綿が取れるように散布される化学物質である殺虫剤によっての病気だと
いうことに気づきます。
そこで子どもたちは工場に行って,「他の子どもたちを病気にするような洋服は
着たくない」と言ったのです。以前でしたら単に反対して洋服を買わないという運
動をしたものですけれども,今それをやってしまうと,その子どもたちの親たちが
仕事を失ってしまうことにつながります。
そこで会社は,その子どもたちを招いて,シャツを作る新しい原材料の仕入れ先
を見つける作業を手伝ってもらいました。こうして今では,その会社では綿を使わ
ず,ペルーで殺虫剤を使わずに生産されている他の材料を使ってシャツを作ってい
ます。
ですから,子どもたちの行動が状況を変化させたのです。
その学校では子どもたちのことを「未来を変える人」というふうに呼び始めまし
た。私はそこの学校を訪れましたが,子どもたちがとても誇らしく,自分たちには
何かができるんだというような確信を持っていました。
とても多くの若者たちが自分たちは何もできないと思い込み,受け身な態度でい
ます。若者の間での自殺や薬物の使用,ギャンブルへの依存がますます増えている
のは,日本ばかりではなくて,世界中でそうなのです。
子どもたちが自信をつけたということは,その後の将来にも影響を与えるもので
す。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/shiyouhisyakiyouiku
6.pdf
【参考資料】
1
ビデオ
・「北欧にみる消費者市民社会と教育」http://vimeo.com/27502775
・「消費者市民教育の考え方とつくり方」http://vimeo.com/35154377
2
報告書
・消費者教育シンポジウム「いま、消費者市民社会の実現に向けた消費者教育へ」
報告書(2010年4月)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/shiyouhisyakiyo
uiku4.pdf
・日弁連第21回夏期消費者セミナー「消費者団体が社会を変える」資料集(2
10
2013.2.16 平成 24 年度中部ブロック地方消費者グループ・フォーラム
(弁護士 島田 広)
010年7月)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/summer-semina
r21_01.pdf
3
記事等
・島田広「諸外国における消費者市民教育について~「世界は変わる」をすべて
の子供たちに~」東京都消費生活総合センター「わたしは消費者」121 号(2
010年9月)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/manabitai/shouhisha/121/5.htm
・関西消費者協会「消費者情報」417号
すか?」(2010年12月)
11
特集「『消費者市民社会』って何で
消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)
目次
第一章 総則(第一条―第八条)
第二章 基本方針等(第九条・第十条)
第三章 基本的施策(第十一条―第十八条)
第四章 消費者教育推進会議等(第十九条・第二十条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者教育が、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差等
に起因する消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合
理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、消費者教育の機会
が提供されることが消費者の権利であることを踏まえ、消費者教育に関し、基本理念を定め、並びに
国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の消費者教育の推進に
関し必要な事項を定めることにより、消費者教育を総合的かつ一体的に推進し、もって国民の消費生
活の安定及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「消費者教育」とは、消費者の自立を支援するために行われる消費生活に
関する教育(消費者が主体的に消費者市民社会の形成に参画することの重要性について理解及び関心
を深めるための教育を含む。
)及びこれに準ずる啓発活動をいう。
2 この法律において「消費者市民社会」とは、消費者が、個々の消費者の特性及び消費生活の多様
性を相互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経
済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成
に積極的に参画する社会をいう。
(基本理念)
第三条 消費者教育は、消費生活に関する知識を修得し、これを適切な行動に結び付けることができ
る実践的な能力が育まれることを旨として行われなければならない。
2 消費者教育は、消費者が消費者市民社会を構成する一員として主体的に消費者市民社会の形成に
参画し、その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援することを旨として行われ
なければならない。
3 消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害
の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない。
4 消費者教育は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場の特性に応じた適切な方法により、か
つ、それぞれの場における消費者教育を推進する多様な主体の連携及び他の消費者政策(消費者の利
1
益の擁護及び増進に関する総合的な施策をいう。第九条第二項第三号において同じ。
)との有機的な連
携を確保しつつ、効果的に行われなければならない。
5 消費者教育は、消費者の消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済
情勢及び地球環境に与える影響に関する情報その他の多角的な視点に立った情報を提供することを旨
として行われなければならない。
6 消費者教育は、災害その他非常の事態においても消費者が合理的に行動することができるよう、
非常の事態における消費生活に関する知識と理解を深めることを旨として行われなければならない。
7 消費者教育に関する施策を講ずるに当たっては、環境教育、食育、国際理解教育その他の消費生
活に関連する教育に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされなければなら
ない。
(国の責務)
第四条 国は、自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができる自立した
消費者の育成が極めて重要であることに鑑み、前条の基本理念(以下この章において「基本理念」と
いう。
)にのっとり、消費者教育の推進に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、前項の施策が適切かつ効率的に策定され、及び実施されるよ
う、相互に又は関係行政機関の長との間の緊密な連携協力を図りつつ、それぞれの所掌に係る消費者
教育の推進に関する施策を推進しなければならない。
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、消費生活センター(消費者安全法(平成二十一年法
律第五十号)第十条第三項に規定する消費生活センターをいう。第十三条第二項及び第二十条第一項
において同じ。
)
、教育委員会その他の関係機関相互間の緊密な連携の下に、消費者教育の推進に関し、
国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の社会的、経済的状況に応じた施策を策
定し、及び実施する責務を有する。
(消費者団体の努力)
第六条 消費者団体は、基本理念にのっとり、消費者教育の推進のための自主的な活動に努めるとと
もに、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場において行われる消費者教育に協力するよう努める
ものとする。
(事業者及び事業者団体の努力)
第七条 事業者及び事業者団体は、事業者が商品及び役務を供給する立場において消費者の消費生活
に密接に関係していることに鑑み、基本理念にのっとり、国及び地方公共団体が実施する消費者教育
の推進に関する施策に協力するよう努めるとともに、消費者教育の推進のための自主的な活動に努め
るものとする。
(財政上の措置等)
第八条 政府は、消費者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を
講じなければならない。
2
2 地方公共団体は、消費者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措
置を講ずるよう努めなければならない。
第二章 基本方針等
(基本方針)
第九条 政府は、消費者教育の推進に関する基本的な方針(以下この章及び第四章において「基本方
針」という。
)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 消費者教育の推進の意義及び基本的な方向に関する事項
二 消費者教育の推進の内容に関する事項
三 関連する他の消費者政策との連携に関する基本的な事項
四 その他消費者教育の推進に関する重要事項
3 基本方針は、消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)第九条第一項に規定する消費者基本
計画との調和が保たれたものでなければならない。
4 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
5 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係
行政機関の長に協議するとともに、消費者教育推進会議及び消費者委員会の意見を聴くほか、消費者
その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
6 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、第四項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、
基本方針を公表しなければならない。
7 政府は、消費生活を取り巻く環境の変化を勘案し、並びに消費者教育の推進に関する施策の実施
の状況についての調査、分析及び評価を踏まえ、おおむね五年ごとに基本方針に検討を加え、必要が
あると認めるときは、これを変更するものとする。
8 第四項から第六項までの規定は、基本方針の変更について準用する。
(都道府県消費者教育推進計画等)
第十条 都道府県は、基本方針を踏まえ、その都道府県の区域における消費者教育の推進に関する施
策についての計画(以下この条及び第二十条第二項第二号において「都道府県消費者教育推進計画」
という。
)を定めるよう努めなければならない。
2 市町村は、基本方針(都道府県消費者教育推進計画が定められているときは、基本方針及び都道
府県消費者教育推進計画)を踏まえ、その市町村の区域における消費者教育の推進に関する施策につ
いての計画(以下この条及び第二十条第二項第二号において「市町村消費者教育推進計画」という。
)
を定めるよう努めなければならない。
3 都道府県及び市町村は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を定めよう
とするときは、あらかじめ、その都道府県又は市町村の区域の消費者その他の関係者の意見を反映さ
せるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。この場合において、第二十条第一項の規定に
3
より消費者教育推進地域協議会を組織している都道府県及び市町村にあっては、当該消費者教育推進
地域協議会の意見を聴かなければならない。
4 都道府県及び市町村は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を定めたと
きは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
5 都道府県及び市町村は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を定めた場
合は、その都道府県又は市町村の区域における消費者教育の推進に関する施策の実施の状況について
の調査、分析及び評価を行うよう努めるとともに、必要があると認めるときは、都道府県消費者教育
推進計画又は市町村消費者教育推進計画を変更するものとする。
6 第三項及び第四項の規定は、都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画の変更
について準用する。
第三章 基本的施策
(学校における消費者教育の推進)
第十一条 国及び地方公共団体は、幼児、児童及び生徒の発達段階に応じて、学校(学校教育法(昭
和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。第三項に
おいて同じ。
)の授業その他の教育活動において適切かつ体系的な消費者教育の機会を確保するため、
必要な施策を推進しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、教育職員に対する消費者教育に関する研修を充実するため、教育職員の
職務の内容及び経験に応じ、必要な措置を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、学校において実践的な消費者教育が行われるよう、その内外を問わず、
消費者教育に関する知識、経験等を有する人材の活用を推進するものとする。
(大学等における消費者教育の推進)
第十二条 国及び地方公共団体は、大学等(学校教育法第一条に規定する大学及び高等専門学校並び
に専修学校、各種学校その他の同条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うも
のをいう。以下この条及び第十六条第二項において同じ。
)において消費者教育が適切に行われるよう
にするため、大学等に対し、学生等の消費生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な
取組を行うよう促すものとする。
2 国及び地方公共団体は、大学等が行う前項の取組を促進するため、関係団体の協力を得つつ、学
生等に対する援助に関する業務に従事する教職員に対し、研修の機会の確保、情報の提供その他の必
要な措置を講じなければならない。
(地域における消費者教育の推進)
第十三条 国、地方公共団体及び独立行政法人国民生活センター(以下この章において「国民生活セ
ンター」という。
)は、地域において高齢者、障害者等に対する消費者教育が適切に行われるようにす
るため、民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員、社会福祉法(昭和二十六
年法律第四十五号)に定める社会福祉主事、介護福祉士その他の高齢者、障害者等が地域において日
4
常生活を営むために必要な支援を行う者に対し、研修の実施、情報の提供その他の必要な措置を講じ
なければならない。
2 国、地方公共団体及び国民生活センターは、公民館その他の社会教育施設等において消費生活セ
ンター等の収集した情報の活用による実例を通じた消費者教育が行われるよう、必要な措置を講じな
ければならない。
(事業者及び事業者団体による消費者教育の支援)
第十四条 事業者及び事業者団体は、消費者団体その他の関係団体との情報の交換その他の連携を通
じ、消費者の消費生活に関する知識の向上が図られるよう努めるものとする。
2 事業者は、消費者からの問合せ、相談等を通じて得た消費者に有用な消費生活に関する知識を広
く提供するよう努めるものとする。
3 事業者は、その従業者に対し、研修を実施し、又は事業者団体等が行う講習会を受講させること
等を通じ、消費生活に関する知識及び理解を深めるよう努めるものとする。
4 事業者団体は、消費者団体その他の民間の団体が行う消費者教育の推進のための活動に対し、資
金の提供その他の援助に努めるものとする。
(教材の充実等)
第十五条 国及び地方公共団体は、消費者教育に使用される教材の充実を図るとともに、学校、地域、
家庭、職域その他の様々な場において当該教材が有効に活用されるよう、消費者教育に関連する実務
経験を有する者等の意見を反映した教材の開発及びその効果的な提供に努めなければならない。
(人材の育成等)
第十六条 国、地方公共団体及び国民生活センターは、消費者安全法第十一条に規定する相談員その
他の消費者の利益の擁護又は増進を図るための活動を行う者に対し、消費者教育に関する専門的知識
を修得するための研修の実施その他その資質の向上のために必要な措置を講じなければならない。
2 国及び地方公共団体は、大学等、研究機関、消費者団体その他の関係機関及び関係団体に対し、
消費者教育を担う人材の育成及び資質の向上のための講座の開設その他の自主的な取組を行うよう促
すものとする。
(調査研究等)
第十七条 国及び地方公共団体は、消費者教育に関する調査研究を行う大学、研究機関その他の関係
機関及び関係団体と協力を図りつつ、諸外国の学校における総合的、体系的かつ効果的な消費者教育
の内容及び方法その他の国の内外における消費者教育の内容及び方法に関し、調査研究並びにその成
果の普及及び活用に努めなければならない。
(情報の収集及び提供等)
第十八条 国、地方公共団体及び国民生活センターは、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場に
おいて行われている消費者教育に関する先進的な取組に関する情報その他の消費者教育に関する情報
について、年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮しつつ、これを収集し、及び提供するよう
努めなければならない。
5
2 国は、消費生活における被害の防止を図るため、年齢、障害の有無その他の消費者の特性を勘案
して、その収集した消費生活に関する情報が消費者教育の内容に的確かつ迅速に反映されるよう努め
なければならない。
第四章 消費者教育推進会議等
(消費者教育推進会議)
第十九条 消費者庁に、消費者教育推進会議を置く。
2 消費者教育推進会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進に関して消費者教育推進会議の委員相互の情報の
交換及び調整を行うこと。
二 基本方針に関し、第九条第五項(同条第八項において準用する場合を含む。
)に規定する事項を処
理すること。
3 消費者教育推進会議の委員は、消費者、事業者及び教育関係者、消費者団体、事業者団体その他
の関係団体を代表する者、学識経験を有する者並びに関係行政機関及び関係する独立行政法人(独立
行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。
)の職員の
うちから、内閣総理大臣が任命する。
4 前二項に定めるもののほか、消費者教育推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定
める。
(消費者教育推進地域協議会)
第二十条 都道府県及び市町村は、その都道府県又は市町村の区域における消費者教育を推進するた
め、消費者、消費者団体、事業者、事業者団体、教育関係者、消費生活センターその他の当該都道府
県又は市町村の関係機関等をもって構成する消費者教育推進地域協議会を組織するよう努めなければ
ならない。
2 消費者教育推進地域協議会は、次に掲げる事務を行うものとする。
一 当該都道府県又は市町村の区域における消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進に関して
消費者教育推進地域協議会の構成員相互の情報の交換及び調整を行うこと。
二 都道府県又は市町村が都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計画を作成し、又
は変更しようとする場合においては、当該都道府県消費者教育推進計画又は市町村消費者教育推進計
画の作成又は変更に関して意見を述べること。
3 前二項に定めるもののほか、消費者教育推進地域協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、消
費者教育推進地域協議会が定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
6
(検討)
2 国は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、必要が
あると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(消費者庁及び消費者委員会設置法の一部改正)
3 消費者庁及び消費者委員会設置法(平成二十一年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五条の二」の下に「―第五条の四」を加える。
第四条第十三号の次に次の一号を加える。
十三の二 消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)第九条第一項に規定
する消費者教育の推進に関する基本的な方針の策定及び推進に関すること。
第五条の二を次のように改める。
(設置)
第五条の二 別に法律で定めるところにより消費者庁に置かれる審議会等は、次のとおりとする。
消費者安全調査委員会
消費者教育推進会議
第二章第三節中第五条の二の次に次の二条を加える。
(消費者安全調査委員会)
第五条の三 消費者安全調査委員会については、消費者安全法(これに基づく命令を含む。
)の定める
ところによる。
(消費者教育推進会議)
第五条の四 消費者教育推進会議については、消費者教育の推進に関する法律(これに基づく命令
を含む。
)の定めるところによる。
第六条第二項第四号中「食品安全基本法」の下に「、消費者教育の推進に関する法律」を加える。
7
消費者基本法の一部を改正する法律
消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十条」を「第十条の二」に改める。
第一章中第十条の次に次の一条を加える。
(年次報告)
第十条の二 政府は、毎年、国会に、政府が講じた消費者政策の実施の状況に関する報
告書を提出しなければならない。
附 則
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日か
ら施行する。
消費者教育の推進に関する法律成立を受けた
消費者庁での取組について
平成25年2月16日
消費者庁消費生活情報課
1
消費者教育の推進に関する法律
より
平成24年12月13日施行
基本理念 (第3条)
・消費生活に関する知識を習得し、適切な行動に結びつける実践的
能力の育成
・主体的に消費者市民社会の形成に参画し、発展に寄与できるよう積
極的に支援
体系的推進
・幼児期から高齢期までの段階特性に配慮
効果的推進
・場(学校、地域、家庭、職域)の特性に対応
・多様な主体間の連携
・消費者市民社会の形成に関し、多角的な情報を提供
・非常時(災害)の合理的行動のための知識・理解
・環境教育,食育,国際理解教育等との有機的連携
2
消費者教育の推進に関する法律
より
平成24年12月13日施行
国の責務(第4条)
○基本理念にのっとり総合的に施策策定・実施の責務負う
○関係機関相互に緊密な連携で施策を推進
財政上の措置(第8条)
基本方針の策定(第9条)
○基本的な方向・推進の内容・他の消費者政策との連携等
○内閣総理大臣・文部科学大臣が案作成→ 閣議で決定
(消費者教育推進会議・消費者委員会の意見を聴く、消費者その他
の関係者の意見反映)
3
消費者教育の推進に関する法律
消費者教育推進会議(第19条)
より
平成24年12月13日施行
消費者庁の審議会
○委員相互の情報の交換及び調整
○基本方針の策定・変更に意見を述べる
構成員
消費者、事業者、教育関係者、消費者団体、事業者団体
その他関係団体を代表する者、学識経験者、
関係行政機関、関係独立行政法人の職員
→ 消費者教育推進会議令で規定
4
消費者教育推進会議令
○ 消費者教育推進会議
・ 委員20人以内で組織
・ 会長 ~ 委員の互選により選任
・ 専門委員、幹事を置くことができる
○ 委員、専門委員
・ 委員の任期 ~ 2年
・ 専門委員 ~ 学識経験者から内閣総理大臣が任命
・ 委員、専門委員 ~ 非常勤
○ 議事
・ 会議の定足数、議決方法
○ 資料の提出等の要求
・ 関係行政機関の長に対し、資料の提出等を要求する
ことができる
○ その他
5
平成25年度施策案と消費者教育の推進に関する法律の関係
・消費者教育推進会議の開催
推進会議(本会議)
第19条(消費者教育推進会議)
推進会議(専門委員会)
・消費者教育ポータルサイトの拡充~消費者教育推進の基盤
○システム改修
○掲載情報の充実
・消費者教育用副教材の作成
・高齢消費者・障害消費者
第15条(教材の充実
等)
見守りネットワーク協議会
・子どもの不慮の事故防止
(子どもを事故から守る!プロジェクト)
・消費者教育に関する調査
研究
第17条(調査研究等)
第13条
(地域における消費者教育の推進)
6
平成25年度施策案と消費者教育の推進に関する法律の関係
○消費者教育推進会議の開催
推進会議(本会議)
・委員相互の情報・交換
・基本方針の作成変更に意見
推進会議(専門委員会)
○「部会」的な活動
・体系的プログラム作成
・ポータルサイト掲載審査
・調査研究
・教材作成 等
○地域ごとに開催し、消費者教育推進地域協議会(第20条)と連携
7
平成25年度施策案と消費者教育の推進に関する法律の関係
・消費者教育ポータルサイトの拡充~消費者教育推進の基盤整備
○システム改修
「消費者教育の体系イメージマップ」をインデックスとして活用
タ
テ
対象領域(タテ)とライフステージ
(ヨコ)との交差部分の「学習目標」
ごとに
目標の解説、教材、指導案、実践
事例等様々な情報を整理
ヨコ
利用者は「学習目標」をクリック
すれば、その情報が得られる
○掲載情報の充実
掲載基準の整備、掲載における審査方法の検討
8
平成25年度施策案と消費者教育の推進に関する法律の関係
・消費者教育用副教材の作成
ポータルサイトの充実整備により、
必要とされる領域・ライフステージを抽出。
汎用性の高い教材・指導案等のパッケージを作成
第15条(教材の充実等)
・消費者教育に関する調査研究
総合的・体系的及び効果的な消費者教育の内容、方法の調査研究を行う
第17条(調査研究等)
・高齢消費者・障害消費者見守りネットワーク協議会
各地域での取組、情報の共有の場として活用。
・子どもの不慮の事故防止
9
子どもの事故防止に向け、省庁の枠にとらわれず、効率的、効果的に情報提供
第13条(地域における消費者教育の推進)
平成25年度施策案と消費者教育の推進に関する法律の関係
地方公共団体・各種団体との連携強化
○国から地方公共団体に対する情報提供・支援
・学校、大学等、地域における消費者教育の推進(第11,12,13条)、人材育成(第16条)
・国の基本方針を参考に都道府県・市町村で消費者教育推進基本計画策定(第10条)
○地方消費者行政活性化交付金の活用
60.2億円(24年度補正)
1.基礎的な取組の下支え 「集中育成・強化期間」で整備された体制の維持・充実
○センター設置・窓口新設
○消費生活相談員の配置と処遇改善
○消費生活相談員の養成、レベルアップ
○都道府県による市町村支援
2.消費者問題解決力の高い地域社会づくり
○リスクコミュニケーションの推進
先進的・モデル的事業(多様な主体
との連携事業等)を含む
~食と放射能の問題への対応
○消費者教育推進法を踏まえた取組等
~各種消費者教育・啓発、高齢者の消費者トラブルの防止など
10
幼児期
各期の特徴
重点領域
小学生期
様々な気づきの体験を
通じて、家族や身の回
りの物事に関心をもち、
それを取り入れる時期
主体的な行動、社会や
環境への興味を通して、
消費者としての素地の
形成が望まれる時期
中学生期
成人期
高校生期
Ver.1.0
特に若者
成人一般
特に高齢者
行動の範囲が広がり、
権利と責任を理解し、
トラブル解決方法の
理解が望まれる時期
生涯を見通した生活の管
理や計画の重要性、社会
的責任を理解し、主体的
な判断が望まれる時期
生活において自立を進
め、消費生活のスタイ
ルや価値観を確立し自
らの行動を始める時期
精神的、経済的に自立
し、消費者市民社会の
構築に、様々な人々と
協働し取り組む時期
周囲の支援を受けつつ
も人生での豊富な経験
や知識を消費者市民社
会構築に活かす時期
消費者市民社会の構築
商品等の安全
生活の管理と契約
情報とメディア
消費がもつ
影響力の理解
おつかいや買い物に関心
を持とう
消費をめぐる物と金銭の
流れを考えよう
消費者の行動が環境や
経済に与える影響を考え
よう
生産・流通・消費・廃棄が
環境、経済や社会に与え
る影響を考えよう
生産・流通・消費・廃棄が
環境、経済、社会に与え
る影響を考える習慣を身
に付けよう
生産・流通・消費・廃棄が
環境、経済、社会に与え
る影響に配慮して行動し
よう
消費者の行動が環境、経
済、社会に与える影響に
配慮することの大切さを
伝え合おう
持続可能な
消費の実践
身の回りのものを大切に
しよう
自分の生活と身近な環境
とのかかわりに気づき、
物の使い方などを工夫し
よう
消費生活が環境に与え
る影響を考え、環境に配
慮した生活を実践しよう
持続可能な社会を目指し
て、ライフスタイルを考えよ
う
持続可能な社会を目指し
たライフスタイルを探そう
持続可能な社会を目指し
たライフスタイルを実践し
よう
持続可能な社会に役立
つライフスタイルについて
伝え合おう
消費者の参画・
協働
協力することの大切さを
知ろう
身近な消費者問題に目を
向けよう
身近な消費者問題及び
社会課題の解決や、公
正な社会の形成につい
て考えよう
身近な消費者問題及び社会
課題の解決や、公正な社会
の形成に協働して取り組むこ
との重要性を理解しよう
消費者問題その他の社
会課題の解決や、公正な
社会の形成に向けた行
動の場を広げよう
地域や職場で協働して消
費者問題その他の社会
課題を解決し、公正な社
会をつくろう
支え合いながら協働して
消費者問題その他の社
会課題を解決し、公正な
社会をつくろう
商品安全の理
解と危険を回
避する能力
くらしの中の危険や、もの
の安全な使い方に気づこ
う
危険を回避し、物を安全
に使う手がかりを知ろう
危険を回避し、物を安全
に使う手段を知り、使お
う
安全で危険の少ないくらし
と消費社会を目指すことの
大切さを理解しよう
安全で危険の少ないくら
し方をする習慣を付けよ
う
安全で危険の少ないくら
しと消費社会をつくろう
安全で危険の少ないくら
しの大切さを伝え合おう
トラブル対応能
力
困ったことがあったら身
近な人に伝えよう
困ったことがあったら身
近な人に相談しよう
販売方法の特徴を知り、
トラブル解決の法律や制
度、相談機関を知ろう
トラブル解決の法律や制度、
相談機関の利用法を知ろ
う
トラブル解決の法律や制
度、相談機関を利用する
習慣を付けよう
トラブル解決の法律や制
度、相談機関を利用しや
すい社会をつくろう
支え合いながらトラブル
解決の法律や制度、相談
機関を利用しよう
選択し、契約す
ることへの理解
と考える態度
約束やきまりを守ろう
物の選び方、買い方を考
え適切に購入しよう
約束やきまりの大切さを
知り、考えよう
商品を適切に選択すると
ともに、契約とそのルー
ルを知り,よりよい契約
の仕方を考えよう
適切な意思決定に基づい
て行動しよう
契約とそのルールの活用
について理解しよう
契約の内容・ルールを理
解し、よく確認して契約す
る習慣を付けよう
契約とそのルールを理解
し、くらしに活かそう
契約トラブルに遭遇しな
い暮らしの知恵を伝え合
おう
生活を設計・管
理する能力
欲しいものがあったとき
は、よく考え、時には我慢
することをおぼえよう
物や金銭の大切さに気づ
き、計画的な使い方を考
えよう
お小遣いを考えて使おう
消費に関する生活管理
の技能を活用しよう
買い物や貯金を計画的
にしよう
主体的に生活設計を立て
てみよう
生涯を見通した生活経済
の管理や計画を考えよう
生涯を見通した計画的な
くらしを目指して、生活設
計・管理を実践しよう
経済社会の変化に対応し、
生涯を見通した計画的な
くらしをしよう
生活環境の変化に対応し
支え合いながら生活を管
理しよう
情報の収集・処
理・発信能力
身の回りのさまざまな情
報に気づこう
消費に関する情報の集め
方や活用の仕方を知ろう
消費生活に関する情報
の収集と発信の技能を
身に付けよう
情報と情報技術の適切な
利用法や、国内だけでなく
国際社会との関係を考え
よう
情報と情報技術を適切に
利用する習慣を身に付け
よう
情報と情報技術を適切に
利用するくらしをしよう
支え合いながら情報と情
報技術を適切に利用しよ
う
情報社会のルー
ルや情報モラル
の理解
自分や家族を大切にしよ
う
自分や知人の個人情報
を守るなど、情報モラルを
知ろう
著作権や発信した情報
への責任を知ろう
望ましい情報社会のあり方
や、情報モラル、セキュリ
ティについて考えよう
情報社会のルールや情
報モラルを守る習慣を付
けよう
トラブルが少なく,情報モ
ラルが守られる情報社会
をつくろう
支え合いながら、トラブル
が少なく、情報モラルが
守られる情報社会をつく
ろう
消費生活情報に
対する批判的思
考力
身の回りの情報から「な
ぜ」「どうして」を考えよう
消費生活情報の評価、
消費生活情報を評価、選
消費生活情報を主体的
支え合いながら消費生活
消費生活情報を主体的
選択の方法について学
択の方法について学び、
に吟味する習慣を付けよ
情報を上手に取り入れよ
に評価して行動しよう
び、意思決定の大切さ知
社会との関連を理解しよう
う
う
ろう
※本イメージマップで示す内容は、学校、家庭、地域における学習内容について体系的に組み立て、理解を進めやすいように整理したものであり、学習指導要領との対応関係を示すものではありません。
消費生活情報の目的や
特徴、選択の大切さを知
ろう
消費者教育の体系イメージマップ ~消費者力ステップアップのために~
概要版
はじめに
消費者教育の推進に関する法律(以下「推進法」という。)の制定がきっかけとなり、
今、全国各地で、消費者教育を更に充実したものにしていくための取組が始まろうとし
ています。
しかし、消費者教育の範囲は幅広く、生活のあらゆる領域に関わります。そして、知
識だけでなく、実践的な能力が育まれるために、多様な主体が担い手となり、幼児期か
ら高齢期までの各時期に、様々な場で取組が行われています。こうした消費者教育をよ
り効果的に行うためには、教育の内容について共通認識を持った上で、各主体間の連携
を進め、必要な教材や手法の開発を行うことが必要です。
このイメージマップは、消費者教育の内容について、多様な担い手が共通認識を作る
道具となるとともに、自立し、消費者市民社会を形成する消費者になるために、どのよ
うな時期に、どのような内容を身につけていくことが求められるのかを一覧できること
も目指しました。それは、消費者教育の担い手側からみると、消費者教育の体系のイ
メージを伝える見取り図(マップ)といえ、個々の消費者側からみると、自らの消費者と
しての力の段階的な発展(ステップアップ)の目安を示したものといえるでしょう。
第1章 イメージマップ作成の意義
消費者教育の今日的意義として、消費者教育推進の必要性、消費者市民社会の構築に
向けた消費者の役割を解説し、イメージマップ作成に至るこれまでの研究の経緯につい
て解説しています。
第2章 イメージマップの活用方法
消費者教育の様々な場、具体的には家庭、地域、学校、大学等、職域などでの活用方
法や、消費者教育の主体間での連携協働の促進のための活用方法を述べています。
第3章 イメージマップの展開モデル例
イメージマップのタテとヨコの交わったボックスに記載された短い文章が、消費者教
育の「学習目標」を示していますが、それ自体が具体的な消費者教育プログラムではあ
りません。ここでは、イメージマップの展開モデルを4つ示しています。それぞれ①目
標の説明、②他の対象領域、ライフステージとの関係、③目標に関連して起こり得る問
題、④目標を身に付けるための情報(教材やプログラム)、⑤展開例を記しています。
展開モデル1 ネット通販の落とし穴
【成人期(特に若者)】×【選択し、契約することへの理解と考える態度】
展開モデル2 高齢者のヒヤリハット
【成人期(特に高齢者)】×【商品安全の理解と危険を回避する能力】
展開モデル3 親子で取り組む「食品ロス」の削減運動
【幼児期】【成人期】×【持続可能な消費の実践】
展開モデル4 金融関係の取引における心構え
【成人期(特に若者)】【成人期】【成人期(特に高齢者)】×【生活の管理と契約】
第4章 消費者教育推進のための体系的プログラムの普及に向けて
消費者庁ホームページに置いた消費者教育ポータルサイトの改修を進め、イメージ
マップをこのサイトのインデックスとして活用します。イメージマップの「学習目
標」ごとに、目標の解説、教材、指導案、実践事例等様々な情報が整理されていて、
利用者は「学習目標」をクリックすれば、その情報が得られるようにして消費者教育
の基盤整備を図ります。そのためには、ポータルサイトに掲載する情報の適切性の確
保が必要です。また、国は常に情報の収集について検証し、不足分野の教材や指導案
などを作成することも求められます。
さらに消費者教育の現場でイメージマップを活用していただき、それぞれの現場で
消費者教育プログラムを充実し、また内容について意見を出していただくことで、イ
メージマップ自体もバージョンアップを図りたいと考えています。
推進法に基づいた消費者教育推進会議が、まもなく設置されます。その会議では、
本研究会が示した事項をさらに検討・発展させ、体系的な消費者教育を実現していく
ことが期待されます。
参考:消費者教育推進のための体系的プログラム研究会
○委
委員名簿
員 (敬称略・五十音順)
今成 昭
全国家庭科教育協会副会長
全国高等学校家庭クラブ連盟事務局次長
柿野 成美
公益財団法人消費者教育支援センター主任研究員
北 俊夫
国士舘大学教授
島田 広
弁護士
清水 きよみ
公益社団法人消費者関連専門家会議事務局長
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
中尾 政之
東京大学大学院教授
座長 西村 隆男
横浜国立大学教授
古谷 由紀子
公益社団法人日本消費生活
アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問
吉松 惠子
独立行政法人国民生活センター総括主任相談員
イメージマップ今
後の展開
消費者教育推進法成立を受けた
取組について
平成25年2月16日
平成24年度・中部ブロック
地方消費者グループ・フォーラム
文部科学省生涯学習政策局
男女共同参画学習課
課長補佐 小沢 文雄
目 次
• 教育現場における消費者教育
の現状
・・・・・・・ 3
• 今後の検討課題
・・・・・・・ 8
• これからの推進方策 ・・・・・・・10
2
新学習指導要領における消費者教育に関する主な内容
① 小学校<文部科学省平成20年3月告示>
(家庭科)
・物や金銭の大切さに気付き、計画的な使い方を考えること
・身近な物の選び方、買い方を考え、適切に購入できること
② 中学校<文部科学省平成20年3月告示>
(社会科(公民))
・契約の重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任などに気付かせること
・金融などの仕組みや働き
・消費者の自立の支援なども含めた消費者行政(消費者保護の例示として新設)
(技術・家庭科)
・自分や家族の消費生活に関心をもち、消費者の基本的な権利と責任について理解すること(新設)
(→消費者基本法、消費生活センター、クーリング・オフ制度 等)
・販売方法の特徴について知り、生活に必要な物質・サービスの適切な選択、購入及び活用ができること
(→ 環境への配慮、電子マネー 等)
③ 高等学校<文部科学省平成21年3月告示>
(公民科)
・消費者に関する問題
(→ 消費者基本法、消費者契約法、多重債務問題、製品事故 等)
(家庭科)
・消費生活の現状と課題や消費者の権利と責任
(→ 消費構造の変化、消費行動の多様化 等)
・消費生活と生涯を見通した経済の計画(新設)
・契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題
(→ クレジットカードの適切な利用、多重債務問題 等)
※(→
・消費者問題や消費者の自立と支援
3
)内は学習指導要領解説における記述
公民館における消費者教育の実施状況
(1) 学級・講座数及び受講者数
区
分
(全国の公民館数:15,943館)
学級・講座数
受講者数
金融・保険・税金
271
9,161
消費者問題
418
33,008
2,199
278,686
まちづくり・住民参加
自然保護・環境問題・公害問
題
料理・食品・食生活
2,056
95,614
19,730
430,092
育児・保育・しつけ
20,858
800,564
出典:平成20年度社会教育調査(文部科学省)
4
公民館における消費者教育の実施状況
(2) 対象者別 学級・講座数
消費者問題 : 合計418
金融・保険・税金 : 合計271
その他 13
青少年対象 6
青少年対象 5
高齢者のみ対象 46
女性のみ対象 22
成人一般対象 185
自然保護・環境問題・公害問題 : 合計2,056
青少年対象 298
その他 347
料理・食品・食生活 : 合計19,730
高齢者のみ対象 630
高齢者のみ対象 125
青少年対象 4,320
女性のみ対象 2,465
女性のみ対象 150
成人一般対象 1,136
青少年対象
成人一般対象
女性のみ対象
高齢者のみ対象
その他
む
その他 2,634
:青少年を対象とする学級・講座
:成人一般を対象とする学級・講座
:女性のみを対象とする学級・講座
:おおむね60歳以上の高齢者を対象とする学級・講座
:男性のみ、幼児と保護者など上記以外。複数が対象となっている場合も含
成人一般対象 9,681
出典:平成20年度社会教育調査(文部科学省)
5
大学等及び社会教育における消費者教育の指針(抄)
平成23年3月30日 文部科学省消費者教育推進委員会において作成。同年5月24日文部科学省より各教育委員会、大学等に通知
第3 社会教育における消費者教育について
2 社会教育の役割から見た消費者教育の必要性
(1)自立した消費者の育成
教育基本法第3条は、「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることがで
きるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、
その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」と規定してい
る。
消費生活に関して必要な情報を収集し、適切な意思決定や消費行動をとり、意見を表明し
行動できる消費者を育成することは、学校教育だけで足りるものではなく、成人の学習として、
社会教育においても推進することが求められる。
(2)地域社会(コミュニティ)の基盤強化
地域社会における課題に対し、地域住民の力を統合して解決していくなど、自立した地域
社会の形成が重要とされており、地方公共団体等においては、各個人の学習の支援だけで
なく、地域社会の基盤強化につながる地域全体の教育力を向上する役割が社会教育として
求められている。
消費者被害や消費者問題は、まさに地域が抱える課題であり、地域ニーズを把握し、地域
の実情に精通した地域住民への学習機会を設け、学習者が習得した成果を地域社会へ還
元することにより、課題の解決を図ることが可能となる。自立した地域社会を形成する役割と
して、社会教育における取組が求められる。
6
社会教育における消費者教育の取組例
公民館等による取組
施設名
(財)日本青年館公益事業部が発行している「社会教育」編集部と野村證券株式会社証券開発学習課とのコラ
ボレーション企画「経済・金融学習プロジェクト」の協力を得て、公民館等社会教育の場で実施されている事例
学級・講座名
対象・参加世代
三重県松阪市松阪公 はじめて学ぶ「経済・金 団塊世代。3回連続30
民館
融の基礎知識」
名。
鹿児島県姶良市加治
月1回9回連続。グループ
知っておきたいお金の話
木公民館
ワーク20名
自分でお金を守る時代
岡山県赤磐市立中央
18歳から74歳まで幅広
に必要な知識を身につ
公民館
い(23名)
けましょう
証券学習講座~知って
全6回シリーズ。「まなび
高松市生涯学習セン 得する金融と経済の仕
KAN・CSR教室」の一講座
組みを一緒に学んでみ
ター
一般40名
ませんか?
仙台市長命ヶ丘市民
正しく学べるお金の話
センター
高齢者(4回連続 グルー
プワーク20名)
内容等
第1回、2回目は講義形式、第3回はクイズな
ど参加体験型ワークショップを開催
身近でありながら日頃なかなか周り人に話し
づらい経済や金融についての知識を9回の講
座で身につける。3ヶ月後のマーケット指標を
予想し、結果が近い受講者を表彰するなど工
夫。
「自分のことは自分で守る時代に」は金融経
済の仕組みや原理の知識が欠かせないこと
を講義。初めての取組で基礎、入門編として
開講。
地域の活性化と市民の生涯学習を図るため
に、CSR活動に取り組む地元企業や個人事業
者の地域貢献活動の支援として、センターを
無料提供し共催事業として実施。
高齢者の割合が多い地域であることから、高
齢者向けの講座の充実を意識しながらも幅広
い世代を対象とした講座を実施。特色ある事
業に「夫婦共学」があり、高齢者夫婦の世帯
がこれからの夫婦のあり方や自立を考える講
座を通して身につけることを目的で開設してい
出典:「社会教育」
る。
7
今後の検討課題
• 新たに制定された消費者教育推進法に
基づく教育の推進
• 各世代、ライフイベント等学習者に応じ
た取組の充実
• 地域連携・協働による教育の推進とそ
れを進める人材育成
8
教育委員会の課題
貴教育委員会において、今後、消費者教育を推進するにあたって、課題となるこ
とについて教えてください。
%
出典:消費者教育における国内の取組状況調査
(平成22年度文部科学省委託調査)
9
学校教育における消費者教育の推進
平成25年度予算額(案) 8,047千円(平成24年度予算額12,350千円)
消費者教育推進法(平成24年12月施行)や消費者基本計画、消費者基本計画に基づき設置された消費
者教育推進会議の報告等も踏まえ、関係機関や団体等との効果的な連携の下、学校における消費者教
育の実践的な取組について調査研究を行うとともに、消費者教育に関する協議会を通じた成果の普及
等を図ることにより、学校における消費者教育の推進を図る。
連
文 部 科 学 省
消費者庁
教材の
配布等
委 託
(指導・助言)
中学校
高等学校 等
・教科横断的な消費者教育のカリキュラム開発
・学校における外部人材の活用
協議会へ
の参加
国民生活
センター
等
消 費 者 教 育 推 進 の た め の
調 査 研 究 ( 7 地 域 )
学校教育における消費者教育の充実
協 力
・消費者教育の動向の
紹介
・外部講師による模擬授
業の紹介
・都道府県教育委員会の
取組事例の紹介
等
小学校
成果の
報告
地域の実情に応じた
教材の開発
専門家の派遣
に
会
育
)
消費者教育に関する
研修の実施
出前授業の実施 等
育
議
教
タ
力
教育委員会
協議会
の実施
消 費 者 教
関 す る 協
( 消 費 者
フ ェ ス
携 ・ 協
消 費 者
行 政 担
10
当 部 局
連携・協働による消費者教育推進事業
25年度予定額 16,736千円 ( 新 規 )
【消費者教育に係る法律】
・学校、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じて消費生活に関する教育を充実する等必要な施策を講ずる。<消費者基本法第十七条>
・消費者教育を推進する多様な主体の連携の確保、効果的な実施 <消費者教育推進法第三条(基本理念)>
・国において、消費者教育の推進に関する総合的な施策を策定、及び実施義務 <消費者教育推進法第四条>
・都道府県・市町村において、消費者教育推進計画の策定、消費者教育推進地域協議会の設置の努力義務 <消費者教育推進法第十条、第二
十条>
【現状と課題】 ~消費者教育取組状況調査(22年度文部科学省委託調査)から~
・教育委員会と消費者担当部局との連絡協議会の設置状況(都道府県・政
令市:37.9%、市町村:0.9%)
・連絡協議会の課題「取組報告に終わる」(30.3%)、「形式的」(24.2%)
→ 教育委員会において、消費者教育の実施意識が低く、消費者担当部局
との連携も意識されていない。
・社会教育では、これまで公民館等で現代的・地域課題に関し、地域住民への
教育・学習支援をおこなってきている。
→ 地域の教育を推進する上で有効な力を有する社会教育が消費者教育の
推進に生かされていない。
地域における消費者教育が一層推進されるよう、教育行政を含む連携・協働体制づくりを支援
【 事業内容 】
文部科学省
地 域
消費者教育推進委員会の設置
委託調査研究の審査及び評価、地域における消費者教育を推進する
際の教育行政分野での取組方策等を検討を行う。
消費者教育アドバイザーの組織化・派遣
委託
助言
全国の社会教育等における消費者教育の先駆的実践者を、文部科学
省が委嘱し、地方自治体等の求めに応じて派遣する。具体的には、委
託先への助言のほか、消費者教育推進体制が立ち上がった地域を対
象に、推進する上での個別の課題に関して指導・助言を行う。
消費者教育連携・協働推進全国協議会の開催
報告
文部科学省、委託先等からの成果報告及び地域課題の共有や人的
交流が行われる場として、全国協議会を中央及び地方で開催する。
連携・協働による消費者教育推進のための実証的調査研究
自主的な消費者教育の推進体制づくりが困難な地域を想定し、効果的
な教育体制を実証する。調査研究の実施体制として、地域の教育委員
会や関係機関等で実行委員会を組織する。その上で、社会教育の仕組
みや取組を活用し、連携・協働により消費者教育を実施する。
【 取組例 】
・学校支援ボランティアの希望者に対し、消費者団体等と協働で、消費
生活に関する研修を実施し、消費者教育の担い手を養成する。
・図書館等社会教育施設において、消費者団体等と協働で、消費者教育
講座を実施し、親子、高齢者など受講者の特性に合わせた学習を提供
する。
連携・協働による消費者教育推進体制の姿を提示
11
効果的な連携・協働による消費者教育推進体制を全国に構築し、消費者の学習機会を確保
消費者教育フェスタ
◇趣 旨
文部科学省の消費者教育に関する事業(生涯学習政策局、初等中等教育局)の
成果を広く還元するとともに、消費者教育を実践する多様な主体と連携・協働す
ることにより、消費者教育の更なる推進を図る。
◇主 催
文部科学省
◇協 力
社会的責任に関する円卓会議
<社会的責任に関する円卓会議>
多様な主体(事業者団体、消費者団体、労働組合、NPO・NGO、金融、行政)が対等な
立場で参加し、政府だけでは解決できない課題に協働して取り組むための枠組み。(平成21
年3月設立)
◇ 主な参加者
教育委員会関係者、消費者行政関係者、大学関係者、消費者教育
を実践する者(事業者団体、消費者団体等)など
【今年度】
・ 平成25年 1月30日、31日
・ 平成25年 2月27日、28日
会場:兵庫県神戸市(神戸市、神戸市教育委員会、神戸市消費者協会と共催)
会場:東京都千代田区内幸町 イイノホール・カンファレンスセンター
【実績】 ※22年度1回、23年度2回(うち地方開催1回)実施
・ 平成23年 2月22日、23日 会場:文部科学省
参加者:2日間延べ661名
・ 平成24年 1月18日
会場:文部科学省
参加者:199名
・ 平成24年 2月22日、23日 会場:岐阜県岐阜市 参加者:2日間延べ1,027名
(岐阜県、岐阜市、岐阜県教育委員会、岐阜市教育委員会と共催)
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消費者教育フェスタにおける連携の取組
消費者教育フェスタでは、「社会的責任に関する円卓会議」の協力を得て、連携・協働をテーマに
したパネルディスカッションを行ったほか、以下のプログラムを実施し、多様な主体との連携を促した。
資料展示
消費者教育を実施する民間企業、NPO等の作成した教材、資料等を紹介。
(23年度実績 東京36団体、岐阜37団体)
23年度消費者教育フェスタでの消費者教育関係の主な展示団体(順不同)
消費者関連専門家会議(ACAP)、日本証券業協会、日本損害保険協会、
消費者教育支援センター、金融広報中央委員会/岐阜県金融広報委員会、
経済広報センター、第一生命保険、生命保険文化センター、日本消費生活
アドバイザー・コンサルタント協会(NACS)、日本ファイナンシャル・プラン
ナーズ協会、東京ガス、東芝、KDDI、ダイキン、積水ハウス、花王、シャー
プ、一般社団法人日本自動車工業会、全国銀行協会 ほか
消費者教育フェ
スタ(東京会場)
での展示資料
【金融広報
中央委員会】
岐阜市内の小・中学校を会場に、企業・団体が提案する消費者
教育に関する講座を実施し、児童・生徒が参加。(合計32講座)
デモンストレー
ション授業の
様子【第一生命
保険株式会社】
デモンストレーション授業
消費者教育フェスタinぎふ(24年2月22・23日)
消費者教育フェスタinぎふでの消費者教育関係の主な講座(順不同)
【小学生向け】
岐阜県県民生活相談センター「身につけよう!けいやくの知識」
【中学生向け】
岐阜県金融広報委員会「大人になっても困らないお金とのつき合い方」
消費者関連専門家会議(ACAP)・プロミス「カードゲーム『お金の役割』」
消費者教育支援センター「ゲームとロールプレイングで学ぶ契約トラブル」
第一生命保険「『ライフサイクルゲームⅡ』で未来を体験!」
生活保険文化センター「保険の役割と仕組み」
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全国銀行協会「カードゲームで生活設計を体験してみよう!」
消費者教育フェスタin神戸
消費者教育フェスタin神戸(1月30日、31日)では、消費者教育推進法成立を受け、これからの
消費者教育推進のあり方について、多様な主体の連携・協働をテーマに議論を行った。
ミニパネルディスカッション
学校・教育委員会、消費者行政、消費者団体、企業・事業者団体の現状・課題共有
これからの消費者教育を推進していく主体として、学校・教育委員会、消費者行政、消費者団体、企業・事業者
団体という4つのセクターにわけ、各セクターにおける教育の現状や課題等を共有することを目的に開催した。
意見交換は、有識者等によるファシリテーターが議論を進行し、日頃各セクターの現場で活動している代表によ
る意見交換を行うとともに、会場参加者からも意見を求めるなど、活発な議論が行われた。
この議論の内容は、翌日の各セクターの代表によるパネルディスカッションでも報告され、各セクター間での連
携・協働に必要な事項等について議論が行われた。
学校・教育委員会セクターでの意見交換
消費者団体セクターでの意見交換
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愛知県消費者大会講座
・・・・・だれでもでられます・・・・・
参加資料代:500 円
日時・・・3月2日(土)13:30~16:00
会場・・・ウィルあいち
特別会議室
西村秀一さん(愛知県社会保障推進協議会)
講師・・・
健康保険料や医療費一部負担があがり、産科や小
児科などの病院施設が少なくなるなど、医療をめぐ
る状況もかわってきました。
そして、国の TPP 参加の検討など医療分野にも、
国民皆保険制度が壊れ、お金のあるなしで受ける医
療に格差が生まれるなど、大きく影響がでそうです。
消費税増税と一緒に社会保障改革促進法も、民自
公3党合意で通され、社会保障改革推進国民会議で
社会保障改悪を一層すすめる検討も始まりました。
安心して必要な治療が受診できる医療が私たちの
ねがい。今の医療の現場はどうなっているか、そし
て TPP などでどうかわるのかなど、事例をまじえ
「安心できる医療について」学びます。
●地下鉄「市役所」駅 2 番出口、東へ徒歩 10 分
●名鉄瀬戸線「東大手」駅
南へ徒歩約 8 分
●市バス幹名駅 1「市政資料館南」下車北へ
申込み・問い合わせ・・愛知県消費者大会 実行委員会
℡
052-703-1350
E メール
徒歩約 5 分
fax 052-703-3387
[email protected]
・・・申込みは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TPP と医療講座
申込み書
お名前(
参加者(
)
人
連絡先(電話/fax
)
*申込書に記載の個人情報は企画の受付事務で使用します。
)
“幼児期からの消費者教育”の取組
静岡県消費者団体連盟会長
小林 昭子
静岡県消費者団体連盟では、20年ほど前より、静岡県からの委託事業「地域消費者生活
講座」を通じて、食・環境・金融・消費者被害防止・電磁波などのジャンルを掲げて、会長
および理事らが、一般県民に対して出前講座を行ってまいりました。
5年前からは、「幼児期からの消費者教育」に力を注ぎ、保育園児や幼稚園児、小中学生
や高校生を対象にした講座も取り入れ、幼い時からの生活習慣の中で「自立した消費者」と
しての力が身に付くよう働きかけをしてきました。今後、この講座の回数を増やして、さら
に充実したものにしていきたいと考えています。
傘下団体の中には、早くから会独自あるいは行政との協働事業として「幼児期からの消費
者教育」を実施している団体がいくつかあります。
★浜松市消費者協会
*総合教育が始まった平成5年から、「移動環境教育」のモデル校として浜松市内の 3 つ
の中学校に出向き、1週間ずつゴミに関するパネル展示を行った。
*平成8年から毎年、市内15の小学校において、「金銭」「かしこい買い物の仕方」「環
境」
「ゴミ減量や3R」等について、1時間(45分授業)いただいて講座を行っている。
*静岡県金融広報委員会の指定を受けた3年間は、1小学校において「かしこい買い物の
仕方」「小遣い帳のつけ方」などの金銭教育を行った。
*平成22年には、1高等学校で「金融教育・悪徳商法・インターネット被害防止」につ
いて授業を行った。(写真左)
★牧之原市消費者協会
*平成9年から、老人クラブ等への「消費者被害防止出前講座」を行ってきた。
*平成12年から、行政との協働で牧之原市内各中学校への出前講座を実施し、「インタ
ーネットでの買い物の注意点」や「携帯電話の落とし穴」についてコントを交えて説明
し、被害防止を呼び掛けてきた。(写真右)
★この他に「夏休み親子消費者教室」などを開催している団体もあります。
浜松市の写真
牧之原市の写真
★芝川消費者クラブ
*消費者活動を続ける中で、自立した消費者となるためには「幼児期からの消費者教育」
の必要性を実感し、20 年ほど前から保育園や小中学校の協力を得ながら取り組んできた。
*食・環境・金銭教育などのジャンルを設け、講座形式で実施し、家庭にはチラシを配布
して、子どもと家族の会話と実践につながるよう配慮している。
*実物や絵・写真、ミニコント、替え歌、紙芝居、グループワークなどを交えて、楽しく、
飽きなく学べるよう工夫をしている。“楽習”
*幼児から高齢者まで、対象に合わせた講座展開を心がけている。
芝川リズムへの「地域消費者生活講座」新聞記事
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