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WEB を活用した職業ばく露に関する 化学物質関連の情報
【サイトトップ】>【資料】>【化学物質管理一般】 平成 28 年4月現在 WEB を活用した職業ばく露に関する 化学物質関連の情報収集について 元・厚生労働省化学物質対策課 化学物質国際動向分析官 柳川行雄 内容 WEB を活用した情報収集 .......................................................................... 1 国内の化学物質関連ポータルサイト(政府及び公的機関) ....................... 2 国内の化学物質関連ポータルサイト(大学、地方自治体、民間機関等) . 4 日本政府による各種リスク評価書 .............................................................. 4 有用なメールマガジン ................................................................................ 6 リスクアセスメントのツール等 .................................................................. 6 各種国際機関等による OEL........................................................................ 8 その他の有害性情報 .................................................................................. 10 1 2 3 4 5 6 7 8 WEB を活用した情報収集 化学物質の有害性や規制、管理のあり方などに関する情報は、現時点では WEB を活用することでかなりのものが得られる。雑誌(例えば JRTOC の「情 報 A」、 「情報 B」や化学業界の業界誌など)や書籍などの情報もないわけでは ないが、このような雑誌は一般の事業者にはそれほど簡単には入手できず、書 籍の情報でまとまっているものは概して新しい情報が含まれていない。 1 一方、化学物質に関する専門機関の WEB サイトの情報は専門家が読むこ 1 とを前提にしたものが多く、それほど親切ではない。基本用語などの意味・解 説などは書かれてはいないことがあるし、仮に書かれていても、定義だけとい うことがほとんどである。たとえば発がん性が「1」と言われても、多くの事 業者にはなんのことだか分からない。また、 「人に対する発癌性が明らかな物 質」と書かれていても、どのように注意すればよいのかということまでは分か らない。さらに言えば、沸点が記載されていても、それをどのように理解すべ きかまでは分からないのが普通である。すなわち、沸点が低ければ揮発しやす く作業環境中に危険を及ぼしやすい、逆に高ければ皮膚に着いた時に蒸発し にくく皮膚から体内に侵入しやすいなどということが分からないし、どの程 度の沸点の場合どのような注意が必要かということを理解するためには、か なりの経験が必要であろう。 また、海外の化学物質関連の規制に関する情報は錯そうしており、日本文の サイトは公的な機関のそれであっても、しばしば相互に矛盾していたり、意味 が判り難かったり、ときには誤りさえある。海外の情報に関しては、日本文で 概要を調べるにしても、基本的に元の海外の機関のサイトを確認する必要が 出てくる。 さらに海外の規制に関しては、日本から化学物質を輸出する場合に関係す る規制のような情報は、比較的かんたんに見つかるが、職業ばく露に関する各 国の規制に関する情報を見つけるのは至難の業といってよい。 そこで、内外の化学物質に関する有用な情報のサイトを、それらの解説をし ているサイトととりまとめ、ごく簡単を付してみた。基本的に下線のある青色 文字の部分にはハイパーリンクがあり、関係するサイトを参照することがで きる。なお、ソフトウエアのダウンロードには登録が必要なものもあるが、す べて無償で一般に公開されているもののみを挙げている。 なお、これらのサイトの内容を保証するものではない。 2 国内の化学物質関連ポータルサイト(政府及び公的機関) (1)独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) ア 化学物質管理の情報 NITE の化学物質に関する総合的なサイトである。化学物質に関し、 わが国における最も充実したサイトと言ってよい。この中で、最も有効 なのは、下記イの CHRIP であるが、他にも有用な情報が多い。 イ 化学物質総合情報提供システム(CHRIP) 個別の化学物質について検索すると総合的な情報が得られる。日本国 内のいくつかの法令の適用関係のほか、製造使用量、用途、有害性情報な どの情報がある。現時点における我国の最も情報の豊富なサイトといっ 2 てよい。なお、2016 年3月 31 日にリニューアルしている。 (2)職場のあんぜんサイト(化学物質) ア 化学物質関連情報 化学物質に関する厚生労働省が管理するサイト。職業ばく露の観点か らの各種の情報を集めている。モデル SDS などの有害性情報のみならず、 災害事例が物質ごとに掲載されており、事業場の化学物質管理にきわめ て有用なサイトである。 イ GHS 対応モデルラベル・モデル SDS 情報 GHS 対応のモデルラベル・モデル SDS が掲載されている。現行の安 全衛生法施行令別表第9に掲載されているものは原則として掲載されて いることとされている。ただし、同別表第9で化学物質の群(「○○の化 合物」などの形)で定められているものは、すべてが掲載されているわけ ではない。従って、ここにモデル SDS が掲載されていないからと言って、 ただちに通知対象物質ではないと判断することはできないので留意する 必要がある。 (3)国立環境研究所 ア 化学物質データベース 化学物質のデータ検索と農薬データベースからなる総合検索サイトで ある。 ただし、前者・後者ともに同じデータベースを使用しているようである。 化学物質安全情報提供システム(KIS-NET、神奈川県)などの化学物質 データベースにいくつかのファイルを追加して作成した化学物質データ ベースである。リンクが充実しており、個別の化学物質についての内外の 公的機関のリスク評価結果や有害性評価結果の資料を容易に見つけるこ とができる。 また、農薬出荷量に関する情報があるが、これは他のサイトでは見つけ にくい情報である。 ただし、リンクを除けば、サイトそのものの情報は必ずしも豊富ではな い。NITE の CHRIP で得られる情報がほとんどである。 (4)NIMS 物質・材料データベース 独立行政法人物質・材料研究機構のデータベースサイトである。利用する には登録(無料)が必要。実際に使ったことはないので内容や価値等は不明。 3 (5)国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版 国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)の運用するサイトである。かつては オリジナルから1年半程度遅れて日本語化されていた。最近では 2015 年6 月のナンシー会議で新たに作成された 3 物質のカードが 2016 年2月 18 日 に収載されている。やや日本語化されるまでの期間が短縮されたのかもし れない。 このサイトでは、個別の化学物質の危険・有害性情報の概括的な情報が得 られる。また、漏洩物処理や貯蔵に関する注意事項なども記載されているの で事業者には便利であろう。 3 国内の化学物質関連ポータルサイト(大学、地方自治体、民間機関等) (1)kis-net 神奈川県環境科学センターが運営するサイトである。個別の化学物質の 情報が得られる。検索の方法が充実しており、様々な事項で検索できる。ど ちらかというと、専門家というよりも化学物質に詳しい素人を対象にして いるような印象を受ける。 また、このサイトは急性毒性や変異原性など、有害性に関する情報が豊富 である。 (2)事業者の化学物質リスク自主管理の情報基盤 横浜国立大学の運営するサイト。情報プラットホームタブから様々な情 報を得ることができる。内外の有害性情報、各種リスク評価書、リスクアセ スメントツールに関するサイトへのリンクや、有害性情報に関する考え方 等が豊富である。 海外のリスクアセスメントツールの日本語による簡単な解説が多く含ま れている。このような情報は他ではあまり見られない。このため、化学物質 や英語に詳しくない事業者が海外のツールを用いてリスクアセスメントを 行いたいときには有用なサイトである。ただし、情報がやや古いという印象 を受ける。 4 日本政府による各種リスク評価書 日本政府による各種のリスク評価書が公開されている。これらのリスク評 価書の対象物質数はそれほど多いわけではなく、専門的な知識がないと活用 は難しい面があるが、有害性に関する情報がよくまとまっており、中堅以上の 企業では活用することができよう。 4 (1)厚生労働省(化学物質対策課) リスク評価書を物質ごとにまとめたページ(リスク評価実施物質)がある。 厚労省が職業ばく露の観点からリスク評価を行った物質のリスク評価書を 閲覧することができる。物質数は多くはないが、職業ばく露の観点からの貴 重な情報源といってよい。なお、厚労省の労働基準局が実施する検討会等の ページから各年度の「化学物質リスク評価検討会」を探してクリックし、各 年度の委員会の「報告書」をクリックしても、物質ごとの報告書へリンクす るページが表示される。 (2)製品評価技術基盤機構(NITE) 製品評価技術基盤機構(NITE)のリスク評価書は、現在は化学物質総合 情報提供システム(CHRIP)から「有害性評価書」 「初期リスク評価書」 「初 期リスク評価書概要版」がダウンロードできる。リスク評価対象物質の一覧 のページはなくなったようである。 なお、CHRIP は 2016 年3月 31 日にリニューアルされたが、 (旧)CHRIP のときは、各物質の情報から「各国有害性評価」タブからリンクされていた。 (3)環境省化学物質の環境リスク評価結果 環境省化学物質の環境リスク評価結果は、基本的に環境影響のリスク評 価書ではあるが、化学物質の基本情報が豊富である。なお、化学物質の生態 影響試験結果について同じサイトからダウンロードできる。 (4)産業技術総合研究所(AIST)の詳細リスク評価書 物質数は多くはない(2016 年3月時点で 25 物質)が、物質の一覧が公 開されており、各物質の環境影響に関するリスク評価書の要約(といっても かなりの量だが)のほか参考資料等をダウンロードできる。 (5)食品安全委員会の食品安全総合情報システム 職業ばく露とは関連は低いが、物質の一覧が公開されており、各物質の名 称に張られたリンクから簡単なリスク評価結果の一覧を参照することがで きる。ただ、一覧表に CAS 番号が記載されていないため、検索がしにくい といううらみはある。 なお、同様なものとして、毒劇物指定のための有害性情報の収集・評価が 国立医薬品食品衛生研究所のサイトに公開されている。こちらは物質数は 少ないが、急性毒性を中心に様々な毒性の評価が参照できる。 5 (6)EU リスク評価書 国立医薬品食品衛生研究所が翻訳した、EU リスク評価書である。物質名 の一覧表から EU のリスク評価書の日本語訳を参照できる。 5 有用なメールマガジン (1)みずほ情報総研ケミマガ 内外の政府機関や公的機関の公表する化学物質関連の最新の情報がまと まっている。コンセプトは NITE のものや日化協のものと似ているが、内 容的にはもっとも充実しているという印象を受ける。 当初、みずほ総研では NITE から委託を受けて NITE のケミマガを作成 していたが、ある年に NITE の入札に漏れたためその後、独自にはじめた もの。1か月に2回配信しているようである。 (2)NITE のケミマガ 内外の政府機関や公的機関の公表する化学物質関連の最新の情報がまと まっているという意味ではみずほ総研や日化協のものと同じだが、毎週、1 回、水曜日に配信されるので情報が早いという利点がある。 (3)日本化学工業協会(BIG Dr)のケミマガ 内外の政府機関や公的機関の公表する化学物質関連の最新の情報がまと まっている。みずほ総研や NITE のものに比して情報量は多くはない。し かし、他のケミマガではバックナンバーを時系列にしか表示できないのに 対し、このケミマガのバックナンバー(アーカイヴス)では、国・機関別や ジャンル別に表示できるという利点がある。 6 リスクアセスメントのツール等 (1)厚生労働省コントロールバンディング 厚生労働省が WEB 上で職業ばく露に関する簡易なリスクアセスメント ツールを公開している。英国の COSHH Essenstials の日本版である。出力 される対策シートは日本の法令に適合するように修正されている。 (2)ECETOC TRA(EU) 欧州化学物質生態毒性および毒性センター(ECETOC)が開発した化学 物質のリスクアセスメントツールである。消費者ばく露に特化したものと、 汎用のものがある。現在のバージョンは 3.1 である。 ECETOC のサイトから EXCEL ファイルをダウンロードして使用するよ 6 うになっている。従って、Windows のバージョンによらないという利点が ある。なお、ダウンロードには登録が必要である。 これについて横浜国立大学が簡単な日本語マニュアルを公表している。 (3)EMKG(BAuA) ドイツのドイツ連邦安全衛生研究所(BAuA)が開発した化学物質の職業 ばく露に関するリスクアセスメントツールである。簡単な情報から職場の 作業環境濃度を推定するものであるが、出力は一定の数値ではなく範囲で 得られる。 BAuA のサイトから EXCEL ファイルをダウンロードして使用する。こ れについても横浜国立大学が簡単な日本語マニュアルを公表している。 (4)ChemSTEER(EPA(USA)) 米国環境保護庁(EPA)が開発したリスクアセスメントツール。職業ばく 露に関する吸入及び経皮リスク、及び環境への排出量を推定するためのツ ールである。 EPA のサイトからプログラムをダウンロードしてパソコンにインストー ルする必要がある。これについても横浜国立大学が簡単な日本語マニュア ルを公表している。 (5)COSHH Essenstials(HSE) 英国の安全衛生庁(HSE)が開発した職業ばく露に関するリスクアセス メントツールである。厚生労働省のコントロールバンディング方式の元と なったツールである。HSE のサイトでブラウザを用いてリスクアセスメン トを行うことは厚労省のものと同じである。 通常の事業者はこのサイトを利用するメリットはないものと思う。 (6)MEASE(EBRC) EBRC が開発した化学物質のリスクアセスメントツールである。EXCEL データをダウンロードして使用する。吸入ばく露と経皮ばく露が推定でき る。 日本ではあまり知られていないため和文情報が得にくく、一般の事業者 には使いにくいかもしれない。 (7)MuSEM(国立環境研究所) MuSEM(Multimedia Simplebox-systems Environmental Model)は、 7 1994 年にオランダの国立公衆衛生・環境保護研究所(RIVM)の化学物質 評価グループが開発した USES(Uniform System for the Evaluation of Substances)を基にして、我が国の国立環境研究所が開発した環境リスク の統合アセスメントプログラムである。日本語で使用できるが、化学物質に 関する知識がないと使いづらいかもしれない。 国立環境研究所のサイトから申請してダウンロードする。基本的に EXCEL があれば動作するが、データベースファイルは Access がないと操 作できない。ただ、通常の事業者はデータベースファイルを操作する必要は ないので、EXCEL があれば十分活用できるだろう。 (8)RISKOFDERM(EU) Eurofins が作成した作業環境における液・固体製品の経皮ばく露のリス ク評価、マネジメントのためのツール。プログラムをダウンロードしてパソ コンにインストールして使用する。 影響の程度と曝露の程度を評価する。化学物質の物性や毒性学の英文の 知識がないと、通常の事業者には難しいかもしれない。 横浜国立大学のサイトに日本語の簡単な解説書がある。 (9)WPEM(EPA) 家庭及び作業環境におけるロール塗り、ブラシ塗りによる壁塗装時に排 出される化学物質のばく露を推定するツール。EPA の WEB サイトからダ ウンロードして使用する。 横浜国立大学のサイトに日本語の簡単な解説書がある。 (10)その他 福井大学が、中災防の「実測値が無い場合のリスクレベル評価手順」に基 づき、簡便に化学物質使用のリスクレベルを算出するための HP を公開し ている。2015 年 11 月には BAuA の EMKG も利用できるようになってい る。 各種国際機関等による OEL 内外の公的な機関において、各種の職業ばく露限度(OEL)が公表されてい る。なお、我が国で最も重要な OEL は管理濃度であるが省略した。 管理濃度がない物質について、作業環境管理を行う場合は、必要に応じ、 TLV と許容濃度を用い、これらがない物質について MAK、WEL、SCOEL を 7 使用するとよいだろう。 8 (1)TLV:米国産業衛生専門家会議(ACGIH) ACGIH の TLV については、一覧表(英文)が pdf ファイルの形で一般 に公開されている。基本的に報告書等は有償ではあるが、一般の事業者には 必要はないだろう。なお、最新の変更に関する情報が物質名だけ公表されて いる。 (2)許容濃度:日本産業衛生学会 日本産業衛生学会の許容濃度は、同学会の WEB サイトに、最新版の一覧 表が pdf ファイルの形で公表されている。この表には、いつその許容濃度が 定められたかも記載されているので、最新の変更についても知ることがで きる。 また、提案理由書が物質ごとに公開されている。 (3)SCOEL:欧州委員会(職業暴露限界に関する科学委員会) 欧州委員会の SCOEL は一覧表(SCOEL Recommendations)が公開さ れている。 「SCOEL Recommendations」で検索することによって読み出す ことができ、ファイル上の化学物質の名称の左欄の番号をクリックするこ とにより、SCOEL 値を知ることができる。 (4)WEL:英国安全衛生庁(HSE) 英国安全衛生庁(HSE)の WEL 値の報告書は有償であるが、無償の一覧 表が pdf ファイルで公開されている。現時点では 2013 年3月版が最新であ る。WEL は有害物質管理規則(COSHH)において使用する職場ばく露限 界であり、法的な規制力を有するものである。 (5)MAK:ドイツ研究振興協会(DFG) ドイツ研究振興協会の MAK 値は、毎年一覧表が pdf ファイルの形で公 表される。このファイルは報告書の一部であるが、他の部分も DFG のサイ トから DL は可能である。 (6)PEL/REL 米国労働安全衛生局(OSHA)の PEL 値、及び米国労働安全衛生研究所 ( NIOSH ) の REL 値 は 、 NIOSH の NIOSH POCKET GUIDE TO CHEMICAL HAZARDS によって、調べることが可能である。 また、OSHA の WEB サイトからは、上記2つの OEL の他、カリフォル 9 ニア労働安全衛生局(Cal・OSHA)の PEL 値も調べることが可能である。 ・ P E L:permissible exposure limit ・ R E L:Recommended Exposure Limit 8 その他の有害性情報 (1)国際がん研究機関(IARC)によるモノグラム 国連の IARC による、さまざまな「もの」の発がん性に関する評価であ り、対象は化学物質に限られない。最近では一部の評価結果に批判もあるが、 現時点では最も信頼されている情報と言ってよい。 (2)欧州化学物質庁(ECHA)の Information on Chemicals ECHA の化学物質の情報サイトであり、CAS 番号で検索すると「RISK MANAGEMENT OPTION ANALYSIS CONCLUSION DOCUMENT」が ヒットする。 また、ECHA の最新のテクニカルレポートが一覧にまとめられて公表さ れている。 (3)CLP 規則による GHS 分類に関する情報 CLP 規則により、主に 1000 トン以上生産・輸入されている物質であっ て、十分な情報がある物質について、GHS 分類について登録された情報が 公開されている。ただ、複数の届出がある場合、統一されずに登録されてい るので、どれが正しいのかは自己責任で判断するしかない。 (4)米国衛生研究所(NIH)の Haz-Map 米国 NIH の化学物質の有害性に関する検索サイトである。職業病に関す る情報も充実している。 (5)WHO の国際化学物質簡潔評価文書(CICAD) WHO の評価文書の一覧表が公開されているサイトから個々の物質の評 価書を参照することができる。なお、国立医薬品食品衛生研究所のサイトか ら日本文を参照することができる。 (6)経済協力開発機構(OECD)の初期評価プロファイル(ITAP) OECD の初期評価プロファイルは、日本化学物質安全・情報センター (JETOC)が会員向け情報誌に掲載した日本語訳をそのサイトから参照す ることができる。 10 (7)オランダ国立公衆衛生環境研究所 (RIVM)の各種のドキュメント RIVM では、環境、消費者及び労働者に大きなリスクとなり得る化学物 質リスト、EU 域内における 47 の物質及び物質群の職業ばく露限界の概要、 労働環境中において曝露しやすい発がん性物質や混合物、曝露のプロセス などのリストなどを公表している。いずれもリンク先から pdf ファイルを ダウンロードできる。 (8)全米 AEGL 開発諮問委員会の AEGLs 全米AEGL開発諮問委員会によって策定される急性ばく露ガイドライン レベルである。この大きな特徴は、一つの化学物質に対して想定する健康 被害によって3つのレベル(AEGL-1、AEGL-2、AEGL-3)と、それぞれ 5つの曝露時間(10、30min、1、4、8hr)についてレベルが定められてい ることである。 物質リスト等は、EPAのサイトで公開されている。 また、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)のWEBサイトに日本語で一 覧表が公開されており、そこから各物質の情報を参照できる。なお、 AEGLの意味等については、国立医薬品食品衛生研究所のWEBサイトと、 横浜国大のWEBサイトに詳しい解説がある。 (9)NIOSH/OSHAの各種データ ア IDLH/PEL/REL NIOSHのIDLH(Immediately Dangerous to Life or Health)は急性 毒性に関するばく露限界値である。一覧表としては、「NIOSH POCKET GUIDE TO CHEMICAL HAZARDS」が公開されていて、 IDLHの他PELやRELが参照できる。ただしPDFファイルは2007年版が 最新である。 (10)米国NTPの各種データ ア RoC(Report on Carcinogens) 米国国家毒性プログラム(NTP)のRoCは第13報が最新版である。物 質数はそれほど多くはないが、重要な情報である。 イ その他 このほかNTPの情報としては、Short-term Toxicity Reports、LongTerm Study Reports & Abstractsが利用できる。 11 (11)米国カリフォルニア州Proposition 65 米国カリフォルニア州の情報で、化学物質を生殖毒性物質リスト/生殖 発達毒性リスト、発がん性物質リストとして公表している。リストは同州 のサイトからダウンロードできる。 (12)CASのサイト CASの一般のサイトである。CAS番号から物質名を検索することができ る。 この資料は「実務家のための産業保健のサイト」に掲示されています。よろしけ ればサイトの方にもご訪問ください。 12