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1756-WP004A-JA-E - Rockwell Automation

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1756-WP004A-JA-E - Rockwell Automation
白書
GuardLogix コントローラでのモー
ションおよび安全
モーションコントロールと安全を同時に効率的に実行できる制御システムは
わずかしかありません。これは、モーションと安全には非常に高い性能要件
が必要とされるためです。すべては、アプリケーション内での高性能の定義
と、性能要件でどのように高性能が取り扱われているかで決まります。
パフォーマンスを最
大化するためのタス
クにプライオリティ
をつける機能
Logix ベースのコントローラでは、モーションタスクに他のすべてのシステ
ムタスクの中で最も高いプライオリティを割付けています。これは、モー
ションコントロールはタイムクリティカルであるために必要となります。
モーションの高いプライオリティ設定は Logix オペレーティングシステムで
固定されているため、ユーザは構成できません。ただし、GuardLogix セー
フティコントローラの安全タスクは多数ある制御タスクの中で 1 つだけで、
1 ( 最高のプライオリティ ) から 10 ( 最低のプライオリティ ) のいずれかのプ
ライオリティを指定できます。この柔軟性によって、さまざまなタイプの標
準制御と安全制御の問題を解決するために必要に応じて性能を最大化できま
す。
一般的に、安全は 2 つのアプリケーションタイプに分かれています。
•
制御安全アプリケーション ( 安全システムによってロックされるドアや
ゲートなど )
•
反応安全アプリケーション ( 安全システムが偶発的な出来事に対応する
必要がある場合 )
一般的に、制御安全の性能要件は反応安全とは異なります。制御安全アプリ
ケーションには、危険な状態が存在しないときのみセーフティコントローラ
によってアクセスできます。これらのアプリケーションでは、危険にはアク
セスできなくなっているため ( 少なくとも理にかなった範囲では )、素早い
安全応答の必要性は低くなっています。
反応安全アプリケーションでは安全イベントがすぐに起こるようになってい
るため、安全制御システムができるだけ迅速に反応できるような応答時間に
設計する必要があります。絶対的な最悪の場合のシステム応答時間を決めて
から、ライトカーテンやレーザスキャナなどの安全検知装置を危険から適切
な距離をとった場所に配置する必要があります。危険から距離をとることに
よって、要求に応じて限られた時間内に危険を安全状態にするのに十分な時
間を確保できます。
安全距離を計算するには、以下の 2 つの方法を使用できます。
•
distance vs. time parameter ( 距離と時間の関係パラメータ ) を定義した
OSHA 規則 CFR サブパート o 1910.217 に基づく算出方法:63 インチ /sec
•
EN 999 に基づく安全距離の算出方法:1600mm/sec
フロアスペースとオペレータのロード時間が生産性に大きく影響するため、
物理的な距離は重要な問題です。そのため、安全応答時間は制御システムの
性能を判断するための重要な要因になります。
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Pub.No. 1756-WP004A-JA-E - January 2007
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GuardLogix コントローラでのモーションおよび安全
どの種類のモーショ
ンを GuardLogix コン
トローラが実行でき
るか ?
GuardLogix コントローラが実行できるモーションの種類は、以下によって
決まります。
•
モーションに必要な性能 ( 軸数と更新時間 )
•
安全に必要な性能 ( システムが制御または反応であるかに基づく安全の
量と速度 )
•
標準制御に必要な他の性能 (I/O の数、ロジックの量、および性能 )
GuardLogix コントローラには、制御のタイプや量についての強制的な制限
事項はありませんが、計算装置と同様に、プロセッサの容量 ( メモリ ) と性
能 ( 速度 ) に関しては制限があります。実際にはすべてのアプリケーション
で違いがあるため、ハードデータを提供するのは非常に困難です。以下の標
準的な例に、モーションと安全が GuardLogix コントローラで連携して実行
する方法を説明します。
例:安全タスクの処
理へのモーションの
影響
この例では、システムへの影響を計る一連の構成を示します。モーションは
Logix ベースのシステムで最高のプライオリティを持つため、モーション性
能は GuardLogix コントローラを含む ControlLogix シリーズプロセッサで常
に同じになります。GuardLogix コントローラはアプリケーション構成に定
義された性能エンベロープ内で安全機能を安全に実行するように設計されて
います。そのため、モーションまたは標準制御がすべてのプロセッサリソー
スを消費して、安全タスクが適切にスキャンできないときであっても、安全
出力は安全状態になります。IEC 61508 (SIL 3) 規格を遵守することで、
GuardLogix コントローラに非安全状態が起こらないようにできます。
この例のシステムは、以下のように構成されています。
•
安全ノード (1791DS-IB8XOB8) が 8 つあり、それぞれの要求パケット間
隔 (RPI) を 6msec に設定します。
•
1 つの DeviceNet ネットワーク
•
安全タスクのロジックは、安全ロジックの約 24msec 間シミュレーション
する。
•
16 軸のモーションのうち、8 軸は仮想軸に対してギア操作し、追加の 8
本の軸は 2 番目の仮想軸に対してカム操作する。
通常より大きい安全ロジックを使用すると、モーションが安全に与える真の
影響をより正確に測定できます。この 16 軸システムの 1 回の更新時間は
16msec で、最大モーショングループのスキャンには 2msec 弱かかります。
Logix ベースのシステムでは、アプリケーションで使用される各軸は約
0.25msec を消費します。このアプリケーションでは、モーショングループ
のスキャンには 2msec かかります。アプリケーションに 8 軸がある場合は、
モーショングループのスキャンは 1msec になります。モーションエンジン
の更新時間を 8msec と 4msec に変更して、それぞれの安全タスクのパ
フォーマンスをモニタします。
Pub.No. 1756-WP004A-JA-E - January 2007
GuardLogix コントローラでのモーションおよび安全
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プライオリティによってモーションの処理後のタスクがスキャンされる順番
が決まるため、タスクへのプライオリティの割付けは重要です。以下の表
に、構成ごとの安全タスクの処理とスケジュールされたタスクの処理につい
てのモーションの影響を示します。
タスク処理でのモーション構成の影響
基本
A
B
C
1 回のモーション更新時間 (msec)
なし
16
8
4
安全タスクの最大スキャン (msec)
23.5
27.9
31.1
40.2
影響 ( 増加の割合 (%))
0%
18.7%
32.3%
71%
安全タスクの期間 (msec)
30
35
40
50
安全タスクのウォッチドッグ (msec)
25
30
35
45
構成
重要
処理に必要な出力はモーションに消費されるため、実行中の他
のタスクと同様に安全タスクは影響されます。モーションは、
Logix ベースのシステムでは常に最高のプライオリティになり
ます。
以下に、表のデータを図示します。
これは、モーションなしで、安全タスクに最高のプライオリティがあるとき
の安全タスクの性能で、このアプリケーションの安全タスクの基本性能を表
します。
基本構成
安全タスク:23.5msec
構成 A は、更新時間が 16msec で稼動する 16 軸のモーションを示します。
安全タスクは基本構成とまったく同じに構成されていますが、プライオリ
ティが低くなっています。タイミングによっては、安全タスクは安全タスク
の指定されたスキャン中に 1 回または 2 回、モーションによって割り込まれ
ることになります。これは、モーションの更新時間が 16msec で、安全タス
クのスキャンタイムが 23.5msec であるためです。モーションの割込みが安
全タスクのスキャンの途中、例えば 12msec のときに起こった場合は、特定
の安全タスクは上に示す 4msec のかわりに 2msec の影響が見られます。た
だし、この例には 2 回の割込みがあるため、安全タスクのスキャンタイムに
4msec が追加されることになります。基本構成では 23.5msec + 4msec =
27.5msec になります。表に示す残りの 0.4msec は、他のタスク、割込みの切
換え、または通信の処理など他のシステムプロセスの発生が原因である可能
性があります。
構成 A
安全タスク:27.9msec
2
ms
2
ms
モーションの更新時間:16msec
Pub.No. 1756-WP004A-JA-E - January 2007
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GuardLogix コントローラでのモーションおよび安全
構成 B は、更新時間が 8msec で、同じ安全タスク構成で稼動する 16 軸の
モーションを示します。タイミングによっては、指定されたタスクのスキャ
ン中に 2 回または 3 回割り込まれます。
構成 B
安全タスク:31.1msec
2
ms
2
ms
2
ms
モーションの更新時間:8msec
構成 C は、更新時間が 4msec で、同じ安全タスク構成で稼動する 16 軸の
モーションを示します。タイミングによっては、指定された安全タスクのス
キャン中に 5 回または 6 回割り込まれます。
構成 C
安全タスク:40.2msec
2
ms
2
ms
2
ms
2
ms
2
ms
2
ms
モーションの更新時間:4msec
標準制御への影響
GuardLogix コントローラは、SIL 3 安全制御と標準制御を実行するように設
計されています。標準制御には、シーケンシャル、モーション、プロセス、
およびドライブアプリケーションがあります。特定のアプリケーション用の
これらの制御規格に従う性能要件によって、GuardLogix コントローラ自体
がアプリケーションを処理できるかが判断されます。現在では、アプリケー
ションの性能要件を満たすために多くのカスタマが複数の Logix プロセッサ
を使用しています。Logix アーキテクチャの重要な特性の 1 つは、大量で複
雑な制御に関する問題を解決すために複数のプロセッサを簡単に使用できる
ことです。また、多くのアプリケーションでは、GuardLogix コントローラ
を他の Logix プロセッサと共に使用することもできます。100 軸を超える
モーションがあるアプリケーションでは、性能要件を満たすために 4 台の
ControlLogix プロセッサと 1 台の GuardLogix プロセッサを使用します。1 台
の GuardLogix プロセッサと、高性能なモーションコントロールのすべてを
処理する ControlLogix プロセッサを共に使用することで、大量の標準制御と
安全制御をすべて処理できます。RSLogix 5000 ソフトウェアの V16 リリー
スでは、GuardLogix は標準と安全制御に加えてモーションコントロールを
サポートできます。複数のプロセッサを Logix システムと簡単に統合して同
期できるため、これらのアプリケーションは比較的簡単に実装できます。
まとめ
この例は 16 軸のモーションと 25msec の安全ロジックを使用しているので、
大きなアプリケーションのように見えますが、GuardLogix コントローラは
さらに大きなアプリケーションであってもモーションと安全制御を効率的に
実行できます。単独で、またはより処理能力が高い他の標準的なコントロー
ラ、または SmartGuard 600 ( 高速安全ループ用 ) などの他の安全デバイスと
共に GuardLogix コントローラを使用することで、高性能アプリケーション
でのオートメーションのニーズを満たしながら、コスト効率がよく実装が容
易な方法でモーションと安全を処理できます。
Pub.No. 1756-WP004A-JA-E - January 2007
GuardLogix コントローラでのモーションおよび安全
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Notes:
Pub.No. 1756-WP004A-JA-E - January 2007
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Publication Number 1756-WP004A-JA-E - January 2007
Copyright © 2007 Rockwell Automation, Inc. All rights reserved. Printed in the U.S.A.
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