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野生鳥獣の保護管理の推進について(鳥獣対策課:H28年度版)
野生鳥獣の保護管理の推進について 平成28年9月 農政環境部環境創造局鳥獣対策課 目 次 (ページ) 1 「兵庫県第 11 次鳥獣保護管理事業計画」等の推進・ 1 2 野生動物による被害・・・・・・・・・・・・・・ 2 3 獣種ごとの被害防止対策・・・・・・・・・・・・ 3 4 野生動物の生息地の保全・・・・・・・・・・・・ 10 5 狩猟の適正化及び狩猟者の確保・・・・・・・・・ 10 6 鳥獣保護思想の普及・・・・・・・・・・・・・・ 11 7 野鳥の鳥インフルエンザへの対応・・・・・・・・ 11 1「兵庫県第11次鳥獣保護管理事業計画」等の推進 本県は、瀬戸内海から日本海まで変化に富んだ自然環境に恵まれており、鳥類 330 種、獣類 39 種が生息する豊かな生態系を構成している。 しかし、近年、一部の野生動物生息数の増加や生息区域の拡大などにより、農 林業被害や地域住民への精神的被害が発生しているほか、森林の下層植生の消失 など生物多様性への影響が生じている。 このため、平成 24 年 3 月に策定した「兵庫県第 11 次鳥獣保護管理事業計画」 (H27 変更)等に基づき、市町と連携のもと、森林動物研究センターの研究成果を 活かした「個体数管理」「被害管理」「生息地管理」を総合的・計画的に推進する 野生動物の保護管理(ワイルドライフ・マネジメント)を行っている。 第 11 次鳥獣保護管理事業計画(計画期間:平成 24 年 4 月~平成 29 年 3 月) 主な内容 (1) 鳥獣捕獲許可の基準・考え方 (2) 鳥獣保護区等の指定及び管理 (3) 特定鳥獣保護管理計画の作成 等 第一種特定鳥獣保護計画・第二種特定鳥獣管理計画 (計画期間:平成 27 年 5 月~平成 29 年 3 月) シカ管理計画 「目撃効率 ※ 1.0 以下」となるよう個体数管理を行うとともに、 被害管理、生息地管理と併せ、総合的な対策を推進 イノシシ管理計画 「目撃効率 ※ 0.2 以下」となるよう個体数管理を行うとともに、 被害管理、生息地管理と併せ、総合的な対策を推進 ツキノワグマ保護計画 人身被害ゼロ、生活圏への出没防止、推定生息数 400 頭以上の 維持を目標に、クマの生息動向と被害状況を踏まえ、年度ごと に生息数に応じた順応的管理を行う ニホンザル管理計画 人身事故の防止、農業・生活被害の減少、被害地域の拡大抑 制、群れの適正な維持を目標に、群れの規模に応じた順応的管 理を行う ※目撃効率:狩猟者1人が1日に目撃するシカ(イノシシ)の頭数 【個体数管理】 【被害管理】 【生息地管理】 わなによる捕獲 防護柵の設置 バッファーゾーン整備 - 1 - 2 野生動物による被害 (1) 農林業被害 平成27年度の農林業被害額は5億71百万円で、シカ(1億95百万円) 、イノシシ (2億18百万円)が約70%を占めており、農林業者の経済的損失に加え、営農意欲 の減退を招いている。 シカについては、生息区域の拡大により、県南部地域や日本海沿岸、標高の高 い地域でも新たに被害が発生している。 (2) 人的被害 クマやサルが集落内にも出没し、不意の遭遇へ の恐怖や威嚇を受けるなどの精神的被害及び人身 被害が発生している。 サルは、県下6地域個体群(14~15 群)で約 939 頭(H28.1)が生息していると推測されてお り、神河町、豊岡市、香美町、朝来市、篠山市で は、農業被害に加え、人家への侵入被害などが発 生している。 出没したサル(篠山市) (3) 生物多様性への影響 但馬、西播磨や淡路島の一部地域では、シカ が木の皮や下草を食害することにより、立木の 枯損、下層植生の消失、昆虫の減少等生物多様 性の衰退を招いている。 また、アライグマによる在来種の捕食等、外来 動物による生態系のかく乱が懸念されている。 シカの食害により裸地化した森林(南あわじ市) - 2 - 3 獣種ごとの被害防止対策〔個体数管理・被害管理〕 (1) シカ ア 個体数管理(年間捕獲 45,000 頭) 農業・林業被害が軽微になるシカ生息密度(目撃効率 1.0 以下)をめざし、 シカ管理計画に基づき、本年度から捕獲目標を 1 万頭増やした 45,000 頭とし て、シカ捕獲専任班の編制や狩猟期間の捕獲報償金等により捕獲拡大を図って いる。 シカ生息数の推定(平成28年1月推定:年間捕獲4.5万頭の場合) 区 分 H22年11月時点 H26年11月時点 推定生息数 187,198 162,093 目撃効率 2.12 1.98 ※ 森林動物研究センターの推定による (単位:頭) H28年11月時点 H30年11月時点 128,595 84,578 1.56 1.02 90%信頼限界 50%信頼限界 中央値 187,198 頭(H22 年) 中央値のピーク 84,578 頭(H30 年) (注 ) 中 央 値 は 、 あ く ま で も 統計処理上の数値 - 3 - 平成28年度の捕獲目標 狩猟期間 狩猟期間外 対 策 名 捕獲目標 実施内容・期間等 狩猟期シカ捕獲拡大事業 25,000 頭 (25,251) 捕獲報償金支給制度により、狩猟者の捕獲 を促進 ・実施期間 11/15~3/15(狩猟期間) シカ有害捕獲専任班支援事業 3,000 頭 (1,323) シカ有害捕獲促進支援事業 6,000 頭 (4,684) 通 11,000 頭 (14,311) 一般有害捕獲 計 わな等による有害捕獲 ・森林動物研究センターが、被害集落に対し、 効率的なわな捕獲技術や効果的な被害対 策の取組みを指導・普及 年 ストップ・ザ・獣害 平日を中心に、市町が銃等の技能に秀でた 狩猟者によるシカ捕獲専任班を編制して捕 獲を促進 ・実施期間 3/16~11/14 銃による有害捕獲を促進 ・実施期間 3/16~11/14 - 45,000頭 (45,569) ※ ( )内は、平成27年度の捕獲実績 鳥獣被害防止総合対策交付金を活用した捕獲報償(平成 27 年度~) 猟期中の狩猟期シカ捕獲拡大事業(県単)等に加え、国の鳥獣被害防止総合対 策交付金も活用し、県・市町の上乗せによる有害捕獲(銃猟)を促進している。 〔シカ有害捕獲促進支援事業の負担区分〕 捕獲報償金 16,000 円/頭のうち 8,000 円は国の交付金 国 50% (8,000 円) *わな猟による報償金 (上限単価) 県 10% (1,600 円) 市町 40%(特別交付税措置) (6,400 円) シカ、イノシシ、サル:8,000 円/頭 アライグマ、ヌートリア、シカ・イノシシの幼獣:1,000 円/頭 ほか ストップ・ザ・獣害(平成 25 年度~) 被害を受けている農家による捕獲を推進する ため、森林動物研究センターがわなを仕掛ける場所、 餌付け方法等の捕獲技術を現地指導している。 ◎事業効果 ・豊岡市出石町、洲本市千草中村など 53 集 落を指導 ・27 年度は 734 頭捕獲(シカ 479、イノシシ 255) - 4 - ストップ・ザ・獣害集落研修 イ 被害管理(防護柵の設置支援) 農作物被害を防止するため、国の鳥獣被害防止総合対策交付金の活用などに より、関係集落が連携して実施する防護柵の設置を支援している。 また、高さアップなど既設防護柵の機能向上や災害による被災防護柵の復旧 などの取組については県単独事業で支援している。 防護柵の設置実績 区 分 (単位:km) 累 計 うち H27 国 庫 事 業 2,927 270 県 単 独 事 業 2,212 20 市町単独事業 2,112 167 226 2 7,478 460 その他(自力等) 計 バッファーゾーンと防護柵(川西市) ウ “シカ丸ごと1頭”の活用促進 地域資源として、捕獲したシカの有効活用や廃棄物の減量化を図るため、市 町、猟友会と連携し、県下で整備されたシカ処理加工施設への、①搬入・回収 の促進や、②一時保管基地となるストックポイント(冷凍・冷蔵庫、内臓除去 施設)の整備を進めている。また、猟友会、シカ肉処理加工施設、レストラン 等で構成する「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」(H27 年5月設立)を 中心に、“シカ丸ごと1頭”を活用する方策や販路開拓等を進めている。 狩猟者 消費者 <運搬車導入・施設整備支援> シカ肉 レストラン、販売店等 処理加 工施設 シカ捕獲 冷 蔵(冷 凍)車 ドッグフード製造者・販売者 ストックポイント シカ肉処理加工施設(平成 28 年 9 月現在) 処理可 能頭数 26 処理 頭数 27 処理 頭数 所在 稼働年月 多可町小規模シカ肉加工施設 多可町 H24. 2 200 27 288 夢咲鹿工房 姫路市 H26. 5 2,000 521 981 資源動物処理加工施設 宍粟市 H24.11 200 150 80 三日月猪鹿工房 佐用町 H25. 1 200 15 9 峰鹿谷 香美町 H24. 3 400 61 80 お狩庵 朝来市 H24.11 250 200 150 鹿工房ロス・カサドーレス 朝来市 H28. 5 300 ― ― 鹿加工組合丹波 丹波市 H26. 4 1,700 1,343 1,746 淡路ジビエ加工処理施設 南あわじ市 H27.11 100 ― 56 5,310 2,317 3,390 名 計 称 9 施設 ※ひょうごニホンジカ推進ネットワークに加入の処理加工施設 - 5 - ○ PRイベントによるシカ肉の需要拡大 兵庫県民農林漁業祭やアスリート向けシカ肉料理試食会などを通じて、シカ 肉の特長を活かしたシカ肉料理等をPRし、シカ肉の需要拡大を図っている。 ・兵庫県民農林漁業祭(明石市 H27.10.17~18) ・ひょうご森のまつり(上郡町 H27.11.8) ・ふれあいの祭典(淡路市 H27.11.14~15) ・ネットワーク主催アスリート向け試食会・「文鹿祭 Bunkasai」(神戸市 H27.3.15)等 アスリート向けシカ肉料理試食会 女子大学チアリーディング部、ラグビーチーム、 高校柔道部等に、アスリートに適した食材として シカ肉やシカ肉料理をPR <シカ肉の特長> 高タンパク、低カロリー、鉄分が豊富機能性 アミノ酸(カルニチン等)を多く含む (2) イノシシ 平成 28 年度から新たに捕獲目標を 15,000 頭と設定し、「イノシシ管理計画」 に基づいた防護柵の設置、鳥獣被害防止総合対策交付金を活用した加害個体の捕 獲等を実施している。 特に、生息密度の高い淡路島では、ワナにかかったイノシシの止め刺しを安全 に行うための電気止め刺し器の配備や、防護柵とワナを組み合わせた捕獲を進め、 狩猟者と集落が連携した集落ぐるみの捕獲を推進している。 市街地に出没するイノシシ対策 六甲山周辺では、餌付け等により人慣れした イノシシの生活被害等が発生しているため、市 と連携した餌付け禁止の呼びかけ、緊急事態に 対処する「イノシシ緊急対策協力員」を配備し ている。さらに加害イノシシの捕獲を促進する ため、わなの購入費やわなの見回り活動等を支 援している - 6 - ゴミをあさるイノシシ(神戸市) (3) ツキノワグマ 一時期生息数が減少し、絶滅も危惧されたことから、狩猟捕獲の禁止や学習放 獣等の保護対策を計画的に進め、生息数は増加傾向にある。 また、人里周辺への出没も増加傾向にあるため、「ツキノワグマ保護計画」に 基づき、人との棲み分けをめざし、集落への出没を 抑制する対策を進めている。 平成 27 年度の推定生息数が 940 頭と、狩猟禁止 の解除区分(800 頭以上)に移行していることから、 平成 28 年度に狩猟禁止を制限的に解除する方針と し、人身被害ゼロを目指す。 ア クマが出没しにくい集落環境整備 人里に出没したクマの放獣 誘引物となる放置された柿の実やゴミ等の除去、クマの隠れ場所となる雑 草地の刈り払いなどの出没予防対策を進めるため、市町と連携してクマ住 民学習会を開催するなど、集落ぐるみの取組を促進している。 ・クマ住民学習会(平成 27 年度:宍粟市ほか 計8回 参加者 212名) イ 個体数管理 クマの出没対応基準に基づき、追い払いや学習放獣、有害捕獲を進めると ともに、推定生息数に応じた個体数管理を行う。 <出没対応基準> 対応 区分 1 2 3 4 <推定生息数に応じた個体数管理> 出没状況 推定生息数 対応内容 山中での目撃、一時的 に人里へ出没 出没により、精神被害 を発生 繰り返し出没し、精神 被害を発生 集落内徘徊など人身被 害の危険性が高い場合 対 応 地域住民等への注意喚起 400頭未満 ・可能な限り殺処分をしない ・狩猟禁止 誘引物の除去、追い払い等 400頭以上 800頭未満 ・有害捕獲個体は原則殺処分 ・狩猟禁止 800頭以上 ・有害捕獲個体は原則殺処分 ・狩猟禁止を解除 繰り返し出没する個体は、有害鳥 獣捕獲許可により捕獲し殺処分 有害鳥獣捕獲許可により捕獲し殺 処分 堅果類(ドングリ類)の豊凶とクマの目撃・痕跡及び人身被害件数 クマの目撃・痕跡件数は、コナラやブナ等の堅果類(ドングリ類)の豊凶により増 減している。豊凶調査結果は、ホームページ等で情報提供している。 ツキノワグマ目撃・痕跡件数 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28※1 450 181 1,623 348 487 513 831 497 202 人身被害※2 0 0 4 2 0 0 0 0 0 有害・錯誤捕獲 49 13 212 28 44 46 117 68 25 放 45 11 140 25 27 32 85 50 23 4 2 72 3 17 14 32 18 2 凶 豊 凶 凶 豊 並 並下 豊 9 月調査 年 度 目撃・痕跡件数 獣 殺処分・死亡 堅果類の豊凶 ※1 H28 年度は 7 月末現在。 ※2 H8~H28 年度人身被害 16 件 - 7 - (4) ニホンザル 県下のサルは、餌付け群を含めて6地域9市町に分布しており、各地域には14 ~15群が存在している。生息数は全体で939頭(野生490、餌付け449)と推定さ れているが、地域個体群はそれぞれ孤立しており、地域的な絶滅が危惧されてい る一方、農業被害や人家侵入などの生活環境被害を発生させている。 このため、「ニホンザル管理計画」に基づき、人との棲み分けをめざして、地 域個体群ごとにきめ細かな管理を進めている。 ア 地域個体群の個体数管理 地域個体群の安定的維持と被害の軽減を図るため、地域個体群の動向と加 害状況をモニタリングしつつ、地域の実情にあった加害個体の捕獲、追い払い 等の対策を進めている。 群れごとの規模に合わせた管理方針 群れの規模 オトナメス 10 頭以下 オトナメス 11~15 頭 イ 個体数管理の方法 ・原則としてメスの捕獲は行わない ・ただし、被害防止のため、やむを得ない場合は問 題がある個体を識別して捕獲する ・原則としてオトナメスの捕獲は行わない ・ただし、被害防止のため、やむを得ない場合は問 題のある個体を識別して捕獲する オトナメス 16~20 頭 ・被害対策のため、必要に応じて有害捕獲を行う。 オトナメス 21 頭以上 ・被害対策のため、有害捕獲を行う。 ・群れの分裂や出没地域の拡大に注意を払う 被害対策 サルを集落に出没させないため、追い払い犬の育成、鳥獣被害防止総合対 策交付金(国庫)を活用したサルが登りにくい防護柵の整備等を進めている。 また、群れに電波発信機を装着し て行動を把握し、集落への出没状況 を受信して、住民に知らせるサル監 視員の設置により、サル被害に強い 地域づくりを進めている。 - 8 - (5) アライグマ、ヌートリア(特定外来生物) アライグマ、ヌートリア等の外来動物が野 生化し、農業被害や生活環境被害に加えて人 的被害も発生しており、市町が実施する捕 獲・処分を支援している。 特に、被害が拡大しているアライグマにつ いては、「アライグマ防除指針」に基づく「市 町防除実施計画」により、捕獲を推進してい る。 捕獲されたアライグマ(加古川市) (6) カワウ 1970 年代には絶滅が危惧されていたが、河川の水質改善等により個体数が増 加に転じ、近年は放流したアユの食害などの漁業被害が発生している。 関西広域連合が、「第 2 次関西地域カワウ広域管理計画」に基づき実施する生 息・被害調査、捕獲方法等の対策検証結果を活用し、構成府県市が生息数減少に 向けた取組みを行っていく。また、本県では、これらの生息調査(県内個体数 H26 年度:約 3,700~5,800 羽)等を踏まえ、コロニーにおける擬卵置換による繁 殖抑制や行動追跡調査を行っている。 カワウ対策事業 ○事業内容 ①擬卵置換(上:写真) ・擬卵置換による繁殖抑制 ②標識を付けたカワウ(写真:下) ・青いリングを装着したカワウの 移動状況を調査 - 9 - 4 野生動物の生息地の保全〔生息地管理〕 (1) 野生動物の生息環境の整備 人と野生動物の棲み分けを図るため、県民緑税を活用した野生動物育成林整備 によりバッファーゾーン設置(H18~27:2,605ha)や奥山での広葉樹林の育成(H18 ~27:441ha)を進めている。 (2) 鳥獣保護区等の指定 野生鳥獣の保護のために鳥獣保護区を指定し、特に生息環境の保全が必要な区 域は、特別保護地区として立木の伐採や土地の形質変更を制限している。 また、銃器による事故を防止するため特定猟具使用禁止区域(銃器)の指定、 水源地の汚染防止のため指定猟法禁止区域(鉛弾)を指定している。 鳥獣保護区等の指定状況(平成 27 年 11 月現在) 区 分 箇 所 数 鳥獣保護区 94 うち特別保護地区※ (13) 休 猟 区 1 特定猟具使用禁止区域(銃器・くくりわな) 162 指 定 猟 法 禁 止 区 域(鉛散弾) 1 計 258 ※国指定鳥獣保護区(特別保護地区含む)2 箇所を含む 5 面 積(ha) 40,594 (1,534) 2,921 200,495 140 244,150 狩猟の適正化及び狩猟者の確保 (1) 狩猟事故の防止 狩猟取締や鳥獣保護管理員による現場での安全指導、兵庫県猟友会、県警本部 と連携し安全研修会等を開催している。 (2) 狩猟者の確保・育成 狩猟免許試験の休日実施、猟友会主催の初心者狩 猟免許講習会への支援や狩猟現地体験会等により、 狩猟後継者の確保を図るとともに、技能向上のため に行う県内外射撃場での訓練費用を支援している。 さらに、26 年度から、狩猟初心者を対象に狩猟 知識・技術を習得する「狩猟マイスター育成スクール」や、 熟練狩猟者による狩猟経験が浅い者へのマンツーマン指導 など狩猟後継者の育成や技能向上を図っている。 狩猟マイスター育成スクール (福崎町) (免許種類別) 年 度 S51 H1 H5 わな・網 353 597 759 銃 11,174 6,952 6,484 ※鳥獣統計(環境省)による H10 968 5,382 H15 1,537 4,259 - 10 - H20 3,308 3,899 H23 2,858 3,340 H24 2,797 2,717 H25 3,035 2,803 H26 3,386 2,913 H27 3,609 2,662 6 鳥獣保護思想の普及 動物愛護、愛鳥思想の普及を図るため、動物愛護 ポスター原画コンクール、愛鳥週間ポスター原画コ ンクールを実施し、入賞作品は王子動物園等で展示 している。 また、愛鳥モデル校の育成、傷病野生鳥獣救護病 院への支援等を実施しているほか、社会福祉に貢献 した盲導犬、セラピー犬などを表彰している。 7 動物愛護ポスター原画 (県立姫路工業高校 2 年生) 野鳥の鳥インフルエンザへの対応 冬鳥として日本に渡ってくるガン・カモ類は、腸内にA型鳥インフルエンザウ イルスを保有しており、家きんの鳥インフルエンザ発生の原因とされている。 また、ガン・カモ類からの二次感染により、他の野鳥へも感染が広がっている と言われているため、ガン・カモ類の糞便採取調査及び死亡・衰弱野鳥のウイル ス保有検査を実施している。 (1) 糞便採取調査 全都道府県で実施:平成 27 年度の検査結果・・・全て陰性(県内) 冬鳥が渡ってくる 10 月~4 月(隔月:10、12、2、4)に加古川市平荘湖で ガン・カモ類の糞便を採取し、(独)国立環境研究所等で検査を実施 (2) 死亡・衰弱野鳥の検査 ア 死亡・衰弱野鳥の検査については、環境省のマニュアルに基づき、家畜保 健衛生所(姫路・和田山・淡路)において検査を実施。 対応レベル 死亡・衰弱野鳥の種別検査実施基準(例) レベル1:通常時;未発生 マガン 1 羽以上 マガモ 3 羽以上 カルガモ 10 羽以上 レベル2:警戒時;国内単発発生 マガン 1 羽以上 マガモ 1 羽以上 カルガモ 10 羽以上 レベル3:国内複数箇所発生 マガン 1 羽以上 マガモ 1 羽以上 カルガモ 5羽以上 イ 国内の検査(H27.9~H28.3):確定検査で高病原性鳥インフルエンザは検出 されず。 ウ 県内の検査(H27.4~H28.3):簡易検査数は 9 件、すべて、高病原性鳥イン フルエンザウイルスは検出されず。 【参考】 韓国及び国内における高病原性鳥インフルエンザの発生について 1 平成 27 年 9 月 24 日に、環境省は、韓国で高病原性鳥 インフルエンザ が発生し たことを受け、野鳥の監視レベルを“レベル2”に引き上げ。 2 平成 28 年 6 月 1 日に、環境省は、冬鳥の渡りのシーズンも終盤になっているこ と等から、野鳥の監視レベルを“レベル1”に引き下げ。 - 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