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SNSの盛衰を理解するための 感染的に回復するSIRモデルを 用いた

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SNSの盛衰を理解するための 感染的に回復するSIRモデルを 用いた
SNSの盛衰を理解するための
感染的に回復するSIRモデルを⽤用いた
アプローチ ⾸首都⼤大学東京 ⽥田中萌奈 会⽥田雅樹 川島幸之助 1
研究背景 • ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)  インターネット上の交流を通して社会ネットワークを 構築するサービス  代表的なサービスにfacebookやtwitter
• Google Trends  特 定のキーワードの検索件数の増減を時間的な推移で 確認できるサービス  検 索数が最⼤大の時を100とし0
100のスケールで表⽰示 Google Trendsから得られるSNS(MySpace)に関する 検索数のデータを⽤用いて,サービスの盛衰を調べる事で 他のSNSの盛衰の予測に応⽤用できないか? [1] J. Cannarella and J. A. Spechler : Epidemiological modeling 参考⽂文献 of online social network dynamics, arXiv:1401.4208 [cs.SI]. 2
€
先⾏行行研究 SIRモデル • SIRモデル(感染病の流⾏行行過程を記述したモデル) d
βS(t)I(t)
S(t)
=
−
感染 免疫獲得 dt
N
β : 感染率 d
βS(t)I(t)
I(t) =
− γI(t) γ : 隔離率 dt
N
S(t) + I(t) + R(t) = N
Susceptible Infected Recovered d R(t) = γI(t)
dt
S
β
I
γ
R
S: 感受性⼈人⼝口(健康な⼈人) I: 感染⼈人⼝口(感染者) R: 隔離⼈人⼝口(免疫獲得者) €
€
€€
€
 感受性⼈人⼝口は感染⼈人⼝口との S: ⾮非ユーザー I: アクティブユーザー €
R:ノンアクティブユーザー 接触により感染  ⾮非ユーザーは友達がユーザーに
なることにより⾃自分もユーザーへ  感染⼈人⼝口は⼀一定の率で隔離⼈人
⼝口に移る  アクティブユーザーは⼀一定の率
でノンアクティブユーザーへ ※アクティブユーザー = Google Trends のデータで表される検索者(話題にする者) ※ノンアクティブユーザー = 知っていて検索しない者(話題にしない者) 3 先⾏行行研究 irSIRモデル  友達が興味をなくせば,⾃自分もなくなる I→Rの遷移は次に流⾏行行するサービスの利⽤用者からの誘い(接触)による  ユーザーが興味をなくす=他サービスのユーザーとなる 感染 S
サービスA €
€€
免疫獲得 I
β
ν
免疫獲得 R I
重なる d
βS(t)I(t)
S(t) = −
dt
N
€
d€
βS(t)I(t) vI(t)R(t)
I(t) =
−
dt
N
N
d
vI(t)R(t)
R(t) =
dt
N
€
R
サービスB €
4 先⾏行行研究 MySpace • MySpace  ⾳音 楽,エンターテイメントを中⼼心としたSNS  英 語圏ではfacebookに抜かれるまで最⼤大規模 MySpaceのデータを SIRモデルおよび irSIRモデル(ir=infectious recovery)に当てはめる 5
先⾏行行研究 Myspace  実 データと各モデルの挙動との誤差(残差平⽅方和SSE)が 最⼩小になるときのパラメータ β, γ (ν ),S 0 ,I0 ,R0 を検出 SIRモデル 感染 S
€€
€
β
γ
R€
€€
γ
0.0494 0.0179 感染 免疫獲得 I
β
irSIRモデル S
€
S0
I0
354 1.49
R0 SSE
0 17451
€€
I
β
€€
β
免疫獲得 免疫獲得 ν
ν
€
R I
R
€
S0
I0
R0 SSE
0.0589 0.0276 93.2 0.0998 0.567 4375.9
 i rSIRモデルがよりSNSの盛衰の動きに適している 6
先⾏行行研究 facebook予測 • facebook予測 • MySpaceで予測の正確性を調査 but  2014年1⽉月4⽇日までのデータを
⽤用いると
2015年から2017年の間にピーク
の20%以下まで衰退  少しのデータの違いで予測に影響  facebookはメッセンジャーアプリ
などの連携があり利便性が⾼高く,
早急な衰退は考えづらい facebookの予測は正確性に⽋欠ける.
正確性のある予測を⽬目指し,単純に衰退しなかったSNSの推移を
分析することで予測の⽅方法を⾒見見いだす 7
mixi mixiは単純に衰退しなかったようなデータを持つ  2 004年にサービス開始し⽇日本最⼤大規模(2011年頃)のSNS  近 年ユーザー達はfacebookやtwiHerへ移⾏行行 • Google Trends mixi data  ピ ークを過ぎた後,再び 盛りあがりと衰退を繰り返す  新 機能やサービスの追加が
⼀一因である  0 7-­‐6-­‐26:mixiモバイルで 天気ニュース配信 8
mixiの盛衰を記述するモデル 感染 S
②③
I
β
ν
④
⑤
⑥
€
€€ I
€€
S
 再び盛り返すポイント① ⑥を指定 €
R I
R
n⼈人戻す • てこ⼊入れ時 ①
免疫獲得 免疫獲得 €
β
I+n
€R
ν
R−n
€
盛り返す効果を考慮した評価モデルの概要 €
€
€
 盛り返す=てこ⼊入れ がある時にR→Iに € n ⼈人戻すことで表す €
 irSIRモデルのその他のパラメータについては • 変更しない(案1) • 変更するが必要最⼩小限(案2) 9
案1(irSIRモデルのパラメータ不変)評価結果  初 期の区間でのβ,νを⽤用いると直後のポイント間のデータを除き irSIRモデルとの挙動に合わない 10
案2(irSIRモデルのパラメータを変える)の⽅方針 i i+1
• ⽅方法2  i番⽬目の盛り返す点(現時点)と次のi+1番⽬目に盛り返す点に
挟まれた領域に注⽬目  初期時点(2004/01) から現時点(i番⽬目に盛り返す点)までの挙動を
単⼀一のirSIRモデルでパラメータ推定する.  その時のパラメータを⽤用いてi番⽬目とi+1番⽬目の間の曲線に合うように,
RからIに戻す⼈人数nを決める. 11
案2(irSIRモデルのパラメータを変える)の⼿手順  ⻘青:irSIRモデルのパラメータを
決めるための曲線  ⾚赤:予測された曲線 ⻘青で求められたパラメータで⾚赤の予測 12
案2(irSIRモデルのパラメータを変える)の⼿手順  あ る時点まで分かっているデータまでをirSIRモデルにフィッティング させる.そこで求められたパラメータでその後の予測が可能. 13
まとめと今後 • まとめ 正確な予測を⽬目指しmixiのデータを⽤用いて再び盛り返す際の
データの傾向を調査  SNSにおいて興味をなくしたユーザーを取り戻すために
新機能やサービスなどを追加すると想定しその効果を考慮して予測する
 盛り返す際にRからIに戻す量nは,その時点の「てこ⼊入れの効果」を表す  「てこ⼊入れの効果」がその後に及ぼす影響は,現時点で明らかになって
いるデータから予測できる  てこ⼊入れがサービスの減衰を遅らせている • 今後 facebookを新たに予測し mixiとfacebookの移り変わりの関係について調べる 14
ご清聴ありがとうございました 15
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